JP2008264806A - ステンレス鋼材の接合方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ステンレス鋼材を摩擦攪拌接合によって接合した場合に、接合部における錆の発生を防止することができるステンレス鋼材の接合方法を提供する。
【解決手段】板状のステンレス鋼材1,2の端部同士を接合部3において突き合わせ、接合部3の裏面側を板状の裏当材4で覆い、接合部3の表面側から回転ツール5のプローブ6を挿入してステンレス鋼材1,2同士を接合する。裏当材4はSiからなり、シールドガスとして、回転ツール5と接合部3とを覆うシールドカバー8内にArガスが供給される。回転ツール5の回転数は400rpm以下であり、より好ましくは200rpmである。これにより、接合部における錆の発生を防止することができる
【選択図】図1

Description

本発明はステンレス鋼材の接合方法に関し、特に摩擦攪拌接合でステンレス鋼材を接合する際に接合部の錆の発生を防止することができるステンレス鋼材の接合方法に関する。
従来の金属材の接合方法においては、摩擦攪拌接合(FSW=Friction Stir Welding)により金属材を接合する技術が知られている。例えば、特許文献1では、オーステナイト系ステンレス鋼であって、それらの平均結晶粒径dがnm寸法で、10<d≦5×103の範囲にある化学成分的および結晶学的に同種または異種の2つの微結晶体を、摩擦攪拌接合法により接合する技術が開示されている。
特開2002−273579号公報
しかしながら、上記の技術のように、ステンレス鋼材を摩擦攪拌接合によって接合すると、接合部において錆が発生しやすくなる場合がある。
本発明は、斯かる実情に鑑み、ステンレス鋼材を摩擦攪拌接合によって接合した場合に、接合部における錆の発生を防止することができるステンレス鋼材の接合方法を提供しようとするものである。
本発明は、2つのステンレス鋼材を接合部において対向させ、接合部に棒状の回転ツールを挿入し、回転ツールを400rpm以下の回転数で回転させて、2つのステンレス鋼材を接合するステンレス鋼材の接合方法である。
この構成によれば、ステンレス鋼材を摩擦攪拌接合で接合する場合に、回転ツールを400rpm以下の回転数で回転させるため、接合部における歪が減少する結果、接合部における錆の原因となるσ相の発生が抑制され、接合部における錆の発生を防止することができる。
なお、本発明のステンレス鋼材の接合方法においては、(1)板状のステンレス鋼材の端部同士を突き合わせて接合部とし、回転ツールをその接合部の長手方向に沿って回転させつつ移動させてステンレス鋼材同士を接合する摩擦攪拌接合、(2)板状のステンレス鋼材の端部同士を突き合わせて接合部とし、回転ツールをその接合部で移動させずに回転させて接合するスポット摩擦攪拌接合(スポットFSW)、(3)ステンレス鋼材同士を接合部において重ね合わせ、接合部に回転ツールを挿入し、回転ツールをその箇所で移動させずに回転させてステンレス鋼材同士を接合するスポット摩擦攪拌接合、(4)ステンレス鋼材同士を接合部において重ね合わせ、接合部に回転ツールを挿入し、回転ツールをその接合部の長手方向に沿って回転させつつ移動させてステンレス鋼材同士を接合する摩擦攪拌接合の(1)〜(4)の4つの態様およびこれらの組み合わせを含む。
この場合、回転ツールを200rpm以下の回転数で回転させて、2つのステンレス鋼材を接合することにより、さらに接合部における錆の発生を防止することができる。
また本発明は、2つのステンレス鋼材を接合部において対向させ、接合部に棒状の回転ツールを挿入し、回転ツール先端の接合部に挿入されるプローブの直径(mm)×回転ツールの回転数(rpm)≦2000(mm・rpm)となるように回転ツールを回転させて、2つのステンレス鋼材を接合するステンレス鋼材の接合方法である。
この構成によれば、ステンレス鋼材を摩擦攪拌接合で接合する場合に、回転ツールのプローブの周速度が小さくなるため、接合部における歪が減少する結果、接合部における錆の原因となるσ相の発生が抑制され、接合部における錆の発生を防止することができる。
なお、本発明においてプローブの直径というときは、プローブの平均直径をいうものとする。
この場合、回転ツール先端の接合部に挿入されるプローブの直径(mm)×回転ツールの回転数(rpm)≦1000(mm・rpm)とすることにより、さらに接合部における錆の発生を防止することができる。
また本発明は、2つのステンレス鋼材を接合部において対向させ、接合部に棒状の回転ツールを挿入し、回転ツールの回転数(rpm)×接合部に対する回転ツールの荷重(×10kgw)/接合速度(mm/min)≦5.0(rpm・kgw・min/mm)となるように回転ツールを回転させて、2つのステンレス鋼材を接合するステンレス鋼材の接合方法である。
この構成によれば、ステンレス鋼材を摩擦攪拌接合で接合する場合に、接合速度が十分に大きくなるため、接合部への入熱量を小さくなり、接合部における錆の原因となるσ相の発生が抑制され、接合部における錆の発生を防止することができる。
この場合、回転ツールの回転数(rpm)×接合部に対する回転ツールの荷重(×10kgw)/接合速度(mm/min)≦3.0(rpm・kgw・min/mm)となるように回転ツールを回転させて、2つのステンレス鋼材を接合することにより、さらに接合部における錆の発生を防止することができる。
さらに本発明は、2つのステンレス鋼材を接合部において対向させ、接合部に棒状の回転ツールを挿入し、回転ツールの回転数(rpm)×接合部に対する回転ツールの荷重(×10kgw)×{回転ツール先端の外周のショルダーの直径(mm)}/接合速度(mm/min)≦16875(rpm・kgw・mm・min/mm)となるように回転ツールを回転させて、2つのステンレス鋼材を接合するステンレス鋼材の接合方法である。
この構成によれば、ステンレス鋼材を摩擦攪拌接合で接合する場合に、接合速度が十分に大きくなり、接合部への入熱量が小さくなるため、接合部における錆の発生を防止することができる。
この場合、回転ツールの回転数(rpm)×接合部に対する回転ツールの荷重(×10kgw)×{回転ツール先端の外周のショルダーの直径(mm)}/接合速度(mm/min)≦10125(rpm・kgw・mm・min/mm)となるように回転ツールを回転させて、2つのステンレス鋼材を接合することにより、さらに接合部における錆の発生を防止することができる。
一方、熱伝導率が15W/mK以下である裏当材で接合部の回転ツールを挿入する側の反対側を覆いつつ、2つのステンレス鋼材を接合することが、接合部の温度を均一に保つことができ、良好な接合が得られるため、好適である。
この場合、裏当材はSiを含むことが、裏当材の熱伝導率と強度を適当なものとできるため、好適である。
さらに、少なくとも接合部における回転ツールを挿入する側を不活性雰囲気下としつつ回転ツールを回転させて2つのステンレス鋼材を接合することが、接合部及び回転ツールの酸化を防ぐことができるため、好適である。
本発明のステンレス鋼材の接合方法によれば、ステンレス鋼材を摩擦攪拌接合によって接合した場合に、接合部における錆の発生を防止することができる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係るステンレス鋼材の接合方法の第1実施形態を示す斜視図である。本実施形態では、図1に示すように、板状のステンレス鋼材1,2の端部同士を接合部3において突き合わせ、接合部3の裏面側を板状の裏当材4で覆い、接合部3の表面側から回転ツール5のプローブ6を挿入し、ショルダー7をステンレス鋼材1,2の表面に当接させて回転させつつステンレス鋼材1,2同士を接合する。接合部3の表面側では、回転ツール5を囲繞するようにシールドカバー8が配置されており、シールドカバー8内に不活性ガスが導入され、不活性雰囲気下でステンレス鋼材1,2同士を接合する。
本実施形態において、ステンレス鋼材1,2としては、SUS304、SUS301L、SUS316L等のオーステナイト系ステンレス鋼、SUS430等のフェライト系ステンレス鋼あるいは2相ステンレス鋼を適用することができる。あるいは、ステンレス鋼材1,2として、同種の材料ではなく、異種材料を適用することもできる。
裏当材4としては、熱伝導率が15W/mK以下であり且つ900℃(より好ましくは1000℃)における曲げ強度が500MPa以上、特に好ましくは800MPa以上である物質からなる物を適用することができ、本実施形態ではSiからなる裏当材4を適用する。裏当材4としては、熱伝導率が15W/mK以下であり且つ900℃(より好ましくは1000℃)における曲げ強度が500MPa以上、特に好ましくは800MPa以上である物質であれば適用することができ、例えば、ジルコニア、炭化珪素、ハフニア(HfO)等を適用することもできる。
あるいは、接合部3の温度を調整するためには裏当材以外にも、アーク放電やレーザ光照射等を利用した補助熱源や冷却装置を適宜用いることができる。
回転ツール5は、図2に示すように略円筒状をなし、先端にショルダー7とショルダー7より小径の略円柱状のプローブ6を備えている。図2に示すように、回転ツール5の先端は、プローブ6を中心に内側に凹面の形状をなしている。これにより、回転ツール5は、摩擦熱を発生する作用の他に、プローブ6がステンレス鋼材1,2を軟化させて押圧し、あふれ出たステンレス鋼をプローブ6が通過した場所に押し込んでいく作用を奏する。回転ツール5の材質は、例えば、JISに規格されているSKD61鋼等の工具鋼や、タングステンカーバイト(WC)、コバルト(Co)からなる超硬合金、またはSi等のセラミックス、またはW、Mo等の高融点金属からなるものとすることができる。裏当材4と、接合部3に挿入される回転ツール5のプローブ6の先端との距離は、未接合部を生じないために可能な限り短いことが好ましい。
シールドカバー8は略円筒形をなし、回転ツール5を囲繞するように配置されている。シールドカバー8は、接合時に回転ツール5が接合部3の長手方向に沿って移動するとともに、回転ツール5を囲繞しつつ同方向に移動することができるようになっている。接合時には、シールドカバー8内に不活性ガスがシールドガスとして供給される。シールドガスとして用いられる不活性ガスとしては、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)等の0族の元素からなるガスを用いることができる。また、NガスやNにHを微量添加したガス等を用いることができる。
図1に示すように、本実施形態では、接合部3に回転ツール5のプローブ6を挿入し、回転ツール5を回転させつつ接合部3の長手方向に沿って移動させることによって、ステンレス鋼材1,2を接合することができる。本実施形態においては、回転ツール5の回転速度を400rpm以下、より好ましくは200rpm以下として摩擦攪拌接合を行う。より具体的には、プローブの直径(mm)×回転ツールの回転数(rpm)≦2000(mm・rpm)となるように、より好ましくは、プローブの直径(mm)×回転ツールの回転数(rpm)≦1000(mm・rpm)となるように回転ツール5を回転させてステンレス鋼材1,2を接合する。
また、本実施形態では、回転ツールの回転数(rpm)×接合部に対する回転ツールの荷重(×10kgw)/接合速度(mm/min)≦5.0(rpm・kgw・min/mm)となるように、より好ましくは、回転ツールの回転数(rpm)×接合部に対する回転ツールの荷重(×10kgw)/接合速度(mm/min)≦3.0(rpm・kgw・min/mm)となるようにしてステンレス鋼材1,2を接合する。
さらに、本実施形態では、回転ツールの回転数(rpm)×接合部に対する回転ツールの荷重(×10kgw)×ショルダーの直径(mm)/接合速度(mm/min)≦16875(rpm・kgw・mm・min)となるように、より好ましくは、回転ツールの回転数(rpm)×接合部に対する回転ツールの荷重(×10kgw)×ショルダーの直径(mm)/接合速度(mm/min)≦10125(rpm・kgw・mm・min)となるようにしてステンレス鋼材1,2を接合する。
摩擦攪拌接合によりステンレス鋼材を接合した場合、接合部にはCrを含んだ金属間化合物であるσ相が生じる。このため、ステンレス鋼中のCrが減少するため、錆が生じ易くなると思われる。そこで、本実施形態では、回転ツール5の回転数を小さくし、プローブの周速度を小さくする。これにより、接合部3における歪が減少する結果、接合部3におけるσ相の発生が抑制され、錆の発生を抑制することができる。また、本実施形態では、接合速度を大きくし、接合部3への入熱量を小さくする。これにより、接合部3におけるσ相の発生が抑制され、錆の発生を抑制することができる。
また、本実施形態においては、熱伝導率が低いSiからなる裏当材4を適用するため、高融点を有するステンレス鋼材1,2を接合する場合であっても、回転ツール5からの熱が接合部3から拡散しにくく、接合部3の表面側から裏面側まで熱の分布が均一になり、均一な攪拌が得られるため、より安定した接合が得られ、接合強度が向上する。特に、本実施形態においては、接合時の温度における強度に優れるSiからなる裏当材4を適用するため、高硬度を有するために接合時に回転ツール5から裏当材4に1000kg以上の荷重がかかるステンレス鋼1,2を接合する場合であっても、裏当材4の強度不足を招くことなく、接合を行うことができる。
加えて、本実施形態では、接合部3における回転ツール5を挿入する側をシールドカバー8で覆いArガス等のシールドガスを供給するため、空気中の酸素と接触することによる接合部3の酸化を防止でき、より良好な接合が得られる。
図3は、本発明の第2実施形態に係るステンレス鋼材の接合方法を示す図である。図3に示すように、本実施形態では、ステンレス鋼材1,2同士を接合部3において重ね合わせ、一方のステンレス鋼材1を通して接合部3に回転ツール5を挿入し、回転ツール5を回転させてステンレス鋼材1,2同士を接合する。同様にして、他の箇所にも順次回転ツール18を挿入して回転させることにより、広い接合部3においても摩擦攪拌接合を行うことができる。
図4は、本発明の第3実施形態に係るステンレス鋼材の接合方法を示す図である。図4に示すように、本実施形態では、上記第1実施形態のように、回転ツール5の周りのみをシールドカバー8で覆うだけではなく、回転ツール5、ステンレス鋼材1,2及び裏当材4の全体をシールドケース9内に収容し、シールドケース9内にArガス等のシールドガスを供給して、不活性雰囲気下とする。本実施形態では、回転ツール5、ステンレス鋼材1,2及び裏当材4の全体を不活性雰囲気下とすることにより、空気中の酸素と接触することによる接合部3及び回転ツール5の酸化を一層防止できる。
図5は、本発明の第4実施形態に係るステンレス鋼材の接合方法を示す図である。図5に示すように、ステンレス鋼材1,2同士を接合部3において重ね合わせ、接合部3に回転ツール5を挿入してステンレス鋼材1,2同士を接合する場合においても、回転ツール5、ステンレス鋼材1,2及び裏当材4の全体をシールドケース9内に収容し、シールドケース9内にArガス等のシールドガスを供給して不活性雰囲気下とすることにより、空気中の酸素と接触することによる接合部3及び回転ツール5の酸化を一層防止できる。
尚、本発明のステンレス鋼材の接合方法は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
次に、本発明者が本発明のステンレス鋼材の接合方法により、実際にステンレス鋼材を接合した実験結果を説明する。
実験例1
厚さ1.5mmのSUS304板材を用意した。用意したSUS304板材を、図1に示す方法で接合して試験片を作成した。裏当材4には、長さ500mm×幅150mm×厚さ9mmのSiからなる板材を用いた。回転ツール5としては、図2に示すようなSiからなる回転ツールを用いた。回転ツール5は、ショルダー7の直径が15mmである。回転ツール5は、プローブ6の直径が根元で6mm、先端が4mm、平均直径5mmである。回転ツール5は、接合進行方向の逆方向に3°傾斜されて使用される。
接合装置は、接合長1m、回転ツール5を回転させる主軸の最大回転速度1750rpm、最大接合速度2000mm/min、接合部3への最大荷重5.0×10kgwのエアシリンダによる荷重制御式の接合装置である。エアシリンダによる荷重制御式の接合装置は、回転ツールの挿入深さに比例して荷重が増加するという原理を応用し、荷重が一定になるように制御する接合装置である。
接合時は、回転ツール5及び接合部3の酸化防止のためにシールドガスとしてArガスを0.03m/minの流量で使用した。回転ツール5及び接合装置の冷却のために水冷式のクーリングホルダーを装着した。
図6、7及び8は、実験例1における回転ツールの回転数200rpmで接合されたSUS304鋼の金属組織を示す図である。図6、7、8の試験片は、それぞれ接合速度200mm/min、400mm/min、600mm/minで接合された。また、図6、7、8の試験片は、それぞれ接合部3への回転ツール5の荷重を3.6×10kgw、4.0×10kgw、4.0×10kgwとして接合された。図6、7及び8に示すように、これらの試験片には、腐食しやすいσ相等をしめす金属組織は表れていないことが判る。
図9、10は、実験例1における回転ツールの回転数400rpmで接合されたSUS304鋼の金属組織を示す図である。図9、10の試験片は、それぞれ接合速度200mm/min、400mm/minで接合された。また、図9及び10の試験片は、それぞれ接合部3への回転ツール5の荷重を1.8×10kgw、2.0×10kgwとして接合された。図9及び10に示すように、これらの試験片には、腐食しやすいσ相等をしめす金属組織Cが小さい領域のみで表れていることが判る。
図11、12は、実験例1における回転ツールの回転数600rpmで接合されたSUS304鋼の金属組織を示す図である。図11、12の試験片は、それぞれ接合速度200mm/min、400mm/minで接合された。また、図11及び12の試験片は、それぞれ接合部3への回転ツール5の荷重を1.20×10kgw、2.0×10kgwとして接合された。これらの試験片には、腐食しやすいσ相等をしめす金属組織Cが大きな領域にわたって表れていることが判る。
図13は、実験例1における回転ツールの回転数1000rpmで接合されたSUS304鋼の金属組織を示す図である。図13の試験片は、接合速度200mm/minで接合された。また、図13の試験片は、それぞれ接合部3への回転ツール5の荷重を0.72×10kgwとして接合された。これらの試験片には、腐食しやすいσ相等をしめす金属組織Cが大きな領域にわたって表れていることが判る。
本発明に係るステンレス鋼材の接合方法の第1実施形態を示す斜視図である。 第1実施形態に係る回転ツールの縦断面図である。 本発明に係るステンレス鋼材の接合方法の第2実施形態を示す斜視図である。 本発明に係るステンレス鋼材の接合方法の第3実施形態を示す斜視図である。 本発明に係るステンレス鋼材の接合方法の第4実施形態を示す斜視図である。 実験例1における回転ツールの回転数200rpmで接合されたSUS304鋼の金属組織を示す図である。 実験例1における回転ツールの回転数200rpmで接合されたSUS304鋼の金属組織を示す図である。 実験例1における回転ツールの回転数200rpmで接合されたSUS304鋼の金属組織を示す図である。 実験例1における回転ツールの回転数400rpmで接合されたSUS304鋼の金属組織を示す図である。 実験例1における回転ツールの回転数400rpmで接合されたSUS304鋼の金属組織を示す図である。 実験例1における回転ツールの回転数600rpmで接合されたSUS304鋼の金属組織を示す図である。 実験例1における回転ツールの回転数600rpmで接合されたSUS304鋼の金属組織を示す図である。 実験例1における回転ツールの回転数1000rpmで接合されたSUS304鋼の金属組織を示す図である。
符号の説明
1,2…ステンレス鋼材、3…接合部、4…裏当材、5…回転ツール、6…プローブ、7…ショルダー、8…シールドカバー、9…シールドケース。

Claims (11)

  1. 2つのステンレス鋼材を接合部において対向させ、前記接合部に棒状の回転ツールを挿入し、前記回転ツールを400rpm以下の回転数で回転させて、前記2つのステンレス鋼材を接合するステンレス鋼材の接合方法。
  2. 前記回転ツールを200rpm以下の回転数で回転させて、前記2つのステンレス鋼材を接合する、請求項1に記載のステンレス鋼材の接合方法。
  3. 2つのステンレス鋼材を接合部において対向させ、前記接合部に棒状の回転ツールを挿入し、前記回転ツール先端の前記接合部に挿入されるプローブの直径(mm)×前記回転ツールの回転数(rpm)≦2000(mm・rpm)となるように前記回転ツールを回転させて、前記2つのステンレス鋼材を接合するステンレス鋼材の接合方法。
  4. 前記回転ツール先端の前記接合部に挿入されるプローブの直径(mm)×前記回転ツールの回転数(rpm)≦1000(mm・rpm)となるように前記回転ツールを回転させて、前記2つのステンレス鋼材を接合する、請求項3に記載のステンレス鋼材の接合方法。
  5. 2つのステンレス鋼材を接合部において対向させ、前記接合部に棒状の回転ツールを挿入し、前記回転ツールの回転数(rpm)×前記接合部に対する回転ツールの荷重(×10kgw)/接合速度(mm/min)≦5.0(rpm・kgw・min/mm)
    となるように前記回転ツールを回転させて、前記2つのステンレス鋼材を接合するステンレス鋼材の接合方法。
  6. 前記回転ツールの回転数(rpm)×前記接合部に対する回転ツールの荷重(×10kgw)/接合速度(mm/min)≦3.0(rpm・kgw・min/mm)となるように前記回転ツールを回転させて、前記2つのステンレス鋼材を接合する、請求項5に記載のステンレス鋼材の接合方法。
  7. 2つのステンレス鋼材を接合部において対向させ、前記接合部に棒状の回転ツールを挿入し、前記回転ツールの回転数(rpm)×前記接合部に対する回転ツールの荷重(×10kgw)×{前記回転ツール先端の外周のショルダーの直径(mm)}/接合速度(mm/min)≦16875(rpm・kgw・mm・min/mm)となるように前記回転ツールを回転させて、前記2つのステンレス鋼材を接合するステンレス鋼材の接合方法。
  8. 前記回転ツールの回転数(rpm)×前記接合部に対する回転ツールの荷重(×10kgw)×{前記回転ツール先端の外周のショルダーの直径(mm)}/接合速度(mm/min)≦10125(rpm・kgw・mm・min/mm)となるように前記回転ツールを回転させて、前記2つのステンレス鋼材を接合する、請求項7に記載のステンレス鋼材の接合方法。
  9. 熱伝導率が15W/mK以下である裏当材で前記接合部の前記回転ツールを挿入する側の反対側を覆いつつ、前記2つのステンレス鋼材を接合する、請求項1〜8のいずれか1項に記載のステンレス鋼材の接合方法。
  10. 前記裏当材はSiを含む、請求項9に記載のステンレス鋼材の接合方法。
  11. 少なくとも前記接合部における前記回転ツールを挿入する側を不活性雰囲気下としつつ前記回転ツールを回転させて前記2つのステンレス鋼材を接合する、請求項1〜10のいずれか1項に記載のステンレス鋼材の接合方法。
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