JP2008260673A - 希土類元素をドープしたセリア焼結体とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明は、緻密で、ナノレベルで均一な組織をもち、高い導電特性を有するドープドセリア系焼結体とその製造方法を提供しようというものである。
【解決手段】
本発明の希土類元素をドープしたナノセリア系焼結体は、相対密度95%以上、平均粒子径が1×10nm以上2×10nm以下で、かつ粒子径分布の広がりを示す標準偏差(σ)が6×10nm以下であることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、酸素センサ、炭酸ガスセンサ、一酸化窒素センサなどの各種ガスセンサ、ガス透過膜および燃料電池用固体電解質、などに利用される希土類元素をドープしたセリア系焼結体とその製造方法に関する。より詳しくは、MCe1−x2−δ(ただし、M:Gd,Y,又はSm、0.1≦x≦0.3、δはカチオンとアニオンの電荷のバランスから決定される酸素欠陥量を表す)で表される配合の粉末を焼結してなるドープドナノセリア系焼結体とその製造方法に関する。
希土類元素をドープしたセリア系焼結体、特に希土類元素としてサマリウム(Sm)、ガドリウム(Gd)、イットリウム(Y)をドープしてなるセリア系焼結体は高導電率を有することで知られている。しかし、実際に焼結体を作製し、その導電率を測定してみると、その導電率は、直流3端子法で、500℃でそれぞれ、10−4.0から10−3.0(S/cm)と十分なものではなく、かつ同じ組成であっても、測定値に大きなばらつきが生じ、製品としての性能が十分ではなく、信頼性にも問題が残っていた。
固体電解質を各種ガスセンサや燃料電池へ応用するには、低い温度で高い導電率を、再現性よく発現させ、かつ低酸素分圧領域においても、n型半導体特性やp型半導体特性の発現が抑制され、酸化物イオン伝導体特性が支配的となることが求められている。従来は、外部加熱式の電気炉を用いて、5℃/minから10℃/minの昇温速度を用いて、1200℃以上の温度において高密度焼結体の作製を行うため、得られた焼結体中の粒径が不均一であり、かつ性能の向上、測定される導電率の再現性もえることが難しく、あわせて酸素分圧1気圧から10−20気圧の幅広い酸素分圧領域間において、n型及びp型半導体特性が発現しやすい状況にあった。こうした理由から、希土類元素をドープしたセリア系焼結体は、実用上有用な材料であるとは考えられていなかった。
そこで、易焼結性ナノサイズ微粉末を用いて、焼結体の平均粒子径が平均100nm以下であり、かつ焼結体密度が理論密度に対して95%以上の値を有し、700℃における直流3端子法における導電率の測定値が、10−1(S/cm)以上であることを特徴とする、Dyドープ高電導性ナノセリア系焼結体及びそのパルス通電焼結法を用いた製造方法が提案された(特願2004−064616(特許文献1):Dyドープナノセリア系焼結体およびその製造方法、森 利之ら)。
この方法により得られた焼結体では、パルス通電焼結法を用いて、あらかじめ相対密度90%程度の焼結体を作製し、そののち、常圧焼結をほどこし、相対密度95%以上の焼結体を作製することで、確かに、常圧焼結体より均一な組織をもち、高い導電率を有するドープドセリア焼結体が作製できることが確認されたが、こうした焼結体を作製するために、パルス通電焼結(スパークプラズマ焼結とも呼ばれる)と常圧焼結を組みあわせるか、または、610MPa以上の高圧下においてパルス通電焼結を行う必要があった。(非特許文献1)
しかし、2段目の処理として常圧焼結処理を施す方法では、焼結体の作製に時間がかかり、また、610MPa以上の高圧を加える手法では、高圧を生じさせるための特別な装置や、その高圧に耐える特殊なモールド(通常は安価なカーボンモールドを使用するが、耐熱性超硬合金を使用しなければならない)を使用するため、製造に大きな費用がかかる方法であった。また、ナノ構造の均一性も、常圧焼結法で作製した焼結体よりは、均一性に優れるものの、不十分なものであり、ナノレベルで粒径が均一で、優れた性能を有するドープドセリアを作製する製造方法ではなかった。
特開2005−247673 U.Anselmi−Tamburini, J.E.Garay and Z. A. Munir, Scripta Materialia, 54, 823−828 (2006).
以上述べたように、従来の希土類元素をドープしてなるセリア系焼結体は、導電率の点で充分でなく、また、製造プロセスにおいても、均一な組織をもつ焼結体を作製するためには、既存の常圧焼結法では、不均一さが解消せず、パルス通電焼結法と常圧焼結法を組み合わせた方法では、製造に大きな費用がかかるうえ、その効果が、実用上、必ずしも十分とはいえず、高圧を必要とする方法も、製造に大きな費用がかかるなど、いくつかの点で困難な問題があった。
本発明は、このような問題を解消し、緻密で、ナノレベルで均一な組織をもち、高い導電率を有するドープドセリア系焼結体とその製造方法を提供しようというものである。
本発明者らは、上記従来技術の問題点に鑑み、鋭意検討を続けた結果、以下の発明を完成するに至った。
発明1の希土類元素をドープしたナノセリア系焼結体は、相対密度95%以上、焼結体内平均粒子径が1×10nm以上2×10nm以下で、かつ粒子径分布の広がりを示す標準偏差(σ)が6×10nm以下1×10nm以上であることを特徴とする。
発明2の希土類元素をドープしたナノセリア系焼結体は、焼結体内粒子径分布の広がりを示す標準偏差(σ)が5×10nm以下1×10nm以上であることを特徴とする。
発明3は、発明1のドープドナノセリア系焼結体の製造方法であって、粉末の一次粒子径が5nm以上3×10nm以下であり、2次粒子径が4×10nm以上9×10nm以下のナノサイズ粒子であって、パルス通電焼結用のモールドに充填し、一軸加圧下で、1×10kg/cmの荷重を加えた際のグリーン(成形体)相対密度が3×10%以上となる粒子を出発粉末とし、この粉末を、パルス通電焼結法において、パルス通電焼結時の負荷を80MPa以下とし、印加出力2×10W/パルス以上7×10W/パルス以下となるようなパルス印加条件のもと、9×10℃以上11.5×10℃以下の温度で、焼結時間10分以内で焼結することを特徴とする。
発明4は、発明3のドープドナノセリア系焼結体の製造方法であって、パルス通電焼結時の負荷を50MPa以下とし、印加出力6×10W/パルス以上7×10W/パルス以下となるようなパルス印加条件のもと、10.5×10℃以上11.5×10℃以下の温度で焼結を行うことを特徴とする。
本発明は、パルス通電焼結用のモールドに粉末を充填し、1000kg/cmの圧力をモールドに加えたあとのグリーン(成形体)相対密度が30%以上(X線回折試験により求められる粉末の真密度を100とした場合の相対密度)の試料を用いて、パルス通電焼結における試料印加出力20W/パルス以上になるように、試料に通電を行うことにより、100MPa以上の高圧を負荷することなく、またパルス通電焼結のあとの常圧焼結を施すことなく、焼結体の平均粒径が小さく、焼結体中の粒度分布が狭く、ナノスケールにおいても均一な組織を有し、高い導電率が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、上記のように均一な焼結体内粒子径を作りあげることで、焼結体の組織をナノレベルで均一にし、かつ電導率を大幅に上げることに成功したものであり、今後、500℃以下の従来に比して低温で、高出力を発生する燃料電池の開発に、大いに寄与するものと期待される。
上記、特有の条件により管理されたプロセスによって前記焼結体を作成することにより、100MPa以上の高圧を負荷することなく、焼結が行え、製造設備においても効率的な製造と安定した供給を可能にしたものである。
この結果、近年注目されている携帯機器への燃料電池の応用、自動車内電子機器の電力供給用燃料電池の応用、集合住宅各戸における燃料電池の普及に大いに寄与するものと期待され、その意義は極めて大きいし、重大である。
ここに、本発明の焼結体の製造方法は、MCe1−x2−δ(ただし、M:Gd,Y,又はSm,0.1≦x≦0.3,δはカチオンとアニオンの電荷のバランスから決定される酸素欠陥量を表す)で表され、粉末の一次粒子径が5nm以上3×10nm以下であり、2次粒子径が4×10nm以上9×10nm以下のナノサイズ粒子であって、この粒子をパルス通電焼結用のモールドに充填し、一軸加圧下で、1×10kg/cmの荷重を加えた際のグリーン(成形体)相対密度が3×10%以上となる粒子からなる粉末を用いることが好ましい。
該一般式中、xは、0.1以上0.3以下でなければならない。xが0.1を下回ると、酸素欠陥量が不足していることから、いくら焼結体の粒子径を小さく制御しても、導電率の向上は期待できないことから好ましくない。一方、xが0.3を上回ると、過剰な酸素欠陥が、結晶中において欠陥のクラスターを形成し、そのことが、不均一粒成長を引き起こし、試料内の導電率を低下させることから、いくらパルス通電焼結の条件を検討し、最適条件を見出そうとしても、焼結体の粒径をナノサイズに制御しても、導電率の向上は見込めないことから好ましくない。さらに、焼結体を作成する場合に使用する出発原料である、ドープセリア粉末は、一次粒子径が5nm以上3×10nm以下からなるものでなければならない。一次粒子径がこの範囲を下回ることは、実質的にはありえないことであり、最小値は5nm程度であり、一方、上記範囲を上回る場合、1次粒子が緩やかに会合してなる2次粒子径が大きくなりすぎ、パルス通電焼結の効果がなくなるので、好ましくない。
また、上記1次粒子径の好ましい範囲を満たす焼結体作成原料粉末の2次粒子径は、4×10nm以上9×10nm以下でなければならず、この範囲を下回るほど微細かつ分散性の高い粉末が得られるが、こうした粉末は、成形時の圧力伝達が悪く、成形体中に大きな不均一性を生み、この不均一な状態が焼結時に強調され、パルス通電焼結後の焼結体密度が十分に高まらず、粒径を小さくした効果が現れにくいので好ましくない。一方、この範囲を上回ると、パルス通電焼結の条件をいくら変更しても、こうした大きな凝集を有する粉末は、緻密に焼結させることが難しいことから、高い導電率をうることができないので好ましくない。
さらに、上記の粉末に求められる条件に加えて、パルス通電焼結用のモールドに該粉末を充填し、一軸加圧下で、1×10kg/cmの荷重を加えた際のグリーン(成形体)相対密度が3×10%以上でなければならない。本明細書内でいう成形体相対密度とは、モールド内の体積とモールド内の粉末の重量を用いて算出される成形体密度を、粉末のX線密度でわった量と定義され、この相対密度が3×10%を下回ると、パルス印加条件を最適化しても、出発となる成形体の密度が低すぎるために、12×10℃以上のパルス通電焼結温度が必要になる。こうした高温でパルス通電焼結を行うと、ドープドセリア焼結体は、パルス通電焼結炉内の高温還元雰囲気により還元され、大量に3価のセリアが4価のセリア中にあらわれ、その結果、焼結中に焼結体が割れてしまうので好ましくない。このグリーン(成形体)相対密度は、2次粒子の凝集が弱いものほど、成形時に、モールド内において、一軸加圧により2次粒子が壊れ、成形体中の空隙を埋めることで、成形体密度を高くなる。しかし、どんなに高くとも細密充填状態を越えることはないので、グリーン(成形体)相対密度は3×10%以上5.5×10%以下であればよい。
上記のような出発粉末を用いて、パルス通電焼結法において、負荷は80MPa以下であることが好ましい。この範囲を上回ると試料内に導入された極めて大きな不均一残留応力が、通電時に試料内部に発生する熱の不均一性を生じさせ、結果として焼結中に著しく不均一な粒成長を引き起こし導電率の低下や、n型及びp型半導体特性の発現をまねくので好ましくない。よって、負荷を80MPaいかとすることが好ましい。ただし、負荷があまり低すぎると、通電時に試料と電極間に放電が生じ、試料が破損する危険性があるために、30MPa以上とすることが好ましい。さらに、試料への印加出力は、2×10W/パルス以上7×10W/パルス以下となるようなパルス印加条件のもと、9×10℃以上11.5×10℃以下の温度で、焼結時間10分以内で焼結を行わなければならない。
粉末への印加出力が1パルスあたり2×10Wを下回ると、試料内の粒界に十分電気エネルギーが均一に印加されず、均一で緻密な高密度体が作製されずに好ましくない。パルス通電焼結法は、通常の常圧焼結とは異なり、外部からヒーターで加熱するのではなく、試料にパルス状の電流を印加することのみで、試料を加熱・焼結する方法である。通常、パルス通電焼結条件は、昇温速度を制御することで決定されるが、同じ昇温速度でも、試料内に印加されるパルス出力は、パルス発生条件をかえることで大きく異なる。また、大きなエネルギーを試料に印加しようとした場合、通常、早い昇温速度を用いるが、昇温速度があまり速すぎると、所定の温度に到達しても、設定温度よりも実際の温度が高くなる現象(オーバーシュート)がおこり、このオーバーシュートにより、必要以上に高い温度に試料を加熱することで、組織の不均一化や、パルス通電焼結炉内におけるドープドセリアの還元を引き起こすために、昇温速度を用いて製造条件を制御する方法には、実用上、優れた製品を作製するうえでの、技術上、困難な点があった。そこで、昇温速度ではなく、試料に印加するパルス出力が一定の値の範囲内になるように、パルス通電焼結条件を規定することが、優れた製品を作製するうえで効果的である。また、試料に印加するパルス出力は、極端に大きい場合は、製造の際に極端に大きなエネルギーが必要になるが、それなりの効果しかえられないので、7×10W/パルス程度のパルス出力を加えれば、十分な効果が得られるので、7×10W/パルス以下とすることが望ましい。
焼結温度は、9×10℃以上11.5×10℃以下の温度が好ましく、この範囲を下回ると、1パルスの印加出力を高めても、十分に高密度化させることが難しいので好ましくない。一方、この温度範囲を上回ると、ドープドセリアが、パルス通電焼結炉内において還元され、この還元反応により、焼結体内にマイクロクロクラックが発生し、導電率を低下させるので好ましくない。
パルス通電焼結時間は、あまり長くしても、高密度化に際しては、それなりの効果しか見られないので、10分以下の焼結時間で十分である。
こうしてえられた焼結体密度は、理論密度の95%以上でなければならない。この範囲を下回ると、焼結体内の空孔が導電率を低下させるので好ましくなく、あわせて空孔の多い焼結体では、その空孔付近の焼結体内粒子表面を、高酸素分圧領域では正孔が、低酸素分圧領域では電子が動きやすくなるため、こうした半導体的特性が現れることになり、酸化物イオン伝導体特性が支配的である必要のある製品の性能が低下するので好ましくない。
さらに、以上の製造方法によりえられた均一組織を有する焼結体の平均粒子径は、1×10nm以上2×10nm以下で、かつ粒径分布の広がりを示す標準偏差(σ)が6×10nm以下1×10nm以上でなければ、導電率の大きな向上は期待できない。平均粒径が2×10nm以上に大きい場合は、焼結体内の粒界が大きな抵抗となり、焼結体全体の導電率を低下させるので好ましくない。また、上記平均粒径の範囲を下回る焼結体を作製しようとする場合は、この範囲同様に優れた特性が得られる可能性は大きいが、そのためには、本明細書で規定した出発原料よりさらに、微細で、凝集のすくない、特別に費用のかかる粉末を出発原料に用いることが必要であり好ましくない。ただし、上記の焼結体平均粒径の範囲を満たす場合でも、粒径分布の広がりを示す標準偏差(σ)が6×10nmを超えるような、幅広い粒径分布をもつような微細構造を含んではならない。こうした不均一な粒径分布が焼結体内に存在する試料では、粒内にドーパントの偏析が起こり、そのために導電率が十分に向上しないという現象が現れるので好ましくない。一方、この標準偏差(σ)が1×10nmを下回っても、それなりの効果しか期待できないので、1×10nm以上の標準偏差があれば十分である。
さらに好ましくは、粒径分布の広がりを示す標準偏差(σ)が5×10nm以下1x10nm以上にすることで、酸素分圧1気圧から10−20気圧までの範囲における、導電率の(最大値/最小値)の値が、2以下とすることである。燃料電池は、一方が水素(酸素分圧:10−20気圧)に接しており、他方が酸素(酸素分圧1気圧)に接している。このため、従来、水素に接する側(アノード側)においては、セリアが還元され、電子を伝導の担い手とするn型半導体特性が、酸素に接する側(カソード側)においては、正孔を伝導の担い手とするp型半導体特性が現れてしまい、酸化物イオン伝導体特性が十分に生かせず、燃料電池では、出力の低下や、長期安定性の低下を生むと考えられてきた。こうした各種半導体特性は、見かけ上、広い測定酸素分圧領域において、測定される導電率を大きく変動させる。しかし、主として酸化物イオン伝導体特性が支配的な試料においては、酸素分圧1気圧から10−20気圧までの範囲において、導電率は大きく変動せず、一定の測定温度では、導電率の(最大値/最小値)の値が、7以下となる必要があり、この値が小さいほど、イオン伝導体としては優れたものであるといえる。焼結体内の粒径分布の広がりを示す標準偏差(σ)が6×10nm以下であれば、酸素分圧1気圧から10−20気圧までの範囲において、導電率は大きく変動せず、導電率の(最大値/最小値)の値が7以下となるが、この標準偏差(σ)が5×10nm以下になれば、酸素分圧1気圧から10−20気圧までの範囲における導電率の(最大値/最小値)の値は、2以下になり、製品の性能、安定性は一層向上する。
焼結体内の粒径分布の広がりを示す標準偏差(σ)が、5×10nm以下1x10nm以上となるような焼結体試料を作製するには、上述のパルス通電焼結過程において、その負荷を50MPa以下とし、印加出力6×10W/パルス以上7×10W/パルス以下となるようなパルス印加条件のもと、10.5×10℃以上11.5×10℃以下の温度で焼結を行うことが好ましい。パルス通電焼結過程における負荷が、50MPaを上回ると、試料内に導入された、わずかな不均一残留応力が、通電時に試料内部に発生する熱の不均一性を生じさせるため、焼結中にわずかな不均一粒成長を引き起こす原因となるため、導電率の(最大値/最小値)の値を2以下とするには、負荷を50MPa以下とすることが好ましい。ただ、負荷があまり低いと、通電時に放電が生じ、試料を破損させる危険性があるので、実用上の制約から、30MPa以上とすることが好ましい。このときの印加出力は6×10W/パルス以上7×10W/パルス以下とすることが好ましく、印加出力が6×10W/パルスを下回ると焼結が十分にすすみにくくなり、必要な焼結体密度をえることが難しくなるので好ましくない。一方、7×10W/パルスを上回るような、製造の際に、極端に大きなエネルギーが必要になる場合でも、それなりの効果しかえられないので、7×10W/パルス以下とすれば十分である。
さらに、いっそう好ましくは、上述の組成が、MCe1−x2−δ(ただし、ただし、M:Gd,Y,又はSm、0.1≦x≦0.3、δはカチオンとアニオンの電荷のバランスから決定される酸素欠陥量を表す)で表され、一次粒子径が5nm以上30nm以下であり、2次粒子径が40nm以上90nm以下のナノサイズ粒子を出発粉末でありかつ、パルス通電焼結用のモールドに粉末を充填し、一軸加圧下で、1×10kg/cmの荷重を加えた際のグリーン(成形体)相対密度が3×10%以上となる試料を用いてパルス通電焼結を行うに際し、焼結雰囲気を通常の真空雰囲気ではなく、3%程度の水素(アルゴンまたはヘリウムベース)を用いて、試料粉末表面に酸素欠陥を発生させ、焼結速度を高めることでも、所望の高密度焼結体を作製することが可能になる。水素の濃度は、あまり高すぎると、炉内で爆発限界に到達し、危険であるので、3%濃度以下の水素を用いることが好ましい。
以上のべたように、出発粉末の性質、パルス通電焼結時におけるパルス出力値、焼結時間、焼結体平均粒径、その分布、および焼結体密度のすべての条件を満たすことによって、高い導電率である、5×10℃において10−2(S/cm)以上の値が得られ、従来のセリア焼結体が抱えていた半導体的性質が現れやすいという問題点を克服できることが明らかにされた。
次に、本発明を実施例、図面及び比較例に基づいて説明する。但し、これらの実施例は、あくまでも本発明を具体的に示し、容易に理解するための一助として開示するものであって、本発明の内容は、これらの実施例により制限されるものではない。
組成がGd0.25Ce0.751.875になるように、出発原料として、0.0
75モル/リットルの硝酸セリウム(純度99.99%)水溶液及び0.025モル/リットルの硝酸ガドリニウム(純度99.9%)水溶液を作製したのち、この水溶液を混合した混合溶液を65℃に加熱し、1モル/リットルの炭酸アンモニウム水溶液を1滴/秒となるように、滴下して、滴下終了後、65℃において、1時間熟成処理を行った。
こうして得られた沈殿は、水洗処理とろ過とを交互に3回繰り返したのち、乾燥窒素ガス中において乾燥したのち、120メッシュの篩を通して、空気中650℃の温度で1時間仮焼して、セリア系化合物粉末を作成した。えられた仮焼粉末は、ホタル石単一の結晶相からなることをX線回折試験により確認した。またこの仮焼粉末は、一次粒子径が15nmであり、2次粒子径が40nm程度の粒子であることを、走査型電子顕微鏡(SEM)により確認した。
この粉末をパルス通電焼結用高純度カーボンモールドに充填し、1000kg/cmの一軸加圧を施したところ、そのグリーン(成形体)密度は、39%であった。
このカーボンモールドを、25W/パルスのパルス印加条件のもと、1150℃、0分間通電焼結を行った。得られた焼結体は、わずかにカーボンにより黒化していたが、この表面の黒色部を研磨により取り除き、焼結体密度を測定したところ、理論密度の96%にまで高密度化しており、焼結体表面には大きな空孔は認められず、ち密化が進んでいることが分かった。
ここでパルス通電焼結の主要条件を、以下に示す。
パルス通電焼結炉:Sumitomo Coal Co., DR.SINTER SPS−1030
焼結雰囲気:真空
負荷:60Mpa
印加電流:1000A
パルスon/off比= 99/1 〜1/9
パルス通電焼結時に印加した1パルスあたりの電気量は、上記の実験条件中のパルスon/off比を変化させることで、変化させることができる。
本願で用いたパルス通電焼結炉は、3.4ミリ秒当たりに1パルスを出すことができ、このパルスを一定のon/off比のもとで試料に印加することで、試料を加熱し、焼結を行っている。
また、パルス通電焼結時には、図3に示す発生電圧と温度の関係が、電気炉の記録ユニットに出力される。
そこで、本実施例では、1パルスあたりに投入された電気量を正確に見積もるために、この記録された電圧―温度曲線の面積を用いて、以下の式により、この電気量を求めることにした。
(W)=(Ws)/(s)×(3.4/1000)
(Ws)=(V)×(A)×(s)
(W):1パルス時間当たり試料に投入された電気量
(Ws):総通電量
(s):パルスがonになっている合計時間(通電時間)
(V):平均PECS電圧
(A):平均PECS電流
本実施例では、平均PECS電流 (A)は1000A
実質の通電時間 (s)は、パルス通電焼結では、温度の変化として記録されるので、平均PECS電圧 (V) × 通電時間 (s)は、先に示した記録された電圧―温度曲線の面積を計算することにより求めた。
得られた焼結体は、平均粒子径が120nmであり、測定した焼結体内の粒度分布の標準偏差は56nmであったことから、均一な粒径分布をもつ組織であることが分かった。(図1)導電率の測定は、直流3端子法を用いた。導電率測定のために、パルス通電焼結を行った焼結体から、縦、横10mmの試験片を切り出し、その両面に白金ペーストを塗布して、900℃の温度で、1時間、白金電極の焼付け処理を行った。直流3端子法による導電率の評価では、測定した伝導度(s:単位:S)を以下の式を用いて、導電率として算出して評価した。導電率=log(s/A) (A:電極面積 単位:cm、logは10を底とする対数である)とした。よって、10−1.7は-1.7(S/cm)となるが、導電率がマイナスで表記されることに対する混乱を防ぐ目的で、実施例及び比較例では、あえて、10−1.7(S/cm)と表記した。このようにして直流3端子法により測定された、500℃における導電率は、10−1.7(S/cm)と高い値を示し、また、酸素分圧を1気圧から10−20気圧まで変化させた場合の測定された導電率の(最大値/最小値)という比の値は4.1であり、その値は十分に小さく、酸化物イオン伝導が支配的な試料であることが分かった。実施例1の結果を表1に示した。
組成がGd0.15Ce0.851.925になるように、出発原料として、0.0
85モル/リットルの硝酸セリウム(純度99.99%)水溶液及び0.015モル/リットルの硝酸ガドリニウム(純度99.9%)水溶液を作製したのち、混合した溶液を65℃に加熱して得た混合溶液に、1モル/リットルの炭酸アンモニウム水溶液を1滴/秒となるように滴下して、滴下終了後、室温において、65℃において、1時間熟成処理を行った。
その他の点は前記実施例1と同様とした。
こうして得られた沈殿は、水洗処理とろ過とを交互に3回繰り返したのち、乾燥窒素ガス中において乾燥したのち、120メッシュの篩を通して、空気中600℃の温度で1時間仮焼して、セリア系化合物粉末を作成した。えられた仮焼粉末は、ホタル石単一の結晶相からなることをX線回折試験により確認した。またこの仮焼粉末は、実施例1同様SEMにより粉末を観察した結果、一次粒子径が15nmであり、2次粒子径が40nm程度の粒子であった。
この粉末をパルス通電焼結用高純度カーボンモールドに充填し、1000kg/cmの一軸加圧を施したところ、そのグリーン(成形体)密度は、38%であった。
このカーボンモールドを、60W/パルスのパルス印加条件(1パルスあたりの印加電流値の求め方は、実施例1と同じ)のもと、1150℃、0分間通電焼結を行った。得られた焼結体は、わずかにカーボンにより黒化していたが、この表面の黒色部を研磨により取り除き、焼結体密度を測定したところ、理論密度の98%にまで高密度化しており、焼結体表面には大きな空孔は認められず、ち密化が進んでいることが分かった。得られた焼結体は、平均粒子径が170nmであり、測定した焼結体内の粒度分布の標準偏差は57nmであったことから、均一な粒径分布をもつ組織であることが分かった。
直流3端子法(実施例1の測定法と同じ)により、500℃において測定した導電率は、10−1.4(S/cm)と高い値を示し、また、酸素分圧を1気圧から10−20気圧まで変化させた場合の測定された導電率の(最大値/最小値)という比の値は3.8であり、その値は十分に小さく、酸化物イオン伝導が支配的な試料であることが分かった。実施例1同様、得られた結果を表1に示した。
組成がY0.25Ce0.751.875になるように、出発原料として、0.07
5モル/リットルの硝酸セリウム(純度99.99%)水溶液及び0.025モル/リットルの硝酸イットリウム(純度99.9%)水溶液を作製したのち、この液体を混合した混合溶液を65℃に加熱し、1モル/リットルの炭酸アンモニウム水溶液を1滴/秒となるように、滴下して、滴下終了後、65℃において、1時間熟成処理を行った。
こうして得られた沈殿は、水洗処理とろ過とを交互に3回繰り返したのち、乾燥窒素ガス中において乾燥したのち、120メッシュの篩を通して、空気中650℃の温度で1時間仮焼して、セリア系化合物粉末を作成した。えられた仮焼粉末は、ホタル石単一の結晶相からなることをX線回折試験により確認した。またこの仮焼粉末は、一次粒子径が20nmであり、2次粒子径が80nm程度の粒子であることを、走査型電子顕微鏡(SEM)により確認した。
この粉末をパルス通電焼結用高純度カーボンモールドに充填し、1000kg/cmの一軸加圧を施したところ、そのグリーン(成形体)密度は、34%であった。
その他の点は前記実施例1と同様とした。
このカーボンモールドを、25W/パルスのパルス印加条件(1パルスあたりの印加電流値の求め方は、実施例1と同じ)のもと、900℃、5分間通電焼結を行った。得られた焼結体は、カーボンによる黒化は認められず、そのまま焼結体密度を測定したところ、理論密度の95%にまで高密度化しており、焼結体表面には大きな空孔は認められず、ち密化が進んでいることが分かった。得られた焼結体は、平均粒子径が120nmであり、測定した焼結体内の粒度分布の標準偏差は57nmであったことから、均一な粒径分布をもつ組織であることが分かった。
直流3端子法(実施例1の測定法とほぼ同じであるが、試料中の粒成長をさけるため、850℃とした)により、500℃において測定した導電率は、
10−1.8(S/cm)と高い値を示し、また、酸素分圧を1気圧から10−20気圧まで変化させた場合の測定された導電率の(最大値/最小値)という比の値は5.9であり、その値は十分に小さく、酸化物イオン伝導が支配的な試料であることが分かった。実施例1の結果同様、表1に示した。
組成がY0.15Ce0.851.925になるように、出発原料として、0.08
5モル/リットルの硝酸セリウム(純度99.99%)溶液及び0.015モル/リットルの硝酸イットリウム(純度99.9%)溶液を作製したのち、この液体を混合した混合溶液を65℃に加熱し、1モル/リットルの炭酸アンモニウム水溶液を1滴/秒となるように滴下して、滴下終了後、65℃において、1時間熟成処理を行った。
こうして得られた沈殿は、水洗処理とろ過とを交互に3回繰り返したのち、乾燥窒素ガス中において乾燥したのち、120メッシュの篩を通して、酸素気流中600℃の温度で1時間仮焼して、セリア系化合物粉末を作成した。えられた仮焼粉末は、ホタル石単一の結晶相からなることをX線回折試験により確認した。
この仮焼粉末は、実施例1同様SEMにより粉末を観察した結果、一次粒子径が20nmであり、2次粒子径が70nm程度の粒子であった。
この粉末をパルス通電焼結用高純度カーボンモールドに充填し、1000kg/cmの一軸加圧を施したところ、そのグリーン(成形体)密度は、35%であった。
その他の点は前記実施例1と同様とした。
このカーボンモールドを、25W/パルスのパルス印加条件(1パルスあたりの印加電流値の求め方は、実施例1と同じ)のもと、1000℃、0分間通電焼結を行った。得られた焼結体は、カーボンによる黒化は認められず、そのまま焼結体密度を測定したところ、理論密度の96%にまで高密度化しており、焼結体表面には大きな空孔は認められず、ち密化が進んでいることが分かった。得られた焼結体は、平均粒子径が130nmであり、測定した焼結体内の粒度分布の標準偏差は56nmであったことから、均一な粒径分布をもつ組織であることが分かった。
直流3端子法(実施例1の測定法と同じ)により、500℃において測定した導電率は、10−1.7(S/cm)と高い値を示し、また、酸素分圧を1気圧から10−20気圧まで変化させた場合の測定された導電率の(最大値/最小値)という比の値は5.7であり、その値は十分に小さく、酸化物イオン伝導が支配的な試料であることが分かった。実施例1の結果同様、表1に示した。
組成がSm0.25Ce0.751.875になるように、出発原料として、0.0
75モル/リットルの硝酸セリウム(純度99.99%)及び0.025モル/リットルの硝酸イットリウム(純度99.9%)を作製したのち、この液体を混合した混合溶液を65℃に加熱し、1モル/リットルの炭酸アンモニウム水溶液を1滴/秒となるように滴下して、滴下終了後、65℃において、1時間熟成処理を行った。
こうして得られた沈殿は、水洗処理とろ過とを交互に3回繰り返したのち、乾燥窒素ガス中において乾燥したのち、120メッシュの篩を通して、空気中650℃の温度で1時間仮焼して、セリア系化合物粉末を作成した。えられた仮焼粉末は、ホタル石単一の結晶相からなることをX線回折試験により確認した。またこの仮焼粉末は、一次粒子径が20nmであり、2次粒子径が60nm程度の粒子であることを、走査型電子顕微鏡(SEM)により確認した。
この粉末をパルス通電焼結用高純度カーボンモールドに充填し、1000kg/cmの一軸加圧を施したところ、そのグリーン(成形体)密度は、35%であった。
その他の点は前記実施例1と同様とした。
このカーボンモールドを、60W/パルスのパルス印加条件(1パルスあたりの印加電流値の求め方は、実施例1と同じ)のもと、900℃、5分間通電焼結を行った。得られた焼結体は、カーボンによる黒化は認められず、そのまま焼結体密度を測定したところ、理論密度の95%にまで高密度化しており、焼結体表面には大きな空孔は認められず、ち密化が進んでいることが分かった。得られた焼結体は、平均粒子径が120nmであり、測定した焼結体内の粒度分布の標準偏差は56nmであったことから、均一な粒径分布をもつ組織であることが分かった。
直流3端子法(実施例1の測定法とほぼ同じであるが、白金電極の焼付け温度は、試料中の粒成長をさけるため、850℃とした)により、500℃において測定した導電率は、10−1.7(S/cm)と高い値を示し、また、酸素分圧を1気圧から10−20気圧まで変化させた場合の測定された導電率の(最大値/最小値)という比の値は5.2であり、その値は十分に小さく、酸化物イオン伝導が支配的な試料であることが分かった。実施例1の結果同様、表1に示した。
組成がSm0.15Ce0.751.925になるように、出発原料として、0.0
75モル/リットルの硝酸セリウム(純度99.99%)水溶液及び0.015モル/リットルの硝酸サマリウム(純度99.9%)水溶液を作製したのち、この水溶液を混合した混合水溶液を65℃に加熱し、1モル/リットルの炭酸アンモニウム水溶液を1滴/秒となるように滴下して、滴下終了後、65℃において、1時間熟成処理を行った。
こうして得られた沈殿は、水洗処理とろ過とを交互に3回繰り返したのち、乾燥窒素ガス中において乾燥したのち、120メッシュの篩を通して、酸素気流中700℃の温度で2時間仮焼して、セリア系化合物粉末を作成した。えられた仮焼粉末は、ホタル石単一の結晶相からなることをX線回折試験により確認した。またこの仮焼粉末は、実施例1同様SEMにより粉末を観察した結果、一次粒子径が20nmであり、2次粒子径が70nm程度の粒子であった。
この粉末をパルス通電焼結用高純度カーボンモールドに充填し、1000kg/cmの一軸加圧を施したところ、そのグリーン(成形体)密度は、35%であった。
その他の点は前記実施例1と同様とした。
このカーボンモールドを、30W/パルスのパルス印加条件(1パルスあたりの印加電流値の求め方は、実施例1と同じ)のもと、1100℃、0分間通電焼結を行った。得られた焼結体は、カーボンによる黒化は認められず、そのまま焼結体密度を測定したところ、理論密度の95%にまで高密度化しており、焼結体表面には大きな空孔は認められず、ち密化が進んでいることが分かった。得られた焼結体は、平均粒子径が120nmであり、測定した焼結体内の粒度分布の標準偏差は55nmであったことから、均一な組織をしていることが分かった。
直流3端子法(実施例1の測定法と同じ)により、500℃において測定した導電率は、10−1.5(S/cm)と高い値を示し、また、酸素分圧を1気圧から10−20気圧まで変化させた場合の測定された導電率の(最大値/最小値)という比の値は4.9であり、その値は十分に小さく、酸化物イオン伝導が支配的な試料であることが分かった。実施例1の結果同様、表1に示した。
組成がGd0.15Ce0.851.925になるように、出発原料として、0.0
85モル/リットルの硝酸セリウム(純度99.99%)水溶液及び0.015モル/リットルの硝酸ガドリニウム(純度99.9%)水溶液を作製したのち、混合した溶液を65℃に加熱して得た混合溶液に、1モル/リットルの炭酸アンモニウム水溶液を1滴/秒となるように滴下して、滴下終了後、65℃において、1時間熟成処理を行った。
こうして得られた沈殿は、水洗処理とろ過とを交互に3回繰り返したのち、乾燥窒素ガス中において乾燥したのち、120メッシュの篩を通して、空気中600℃の温度で1時間仮焼して、セリア系化合物粉末を作成した。えられた仮焼粉末は、ホタル石単一の結晶相からなることをX線回折試験により確認した。またこの仮焼粉末は、実施例1同様SEMにより粉末を観察した結果、一次粒子径が15nmであり、2次粒子径が40nm程度の粒子であった。
この粉末をパルス通電焼結用高純度カーボンモールドに充填し、1000kg/cmの一軸加圧を施したところ、そのグリーン(成形体)密度は、38%であった。
その他の点は前記実施例1と同様とした。
このカーボンモールドを、25W/パルスのパルス印加条件(1パルスあたりの印加電流値の求め方は、実施例1と同じ)のもと、1000℃、0分間通電焼結を、3%水素/97%ヘリウムの混合ガス中で行った。得られた焼結体は、わずかにカーボンにより黒化していたが、この表面の黒色部を研磨により取り除き、焼結体密度を測定したところ、理論密度の99%にまで高密度化しており、焼結体表面には大きな空孔は認められず、ち密化が進んでいることが分かった。得られた焼結体は、平均粒子径が180nmであり、測定した焼結体内の粒度分布の標準偏差は58nmであったことから、均一な粒径分布をもつ組織であることが分かった。
直流3端子法(実施例1の測定法と同じ)により、500℃において測定した導電率は、10−1.2(S/cm)と高い値を示し、また、酸素分圧を1気圧から10−20気圧まで変化させた場合の測定された導電率の(最大値/最小値)という比の値は4.8であり、その値は十分に小さく、酸化物イオン伝導が支配的な試料であることが分かった。実施例1同様、得られた結果を表1に示した。
組成がGd0.25Ce0.751.875になるように、出発原料として、0.075モル/リットルの硝酸セリウム(純度99.99%)水溶液及び0.025モル/リットルの硝酸ガドリニウム(純度99.9%)水溶液を作製したのち、この水溶液を混合した混合溶液を65℃に加熱し、1モル/リットルの炭酸アンモニウム水溶液を1滴/秒となるように、滴下して、滴下終了後、65℃において、1時間熟成処理を行った。
こうして得られた沈殿は、水洗処理とろ過とを交互に3回繰り返したのち、乾燥窒素ガス中において乾燥したのち、120メッシュの篩を通して、空気中650℃の温度で1時間仮焼して、セリア系化合物粉末を作成した。えられた仮焼粉末は、ホタル石単一の結晶相からなることをX線回折試験により確認した。またこの仮焼粉末は、一次粒子径が15nmであり、2次粒子径が40nm程度の粒子であることを、走査型電子顕微鏡(SEM)により確認した。
この粉末をパルス通電焼結用高純度カーボンモールドに充填し、1000kg/cmの一軸加圧を施したところ、そのグリーン(成形体)密度は、39%であった。
このカーボンモールドを、負荷50MPaのもと、65W/パルスのパルス印加条件のもと、1100℃、0分間通電焼結を行った。得られた焼結体は、わずかにカーボンにより黒化していたが、この表面の黒色部を研磨により取り除き、焼結体密度を測定したところ、理論密度の97%にまで高密度化しており、焼結体表面には大きな空孔は認められず、ち密化が進んでいることが分かった。
得られた焼結体は、平均粒子径が110nmであり、測定した焼結体内の粒度分布の標準偏差は38nmであったことから、均一な粒径分布をもつ組織であることが分かった。
直流3端子法(実施例1と同じ)により、500℃において測定した導電率は、10−1.1(S/cm)と高い値を示し、また、酸素分圧を1気圧から10−20気圧まで変化させた場合の測定された気圧まで変化させた場合の測定された導電率の(最大値/最小値)という比の値は1.2であり、その値は十分に小さく、酸化物イオン伝導が支配的な試料であることが分かった。実施例1同様、得られた結果を表1に示した。
組成がY0.25Ce0.751.875になるように、出発原料として、0.07
5モル/リットルの硝酸セリウム(純度99.99%)水溶液及び0.025モル/リットルの硝酸イットリウム(純度99.9%)水溶液を作製したのち、この液体を混合した混合溶液を65℃に加熱し、1モル/リットルの炭酸アンモニウム水溶液を1滴/秒となるように、滴下して、滴下終了後、65℃において、1時間熟成処理を行った。
こうして得られた沈殿は、水洗処理とろ過とを交互に3回繰り返したのち、乾燥窒素ガス中において乾燥したのち、120メッシュの篩を通して、空気中650℃の温度で1時間仮焼して、セリア系化合物粉末を作成した。えられた仮焼粉末は、ホタル石単一の結晶相からなることをX線回折試験により確認した。またこの仮焼粉末は、一次粒子径が20nmであり、2次粒子径が80nm程度の粒子であることを、走査型電子顕微鏡(SEM)により確認した。
この粉末をパルス通電焼結用高純度カーボンモールドに充填し、1000kg/cmの一軸加圧を施したところ、そのグリーン(成形体)密度は、34%であった。
その他の点は前記実施例1と同様とした。
このカーボンモールドを、負荷50MPaのもと、65W/パルスのパルス印加条件のもと、1050℃、0分間通電焼結を行った。得られた焼結体は、わずかにカーボンにより黒化していたが、この表面の黒色部を研磨により取り除き、焼結体密度を測定したところ、理論密度の98%にまで高密度化しており、焼結体表面には大きな空孔は認められず、ち密化が進んでいることが分かった。得られた焼結体は、平均粒子径が105nmであり、測定した焼結体内の粒度分布の標準偏差は46nmであったことから、均一な粒径分布をもつ組織であることが分かった。
直流3端子法(実施例1の測定法と同じ)により、500℃において測定した導電率は、10−1.4(S/cm)と高い値を示し、また、酸素分圧を1気圧から10−20気圧まで変化させた場合の測定された導電率の(最大値/最小値)という比の値は1.6であり、その値は十分に小さく、酸化物イオン伝導が支配的な試料であることが分かった。実施例1の結果同様、表1に示した。
組成がSm0.25Ce0.751.875になるように、出発原料として、0.0
75モル/リットルの硝酸セリウム(純度99.99%)及び0.025モル/リットルの硝酸イットリウム(純度99.9%)を作製したのち、この液体を混合した混合溶液を65℃に加熱し、1モル/リットルの炭酸アンモニウム水溶液を1滴/秒となるように滴下して、滴下終了後、65℃において、1時間熟成処理を行った。
こうして得られた沈殿は、水洗処理とろ過とを交互に3回繰り返したのち、乾燥窒素ガス中において乾燥したのち、120メッシュの篩を通して、空気中650℃の温度で1時間仮焼して、セリア系化合物粉末を作成した。えられた仮焼粉末は、ホタル石単一の結晶相からなることをX線回折試験により確認した。またこの仮焼粉末は、一次粒子径が20nmであり、2次粒子径が60nm程度の粒子であることを、走査型電子顕微鏡(SEM)により確認した。
この粉末をパルス通電焼結用高純度カーボンモールドに充填し、1000kg/cmの一軸加圧を施したところ、そのグリーン(成形体)密度は、35%であった。
その他の点は前記実施例1と同様とした。
このカーボンモールドを、負荷50MPaのもと、65W/パルスのパルス印加条件のもと、1100℃、0分間通電焼結を行った。得られた焼結体は、わずかにカーボンにより黒化していたが、この表面の黒色部を研磨により取り除き、焼結体密度を測定したところ、理論密度の98%にまで高密度化しており、焼結体表面には大きな空孔は認められず、ち密化が進んでいることが分かった。得られた焼結体は、平均粒子径が118nmであり、測定した焼結体内の粒度分布の標準偏差は41nmであったことから、均一な粒径分布をもつ組織であることが分かった。
直流3端子法(実施例1の測定法と同じ)により、500℃において測定した導電率は、10−1.1(S/cm)と高い値を示し、また、酸素分圧を1気圧から10−20気圧まで変化させた場合の測定された導電率の(最大値/最小値)という比の値は1.2であり、その値は十分に小さく、酸化物イオン伝導が支配的な試料であることが分かった。実施例1の結果同様、表1に示した。
表1は前記実施例をまとめたものである。
比較例1
組成がGd0.05Ce0.951.975となるように、出発原料として、0.0
95モル/リットルの硝酸セリウム水溶液及び0.005モル/リットルの硝酸ガドリニウム水溶液を作製したのち、この液体を混合した混合溶液を60℃に加熱し、に、1モル/リットルの炭酸アンモニウム水溶液を1滴/秒となるように滴下して、滴下終了後、60℃において、1時間熟成処理を行った。
こうして得られた沈殿は、水洗処理とろ過とを交互に3回繰り返したのち、乾燥窒素ガス中において乾燥したのち、120メッシュの篩を通して、酸素気流中700℃の温度で2時間仮焼して、セリア系化合物粉末を作成した。えられた仮焼粉末は、ホタル石単一の結晶相からなることをX線回折試験により確認した。またこの仮焼粉末をSEMにより観察した結果、一次粒子径が20nmであり、2次粒子径が80nm程度の粒子であった。
この粉末をパルス通電焼結用高純度カーボンモールドに充填し、1000kg/cmの一軸加圧を施したところ、そのグリーン(成形体)密度は、35%であった。
このカーボンモールドを、25W/パルスのパルス印加条件(1パルスあたりの印加電流値の求め方は、実施例1と同じ)のもと、負荷60MPa、1100℃、0分間通電焼結を行った。得られた焼結体は、わずかにカーボンにより黒化していたが、この表面の黒色部を研磨により取り除き、焼結体密度を測定したところ、理論密度の96%の密度を有するものであり、焼結体表面には大きな空孔が認められず、ち密化が進んでいることが分かった。得られた焼結体は、平均粒子径が120nmであり、測定した焼結体内の粒度分布の標準偏差は56nmであったことから、均一な粒径分布をもつ組織であることが分かった。
しかし、直流3端子法(実施例1と同じ)により、500℃において測定した導電率は、10−3.9(S/cm)と低い値を示した。ただ、酸素分圧を1気圧から10−20気圧まで変化させた場合の測定された導電率の(最大値/最小値)という比の値は6.8であり、その値は小さく、酸化物イオン伝導が支配的な試料であること推察されたが、導電率が低すぎるという問題点があることが分かった。こうして得られた結果を表2に示した。
比較例2
組成がGd0.4Ce0.61.95になるように、出発原料として、0.04モル
/リットルの硝酸セリウム水溶液及び0.06モル/リットルの硝酸ガドリニウム水溶液を作製したのち、この水溶液を60℃において、加熱・混合した混合溶液に、1モル/リットルの炭酸アンモニウム水溶液を1滴/秒となるように滴下して、滴下終了後、60℃において、1時間熟成処理を行った。
こうして得られた沈殿は、水洗処理とろ過とを交互に3回繰り返したのち、乾燥窒素ガス中において乾燥したのち、120メッシュの篩を通して、酸素気流中700℃の温度で2時間仮焼して、セリア系化合物粉末を作成した。えられた仮焼粉末は、ホタル石単一の結晶相からなることをX線回折試験により確認した。またこの仮焼粉末は、比較例1同様SEMにより粉末を観察した結果、一次粒子径が20nmであり、2次粒子径が70nm程度の粒子であった。
この粉末をパルス通電焼結用高純度カーボンモールドに充填し、1000kg/cmの一軸加圧を施したところ、そのグリーン(成形体)密度は、35%であった。
このカーボンモールドを、25W/パルスのパルス印加条件(1パルスあたりの印加電流値の求め方は、実施例1と同じ)のもと、負荷60MPa、1100℃、0分間通電焼結を行った。得られた焼結体は、わずかにカーボンにより黒化していたが、この表面の黒色部を研磨により取り除き、焼結体密度を測定したところ、理論密度の96%の密度を有するものであり、焼結体表面には大きな空孔が認められず、ち密化が進んでいることが分かった。得られた焼結体は、平均粒子径が120nmであり、測定した焼結体内の粒度分布の標準偏差は76nmであったことから、不均一な粒径分布をもつ組織であることが分かった。
しかし、直流3端子法(実施例1と同じ)により、500℃において測定した導電率は、10−4.2(S/cm)と低い値を示し、また、酸素分圧を1気圧から10−20気圧まで変化させた場合の測定された導電率の(最大値/最小値)という比の値は10.4であり、その値は極めて大きく、酸化物イオン伝導よりも、n型半導体特性やp型半導体特性が支配的な試料であることが分かった。こうして得られた結果を表2に示した。
比較例3
組成がGd0.15Ce0.851.925になるように、出発原料として、0.0
85モル/リットルの硝酸セリウム(純度99.99%)水溶液及び0.015モル/リットルの硝酸ガドリニウム(純度99.9%)水溶液を作製したのち、混合した溶液を65℃に加熱して得た混合溶液に、1モル/リットルの炭酸アンモニウム水溶液を1滴/秒となるように滴下して、滴下終了後、65℃において、1時間熟成処理を行った。
こうして得られた沈殿は、水洗処理とろ過とを交互に3回繰り返したのち、乾燥窒素ガス中において乾燥したのち、120メッシュの篩を通して、空気中600℃の温度で1時間仮焼して、セリア系化合物粉末を作成した。えられた仮焼粉末は、ホタル石単一の結晶相からなることをX線回折試験により確認した。またこの仮焼粉末は、実施例1同様SEMにより粉末を観察した結果、一次粒子径が15nmであり、2次粒子径が40nm程度の粒子であった。
この粉末をパルス通電焼結用高純度カーボンモールドに充填し、1000kg/cmの一軸加圧を施したところ、そのグリーン(成形体)密度は、38%であった。
このカーボンモールドを、10W/パルスのパルス印加条件(1パルスあたりの印加電流値の求め方は、実施例1と同じ)のもと、負荷60MPa、1150℃、0分間通電焼結を行った。得られた焼結体は、わずかにカーボンにより黒化していたが、この表面の黒色部を研磨により取り除き、焼結体密度を測定したところ、理論密度の78%であり、焼結体表面には大きな空孔が認めら、ち密化が進んでいないことが分かった。得られた焼結体は、平均粒子径が100nmであり、測定した焼結体内の粒度分布の標準偏差は45nmであったことから、
均一な粒径分布をもつ組織であることが分かった。しかし、ち密化がすすまず、多量の空孔が焼結体中に取り残されているため、直流3端子法(実施例1と同じ)により測定された、500℃における導電率は、10−3.5(S/cm)と低い値を示しまた、酸素分圧を1気圧から10−20気圧まで変化させた場合の測定された導電率の(最大値/最小値)という比の値は11.6であり、その値は極めて大きく、酸化物イオン伝導よりも、n型半導体特性やp型半導体特性が支配的な試料であることが分かった。こうして得られた結果を表2に示した。
比較例4
組成がGd0.15Ce0.851.925になるように、出発原料として、0.0
85モル/リットルの硝酸セリウム(純度99.99%)水溶液及び0.015モル/リットルの硝酸ガドリニウム(純度99.9%)水溶液を作製したのち、混合した溶液を65℃に加熱して得た混合溶液に、1モル/リットルの炭酸アンモニウム水溶液を1滴/秒となるように滴下して、滴下終了後、65℃において、1時間熟成処理を行った。
こうして得られた沈殿は、水洗処理とろ過とを交互に3回繰り返したのち、乾燥窒素ガス中において乾燥したのち、120メッシュの篩を通して、空気中600℃の温度で1時間仮焼して、セリア系化合物粉末を作成した。えられた仮焼粉末は、ホタル石単一の結晶相からなることをX線回折試験により確認した。またこの仮焼粉末は、実施例1同様SEMにより粉末を観察した結果、一次粒子径が15nmであり、2次粒子径が40nm程度の粒子であった。
この粉末をパルス通電焼結用高純度カーボンモールドに充填し、1000kg/cmの一軸加圧を施したところ、そのグリーン(成形体)密度は、38%であった。
このカーボンモールドを、25W/パルスのパルス印加条件(1パルスあたりの印加電流値の求め方は、実施例1と同じ)のもと、負荷60MPa、800℃、10分間通電焼結を行った。得られた焼結体は、カーボンによる黒化はなかったので、そのまま、焼結体密度を測定したところ、理論密度の77%であり、焼結体表面には大きな空孔が認めら、ち密化が進んでいないことが分かった。得られた焼結体は、平均粒子径が90nmであり、測定した焼結体内の粒度分布の標準偏差は46nmであったことから、均一な粒径分布をもつ組織であることが分かった。しかし、ち密化がすすまず、多量の空孔が焼結体中に取り残されているため、直流3端子法(実施例1とほぼ同じであるが、白金電極の焼付け処理に伴う試料中の粒成長をさけるために、750℃において電極の焼付けをおこなった)により測定された、500℃における導電率は、10−3.7(S/cm)と低い値を示し、また、酸素分圧を1気圧から10−20気圧まで変化させた場合の測定された導電率の(最大値/最小値)という比の値は11.7であり、その値は極めて大きく、酸化物イオン伝導よりも、n型半導体特性やp型半導体特性が支配的な試料であることが分かった。こうして得られた結果を表2に示した。比較例1同様、得られた結果を表2に示した。
比較例5
組成がGd0.15Ce0.851.925になるように、出発原料として、0.0
85モル/リットルの硝酸セリウム(純度99.99%)水溶液及び0.015モル/リットルの硝酸ガドリニウム(純度99.9%)水溶液を作製したのち、混合した溶液を65℃に加熱して得た混合溶液に、1モル/リットルの炭酸アンモニウム水溶液を1滴/秒となるように滴下して、滴下終了後、65℃において、1時間熟成処理を行った。
こうして得られた沈殿は、水洗処理とろ過とを交互に3回繰り返したのち、乾燥窒素ガス中において乾燥したのち、120メッシュの篩を通して、空気中600℃の温度で1時間仮焼して、セリア系化合物粉末を作成した。えられた仮焼粉末は、ホタル石単一の結晶相からなることをX線回折試験により確認した。またこの仮焼粉末は、実施例1同様SEMにより粉末を観察した結果、一次粒子径が15nmであり、2次粒子径が40nm程度の粒子であった。
この粉末をパルス通電焼結用高純度カーボンモールドに充填し、1000kg/cmの一軸加圧を施したところ、そのグリーン(成形体)密度は、38%であった。
このカーボンモールドを、25W/パルスのパルス印加条件(1パルスあたりの印加電流値の求め方は、実施例1と同じ)のもと、負荷60MPa、1250℃、0分間通電焼結を行った。得られた焼結体は、外側も内側も、還元され、その影響で黒色に変色しており、また、4価のセリウムが3価のセリウムへと還元されたため、焼結体中には、多数の亀裂がはいり、焼結体密度や導電率は、測定できる状態ではなかった。ちなみに、亀裂の入った焼結体試料中の平均粒子径は、240nmであり、測定した焼結体内の粒度分布の標準偏差は78nmであった。
比較例6
組成がY0.15Ce0.851.925になるように、出発原料として、0.08
5モル/リットルの硝酸セリウム(純度99.99%)水溶液及び0.015モル/リットルの硝酸イットリウム(純度99.9%)水溶液を作製したのち、混合した溶液を65℃に加熱して得た混合溶液に、1モル/リットルの炭酸アンモニウム水溶液を1滴/秒となるように滴下して、滴下終了後、65℃において、1時間熟成処理を行った。
こうして得られた沈殿は、水洗処理とろ過とを交互に3回繰り返したのち、乾燥窒素ガス中において乾燥したのち、120メッシュの篩を通して、空気中600℃の温度で1時間仮焼して、セリア系化合物粉末を作成した。えられた仮焼粉末は、ホタル石単一の結晶相からなることをX線回折試験により確認した。またこの仮焼粉末は、実施例1同様SEMにより粉末を観察した結果、一次粒子径が20nmであり、2次粒子径が70nm程度の粒子であった。
この粉末をパルス通電焼結用高純度カーボンモールドに充填し、1000kg/cmの一軸加圧を施したところ、そのグリーン(成形体)密度は、35%であった。
このカーボンモールドを、10W/パルスのパルス印加条件(1パルスあたりの印加電流値の求め方は、実施例1と同じ)のもと、負荷60MPa、1150℃、0分間通電焼結を行った。得られた焼結体は、わずかにカーボンにより黒化していたが、この表面の黒色部を研磨により取り除き、焼結体密度を測定したところ、理論密度の76%であり、焼結体表面には大きな空孔が認めら、ち密化が進んでいないことが分かった。得られた焼結体は、平均粒子径が100nmであり、測定した焼結体内の粒度分布の標準偏差は46nmであったことから、均一な粒径分布をもつ組織であることが分かった。しかし、ち密化がすすまず、多量の空孔が焼結体中に取り残されているため、直流3端子法(実施例1と同じ)により測定された、500℃における導電率は、10−3.4(S/cm)と低い値を示し、また、酸素分圧を1気圧から10−20気圧まで変化させた場合の測定された導電率の(最大値/最小値)という比の値は10.9であり、その値は極めて大きく、酸化物イオン伝導よりも、n型半導体特性やp型半導体特性が支配的な試料であることが分かった。こうして得られた結果を表2に示した。比較例1同様、得られた結果を表2に示した。
比較例7
組成がSm0.15Ce0.851.925になるように、出発原料として、0.0
85モル/リットルの硝酸セリウム(純度99.99%)水溶液及び0.015モル/リットルの硝酸サマリウム(純度99.9%)水溶液を作製したのち、混合した溶液を65℃に加熱して得た混合溶液に、1モル/リットルの炭酸アンモニウム水溶液を1滴/秒となるように滴下して、滴下終了後、65℃において、1時間熟成処理を行った。
こうして得られた沈殿は、水洗処理とろ過とを交互に3回繰り返したのち、乾燥窒素ガス中において乾燥したのち、120メッシュの篩を通して、空気中600℃の温度で1時間仮焼して、セリア系化合物粉末を作成した。えられた仮焼粉末は、ホタル石単一の結晶相からなることをX線回折試験により確認した。またこの仮焼粉末は、実施例1同様SEMにより粉末を観察した結果、一次粒子径が20nmであり、2次粒子径が70nm程度の粒子であった。
この粉末をパルス通電焼結用高純度カーボンモールドに充填し、1000kg/cmの一軸加圧を施したところ、そのグリーン(成形体)密度は、35%であった。
このカーボンモールドを、10W/パルスのパルス印加条件(1パルスあたりの印加電流値の求め方は、実施例1と同じ)のもと、負荷60MPa、1150℃、0分間通電焼結を行った。得られた焼結体は、わずかにカーボンにより黒化していたが、この表面の黒色部を研磨により取り除き、焼結体密度を測定したところ、理論密度の74%であり、焼結体表面には大きな空孔が認めら、ち密化が進んでいないことが分かった。得られた焼結体は、平均粒子径が100nmであり、測定した焼結体内の粒度分布の標準偏差は46nmであったことから、均一な粒径分布をもつ組織であることが分かった。
しかし、ち密化がすすまず、多量の空孔が焼結体中に取り残されているため、直流3端子法(実施例1と同じ)により測定された、500℃における導電率は、10−3.3(S/cm)と低い値を示し、また、酸素分圧を1気圧から10−20気圧まで変化させた場合の測定された導電率の(最大値/最小値)という比の値は12.1であり、その値は極めて大きく、酸化物イオン伝導よりも、n型半導体特性やp型半導体特性が支配的な試料であることが分かった。こうして得られた結果を表2に示した。比較例1同様、得られた結果を表2に示した。
比較例8
組成がGd0.15Ce0.851.925になるように、出発原料として、0.0
85モル/リットルの硝酸セリウム(純度99.99%)水溶液及び0.015モル/リットルの硝酸ガドリニウム(純度99.9%)水溶液を作製したのち、混合した溶液を65℃に加熱して得た混合溶液に、1モル/リットルの炭酸アンモニウム水溶液を1滴/秒となるように滴下して、滴下終了後、65℃において、1時間熟成処理を行った。
こうして得られた沈殿は、水洗処理とろ過とを交互に3回繰り返したのち、乾燥窒素ガス中において乾燥したのち、120メッシュの篩を通して、空気中600℃の温度で1時間仮焼して、セリア系化合物粉末を作成した。えられた仮焼粉末は、ホタル石単一の結晶相からなることをX線回折試験により確認した。またこの仮焼粉末は、実施例1同様SEMにより粉末を観察した結果、一次粒子径が15nmであり、2次粒子径が40nm程度の粒子であった。
この粉末を金型に充填し、1000kg/cmの一軸加圧成形を行ったのち、2000kg/cmの静水圧プレスにより、成形体を作製した。こうして得られた成形体のグリーン(成形体)密度は、44%であった。
この成形体を、通常の外部加熱方式の焼結炉に入れ、10℃/minの昇温速度において、1150℃まで昇温し、この温度で、6時間焼結を行った。得られた焼結体密度を測定したところ、理論密度の98%にまで高密度化しており、焼結体表面には大きな空孔は認められず、ち密化が進んでいることが分かった。また、得られた焼結体は、平均粒子径が186nmであったが、測定した焼結体内の粒度分布の標準偏差は122nmであったことから、不均一な粒径分布をもつ組織であることが分かった。(図2)
直流3端子法(実施例1の測定法と同じ)により、500℃において測定した導電率は、10−3.5(S/cm)と低い値を示し、また、酸素分圧を1気圧から10−20気圧まで変化させた場合の測定された導電率の(最大値/最小値)という比の値は9.1であり、その値は極めて大きく、酸化物イオン伝導よりも、n型半導体特性やp型半導体特性が支配的な試料であることが分かった。比較例1同様、得られた結果を表2に示した。
比較例9
組成がGd0.15Ce0.851.925になるように、出発原料として、0.0
85モル/リットルの硝酸セリウム(純度99.99%)水溶液及び0.015モル/リットルの硝酸ガドリニウム(純度99.9%)水溶液を作製したのち、混合した溶液を65℃に加熱して得た混合溶液に、1モル/リットルの炭酸アンモニウム水溶液を1滴/秒となるように滴下して、滴下終了後、65℃において、1時間熟成処理を行った。
こうして得られた沈殿は、水洗処理とろ過とを交互に3回繰り返したのち、乾燥窒素ガス中において乾燥したのち、120メッシュの篩を通して、空気中900℃の温度で1時間仮焼して、セリア系化合物粉末を作成した。えられた仮焼粉末は、ホタル石単一の結晶相からなることをX線回折試験により確認した。またこの仮焼粉末は、実施例1同様SEMにより粉末を観察した結果、一次粒子径が15nmであり、2次粒子径が250nm程度の粒子であった。
この粉末を金型に充填し、1000kg/cmの一軸加圧成形を行ったのち、2000kg/cmの静水圧プレスにより、成形体を作製した。こうして得られた成形体のグリーン(成形体)密度は、21%であった。
このカーボンモールドを、65W/パルスのパルス印加条件(1パルスあたりの印加電流値の求め方は、実施例1と同じ)のもと、負荷60MPa、1150℃、10分間通電焼結を行った。得られた焼結体は、わずかにカーボンにより黒化していたが、この表面の黒色部を研磨により取り除き、焼結体密度を測定したところ、理論密度の71%であり、焼結体表面には大きな空孔が認めら、ち密化が進んでいないことが分かった。得られた焼結体は、平均粒子径が370nmであり、測定した焼結体内の粒度分布の標準偏差は210nmであったことから、不均一な粒径分布をもつ組織であることが分かった。
また、多量の空孔が焼結体中に取り残されているため、直流3端子法(実施例1と同じ)により測定された、500℃における導電率は、10−4.4(S/cm)と低い値を示し、酸素分圧を1気圧から10−20気圧まで変化させた場合の測定された導電率の(最大値/最小値)という比の値も12.6であり、その値は極めて大きく、酸化物イオン伝導よりも、n型半導体特性やp型半導体特性が支配的な試料であることが分かった。比較例1同様、得られた結果を表2に示した。
比較例10
組成がGd0.15Ce0.851.925になるように、出発原料として、0.0
85モル/リットルの硝酸セリウム(純度99.99%)水溶液及び0.015モル/リットルの硝酸ガドリニウム(純度99.9%)水溶液を作製したのち、混合した溶液を40℃に加熱して得た混合溶液に、10モル/リットルの炭酸アンモニウム水溶液を1滴/秒となるように滴下して、滴下終了後、40℃において、1時間熟成処理を行った。
こうして得られた沈殿は、水洗処理とろ過とを交互に3回繰り返したのち、乾燥窒素ガス中において乾燥したのち、120メッシュの篩を通して、空気中600℃の温度で1時間仮焼して、セリア系化合物粉末を作成した。えられた仮焼粉末は、ホタル石単一の結晶相からなることをX線回折試験により確認した。またこの仮焼粉末は、実施例1同様SEMにより粉末を観察した結果、一次粒子径が40nmであり、2次粒子径が110nm程度の粒子であった。
この粉末を金型に充填し、1000kg/cmの一軸加圧成形を行ったのち、2000kg/cmの静水圧プレスにより、成形体を作製した。こうして得られた成形体のグリーン(成形体)密度は、25%であった。
このカーボンモールドを、65W/パルスのパルス印加条件(1パルスあたりの印加電流値の求め方は、実施例1と同じ)のもと、負荷60MPa、1150℃、10分間通電焼結を行った。得られた焼結体は、わずかにカーボンにより黒化していたが、この表面の黒色部を研磨により取り除き、焼結体密度を測定したところ、理論密度の73%であり、焼結体表面には大きな空孔が認めら、ち密化が進んでいないことが分かった。得られた焼結体は、平均粒子径が310nmであり、測定した焼結体内の粒度分布の標準偏差は195nmであったことから、不均一な粒径分布をもつ組織であることが分かった。
また、多量の空孔が焼結体中に取り残されているため、直流3端子法(実施例1と同じ)により測定された、500℃における導電率は、10−3.9(S/cm)と低い値を示し、酸素分圧を1気圧から10−20気圧まで変化させた場合の測定された導電率の(最大値/最小値)という比の値も12.1であり、その値は極めて大きく、酸化物イオン伝導よりも、n型半導体特性やp型半導体特性が支配的な試料であることが分かった。比較例1同様、得られた結果を表2に示した。
比較例11
組成がGd0.15Ce0.851.925になるように、出発原料として、0.0
85モル/リットルの硝酸セリウム(純度99.99%)水溶液及び0.015モル/リットルの硝酸ガドリニウム(純度99.9%)水溶液を作製したのち、混合した溶液を65℃に加熱して得た混合溶液に、1モル/リットルの炭酸アンモニウム水溶液を1滴/秒となるように滴下して、滴下終了後、65℃において、1時間熟成処理を行った。
こうして得られた沈殿は、水洗処理とろ過とを交互に3回繰り返したのち、乾燥窒素ガス中において乾燥したのち、120メッシュの篩を通して、空気中600℃の温度で1時間仮焼して、セリア系化合物粉末を作成した。えられた仮焼粉末は、ホタル石単一の結晶相からなることをX線回折試験により確認した。またこの仮焼粉末は、実施例1同様SEMにより粉末を観察した結果、一次粒子径が15nmであり、2次粒子径が40nm程度の粒子であった。
この粉末をパルス通電焼結用高純度カーボンモールドに充填し、1000kg/cmの一軸加圧を施したところ、そのグリーン(成形体)密度は、38%であった。
その他の点は前記実施例1と同様とした。
このカーボンモールドを、負荷100MPaのもと、65W/パルスのパルス印加条件(1パルスあたりの印加電流値の求め方は、実施例1と同じ)のもと、1150℃、0分間通電焼結を行った。得られた焼結体は、わずかにカーボンにより黒化していたが、この表面の黒色部を研磨により取り除き、焼結体密度を測定したところ、理論密度の97%にまで高密度化しており、焼結体表面には大きな空孔は認められず、ち密化が進んでいることが分かった。得られた焼結体は、平均粒子径が190nmであり、測定した焼結体内の粒度分布の標準偏差は86nmであったことから、不均一な粒径分布をもつ組織であることが分かった。
直流3端子法(実施例1の測定法と同じ)により、500℃において測定した導電率は、10−3.1(S/cm)と高い値を示し、また、酸素分圧を1気圧から10−20気圧まで変化させた場合の測定された導電率の(最大値/最小値)という比の値は12.8であり、その値は十分に小さく、酸化物イオン伝導が支配的な試料であることが分かった。比較例1同様、得られた結果を表2に示した。
比較例12
組成がGd0.15Ce0.851.925になるように、出発原料として、0.0
85モル/リットルの硝酸セリウム(純度99.99%)水溶液及び0.015モル/リットルの硝酸ガドリニウム(純度99.9%)水溶液を作製したのち、混合した溶液を65℃に加熱して得た混合溶液に、1モル/リットルの炭酸アンモニウム水溶液を1滴/秒となるように滴下して、滴下終了後、65℃において、1時間熟成処理を行った。
こうして得られた沈殿は、水洗処理とろ過とを交互に3回繰り返したのち、乾燥窒素ガス中において乾燥したのち、120メッシュの篩を通して、空気中600℃の温度で1時間仮焼して、セリア系化合物粉末を作成した。えられた仮焼粉末は、ホタル石単一の結晶相からなることをX線回折試験により確認した。またこの仮焼粉末は、実施例1同様SEMにより粉末を観察した結果、一次粒子径が15nmであり、2次粒子径が40nm程度の粒子であった。
この粉末をパルス通電焼結用高純度カーボンモールドに充填し、1000kg/cmの一軸加圧を施したところ、そのグリーン(成形体)密度は、38%であった。
その他の点は前記実施例1と同様とした。
このカーボンモールドを、負荷20MPaのもと、25W/パルスのパルス印加条件(1パルスあたりの印加電流値の求め方は、実施例1と同じ)のもと、1150℃、0分間通電焼結を行った。得られた焼結体は、パルス通電焼結中に試料―電極間に放電があったらしく、試料を取り出すに際し、細かな小片へと破壊されており、導電率や密度が測定できるような状況にはなかった。比較例1同様、得られた結果を表2に示した。
表2は前記各比較例をまとめて示したものである。
以上の実施例、比較例を総合すると、本発明の特許請求の範囲で規定した、配合に基づき調合された粉末であって、1次粒子径、2次粒子径、通電焼結時の印加パルス電気量、負荷、通電焼結温度、通電焼結時間、焼結体密度、焼結体内平均粒径、焼結体内粒度分布の標準偏差がそれぞれ特定の値を有してなる場合、その範囲外に比し極めて高い導電率を有することが明らかにされた。すなわち、このデータによると特許請求の範囲で規定した各要件事項は、それぞれ格別意義のある事項を規定したものと言える。
近年、温暖化対策の一環として二酸化炭素削減が叫ばれる一方、高まるエネルギー需要に応えるために、高出力小型燃料電池の開発が活発に進められている。こうした燃料電池の開発には、300℃以上500℃以下の温度域(これまで開発されている燃料電池の空白動作温度領域)で高い出力を示す燃料電池用固体電解質の研究、開発が必要不可欠である。本発明は、まさにこのニーズに対応した500℃の温度で大きな電導率を示すセリア系焼結体固体電解質の製造方法を提供するもので、今後大いに利用されることが期待される。今後は、燃料電池のみならず、各種技術分野において優れた固体電解質として供され、且つ利用されるものと期待される。とくに、耐熱性に優れた固体電解質であるところからその利用範囲は広く、新産業創出へと発展することが期待される。
本発明の実施例1の製造方法で作製した焼結体のSEM観察図 本発明の比較例8の製造方法で作製した焼結体のSEM観察図 実施例1で用いたパルス通電焼結炉の記録ユニットに記録される、電圧―温度の関係を示すグラフ。

Claims (4)

  1. Ce1−x2−δ(ただし、M:Gd,Y,又はSm、0.1≦x≦0.3、δはカチオンとアニオンの電荷のバランスから決定される酸素欠陥量を表す)で表される配合の粉末を焼結してなるドープドナノセリア系焼結体であって、相対密度95%以上、焼結体内平均粒子径が1×10nm以上2×10nm以下で、かつ粒子径分布の広がりを示す標準偏差(σ)が6×10nm以下1×10nm以上であることを特徴とする希土類元素をドープしたナノセリア系焼結体。
  2. 請求項1に記載のドープドナノセリア系焼結体において、焼結体内の粒子径分布の広がりを示す標準偏差(σ)が5×10nm×以下1×10nm以上であることを特徴とする希土類元素をドープしたナノセリア系焼結体。
  3. 請求項1に記載のドープドナノセリア系焼結体の製造方法であって、粉末の一次粒子径が5nm以上3×10nm以下であり、2次粒子径が4×10nm以上9×10nm以下のナノサイズ粒子であって、パルス通電焼結用のモールドに充填し、一軸加圧下で、1×10kg/cmの荷重を加えた際のグリーン(成形体)相対密度が3×10%以上となる粒子を出発粉末とし、この粉末を、パルス通電焼結法において、パルス通電焼結時の負荷を80MPa以下とし、印加出力2×10W/パルス以上7×10W/パルス以下となるようなパルス印加条件のもと、9×10℃以上11.5×10℃以下の温度で焼結することを特徴とする希土類元素をドープしたナノセリア系焼結体の製造方法。
  4. 請求項3記載のドープドナノセリア系焼結体の製造方法において、パルス通電焼結時の負荷を50MPa以下とし、印加出力6×10W/パルス以上7×10W/パルス以下となるようにパルス印加条件のもと、10.5×10℃以上11.5×10℃以下の温度で焼結を行うことを特徴とする希土類元素をドープしたナノセリア系焼結体の製造方法。
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