JP2008260736A - 固形状油性化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 多量の乳化剤や塩が配合されていないにもかかわらず、配合された湿潤剤が安定に分散している固形状油性化粧料を提供することを課題とする。
【解決手段】 油剤と、セルロース含有微粒子と、湿潤剤とを含み、固化されていることを特徴とする固形状油性化粧料による。
【選択図】 なし

Description

本発明は、固形ワックスやゲル化剤等で油剤が固化されてなる固形状油性化粧料に関する。
従来、この種の固形状油性化粧料は、例えば、油性ファンデーションや口紅に利用されている。これらの化粧料は、油剤がベースとなることから、塗布時の清涼感、サッパリ感にかけるものであったが、近年、水を配合することで、これらの点を改善する技術が提案されている(特許文献1、2)。
また、固形状油性化粧料に湿潤効果を付与する試みもなされており、水の他に多価アルコールなどの湿潤成分を配合することも試みられている(非特許文献1)。
特許第2665473号公報 特開2002−29927号公報 フレグランスジャーナル,臨時増刊No.17,85(2000)
しかしながら、このような従来の固形状油性化粧料は、以下の問題を有している。
即ち、上記の如く水が配合されてなる化粧料は、固形ワックスやゲル化剤などによって、固形化されているが、このような添加剤では水などの湿潤剤が安定に分散配合されないという問題を有している。
また、特許文献1には、多量の乳化剤を使用する対策が提案されているが、このように多量の乳化剤が配合されてなるものは、化粧持ちが悪く、且つ水分が蒸発し易いという問題を有している。更に、特許文献2には、塩を配合することで安定性を改善する試みもなされているが、斯かる改善がなされたものであっても、離水が起こるなど安定性が不充分であるという問題を有している。
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、多量の乳化剤や塩が配合されていないにもかかわらず、配合された湿潤剤が安定に分散している固形状油性化粧料を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく、本発明は、油剤と、セルロース含有微粒子と、湿潤剤とを含み、固化されていることを特徴とする固形状油性化粧料を提供する。
本発明の固形状油性化粧料は、多量の乳化剤や塩が配合されていないにもかかわらず、配合された湿潤剤が安定に分散しているという効果を奏する。
本発明の固形状油性化粧料は、油剤と、セルロース含有微粒子と、湿潤剤とを含み、固化されている固形状油性化粧料である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態で用いられる前記セルロース含有微粒子は、セルロースを少なくとも一部に有するものであり、該セルロース含有微粒子としては、セルロースのみで構成されたセルロース微粒子又はセルロースと他の材料とが複合されてなるセルロース複合体微粒子を挙げることができる。
前記セルロース微粒子は、セルロースを主成分とする原料から、再生され、その後粉砕され微粒子とされたものである。また、前記セルロース複合体微粒子は、前記セルロース微粒子を製造する工程中、又は製造した後に他の材料(後述)と複合化させたものである。
前記セルロース微粒子は、具体的には、以下のように調製される。即ち、このセルロース微粒子は、セルロースを溶解させ得る溶媒にセルロースを一旦溶解させ、セルロースが溶解しているこの溶液から、セルロースを再生させ再生セルロースとし、続いてこの再生セルロースを粉砕処理することにより調製されたものである。
セルロースを溶解させ得る溶媒としては、例えば、硫酸、ジメチルアセトアミド、銅エチレンジアミン等が挙げられる。中でも、後の除去作業の簡便さ、残留分の皮膚への影響の観点から、硫酸が好ましい。
セルロースを再生させる方法としては、例えば、再沈殿がある。再沈殿は、水等の溶媒中にセルロース溶液を投入して再生セルロースを得る方法である。セルロースを再沈殿させる溶媒としては、水や50重量%以下の濃度の水溶性アルコール水溶液等が挙げられる。中でも、後の除去作業の簡便さ、残留分の皮膚への悪影響の観点から、水が好ましい。
再沈殿されたセルロースは、さらに、例えば硫酸を用い、酸加水分解処理が施され、続いて粉砕処理されていてもよい。
再沈殿されたセルロースの粉砕処理としては、ビーズミル、ニーダー、ディスパー、ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等による粉砕処理が挙げられる。この粉砕処理は、粉砕効率の観点から、ホモジナイザー等で予備分散後、さらに超高圧ホモジナイザーによる粉砕処理が好ましい。
なお、再沈殿されたセルロースの分散液を粉砕処理する場合には、該セルロースが配合された固形状油性化粧料の伸展性、安定性が良好になるという点で、分散液中のセルロース濃度は1〜20重量%が好ましい。
再沈殿されたセルロースを加水分解する場合、加水分解時間を変化させることによりセルロース含有微粒子の平均粒子径を調節できる。加水分解時間を短くすることによって、平均粒子径は大きくなり、逆に、加水分解時間を長くすることにより平均粒子径は小さくなる。
再沈殿されたセルロースの分散液を粉砕処理する場合、超高圧ホモジナイザーを用いて、圧力、処理時間を制御することによって、セルロース含有微粒子の平均粒子径を調節できる。即ち、圧力を高く、処理時間を長くすることによって、平均粒子径を小さくすることができる。また、再沈殿時の撹拌力を調節することによって、セルロース含有微粒子の平均アスペクト比L/Dを調節できる。即ち、再沈殿時の撹拌力を強くすることによって平均アスペクト比L/Dを小さくすることができる。
前記セルロース複合体微粒子を構成する他の材料(以下、機能性添加剤ともいう)としては、例えば、オイル系化合物、水溶性高分子、界面活性剤、金属酸化物、紫外線遮蔽剤、無機塩、金属粉、ガム類、染料、顔料、肥料、カーボンブラック、シリカ化合物、ラテックス、エマルジョン剤、アミノ酸類、香料、生薬、防腐剤等が挙げられ、これらが一種又は二種以上用いられたセルロース含有微粒子がセルロース複合体微粒子である。より詳しくは、メチルポリシロキサン、シリコーンポリエーテルコポリマー等のシリコンオイル、オリーブ油、マカデミアナッツ油、ヒマシ油等の植物油、動物油、ラノリン、流動パラフィン、スクワラン等のオイル系化合物、またCMC、MC、HEC、HPC等のセルロース誘導体、デキストラン、コンドロイチン硫酸ナトリウム、アミロース、アミロペクチン、プルラン、アガロース、ペクチン酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、アラビヤガム、キサンタンガム、グアーガム、カラヤガム、トラガントガム、カゼインナトリウム、ゼラチン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、ヒアルロン酸、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、N−アシルグルタミン酸塩、N−アシルメチリタウリン、アシルコラーゲンペプチド、酢酸ベタイン、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルグルコシド、レシチン等の界面活性剤、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化アルミニウム等の金属化合物、ウロカニン酸、オキシベンゾン、フェニルサリシレート、サリチル酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸エチルヘキシルエステル、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸オクチル、ジベンゾイルメタン等の紫外線遮蔽剤、スチレン−ブタジエンラテックス、アクリル系ラテックス等のラテックスがある。また、香料としては、アセチルメチルカルビノール、アセト酢酸エチル、アニスアルデヒド、アントラニル酸メチル、安息香酸メチル、イソ吉草酸エチル、イソチオシアン酸アリル、ギ酸イソアミル、ギ酸エチル、ケイ皮アルデヒド、ケイ皮酸、酢酸イソブチル、シトロネラール、3,4−ジメトキシベンズアルデヒド、テルビネオール、β−フェニルエチルアルコール、プロピオン酸イソアミル、プロピオン酸エチル、ベンジルアルコール、マルトール等が挙げられる。
前記セルロース複合体微粒子は、例えば、前述の通り再沈殿されたセルロース分散液と少なくとも一種の前記機能性添加剤とを混合し、その混合液をスプレードライ法により造粒し、かつ乾燥することにより得られるが、必ずしも乾燥する必要は無く、分散液のまま固形状油性化粧料の製造に用いられ得る。
好ましくは、前記セルロース複合体微粒子は、セルロース濃度を調整した前記セルロース微粒子の分散液に前記機能性添加剤を加え、ホモジナイザー、ブレンダー、その他の混練機により混合・分散することにより得ることができる。更に好ましくは、可能であれば、高圧又は超高圧ホモジナイザーによる高度粉砕処理により、混合・分散化させることにより得ることができる。混合、分散させる機能性添加剤の混合比率は、セルロース微粒子に対し50重量%以下、好ましくは30重量%以下である。50重量%を超えるとセルロース濃度が低いため、水や多価アルコールなどの湿潤剤の安定化が困難になる。
前記セルロース含有微粒子は、好ましくは平均粒子径が20μm以下であり、より好ましくは10〜500nmであり、更に好ましくは10〜200nmである。
平均粒子径が10nm未満の場合には、固形状油性化粧料に配合する他の粒子の捕捉効率が極端に低下し、20μmを超える場合には、該化粧料を皮膚に塗布した時にザラツキ感が生じる虞がある。
前記平均粒子径は実施例記載の方法により測定することができる。
前記セルロース含有微粒子は、平均アスペクト比L/D(ここで、Lはセルロース含有微粒子の長径、Dは短径を示す)が好ましくは1.3以下、さらに好ましくは1.2以下である。前記セルロース含有微粒子は、球状に近いものほど固形状油性化粧料を皮膚に塗布した時にザラツキ感が少なく、また、自己凝集性が小さくなるため、保水性や吸油性を高まり、固形状油性化粧料の伸展性と経時的安定性とを向上させることができる。
前記平均アスペクト比L/Dが1.3を超える場合には、固形状油性化粧料を皮膚に塗布した時にザラツキ感が生じる虞がある。
前記平均アスペクト比L/Dは、実施例記載の通り、電子顕微鏡による観察により、ランダムに抽出した50個の微粒子の長径(L)と短径(D)を測定し、それらの各平均値からL/Dを算出することにより求められる。
セルロース含有微粒子を構成するセルロースの結晶化度は50%以下、好ましくは10%以下である。結晶化率が50%を超えるとセルロース含有微粒子が、水や多価アルコール等の保湿剤中で安定に分散せず、結果として、固形状油性化粧料中に水や多価アルコール等の保湿剤を安定に配合することができない虞がある。
前記セルロース含有微粒子は分散液として得られるが、分散液をそのまま固形状油性化粧料に配合してもよく、スプレードライヤー等で乾燥後、所定の湿潤剤中に分散して用いることもできる。
前記セルロース含有微粒子の配合量は、湿潤剤100重量部(水、多価アルコール又はそれらの混合物)に対して0.4〜45重量部であることが好ましく、より好ましくは、前記湿潤剤に対して1〜10重量部である。前記セルロース含有微粒子の配合量が湿潤剤100重量部に対して0.4重量部未満である場合、前記セルロース含有微粒子による固形状油性化粧料の安定性向上効果が得られず、45重量部を超える場合、固形状油性化粧料の粘度が上昇し、該化粧料原料の分散が困難となる虞がある。
本発明において湿潤剤は、水、多価アルコール又はそれらの混合物を意味する。該湿潤剤の配合量は、化粧料中、1〜60重量%、好ましくは10〜50重量%である。湿潤剤の配合量が1重量%未満の場合、該湿潤剤を配合した固形状油性化粧料の清涼感、湿潤性がなく、60重量%を超える場合、該湿潤剤を配合した固形状油性化粧料の安定性が低下する。
前記湿潤剤のうち、水は化粧料に通常使用される水であり、水道水、イオン交換水、蒸留水、精製水等が挙げられる。
前記湿潤剤のうち、多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、グリセリン、ソルビトール、ショ糖などが挙げられる。
前記油剤としては、特に限定されず、室温で液状、固体状、半固体状のものを用いることができる。
前記油剤のうち、室温で液状、半固体状のものとして、具体的には、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、バーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリメチロールプロパントリイソステアレート、イソプロピルミリステート、グリセロールトリ−2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールテトラ−2−エチルヘキサノエート、ラノリン、液状ラノリン、流動パラフィン、スクワレン、プリスタン、イソパラフィン、スクワラン、ワセリン等が挙げられる。更に、ジメチルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン等のジアルキルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のアルキルアリールポリシロキサン、ジアリールポリシロキサン、脂肪酸変性ポリシロキサン、高級アルコール変性ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、ポリオキシアルキレン変性ポリシロキサンなどのシリコーン油等が挙げられる。これら室温で液状、半固体状の油剤の配合量は、通常、化粧料中、5〜90重量%である。
前記油剤のうち、室温で固体状のものとして、具体的には、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油ワックス、オゾケライト、セレシン等の鉱物系ワックス、カルナバロウ、キャンデリラロウ、ミツロウ等の天然ワックスなど、融点が50℃以上のものが挙げられる。これら室温で固体状の油剤の配合量は、通常、化粧料中、0.5〜30重量%である。
本実施形態の固形状油性化粧料は、好ましくは界面活性剤を含有していてもよい。該界面活性剤は好ましくはHLB(川上式)が12以下のものである。該界面活性剤を配合することにより、セルロース含有微粒子及び湿潤剤の化粧料中における分散がより容易となる。該界面活性剤の配合量は、乳化される前記湿潤剤の量に応じて選択され、化粧料中、0.2〜10重量%が好ましい。前記界面活性剤の配合量が0.2重量%未満の場合、分散性改善の効果が弱くなり、10重量%を超える場合、前記界面活性剤が配合された化粧料の化粧もちの低下を招く虞がある。前記界面活性剤として、具体的には、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンジイソステアレート、ソルビタンセスキイソステアレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタンジオレート、ソルビタンセスキオレート、グリセリルモノイソステアレート、グリセリルジイソステアレート、グリセリルセスキイソステアレート、グリセリルモノオレート、グリセリルジオレート、グリセリルセスキオレート、ジグリセリルジイソステアレート、ジグリセリルジオレート、トリステアリン酸デカグリセリル、トリステアリン酸ヘキサグリセリル、モノステアリン酸テトラグリセリル、ペンタステアリン酸デカグリセリル、ステアリン酸スクロース、ジステアリン酸スクロース、ポリステアリン酸スクロース、ペンタエルカ酸スクロース、ヘキサエルカ酸スクロース、ポリオレイン酸スクロース等が挙げられる。
本実施形態においては油ゲル化剤が含まれていてもよい。該油ゲル化剤は、必要に応じて適宜用いられるものであり、具体的には、ステアリン酸アルミニウム、パルミチン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸アルミニウム等の金属石鹸、ラウロイルグルタミン酸ステアリルアミド等のN−アシルアミノ酸の誘導体、デキストリン脂肪酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸、ショ糖脂肪酸エステルおよび酢酸ステアリン酸スクロース等のアセチル化ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。これら油ゲル化剤の配合量は、通常、化粧料中、0.5〜30重量%である。
本実施形態では、着色剤、感触改良剤として適宜、粉末が含有され得る。該粉末としては、通常、化粧料に用いられる粉末、例えば、感触改良剤としてのタルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、黒雲母、金雲母、合成雲母、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛等の無機粉末、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレン−アクリル酸共重合体樹脂粉末等の有機粉末が挙げられる。また、着色剤としての酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄、黄酸化鉄、黒酸化鉄、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト、群青、紺青等の無機粉末、酸化チタン被覆マイカ、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、着色酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等のパール顔料、赤色202号、赤色205号、赤色218号、赤色220号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、青色404号等の有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色227号、赤色401号、橙色205号、黄色4号、黄色202号、緑色3号、青色1号等をレーキ化したジルコニウム、バリウム、アルミニウムレーキ等の有機顔料等が挙げられる。
本実施形態の固形状油性化粧料には、本発明の効果を損わない範囲内において、通常、化粧料に添加される成分が配合されていてもよい。このような成分としては、例えば防腐剤、香料、紫外線吸収剤、増粘剤等が挙げられる。
本発明に係る固形状油性化粧料は、例えば、以下のような手順によって製造することができる。まず、前述の粉砕処理を施されたセルロース含有微粒子を所定の濃度となるように、所定量の精製水及びグリセリンに分散させる。その後、この分散液を60〜90℃程度に加温し、別途60〜90℃程度に加温した油相成分にこの分散液を徐々に添加する。続いて分散装置、例えばホモディスパー(プライミクス株式会社製)で5000rpmで5分攪拌する。その後この分散液を冷却し、固化させ、固形状油性化粧料を得る。
本発明に係る固形状油性化粧料は、種々の形態の化粧料として適用され得るものである。適用される化粧料の具体例としては、例えば、油性ファンデーション、口紅、リップクリーム等の固形状油性化粧料が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに詳細に説明する。
<セルロース微粒子(1)の調製>
−5℃の65重量% 硫酸水溶液に、セルロース(サルファイト法により木材パルプから製造したサルファイトパルプ)を、終濃度10重量%となるよう溶解させ、セルロースドープを得た。続いて、セルロースドープに対して2.5倍重量の5℃に維持された水中に、前記ドープを分散機(プライミクス社製、機種名:TKロボミックス)で攪拌(5000rpm)しながら添加し、セルロースをフロック状に凝集、再沈殿させた。なお、これまでの操作で得られた産物はトータル1kgである。得られた産物を、85℃で20分間維持することにより酸加水分解を行い、ついで、pH4以上になるまで、該産物の水洗と脱水とを繰り返し、ゲル状物を得た。
次に、前記ゲル状物に、固形分濃度4重量%となるように水を添加した。その後、得られた産物を、分散機(プライミクス社製、機種名:TKロボミックス)に供して、10000rpmにて10分間処理することにより分散させた。さらに、得られた産物を、超高圧ホモジナイザー(みづほ工業株式会社社製、機種名:マイクロフルイダイザーM−110−E/H、圧力:100MPa)に供して超高圧分散処理し、ゲル状のセルロース微粒子の分散液(固形分濃度4重量%)を得た。さらにスプレードライヤーを用い、85℃で分散液の水分を除去し、最終的にセルロース微粒子(1)を得た。
<セルロース微粒子(2)の調製>
酸加水分解(85℃、20分間)を行わなかった点、超高圧ホモジナイザー処理を行わなかった点以外はセルロース微粒子(1)の調製方法に準じ、セルロース微粒子(2)を調製した。
<セルロース微粒子(3)の調製>
セルロースドープから再沈殿させる際の撹拌を1400rpmとした点以外はセルロース微粒子(1)の調製方法に準じ、セルロース微粒子(3)を調製した。
<セルロース微粒子の平均粒子径の測定>
セルロース微粒子に水を加えて1.5重量%濃度のセルロース微粒子の水分散液を調製し、続いて、前記マイクロフルイダイザー(M−110−E/H、圧力:100MPa)により前記処理条件と同様な処理条件で処理した後、該分散液を用い、マイクロトラック粒度分布測定装置UPA(日機装株式会社製)で平均粒子径を測定した。なお、平均粒径としては体積粒子径における、50%径である累積中位径(メジアン径)を採用した。
<セルロース微粒子の平均アスペクト比L/Dの測定>
平均粒子径に応じて以下の方法1または方法2の方法で観察することにより求めた。即ち、平均粒子径が500nm未満の場合、方法1によって、また、平均粒子径が500nm以上の場合、方法2によって観察することにより求めた。平均アスペクト比は、各セルロース含有微粒子の長径(L)と短径(D)とを測定し、それらの各平均値からL/Dを算出することにより求めた。
<方法1(平均アスペクト比L/Dの測定)>
まず、濃度0.005重量%のセルロースの水分散液をガラスプレパラート上にキャストし、自然乾燥した。次に、この試料を走査型プローブ顕微鏡SPM−9600(島津製作所製)で観察し、上記の方法で平均アスペクト比を求めた。
<方法2(平均アスペクト比L/Dの測定)>
乾燥させたセルロース含有微粒子の試料を検鏡用試料台に載物し、イオンスパッタ装置等により金や白金等の金属を蒸着して検鏡試料とし、走査型電子顕微鏡で観察し、上記の方法で平均アスペクト比を求めた。
<セルロース微粒子の結晶化度の測定>
セルロース微粒子の結晶化度は、次のχIおよびχIIから求めた。
セルロースI及びセルロースII型結晶成分の分率(χIおよびχII)は、広角X線回折法(リガク社製、商品名「RINT−ULtimaIII」)により下記手順で算出した。
セルロースI型結晶成分の分率(χI)の求め方を次に示す。まず、乾燥セルロース試料を粉状に粉砕し錠剤に成形した。この試料に対し、線源CuKα、反射法で広角X線回折図を得て、セルロースI型結晶の(110)面ピークに帰属される2θ=15.0°における絶対ピーク強度h0と、この面間隔におけるベースラインからのピーク強度h1から、式(1)によりセルロースI型結晶成分の分率(χI)を求めた。
セルロースII型結晶成分の分率(χII)は、セルロースII型結晶の(110)面ピークに帰属される2θ=12.6°における絶対ピーク強度h0*とこの面間隔におけるベースラインからのピーク強度h1*から、前記χIと同様に、式(2)によりセルロースI型結晶成分の分率(χI)を求めた。
このようにして求めたχI+χIIを用いて式(3)から結晶化度を求めた。
χI =h1/h0 式(1)
χII=h1*/h0* 式(2)
結晶化度(%)=(χI+χII)×100 式(3)
<セルロース微粒子の平均粒子径>
各セルロース微粒子の平均粒子径を以下に示す。
セルロース微粒子(1):平均粒子径20nm
セルロース微粒子(2):平均粒子径50μm
セルロース微粒子(3):平均粒子径20nm
<セルロース微粒子の平均アスペクト比L/D>
各セルロース微粒子の平均アスペクト比L/Dを以下に示す。
セルロース微粒子(1):平均アスペクト比L/D=1.05
セルロース微粒子(2):平均アスペクト比L/D=1.05
セルロース微粒子(3):平均アスペクト比L/D=1.40
<セルロース微粒子の結晶化度>
各セルロース微粒子の結晶化度を以下に示す。
セルロース微粒子(1):結晶化度(%)=21(χI=0.05、χII=0.16)
セルロース微粒子(2):結晶化度(%)=8(χI=0.6、χII=0.2)
セルロース微粒子(3):結晶化度(%)=22(χI=0.06、χII=0.16)
(実施例1)
実施例1の固形状油性化粧料を、表1に示した成分と配合により調製した。具体的な手順を以下に示す。
前述した方法で調製したセルロース微粒子(1)を1重量部と、精製水25.4重量部と、グリセリン5重量部とを混合して80℃に加温し、該産物を、ミツロウ15重量部、流動パラフィン15重量部、ミリスチン酸イソプロピル5重量部、カルナウバワックス1重量部、ヒマシ油23.5重量部、酸化鉄4.5重量部、酸化チタン2重量部、赤色218号2.5重量部、メチルパラベン0.1重量部からなる80℃に加温された油相成分に徐々に添加し、ホモディスパー(プライミクス株式会社製)で5000rpmで5分間撹拌し、充填後、冷却することで固化させ、実施例1の固形状油性化粧料(口紅)を調製した。なお、各配合成分の詳細は次の通りである。
・グリセリン(阪本薬品工業製、商品名「精製グリセリン」)
・ミツロウ(クローダジャパン製、商品名「BEESWAX−S」)
・流動パラフィン(試薬一級、ナカライテスク製)
・ミリスチン酸イソプロピル(クローダジャパン製、商品名「クロダモル IPM」)
・カルナウバワックス(セラリカ野田製、商品名「精製カルナウバワックスNo1」)
・ヒマシ油(伊藤製油製、商品名「ヒマシ油ダイヤ」)
・酸化鉄(三好化成製、商品名「SA−ベンガラ七宝」)
・酸化チタン(三好化成製、商品名「SA−チタンCR−50」)
(実施例2)
実施例1のセルロース微粒子(1)を9重量部とした点、精製水を17.4重量部とした点以外は実施例1と同様にして、実施例2の固形状油性化粧料を調製した。
(実施例3)
実施例1のセルロース微粒子(1)を0.15重量部とした点、精製水を26.25重量部とした点以外は実施例1と同様にして、実施例3の固形状油性化粧料を調製した。
(実施例4)
実施例1のミツロウを11重量部とした点、ヒマシ油を20重量部とした点、新たに酢酸ステアリン酸スクロース(第一工業製薬製、商品名「コスメライクSA−10」)を7.5重量部配合した点以外は実施例1と同様にして、実施例4の固形状油性化粧料を調製した。
(実施例5)
実施例1の精製水を24.4重量部とした点、新たにポリステアリン酸スクロース(第一工業製薬製、商品名「コスメライクS−10」)を1重量部配合した点以外は実施例1と同様にして、実施例5の固形状油性化粧料を調製した。
(実施例6)
実施例1のセルロース微粒子(1)をセルロース微粒子(3)に変更した点以外は実施例1と同様にして、実施例6の固形状油性化粧料を調製した。
(実施例7)
実施例1のセルロース微粒子(1)をセルロース微粒子(2)に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例7の固形状油性化粧料を調製した。
(比較例1)
実施例1のセルロース微粒子(1)を配合しなかった点、精製水を26.4重量部とした点以外は実施例1と同様にして、比較例1の固形状油性化粧料を調製した。
(比較例2)
結晶セルロース(旭化成製、商品名「セオラスPH−101」、平均粒子径50μm)を配合した点以外は実施例1と同様にして、比較例1の固形状油性化粧料を調製した。
[経時安定性の評価]
実施例及び比較例の各固形状油性化粧料を、40℃で保管し、組成物の離水状態を目視にて観察し、下記の基準に従い評価した。
◎:1ヶ月間離水が認められない。
○:2週間離水が認められない。
△:1週間離水が認められない。
×:調製直後に離水。
評価結果を表1に示す。
[使用感(伸びの滑らかさ)の評価]
各実施例及び比較例の各固形状油性化粧料について5名のパネルにより7段階の絶対評価で官能試験を行った。前腕内側部での使用感(伸びの滑らかさ)を下記の基準に従いスコア化し、それらの平均値を算出し、下記のように◎〜×で評価した。結果を表1に示す。
評価6:非常に良い、評価5:良い、評価4:やや良い、評価3:普通、評価2:やや悪い、評価1:悪い、評価0:非常に悪い
◎:平均値が5より大。
○:平均値が3より大で、5以下。
△:平均値が1より大で、3以下。
×:平均値が1以下。
評価結果を表1に示す。
Figure 2008260736
表1に示したように、実施例1〜7は、比較例1に比して経時安定性に優れ、しかも、実施例1〜6は使用感(伸びの滑らかさ)も良好であることが認められた。
本発明に係る固形状油性化粧料は、油性ファンデーション、口紅、リップクリーム等の固形状油性化粧料に好適に使用することができる。

Claims (4)

  1. 油剤と、セルロース含有微粒子と、湿潤剤とを含み、固化されていることを特徴とする固形状油性化粧料。
  2. 前記セルロース含有微粒子の平均粒子径が20μm以下である請求項1記載の固形状油性化粧料。
  3. 前記セルロース含有微粒子の平均アスペクト比L/Dが1.3以下である請求項1又は2記載の固形油性化粧料。
  4. 界面活性剤を含有する請求項1乃至3のいずれかに記載の固形状油性化粧料。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012152655A (ja) * 2011-01-21 2012-08-16 Biomedix:Kk S/o型サスペンションの製造方法
JP2013247917A (ja) * 2012-05-31 2013-12-12 Q P Corp 電子レンジ加熱用冷凍グラタン類の製造方法
JP2017088602A (ja) * 2015-11-09 2017-05-25 株式会社コーセー 油性固形化粧料
JP2022099605A (ja) * 2020-12-23 2022-07-05 大日精化工業株式会社 樹脂ビーズ、樹脂ビーズの製造方法、及び樹脂ビーズを用いた製品

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