JP2008263891A - 亜鉛高含有イモ類 - Google Patents

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Abstract

【課題】地下貯蔵器官可食部中に亜鉛を高濃度含有するイモ類及びその製造法の提供。
【解決手段】地下貯蔵器官可食部中に亜鉛を0.5mg/100g以上含有するイモ類及び亜鉛濃度として0.01〜2重量%含有する液を、イモ類の地下貯蔵器官肥大期から葉面散布する地下貯蔵器官可食部中に亜鉛を0.5mg/100g以上含有するイモ類の製造法。
【選択図】なし

Description

本発明は、地下貯蔵器官可食部中に亜鉛を高濃度含有し、食品また食品材料として有用なイモ類及びその製造法に関する。
ヒトが生命を維持するためには鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、バナジウム(V)、セレン(Se)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、ヨウ素(I)、ケイ素(Si)、フッ素(F)、ヒ素(As)、鉛(Pb)などといった微量金属元素を体外から摂取する必要があり、これらの元素は必須元素と呼ばれている(非特許文献1)。なかでも亜鉛(Zn)は人体内に微量金属元素としては鉄についで多く含まれており、カルボキシペプチダーゼ、炭酸脱水素酵素、アルコール脱水素酵素などの重要な酵素に含有され、体内の代謝系で重要な役割を担っていることが知られている。また、亜鉛が欠乏すると成長障害、性機能低下、皮膚や毛髪の損傷、味覚異常などを示すことが知られており問題となっている。さらに、成人の亜鉛所要量は1日当たり12〜15mgとされている一方で、平均的な日本食では1日あたり9mg程度しか亜鉛を摂取できないとされ、日本人の亜鉛不足が問題視されている(非特許文献2)。このことから平成14年には厚生労働省が栄養機能食品成分として亜鉛を追加し、また平成16年には文部科学省により給食中亜鉛含量の目標値が設定されるなどといった公的機関による対策が講じられている。
以上のように、亜鉛(Zn)は人体が生命活動を営む上で重要であるため、適正量を日常的な食事によって摂取することが望まれている。しかしながら、これらの元素を多く含む食品は比較的限られている。例えば亜鉛(Zn)は牡蠣(カキ)中には13.2mg/100g、牛レバーには3.8mg/100gといった高い濃度で含有されている(非特許文献3)。しかしながら、現在の日本人の食生活習慣においてこれらの食材を毎日摂取するのは一般的とはいえない。これに対してジャガイモ、ナガイモなどのイモ類は日常的に摂取できる食材といえる。この点からイモ類にこれらの微量金属元素の含有量を高めることができれば有用と考えられるが、イモ類の栽培法に関する技術分野では微量金属元素の研究は必要最低限の施肥方法などの研究は行われているものの、可食部に積極的に取り込ませる技術については満足できるものではなかった。
イモ類ではないものの、最近ライムギの子実中の亜鉛含量を高めるために遺伝子組み換えによってシロイヌナズナ由来の亜鉛トランスポーター遺伝子を過剰発現させるという技術が開発された。しかしながら、この遺伝子組み換え体に亜鉛を施肥しても亜鉛吸収速度は高まらなかった(非特許文献4)。この原因については亜鉛トランスポーター遺伝子が発現していても亜鉛が存在すると他の金属トランスポータータンパク質でみられる(非特許文献5)ように、翻訳後調節によって亜鉛トランスポータータンパク質が消失してしまうためではないかと考察されている。このように現在先端的な技術である遺伝子組み換え技術を用いても作物の可食部に亜鉛などの微量金属元素をとりこませることは困難である。
また、従来の施肥技術の一つとして葉面散布法も実用化されている。この方法は散布液が直接接触する細胞中に肥料成分を取り込ませることは可能であるため、葉の要素欠乏症状の防止もしくは改善させるといったことは出来る。しかしながら、葉から種子中に転流させる、すなわち、複数の細胞間を移行させることによって、散布液が直接接触することのない種子中に金属元素含量を高濃度で蓄積させるといった技術はみられなかった。特に亜鉛は窒素、リン、カリウム、マグネシウムなどといった転流しやすい元素ではない(非特許文献6)ため、従来の葉面散布方法では種子中に高濃度で蓄積させることは困難であった。
桜井・田中(編著)1993.生物無機化学.廣川書店 冨田1998.元気になるミネラル 亜鉛パワーの秘密.宙出版 香川(監)2003.『五訂食品分析表2003』女子栄養大学出版部 Rameshら2004.Plant Mol.Biol. Connolyら2002.Plant Cell Marschner1995.Mineral Nutrition of Higher Plants(2nd ed.)Academic Press 玖村ら(編)1988.新版食用作物学.文永出版.
本発明の目的は、イモ類の主要な可食部である塊茎・塊根などの地下貯蔵器官(非特許文献7)中に亜鉛を高濃度含有するイモ類及びその製造法を提供することにある。
そこで本発明者は、イモ類の地下貯蔵器官中に亜鉛を高濃度で取り込ませるべく種々検討した結果、全く意外にも、亜鉛含有液を葉面に散布することにより、土壌に施用する場合に比べて高濃度に可食部中に取り込まれ、可食部中の亜鉛濃度が従来にない高濃度のイモ類が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、地下貯蔵器官可食部中に亜鉛を0.5mg/100g以上含有するイモ類を提供するものである。
また、本発明は、亜鉛濃度として0.01〜2重量%含有する液を、イモ類の地下貯蔵器官肥大期から葉面に散布することを特徴とする、地下貯蔵器官可食部中に亜鉛を0.5mg/100g以上含有するイモ類の製造法を提供するものである。
また、本発明は、亜鉛濃度として0.01〜2重量%含有するイモ類の葉面散布用液であって、地下貯蔵器官可食部中に亜鉛を0.5mg/100g以上含有するイモ類製造用資材を提供するものである。
本発明のイモ類は、従来作製し得なかった高濃度の亜鉛を含有しており、栄養価の高い食品及び食品材料として有用である。
また、本発明のイモ類の製造法は、土壌施用でなく、葉面等への散布であることから、土壌に亜鉛を大量に施肥した場合に生じるとされている、土壌中の鉄の吸収移動を阻害し、鉄欠乏症状を引き起こしてしまう、いわゆる“重金属誘導クロロシス”という問題(熊沢・西沢1976.植物の養分吸収.東京大学出版会)が生じない。また、土壌に大量に施用した場合は河川への流亡も環境保全上問題となる。例えば日本においては平成15年の環境基本法改正により河川や海水中の亜鉛濃度基準が10〜30μg/L以下と設定されているが、本発明方法によれば、かかる問題も生じない。
本発明のイモ類は、地下貯蔵器官可食部中に亜鉛を0.5mg/100g以上含有する。ここで、イモ類の地下貯蔵器官には、ジャガイモの茎、サツマイモの根等が含まれる。通常、イモ類の地下貯蔵器官可食部中の亜鉛濃度は0.1〜0.3mg/100gとされており、本発明のように高濃度の亜鉛を含有するイモ類は知られていない。地下貯蔵器官可食部中のより好ましい亜鉛濃度は0.8〜1.5mg/100gである。ここで、亜鉛濃度は原子吸光法、ICP発光分析法、ICP質量分析法により測定でき、この濃度は乾燥物100g中の亜鉛含有量(mg)である。
本発明におけるイモ類としては、ナガイモ(Dioscorea betatas)、ジャガイモ(Solanum tuberosum)、サツマイモ(Ipomoea batatas)及びサトイモ(Colocasia esculenta)等が挙げられるが、このうちナガイモ、ジャガイモが好ましく、特にナガイモが好ましい。
本発明の地下貯蔵器官可食部中に高濃度亜鉛を含有するイモ類は、亜鉛濃度として0.01〜2重量%含有する液を、地下貯蔵器官肥大期から葉面散布することにより製造できる。
本発明者等の検討によれば、イモ類の地下貯蔵器官中に亜鉛を高濃度に吸収させるには、土壌処理でなく、葉面散布が好ましいことが判明した。従って、亜鉛濃度として0.01〜2重量%含有し、イモ類の葉面散布用液は、地下所蔵器官可食部中に亜鉛を0.5〜2.0mg/100g以上含有する豆類製造用資材として有用である。
散布に用いる液(以下、葉面散布資材ということもある)は、亜鉛を0.01〜2重量%含有する液が好ましい。当該液を調製するために用いる亜鉛としては水溶性があれば特に制限はなく、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、蟻酸亜鉛、酢酸亜鉛、及びEDTA亜鉛のようなキレート体亜鉛などが挙げられる。このうち、子実への亜鉛移行性の点から硫酸亜鉛が特に好ましい。
葉面散布資材中の亜鉛濃度としては、亜鉛として0.02〜1重量%が好ましく、特に0.1〜0.5重量%が好ましい。
また、本発明で用いる葉面散布資材には、海藻抽出物を含有させることにより、豆類子実への亜鉛移行率が向上する。海藻としては褐藻類が好ましく、なかでもコンブ目(Laminariales)が好ましい。さらにチガイソ科(Alariaceae)が好ましい。最も好適なのはアイヌワカメ(Alaria praelonga)である。これらの原料となる海藻は水分を含んだままでもよいし、乾燥させてもよいが、処理のしやすさを考慮すると乾燥物のほうが好ましい。
海藻抽出物の葉面散布資材中の含有量は、乾燥物換算で0.1〜20重量%、さらに1〜10重量%、特に3〜5重量%が好ましい。
海藻抽出物は、例えば以下の如くして調製できる。材料となる海藻は希硫酸水あるいは希塩酸水などの酸を加え、60℃以上に加温することによって加水分解を行う。この場合、用いる酸の種類は硫酸が好ましく、濃度は0.5〜2Nが好ましい。加温する温度については分解速度の速さから煮沸するのが好ましい。得られた加水分解物は適宜アルカリを加えることによってpHを調整したのち、遠心分離又はろ過により固形分を取り除き、海藻抽出物を得る。好ましい葉面散布資材を得るには、この海藻抽出物そのもの又は希釈液に亜鉛を適宜添加すればよい。
葉面散布資材には、葉面への付着性を高めるため、農業上通常用いられる展着剤、界面活性剤を添加するのが好ましい。用いる展着剤、界面活性剤は特に制限はないが、界面活性剤としては非イオン性、陰イオン性、陽イオン性及び両イオン性のいずれも使用することが出来る。例を挙げると、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレンポリマー、オキシプロピレンポリマー、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル、第四級アンモニウム塩、オキシアルキルアミン、レシチン、サポニン等である。また、必要に応じてゼラチン、カゼイン、デンプン、寒天、ポリビニルアルコール、アルギン酸ソーダなどを補助剤として用いることが出来る。
葉面散布資材を散布する場合、農業上通常用いられる葉面散布用肥料と混合してもよい。この場合、肥料成分としては特に制限はないが、溶解後アルカリ性を示すものについては亜鉛が塩として沈殿を起こすため好ましくない。混合する場合に好ましい肥料成分を例示すれば、尿素、燐酸アンモニウム、塩酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、燐酸、ピロ燐酸、などが挙げられる。中でも尿素の混用は亜鉛の吸収量を高める場合があるため好ましい(MortvedtとGilkes1993.Zinc fertilizer.“Zinc in soils and plants”Kluwer academic publishers)。
本発明のイモ類を栽培する場合の土壌に施用する基肥・追肥はその地域で行われている施肥量・施肥方法に準拠すればよい。ただし、土壌に亜鉛処理すれば地下貯蔵器官中亜鉛含量をさらに若干増加させることが出来ることは言うまでもない。
本発明のイモ類を栽培する場合の栽植密度は、その地域で推奨されている密度でよいが、葉面散布資材中の亜鉛濃度を0.1重量%以上とする場合は、減収を軽減する目的で栽植密度を通常より1.2〜2倍高めることが好ましい。
葉面散布資材の散布方法としては、葉の裏面まで葉面散布資材が展着するようにすることが望ましい。ブームスプレーヤーを使用する場合は散布液量を1ヘクタール当たり1000リットル以上、好ましくは1200〜3000リットル、より好ましくは1500〜2500リットルとすることが望ましい。その際、噴霧器の加圧は2〜3MPaと高めに設定することが好ましい。また、噴孔を小さくするなど、噴霧される液の粒子径が小さくなるような装置を使用した方がよい点については言うまでもない。また、静電気を利用することにより噴霧液の植物体への付着を促進させるいわゆる静電噴霧機や静電噴霧ノズル口を用いることも望ましい。
葉面散布資材の散布時期については地下貯蔵器官肥大期から茎葉が黄化する時期までがよく、特に出穂期〜黄化直前までの時期が好ましい。葉面散布資材の散布間隔については1日1回乃至2週間に1回が好ましい。さらに1週間〜2週間に1回散布することがより好ましい。また、作物生育期間中での合計散布回数は2〜8回が好ましい。
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
製造例1
海藻エキスの調製
アイヌワカメ(Alaria praelonga)、チガイソ(Alaria crassifola)、マコンブ(Laminaria japonica)、スジメ(Costraia costata)の乾燥物はそれぞれハサミで5cm角に細断した。これらの細断物450gに1N硫酸を2,550mL加え、2時間撹拌しながら煮沸した。得られた液体は容器をクラッシュアイス内に入れることにより冷却し、ついで遠心分離機により8,000G×60分で遠心分離した。得られた上澄み1.5Lに水1Lを加えて希釈し、硫酸亜鉛七水和物2.5kgを加えて溶かした。この液に水酸化カリウムを加えpH2.0に調整した。このうち、アイヌワカメを原料としたものを亜鉛入りアイヌワカメエキスと以後称することとする。なお、アイヌワカメ現物中の亜鉛含量は2.34mg/kgであることから、亜鉛含有アイヌワカメエキス中でアイヌワカメそのものに由来する亜鉛は0.11mg/kgに過ぎず、実質上無視できる。
実施例1
北海道夕張郡栗山町の圃場においてナガイモ品種「夕張選抜系」を栽培した。基肥は『北海道施肥ガイド』(北海道農政部編2002、社団法人 北海道農業改良普及協会)の施肥基準に準じて行った(標準施肥区)が、その一部に硫酸亜鉛(ZnSO4)を亜鉛含量として5.7及び11.4kg/ha施用した硫酸亜鉛土壌施用区、酸化亜鉛(ZnO)を亜鉛含量として20.6及び41.2kg/ha施用した酸化亜鉛土壌施用区を設けた。植え付けは4月18日に行い、栽植密度は120×22cm、マルチ栽培とした。標準施肥区で生育している植物体に地下貯蔵器官(塊根)肥大期である7月26日よりおよそ2週間おきに8回、硫酸亜鉛七水和物の0.25%、0.5%及び1%水溶液(亜鉛濃度としては0.055%、0.11%及び0.22%)、及び製造例1に示した亜鉛含有アイヌワカメエキスの0.5%、1%、2%水溶液(亜鉛濃度としては同じく0.055%、0.11%、0.22%となる)にポリオキシエチレンヘキシタン脂肪酸エステル含有展着剤アプローチBI(花王(株)社製)を0.1%加えたものを300mL/m2葉面散布した。試験は各処理2反復とした。サンプリングは収穫期である11月15日に行った。塊根は皮を剥離し、新鮮重を測定した後、約1cm角に細断し、乾燥機内で90℃、3日間乾燥させた。乾燥後の塊根はすみやかに乾物重を測定し、乾物率を算出した。乾燥物は超遠心粉砕機MRK−RETSCH(三田村理研工業社製)で粉砕した後、0.5gを秤量し、精密分析用硝酸(和光純薬社製)5mLを加え、テフロン(登録商標)密閉加圧分解容器にて分解した。分解液を一定量に定容し、その液をICP発光分光分析装置SPS4000(セイコーインスツルメンツ社製)によって亜鉛含量を測定した。定量値は乾物率を用いて逆算することで現物中の亜鉛含有量を算出した。
その結果は表1に示した。土壌に硫酸亜鉛を施用し、葉面散布を行わなかった区で比較すると、もっとも可食部中亜鉛含量が高かったのは11.4kg/ha施用区で、亜鉛含量は0.33mg/100gで無施用区より6%高かった。土壌に酸化亜鉛を施用し、葉面散布を行わなかった区で比較すると、もっとも可食部中亜鉛含量が高かったのは41.2kg/ha施用区であったが、可食部中亜鉛含量は0.32mg/100gにとどまった。一方、土壌に亜鉛を施用せず、硫酸亜鉛七水和物水溶液を葉面散布した区で得られたナガイモ地下貯蔵器官可食部中の亜鉛含量は0.54〜0.90mg/100gであり、いかなる土壌施用区よりも高かった。さらに、製造例1に示した亜鉛含有アイヌワカメエキス散布区は、散布液中の亜鉛濃度が同じであっても可食部中亜鉛含量が高いことが明らかとなった。以上の結果から、ナガイモの地下貯蔵器官可食部中に亜鉛を取り込ませようとする場合、一般的な肥料の施用方法である土壌施用と比較して、塊茎肥大期からの葉面散布法が有効であり、さらに葉面散布液に海藻抽出物を添加することでその効果をより高めることが明らかとなった。
Figure 2008263891

Claims (12)

  1. 地下貯蔵器官可食部に亜鉛を0.5mg/100g以上含有するイモ類。
  2. 地下貯蔵器官可食部の亜鉛含有量が0.5〜2.0mg/100gである請求項1記載のイモ類。
  3. イモ類が、ナガイモ(Dioscorea betatas)、ジャガイモ(Solanum tuberosum)、サツマイモ(Ipomoea batatas)及びサトイモ(Colocasia esculenta)から選ばれる請求項1又は2記載のイモ類。
  4. 亜鉛濃度として0.01〜2重量%含有する液を、イモ類の地下貯蔵器官肥大期から葉面散布することを特徴とする可食部中に亜鉛を0.5mg/100g以上含有するイモ類の製造法。
  5. 亜鉛を含有する液が、さらに海藻抽出物を含有するものである請求項4の製造法。
  6. 亜鉛を含有する液の散布量が、1ヘクタール当たり1000リットル以上である請求項4又は5記載の製造法。
  7. 亜鉛を含有する液の散布が、地下貯蔵器官肥大期から1〜2週間おきに行うものである請求項4〜6のいずれか1項記載の製造法。
  8. 貯蔵器官可食部中の亜鉛含有量が、0.5〜2.0mg/100gである請求項4〜7のいずれか1項記載の製造法。
  9. イモ類が、ナガイモ(Dioscorea betatas)、ジャガイモ(Solanum tuberosum)、サツマイモ(Ipomoea batatas)及びサトイモ(Colocasia esculenta)から選ばれる請求項4〜8のいずれか1項記載の製造法。
  10. 亜鉛濃度として0.01〜2重量%含有するイモ類の葉面散布用液であって、地下貯蔵器官可食部中に亜鉛を0.5mg/100g以上含有するイモ類の製造用資材。
  11. さらに海藻抽出物を含有するものである請求項10記載の資材。
  12. イモ類が、ナガイモ(Dioscorea betatas)、ジャガイモ(Solanum tuberosum)、サツマイモ(Ipomoea batatas)及びサトイモ(Colocasia esculenta)から選ばれるものである請求項10又は11記載の資材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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