JP2008264744A - 電解水製造ユニット、電解水の製造装置、電解水の製造方法および電解水 - Google Patents

電解水製造ユニット、電解水の製造装置、電解水の製造方法および電解水 Download PDF

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Abstract

【課題】 電解水を製造するための電解水の製造装置を簡易に構成することができる電解水製造ユニット、簡易な構成の電解水の製造装置、簡易に電解水を製造することができる電解水の製造方法および電解水を提供する。
【解決手段】 電解水製造ユニット12は、筐体30と、筐体30により画定された電解質収容室36と、陽極20と、陰極22とを含む。電解質収容室36は、電解質水溶液を収容する。電解質収容室36と陽極20との間の筐体30は、陰イオン交換膜32により構成されている。電解質収容室36と陰極22との間の筐体30は、陽イオン交換膜34により構成されている。
電解水製造装置10は、電解水製造ユニット12が水槽14に浸されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電気分解により電解水を製造するための電解水製造ユニット、電解水の製造装置、電解水の製造方法および電解水に関する。
一般的な電解水の生成装置としては、1槽式と2槽(室)式の生成装置がある。1槽式の生成装置は、例えば、食塩水などの電解質水溶液を槽内に注入して陽極板と陰極板とを配設し、これら陽極板と陰極板とに通電して電解工程を経ると塩化ナトリウムを含むアルカリ電解水が生成される。また、電解工程において、有害なトリハロメタンが発生すると共に、塩化ナトリウムがそのまま残存している。
また、2槽(室)式の生成装置としては、例えば、特開2005−329375号公報(文献1)に開示された構成のものが公知になっている。この2室式の生成装置は、1つの槽の中間部をイオン透過性隔膜で仕切って対向する2つの電解室を形成し、各電解室に原水供給手段と電解水取出手段とを設けると共に、一方の電解式に陽極用の電極と塩化物水溶液(食塩水)供給手段を配設し他方の電解室に陰極用の電極を配設したものである。そして、各電極に所要の電圧を印加して電解工程を経ることにより、陽極側の電解式では塩素ガスと塩化ナトリウムを含む酸性電解水が得られ、陰極側の電解室では水素ガスとアルカリ電解水が得られる。
塩化ナトリウムを含まない電解水を生産する装置としては、例えば、特開2000−246249号公報(文献2)に開示された3槽式の電解装置が公知になっている。この3槽式の電解装置は、中間室の両側にイオン交換膜と電極板とを介して両側に陽極室と陰極室とを備えた構造を有するものである。中間室には高濃度の電解質水溶液、例えば、10%濃度の塩化カリウムや塩化ナトリウム水溶液を充填される。また、陽極室と陰極室には、例えば水道水を通水し、両電極板に通電して電解工程を経ることで、塩化ナトリウムを含まない電解水、即ち陽極室ではpH2.0〜3.0程度の酸性電解水が生成される。一方、陰極室ではpH10.0〜12.0程度のアルカリ性電解水が生成される。
特開2005−329375号公報 特開2000−246249号公報
しかしながら、前記文献1に開示されている電解水の生成においては、電解の効率を高めるために一方の電解室(陽極側)に食塩水を供給して電解を行うようにしている。その陽極側の電解室で生成された酸性電解水は、次亜塩素酸のみならず、塩化ナトリウム分を含んでいることによって、平衡移動による塩素ガスの気化等が生じてしまう。したがって、次亜塩素酸などは短時間で気化してしまうため、酸性電解水において必要とする殺菌力を担保することがし難く、その用途が制限されてしまうという問題点を有する。
また、前記文献2に開示されている電解水の生成方法は、電解室を3槽式にし、中央部の電解室に食塩水などの電解質水溶液を収納し、両側の陽極と陰極の電解室に水道水または浄水器を介した浄水を収容して電解する。中央部の電解室に電解質水溶液を収納して電解工程を行うことで、電圧・電流・時間が少なくても効率よく塩化ナトリウムを含まない酸性電解水およびアルカリ性電解水を生成できる点で優れている。しかしながら、3槽式の電解室はいずれも回分式であることから、量産性に乏しいばかりでなく、酸性電解水とアルカリ性電解水とを混合または配合して、弱酸性、中性または弱アルカリ性にpH調整した次亜塩素酸を含む電解水を製造するという思想は全くないのである。
ところで、前記公知技術に係る二室型または三室型電解槽を使用した電解法で酸性とアルカリ性の電解水を生成することが行われているが、その生成された電解水の有効塩素濃度を所定の範囲に保ちつつ、かつ、pH値を微酸性、中性もしくは微アルカリ性に調整することは困難であり、実質的に次亜塩素酸水の製造は行われていなかったのである。
本発明の目的は、電解水を製造するための電解水の製造装置を簡易に構成することができる電解水製造ユニット、簡易な構成の電解水の製造装置、簡易に電解水を製造することができる電解水の製造方法および電解水を提供することにある。
1.電解水製造ユニット
本発明に係る電解水製造ユニットは、
筐体と、前記筐体により画定された電解質収容室と、陽極と、陰極とを含み、
前記電解質収容室は、電解質水溶液を収容し、
前記電解質収容室と前記陽極との間の前記筐体は、陰イオン交換膜により構成され、
前記電解質収容室と前記陰極との間の前記筐体は、陽イオン交換膜により構成されている。
本発明の電解水製造ユニットを水槽の水に浸けるだけで、電解水の製造装置を構成することができる。また、本願発明者は、この電解水製造ユニットにより構成される電解水の製造装置は、2隔膜1室型となり、陽極で生成された酸性電解水が陰極付近に広がり、陰極にスケールが付着し難いことを見出した。したがって、本発明によれば、陽極室と陰極室とが連通しているため、陰極室の陰極にスケールが付着せず、スケールを洗浄する工程をなくすか、または回数を減らすことができるため、長い時間の連続運転が可能となる。さらに、陽極で生成された酸性電解水と陰極で生成されたアルカリ性電解水とが混合されるため、高濃度の次亜塩素酸を含んだ弱酸性から弱アルカリ性の電解水の製造がし易い。
本発明において、前記陽極および前記陰イオン交換膜を保持する第1の保持体と、
前記陰極および前記陽イオン交換膜を保持する第2の保持体と、を含むことができる。
本発明によれば、第1の保持体により、陽極と陰イオン交換膜とがずれたりするのを防ぐことができる。また、第2の補自体により、陰極と陽イオン交換膜とがずれたりするのを防ぐことができる。
本発明において、前記第1の保持体は、第1の内枠と、第1の外枠とを含み、
前記第1の内枠と前記第1の外枠との間に、前記陽極および前記陰イオン交換膜が収容されていることができる。
本発明によれば、陽極と陰イオン交換膜とを挟み込むように第1の内枠と第1の外枠とを設けているため、陽極と陰イオン交換膜とが離れる方向にずれるのを防ぐことができると共に、第1の内枠および第1の外枠により陽極と陰イオン交換膜とが保護されることとなる。
本発明において、前記第2の保持体は、第2の内枠と、第2の外枠とを含み、
前記第2の内枠と前記第2の外枠との間に、前記陰極および前記陽イオン交換膜が設けられていることができる。
本発明によれば、陰極と陽イオン交換膜とを挟み込むように第2の内枠と第2の外枠とを設けているため、陰極と陽イオン交換膜とが離れる方向にずれるのを防ぐことができると共に、第2の内枠および第2の外枠により陰極と陽イオン交換膜とが保護されることとなる。
本発明において、電解質水溶液を前記電解質収容室へ送水ポンプを通じて供給する電解質水溶液の供給源を含むことができる。これにより、電解質収容室に電解質水溶液を供給するのが容易となる。
本発明において、前記電解質水溶液の供給源は、着脱自在とすることができる。これにより、電解質水溶液の供給源の取り替えが容易となる。
本発明において、前記陽極と前記陰極との間に流れる電流値に基づき、電解質水溶液の濃度を導出するための制御部を含むことができる。これにより、電解質水溶液の濃度は電気分解に大きく影響を及ぼすため、電気分解の状況を容易に把握することができる。また、電解質水溶液の取り替え時期を容易に把握することができる。
本発明において、前記陽極と前記陰極との間に流れる電流を整流するための整流素子と、
前記整流素子を制御するための制御部を含むことができる。
本発明によれば、安定した電流の流れを実現できるため、電気分解を安定化することができる。
本発明において、前記陽極の電極面積と前記陰極の電極面積とは、異ならせることができる。前記陽極の電極面積は、前記陰極の電極面積より大きいことで、酸性電解水の発生量がアルカリ性電解水の発生量よりも多くなるため、酸性度を高めることができる。一方で、前記陰極の電極面積を前記陽極の電極面積より大きくすることで、アルカリ性電解水の発生量が酸性電解水の発生量よりも多くなるため、アルカリ性の度合いを高めることができる。
本発明において、前記電解質水溶液は、塩化物イオンを含み、前記電解水製造ユニットは、次亜塩素酸を含む電解水の生成に適用する場合に好適である。
2.電解水製造装置
本発明の電解水製造装置は、
本発明の電解水製造ユニットと、
前記電解水製造ユニットが備え付けられた水槽とを含む。
本発明の電解水の製造装置は、本発明の電解水製造ユニットを水槽に備え付けるだけで構成される。したがって、簡易な構成の電解水の製造装置を実現することができる。また、本願発明者は、この電解水製造ユニットにより構成される電解水の製造装置は、2隔膜1室型となり、陽極で生成された酸性電解水が陰極付近に広がり、陰極にスケールが付着し難いことを見出した。したがって、本発明によれば、陽極室と陰極室とが連通しているため、陰極室の陰極にスケールが付着せず、スケールを洗浄する工程をなくすか、または回数を減らすことができるため、長い時間の連続運転が可能となる。さらに、陽極で生成された酸性電解水と陰極で生成されたアルカリ性電解水とが混合されるため、高濃度の次亜塩素酸を含んだ弱酸性から弱アルカリ性の電解水の製造がし易い。
本発明において、前記水槽には、前記電解水製造ユニットを固定するための固定部が設けられていることができる。これにより、電解水製造ユニットを水槽の所定の位置に固定することができる。
3.電解水の製造方法
本発明の電解水の製造方法は、本発明の電解水製造ユニットを水槽に貯められた水に浸す工程(A)と、
前記工程(A)の後に、前記陽極と前記陰極との間に電圧を印加し、電気分解を行う工程(B)と、を含む。
本願発明者は、この電解水の製造方法により、陽極で生成された酸性電解水が陰極付近に広がり、陰極にスケールが付着し難いことを見出した。したがって、本発明によれば、陽極室と陰極室とが連通しているため、陰極室の陰極にスケールが付着せず、スケールを洗浄する工程をなくすか、または回数を減らすことができるため、長い時間の連続運転が可能となる。さらに、陽極で生成された酸性電解水と陰極で生成されたアルカリ性電解水とが混合されるため、弱酸性から弱アルカリ性の電解水の製造がし易い。
本発明において、本発明の電解水の製造装置が電解質水溶液の供給源を含む場合には、 前記工程(B)にて、前記電解質水溶液の供給源は、前記水槽に貯められた水の水面よりも上に設定されるとよい。これによれば、電解質水溶液の供給源の水圧により、電解質収容室の電解質水溶液のイオンがイオン交換膜を通過し易くなる。
4.電解水
本発明の電解水は、本発明の電解水の製造方法により得られたものである。
1.電解水の製造装置
本実施の形態では、本発明に係る電解水の製造装置を次亜塩素酸水の製造の場合に適用した例を示す。
図1は、電解水の製造装置(以下、「電解装置」という)に係る模式図を示す。
電解装置10は、電解水製造ユニット12と、水槽14とを含む。
電解水製造ユニット12は、筐体30と、筐体30により画定された電解質収容室36と、陽極20と、陰極22とを含む。電解質収容室36は、電解質水溶液を収容する。電解質収容室36と陽極20との間の筐体30は、陰イオン交換膜32により構成されている。電解質収容室36と陰極22との間の筐体30は、陽イオン交換膜34により構成されている。陰イオン交換膜32と陽イオン交換膜34とは対向して設けることができる。
電解質収容室36には、電解質水溶液が収容されている。電解質収容室36には、電解質水溶液が貯められた電解質水溶液の供給源(タンク)80から電解質水溶液が供給される。電解質水溶液の供給源80の電解質水溶液は、送水ポンプ82により電解質収容室36に送水され、電解質収容室36を通過した電解質水溶液は、再度、電解質水溶液の供給源80に戻り、消費分の電解質が補われ、電解質収容室36に送水される。電解質水溶液の供給源80は、取り替えが容易となるように、着脱自在に設けられることができる。着脱機構は、公知のものを適用することができる。
なお、このように電解質水溶液を循環させる例に限定されず、単に、電解質水溶液を電解質収容室36に充填し、使用後の電解質水溶液を抽出し、新たな電解質水溶液を充填してもよいし、または、消費した分の電解質を加えてもよい。
電解質水溶液の供給源80は、水槽の水面よりも高い位置に固定するとよい。これにより、電解質水溶液の供給源の水圧により、電解質収容室36の電解質水溶液に水圧がかかり、電解質イオンがイオン交換膜22,24から流出しやくなる。
電解質水溶液は、たとえば、塩化ナトリウム水溶液や塩化カリウム水溶液を挙げることができる。電解質水溶液の濃度としては、たとえば、電解質の飽和濃度とすることができる。
陰イオン交換膜32は、陰イオンのみを選択的に通過させる隔膜で、陽極22に陰イオン(塩化物イオン)をもたらす役割を有する。陽イオン交換膜34は、陽イオンのみを選択的に通過させる隔膜で、陰極24に陽イオン(ナトリウムイオンなど)をもたらす役割を有する。
陰極24は直流電源90の−側に接続され、陽極22は直流電源90の+側に接続されている。直流電源90は、その電圧や電流を任意に設定できる構成になっている。直流電源90は、たとえば、電圧は5〜20ボルト程度の範囲で任意に選択でき、電流についても5〜26アンペアの範囲で適宜選択して設定することができるものを挙げることができる。
第1の保持体50は、陽極22および陰イオン交換膜32を保持する。第1の保持体50は、第1の内枠52と、第1の外枠54とを含む。第1の内枠52と第1の外枠54との間に、陽極22と陰イオン交換膜32とが収容されている。第1の内枠52と第1の外枠54は固定部材(図示せず)により連結させてもよい。
第2の保持体60は、陰極24および陽イオン交換膜34を保持する。第2の保持体60は、第2の内枠62と、第2の外枠64とを含む。第2の内枠62と第2の外枠64との間に、陰極24と陽イオン交換膜34とが収容されている。第2の内枠62と第2の外枠64は固定部材(図示せず)により連結させてもよい。
第1および第2の内枠52,62および第1および第2の外枠54,64は、液体が通過する通過口を複数有する。具体的には、保護網から構成するとよい。このように第1および第2の内枠52,62および第1および第2の外枠54,64が保護膜からなることにより、陽極22や陰極24を保護することができる。第1および第2の内枠52,62と第1および第2の外枠54,64の材質は、樹脂製で水圧により形状が変化しないものであるとよい。
陽極22の電極面積と陰極24の電極面積とを異ならしてもよい。電極面積の差異を調整することで、生成された電解水に含まれる次亜塩素酸の濃度を変化させることができる。具体的には、陽極22の電極面積が陰極24の電極面積よりも大きい場合には、次亜塩素酸の濃度が高くなると共に酸性度合いも高くなる。一方で、陰極24の電極面積が陽極22の電極面積よりも大きい場合には、次亜塩素酸の濃度は低くなると共に酸性度合いも低くなる。
電解水製造ユニット12は、図2に示すように、制御部40が設けられていてもよい。制御部40は、たとえば、直流電源90の電圧や電流を調整する役割を有する。また、パルススイッチなどの整流素子を設けた場合には、制御部40によって、パルススイッチなどの整流素子を制御させることができる。なお、整流素子が組み込まれていることで、電流を安定的に出力しやすくなり、安定した電気分解を実現することができる。さらに、制御部40は、陽極22と陰極24との間に流れる電流値に基づき、電解質水溶液の電解質の濃度を導出させてもよい。つまり、電解質の濃度が低くなると、陽極22と陰極24との間に電流量が小さくなっていくため、電流量を計測することで電解質水溶液の濃度を導出することができる。必要に応じて、タイマー機能を付与することで、電気分解をはじめてから所定時間後に電気分解を止めることができる。制御部40は、演算処理装置(CPUなど)、RAM、ROMなどから構成される。
水槽14には、電解水製造ユニット12を固定する固定部70が設けられている。水槽14には、水位感知センサー(図示せず)を設けるとよい。
2.動作
次に、電解装置10の動作を説明する。
まず、電解水製造ユニット12を水槽14に貯められた水に浸すと共に、送水ポンプ82を動作し、電解質水溶液の供給源80から電解室収容室20に電解質水溶液を供給する。この際に、電解質水溶液の供給源80は、水槽14に貯められた水の水面よりも上に設定されるとよい。これにより、電解質収容室36の電解質水溶液に水圧がかかり、電解質イオンがイオン交換膜22,24から流出しやくなる。
次に、陽極22と陰極24との間に電位を印加し、電気分解を行う。たとえば、電気分解時の電圧は、5〜10Vとし、電流を3〜10アンペアとする。陽極22と陰極24との間に電位を印加すると、電解質収容室36の陽イオン(たとえば電解質が塩化ナトリウムの場合にはナトリウムイオン)が陽イオン交換膜34を通過し陰極24へと移動する。一方、電解質収容室36の陰イオン(たとえば電解質が塩化ナトリウムの場合には塩化物イオン)は陰イオン交換膜32を通過し陽極22へと移動する。
陽極22では、塩化物イオンが次式の反応を起こし、塩素が発生する。
2Cl→Cl+2e
この塩素は、さらに、水と反応して次亜塩素酸が生成される。
Cl+HO→HClO+HCl
一方で、陰極24では、次式の反応が起こる。
O+2e→1/2H+OH
この電気分解時において、陽極22の付近で生成された次亜塩素酸を含む酸性の電解水は、水槽の水全体に広がっていく。酸性の電解水が陰極24の付近に広がっていくため、陰極24にスケールが付着するのを防ぐことができる。また、陰極24の付近で生成されたアルカリの電解水もまた水槽の水全体に広がっていく。こうして、酸性の電解水とアルカリの電解水とが混合していく。こうして、酸性の電解水とアルカリの電解水との混合水を生成することができる。この混合水は、弱アルカリ性、中性または弱酸性を示す。
3.作用効果
本実施の形態によれば、次の作用効果を奏することができる。
(1)本実施の形態に係る電解水製造ユニット12によれば、水が貯められた水槽14に浸けるだけで、電解装置10を具現化できるため、簡易な構成の電解装置10を実現することができる。また、簡易な構成により、故障が起き難いと共に、故障が起きても修理が容易である。さらに、電解水製造ユニット12によれば、陽極室や陰極室が独立して設けられていないため、小型化を図ることができ、携帯性も高い。
(2)この電解装置10は、1室型であり、陽極22付近で発生したHClOが陰極24の付近にも向かい、陰極24で本来発生するスケールが付き難くなるということを本願発明者は見出した。このように陰極32にスケールがつかないことで、陰極32に付着したスケールを取り去る工程(逆洗浄)が不要または減らすことができるため、連続運転が可能となる。
(3)本実施の形態によれば、小型の電極(たとえば5cm四方)からなる電解装置10から、大型の電極(たとえば100cm四方)からなる電解装置10まで適用が可能である。
(4)塩化物イオンの大部分は、陽極22でClとなるため、水中に広がらない。したがって、電解水に塩化ナトリウムが発生するのを防ぐことができる。
(5)通常であれば、陽極22で生成した酸性の電解水と陰極24で生成した電解水とを混合した場合には、次亜塩素酸の濃度が大きく低下すると思われる。しかし、本発明者は、本実施の形態により得られた電解水は、次亜塩素酸の濃度(有効塩素濃度)が大きく低下しないことを見出した。したがって、本実施の形態によれば、得られる電解水が高濃度の次亜塩素酸を含有するため、殺菌力が低下しない。
なお、次亜塩素酸は陽極22側で生成された酸性の電解水中に含まれるものであることが一般的に知られているが、pH値が微酸性、中性もしくは微アルカリ性に調整された次亜塩素酸水を製造しようとする場合は、工業的に製造された次亜塩素酸ナトリウム(ソーダ)に塩酸を加えてpH値を調整するか、または前記文献1により生成された塩化ナトリウムを含む酸性電解水とアルカリ性の電解水とを適当量混合して製造することが考えられるが、いずれの場合も有効塩素濃度をあまり変化させずにpH値を単独に調整することは行われていない。
(6)従来は、どちらか一方を使用している時は一方を廃棄していたがBの製法により
大切な水資源を無駄に捨てないで済むようになった。
上記の実施の形態は、本発明の範囲内において、種々の変更が可能である。
電解水の製造装置を模式的に示す図である。 電解水の製造装置の制御部を説明するための図である。
符号の説明
10 電解水の製造装置
12 電解水製造ユニット
14 水槽
20 陽極
22 陰極
30 筐体
32 陰イオン交換膜
34 陽イオン交換膜
36 電解質収容室
40 制御部
50 第1の保持体
50a 第1の内枠
50b 第1の外枠
60 第2の保持体
60a 第2の内枠
60b 第2の外枠
70 固定部
80 電解質水溶液の供給源
82 送水ポンプ
90 直流電源

Claims (17)

  1. 筐体と、前記筐体により画定された電解質収容室と、陽極と、陰極とを含み、
    前記電解質収容室は、電解質水溶液を収容し、
    前記電解質収容室と前記陽極との間の前記筐体は、陰イオン交換膜により構成され、
    前記電解質収容室と前記陰極との間の前記筐体は、陽イオン交換膜により構成されていることを特徴とする電解水製造ユニット。
  2. 請求項1において、
    前記陽極および前記陰イオン交換膜を保持する第1の保持体と、
    前記陰極および前記陽イオン交換膜を保持する第2の保持体と、を含むことを特徴とする電解水製造ユニット。
  3. 請求項1または2において、
    前記第1の保持体は、第1の内枠と、第1の外枠とを含み、
    前記第1の内枠と前記第1の外枠との間に、前記陽極および前記陰イオン交換膜が収容されていることを特徴とする電解水製造ユニット。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、
    前記第2の保持体は、第2の内枠と、第2の外枠とを含み、
    前記第2の内枠と前記第2の外枠との間に、前記陰極および前記陽イオン交換膜が設けられていることを特徴とする電解水製造ユニット。
  5. 請求項1〜4のいずれかにおいて、
    電解質水溶液を前記電解質収容室へ送水ポンプを通じて供給する電解質水溶液の供給源を含むことを特徴とする電解水製造ユニット。
  6. 請求項1〜5のいずれかにおいて、
    前記電解質水溶液の供給源は、着脱自在であることを特徴とする電解水製造ユニット。
  7. 請求項1〜6のいずれかにおいて、
    前記陽極と前記陰極との間に流れる電流値に基づき、電解質水溶液の濃度を導出するための制御部を含むことを特徴とする電解水製造ユニット。
  8. 請求項1〜7のいずれかにおいて、
    前記陽極と前記陰極との間に流れる電流を整流するための整流素子と、
    前記整流素子を制御するための制御部を含むことを特徴とする電解水製造ユニット。
  9. 請求項1〜8のいずれかにおいて、
    前記陽極の電極面積と前記陰極の電極面積とは、異なることを特徴とする電解水製造ユニット。
  10. 請求項9のいずれかにおいて、
    前記陽極の電極面積は、前記陰極の電極面積より大きいことを特徴とする電解水製造ユニット。
  11. 請求項9において、
    前記陰極の電極面積は、前記陽極の電極面積より大きいことを特徴とする電解水製造ユニット。
  12. 請求項1〜11のいずれかにおいて、
    前記電解質水溶液は、塩化物イオンを含み、
    前記電解水製造ユニットは、次亜塩素酸を含む電解水の生成に適用されることを特徴とする電解水製造ユニット。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の電解水製造ユニットと、
    前記電解水製造ユニットが備え付けられた水槽とを含むことを特徴とする電解水製造装置。
  14. 請求項13において、
    前記水槽には、前記電解水製造ユニットを固定するための固定部が設けられていることを特徴とする電解水製造装置。
  15. 請求項1〜12のいずれかに記載の電解水製造ユニットを水槽に貯められた水に浸す工程(A)と、
    前記工程(A)の後に、前記陽極と前記陰極との間に電圧を印加し、電気分解を行う工程(B)と、を含むことを特徴とする電解水の製造方法。
  16. 請求項5または6に記載の電解水製造ユニットを水槽に貯められた水に浸す工程(A)と、
    前記工程(A)の後に、前記陽極と前記陰極との間に電圧を印加し、電気分解を行う工程(B)と、を含み、
    前記工程(B)において、前記電解質水溶液の供給源は、前記水槽に貯められた水の水面よりも上に設定されることを特徴とする電解水の製造方法。
  17. 請求項15または16に記載の電解水の製造方法により得られた電解水。
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