JP2008262970A - 成膜処理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】搬送領域を搬送手段が移動することで、成膜処理を効率的に行う成膜処理システムを提供すること。
【解決手段】基板を成膜するための成膜処理システムは、基板を搬送するための搬送領域と、搬送領域を移動可能に設置された搬送手段であって、基板の収容及び取り出しを行う基板出し入れ手段を備える搬送手段と、前記基板の成膜を行う複数の成膜ユニットと、を有する。前記成膜ユニットのうち少なくとも二つの成膜ユニットは、これらが前記搬送領域を挟んで互いに間隔を開けて対成膜ユニットを形成するように配列される。
【選択図】図1

Description

本発明は、基板を成膜するための成膜処理システムに関する。
近年、液晶、有機EL、太陽電池等のフラットパネルの成膜処理においては、成膜する基板が大型化するという傾向がある。これに伴い、かかる大型の基板を成膜するための広い空間すなわち占有床面積が必要となり、また、基板を搬送装置により搬送する搬送工程と成膜装置によって基板を成膜する成膜工程との合計時間である生産時間が増加している。
そこで、生産時間を維持した状態で、単位時間当たりに成膜できる基板の数を増やすことができる成膜処理システム、換言すると、複数の成膜装置とこれらに基板を搬送する搬送装置とを備え、複数の基板の成膜工程を並行して連続的かつ効率的に行うことができる成膜処理システムを提供することが課題となっている。
そのような成膜処理システムとしては、たとえば、複数の成膜装置を成膜する順序で一列に並べるインライン型や、複数の成膜装置を放射状に配置させ、これらの成膜装置の中央に配置されたロボットタイプの搬送装置が基板の搬送を行うクラスター型の成膜処理システムを挙げることができる。
しかしながら、液晶、有機EL、太陽電池等のフラットパネルの成膜処理において、1つの基板には、複数種類の膜を所定の順番に成膜する必要がある。また、成膜工程に要する時間は、成膜する膜の種類に応じて異なる。
このため成膜装置を一列に並べるインライン型では、ある層の成膜工程が完了した基板は、その次の層を成膜する成膜装置の成膜工程が完了していないと、その成膜装置に搬送することができないという問題があった。また、複数の成膜装置は一列に配置されていることから、多数の成膜装置を並べると搬送装置の移動距離も長くなり、成膜処理を行うために必要な占有床面積が増加するという問題もあった。
他方、クラスター型では、搬送ロボットによる搬送が連続的に行いづらいうえ、成膜装置の数が最大でも8個しか設けることができないという問題があった。
特許文献1においては、基板を処理する処理槽を、処理する順序に応じて配列し、連続的な処理を行えるようにした処理方法が開示されている。しかしながら、特許文献1の処理方法においては、基板の搬送を、処理槽と並行する間隔に搬送槽と搬送槽との間隔を固定した搬送群を上下に移動させることにより行っている。このため、搬送槽が処理槽の列よりも多く設けることはできず、また、搬送槽間の自由な移動も制限されている。
特開2001−91917号公報
本発明は、上記の状況に鑑みてなされた。成膜処理に必要な搬送手段の移動距離を短縮し、所定の成膜処理と他の成膜処理を同時に行うことができるようにすることで、成膜処理を効率的に行う成膜処理システムを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、以下のような方法を見出した。
(1) 基板を成膜するための成膜処理システムであって、前記基板を搬送するための搬送領域と、前記搬送領域を移動可能に設置された搬送手段であって、基板の収容及び取り出しを行う基板出し入れ手段を備える搬送手段と、前記基板の成膜を行う複数の成膜ユニットと、を有し、前記成膜ユニットのうち少なくとも二つの成膜ユニットは、これらが前記搬送領域を挟んで互いに間隔を開けて対成膜ユニットを形成するように配列される成膜処理システム。
(1)の発明によれば、前記搬送手段は基板の収容及び取り出しを行う基板出し入れ手段を備える。基板の成膜を行う複数の成膜ユニットのうち少なくとも二つの成膜ユニットが、前記搬送領域を挟んで間隔をあけて配置される。基板を搬送するための搬送手段は、搬送領域を移動する。このため、搬送手段は、出し入れ手段を介して、基板を搬送領域を挟む二つ成膜ユニットのうち一方の成膜ユニット及び他方の成膜ユニットに、収容及び取り出しを行うことができる。
(2) さらに、前記搬送領域を移動可能に設置される別の搬送手段を備え、前記別の搬送手段は、前記搬送手段が移動する軌道と前記別の搬送手段が移動する軌道とが同じになるように前記搬送領域を移動する(1)記載の成膜処理システム。
(2)の発明によれば、搬送領域を移動可能に設置される別の搬送手段を備え、前記搬送手段が移動する軌道と前記別の搬送手段が移動する軌道とが同じになるように前記別の搬送手段は前記搬送領域を移動する。このため、搬送手段は別の搬送手段が移動可能な領域を移動することができ、別の搬送手段は搬送手段移動可能な領域を移動することができる。搬送手段が移動可能な領域と別の搬送手段が移動可能な領域とは同一である。したがって、搬送手段または別の搬送手段は搬送領域を自由に移動することができる。このため、搬送手段はより多くの基板を短時間で搬送することが可能になる。
(3) 前記搬送手段は、前記基板を搭載するための基板搭載部と、前記搬送領域に敷設されるレールと、前記基板搭載部に回転可能に設けられ前記レールに係合されて前記レールの上を移動する車輪と、を備える(2)記載の成膜処理システム。
(3)の発明によれば、搬送手段は、前記基板を搭載するための基板搭載部と、前記搬送領域に敷設されるレールと、前記基板搭載部に回転可能に設けられ前記レールに係合されて前記レール上を移動する車輪と、を備える。このため、搬送手段は敷設されたレール上を安定して移動することができる。また、搬送手段は、車輪が回転するため迅速に移動することができる。また、搬送手段は基板を搬送するべき成膜ユニットの位置によって、レールの軌道に沿う限りは自由に移動することができる。
(4) 前記別の搬送手段は、前記基板を搭載するための別の基板搭載部と、前記別の基板搭載部に回転可能に設けられ、前記搬送手段が移動する前記レールに係合されて前記レールの上を移動する別の車輪と、を備える(3)記載の成膜処理システム。
(4)の発明によれば、別の搬送手段が前記基板を搭載するための別の基板搭載部と、前記別の基板搭載部に回転可能に設けられる別の車輪とを備える。搬送手段に設けられた車輪が移動するレールと同じレールを、別の搬送手段に設けられた車輪が移動する。このため別の搬送手段は敷設されたレール上を安定して移動することができ、車輪が回転することで迅速な移動が可能となる。また、別の搬送手段は基板を搬送するべき成膜ユニットの位置によって、レールの軌道に沿う限りは自由に移動することができる。
(5) さらに、前記基板を搬入する搬入室と、前記基板を搬出する搬出室と、を備え、前記搬入室及び前記搬出室は、それぞれ、前記搬送手段が移動する方向における前記搬送領域の一端及び他端に設けられる(1)から(4)いずれか記載の成膜処理システム。
(5)の発明によれば、前記基板を搬入する搬入室及び前記基板を搬出する搬出室が、それぞれ、前記搬送手段が移動する方向における前記搬送領域の一端及び他端に設けられる。搬送領域の一端の搬入室には所定数の基板が搬入されていてよい。搬送手段は、これが搬入室を基端として他端の搬出口まで移動することにより、基板の搬入、基板の成膜、及び基板の搬出を連続的に行うことができる。
(6) 前記対成膜ユニットの一の成膜ユニットと他の成膜ユニットとは、前記搬送領域の所定の位置における搬送方向に対して直交する方向に延びる仮想線上に配置されている(1)から(5)記載の成膜処理システム。
(6)の発明によれば、前記対成膜ユニットのうち一の成膜ユニットと他の成膜ユニットとは、前記搬送領域の所定の位置における搬送方向に対して直交する方向に伸びる仮想線上に配置される。したがって、搬送手段は、これが所定の位置に位置しているとき、移動することなく一の成膜ユニットと他の成膜ユニットとに基板の収容または取り出しを行うことができる。また、搬送手段は、一の成膜ユニットと他の成膜ユニットとに基板の収容と取り出しとを同時に行ってもよい。このため、搬送手段を移動させる手間が低減でき、効率的に基板の成膜を行うことができる。
(7) 記複数の成膜ユニットは少なくとも4つの成膜ユニットを含み、前記4つの成膜ユニットのうち前記対成膜ユニットとは別の二つの成膜ユニットは、これらが前記搬送領域を挟んで互いに間隔を開けて別の対成膜ユニットを形成するように配列され、前記別の対成膜ユニットは、前記搬送手段が移動する方向に沿って前記対成膜ユニットに隣接するように、配列される(1)から(6)いずれか記載の成膜処理システム。
(7)の発明によれば、複数の成膜ユニットは少なくとも4つの成膜ユニットを含む。4つの成膜ユニットは、前記対成膜ユニットと別の二つの成膜ユニットとを備える。別の対成膜ユニットは、前記搬送領域を挟んで互いに間隔を開けて形成される。別の対成膜ユニットは、前記搬送手段が移動する方向に沿って配列される。別の対成膜ユニットは、基板を成膜する数に応じて必要な数を搬送領域に沿って配列されることができる。搬送手段は、搬送領域を挟む対成膜ユニット及び別の対成膜ユニットの間を移動することにより、各成膜ユニットに基板を収容し、取り出すことが可能である。
(8) 前記基板は、p−i−n接合型有機薄膜太陽電池用に成膜処理されるものであり、前記成膜ユニットのうち少なくとも1つは、成膜する膜層であるp層、i層、n層のいずれかを成膜する成膜ユニットである(7)記載の成膜処理システム。
(8)の発明によれば、基板はp−i−n接合型有機薄膜太陽電池用に成膜処理されるものである。成膜ユニットのうち少なくとも1つは、成膜する膜層であるp層、i層、n層のいずれかを成膜する成膜ユニットである。このため、p−i−n接合型有機薄膜太陽電池用の基板の成膜の搬送を効率的に行うことができる。
(9) 前記p層、前記i層、前記n層のいずれかを成膜するために要する所要時間に応じて、前記p層を成膜する成膜ユニットの個数、前記i層を成膜する成膜ユニットの個数、前記n層を成膜する成膜ユニットの個数が互いに異なる(7)または(8)記載の成膜処理システム。
(9)の発明によれば、前記p層、前記i層、前記n層のいずれかを成膜するために要する所要時間に応じて、前記p層を成膜する成膜ユニットの個数、前記i層を成膜する成膜ユニットの個数、前記n層を成膜する成膜ユニットの個数が互いに異なる。たとえば、成膜するために要する時間が他の層に比べて長くかかるi層を成膜する成膜ユニットの個数を他の層を成膜する成膜ユニットの個数より多く設置することにより、他の層を成膜する成膜ユニットの単位時間当たりの成膜する基板数と、i層を成膜する成膜ユニットの単位時間当たりの成膜する基板数とを同程度にすることができる。
(10) さらに、前記搬送手段と前記成膜ユニットと電気的に繋がる中央処理装置であって、前記搬送手段の移動に応じて前記成膜ユニットの成膜処理の開始及び停止を制御する中央処理装置を備え、各成膜ユニットは、排気をするためのバルブと駆動させるための駆動部とを備える処理容器であって、前記中央処理装置と電気的に繋がる処理容器と、前記中央処理装置と電気的に繋がって、前記処理容器の温度を前記中央処理装置に出力し、前記中央処理装置から信号を受信して前記温度を調整する温度調節器と、前記中央処理装置と電気的に繋がって、前記処理容器に供給するガスの流量を前記中央処理装置に出力し、前記中央処理装置から信号を受信して前記ガスの流量を変換する流量変換器と、前記中央処理装置と電気的に繋がって、前記バルブの開閉の状態を前記中央処理装置に出力し、前記中央処理装置から信号を受信して前記バルブの開閉を制御するバルブ制御手段と、前記中央処理装置と電気的に繋がって、前記中央処理装置から信号を受信して前記駆動部を制御する駆動部制御手段と、を備え、前記中央処理装置は、前記成膜ユニットを介して前記温度調節器と、前記流量変換器と、前記バルブ制御手段と、駆動部制御手段とからの信号を受信し、これらに前記成膜ユニットを介して信号を出力する(1)から(9)記載の成膜処理システム。
(10)の発明によれば、搬送手段と成膜ユニットと電気的に繋がる中央処理装置を含む。中央処理装置は搬送手段の移動に応じて成膜ユニットの成膜処理の開始及び停止を制御する。
(10)の発明によれば、各成膜ユニットは、排気をするためのバルブと駆動させるための駆動部を備える処理容器であって、前記中央処理装置と電気的に繋がる処理容器を備える。各成膜ユニットは、前記中央処理装置と電気的に繋がって、前記処理容器の温度を前記中央処理装置に出力し、前記中央処理装置から信号を受信して前記温度を調節する温度調節器を備える。各成膜ユニットは、前記中央処理装置と電気的に繋がって、前記処理容器に供給するガスの流量を前記中央処理装置に出力し、前記中央処理装置から信号を受信して前記ガスの流量を変換する流量変換器を備える。各成膜ユニットは、前記中央処理装置と電気的に繋がって、前記バルブの開閉の状態を前記中央処理装置に出力し、前記中央処理装置から信号を受信して前記バルブの開閉を制御するバルブ制御手段を備える。各成膜ユニットは、前記中央処理装置と電気的に繋がって、前記中央処理装置から信号を受信して前記駆動部を制御する駆動部制御手段を備える。前記中央処理装置は、前記成膜ユニットを介して前記温度調節器と、前記流量変換器と、前記バルブ制御手段と、前記駆動部制御手段とからの信号を受信し、これらに前記成膜ユニットを介して信号を出力する。
中央処理装置は、成膜する基板の数や基板を成膜する膜の種類に応じて、成膜ユニットの位置や稼動する数を制御することができる。また、この成膜ユニットの位置や稼動する数に応じて、成膜ユニット間を移動する搬送装置の動きを制御することができる。
また、成膜ユニットは処理容器と、温度調節器と、流量変換器と、バルブと、バルブ制御手段と、駆動部と、駆動部制御手段を備える。処理容器と、温度調節器と、流量変換器と、バルブ制御手段と、駆動部制御手段は中央処理装置と電気的に繋がっている。このため、中央処理装置は、これらが出力する信号を受信して、搬送手段の移動と連動する成膜の開始や停止に応じた必要な成膜処理を行うことができる。
このため、(10)の発明によれば、搬送手段の移動及び成膜ユニットにおける成膜を統一的かつ有機的に制御することができる。
本発明によれば、成膜処理を効率的に行う成膜処理システムを提供することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態の説明において、共通するものについては同一の符号を付し、その説明を省略または簡略化する。また、以下の実施形態は本発明を限定するものではない。
図1は第一実施形態における成膜処理システム1000の上面から見た概略図である。図2(a)は本発明における搬送手段の斜視図であり、図2(b)は、図2(a)における搬送手段の横断面図である。図3は第1実施形態に係る成膜処理システムにおける、制御ユニットと成膜ユニットと搬送手段との電気的繋がりを示すブロック図である。図4及び図5は、本発明の第1実施形態に係る成膜装置1の構成を示す断面図である。具体的には、図4は、略立方体状の成膜装置1を側部から視た側部断面図であり、図5は、成膜装置1を上部から視た上部断面図である。
図6は、材料ガス供給装置4のうち第1供給装置4Lの構成を示す側面図である。具体的には、図6は、第1供給装置4Lを、図4の仕切り板3側から視た図である。図7は、図7中の線IV−IVに沿った断面図である。具体的には、第1分岐管414に沿った断面図である。図8は、第1拡散装置6Lの構成を示す分解斜視図である。図9及び図10は、第1保持装置5Lの構成を示す拡大図である。図11は第二実施形態における成膜処理システム2000の上面から見た概略図である。
<第一実施形態>
[成膜処理システムの全体構成]
図1に第一実施形態における成膜処理システム1000を示す。成膜処理システム1000は、搬送領域1100と、搬送手段1200と、成膜ユニット1300a〜1300dとを含む。
図1及び図2に示すように、搬送手段1200は、成膜ユニット1300aと成膜ユニット1300bとの間、及び成膜ユニット1300cと成膜ユニット1300dとの間で搬送方向Dに移動可能に搬送領域1100に配置されている。搬送手段1200は、基板9L、9Rを成膜ユニット1300a〜1300dに対して収容及び取り出しを行う出し入れ手段1220を備える。搬送手段1200は、出し入れ方向WDに基板9L、9Rを移動させる。このように、搬送手段1200は、搬送領域1100を移動することにより、基板9L、9Rを成膜ユニット1300a〜1300dに対して収容及び取り出しを行う。
[基板]
図2に示すように、本発明で用いられる基板9L、9Rは、成膜の対象となる基板であれば特に限定されない。液晶、有機EL、太陽電池等に用いられ半導体薄膜を成膜するためには、ガラス板、PET、PEN、セルロース等の樹脂フィルム、SUSなどの金属薄板が好ましく用いられる。基板9L、9Rとしては、太陽電池などに用いられ半導体薄膜のためのガラス板が用いられ、この場合、1.0m〜1.5m×1.0m×3mの大きさで、その重量が3kg〜40kg程度のガラス板が用いられる。
[搬送領域]
図2に示すように、本実施形態における搬送領域1100は、基板9L、9Rを搬送可能とするため、搬送する基板9L,9Rの寸法よりも大きいことが必要である。基板9L、9Rを搬送可能な領域であれば特に形状は限定されない。搬送領域1100の平面形状は、基板9L、9Rを成膜する設備の形状に応じて、直線状や、屈曲形状、L字形など所望の形状を形成してよい。
搬送領域1100は一端1100aと他端1100bを有する。ここで、搬送方向Dは、搬送領域の一端1100aを前とし、他端1100bを後ろとした場合に、前方への移動と後方への移動を含む。本実施形態においては、搬送領域1100の立体形状は、一端1100aから他端1100bへと直線的に延びる直方体の形状を呈する。
なお、本発明において成膜する方法は特に限定されないが、本実施形態においては真空蒸着法を用いた。この場合、搬送領域1100と後述する成膜ユニット1300とは真空状態に保たれる必要があることから、搬送領域1100は、真空状態を保つために閉じた空間である必要がある。搬送領域1100と後述する成膜ユニット1300との間には、真空状態を維持可能でかつ開閉可能な扉が配置され、かつ、搬送領域1100と後述する成膜ユニット1300とは所定の圧力に調整される。
[搬送手段]
図2に示すように、本発明における搬送手段1200は、基板搭載部1210と、搬送領域1100に敷設される一対のレール1230、1230と、それぞれがレール1230に係合されてレール1230を移動する一対の車輪1240、1240と、基板搭載部1210に設けられて基板9L、9Rを成膜ユニット1300に対して収容及び取り出しを可能にする出し入れ手段1220とを有する。
基板搭載部1210は、搬送領域1100の搬送面1100cに対して垂直に配置される基板部1210aを備える。基板搭載部1210は、それぞれが基板9L及び基板9Rに係合する一対の出し入れ手段1220、1220を備える基板部1210aと、基板部1210aを支える土台部1210bを備える。土台部1210bには、搬送面1100cに対して平行な面が形成されており、この面に基板部1210aが形成されている。
土台部1210bには4つの車輪1240が取り付けられる。各車輪1240は従来公知の方法で製造し、土台部1210bに取り付けてよい。車輪1240の数は特に限定されないが、搬送手段1200の安定した移動を可能とするため少なくとも4つ設けることが好ましい。4つの車輪1240は搬送領域1100に敷設されるレール1230に係合されて一対のレール1230、1230を移動する。したがって基板9L、9Rは搬送領域1100を搬送方向Dに移動する。
出し入れ手段1220は、基板を出し入れ方向WDに移動させることができるものであれば、特に限定されない。本実施形態においては、図2(a)及び(b)に示すように、出し入れ手段1220は、基板部1210aに方形の基板に係合可能な溝部であり、基板9L、9Rの厚みt1に適合する幅を有する溝部を備えるローラ1221を用いた。ローラ1221の数は、基板9L、9Rの形状に合わせて4つとした。
図2(b)では、出し入れ手段1220は基板部1210aの両方の面に設けられているが、片面のみでもよい。成膜ユニット1300が二枚の基板を一度に成膜可能なタイプの場合、搬送手段も二枚の基板を一度に搬送できる。この場合、基板部1210aの厚みt2及び出し入れ手段1220は、それぞれ、成膜ユニット1300a〜1300dに収容可能な又は取り出し可能な寸法及び位置とされる。搬送手段1200は、基板9R、9Lの搬送に耐える強度を有する素材で形成されることが好ましい。
図2(a)及び(b)に示すように、本実施形態では、搬送手段1200は、基板9L、9Rが搬送領域1100において搬送面1100cと垂直な状態、すなわち基板9L、9Rを立てた状態で搬送することができるように、搬送領域1100に配置されている。搬送手段1200は、基板9L、9Rをどのような状態で配置しまた搬送するのかは特に限定されないが、基板9L、9Rを立てた状態で搬送すれば、搬送領域1100に要する空間の容積をより小さくすることが可能となる。
[中央処理装置]
図3に示すように、成膜処理システム1000は、搬送手段1200の移動に応じて成膜ユニット1300a〜1300dにおける成膜処理の開始及び停止を制御する中央処理装置1500(CPU)を含んでよい。中央処理装置1500は、搬送手段1200と成膜ユニット1300a〜1300dと電気的に繋がっている。成膜ユニット1300は、後述する処理容器2と温度調節器1301と流量変換器1302とバルブ制御手段1304と駆動部制御手段1306と、電気的に繋がっている。搬送手段1200と成膜ユニット1300と電気的に繋がることができれば、中央処理装置1500が配置される位置は特に限定されない。
中央処理装置1500は、搬送手段1200に信号を出力し、搬送手段1200が搬送領域1100で移動する動作を制御する。中央処理装置は、搬送手段1200が搬送領域のどの位置に配置されているか、基板9L、9Rを搬送しているか、成膜ユニット1300a〜1300dに基板9L、9Rを収容しているか、取り出しているかについての搬送信号を搬送手段1200から受信し、搬送手段が行う動作についての信号を出力する。
中央処理装置は、バルブ1303を備える処理容器2と、温度調節器1301と、流量変換器1302と、バルブ制御手段1304と、駆動部制御手段1306と信号の出力及び受信を行い、これらの動作を制御する。成膜ユニット1300aは処理容器2と電気的に繋がっている。処理容器2は、温度調節器1301と、流量変換器1302と、バルブ制御手段1304と、駆動部制御手段1306と電気的に繋がっている。バルブ制御手段1304は、処理容器2が備えるバルブ1303と電気的に繋がっている。駆動部制御手段1306は、処理容器2が備える駆動部1305と電気的に繋がっている。
温度調節器1301は、処理容器2の温度について、中央処理装置1500に温度信号を出力する。流量変換器1302は、処理容器2に流入するガスの流量を変換して、中央処理装置1500に流量信号を出力する。バルブ制御手段は、バルブ1303の開閉状態について、中央処理装置1500にバルブ信号を出力する。駆動部制御手段1306は、駆動部が駆動しているか否かについての駆動信号を中央処理装置1500に出力する。
これらの信号を受けた中央処理装置1500は、温度調節器1301、流量変換器1302、バルブ制御手段1304、駆動部制御手段1306に必要な信号を適宜出力する。
温度調節器1301は、中央処理装置1500から信号を受信して処理容器2の温度を調整する。流量変換器1302は、中央処理装置1500から信号を受信して処理容器2に流入するガスの量を変換する。バルブ制御手段1304は、中央処理装置1500から信号を受信してバルブ1303の開閉を行う。駆動部制御手段1306は、中央処理装置1500から信号を受信して処理容器2の駆動部1305の開始及び停止を行う。
中央処理装置1500は、電気信号を受信して測定及び制御することのできる装置であれは、従来公知の装置であってよい。中央処理装置1500は、あらかじめ搬送手段1200の搬送や成膜ユニット1300a〜1300dの作動を行うためのプログラムが組み込まれた電子計算機であってよい。中央処理装置1500は、搬送手段1200の動作と、成膜ユニット1300a〜1300dと電気的に繋がり、成膜処理システム1000の動作を総合的に制御する。
中央処理装置1500と、これに繋がる搬送手段1200と成膜ユニット1300とによって、成膜処理システム1000は搬送手段1200の搬送に適合されたタイミングで成膜を行うことができ、作業効率が高まる。
[成膜ユニット]
図3に示すように、成膜ユニット1300a〜1300dは、液晶、有機EL、太陽電池等を成膜することができれば公知の成膜装置を備える成膜ユニットであってよい。本実施形態においては、成膜ユニット1300a〜1300dは、p−i−n接合型有機薄膜太陽電池用に成膜処理を行う成膜ユニットである。なお、成膜ユニット1300a〜1300dは、いずれも、同等のもであるので、図3及び明細書では、成膜ユニット1300a〜1300dのうち成膜ユニット1300aの構成のみを示して説明し、残りの成膜ユニット1300b〜1300dの構成の図示及び説明を省略している。
成膜ユニット1300a〜1300dは、成膜する膜の種類が異なる成膜ユニットであってもよい。また、成膜する膜の種類に応じて、成膜ユニットの個数を適宜変更してよい。たとえば、本実施形態においては、p−i−n接合型有機薄膜太陽電池を製造するため、p層を成膜するp室を成膜ユニット1300a、n層を成膜する室を成膜ユニット1300b、i層を成膜するi室を成膜ユニット1300c、1300dとした。i層のうち、a−Si膜を成膜する室を成膜ユニット1300d、μc−Si膜を成膜する室を成膜ユニット1300cとした。i層は、他のp層、n層に比べて成膜する時間が長くかかる。このため、i層を成膜する成膜ユニット1300c、1300dを二つ設けることにより、一定の時間内に成膜できる膜の種類ごとの基板の数を、たとえば同数に調整することができる。また、膜の種類に応じて成膜ユニットの個数を調整することにより、成膜された基板を必要な膜の種類の数の分だけ得ることができる。
このような構成とすることにより、搬送手段1200が成膜する膜の種類が異なる成膜ユニット1300a〜1300dに隣接する搬送領域1100を移動することができるので、成膜処理システム1000は、連続的で効率的な成膜を行うことができる。
成膜ユニット1300a〜1300dのそれぞれは、成膜を行う処理容器2を備える成膜装置1と、成膜ユニット1300の温度を調整する温度調節器1301と、処理容器2に供給するガスの流量を変換する流量変換器1302と、バルブ1303と、バルブの開閉を制御するバルブ制御手段1304と、駆動部1305と、駆動部制御手段1306と、を備える。温度調節器1301と、流量変換器1302と、バルブ1303と、バルブ制御手段1304と、駆動部1305と、駆動部制御手段1306は、従来公知の手段を用いてよく、特に限定されない。成膜装置1については便宜のため後に説明する。
成膜ユニット1300a〜1300dのうち成膜ユニット1300a、1300bは、搬送領域1100を挟んで互いに間隔をあけて配置され、対成膜ユニットを形成する。同様に、成膜ユニット1300c、1300dは、搬送領域1100を挟んで互いに間隔をあけて、搬送領域1100の搬送方向Dに沿って配置され、別の対成膜ユニットを形成する。
成膜ユニット1300a、1300bの配列及び成膜ユニット1300c、1300dの配列は、搬送領域1100を挟んで間隔を開けて配置されていれば、配列される位置は特に限定されない。より具体的には、成膜ユニット1300aと成膜ユニット1300bとは、搬送手段1200が成膜ユニット1300aと成膜ユニット1300bとの間を移動し、成膜ユニット1300a、1300bに基板9L、9Rを収容し、取り出しを行うことができるように、配置されていれば、これらの配置位置は、特に限定されない。しかしながら、図1に示すように、成膜ユニット1300a、1300bは搬送領域1100の所定の位置における搬送方向に対して直交する方向に延びる仮想線L上に配置されることが好ましい。このように配置することにより、搬送手段1200が所定の位置に停止した場合に、成膜ユニット1300aと成膜ユニット1300bの両方に、搬送手段1200が移動することなく基板9L、9Rの収容及び取り出しを行うことができるからである。同様に、成膜ユニット1300c、1300dは搬送領域1100の所定の位置における搬送方向に対して直交する方向に延びる仮想線上に配置されることが好ましい。
[搬入室]
図1に示すように、成膜処理システム1000は、基板9L、9Rを搬送領域1100に搬入するための搬入室1400を含んでよい。搬入室1400は、搬送領域1100に基板9L、9Rを搬入することができれば特に配置される位置は問わない。本実施形態においては、搬送領域1100における搬送手段1200が移動する方向における搬送領域の一端1100a側に設けられている。一端1100aに設けることにより、搬送領域1100の基端から基板9L、9Rの移動を開始させることが可能となり、搬送領域1100の空間の面積を有効に用いることができる。
搬入室1400は、たとえば基板9L、9Rの面が搬送面1100cと平行な状態、すなわち横たえられている状態にあった場合に、搬送領域において搬送面1100cと垂直な状態、すなわち基板9L、9Rを立てた状態にする基板起立機構を備えてよい。基板起立機構は公知の方法で作製してよい。基板起立機構によって基板が立てられ、搬送領域1100を立てたまま移動させることで、搬送領域に要する空間の面積をより小さくすることが可能となる。
搬入室1400は、従来公知の方法で形成してよく、形成する方法は特に限定されない。基板9L、9Rは、搬入室1400の中にある間、成膜のため予熱されてもよい。したがって、搬入室1400は予熱を行うために必要な公知の予熱手段を備えてよい。また、搬送領域1100と成膜ユニット1300との間と同様に、搬送領域1100との間を区切り、真空状態を保つために圧力を調整する所定の扉を備えてよい。
[搬出室]
図1に示すように、成膜処理システム1000は、基板9L、9Rを搬送領域1100から搬出するための搬出室1410を含んでよい。搬出室1410は、搬送領域1100から基板9L、9Rを搬出することができれば特に配置される位置は問わない。したがって、搬入室と搬出室とが兼用になっていてもよい。本実施形態においては、搬送領域1100における搬送手段1200が移動する方向における搬送領域の他端1100b側に設けた。他端1100bに設けることにより、搬送領域1100の終端で基板9L、9Rを搬送領域1100から搬出させることが可能となり、搬送領域1100の空間の面積を有効に用いることができる。
本実施形態においては、搬送領域1100は、搬送方向Dに沿う辺が長手方向の側縁となる直方体である。したがって、搬送領域1100の短手方向における一端1100a及び他端1100bに、それぞれ、搬入室1400及び搬出室1410を設けた場合、搬送手段1200の移動が直線的となり、搬送領域1100を無駄なく移動することが可能となる。
搬出室1410は、従来公知の方法で形成してよく、形成する方法は特に限定されない。基板9L、9Rは、搬出室1410の中にある間、冷却されてもよい。したがって、搬入室1400は基板の冷却を行うために必要な公知の冷却手段を備えてよい。本実施形態においては、冷却は窒素冷却により行う。したがって、搬出室1410は公知の窒素冷却手段を備える。また、搬送領域1100と成膜ユニット1300との間と同様に、搬送領域1100との間を区切り、真空状態を保つために圧力を調整する所定の扉を備えてよい。
[成膜装置]
図4及び図5は、成膜装置1の構成を示す断面図である。具体的には、図4は、略立方体状の成膜装置1を側部から視た側部断面図であり、図5は、成膜装置1を上部から視た上部断面図である。
本発明の成膜装置1は、2枚で一組の略正方形状の基板9L、9Rの各々の処理面に、材料を成膜する装置である。より具体的には、処理容器2中に高周波の電場中に材料ガスを噴出してプラズマを生成し、一組の基板9L、9Rに材料を成膜する装置である。以下、この成膜装置1の構成について説明する。なお、本実施形態では、主に太陽電池の生産を目的として基板9L、9Rにガラス基板を用いるが、これに限るものではない。
この成膜装置1は、処理容器2と、処理容器2内に材料ガスを供給する材料供給手段としての材料ガス供給装置4と、処理容器2内で一組の基板9L、9Rを保持する基板保持手段としての基板保持装置5と、材料ガス供給装置4により供給された材料ガスを、基板保持装置5に保持された基板9L、9Rへ向けて拡散する材料拡散手段としての材料ガス拡散装置6と、を備える。また、これらに加えて、後に詳述するように、高周波の交流電圧が印加される給電用電極が材料ガス供給装置4に設けられており、これにより、真空チャンバ2内にプラズマを生成させることが可能となっている。
処理容器2は、基板9L、9Rを互いに平行にした状態で収容できるように、これら基板9L、9Rの形状に合わせて、略立方体状となっている。
この処理容器2内部のうち中央には、材料ガス供給装置4及び材料ガス拡散装置6が、処理容器2を略2等分する仕切り板3と共に、枠部材8を介して設けられている。また、処理容器2内部のうち図4中左右両側には、基板保持装置5が設けられている。
仕切り板3は、処理容器2内部の中央のうち、鉛直面内に延びるように設けられており、これにより、処理容器2内部は、図4中左側に位置する第1処理室2Lと、図4中右側に位置する第2処理室2Rと、に略2等分される。一組の基板9L、9Rは、それぞれ、第1処理室2L及び第2処理室2Rに配置され、各々同時に成膜処理が行われる。
また、このようにして基板9L、9Rを処理室2L、2Rに分けて配置するに伴い、上述の材料ガス供給装置4、基板保持装置5、及び、材料ガス拡散装置6も、処理室2L、2Rに分けて配置される。
具体的には、材料ガス供給装置4は、第1処理室2L内に設けられ該処理室2Lに材料ガスを供給する第1供給装置4Lと、第2処理室2R内に設けられ該処理室2Rに材料ガスを供給する第2供給装置4Rと、に分けられる。これら第1供給装置4L及び第2供給装置4Rは、それぞれ、図4中左右両側へ向けて、すなわち互いに相反する方向へ向けて材料ガスを供給する。
また、基板保持装置5及び材料ガス拡散装置6も、それぞれ、第1処理室2L内に設けられる第1保持装置5L及び第1拡散装置6Lと、第2処理室2R内に設けられる第2保持装置5R及び第2拡散装置6Rと、に分けられる。
処理容器2のうち図5中上方の壁部22には、スロット221L、221Rと、これらスロット221L、221Rを開閉する蓋体223が設けられている。処理容器2内部の基板9L、9Rは、これらスロット221L、221Rを介して出し入れ可能となっている。
一方、処理容器2のうち図6中下方の壁部24には、材料ガス供給装置4の第1供給装置4L及び第2供給装置4Rが挿通される挿通孔241が形成されており、これにより、処理容器2の外部から材料ガスを供給可能となっている。
また、処理容器2には、この処理容器2内部の気体を外部に排出する排気装置(図示せず)が接続されている。この排気装置は、圧力制御弁及び真空ポンプ等を含んで構成され、これにより、処理容器2内部を排気して、任意の圧力に調整することが可能となっている。なお、以下では詳述しないが、処理容器2内の圧力は、材料ガスの種類及び基板の処理面の面積等の成膜条件を左右する種々の要因に応じて、適した圧力に調整される。
以上のように、本発明の成膜装置1は、仕切り板3を中心として、左右が略対称な構成となっている。以下では、これら材料ガス供給装置4、基板保持装置5、及び、材料ガス拡散装置6のうち、主に第1処理室2L内に配置されるものについて、それぞれ詳しく説明するが、第2処理室2R内に配置されるものも略同様の構成であるので、その詳細な説明を省略する。
図6は、材料ガス供給装置4のうち第1供給装置4Lの構成を示す側面図である。具体的には、図6は、第1供給装置4Lを、図4の仕切り板3側から視た図である。
第1供給装置4Lは、基板9Lに成膜する材料ガスを生成する材料ガス生成部43と、この材料ガス生成部43で生成された材料ガスを処理容器2の内部へ供給する材料導入部41と、を備える。
図6に示すように、材料導入部41は管状であり、その内部を材料ガスが流れる材料導入管411と、この材料導入管411の外周を覆う被覆部419と、を含んで構成される。この材料導入管411は、低抵抗性の導電材料で形成されており、上述のようにその内部に材料ガスが導入されると共に、処理容器2内にプラズマを発生させるために高周波の交流電圧が印加される。また、被覆部419は、絶縁性の材料で形成されており、これにより、材料導入管411と処理容器2内の他の装置との間は電気的に絶縁される。
また、この材料導入管411は、図6中左右方向に直線状に延びる主導入管413と、この主導入管413の先端部から4つ又に分岐して接続される第1分岐管414、第2分岐管415、第3分岐管416、及び、第4分岐管417で構成される。
主導入管413は、処理容器2の外部から内部の略中央まで延びており、その基端側から材料ガスを導入可能となっている。主導入管413の先端側は、第1分岐管414、第2分岐管415、第3分岐管416、及び、第4分岐管417に連結されており、これら分岐管414〜417の先端側へ材料ガスを供給する。
また、主導入管413には、基端側から順に、材料ガス生成部43が接続される材料ガス導入部413aと、高周波電源7の給電線が接続される電源接続部413bと、が形成されている。なお、これら材料ガス導入部413aと電源接続部413bとの間には、例えば、石英やセラミック等で形成された絶縁材413cが介装されており、材料ガス導入部413aと電源接続部413bとは電気的に絶縁されている。ここで、本実施形態では、高周波電源7として、例えば10〜100MHz、1,000W〜5,000Wの出力を有するものを用いるが、これに限るものではない。
各分岐管414〜417は、主導入管413の先端部から、同一平面内に延びている。また、これら分岐管414〜417の先端側は、それぞれ、略垂直に折れ曲がり、第1拡散装置6Lに接続されている。
図7は、図6中の線IV−IVに沿った断面図である。具体的には、第1分岐管414に沿った断面図である。
図7に示すように、第1分岐管414は、第1分散板61、第2分散板63、及び、シャワー板65の3枚で構成される第1拡散装置6Lに略垂直にして接続されている。
具体的には、第1分岐管414の先端部は、第1拡散装置6Lのシャワー板65に電気的に接続されており、これにより、高周波電源7から供給された電力がシャワー板65に導通される。また、第1分岐管414には、噴出孔414aが第1分散板61の裏面へ向けて形成されており、これにより、供給された材料ガスは、第1分散板61へ噴出される。
なお、第2分岐管415、第3分岐管416、及び、第4分岐管417も同様にして、第1拡散装置6Lに接続されていると共に、噴出孔415a〜417a(図6参照)が形成されており、これにより、第1拡散装置6Lの第1分散板61に複数の箇所から材料ガスを噴出させることが可能となっている。
材料ガス拡散装置6の第1拡散装置6Lについて説明する。図8は、第1拡散装置6Lの構成を示す分解斜視図である。
図8に示すように、第1拡散装置6Lは、2枚の平板状の第1分散板61及び第2分散板63で構成される分散部67と、シャワー板65とを合わせて形成される。これら第1分散板61、第2分散板63、及びシャワー板65には、それぞれ複数の孔が形成されている。この第1拡散装置6Lは、図8の白抜き矢印の方向へ材料ガスを通過させることにより、基板9Lの処理面へ材料ガスを略均一に拡散させる。
シャワー板65は、基板9Lの形状に合わせて略正方形状の平板となっている。シャワー板65には、所定の内径の噴出孔651が、全面に亘って略等間隔に形成されている。このシャワー板65は、第1保持装置5Lが保持する基板9Lの処理面と対向する位置に設けられ、第1分散板61及び第2分散板63を通過した材料ガスを、基板9Lの処理面へ向けて面状に略均一に拡散する。
また、このシャワー板65は、導電性の材料で形成されていると共に、上述の給電用電極としての材料導入管411と電気的に導通される。より具体的には、シャワー板65は、導電性のアルミ合金板で形成されており、これにより、このシャワー板65は、プラズマを発生させるための電極板としても作用する。
第1分散板61及び第2分散板63は、それぞれ、上述のシャワー板65と略同形の平板である。これら第1分散板61及び第2分散板63には、それぞれ、所定の内径の噴出孔611、631が、全面に亘って略等間隔に形成されている。
具体的には、第1分散板61には、上述のシャワー板65に形成された噴出孔651よりも大きな内径を有する噴出孔611が、所定の間隔で形成されている。ここで、第1分散板61において噴出孔611が形成される間隔は、シャワー板65に形成された噴出孔651の間隔よりも大きい。つまり、第1分散板61に形成される噴出孔611の数は、シャワー板65に形成される噴出孔651の数よりも少ない。さらに言い換えれば、シャワー板65には、噴出孔651が、第1分散板61よりも密に形成されている。
また、第2分散板63には、上述の第1分散板61に形成された噴出孔611と略等しい内径を有する噴出孔631が、所定の間隔で形成されている。
ここで、第2分散板63において噴出孔631が形成される間隔は、シャワー板65に形成された噴出孔651の間隔と略等しい。つまり、第2分散板63に形成される噴出孔631の数は、第1分散板61に形成される噴出孔611の数よりも多い。さらに言い換えれば、第2分散板63には、噴出孔631が、第1分散板61よりも密に形成されている。
これら第1分散板61及び第2分散板63は、それぞれ、絶縁性の材料で形成されている。具体的には、ステンレス鋼板で形成される。また、第1分散板61及び第2分散板63には、それぞれ、第1供給装置4Lの材料導入管411を挿通させる孔が形成されている(図7参照)。
なお、以上のような第1分散板61、第2分散板63、及びシャワー板65の表面には、GBB処理(ガラスビーズドブラスト処理)が施されている。一般に、工作機械によって切削された切削面は一見滑らかに見えるが、その切削面には鋸の歯のようなミクロレベルのギザギザの山が形成されている。そこで、その切削面に上述のGBB処理をすることにより、このギザギザの山は潰され、切削面の表面積が減少し滑らかになる。つまり、GBB処理を施すことにより、第1分散板61、第2分散板63、及びシャワー板65の表面を流れる気体の摩擦抵抗が減少するので、真空チャンバ2内の真空度を向上させることができる。
また、第1分散板61、第2分散板63、及びシャワー板65の表面にGBB処理を施しておくことにより、成膜した時に、基板9L,9R以外の真空チャンバ2内及び真空チャンバ2の内蔵物(例えば、第1分散板61、第2分散板63、及びシャワー板65等)にも膜が付着することがある。この付着した膜の剥離は付着したものの表面粗さに関係し、この表面が滑らか過ぎると膜がこれから剥がれてパーテイクルになることがある。GBB処理に用いるビーズの大きさを適切なものに選択して、ほどよい表面粗さを形成することにより、膜の剥がれを防止し、また、セルフクリーニング時のクリーニングが容易になる。良好な表面粗さを得るためには、100番〜120番のGBB処理を切削面に施すことが好ましい。
図4に示すように、以上のように構成された第1拡散装置6Lは、第1供給装置4L側から基板9L側へ向かって、第1分散板61、第2分散板63、シャワー板65の順で、枠部材8で固定することにより形成される。
枠部材8は、第1分散板61、第2分散板63、及びシャワー板65の各々の外縁部が嵌合する嵌合枠81と、これら第1分散板61、第2分散板63、及びシャワー板65を嵌合枠81に固定する固定部82と、を含んで構成される。これにより、第1分散板61、第2分散板63、及びシャワー板65は、それぞれ、仕切り板3に対し平行にした状態で処理容器2内に設けられる。
また、これら嵌合枠81及び固定部82は、それぞれ、絶縁性の材料で形成されている。具体的には、これら嵌合枠81及び固定部82は、それぞれ、石英で形成されており、これにより、シャワー板65は処理容器2内で電気的に絶縁される。
またここで、第1分散板61、第2分散板63、及びシャワー板65は、各々の間にインシュレータが介装されており、互いに所定の距離だけ離間させた状態で固定される。これにより、第1分散板61と第2分散板63との間、及び、第2分散板63とシャワー板65との間には、それぞれ、材料ガスが一時的に滞留する第1滞留室68及び第2滞留室69が形成される。
次に、図7を参照して、以上のように構成された第1分散板61、第2分散板63、及び、シャワー板65を通過する材料ガスの流れについて説明する。
先ず、第1供給装置4Lの材料導入管411から供給された材料ガスは、噴出孔414aから第1分散板61の裏面へ向けて噴出される。第1供給装置4Lから供給された材料ガスは、第1分散板61の噴出孔611、第2分散板63の噴出孔631、及び、シャワー板65の噴出孔651、を順に通過して、基板9Lの処理面に拡散される。
ここで、上述のように、第1供給装置4Lには、材料ガスを噴出する孔として4つの噴出孔414a、415a、416a、417aが形成されている。また、第1分散板61、第2分散板63、シャワー板65には、噴出孔611、631、651が、基板9L側に向かうに従い密に形成されている。換言すると、シャワー板65の噴出孔651と分散板63の噴出孔631とは互いに千鳥配列に配置されており、分散板63の噴出孔631と分散板61の噴出孔611とも互いに千鳥配列に配置されている。また、噴出孔651,631,611のうち、シャワー板65の噴出孔651の孔径が最も小さく、次いで、分散板63の噴出孔631の孔径が大きく、分散板61の噴出孔611の孔径が最も大きい。このように、材料ガスを噴出する孔を段階的に増やすことにより、材料ガスを基板9Lの処理面に全面に亘って拡散することができる。
また、特に、シャワー板65の裏面側には、第1分散板61及び第2分散板63を互いに離間して設けることにより、第1滞留室68及び第2滞留室69が形成されている。これにより、第1供給装置4Lから供給された材料ガスは、これら第1滞留室68及び第2滞留室69において、一時的に滞留した後に、シャワー板65から基板9Lの処理面へ噴出される。ここで、第1滞留室68及び第2滞留室69で、材料ガスを一次的に滞留させることにより、第1供給装置4Lから供給された材料ガスを、シャワー板65の裏面に略均一に分散させることができる。
以上のようにして、第1拡散装置6Lは、第1保持装置5Lが保持する基板9Lの処理面へ向けて、面状に材料ガスを拡散する。
図4を参照して、基板保持装置5の第1保持装置5Lについて説明する。第1保持装置5Lは、基板9Lを保持する基板保持部52U、52Dと、これら基板保持部52U、52Dにより保持された基板9Lを処理面の裏側から加熱する基板加熱部54と、これら基板保持部52U、52D及び基板加熱部54の縁部を上下で支持する支持部56U、56Dと、を備え、全体の形状が略立方体状となっている。
図4及び図5に示すように、第1保持装置5Lの上側に設けられる基板保持部52Uは、複数のガイドローラ521U及びシャフト523Uを含んで構成され、下側に設けられる基板保持部52Dも同様に、複数のガイドローラ521D及びシャフト523Dを含んで構成される。
ガイドローラ521U、521Dの外周部には、基板9Lの厚みに合わせた溝部が形成されており、基板9Lの端部がこの溝部に嵌合可能となっている。シャフト523U、523Dは、水平方向に延びる棒状の部材である。シャフト523U、523Dの先端側には、ガイドローラ521U、521Dが回転可能に取り付けられている。一方、シャフト523U、523Dの基端側は、基板加熱部54の後述の熱板542を貫通し、支持部56により支持されている。
以上のように構成された基板保持部52U、52Dは、複数のガイドローラ521Uの溝部に基板9Lの上端部を嵌合させると共に、複数のガイドローラ521Dの溝部に基板9Lの下端部を嵌合させることにより、基板9Lを保持する。
基板加熱部54は、基板保持部52U、52Dに保持された基板9Lに対して略平行に延びる熱板542と、この熱板542を裏面から加熱する加熱部としてのヒータユニット544と、を備える。
熱板542は、基板9Lを全面に亘りむら無く加熱するために、基板9Lとヒータユニット544との間に介装される板である。この熱板542は、熱伝導性の高いアルミ合金で形成される。また、この熱板542は、接地されており、上記シャワー板65に対向する電極板としても作用する。ヒータユニット544は、この熱板542を介して間接的に基板9Lを加熱し、所定の温度にする。
また、この熱板542の表面は、GBB処理が施されると共に、その基板9L側の面には、セラミックコーティング処理を施すことにより、セラミックの皮膜が設けられている。これにより、熱板542の表面の温度むらを小さくすることができる。すなわち、このようなセラミック皮膜を設けることにより、基板9Lの温度むらを小さくすることができ、したがって、基板9Lの処理面に材料を略均一に成膜できる。
また、本実施形態では、熱板542として、板厚が12mmのステンレス板と20mmのアルミ合金板を組み合わせて用いるが、これに限るものではない。この熱板542の板厚は、8〜40mmの範囲内であることが好ましい。このような熱板542を用いることにより、熱板542の温度変化を小さくすることができる。
熱板の材質としては、カーボン(C)、炭化珪素(SiC)、ステンレス(SUS)及びアルミ(Al)等を用いることができる。
熱板の厚みは、成膜しようとする基板の面積に応じて決めることが好ましい。具体的には、基板の面積が300cm以下の場合、熱板の厚みを8mm〜12mm程度に、基板の面積が300cm〜2000cmの場合、熱板の厚みを15mm〜20mm程度に、基板の面積が2000cm〜10000cmの場合、熱板の厚みを20mm〜40mm程度に、基板の面積が10000cm以上の場合、熱板の厚みを30mm以上にすることが好ましい。ただし、カーボン(C)及び炭化珪素(SiC)等の黒体材料を熱板とする場合は、この限りではない。また、ステンレスとアルミとの組合せ、ステンレスと炭化珪素(SiC)との組合せ、ステンレスとカーボンとの組合せ、または、アルミと炭化珪素(SiC)アルミとカーボンとの組合せた材質を熱板とする場合も、この限りでない。
支持部56U、56Dは、それぞれ、第1保持装置5Lのうち上部及び下部に、熱板542の上下端部に沿って延びる。支持部56U、56Dは、それぞれ、熱板542の上下端部と、基板保持部52U、52Dを支持する。また、この支持部56U、56Dは、保持する基板9Lの処理面を、シャワー板65に向けた状態で、処理容器2内に設けられる。
図9及び図10は、第1保持装置5Lの構成を示す拡大図である。図9に示すように、支持部56は、基板保持部52U、52Dのシャフト523U、523Dを摺動可能に支持すると共に、図示しないアクチュエータを備えており、これらシャフト523U、523Dを図10中の左右方向に沿って駆動可能となっている。これにより、成膜装置1では、基板保持部52U、52Dに保持された基板9Lと、熱板542との間隔を調整できる。
ここで、例えば、基板9Lを交換する場合には、図9に示すように、シャフト523Uを押し出して、基板9Lと、熱板542及びシールド546とを離間させた状態で、ガイドローラ521Uを回転させながら、基板9Lをスロット221Lから出し入れする。このように、基板9Lと熱板542とを離間させた状態で基板9Lを交換することにより、この基板9Lの表面が傷付くのを防止できる。
図10に示すように、この支持部56は、基板加熱部54及び基板保持部52Uと共に、シャワー板65に対して略垂直な方向に摺動可能に設けられていると共に、図示しない駆動手段が接続されている。これにより、基板保持部52U、52Dが保持する基板9Lと、シャワー板65との間隔を調整できる。
このようにして基板9Lとシャワー板65との間隔を調整することにより、シャワー板65から拡散して噴出された材料ガスの吹き抜け量が調整可能となっている。ここで、材料ガスの吹き抜け量とは、図10の白抜き矢印に示すように、基板9Lの処理面とシャワー板65との間から、シールド546と枠部材8の固定部82との間を介して排出される材料ガスの量を示す。
本発明の成膜装置1では、このような材料ガスの吹き抜け量を調整可能にすることにより、基板9Lの処理面とシャワー板65との間に滞留する材料ガスの量を適切に調整することができる。
本実施形態の成膜装置1は、いわゆるプラズマCVD法により基板の処理面に材料を成膜するものとしたが、これに限るものではない。
例えば、実施形態の成膜装置1は、アニール装置、拡散装置、常圧CVD、減圧熱CVD等にも応用できる。
また、本実施形態では、成膜装置1で成膜処理を行う一組の基板として2枚の基板9L、9Rを用い、各々を第1処理室2L及び第2処理室2Rに配置したが、これに限るものではない。例えば、一組の基板として4枚の基板を用い、第1処理室に2枚の基板を配置し、第2処理室に2枚の基板を配置するようにしてもよい。
また、本実施形態では、シャワー板65の裏面側へ材料ガスを分散させる分散部67を、第1分散板61及び第2分散板63の2枚の分散板で構成したが、これに限るものではない。分散部は、例えば、1枚の分散板で構成してもよいし、あるいは、より多くの分散板で構成してもよい。
本実施形態により、搬送領域1100を挟んで複数の成膜ユニット1300a〜1300dが配置され、複数の成膜ユニット1300a〜1300dのうちの対成膜ユニットの間を搬送手段1200が移動することにより基板9L、9Rの収容及び取り出しが行われるため、所定の数の基板を成膜させために搬送手段1200が移動する距離が短くなる。
また、p−i−n接合型有機薄膜太陽電池用に成膜処理を行う場合、成膜ユニット1300a〜1300dで成膜を行う膜の種類を変更することにより、一定の時間内に成膜できる膜の種類ごとの基板の数を、たとえば同数に調整することができる。また、膜の種類に応じて成膜ユニットの個数を調整することにより、成膜された基板を必要な膜の種類の数の分だけ得ることができる。
さらに、必要に応じて中央処理装置1500を設け、中央処理装置1500を搬送手段1200と成膜ユニット1300a〜1300dとに電気的に繋げることにより、中央処理装置は成膜処理システム1000の動作を総合的に制御でき、成膜処理システム1000は搬送手段の搬送に適合されたタイミングで成膜を行うことができることとなり、作業効率が高まる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
<第二実施形態>
図11に第二実施形態にかかる成膜処理システム2000を示す。第二実施形態においては、成膜ユニット2300c〜230jが第一実施形態にかかる成膜ユニット1300c、1300dよりも多数配置されている点が異なる。すなわち、第二実施形態は、別の搬送手段や別の対成膜ユニットを適宜配置することにより、成膜処理システム1000を所望の規模に構築したものである。
具体的には、第二実施形態においては搬送手段1200と同等の搬送手段2210、2220を備える点が第一実施形態と異なる。その他の点は第一実施形態と同様であるので、説明を省略する。
[別の搬送手段]
基板9L、9Rの収容及び取り出しを行う搬送手段は、複数あってよい。図11には別の搬送手段2210、2220が二つ示されているが、一つでもよく、また、二つより多くてもよい。別の搬送手段の数は、搬送領域2100の広さに応じて適宜設定できる。これらの搬送手段2200〜2220は搬送方向Dを移動する。すなわち、搬送領域の搬送方向における一端2100aを前、他端2100bを後ろとした場合に、前後両方の方向を移動できる。
搬送手段2200と別の搬送手段2210、2220は、搬送手段2220と同一の軌道を移動する。このため、搬送手段2220は別の搬送手段2210、2220が移動可能な領域を移動することができ、別の搬送手段2210、2220は搬送手段2200が移動可能な領域を移動することができる。搬送手段2200が移動可能な領域と別の搬送手段2210、2220が移動可能な領域とは同一である。したがって、搬送手段2200または別の搬送手段2210、2220は搬送領域を自由に移動することができる。このため、搬送手段はより多くの基板を短時間で搬送することが可能になる。
また、たとえば、搬送手段2200を基板9L、9Rの搬入専用とし、別の搬送手段2210を基板9L、9Rの搬出専用とすることもできる。このような構成とすることにより、搬入専用の搬送手段2200、搬出専用の搬送手段2210は搬送方向を常に一方向(たとえば、前(一端2100a)側から後(他端2100b)側への方向)に移動することができる。移動する方向が一定となり、方向転換する必要がなくなることで、方向転換を行う場合よりも搬送時間を短縮することができ、結果的に作業時間を短縮することが可能となる。
[太陽電池の成膜]
成膜ユニット2300は、液晶、有機EL、太陽電池等を成膜することができれば公知の成膜装置を備える成膜ユニットであってよい。本実施形態においては、p−i−n接合型有機薄膜太陽電池用に成膜処理を行う成膜ユニットを用いた。
成膜ユニット2300は、成膜する膜の種類が異なる成膜ユニット2310a、2310b、2320a、2320b、2330a、2330b、2340a、2340b、2350a、2350b、を含んでよい。また、成膜する膜の種類に応じて、成膜ユニットの個数を適宜変更してよい。
たとえば、本実施形態においては、p−i−n接合型有機薄膜太陽電池を製造するため、p層を成膜するp室を成膜ユニット2300a、2300f、とした。n層を成膜する室を成膜ユニット2300e、2300j、i層を成膜するi室を成膜ユニット2300b、2300c、2300d、2300g、2300h、2300iとした。i層のうち、a−Si膜を成膜する室を成膜ユニット2300b、2300c、2300d、μc−Si膜を成膜する室を成膜ユニット2300g、2300h、2300iとした。i層は、他のp層、n層に比べて成膜する時間が長くかかる。このため、i層を成膜する成膜ユニットを増やすことにより、一定の時間内に成膜できる膜の種類ごとの基板の数を、たとえば同数に調整することができる。また、膜の種類に応じて成膜ユニットの個数を調整することにより、成膜された基板を必要な膜の種類の数の分だけ得ることができる。
このような構成とすることにより、成膜する膜の種類が異なる成膜ユニット2300a〜2300jのうち、成膜ユニット2300a、2300bと成膜ユニット2300c〜2300jとの間を搬送手段2200が移動することにより、連続的で効率的な成膜を行うことができる。
なお、第二実施形態のように配列する成膜ユニットの数を増やす場合、所定の成膜ユニット2300の状態の信号を受信できるようにした中央処理装置を複数設けてもよい。本実施形態においては、4つ設けられている。複数の中央処理装置2500a〜2500dによって信号の送受信をする成膜ユニットの個数を限定することにより、処理すべき信号の量を調整することができ、安定して迅速な成膜処理を行うことができる。
さらに、成膜処理システムの規模によっては、基板9L、9Rの予熱を行う予熱室2600a、2600bを設けてもよく、所望の搬送ロボット2700を使用してよい。
第1実施形態に係る成膜処理システムを示す図である。 (a)は本発明の搬送手段を示す斜視図であり、(b)は(a)の横断面図である。 図3は第1実施形態に係る成膜処理システムにおける、制御ユニットと成膜ユニットと搬送手段との電気的繋がりを示すブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る成膜装置の構成を示す側部断面図である。 成膜装置の構成を示す上部断面図である。 第1供給装置の構成を示す側面図である。 図7中の線IV−IVに沿った断面図である。 第1拡散装置の構成を示す分解斜視図である。 第1保持装置の構成を示す拡大図である。 第1保持装置の構成を示す拡大図である。 第2実施形態に係る成膜処理システムを示す図である。
符号の説明
1000 成膜処理システム
1100、2100 搬送領域
1100a、2100a 搬送領域の一端
1100b、2100b 搬送領域の他端
1200、2200 搬送手段
2210、2220 別の搬送手段
1300a、1300b、1300c、1300d、2300a、2300b、2300c、2300d、2300e、2300f、2300g、2300h、2300i、2300j 成膜ユニット
1400、2400 搬入室
1410、2410 搬出室
1210 基板搭載部
1220 出し入れ手段
1230 レール
1240 車輪
D 搬送方向
WD 出し入れ方向
1500 中央処理装置
1301 温度調節器
1302 流量変換器
1303 バルブ
1304 バルブ制御手段
1305 駆動部
1306 駆動部制御手段
2600a、2600b 予熱室
2700 搬送ロボット
1 成膜装置
2 処理容器
3 仕切り板
4 材料供給手段
5 基板保持手段
6 材料拡散手段
7 高周波電源
8 枠部材
9L、9R 基板

Claims (10)

  1. 基板を成膜するための成膜処理システムであって、
    前記基板を搬送するための搬送領域と、
    前記搬送領域を移動可能に設置された搬送手段であって、基板の収容及び取り出しを行う基板出し入れ手段を備える搬送手段と、
    前記基板の成膜を行う複数の成膜ユニットと、を有し、
    前記成膜ユニットのうち少なくとも二つの成膜ユニットは、これらが前記搬送領域を挟んで互いに間隔を開けて対成膜ユニットを形成するように配列される成膜処理システム。
  2. さらに、前記搬送領域を移動可能に設置される別の搬送手段を備え、前記別の搬送手段は、前記搬送手段が移動する軌道と前記別の搬送手段が移動する軌道とが同じになるように前記搬送領域を移動する請求項1記載の成膜処理システム。
  3. 前記搬送手段は、前記基板を搭載するための基板搭載部と、前記搬送領域に敷設されるレールと、前記基板搭載部に回転可能に設けられ前記レールに係合されて前記レールの上を移動する車輪と、を備える請求項2記載の成膜処理システム。
  4. 前記別の搬送手段は、前記基板を搭載するための別の基板搭載部と、前記別の基板搭載部に回転可能に設けられ、前記搬送手段が移動する前記レールに係合されて前記レールの上を移動する別の車輪と、を備える請求項3記載の成膜処理システム。
  5. さらに、前記基板を搬入する搬入室と、前記基板を搬出する搬出室と、を備え、前記搬入室及び前記搬出室は、それぞれ、前記搬送手段が移動する方向における前記搬送領域の一端及び他端に設けられる請求項1から4いずれか記載の成膜処理システム。
  6. 前記対成膜ユニットの一の成膜ユニットと他の成膜ユニットとは、前記搬送領域の所定の位置における搬送方向に対して直交する方向に延びる仮想線上に配置されている請求項1から5記載の成膜処理システム。
  7. 前記複数の成膜ユニットは少なくとも4つの成膜ユニットを含み、
    前記4つの成膜ユニットのうち前記対成膜ユニットとは別の二つの成膜ユニットは、これらが前記搬送領域を挟んで互いに間隔を開けて別の対成膜ユニットを形成するように配列され、
    前記別の対成膜ユニットは、前記搬送手段が移動する方向に沿って前記対成膜ユニットに隣接するように、配列される請求項1から6いずれか記載の成膜処理システム。
  8. 前記基板は、p−i−n接合型有機薄膜太陽電池用に成膜処理されるものであり、前記成膜ユニットのうち少なくとも1つは、成膜する膜層であるp層、i層、n層のいずれかを成膜する成膜ユニットである請求項7記載の成膜処理システム。
  9. 前記p層、前記i層、前記n層のいずれかを成膜するために要する所要時間に応じて、前記p層を成膜する成膜ユニットの個数、前記i層を成膜する成膜ユニットの個数、前記n層を成膜する成膜ユニットの個数が互いに異なる請求項7または8記載の成膜処理システム。
  10. さらに、前記搬送手段と前記成膜ユニットと電気的に繋がる中央処理装置であって、前記搬送手段の移動に応じて前記成膜ユニットの成膜処理の開始及び停止を制御する中央処理装置を備え、
    各成膜ユニットは、排気をするためのバルブと駆動させるための駆動部とを備える処理容器であって、前記中央処理装置と電気的に繋がる処理容器と、
    前記中央処理装置と電気的に繋がって、前記処理容器の温度を前記中央処理装置に出力し、前記中央処理装置から信号を受信して前記温度を調整する温度調節器と、
    前記中央処理装置と電気的に繋がって、前記処理容器に供給するガスの流量を前記中央処理装置に出力し、前記中央処理装置から信号を受信して前記ガスの流量を変換する流量変換器と、
    前記中央処理装置と電気的に繋がって、前記バルブの開閉の状態を前記中央処理装置に出力し、前記中央処理装置から信号を受信して前記バルブの開閉を制御するバルブ制御手段と、
    前記中央処理装置と電気的に繋がって、前記中央処理装置から信号を受信して前記駆動部を制御する駆動部制御手段と、を備え、
    前記中央処理装置は、前記成膜ユニットを介して前記温度調節器と、前記流量変換器と、前記バルブ制御手段と、駆動部制御手段とからの信号を受信し、これらに前記成膜ユニットを介して信号を出力する請求項1から9記載の成膜処理システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112593214A (zh) * 2020-12-30 2021-04-02 无锡琨圣智能装备股份有限公司 一种多工艺组合的多管式不对称pecvd设备
CN113881927A (zh) * 2021-09-22 2022-01-04 江苏微导纳米科技股份有限公司 镀膜设备以及镀膜机构

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