JP2008264656A - 硫黄除去装置および硫黄除去方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 使用済み脱硫触媒からの硫黄の除去を短時間で行えるとともに、設備を小型化できる硫黄除去装置および硫黄除去方法を提供すること。
【解決手段】 使用済み脱硫触媒から硫黄を除去するための硫黄除去装置10を、処理室20aと、処理室20aにマイクロ波を送るためのマイクロ波発生装置30a,30bと、処理室20a内で発生する廃ガスを燃焼処理する廃ガス処理装置とで構成した。また、処理室20aを、モータの駆動により回転する回転体21と、回転体21の前端部に設けられた前面ケース部22と、回転体21の後端部に設けられた後面ケース部23とで構成し、前面ケース部22に投入口24を設け、後面ケース部23に取出口部25を設けた。さらに、マイクロ波発生装置30a,30bをマイクロ波導波管31a,31bを介して処理室20aに連通し、回転体21の周囲に加熱部27を設けた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、石油の精製に使用されたのちの使用済み脱硫触媒から硫黄を除去するための硫黄除去装置および硫黄除去方法に関する。
精製される前の石油には、硫黄、バナジウム等の不純物が含まれており、従来から、アルミナを主体とする脱硫触媒を用いて石油を精製することにより、硫黄等の不純物を石油から除去することが行われている。また、このような石油の精製に用いられた使用済み脱硫触媒の中には、ニッケル、コバルト、モリブデン、バナジウム等の有用金属が含まれているため、この使用済み脱硫触媒から前述した有用金属を回収再生することも行われている(例えば、特許文献1参照)。
この使用済み脱硫触媒(脱硫廃触媒)の処理方法は、酸化焙焼工程と、溶融分離工程とを備えている。そして、酸化焙焼工程では、使用済み脱硫触媒を燃焼炉に投入し、500〜1000℃の温度で10〜30分加熱することにより、硫化物であった金属を金属酸化物にするとともに硫化物中の硫黄をSOxガスとして除去する処理が行われる。また、溶融分離工程では、酸化焙焼工程で得られた金属酸化物に生石灰およびコークスを混合して電気炉で1600℃以下の温度で30分〜2時間加熱して溶融させて、ニッケル、コバルト、モリブデン、バナジウムおよび鉄を有する合金と、スラグとを分離した状態で凝固させる処理が行われる。
特開2003−126706号公報
しかしながら、前述した従来の使用済み脱硫触媒の処理方法では、使用済み脱硫触媒に含まれる硫黄の量が少量である場合は、好ましい結果が得られるが、使用済み脱硫触媒に多量の硫黄が含まれる場合には、硫黄の十分な除去が難しくなる。すなわち、特許文献1の公報の表1に記載されているように、この場合の使用済み脱硫触媒に含まれる硫黄の量は、4.50重量%であるが、この硫黄の含有量がさらに増加していくと、酸化焙焼工程における処理時間はさらに長時間になる。
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、その目的は、使用済み脱硫触媒からの硫黄の除去を短時間で行えるとともに、硫黄の除去を短時間で行うことにより設備を小型化できる硫黄除去装置および硫黄除去方法を提供することにある。
前述した目的を達成するため、本発明に係る硫黄除去装置の構成上の特徴は、石油の精製に使用されたのちの使用済み脱硫触媒から硫黄を除去するための硫黄除去装置であって、使用済み脱硫触媒が投入される投入口が一方に設けられ、処理後の処理済み脱硫触媒が取り出される取出口が他方に設けられた処理室と、処理室にマイクロ波を送るためのマイクロ波発生装置と、処理室内で発生する廃ガスを無害化処理する廃ガス処理装置とを備えたことにある。
このように構成した本発明に係る硫黄除去装置は、投入口から使用済み脱硫触媒が投入される処理室にマイクロ波を送るためのマイクロ波発生装置を備えている。したがって、マイクロ波発生装置で発生されるマイクロ波を処理室内の使用済み脱硫触媒に照射することにより使用済み脱硫触媒を加熱して、使用済み脱硫触媒に含まれる硫黄を酸化ガスとして、使用済み脱硫触媒の他の部分から除去することができる。この場合のマイクロ波による使用済み脱硫触媒の加熱は、使用済み脱硫触媒の表面から内部に向って熱が伝達されることによって行われるのではなく、金属成分を含む使用済み脱硫触媒の粒子が自己発熱することにより行われるため、短時間で効率よく行える。
特に、ニッケルはマイクロ波を照射されたときに高温になる特性を備えているため、使用済み脱硫触媒にニッケルが含まれている場合に、より効果的である。また、硫黄を除去された処理済み脱硫触媒は、順次取出口から取り出すことができ、マイクロ波の照射時間を短くできることから硫黄除去装置、特に処理室を小型化することができる。これによって、設備コストや使用済み脱硫触媒を加熱するためのコストを低減することができる。また、処理室内で発生する廃ガスは、廃ガス処理装置によって無害化処理されるため、有害な廃ガスを大気中に放出することが防止される。この場合の無害化処理としては、廃ガスを高温で再燃焼して完全燃焼させる処理等がある。
本発明に係る硫黄除去装置の他の構成上の特徴は、処理室を、駆動装置の駆動により回転する筒状の回転体と、回転体の前端部に静止状態で設けられた前面ケース部と、回転体の後端部に静止状態で設けられた後面ケース部とで構成し、投入口を前面ケース部に設け、取出口を後面ケース部に設けたことにある。
これによると、処理室内に投入された使用済み脱硫触媒は、回転体内で姿勢を変えながら移動するようになるため万遍なくマイクロ波の照射を受けるようになり、より効果的に加熱される。また、この場合、回転体の内面に板状または棒状の複数の突起を設けておくことが好ましい。これによると、回転体が回転したときに、使用済み脱硫触媒は突起によって掻き回されるようにして回転体内で飛び散るようになるため、さらに効果的な加熱が可能になる。
また、本発明に係る硫黄除去装置のさらに他の構成上の特徴は、マイクロ波発生装置をマイクロ波導波管を介して処理室に連通したことにある。これによると、マイクロ波発生装置の設置場所を処理室から離れた任意の場所にできるため、マイクロ波発生装置と処理室との間のレイアウトに自由度が増すようになる。
本発明に係る硫黄除去装置のさらに他の構成上の特徴は、処理室の周囲に処理室を加熱するための加熱部を設けたことにある。これによると、処理室内に投入された使用済み脱硫触媒をマイクロ波発生装置が発生するマイクロ波で加熱することに加えて、加熱部によって加熱される処理室内の熱からも加熱できるため、使用済み脱硫触媒のより効果的な加熱が可能になる。
本発明に係る硫黄除去方法の構成上の特徴は、石油の精製に使用されたのちの使用済み脱硫触媒から硫黄を除去するための硫黄除去方法であって、使用済み脱硫触媒を処理室内に投入する使用済み脱硫触媒投入工程と、処理室内に投入された使用済み脱硫触媒に、マイクロ波を照射して使用済み脱硫触媒を加熱することにより使用済み脱硫触媒に含まれる硫黄を燃焼して使用済み脱硫触媒から除去する硫黄除去工程と、硫黄が除去された処理済み脱硫触媒を処理室から取り出す処理済み脱硫触媒取出工程と、処理室内で発生する廃ガスを無害化処理する廃ガス処理工程とを備えたことにある。
この硫黄除去方法では、処理室内に投入した使用済み脱硫触媒にマイクロ波を照射することによって使用済み脱硫触媒に含まれる硫黄を燃焼して除去し、硫黄が除去された処理済み脱硫触媒を処理室から取り出すようにしている。前述したように、マイクロ波による使用済み脱硫触媒の加熱は、金属成分を含む使用済み脱硫触媒の粒子が自己発熱することにより行われるため、この硫黄除去方法によると短時間で使用済み脱硫触媒を加熱して効率よく硫黄の除去を行うことができる。また、この場合のマイクロ波の周波数は2.45GHzとすることが好ましい。
以下、本発明に係る硫黄除去装置および硫黄除去方法を図面を用いて説明する。図1ないし図3は、本発明の一実施形態に係る硫黄除去装置10を示している。この硫黄除去装置10は、左右方向(図2および図3における左右方向)の長さよりも前後方向(図1における左右方向)の長さが長くなった台部11と、台部11の上面に設置された処理部20と、台部11が設置された床面12における台部11の前部側に設置され処理部20に連結された一対のマイクロ波発生装置30a,30bとを備えている。
台部11は、脚部13と脚部13の上端部に設けられた水平支持部14とで構成されており、脚部13は、前後方向に間隔を保って配置された3組の左右一対の脚片15a,15b、脚片16a(もう一方の脚片は図示せず)、脚片17a,17bからなる6本の脚片で構成されている。そして、水平支持部14は四角形の枠体で構成されており、その四隅と左右両側の長手部分の略中央部分とを脚部13を構成する各脚片15a等によって支持されている。
また、水平支持部14の上面における前端側部分と、水平支持部14の長手方向の中央よりもやや後部側部分には、処理部20が備える円筒状の回転体21を軸線周り方向に回転可能にした状態で支持する一対のガイド部18,19が設けられている。このガイド部18,19は、それぞれ水平支持部14から上方に延びる支持枠18a,19aと、各支持枠18a,19aの上端両側に設けられた左右一対の回転支持部18b(一方しか図示せず),19b,19cとで構成されている。この回転支持部18b等は回転可能なローラ部を備えており、回転体21は回転支持部18b等により軸周り方向に回転可能な状態で支持されている。
処理部20は、前述した回転体21と、回転体21の前端部に設けられた前面ケース部22と、回転体21の後端部に設けられた後面ケース部23とで構成される処理室20aを備えている。そして、前面ケース部22の前端面には投入口部24が設けられ、後面ケース部23の下部には取出口部25が設けられている。また、後面ケース部23の後端面には、廃ガス放出管26の基端部が接続されており、この廃ガス放出管26の先端部は、廃ガス処理装置(図示せず)に接続されている。そして、回転体21の周囲には、加熱部27が設けられている。
回転体21は、円筒状の回転体本体21aの内周面に、回転体本体21aの軸方向に沿って延びる複数の細長い板状の掻揚げ羽根21bを円周方向に一定間隔を保って形成して構成されている。そして、回転体21は、本発明の駆動装置としてのモータ(図示せず)の駆動により回転するように構成されており、使用済み脱硫触媒を処理室20a内に入れてモータを駆動させると、回転体21は軸周り方向に回転し、その回転によって使用済み脱硫触媒は掻揚げ羽根21bによって跳ね飛ばされて処理室20a内で飛び散る。
なお、モータによる回転体21の回転は、回転体21の外周面に円周に沿ってギア部を設けるとともに、モータの回転軸に回転体21のギア部と噛合するギア部を形成し、両ギア部を噛合させた状態でモータを駆動させたり、ガイド部18,19の回転支持部18bおよび回転支持部19b,19cの少なくとも一方をモータで回転させたりすることで行うことができる。前面ケース部22は、回転体21の前端開口と前部側外周面とを覆うようにして配置されており、軸方向の長さが短い円筒体と、その円筒体の前端開口を塞ぐ円板状の板体とで構成されている。
この前面ケース部22は、台部11に設けられた支持部材(図示せず)によって静止状態に支持されている。そして、前面ケース部22の円板状の板体の上部側部分に投入口が形成され、この投入口に投入口部24の下端部が連結されている。投入口部24は、前面ケース部22の投入口から前側上方に傾斜して延びる傾斜シュート24aと、傾斜シュート24aの上端側に設けられた漏斗形のホッパー24bと、傾斜シュート24aとホッパー24bとの間に設けられた開閉部24cとで構成されている。このため、開閉部24cを開いた状態でホッパー24b内に使用済み脱硫触媒を投入すると、その使用済み脱硫触媒はホッパー24bから傾斜シュート24aを介して処理室20a内に入る。
また、前面ケース部22の円板状の板体の下部側部分には、一対のマイクロ波発生装置30a,30bからそれぞれ延びてくるマイクロ波導波管31a,31bの先端部が連結されている。マイクロ波発生装置30a,30bは、すでに公知のマグネトロンを利用してマイクロ波を発生させる装置であり、物質中に含まれる水分子を電波で躍らせ互いにぶつかり合わせることによって熱を発生させる。また、マイクロ波発生装置30a,30bは、それぞれアイソレータ32a,32bを介して、マイクロ波導波管31a,31bに接続されている。アイソレータ32a,32bは、負荷によって処理室20aから反射されるマイクロ波によって、マイクロ波発生装置30a,30bが破損することを防ぐための装置である。
後面ケース部23は、回転体21の後端開口と後部側外周面とを覆うようにして配置されており、軸方向の長さが短い円筒体と、その円筒体の後端開口を塞ぐ円板状の板体とで構成されている。この後面ケース部23は、台部11に設けられた支持部材(図示せず)によって静止状態に支持されている。そして、後面ケース部23の円筒体の下端部分に取出口が形成され、この取出口に取出口部25の上端部が連結されている。取出口部25は、後面ケース部23の取出口から下方に延びる略漏斗状の垂直シュート25aと、垂直シュート25aの下端側に設けられた管状の取出管25bと、垂直シュート25aと取出管25bとの間に設けられた開閉部25cとで構成されている。
このため、開閉部25cを開くと、処理室20a内で処理された処理済み脱硫触媒は垂直シュート25aから取出管25bを介して処理室20aの外部下方に落下していく。なお、処理室20aは、前部側よりも後部側が低くなるように設置して、処理済み脱硫触媒を取り出し易くしている。また、後面ケース部23の円板状の板体の上部側部分には廃ガス放出管26の基端部が接続されている。廃ガス放出管26の先端部に接続された廃ガス処理装置は、処理室20aから送られる廃ガスを燃焼するための燃焼部や燃焼ガス中の不純物を吸収するフィルター部等で構成されており、廃ガスから有害物を除去して大気中に放出する。
加熱部27は、回転体21の外周面における軸方向の中央部分に設けられており、回転体21の外周面との間に空間部を形成するようにして設けられた略箱状の円筒体27aと、その内部に設けられたバーナー(図示せず)とで構成されている。この円筒体27aの前端部と後端部とには、回転体21の外周面との間に隙間を設けた状態でそれぞれ前壁部27bと後壁部27cとが設けられている。
このように、回転体21の外周面と前壁部27bおよび後壁部27cとの間に隙間を設けることによって、回転体21は加熱部27に対して干渉することなく回転できるとともに、円筒体27aの内部に空気を送り込んでバーナーを発火させることができる。また、この硫黄除去装置10は、CPU、ROM,RAMおよび各種の回路等で構成された制御装置(図示せず)や作動ボタン等を含む制御盤(図示せず)備えており、硫黄除去装置10を構成する各装置は、この制御盤の操作によってその作動を制御される。
つぎに、このように構成された硫黄除去装置10を用いて、使用済み脱硫触媒を硫黄除去処理する場合について説明する。この使用済み脱硫触媒は、石油の精製に使用され脱硫作用が劣化した脱硫触媒であり、アルミナを主体とし、脱硫効果を向上させるために含ませたニッケル、コバルト、モリブデンに加えて、石油の精製により吸着した硫黄、バナジウム、油分等の成分を含んでいる。硫黄除去処理を行う場合には、まず、制御盤の作動ボタン等をオン操作することにより、硫黄除去装置10を作動させる。
これによって、加熱部27のバーナーが発火して回転体21を所定の温度( ℃程度)に加熱する。その状態で、投入口部24の開閉部24cを開け、ホッパー24bから処理室20a内に使用済み脱硫触媒を投入する。つぎに、モータを作動させて回転体21を回転させるとともに、マイクロ波発生装置30a,30bを作動させてマイクロ波を発生させそのマイクロ波をマイクロ波導波管31a,31bを介して処理室20a内に送る。これによって、処理室20a内の使用済み脱硫触媒は、掻揚げ羽根21bによって跳ね飛ばされて処理室20a内で飛び散りながらマイクロ波を照射される。
この場合、マイクロ波発生装置30a,30bで発生するマイクロ波の周波数は2.45GHzになるように設定されており、このマイクロ波の照射により使用済み脱硫触媒は、略700℃に加熱される。このマイクロ波の照射は略10分間行われ、これによって、使用済み脱硫触媒に含まれる金属は酸化して金属酸化物となる。また、使用済み脱硫触媒に含まれる硫黄はSOxガスとなり、使用済み脱硫触媒に付着していた油分はCO2ガスとなる。このSOxガスとCO2ガスは、廃ガス放出管26を通過して廃ガス処理装置に送られ、燃焼処理等により有害物を除去されて外部に放出される。
脱硫された処理済み脱硫触媒は、開閉部25cを開けることによって、処理室20aから取り出される。この場合、取出管25bの下方には、回収容器35を設置しておき、この回収容器35内に取出管25bから落下してくる処理済み脱硫触媒を入れる。そして、硫黄除去装置10を構成する各装置の作動を停止させる。また、この処理は連続して行うこともできる。この場合、投入口部24のホッパー24bから処理室20a内に使用済み脱硫触媒を投入しながら取出口部25の取出管25bから処理済み脱硫触媒を取り出すようにし、ホッパー24bに投入された使用済み脱硫触媒が略10分で取出管25bに到達するようにする。また、回収容器35に収容された処理済み脱硫触媒は、後工程における処理により順次回収再生され、特に、ニッケル、コバルト、モリブデン、バナジウムは有用な金属として再利用される。
このように、本発明に係る硫黄除去装置10では、使用済み脱硫触媒が投入された処理室20aにマイクロ波発生装置30a,30bで発生させたマイクロ波をマイクロ波導波管31a,31bを介して送って使用済み脱硫触媒に照射するようにしている。そして、使用済み脱硫触媒はマイクロ波を照射されることにより加熱されて、含有する硫黄を酸化ガスとして除去される。この場合のマイクロ波による使用済み脱硫触媒の加熱は、短時間で効率よく行える。これは、使用済み脱硫触媒の中に、マイクロ波を照射されたときに高温になる特性を備えた金属が含まれているためで、特に、ニッケルを含んでいる場合に著しい効果が表れる。
例えば、化学を変えるマイクロ波熱触媒、ケイ・ディー・ネオブック、2004年3月25日の第19頁の表2によると、酸化ニッケルに6.25分マイクロ波を照射した場合に、酸化ニッケルの温度は1305℃になると記載されている。また、マイクロ波の照射により硫黄を除去された処理済み脱硫触媒は、順次取出口部25の取出管25bから取り出すことができ、マイクロ波の照射時間を短くできることから処理室20aを大幅に小型化することができる。例えば、従来の燃焼炉を用いた場合の1/3の時間で処理ができれば、処理室20aの容量を燃焼炉の容量の1/3にしても単位時間当たりの処理量は同じになる。
そして、処理室20aを小型化することによって、硫黄除去装置10全体を小型化することもでき、これによって、設備コストや使用済み脱硫触媒を加熱処理するためのコストを低減することができる。また、処理室20a内で発生する廃ガスは、廃ガス処理装置によって無害化処理されたのちに外部に放出されるため、有害な廃ガスを大気中に放出することが防止される。また、本実施形態に係る硫黄除去装置10では、処理室20aを、回転体21と、回転体21の前端部に設けられた前面ケース部22と、回転体21の後端部に設けられた後面ケース部23とで構成し、回転体21の内周面に、複数の掻揚げ羽根21bを設けている。
このため、処理室20a内に投入された使用済み脱硫触媒は、回転体21内で飛び跳ねながら万遍なくマイクロ波の照射を受けるようになり、より効果的に加熱される。また、回転体21の周囲に加熱部27を設けたため、処理室20a内に投入された使用済み脱硫触媒をマイクロ波で加熱することに加えて、加熱部27によって加熱される処理室20a内の熱からも加熱できるため、より効果的な加熱処理が可能になる。さらに、マイクロ波発生装置30a,30bをマイクロ波導波管31a,31bを介して処理室20aに連通したため、マイクロ波発生装置30a,30bの設置場所を任意の場所にすることができる。
また、本発明に係る硫黄除去方法では、処理室20a内に投入した使用済み脱硫触媒にマイクロ波を照射することによって使用済み脱硫触媒に含まれる硫黄を燃焼して除去し、硫黄が除去された処理済み脱硫触媒を処理室20aから取り出すようにしている。そして、前述したように、マイクロ波による使用済み脱硫触媒の加熱は、金属成分を含む使用済み脱硫触媒の粒子が自己発熱することにより行われるため、短時間で使用済み脱硫触媒を加熱して効率よく硫黄の除去が行える。
また、参考として、マイクロ波を用いて使用済み脱硫触媒から硫黄を除去した場合と、従来の方法で使用済み脱硫触媒から硫黄を除去した場合との比較テストを行った。マイクロ波を用いる場合は、テストの便宜上、硫黄除去装置10に代えて、市販の出力が950Wの電子レンジを用いた。また、使用済み脱硫触媒としては、個々の粒子サイズが直径が1〜1.5mmで、長さが2〜3mmの使用済み脱硫触媒を用いた。そして、使用済み脱硫触媒の試料10gを、内径が50mmの磁性坩堝に入れて電子レンジ内に設置し、大気雰囲気中で通電加熱した。
この場合、試料の温度が略700℃になったときに、通電と通電停止とを繰り返して略700℃の温度を維持しながら試料を10分間加熱した。また、電子レンジが発生するマイクロ波は、商用として認可されている2.45GHzとした。また、この場合の試料は少量であり発生する酸化ガスも少量であるため、特に廃ガス処理装置を用いた廃ガス処理は行わなかった。そして、この試料に対して、加熱処理を行う前と加熱処理を行った後の成分の分析を蛍光X線装置を用いて行った。その結果を、下記の表1に示した。
Figure 2008264656
表1に示したように、加熱処理を行う前の試料には、24.81重量%の硫黄が含まれていたが、加熱処理を行ったのちの試料に含まれる硫黄の量は0.83重量%であった。また、加熱処理後の試料に含まれる硫黄以外のモリブデン等の量(重量%)は、加熱処理によって除去された硫黄や油分の量に応じてそれぞれ比例して加熱処理前よりも増加した。また、従来の方法としては、実験用電気炉と前述した使用済み脱硫触媒の試料と同じ試料を用いた。そして、使用済み脱硫触媒の試料30gを、内径が50mmの磁性坩堝に入れて実験用電気炉内に設置し、大気雰囲気中で780℃の温度に加熱した。加熱開始から30分経過した時点で、試料の中の10gの試料を30分加熱後の分析用試料として採取した。
さらに、磁性坩堝内に残った20gの試料を30分間加熱(合計60分間の加熱)保持した。そして、加熱処理前の試料、30分加熱処理した試料および60分加熱処理した試料に対して、それぞれ蛍光X線装置を用いて成分の分析を行った。その結果を、下記の表2に示した。
Figure 2008264656
表2に示したように、加熱処理を行う前の試料には、24.81重量%の硫黄が含まれていたが、30分加熱処理を行ったのちの試料に含まれる硫黄の量は11.16重量%に減少した。そして、60分加熱処理を行ったのちの試料には硫黄は含まれていなかった。この場合も、30分または60分の加熱処理後の試料に含まれる硫黄以外のモリブデン等の量(重量%)は、加熱処理によって除去された硫黄や油分の量に応じてそれぞれ比例して加熱処理前や30分の加熱処理後よりもそれぞれ増加している。
以上の結果のように、マイクロ波を用いた場合には、加熱温度をやや低めの略700℃に設定しても10分間の処理時間で、硫黄の量を24.81重量%から0.83重量%に減少させることができたのに対し、従来法では、加熱温度を高めの780℃にして30分間加熱処理しても硫黄の量を24.81重量%から11.16重量%までしか減少させることができなかった。そして、従来法では、硫黄の含有量を「0」にするには60分程度の処理時間を要した。
この場合、テスト開始時の試料がマイクロ波を用いた場合で10g、従来法で30gと試料の量に差があるものの、この差を考慮してもマイクロ波を用いた場合には、従来法よりも短時間の加熱処理で硫黄の除去をできる効果があり、使用済み脱硫触媒の酸化焙焼に著しく優れていることがわかる。そして、本発明に係る硫黄除去装置および硫黄除去方法のようにマイクロ波を用いて使用済み脱硫触媒から硫黄を除去することにより、大幅な加熱エネルギーの節減と加熱コストの軽減を図ることができることもわかる。この結果から、本発明に係る硫黄除去装置および硫黄除去方法は、使用済み脱硫触媒に含まれる貴重な有用金属成分の回収再生処理に大きく貢献できることは明らかである。
また、本発明に係る硫黄除去装置および硫黄除去方法は、前述した実施形態に限定するものでなく、適宜変更実施が可能である。例えば、前述した実施形態では、マイクロ波の周波数を2.45GHzとしているが、これは使用済み脱硫触媒の加熱処理に周波数が2.45GHzのマイクロ波を用いることが好ましいことに加えて、現在国内で認可されているマイクロ波の周波数が2.45GHzであるためで、他の周波数での使用が認められる等の条件が整えば他の周波数にすることもできる。その場合、使用済み脱硫触媒の処理条件に基づいて300MHz〜300GHzの間で適宜選択できる。
また、前述した実施形態では、一対のマイクロ波発生装置30a,30bを用いているが、このマイクロ波発生装置は1個でもよい。また、加熱部27も省略することができる。さらに、前述した実施形態では、廃ガス処理装置を、廃ガスを燃焼する燃焼部とフィルター等とで構成しているが、燃焼部を省略して高精度のフィルターを用いてもよい。廃ガス処理装置としては、廃ガス中の有害成分を除去できるものであればよい。また、それ以外の硫黄除去装置を構成する各部分についても本発明の技術的範囲内で適宜変更実施が可能である。
本発明の一実施形態に係る硫黄除去装置を示した側面図である。 硫黄除去装置の正面図である。 硫黄除去装置の背面図である。
符号の説明
10…硫黄除去装置、21…回転体、20a…処理室、22…前面ケース部、23…後面ケース部、24…投入口部、25…取出口部、26…廃ガス放出管、27…加熱部、30a,30b…マイクロ波発生装置、31a,31b…マイクロ波導波管。

Claims (6)

  1. 石油の精製に使用されたのちの使用済み脱硫触媒から硫黄を除去するための硫黄除去装置であって、
    前記使用済み脱硫触媒が投入される投入口が一方に設けられ、処理後の処理済み脱硫触媒が取り出される取出口が他方に設けられた処理室と、
    前記処理室にマイクロ波を送るためのマイクロ波発生装置と、
    前記処理室内で発生する廃ガスを無害化処理する廃ガス処理装置と
    を備えたことを特徴とする硫黄除去装置。
  2. 前記処理室を、駆動装置の駆動により回転する筒状の回転体と、前記回転体の前端部に静止状態で設けられた前面ケース部と、前記回転体の後端部に静止状態で設けられた後面ケース部とで構成し、前記投入口を前記前面ケース部に設け、前記取出口を前記後面ケース部に設けた請求項1に記載の硫黄除去装置。
  3. 前記マイクロ波発生装置をマイクロ波導波管を介して前記処理室に連通した請求項1または2に記載の硫黄除去装置。
  4. 前記処理室の周囲に前記処理室を加熱するための加熱部を設けた請求項1ないし3のうちのいずれか一つに記載の硫黄除去装置。
  5. 石油の精製に使用されたのちの使用済み脱硫触媒から硫黄を除去するための硫黄除去方法であって、
    前記使用済み脱硫触媒を処理室内に投入する使用済み脱硫触媒投入工程と、
    前記処理室内に投入された前記使用済み脱硫触媒に、マイクロ波を照射して前記使用済み脱硫触媒を加熱することにより前記使用済み脱硫触媒に含まれる硫黄を燃焼して前記使用済み脱硫触媒から除去する硫黄除去工程と、
    前記硫黄が除去された処理済み脱硫触媒を前記処理室から取り出す処理済み脱硫触媒取出工程と、
    前記処理室内で発生する廃ガスを無害化処理する廃ガス処理工程と
    を備えたことを特徴とする硫黄除去方法。
  6. 前記マイクロ波の周波数を2.45GHzとした請求項5に記載の硫黄除去方法。
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