JP2008261382A - 変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】異なるシンクロナイザリングを誤って組み付けた場合に、この誤組み付けされた変速機の出荷を確実に防止可能とする。
【解決手段】第1、第2シンクロナイザリング13,14のスプラインを構成する溝13b,14bのうち、位置決め部13d,14dと周方向反対側に位置する溝を除く少なくとも一つの溝であって、第1、第2シンクロナイザリング13,14をハブ側から見たときに、位置決め部を通る直径線に関して左右対称となる位置にある所定の溝13e,14eを、寸法が他の溝と異ならせて形成すると共に、この所定の溝13e,14eに対応させて、これに噛み合うスリーブ12のスプラインの所定の歯12eも寸法が他の歯と異ならせて形成する。
【選択図】図9

Description

本発明は、誤組み付けされた変速機の出荷を防止するための技術に関し、変速機の技術分野に属する。
一般に、自動車の変速機は、入力軸と出力軸との間に複数の変速用歯車列を備え、これらの歯車列のいずれかを運転者のチェンジ操作により、入力軸と出力軸との一方に設けられた同期装置を介して選択的に動力伝達状態とするように構成されている。
この同期装置は、軸に結合されて外周面にスプラインが形成されたハブと、内周面に該ハブのスプラインに嵌合するスプラインが形成され、該ハブに軸方向に移動可能に支持されたスリーブと、前記変速歯車列を構成する被同期歯車のハブ側に形成され、前記スリーブのスプラインが嵌合可能なクラッチ歯と、該該クラッチ歯のハブ側に形成されたコーン面と、内周面が前記被同期歯車のコーン面に嵌合するコーン面とされ、かつ外周部に前記スリーブのスプラインが嵌合可能なスプラインが形成されて、前記被同期歯車に摺動可能に嵌合されたシンクロナイザリングとを有している。そして、前記スリーブのスプラインがハブのスプラインにのみ嵌合する状態から、該スリーブを被同期歯車側へ軸方向に移動させることにより、前記シンクロナイザリングのコーン面が被同期歯車のコーン面に押し付けられて被同期歯車が回転軸に同期し、さらに軸方向に移動させてハブのスプラインとシンクロナイザリングのスプライン及び被同期歯車のクラッチ歯とにまたがって嵌合する状態とさせることにより、被同期歯車が軸に結合され、この歯車列が動力伝達状態となるように構成されている。
ここで、シンクロナイザリングのコーン面を被同期歯車のコーン面に押し付けるための構成として、キータイプやキーレスタイプのものが周知であるが、キーレスタイプのものとしては例えば特許文献1,2に記載のものがある。すなわち、これらの文献に記載のものにおいては、前記スリーブとシンクロナイザリングとの間にリング状スプリングが備えられていると共に、シンクロナイザリングがハブ及びスプラインと共に一体回転するように構成されている。そして、スリーブを軸方向に移動させると、シンクロナイザリングがスプリングを介して被同期歯車側に押されることにより該リングのコーン面が被同期歯車のコーン面に押し付けられて被同期歯車が軸の回転に同期し始め、さらにスリーブを軸方向に移動させると、さらに強く押し付けられることにより被同期歯車が軸の回転に完全に同期し、さらにスリーブを軸方向に移動させると、スリーブのスプラインがハブのスプラインとシンクロナイザリングのスプライン及び被同期歯車のクラッチ歯とにまたがって嵌合し、これにより、被同期歯車が軸に結合され、この歯車列が動力状態となる。
特に、特許文献2に記載のものにおいては、スリーブ側の歯には、歯高の高いものと低いものとが設けられ、前記スリーブと第1、第2シンクロナイザリングのスプラインとは常に同一の歯と溝とが噛み合うように構成されている。
特開2005−155672号公報 特開平11−101270号公報
ところで、一つの同期装置の両側にそれぞれ歯車列を配置し、これらの歯車列で同期装置を共用すると共に、前記第1、第2シンクロナイザリングをその形状を同一として共用とする場合がある。
しかし、形状を同一とした場合でも、伝達トルクの大きさ等によりコーン面の摩擦係数等、同期性能に影響を与える要素の一部を異ならせる場合がある。この場合、共用は不可能であるが、形状が同一であるので、これらのシンクロナイザリングが他方側に誤って組み付けられ、性能面での影響が生じる虞がある。
そこで、誤組み付けを防止するために、第1、第2シンクロナイザリングに異なるペイントを施したり、異なる位置に歯欠けを設けることにより、組み付け時に注意を喚起する方法が考えられるが、万一誤組み付けを行ってしまった場合、そのまま出荷される虞がある。
そこで、本発明は、異なるシンクロナイザリングを誤って組み付けた場合に、この誤組み付けされた変速機の出荷を確実に防止可能とすることを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は、次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、軸に結合され、外周面にスプラインが形成されたハブと、内周面に該ハブのスプラインに嵌合するスプラインが形成され、該ハブに軸方向に移動可能に支持されたスリーブと、前記ハブの軸方向両側で前記軸に回転自在に嵌合され、ハブ側に前記スリーブのスプラインが嵌合可能なクラッチ歯が形成されていると共に、該クラッチ歯のハブ側にコーン面が形成された第1、第2被同期歯車と、内周面が前記被同期歯車のコーン面に嵌合するコーン面とされ、かつ外周部に前記スリーブのスプラインが嵌合可能なスプラインが形成されて、前記第1、第2被同期歯車にそれぞれ摺動可能に嵌合された第1、第2シンクロナイザリングと、前記スリーブと両側のシンクロナイザリングとの間にそれぞれ備えられたリング状スプリングとを有し、かつ、前記ハブと第1シンクロナイザリング及び第2シンクロナイザリングとに、互いの周方向位置をあわせる位置決め部がそれぞれ設けられて、前記スリーブと第1、第2シンクロナイザリングのスプラインが常に同一の歯と溝とが噛み合うように構成されていると共に、前記第1、第2シンクロナイザリングは、同一形状とされ、かつ同期性能に影響を与える少なくとも一つの要素を異ならせて形成された変速機であって、前記第1、第2シンクロナイザリングのスプラインを構成する歯または溝のうち、前記位置決め部と周方向反対側に位置する歯または溝を除く少なくとも一つの歯または溝であって、第1、第2シンクロナイザリングをハブ側から見たときに、前記位置決め部を通る直径線に関して左右対称となる位置にある所定の歯または溝は、寸法が他の歯または溝と異ならせて形成されていると共に、この所定の歯または溝に対応させて、これに噛み合うスリーブのスプラインの所定の溝または歯の寸法が他の溝または歯と異ならせて形成されていることを特徴とする。
ここで、同期性能に影響を与える要素としては、例えばコーン面の摩擦係数や、チャンファの形状等がある。
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の変速機において、前記ハブの位置決め部は、第1、第2シンクロナイザリング側で周方向の同一位置に設けられており、前記スリーブの所定の溝または歯は、第1、第2シンクロナイザリング側で周方向の同一位置に設けられていることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項1または請求項2に記載の変速機において、前記第1、第2シンクロナイサリングのコーン面のいずれか一方がブロンズ製で、他方がカーボン製であることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項1から請求項3のいずれかに記載の変速機において、前記ハブと第1、第2シンクロナイザリングとの位置決め部は、シンクロナイザリング側の突起とハブ側に設けられた凹部とで構成され、該位置決め部がハブ及びシンクロナイザリングの周方向に複数個所均等な間隔で設けられていると共に、前記シンクロナイザリングの突起の外側に前記リング状スプリングが嵌合支持されており、かつ、前記スリーブのスプラインを構成する所定の歯が他の歯よりも歯高が高くされ、これに対応するシンクロナイザリングのスプラインを構成する所定の溝が他の溝よりも深くされていると共に、シンクロナイザリングの所定の溝は、隣接する位置決め部の周方向中間に位置する歯または溝に最も近い溝であることを特徴とする。
次に、本発明の効果について説明する。
まず、請求項1に記載の発明によれば、第1、第2シンクロナイザリングが正しく組み付けられている場合は、スリーブを、そのスプラインがハブのスプラインにのみ嵌合する状態から第1被同期歯車側に軸方向にスライドさせると、スリーブの内周面の所定の歯または溝は、第1シンクロナイザリングにおける所定の溝または歯に沿って移動し、スリーブがハブのスプラインと第1シンクロナイザリングのスプラインと第1被同期歯車のクラッチ歯とにまたがって嵌合する状態となり、その結果、第1被同期歯車が動力伝達状態となる。これに対して、スリーブを第2被同期歯車側に軸方向にスライドさせると、スリーブの内周面の所定の歯または溝は、同様に第2シンクロナイザリングにおける所定の溝または歯に沿って移動し、スリーブがハブのスプラインと第2シンクロナイザリングのスプラインと第2被同期歯車のクラッチ歯とにまたがって嵌合する状態となり、その結果、第2被同期歯車が動力伝達状態となる。
一方、第1、第2シンクロナイザリングが互いに入れ替わって組み付けられている場合は、以下のようになる。すなわち、第1、第2シンクロナイザリングの所定の歯または溝は前述のように第1、第2シンクロナイザリングをハブ側から見たときに前記位置決め部を通る直径線に関して左右対称となる位置に設けられているから、第1、第2シンクロナイザリングが互いに入れ替わって誤組み付けされた場合、これらの所定の歯または溝はハブ側から見たときに前記位置決め部を通る直径線に関して左右反対の位置に位置することとなる。つまり、第1、第2シンクロナイザリングにおける所定の歯または溝と、スリーブの内周面の所定の溝または歯との周方向位置が一致しなくなる。
したがって、変速しようとしてスリーブを軸方向にスライドさせ始めたときに、スリーブの内周面の所定の溝または歯の先端側が、第1、第2シンクロナイザリングにおける所定の歯または溝の先端に当接して、それ以上スライドさせることができなくなる。したがって、異なるシンクロナイザリングを誤って組み付けた場合、この誤組み付けが出荷前試験等において判明することとなり、この誤組み付けされた変速機の出荷を確実に防止することができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、前記ハブの位置決め部は、第1、第2シンクロナイザリング側で周方向の同一位置に設けられており、前記スリーブの所定の溝または歯は、第1、第2シンクロナイザリング側で周方向の同一位置に設けられているから、ハブ及びスリーブのスプラインや位置決め部の加工時に両側を同時に加工することができる。
また、請求項3に記載の発明によれば、前記第1、第2シンクロナイサリングのコーン面のいずれか一方がブロンズ製で、他方がカーボン製である場合、すなわち第1、第2シンクロナイザイリングの摩擦係数が異なる場合に、誤組み付け状態のまま出荷されるのが防止されることとなる。
また、請求項4に記載の発明によれば、前記ハブと第1、第2シンクロナイザリングとは、ハブ及びシンクロナイザリングの周方向に複数個所均等な間隔で設けられたシンクロナイザリング側の突起とハブ側に設けられた凹部とが嵌合することにより位置決めされ、前記リング状スプリングは、前記シンクロナイザリングの突起の外側に嵌合支持される。
その場合に、前記スリーブのスプラインを構成する所定の歯が他の歯よりも歯高が高くされ、これに対応するシンクロナイザリングのスプラインを構成する所定の溝が他の溝よりも深くされている場合は、スリーブを例えば第1被同期歯車側へ軸方向に移動させると、該スリーブの所定の歯の先端がリング状スプリングの径方向外側部分に当接し、その結果、リング状スプリングが第1シンクロナイザリングへ押し付けられつつ径方向内側に押し下げられることとなる。
また、シンクロナイザリングの所定の溝は、隣接する位置決め部の周方向中間に位置する歯または溝に最も近い溝である、すなわちスリーブのスプラインを構成する所定の歯は、隣接する位置決め部の周方向中間近傍に配置されるので、位置決め部近傍に配置される場合よりも、スリーブの所定の歯が当接したときにリング状スプリングが撓み易く径方向内側に押し下げられやすくなると共に、リング状スプリングが周方向においてバランスよく押し下げられることとなる。したがって、リング状スプリングからシンクロナイザリングへ周方向においてバランスよく摩擦力が加わることとなり、変速動作がスムーズに行われることとなる。なお、説明は省略するが、スリーブを第2被同期歯車側へ軸方向に移動させたときについても同様の効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態に係る変速機について説明する。
図1は、本実施の形態に係る変速機の5−6速変速部の断面図である。この図に示すように、この変速機1の回転軸2上には、5速用歯車3及び6速用歯車4が軸受メタル部材5,6を介して回動可能に遊嵌合されていると共に、これらの歯車3,4の間には、いずれか一方の歯車を回転軸に選択的に結合させて、動力伝達状態とする同期機構10が設けられている。
この同期機構10は、回転軸2に結合されて外周面にスプラインが形成されたハブ11と、内周面に該ハブ11のスプラインに嵌合するスプラインが形成され、該ハブ11に軸方向に移動可能に支持されたスリーブ12と、5速用歯車3及び6速用歯車4のハブ11側に形成され、スリーブ12のスプラインに嵌合可能なクラッチ歯3a,4aと、5速用歯車3及び6速用歯車4のクラッチ歯3a,4aのハブ11側に形成されたコーン面3b,4bと、内周面が5速用歯車3及び6速用歯車4のコーン面3b,4bに嵌合するコーン面13c,14cとされ、かつ外周面にスリーブ12のスプラインに嵌合可能なスプラインが形成されて、5速用歯車3及び6速用歯車4に摺動可能に嵌合された5速用シンクロナイザリング13及び6速用シンクロナイザリング14とを有し、スリーブ12のスプラインが、ハブ11のスプラインにのみ嵌合する状態と、ハブ11のスプラインといずれか一方のシンクロナイザリング13,14のスプライン及び5速用歯車3及び6速用歯車4のクラッチ歯3a,4aとにまたがって嵌合する状態との間で軸方向に移動可能に構成されている。
図2〜図4に示すように、ハブ11、5速用シンクロナイザリング13、及び6速用シンクロナイザリング14の外周部にはそれぞれ、互いの周方向位置をあわせる位置決め部11d,13d,14dが、周方向に3箇所均等な角度間隔αで設けられている。詳しくは、ハブ11側の位置決め部11dは、外周部を前後に貫いて形成された凹部により5、6速用シンクロナイザリング13,14側で周方向において同一位置となるように構成され、5、6速用シンクロナイザリング13,14の位置決め部13d,14dは、ハブ11の前記凹部に嵌合可能な凸部(突起)により構成されている。
図1に戻り、前記スリーブ12と前記シンクロナイザリング13,14との間には、軸方向から見て円形のリング状スプリング15,16が設けられ、該スプリング15,16は、前記5、6速用シンクロナイザリング13,14の位置決め部13d,14dを構成する凸部の外側に嵌合支持されている。このリング状スプリング15は、例えばスリーブ12が5速用歯車3側へ軸方向に移動すると、スリーブ12の後述する所定の歯12aの先端部がリング状スプリング15の径方向外側の面に当接することにより、この当接部を中心としてリング状スプリング15が径方向内側に押し下げられながら(撓みながら)、5速用シンクロナイザリング13に押し付けられる。これに対し、スリーブ12が6速用歯車4側へ軸方向に移動すると、スリーブ12の後述する所定の歯12aの先端部がリング状スプリング16の径方向外側の面に当接することにより、この当接部を中心としてリング状スプリング16が径方向内側に押し下げられながら(撓みながら)、6速用シンクロナイザリング14に押し付けられる。
ここで、5、6速用シンクロナイサリング13,14は、図7、図8にも示すようにほぼ同一の形状とされている。すなわち、コーン面13c,14cの傾き及び径がほぼ同一で、5,6速用歯車3,4のいずれのコーン面3a,4aによっても支持され得る形状とされている。一方、6速用シンクロナイサリング14は、コーン面14cを含めて全体がブロンズ製であるのに対し、5速用シンクロナイザリング13はブロンズ製であるがコーン面13cについてはカーボン合金により構成されている。また、これらのコーン面13c,14cにはそれぞれ摩擦係数を調整するための環状溝13f,14fが軸方向に複数形成されているが、その間隔は異なったものとなっている。すなわち、これらのシンクロナイザリング13,14は、同期性能に影響を与える要素が異なっており、これらを誤って他方の歯車のコーン面に装着した場合、同期性能に影響を与える虞がある。そこで、本実施の形態に係る変速機においては、誤って装着した場合でも、これを出荷前の試験で判明可能とするための構造が設けられている。
すなわち、5、6速用シンクロナイザリング13,14のスプラインを構成する複数の溝13b,14bのうち前記位置決め部13d,14dと周方向反対側に位置する溝を除く溝であって、5、6速用シンクロナイザリング13,14をハブ11側から見たときに、位置決め部13d,14dを通る直径線に関して左右対称となる位置にある3つの溝11e,13e,14e(所定の溝)は、深さが他の溝11bの深さよりも深くされている。また、ハブ11のスプラインを構成する複数の溝11bのうち5、6速用シンクロナイザリング13,14のスプラインの所定の溝13e,14eに周方向で対応する位置にある溝11eの深さが、他の溝11bの深さよりも深くされている。なお、溝11eの深さは、5、6速用シンクロナイザリング13,14の所定の溝13e,14eと同じ深さとされている。
ここで、位置決め部11d,13d,14dを通る直径線に関して左右対称となる位置にある溝は複数あるが、前記所定の溝11e,13e,14eは、複数の溝11b,13b,14bのうちの周方向において前記位置決め部11d,13d,14dの周方向中間に位置する溝11b′,13b′,14b′に最も近い溝であり、溝11b′,13b′,14b′に対して位相が角度βだけずれている。また、所定の溝11e,13e,14eは、前記角度α間隔で設けられている。
また、図5に示すように、スリーブ12の内周面のスプラインを構成する歯12aのうち前記深い溝11e,13e,14e(所定の溝)に周方向で対応する位置にあってこの所定の溝11e,13e,14eに噛み合う歯12e(所定の歯)の歯高が、他の歯12aの歯高よりも高くされている。この所定の歯12eは角度α間隔で均等に設けられている。
なお、5、6速用シンクロナイザリング13,14は、位置決め部13d,14d部分では歯が設けられていないが、5速用シンクロナイザリング13には、位置決め部13dの外周に識別用突起14gが設けられている。
次に、本実施の形態の作用について説明する。
まず、図9を用いて5、6速用シンクロナイザリング13,14が正しく組み付けられている場合について説明すると、スリーブ12を、そのスプラインがハブ11のスプラインにのみ嵌合する状態から例えば5速用歯車3側に軸方向にスライドさせると、ハブ11の所定の歯11eの先端がリング状スプリング15の径方向外側部分に当接して、図10にXで示すように該リング状スプリング15が径方向内側に押し下げられながら5速用シンクロナイザリング13に押し付けられ、その結果、5速用シンクロナイザリング13のコーン面が5速用歯車3のコーン面に押し付けられて5速用歯車3が回転軸2の回転に同期し始める。そして、さらにスリーブ12を軸方向に移動させると、スリーブ12の内周面の所定の歯12eは、5速用シンクロナイザリング13の所定の溝13eに沿って移動すると共に、シンクロナイザリング13のコーン面が5速用歯車3のコーン面3cにさらに強く押し付けられて5速用歯車3が回転軸2の回転に完全に同期する。そして、さらにスリーブ12を軸方向に移動させると、スリーブ12のスプラインがハブ11のスプラインと5速用シンクロナイザリング13のスプライン及び5速用歯車3のクラッチ歯3aとにまたがって嵌合し、これにより5速用歯車3が回転軸2に結合され、この5速歯車列が動力状態となる。
これに対して、スリーブ12を6速用歯車4側に軸方向にスライドさせると、5速の場合同様に、スリーブ12がハブ11のスプラインと6速用シンクロナイザリング14のスプラインと6速用歯車4のクラッチ歯4aとにまたがって嵌合し、これにより6速用歯車4が回転軸2に結合され、この6速歯車列が動力状態となる。
一方、5、6速用シンクロナイザリング13,14が互いに入れ替わって組み付けられている場合は、以下のようになる。すなわち、前述のように5、6速用シンクロナイザリング13,14の所定の歯または溝は5、6速用シンクロナイザリング13,14をハブ側から見たときに前記位置決め部を通る直径線に関して左右対称となる位置に設けられているから、5、6速用シンクロナイザリング13,14が互いに入れ替わって組み付けられた場合、図11に示すように、これらの所定の溝13e,14eはハブ11側から見たときに前記位置決め部13d,14dを通る直径線に関して左右反対の位置に位置することとなる。つまり、5、6速用シンクロナイザリング13,14における所定の溝13e,14eと、スリーブ12の内周面の所定の歯12eとの周方向位置が一致しなくなる。
したがって、スリーブ12を例えば5速用歯車3側へ軸方向にスライドさせ始めると、スリーブ12の内周面の所定の歯12eの先端側が、5速用シンクロナイザリング13の所定の溝13eの先端に当接して、それ以上スライドさせることができなくなる。一方、スリーブ12を6速用歯車4側へ軸方向にスライドさせ始めると、スリーブ12の内周面の所定の歯12eの先端側が、6速用シンクロナイザリング14の所定の溝14eの先端に当接して、それ以上スライドさせることができなくなる。したがって、異なるシンクロナイザリングを誤って組み付けた場合でも、この誤組み付けが出荷前試験等において判明することとなり、この誤組み付けされた変速機の出荷を確実に防止することができる。
なお、本実施の形態においては、以下のような効果も得られる。すなわち、ハブ11の位置決め部11dは、5、6速用シンクロナイザリング13,14側で周方向の同一位置に設けられており、前記スリーブ12の所定の歯12eは、5、6速用シンクロナイザリング13,14側で周方向の同一位置に設けられているから、ハブ11及びスリーブ12のスプラインや位置決め部11d,13d,14dの加工時に両側を同時に加工することができる。
また、シンクロナイザリング13の所定の溝13eは、隣接する位置決め部13d,14dの周方向中間に位置する溝に最も近い溝である、換言すればスリーブ12のスプラインを構成する歯高の高い所定の歯12eが、隣接する位置決め部13d,14dの周方向中間近傍に配置されるので、位置決め部13d,14d近傍に配置される場合よりも、スリーブ12の所定の歯12aが当接したときに撓み易くリング状スプリング15を径方向内側に押し下げられやすくなると共に、リング状スプリング15が周方向においてバランスよく押し下げられることとなる。したがって、リング状スプリング15からシンクロナイザリング13へ周方向においてバランスよく摩擦力が加わることとなり、変速動作がスムーズに行われることとなる。なお、説明は省略するが、スリーブ12を6速用歯車4側へ軸方向に移動させたときについても同様の効果が得られる。
なお、前記実施の形態においては、第1、第2被同期歯車が5、6速用歯車3,4である場合について説明したが、他の変速段用のものにも適用可能であることはいうまでもない。
また、前記実施の形態においては、第1、第2シンクロナイザリング側に他よりも深い溝でなる所定の溝が、スリーブ側に歯高の高い所定の歯が設けられている場合について説明したが、所定の歯及び所定の溝の異なる態様として、歯が低く、溝が浅い場合、歯幅及び溝幅が広い場合、歯幅及び溝幅が狭い場合がある。また、この特異な歯及び溝が、スリーブ側が溝でシンクロナイザリング側が歯の場合がある。
本発明によれば、変速機においてシンクロナイザリングが誤組付けされたまま出荷されるのが防止されるものであり、自動車産業に広く適用することができる。
本発明の実施の形態に係る変速機における5−6速変速部の回転軸方向に沿う断面図である。 図1の矢印A方向からハブ単品を視た図である。 図1の矢印A方向からクラッチハブスリーブ単品を視た図である。 図1の矢印B方向から5速用シンクロナイザリング単品を視た図である。 図1の矢印C方向から6速用シンクロナイザリング単品を視た図である。 図2のD−D断面による図1相当の図である。 5速用シンクロナイザリング単品の拡大断面図である(図1と同断面)。 6速用シンクロナイザリング単品の拡大断面図である(図1と同断面)。 正しい組み付けがなされた場合の説明図である。 リング状スプリングがハブの所定の歯により押し下げられた状態の説明図である。 誤った組み付けがなされた場合の説明図である。
符号の説明
1 変速機
2 回転軸
3 5速用歯車
4 6速用歯車
10 同期装置
11 ハブ
11b 溝
11d 位置決め部(凹部)
11e 他よりも深い溝
12 スリーブ
12a 歯
12e 他よりも高い歯(所定の歯)
13 5速用シンクロナイザリング
13b 溝
13c コーン面
13d 位置決め部(突起)
13e 他よりも深い溝(所定の溝)
14 6速用シンクロナイザリング
14b 溝
14c コーン面
14d 位置決め部(突起)
14e 他よりも深い溝(所定の溝)
15 リング状スプリング

Claims (4)

  1. 軸に結合され、外周面にスプラインが形成されたハブと、
    内周面に該ハブのスプラインに嵌合するスプラインが形成され、該ハブに軸方向に移動可能に支持されたスリーブと、
    前記ハブの軸方向両側で前記軸に回転自在に嵌合され、ハブ側に前記スリーブのスプラインが嵌合可能なクラッチ歯が形成されていると共に、該クラッチ歯のハブ側にコーン面が形成された第1、第2被同期歯車と、
    内周面が前記被同期歯車のコーン面に嵌合するコーン面とされ、かつ外周部に前記スリーブのスプラインが嵌合可能なスプラインが形成されて、前記第1、第2被同期歯車にそれぞれ摺動可能に嵌合された第1、第2シンクロナイザリングと、
    前記スリーブと両側のシンクロナイザリングとの間にそれぞれ備えられたリング状スプリングとを有し、
    かつ、前記ハブと第1シンクロナイザリング及び第2シンクロナイザリングとに、互いの周方向位置をあわせる位置決め部がそれぞれ設けられて、前記スリーブと第1、第2シンクロナイザリングのスプラインが常に同一の歯と溝とが噛み合うように構成されていると共に、
    前記第1、第2シンクロナイザリングは、同一形状とされ、かつ同期性能に影響を与える少なくとも一つの要素を異ならせて形成された変速機であって、
    前記第1、第2シンクロナイザリングのスプラインを構成する歯または溝のうち、前記位置決め部と周方向反対側に位置する歯または溝を除く少なくとも一つの歯または溝であって、第1、第2シンクロナイザリングをハブ側から見たときに、前記位置決め部を通る直径線に関して左右対称となる位置にある所定の歯または溝は、寸法が他の歯または溝と異ならせて形成されていると共に、
    この所定の歯または溝に対応させて、これに噛み合うスリーブのスプラインの所定の溝または歯の寸法が他の溝または歯と異ならせて形成されていることを特徴とする変速機。
  2. 前記請求項1に記載の変速機において、
    前記ハブの位置決め部は、第1、第2シンクロナイザリング側で周方向の同一位置に設けられており、
    前記スリーブの所定の溝または歯は、第1、第2シンクロナイザリング側で周方向の同一位置に設けられていることを特徴とする変速機。
  3. 前記請求項1または請求項2に記載の変速機において、
    前記第1、第2シンクロナイサリングのコーン面のいずれか一方がブロンズ製で、他方がカーボン製であることを特徴とする変速機。
  4. 前記請求項1から請求項3のいずれかに記載の変速機において、
    前記ハブと第1、第2シンクロナイザリングとの位置決め部は、シンクロナイザリング側の突起とハブ側に設けられた凹部とで構成され、該位置決め部がハブ及びシンクロナイザリングの周方向に複数個所均等な間隔で設けられていると共に、前記シンクロナイザリングの突起の外側に前記リング状スプリングが嵌合支持されており、
    かつ、前記スリーブのスプラインを構成する所定の歯が他の歯よりも歯高が高くされ、これに対応するシンクロナイザリングのスプラインを構成する所定の溝が他の溝よりも深くされていると共に、シンクロナイザリングの所定の溝は、隣接する位置決め部の周方向中間に位置する歯または溝に最も近い溝であることを特徴とする変速機。
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