JP2008266106A - セラミック焼成物およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】表層に安定した防水層を保有し、軽量性を維持し防水層形成材料の浸透に起因する不均一部分の形成も極めて少ないセラミック焼成物およびその製造方法を提供する。
【解決手段】セラミック焼成物は、実質的に開孔を持たない表面層3と、表面層に被包されるとともに、表面層の厚さより大きい厚さおよび表面層により外部に対して閉ざされた多数かつ微細な空隙部5を有する閉空隙部保有層4とを備えるセラミック焼成基材2と、セラミック焼成基材2の表面層3を被覆するように設けられた防水性被覆層6を備えている。
【選択図】図3

Description

本発明は、セラミック焼成物およびその製造方法に関する。
近年、セラミック多孔体は機能性材料として、高耐熱・軽量であることに加え、高透過率、大表面積、吸音、断熱性等のような特性を有しており、これらを利用した、フィルター、センサー、触媒、建材等に応用され、製品の種類や形状によって使い分けられている。
特に建材等に用いられる場合には、多孔成形による通気性、通液性及びそれによる汚れ易く清掃性に劣る欠点がある。そのため、セラミック多孔体の表層に釉薬を薄膜に被覆したものが提案されている(特開平1−212289号公報:特許文献1)。
このセラミック構造体によれば、従来のセラミックにない軽量性を有し、しかも気孔が微細であるため見かけは肌細かく、しかも多孔成形につきものの通気、通液性及び汚れ易いという欠点を有さず、壁材、装飾材料として好適である。
また、本件出願人は、特開平2001−261463号公報(特許文献2)および特開平2005−239471号公報(特許文献3)のセラミックス多孔体を提案している。これら、セラミック多孔体は、表面まで連通する多数の孔を有するものであり、表層に釉薬などの被覆を有するものではない。
特開平1−212289号公報 特開平2001−261463号公報 特開平2005−239471号公報
しかしながら、上記のセラミック構造体に用いられているセラミック多孔体では、多孔体の表層に多孔部が露出するために、液体の浸透が可能であり、表面に釉薬を塗布すると、釉薬が孔部内に入り込み、セラミック構造体の重量増加を招くものであった。また、釉薬の孔部内への侵入は、良好な表面形成の障害となるとともに、その塗布量(浸透量)のバラツキにより構造体中に不均一部分が形成されることになり、これに起因する、乾燥・焼成過程での割れなどを招く危険性があった。
本発明の目的は、表層に安定した防水層を保有し、かつ防水層形成材料のセラミック焼成基材内部への浸透が極めて少なく、軽量性を維持し防水層形成材料の浸透に起因する不均一部分の形成も極めて少ないセラミック焼成物およびその製造方法を提供するものである。
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1) 実質的に開孔を持たない表面層と、該表面層に被包されるとともに、前記表面層の厚さより大きい厚さおよび前記表面層により外部に対して閉ざされた多数かつ微細な空隙部を有する閉空隙部保有層とを備えるセラミック焼成基材と、該セラミック焼成基材の前記表面層を被覆するように設けられた防水性被覆層を備えるセラミック焼成物。
(2) 前記防水性被覆層は、釉薬焼成層、塗装層もしくはメッキ層である上記(1)に記載のセラミック焼成物。
(3) 前記セラミック焼成物は、容器である上記(1)または(2)に記載のセラミック焼成物。
(4) 前記セラミック焼成物は、食器である上記(1)または(2)に記載のセラミック焼成物。
(5) 前記セラミック焼成基材は、酸化物系セラミック含有材料を焼成したものである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のセラミック焼成物。
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(6) 気泡もしくは多孔化剤を含有し、さらに、成型用モノマーが添加されたセラミック材料スラリーを準備する工程と、成形用型内に前記スラリーを注入し、注入されたスラリーの外面全体を成型用枠内面に接触させることにより、前記スラリー外面層における前記気泡を消失もしくは前記多孔化剤を埋設させるキャスティング工程と、前記スラリーが固化した後、前記気泡もしくは前記多孔化剤が存在しない表層部が前記成型用枠内面に残留しないように前記成型用型内よりセラミック材料固化物を取り出す脱型工程と、該脱型工程により取り出された実質的に開孔を持たない表面層を有するセラミック材料固化物を焼成する工程と、該焼成が行われたセラミック焼成基材の表面に防水性被膜を形成する工程とを行うセラミック焼成物の製造方法。
(7) 前記脱型工程により取り出されたセラミック材料固化物は、前記表面層の厚さより大きい厚さおよび前記表面層により外部に対して閉ざされた多数かつ微細な空隙部を有する閉空隙部保有層とを備えるものである上記(6)に記載のセラミック焼成物の製造方法。
(8) 前記防水性被膜を形成する工程は、釉薬塗布および第2の焼成工程、塗装工程またはメッキ工程である上記(6)または(7)に記載のセラミック焼成物の製造方法。
(9) 前記セラミック焼成物の製造方法は、気泡もしくは多孔化剤を含有せず、かつ、成型用モノマーを含有するスラリー状の酸化物系セラミック表層用材料を準備する工程と、前記成型用枠内への前記スラリーの注入前に、前記成型用枠内面に前記スラリー状の酸化物系セラミック表層用材料の注入もしく塗布を行う工程が行われるものである上記(6)ないし(8)のいずれかに記載のセラミック焼成物の製造方法。
(10) 前記セラミック焼成物は、容器である上記(6)ないし(9)のいずれかに記載のセラミック焼成物の製造方法。
(11) 前記セラミック焼成物は、食器である上記(6)ないし(9)のいずれかに記載のセラミック焼成物の製造方法。
本発明のセラミック焼成物は、実質的に開孔を持たない表面層と、該表面層に被包されるとともに、前記表面層の厚さより大きい厚さおよび前記表面層により外部に対して閉ざされた多数かつ微細な空隙部を有する閉空隙部保有層とを備えるセラミック焼成基材と、該セラミック焼成基材の前記表面層を被覆するように設けられた防水性被覆層を備えている。
このため、セラミック焼成物は、軽量でありかつ表層に安定した防水層を保有し、かつ防水層形成材料のセラミック焼成基材内部への浸透が極めて少なく、かつ、実質的に開孔を持たない表面層と防水層を有することにより、十分な強度を保有する。
本発明のセラミック焼成物の製造方法は、気泡もしくは多孔化剤を含有し、さらに、成型用モノマーが添加された酸化物系セラミック材料スラリーを準備する工程と、成形用型内に前記スラリーを注入し、注入されたスラリーの外面全体を成型用型内面に接触させることにより、前記スラリー外面層における前記気泡を消失もしくは前記多孔化剤を埋設させるキャスティング工程と、前記スラリーが固化した後、前記成型用型内より取り出す脱型工程と、該脱型工程により取り出されたセラミック材料固化物を焼成する工程と、該焼成が行われたセラミック焼成基材の表面に防水性被膜を形成する工程とを備えている。
この製造方法によれば、キャスティング工程において、スラリーを成型用型内面に接触させることにより、スラリーが気泡を含有する場合にはその外面層における気泡が消失し、また、スラリーが多孔化剤を含有する場合には多孔化剤はスラリーにより被包されているため成型用型内面に直接接触せず埋設した状態となるので、上述した軽量でありかつ表層に安定した防水層を保有し、かつ防水層形成材料のセラミック焼成基材内部への浸透が極めて少なく、十分な強度も保有するセラミック焼成物を容易に製造することができる。
したがって、該セラミック成形体の表層は内部に気泡導入で形成される気孔に関係なく表面のきめが細かくなり、施す釉薬あるいは塗装、メッキ等の防水処理が、少ない量で安定してできるようになるとともに、該セラミック成形体の表層は気泡のない連続したセラミック面状態となり殻のように強くなり、防水処理と相乗効果で強度が大幅に改善される。
そして、本発明の製造方法は、いわゆるゲルキャスティング法によるものであり、中間成形物であるセラミック材料固化物は、スラリー中のモノマーがラジカル重合することより、型内でポリマーのネットワークが形成されたゲル湿潤成形体であるため、スラリーの流動過程と固化過程が完全に分離し、粒子がその場で固定されることにより、セラミック成形体中の不均一や欠陥が発生しにくく、一般的な加圧成形や鋳込み成形に対し十分に高い強度を得ることができるとともに、均一の組織となり、密度ばらつきも小さいため、複雑な形状でも対応でき、軽くて強度も高く、材質的にも耐熱性の高い高断熱のものを得ることができる。
図1は、本発明の実施例のセラミック焼成物の正面図である。図2は、図1に示したセラミック焼成物の断面図である。図3は、図2のA部分の拡大図である。
図4は、本発明の他の実施例のセラミック焼成物の断面図である。図5は、図4のB部分の拡大図である。図6は、本発明の他の実施例のセラミック焼成物の断面図である。
本発明のセラミック焼成物1は、図1ないし図3に示すように、実質的に開孔を持たない表面層3と、表面層に被包されるとともに、表面層の厚さより大きい厚さおよび表面層により外部に対して閉ざされた多数かつ微細な空隙部5を有する閉空隙部保有層4とを備えるセラミック焼成基材2と、セラミック焼成基材2の表面層3を被覆するように設けられた防水性被覆層6を備えている。
セラミック焼成基材2を構成するセラミックとしては、酸化物系セラミックが好適であり、特に、AlとSiOの混合酸化物もしくは複合酸化物が好ましい。また、AlとSiOの混合酸化物と複合酸化物の混合物を主成分とするものであってもよい。このようにAlとSiOの混合酸化物もしくは複合酸化物を主成分とすることにより、低膨張率の精度良いセラミック焼成基材を得ることができる。
セラミック焼成基材2は、図3に示すように、実質的に開孔を持たない表面層3と、表面層3に被包されるとともに、表面層の厚さより大きい厚さおよび表面層により外部に対して閉ざされた多数かつ微細な空隙部5を有する閉空隙部保有層4を備える。
閉空隙部保有層4は、十分な厚さを有し、セラミック焼成基材2の基本骨格を形成している。そして、閉空隙部保有層4には、図2に示すように、多数の独立した空隙部5(具体的には、気泡状空隙部)が形成されている。このため、セラミック焼成基材2は、比重が低く、軽量のものとなっている。
表面層3は、実質的に開孔を持たない薄い層となっている。この表面層3により、空隙部5は、外部に対して閉ざされたものとなっている。表面層3の厚さとしては、0.1〜1000μm程度が好適であり、好ましくは、10〜500μmである。
防水性被覆層6は、表面層3の表面に防水性を付与するとともに表面層を補強するためのものである。防水性被覆層6の厚さとしては、0.2〜2μm程度が好適である。防水性被覆層6としては、釉薬焼成層、塗装層もしくはメッキ層などが好ましい。特に、釉薬焼成層であることが好ましい。
釉薬焼成層に用いられる釉薬は、一般的なものでよく、例えば、フリット釉(具体的には、珪石、長石、カオリン等をアルカリの炭酸塩、硝酸塩、ホウ酸塩などとともに熔融ガラス化したものの粉砕物)が好適である。釉薬焼成層は、セラミック焼成基材2の釉薬を塗布した後、焼成することにより形成される。形成される釉薬焼成層は、ガラス質を形成した、防水性および補強効果を発揮する。
塗装層に用いられるものとしては、合成樹脂エマルジョンが好適である。合成樹脂エマルジョンとしては、アクリル系樹脂エマルジョン、酢酸ビニル系樹脂エマルジョン、塩化ビニル系樹脂エマルジョン、塩化ビニリデン系樹脂エマルジョン、スチレン・ブタジエン系樹脂エマルジョン、エポキシ系樹脂エマルジョンおよびアクリル酸エステルスチレン、エチレン、ビニルエステル、酢酸ビニル、合成ゴム等と共重合したものなどである。これらの共重合したものとしては例えばアクリル/酢酸ビニル共重合体、塩化ビニリデン/ブチルアクリレート共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
また、塗装層としては、メタロオーガニックペーストを使用するものであってもよい。メタロオーガニックペーストを塗布、焼成することにより塗装層を形成することができる。メタロオーガニックペーストでは、メタル成分である金属が有機高分子との化合物を形成しており、焼成時にミクロ的に有機高分子部分がガス化分解する。メタロオーガニックペーストの金属は、金、銀、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、銅、ニッケル、クロム、ビスマス、鉛、ケイ素、バナジウム、ランタン、カルシウム、亜鉛、チタン、タングステン、モリブデン、マンガン、鉄、アルミニウム、ジルコニウム、イットリウム、バリウム、スズ、インジウムから選ばれた1種以上を使用することができる。
また、メッキ層は、無電解メッキなどにより形成される。
そして、本発明のセラミック焼成物は、十分な厚さを有する閉空隙部保有層を備えるセラミック焼成基材2により構成されているため、厚さに比して軽量であり、かつ、セラミック焼成基材2の実質的に開孔を持たない表面層3と、表面層3を被包する防水性被覆層6を備えるため、成形物内部への液体の浸透もない。よって、本発明のセラミック焼成物は、各種の容器(例えば、花器、植木鉢)、食器(例えば、皿、茶碗、コップ)などに有効であり、さらには、建築材料(例えば、外壁材)にも使用可能である。
また、本発明のセラミック焼成物としては、図4および図5に示すようになものであってもよい。このセラミック焼成物1aは、上述したセラミック焼成物1と基本構成は同じであり、相違は、セラミック焼成基材2aは、セラミック焼成基材2aの底部(高台部分)が、所定厚さの実質的に開孔を持たない無孔層7により構成されている点のみである。このようにすることにより、施釉の困難であるセラミック焼成物1aの底部(高台部分)の防水性を高いものとすることができる。
また、本発明のセラミック焼成物としては、図6に示すようになものであってもよい。このセラミック焼成物1bは、上述したセラミック焼成物1と基本構成は同じであり、セラミック焼成基材2bは、実質的に開孔を持たない表面層が、所定厚さの実質的に開孔を持たない無孔層7により構成されている点のみである。このようにすることにより、セラミック焼成基材2bの全面に釉薬浸透阻害性を付与することができる。
次に、本発明のセラミック焼成物の製造方法について説明する。
図7は、本発明のセラミック焼成物の製造に使用される成形型の断面図である。図8および図9は、本発明の実施例のセラミック焼成物の製造方法を説明するための説明図である。図10ないし図12は、本発明の他の実施例のセラミック焼成物の製造方法を説明するための説明図である。図13ないし図15は、本発明の他の実施例のセラミック焼成物の製造方法を説明するための説明図である。
本発明のセラミック焼成物の製造方法は、気泡もしくは多孔化剤を含有し、さらに、成型用モノマーが添加されたセラミック材料スラリーを準備する工程と、成形用型内に前記スラリーを注入し、注入されたスラリーの外面全体を成型用型内面に接触させることにより、スラリー外面層における気泡を消失もしくは多孔化剤を埋設させるキャスティング工程と、セラミック材料スラリーが固化した後、気泡もしくは多孔化剤が存在しない表層部が成型用型内面に残留しないように成型用型内よりセラミック材料固化物を取り出す脱型工程と、脱型工程により取り出された実質的に開孔を持たない表層部を有するセラミック材料固化物を焼成する工程と、焼成が行われたセラミック焼成基材の表面に防水性被膜を形成する工程とを行うものである。
そして、脱型工程により取り出されたセラミック材料固化物は、表面層の厚さより大きい厚さおよび表面層により外部に対して閉ざされた多数かつ微細な空隙部を有する閉空隙部保有層とを備える。
気泡含有セラミック材料スラリー調製工程について説明する。
気泡含有セラミック材料スラリー調製工程は、セラミック材料粉末と水及び/もしくは有機溶媒とを混合してセラミックスラリーを調製する工程と、ゲル化剤を用いて上記のセラミックスラリーをゲルキャスティングスラリーに調製する工程と、ゲルキャスティングスラリーに起泡剤を添加するとともに気泡を導入する気泡導入工程とを行うものである。
セラミックスラリー調製工程は、非酸化物系セラミック材料、酸化物系セラミック材料、水を混合することにより行われる。セラミックスラリー調製工程は、必要に応じて分散剤を用いてもよく、また、セラミック材料の粉砕を伴ってもよい。
非酸化物系セラミック材料としては、炭化ケイ素粉が好適である。混合は、炭化ケイ素粉末等を粉砕しながら行われることが好ましい。セラミック材料粉末中には、炭化ケイ素は、65重量%〜85重量%混合されている。炭化ケイ素粉末含有量が65重量%〜85重量%であれば、酸化焼成による膨張効果を十分に得ることができ成形用型に対するセラミックス多孔体の寸法変化率が十分に小さくなる。言い換えると、成形用型に対するセラミックス多孔体の寸法精度が高くなる。一方、炭化ケイ素が65重量%より少ない場合は、酸化焼成による膨張効果を十分に得ることができず寸法変化率が十分に小さくならないと考えられる。また、炭化ケイ素が、85重量%を超える場合は、酸化焼成による膨張効果を十分に得ることができるが焼成物がクラッキングするおそれがある。
酸化物系セラミックス材料としては、例えば、アルミナ、珪石、ムライト、コーディエライト、粘土鉱物、ジルコニア、長石、陶石、ガラス等を使用することが好ましい。また、酸化物系セラミックス材料としては、Al及びSiOの混合酸化物もしくは/及び複合酸化物を主成分とするものであることが好ましい。酸化物系セラミックス材料としては、特に、アルミナ及び粘土鉱物であることが好ましい。粘土鉱物としては、木節粘土であることが好ましい。なお、酸化物系セラミックス材料としては、酸化焼成下、収縮挙動を伴いながら相互に焼き付く性質のあるものであることが好ましい。
また、スラリー調製工程は、65重量%〜85重量%の炭化ケイ素と、35重量%〜15重量%の酸化物系セラミックス材料からなるセラミック材料粉末を用いるものであることが好ましい。このような配合比でスラリーを調製すれば、酸化焼成による膨張効果を十分に得ることができ、特に、成形用型に対するセラミックス多孔体の寸法変化率が小さくなる。言い換えると、成形用型に対するセラミックス多孔体の寸法精度が高くなる。
本発明の実施例に使用される炭化ケイ素粉末としては、平均粒径が、0.1〜10μm、特に、1〜3μmのものを使用することが好ましい。酸化物系セラミックス材料粉末としては、平均粒径が、1〜5μmのものを使用することが好ましい。粉砕は、炭化ケイ素の平均粒径が、1〜20μm程度になるまで行うことが好ましい。粉砕は、ポットミル、ボールミル等により行われることが好ましい。
炭化ケイ素粉末、酸化物系セラミックス材料粉末を混濁する媒体としては、水及び/もしくは有機溶媒が使用される。好ましくは、水である。有機溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール類等を使用することが好ましい。また、セラミックススラリー中には、セラミックス粉末を均一に含有させるため、分散剤を加えてもよい。分散剤としては、公知の分散剤が使用される。例えば、ポリカルボン酸系分散剤、具体的には、ポリカルボン酸アンモニウム、ポリカルボン酸ナトリウムが使用できる。
水及び/もしくは有機溶媒は、セラミックス材料粉末100重量部に対して、25〜40重量部、特に、30〜35重量部加えられることが好ましい。
そして、ゲル化剤を用いて上記のセラミックスラリーをゲルキャスティングスラリーに調製する工程を行う。
成型用モノマーであるゲル化剤としては、合成樹脂もしくは天然高分子等を用いることができる。
合成樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれを使用することができ、特に、熱硬化性樹脂を使用することが好ましい。熱硬化性樹脂としては、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を使用することが好ましく、特に、メタクリルアミド(有機モノマー)とメチレンビスアクリルアミド(架橋剤)を使用することが好ましい。熱可塑性樹脂としては、ビニル系樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂等が好ましく、特に、ポリビニルアルコール等が好ましい。また、天然高分子としては、セルロース、メチルセルロース、卵蛋白、でんぷん、寒天等の天然多糖類などが好ましく、特に、メチルセルロースであることが好ましい。ゲル化剤としては、特に、ラジカル重合性有機モノマー(メタクリルアミド、アクリル酸、ジメチルアミノエチルメタクリレート、メトキシポリモノメタアクリレート、メタアクリル酸、n−ビニルピロリドンなどの一官能基モノマー、また、ジメチルテトラジアミン、N,N'−メチレンビスアクリルアミド、ポリジメチルアクリレート、トリアリルアミンなどの二官能基モノマー)が使用できる。特に、N,N'−メチレンビスアクリルアミドであることが好ましい。ゲル化剤としては、非酸化物系セラミック材料、酸化物系セラミックス材料の粉末を分散してゲル化可能であるとともに、焼成工程において分解され気化するものであればいかなるものであってもよい。ゲル化剤は、セラミックス材料粉末100重量部に対して、5〜20重量部、特に、10〜15重量部加えられることが好ましい。また、スラリーには、公知の潤滑剤及び増粘剤を添加してもよい。
また、スラリー調製後もしくはスラリー調製工程中において減圧脱気することが好ましい。
次に、スラリーに起泡剤を添加するとともに気泡を導入する気泡導入工程について説明する。
実施例の気泡導入工程は、スラリーに起泡剤を添加して攪拌することにより行われる。起泡剤としては、界面活性剤、タンパク質系起泡剤等であることが好ましい。界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸等の陰イオン界面活性剤や、高級アルキルアミノ酸等の陽イオン界面活性剤等を使用することが好ましい。界面活性剤を添加して激しく攪拌することによりスラリー中には気泡が形成される。攪拌は、窒素雰囲気化にて行うことが好ましい。具体的に、最終的な気泡導入量が20〜70%となるようにスラリーをビーカーに入れ、開始剤、触媒、界面活性剤を所定量添加し、窒素雰囲気中で、ダブルロールミキサーにより、1〜5分攪拌することが好ましい。気泡導入工程によりスラリー中に導入された気泡は、成形工程、乾燥工程、焼成工程後に、図3に示すように複数の気孔5となる。
また、気泡導入工程では、ゲル化促進剤を添加することが好ましい。ゲル化促進剤としては、テトラメチルエチルジアミン、過酸化水素化合物、アゾあるいはジアゾ化合物等、特に、テトラメチルエチルジアミンを使用することが好ましい。
また、気泡導入工程では、ゲル化剤として有機モノマー等のように重合に開始剤が必要なものを使用している場合には、重合開始剤が添加される。開始剤としては、過硫酸ソーダ、過硫酸アンモニウム等、特に、過硫酸アンモニウムを使用することが好ましい。ゲル化剤の種類にもよるが、ゲル化促進剤及び開始剤は、界面活性剤を添加する際にスラリーに添加してもよい。
なお、気泡導入工程は、スラリーに界面活性剤を添加して攪拌することにより行うことことが好ましいが、これに限定されるものではなく、例えば、スラリー中に窒素ガス等の不活性ガスを直接送り込みスラリー中に気泡を導入してもよい。
気泡導入工程においてスラリー中に形成される気泡の導入量や気泡の径は、界面活性剤の添加量、スラリーの粘度、攪拌の強度等により調製される。
なお、気泡含有セラミック材料スラリーを準備する代わりに、多孔化剤含有セラミック材料スラリーを準備してもよい。この場合、気泡導入工程は、行われず、上述したスラリー調製工程を行った後、調製スラリーへの多孔化剤添加工程が行われる。多孔化剤は、焼成処理温度でガス化消失することにより焼成体中に気孔を残すものであり、例えば、ポリビニルアルコール樹脂(PVA),アクリル樹脂、セルロースなどの粉末もしくは粒状物等が挙げられる。多孔化剤の粒度及びセラミック材料スラリーに占める配合割合は、形成しようとする多孔質部位の気孔径分布及び気孔率に応じて調製される。
次に、上記のように調製されたスラリー(気泡もしくは多孔化剤含有)を成形用型内に注入して成形する成形工程について説明する。本発明において成形工程は、ゲルキャスティング法により行われる。
そして、このキャスティング工程は、注入されたスラリーの外面全体を成型用型内面に接触させることにより、スラリー外面層における気泡を消失もしくは多孔化剤を埋設させるように行う。
この工程では、例えば、図7に示すような成型用型10が使用される。成型用型10は、下部側型11と、この下部側型11内に挿入可能な上部側型12を備えている。下部側型11は、成形対象物の下部外面形状に対応した内面形状を備えている。上部側型12は、成形対象物の上部外面形状に対応した内面形状を備えている。さらに、上部側型12には、型形状部の最上部と連通する脱気孔13a,13bを備えている。
そして、図8に示すように、下部側型11内に所定量の調製スラリー14が注入される。そして、気泡含有スラリーの場合には、下部側型11の内面に接触することにより、外面部(周縁層)における気泡は消失する。また、多孔化剤含有スラリーの場合には、スラリーに被覆された状態の多孔化剤は、下部側型11の内面に直接接触しないため、埋設した状態となる。
そして、図9に示すように、スラリーが注入された下部側型11の上方より、上部側型12を侵入させるとともに、上部側型12により、スラリーを押圧し、スラリーの上面部を上部側型12の下面(型面)に密着させる。なお、スラリーと上部側型12内の空気は、脱気孔13a,13bより排出される。
そして、注入されているスラリーが、気泡含有スラリーの場合には、上部側型12の底面に接触する部分では、その上面部(周縁層)における気泡は消失し、注入されているスラリーが、多孔化剤含有スラリーの場合には、スラリーに被覆された状態の多孔化剤は、上部側型12の底面に直接接触しないため、埋設した状態となる。
このようにして、注入されたスラリーの外面全体を成型用型内面に接触させることにより、スラリー外面層における気泡を消失もしくは多孔化剤を埋設させる。そして、一定時間が経過してスラリーをゲル化(固化)させる。
次に、成型用型内よりセラミック材料固化物を取り出す脱型工程を行う。
この脱型工程では、気泡もしくは多孔化剤が存在しない表層部が成型用型内面に残留しないように成型用型内よりセラミック材料固化物を取り出す。
このようにして、気泡もしくは多孔化剤が存在しない表層部と、表層部に被包されるとともに、表層部の厚さより大きい厚さを有する気泡もしくは多孔化剤含有層を備えるセラミック材料固化物が得られる。
次に、脱型工程により取り出された実質的に開孔を持たない表層部を有するセラミック材料固化物を焼成する工程が行われる。
なお、この焼成工程の前に、セラミック材料固化物の乾燥工程を行うことが好ましい。乾燥工程において成形物の寸法は、乾燥前成形物の寸法(成型用型の寸法)より収縮する。成形用型から取り出された成形物は、湿度調整しながら乾燥されることが好ましい。乾燥温度としては、15〜50℃、特に、25〜40℃であることが好ましい。また、乾燥工程の湿度としては、0〜100%、特に、40〜95%であることが好ましい。乾燥時間としては、40〜100hrであることが好ましい。
焼成工程は、乾燥成形物を大気雰囲気下にて焼成する、酸化焼成を行うことが好ましい。焼成温度は、セラミックス材料の融点より低い温度で行われる。具体的に、焼成温度は、1000℃〜1600℃、特に、1200℃〜1400℃で行うことが好ましい。焼成時間は、1.5〜2.5hrであることが好ましい。焼成することにより、上述したセラミック材料以外は、気化し、実質的に開孔を持たない表面層と、表面層に被包されるとともに、表面層の厚さより大きい厚さおよび表面層により外部に対して閉ざされた多数かつ微細な空隙部を有する閉空隙部保有層とを備えるセラミック焼成基材が得られる。
また、酸化焼成を行うことにより、炭化ケイ素粒子は酸化され、炭化ケイ素の表面に酸化ケイ素が形成される。そして、炭化ケイ素、酸化ケイ素は、酸化物系セラミックス材料を焼結助剤として焼結され、セラミックスマトリックスを構成する。そして、酸化ケイ素が炭化ケイ素粒子の周囲に生成されることにより、酸化ケイ素を含む炭化ケイ素部分の体積は焼成前の炭化ケイ素単体の体積より増加し、酸化焼成された酸化物系セラミックス材料部分の体積は、酸化焼成前の酸化物系セラミックス材料の体積より減少する。そして、焼成工程において、セラミック焼成物1の体積は、全体として、乾燥させた成形物の体積より増加する。
次に、焼成が行われたセラミック焼成基材の表面に防水性被膜を形成する工程が行われる。
防水性被膜を形成する工程として、釉薬塗布および第2の焼成工程、塗装工程またはメッキ工程のいずれかが行われる。
釉薬塗布および第2の焼成工程を行う場合について説明する。
この工程では、上記の焼成工程により得られた、実質的に開孔を持たない表面層と、表面層に被包されるとともに、表面層の厚さより大きい厚さおよび表面層により外部に対して閉ざされた多数かつ微細な空隙部を有する閉空隙部保有層とを備えるセラミック焼成基材の表面層のほぼ全体に釉薬を塗布し、再度焼成を行う。
使用する釉薬は、一般的なものでよく、例えば、フリット釉(具体的には、珪石、長石、カオリン等をアルカリの炭酸塩、硝酸塩、ホウ酸塩などとともに熔融ガラス化したものの粉砕物)が好適である。そして、セラミック焼成基材の表面層のほぼ全体に上記の釉薬を施釉し、800〜1200℃程度の温度で焼成する。これにより、再焼成された成型物の表面は、釉薬の成分のガラス質で覆われる。
また、防水性被膜を形成する工程は、塗装工程であってもよい。
塗装工程は、塗装剤を塗布し乾燥することにより行われる。塗装剤としては、合成樹脂エマルジョンが好適である。合成樹脂エマルジョンとしては、アクリル系樹脂エマルジョン、酢酸ビニル系樹脂エマルジョン、塩化ビニル系樹脂エマルジョン、塩化ビニリデン系樹脂エマルジョン、スチレン・ブタジエン系樹脂エマルジョン、エポキシ系樹脂エマルジョンおよびアクリル酸エステルスチレン、エチレン、ビニルエステル、酢酸ビニル、合成ゴム等と共重合したものなどである。これらの共重合したものとしては例えばアクリル/酢酸ビニル共重合体、塩化ビニリデン/ブチルアクリレート共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
また、塗装剤としては、メタロオーガニックペーストを使用するものであってもよい。メタロオーガニックペーストを使用する場合には、塗布および焼成する。メタロオーガニックペーストでは、メタル成分である金属が有機高分子との化合物を形成しており、焼成時にミクロ的に有機高分子部分がガス化分解する。メタロオーガニックペーストの金属は、金、銀、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、銅、ニッケル、クロム、ビスマス、鉛、ケイ素、バナジウム、ランタン、カルシウム、亜鉛、チタン、タングステン、モリブデン、マンガン、鉄、アルミニウム、ジルコニウム、イットリウム、バリウム、スズ、インジウムから選ばれた1種以上を使用することができる。
また、メッキ層は、無電解メッキなどにより形成される。
本発明の製造方法により製造されるセラミック焼成物は、表面が防水層となっているため、内部への水分の浸透が阻害されるとともに、汚れが付きにくくでき、軽く、十分な強度を有し、かつ、耐熱性にも優れたものとなる。特に、器状、具体的には、容器、食器に応用すると、従来の容器、食器では得られない、軽いものとなり、力の弱い高齢者や病人に使い勝手のよいものとなる。
なお、本発明のセラミック焼成物の製造方法おいて、気泡および多孔化剤を含有せず、かつ、成型用モノマーを含有するスラリー状の酸化物系セラミック表層用材料を準備する工程と、成型用型内への気泡もしくは多孔化剤含有スラリーの注入前に、成型用型内に気泡および多孔化剤非含有の酸化物系セラミック表層用材料の注入もしく成型用型内面に気泡および多孔化剤非含有の酸化物系セラミック表層用材料の塗布を行う工程が行われるものであってもよい。
酸化物系セラミック表層用材料としては、セラミック材料粉末と水及び/もしくは有機溶媒と、ゲル化剤を用いて調製されたスラリーを用いることが好ましい。セラミック材料粉末(炭化ケイ素、酸化物系セラミック)、溶媒、ゲル化剤としては、上述したものが好適である。特に、酸化物系セラミック表層用材料としては、上述した気泡剤および気泡導入前のスラリーと同じものを用いることが好ましい。
この実施例では、成型用型内への気泡もしくは多孔化剤含有スラリーの注入前に、成型用型内面に気泡および多孔化剤非含有の酸化物系セラミック表層用材料の注入が行われる。
具体的には、図10に示すように、下部側型11内の凹部に所定量のセラミック表層用材料15が注入される。続いて、図11に示すように、下部側型11内に所定量の気泡もしくは多孔化剤含有スラリー14が注入される。そして、気泡含有スラリーの場合には、下部側型11の内面に接触することにより、外面部(周縁層)における気泡は消失する。また、多孔化剤含有スラリーの場合には、スラリーに被覆された状態の多孔化剤は、下部側型11の内面に直接接触しないため、埋設した状態となる。
そして、図12に示すように、スラリーが注入された下部側型11の上方より、上部側型12を侵入させるとともに、上部側型12により、スラリーを押圧し、スラリーの上面部を上部側型12の下面(型面)に密着させる。なお、スラリーと上部側型12内の空気は、脱気孔13a,13bより排出される。
このようにすることにより、形成されるセラミック材料固化物の底部は、気泡および多孔化剤を含有しないセラミック材料より構成されるため、焼成後において高い防水性を発揮する。
また、成型用型内への気泡もしくは多孔化剤含有スラリーの注入前に、成型用型内面に気泡および多孔化剤非含有の酸化物系セラミック表層用材料の塗布を行うものとしてもよい。セラミック表層用材料としては、上述したものが好適に使用できる。
具体的には、図13に示すように、上部側型12に底面(内面)にセラミック表層用材料16が塗布されるとともに、図14に示すように、下部側型11の成形部位の内面にも、セラミック表層用材料17が塗布される。そして、図15に示すように、下部側型11内に所定量の気泡もしくは多孔化剤含有スラリー14が注入され、さらに、スラリーが注入された下部側型11の上方より、上部側型12を侵入させるとともに、上部側型12により、スラリーを押圧し、スラリーの上面部を上部側型12の下面(型面)に密着させる。なお、スラリーと上部側型12内の空気は、脱気孔13a,13bより排出される。
このようにすることにより、形成されるセラミック材料固化物の外面全体は、気泡および多孔化剤を含有しないセラミック材料より構成されるため、実質的に細孔を備えずかつ所定の厚さを有する表面層が確実に形成されるため、それ自体高い防水性を備えるとともに、釉薬浸透阻害性を発揮する。
図1は、本発明の実施例のセラミック焼成物の正面図である。 図2は、図1に示したセラミック焼成物の断面図である。 図3は、図2のA部分の拡大図である。 図4は、本発明の他の実施例のセラミック焼成物の断面図である。 図5は、図4のB部分の拡大図である。 図6は、本発明の他の実施例のセラミック焼成物の断面図である。 図7は、本発明のセラミック焼成物の製造に使用される成形型の断面図である。 図8は、本発明の実施例のセラミック焼成物の製造方法を説明するための説明図である。 図9は、本発明の実施例のセラミック焼成物の製造方法を説明するための説明図である。 図10は、本発明の他の実施例のセラミック焼成物の製造方法を説明するための説明図である。 図11は、本発明の他の実施例のセラミック焼成物の製造方法を説明するための説明図である。 図12は、本発明の他の実施例のセラミック焼成物の製造方法を説明するための説明図である。 図13は、本発明の他の実施例のセラミック焼成物の製造方法を説明するための説明図である。 図14は、本発明の他の実施例のセラミック焼成物の製造方法を説明するための説明図である。 図15は、本発明の他の実施例のセラミック焼成物の製造方法を説明するための説明図である。
符号の説明
1,1a,1b セラミック焼成物
2 セラミック焼成基材
3 表面層
4 閉空隙部保有層
6 防水性被覆層
10 成型用型
11 下部側型
12 上部側型

Claims (11)

  1. 実質的に開孔を持たない表面層と、該表面層に被包されるとともに、前記表面層の厚さより大きい厚さおよび前記表面層により外部に対して閉ざされた多数かつ微細な空隙部を有する閉空隙部保有層とを備えるセラミック焼成基材と、該セラミック焼成基材の前記表面層を被覆するように設けられた防水性被覆層を備えることを特徴とするセラミック焼成物。
  2. 前記防水性被覆層は、釉薬焼成層、塗装層もしくはメッキ層である請求項1に記載のセラミック焼成物。
  3. 前記セラミック焼成物は、容器である請求項1または2に記載のセラミック焼成物。
  4. 前記セラミック焼成物は、食器である請求項1または2に記載のセラミック焼成物。
  5. 前記セラミック焼成基材は、酸化物系セラミック含有材料を焼成したものである請求項1ないし4のいずれかに記載のセラミック焼成物。
  6. 気泡もしくは多孔化剤を含有し、さらに、成型用モノマーが添加されたセラミック材料スラリーを準備する工程と、成形用型内に前記スラリーを注入し、注入されたスラリーの外面全体を成型用枠内面に接触させることにより、前記スラリー外面層における前記気泡を消失もしくは前記多孔化剤を埋設させるキャスティング工程と、前記スラリーが固化した後、前記気泡もしくは前記多孔化剤が存在しない表層部が前記成型用枠内面に残留しないように前記成型用型内よりセラミック材料固化物を取り出す脱型工程と、該脱型工程により取り出された実質的に開孔を持たない表面層を有するセラミック材料固化物を焼成する工程と、該焼成が行われたセラミック焼成基材の表面に防水性被膜を形成する工程とを行うことを特徴とするセラミック焼成物の製造方法。
  7. 前記脱型工程により取り出されたセラミック材料固化物は、前記表面層の厚さより大きい厚さおよび前記表面層により外部に対して閉ざされた多数かつ微細な空隙部を有する閉空隙部保有層とを備えるものである請求項6に記載のセラミック焼成物の製造方法。
  8. 前記防水性被膜を形成する工程は、釉薬塗布および第2の焼成工程、塗装工程またはメッキ工程である請求項6または7に記載のセラミック焼成物の製造方法。
  9. 前記セラミック焼成物の製造方法は、気泡もしくは多孔化剤を含有せず、かつ、成型用モノマーを含有するスラリー状の酸化物系セラミック表層用材料を準備する工程と、前記成型用枠内への前記スラリーの注入前に、前記成型用枠内面に前記スラリー状の酸化物系セラミック表層用材料の注入もしく塗布を行う工程が行われるものである請求項6ないし8のいずれかに記載のセラミック焼成物の製造方法。
  10. 前記セラミック焼成物は、容器である請求項6ないし9のいずれかに記載のセラミック焼成物の製造方法。
  11. 前記セラミック焼成物は、食器である請求項6ないし9のいずれかに記載のセラミック焼成物の製造方法。
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