JP2003137670A - 連孔多孔質体およびその製造方法 - Google Patents

連孔多孔質体およびその製造方法

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pore
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Toshiyuki Koyama
利幸 小山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工程の煩雑さを招くことなく表面から内部に
連続的に気孔が存在する微構造を有する連孔多孔体およ
びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 型枠内のキャビティの表面に消失して気
孔を形成する成分を配してからキャビティ内にゲルキャ
スティングスラリーを流し込んで成形し、得られた成形
体を焼成することにより、非加工状態で表面から内部に
至る領域で気孔が連続した微構造を有する連孔多孔質体
を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体フィルター、
触媒担体、燃料電池用電極材として用いられる連孔多孔
質体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】連孔多孔質体とは、その構造中に分布す
る個々の気孔が互いに繋がっているものであり、例えば
断熱材として多用されるような独立気孔多孔質体とは区
別される。このような連孔多孔質体の用途としては、流
体フィルター、触媒担体や燃料電池用電極材などが挙げ
られる。
【0003】このような連孔多孔質体を製造する方法と
してはゲルキャスティングを利用する方法が知られてい
る。ゲルキャスティングは、加熱や紫外線照射などの刺
激によって効果するバインダ成分を含む湿式スラリー
を、分散媒を吸収しない型枠内に形成したキャビティ内
に流し込み、加熱するなどの方法で上記バインダ成分を
硬化させてスラリーを固化させる方法であり、具体的に
は、以下に示すようなものが挙げられる。
【0004】まず、キャビティ内に予め樹脂ビーズを充
填しておき、それらビーズを圧縮・接触させた状態で溶
剤を流し込んで溶解・結着させた後に、スラリーを流し
込んで固化させる。ここで溶剤を再び流し込んでビーズ
を溶出させる。残った固化体を乾燥・焼成することで、
固化体全体に均一に気孔が分布した連孔多孔質体を得
る。
【0005】しかしながら、上記のような方法で作製し
た成形体を焼成して得られる多孔体の表面においては、
その内部よりも気孔率が低くなることがあり、その傾向
は特に数ミクロン以上の粒径となる樹脂ビーズやカーボ
ンビーズなどの粗大な気孔形成材を用いた場合に顕著と
なる。この原因は、キャビティ内において上記気孔形成
材がスラリー表面に露出していないためであると考えら
れる。これは、これら気孔形成材がスラリー中に分散し
て、表面全体がスラリーに覆われていることを反映して
いる結果であると推察できる。こうした場合、成形体な
いしは焼成体に対して表面加工を施して内部に存在する
気孔を露出させる必要があり、工程が煩雑となる。
【0006】一方、連孔多孔質体の用途によっては気孔
径が分布していることが必要となる。例えば燃料電池の
電極材として使用する場合には、流体透過量が大きく、
かつ表面に大きな気孔が存在しないことが挙げられる。
すなわち、燃料電池用電極材に適した構造は、成膜する
側には大きな気孔が存在せず、その反対側には流体透過
量が大きくなるように大きな気孔が存在するような傾斜
気孔径分布を有する多孔質体である。しかしながら、上
記従来技術では、キャビティ内でビーズを均一に存在さ
せることから、気孔が均一に分布するため、このような
要件を満たすことが困難である。すなわち、比較的大き
な気孔が至るところに分布しているのであれば、流体流
量は大きいものの、その表面上に成膜する電解質膜のポ
アの原因となる。これは粒径の異なるビーズを併用した
場合でも同様である。逆に比較的小さな気孔が均一に分
布している場合、その表面上に形成する電解質膜のポア
は発生しにくくなるが、流体透過量が小さくなるので材
厚を薄くする必要があり、これによって破壊応力が低下
するなどの問題がある。
【0007】このような問題を解決するために、最終的
に異なる気孔率を有する多孔質体を生じるように原料・
配合を調整した2種類の坏土を積層押出成形する方法も
提案されている(特許2802196号)。しかしなが
ら、このような積層体では不連続面が生じることから、
剥離などにより強度が低下するなどの問題がある。
【0008】これらの問題を解決する技術として、特開
2000−272980公報に開示された技術が知られ
ている。この技術は、キャビティ内にゲルキャスティン
グスラリーを流し込んで固化体を形成する際に、キャビ
ティ内の所望の位置に、1または気孔径の異なる2以上
の、連通気孔を有する樹脂多孔質体を配置し、形成され
た固化体から前記樹脂多孔質体を焼失させ、気孔径分布
および/または気孔率が互いに異なる複数の部位を有
し、かつその少なくとも一つの部位の気孔が連通気孔で
ある多孔質体を得るものである。
【0009】しかしながら、このように気孔径分布およ
び/または気孔率が互いに異なる複数の部位を有する連
孔多孔質体が得られても、やはり成形体ないしは焼成体
に対して表面加工を施して内部に存在する気孔を露出さ
せる必要があり、上記問題点は解消されていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる事情に
鑑みてなされたものであって、工程の煩雑さを招くこと
なく表面から内部に連続的に気孔が存在する微構造を有
する連孔多孔体およびその製造方法を提供することを目
的とする。また、工程の煩雑さを招くことなく、多段階
の気孔径分布および/または気孔率を有し、表面から内
部に連続的に気孔が存在する微構造を有する連孔多孔体
およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、第1発明は、非加工状態で表面から内部に至る領域
で気孔が連続した微構造を有することを特徴とする連孔
多孔質体を提供する。
【0012】第2発明は、全体が均質な材料からなり、
気孔径分布および/または気孔率が互いに異なる複数の
部位を有し、かつその少なくとも一つの部位は連通気孔
を有し、該連通気孔を有する部位は、非加工状態で表面
から内部に至る領域で気孔が連続した微構造を有するす
ることを特徴とする連孔多孔質体を提供する。
【0013】第3発明は、型枠内のキャビティの表面に
消失して気孔を形成する成分を配してからキャビティ内
にゲルキャスティングスラリーを流し込んで成形し、得
られた成形体を焼成することを特徴とする連孔多孔質体
の製造方法を提供する。
【0014】第4発明は、型枠内のキャビティの表面に
消失して気孔を形成する成分を配し、かつ該キャビティ
内の所望の位置に、1または気孔径の異なる2以上の、
連通気孔を有する樹脂多孔質体を配置し、該キャビティ
内にゲルキャスティングスラリーを流し込んで成形し、
得られた成形体から前記樹脂多孔質体を焼失させ、気孔
径分布および/または気孔率が互いに異なる複数の部位
を有し、かつその少なくとも一つの部位は連通気孔を有
する多孔質体を得ることを特徴とする連孔多孔質体の製
造方法を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。本発明の連孔多孔質体は、全体が均質な材料か
らなるものを前提とし、非加工状態で表面から内部に至
る領域で気孔が連続した微構造を有する。このような連
孔多孔質体は、型枠内のキャビティの表面に消失して気
孔を形成する成分を配してからキャビティ内にゲルキャ
スティングスラリーを流し込んで成形し、得られた成形
体を焼成することによって得られる。これにより、工程
の煩雑さを招くことなく表面から内部に連続的に気孔が
存在する微構造を有する連孔多孔体を得ることができ
る。
【0016】ここで、このようにゲルキャスティングを
使用するのは、キャビティ内にスラリーを流し込んだ
後、そのままの状態で固化させることができるからであ
り、また、キャビティ内のスラリーを流し込んだ後、重
力・浮力の効果を利用して、成分の分布を連続的に変化
する所望の状態として固化させることができるからであ
る。
【0017】ゲルキャスティングに用いるスラリーは、
所定のセラミックス材料または金属材料に、水および所
定のゲル化剤、分散媒等を混合することにより得ること
ができる。セラミック材料および金属材料は、特に限定
されず、キャスティング可能なものであれば全て使用可
能である。また、ゲル化剤としては、例えば水溶性エポ
キシ系樹脂等を用いることができる。そして、多孔質体
を得るために、上記の他に焼失により気孔を形成するこ
とを目的とする気孔形成材を配合する。このような気孔
形成材としては、樹脂ビーズ、澱粉、カーボン等が挙げ
られる。また、ゲル化剤を成形に要する量よりも多く添
加して気孔形成材として機能させることもでき、このゲ
ル化剤を焼失させることによっても所定の気孔を形成す
ることができる。
【0018】気孔形成材として樹脂ビーズや澱粉を使用
した場合、これらが球状あるいは塊状であることから、
生成する気孔の形状も球状に近くなり、また、気孔径は
比較的大きくなる。一方、気孔形成材としてカーボンを
用いる場合や、ゲル化剤を過剰に添加する場合には、生
成する気孔はまとまった空間を占めることは少なく、径
は比較的小さい。また、樹脂ビーズや澱粉は、比較的粒
径が大きく、かつ比重が小さい。したがって、スラリー
中に分散させても、その安定性は他の成分よりも劣るた
め、長時間放置したり、振動を加えることでスラリー上
部へと移動する。この度合いは、粒径が大きいほど、ま
た、比重が小さいほど顕著となる。
【0019】したがって、樹脂ビーズまたは澱粉など、
スラリー中で移動が比較的容易な気孔形成材や、造粒仮
焼によって粒径分布を広げた骨格成分などを含むゲルキ
ャスティングスラリーをキャビティに注型後、放置した
り、振動等の処理を行うことで一方向で気孔径や気孔率
が連続的に変化する微構造を有する多孔質体を得ること
ができる。
【0020】ゲルキャスティングを行うための型枠は、
ゲルキャスティングスラリー中の分散媒を吸収しない材
質を用いる。ただし、ゲルキャスティングスラリーは、
例えば放置または所定温度に加熱することにより完全に
固化するので、型枠には吸水性は不要である。
【0021】本発明においては、非加工状態で表面から
内部に至る領域で気孔が連続した微構造を構成するため
に、型枠内のキャビティの表面に消失して気孔を形成す
る成分、すなわち気孔形成材を配するが、その気孔形成
材の種類およびその配置方法は特に限定されない。ただ
し、ゲルキャスティングスラリーを流し込むことで、キ
ャビティ表面に配した気孔形成材がキャビティ表面から
実質上離脱しないことが必要である。このキャビティ表
面の気孔形成材およびその配置方法の一例として、樹脂
ビーズやカーボンビーズなどといったゲルキャスティン
グ中に含まれる気孔形成材を、ワセリンやグリースなど
の離型剤に混合して用いる方法が挙げられる。また、気
孔形成材と離型剤との混合物をキャビティ表面に噴霧や
塗布したり、予めキャビティ表面に塗布した離型剤表面
に上記気孔形成材を蒔く方法なども挙げられる。なお、
表面から内部に連続的に気孔を存在させる効果を大きく
するためには、キャビティ表面に配する気孔形成材は、
薄い平板形状よりも球形など嵩張った形状であることが
望ましい。その形状や大きさは用途・目的に応じて適宜
選定することが可能である。
【0022】本発明の連孔多孔質体の好ましい微構造と
しては、互いに異なる複数の部位を有し、かつその少な
くとも一つの部位は連通気孔を有し、該連通気孔を有す
る部位が非加工状態で表面から内部に至る領域で気孔が
連続しているものを挙げることができる。このような好
ましい連孔多孔質体は、型枠内のキャビティの表面に消
失して気孔を形成する成分を配し、かつ該キャビティ内
の所望の位置に、1または気孔径の異なる2以上の、連
通気孔を有する樹脂多孔質体を配置し、該キャビティ内
にゲルキャスティングスラリーを流し込んで成形し、得
られた成形体から樹脂多孔質体を焼失させることにより
得ることができる。このような連通気孔を有する樹脂多
孔質体を用いることにより、比較的急激に気孔径分布が
変化する微構造を形成することができる。もちろん、キ
ャビティ全体に単一の樹脂多孔質体を配して、スラリー
を流し込んだ後、得られた成形体から樹脂多孔質体を焼
失させることにより、連通孔が均一に形成された連孔多
孔質体を得ることもできる。
【0023】また、連通気孔を有する樹脂多孔質体をキ
ャビティ内に配置することにより、キャビティ内にゲル
キャスティングスラリーを流し込み、樹脂多孔質体焼失
後に残留する多孔質材料を焼結した際に、成形体形状を
維持することができる。樹脂多孔質体の空間同士がつな
がった連孔多孔質でなければ、焼成して樹脂多孔質体が
焼失した際に形状を維持することができない。また、樹
脂多孔質体中の空間が部分的にでも独立していると、そ
こから先にゲルキャスティングスラリーを流し込むこと
が不可能となり、粗大なポアなどの欠陥を生じる原因と
なる。このような連通気孔を有する樹脂多孔質体として
は、例えば樹脂フィルターを挙げることができる。
【0024】上記樹脂多孔質体の具体的な使用法は種々
考えられる。大きさについては、当然に固化体よりも小
さいことが必要であり、固化体を形成するためのキャビ
ティにこの樹脂多孔質体をゲルキャスティングスラリー
とともに入れることにより部分的に気孔径分布および/
または気孔率が異なる微構造を有する多孔質体を得るこ
とができる。すなわち、樹脂多孔質体を焼失させた際
に、その部分に大きな径の気孔を形成することができ、
他の部分と気孔径分布および/または気孔率を異ならせ
ることができる。また、樹脂多孔質体を使用するに際し
ては、そのまま乾燥した状態で使用することも、または
予めゲルキャスティングスラリーで濡らしておくことも
可能である。ゲルキャスティングスラリーの粘度が高い
場合や、樹脂多孔質体中の気孔径が小さい場合等、樹脂
多孔質体の気孔内へゲルキャスティングスラリーが流れ
込みにくい場合には、予め樹脂多孔質体をスラリーで濡
らしておくことにより、未含浸部分の形成を避けること
が可能となる。
【0025】このように樹脂多孔質体を用いることによ
り、比較的小さな気孔径および/または低い気孔率を有
する部分と、比較的大きな気孔径および/または高い気
孔率を有する部分とからなる微構造を有する多孔質体を
得ることができる。したがって、例えば燃料電池用電極
材に使用する場合には、比較的小さな気孔径および/ま
たは低い気孔率を有する部分を成膜側とすることによ
り、流体透過率と成膜性を両立させることができる。
【0026】連通気孔径の分布および/または気孔率が
異なる複数の樹脂多孔質体を用いることも可能であり、
その場合には、気孔径分布および/または気孔率の段階
をさらに増加させることができる。このような状態は、
例えば、セル数の異なる2以上の樹脂フィルターを用い
ることにより実現することができる。
【0027】そして、この場合にも、同様に、非加工状
態で表面から内部に至る領域で気孔が連続した微構造を
構成するために、型枠内のキャビティの表面に気孔形成
材を配する。
【0028】このようにして形成された多孔質体は、全
体が均質な材料からなり、気孔径分布および/または気
孔率が互いに異なる複数の部位を有し、かつその少なく
とも一つの部位が非加工状態で表面から内部に至る領域
で気孔が連続した微構造を有するものとなり、さらに、
不連続面が存在せず剥離などによる強度低下が生じな
い。
【0029】この場合のゲルキャスティングに用いるス
ラリーも、所定のセラミックス材料または金属材料に、
水および所定のゲル化剤、分散媒等を混合することによ
り得ることができる。そして、上記樹脂多孔質体が存在
しない部分を多孔質体とするためには、上記の他に上述
した気孔形成材を利用することができる。また、同様の
目的でゲル化剤を成形に要する量よりも多く添加して気
孔形成材として機能させることもできる。もちろん、こ
のような気孔形成材を用いずに、樹脂多孔質体が存在し
ない部分に独立気孔のみを存在させることもできるし、
緻密質にすることもできる。
【0030】なお、上述の連通気孔を有する樹脂多孔質
体としては、樹脂フィルターに限定されず、形状も特に
限定されず種々の形状のものを用いることができる。ま
た、その気孔の形状および大きさ等も限定されるもので
はなく、形成しようとする気孔に応じて適宜選択すれば
よい。また、比較的小さな気孔径および/または低い気
孔率を有する部分と、比較的大きな気孔径および/また
は高い気孔率を有する部分とを有する連孔多孔質体の適
用例は上記燃料電池用電極に限定されるものではなく他
の種々の用途への適用が可能である。
【0031】
【実施例】(実施例1)ジルコニア粉末100質量部、
ゲル化剤(水溶性エポキシ系樹脂)40質量部、スチロー
ル樹脂ビーズ(平均粒径60μm)15質量部、イオン交
換水150質量部をボールミルにて混合してゲルキャス
ティングスラリーとした。スチロール製の型枠内部に
は、白色ワセリンを塗布した。そのキャビティに、スラ
リー中にあるのと同一のスチロール樹脂ビーズ(平均粒
径60μm)を充填して白色ワセリン層に包埋させた
後、キャビティ内の余分なスチロール樹脂ビーズを排出
した。このスチロール製キャビティにゲルキャスティン
グスラリーを注型し、封口した。これを80℃に加熱し
て固化体とした。脱脂後、焼成して多孔質体を得た。
【0032】(比較例1)樹脂ビーズを白色ワセリン層
に包埋させなかった他は、実施例と同様の手順で多孔質
体を得た。
【0033】上記実施例1の方法により表面に気孔形成
材を配して作製した多孔質体表面、および、気孔形成材
を配さずに比較例1の方法で作製した多孔質体表面の光
学顕微鏡観察写真をそれぞれ図1および図2に示す。図
1に示すように、キャビティ表面に気孔形成材を配して
作製した場合には、非加工状態で表面全体に粗大な気孔
が分布しているのに対して、キャビティ表面に気孔形成
材を配さずに作製した場合には実質上、気孔が覆われて
いることが確認された。
【0034】また、寸法が20×20×3mmの各焼成
体の周囲をシリコーンゴムで覆い、12×12mmの開
口部を通じて厚み方向に室温で空気を透過させることに
より、これらの気体透過率を測定した。その結果、実施
例1に示す多孔質体では13cm3・atm-1・min
-1となり、比較例1に示す多孔質体では4cm3・at
-1・min-1となり、何れも気孔が連続しているが、
実施例1の多孔質体では表面で気孔が塞がれていないた
めに大きな値を示した。
【0035】以上の結果から、本発明の方法により、加
工することなく表面から内部に至る領域で気孔が連続し
た微構造を有する連孔多孔体が得られたことが確認され
た。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
非加工状態で工程の煩雑さを招くことなく表面から内部
に連続的に気孔が存在する微構造を有する連孔多孔体を
得ることができる。また、非加工状態で、多段階の気孔
径分布および/または気孔率を有し、表面から内部に連
続的に気孔が存在する微構造を有する連孔多孔体を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1により作製した多孔質体の表面を示す
光学顕微鏡写真。
【図2】比較例1により作製した多孔質体の表面を示す
光学顕微鏡写真。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 38/06 C04B 38/06 B H01M 4/86 H01M 4/86 T 4/88 4/88 T 8/12 8/12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非加工状態で表面から内部に至る領域で
    気孔が連続した微構造を有することを特徴とする連孔多
    孔質体。
  2. 【請求項2】 全体が均質な材料からなり、気孔径分布
    および/または気孔率が互いに異なる複数の部位を有
    し、かつその少なくとも一つの部位は連通気孔を有し、
    該連通気孔を有する部位は、非加工状態で表面から内部
    に至る領域で気孔が連続した微構造を有することを特徴
    とする連孔多孔質体。
  3. 【請求項3】 型枠内のキャビティの表面に消失して気
    孔を形成する成分を配してからキャビティ内にゲルキャ
    スティングスラリーを流し込んで成形し、得られた成形
    体を焼成することを特徴とする連孔多孔質体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 型枠内のキャビティの表面に消失して気
    孔を形成する成分を配し、かつ該キャビティ内の所望の
    位置に、1または気孔径の異なる2以上の、連通気孔を
    有する樹脂多孔質体を配置し、該キャビティ内にゲルキ
    ャスティングスラリーを流し込んで成形し、得られた成
    形体から前記樹脂多孔質体を焼失させ、気孔径分布およ
    び/または気孔率が互いに異なる複数の部位を有し、か
    つその少なくとも一つの部位は連通気孔を有する多孔質
    体を得ることを特徴とする連孔多孔質体の製造方法。
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