本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の一実施形態に係る情報提供システムの構成図である。
情報提供システムは、情報提供仲介装置300と、少なくとも1以上の情報提供装置400と、少なくとも1以上の端末200と、少なくとも1以上の履歴情報生成装置110と、少なくとも1以上の履歴情報生成装置150とを有する。ここで、履歴情報生成装置110、150が外部装置に相当する。情報提供仲介装置300、情報提供装置400、端末200、履歴情報生成装置110、及び履歴情報生成装置150は、通信路500に接続されている。通信路500は、例えば、有線LAN(Local Area Network)、無線LANなどといった規格の通信路や、携帯電話網である。
情報提供システムにおいては、複数の商品G(例えば、書籍)の製造後から、消費者に購入されるまでの流通経路における個々の商品Gの流通履歴を管理している。ここで、商品の製造後の流通経路の一例としては、製造業者により商品Gが製造されると、製造業者から商品Gが出荷され、小売業者に入荷される。小売業者に入荷した後においては、例えば、消費者が商品を確認することができる。その後、小売業者において商品Gが消費者に販売されることとなる。
情報提供システムにおいて、各商品Gには、タグ100が付加されている。タグ100は、例えばバーコード、二次元コード、RFIDタグ等である。タグ100には、商品Gを個品毎に一意に識別することのできる個品IDが含まれている。個品IDによると、同じ種類の商品でも1つ1つを個別に識別することができる。
履歴情報生成装置110は、製造業者の拠点に設けられる装置である。履歴情報生成装置110は、CPU111と、メモリ112と、記憶装置113と、通信インタフェース114と、リーダ115と、リーダ116とを有する。
通信インタフェース114は、例えば、有線LANカード、無線LANカードなどといったLAN用インタフェースであり、通信路500を介して、他の装置、例えば、情報提供仲介装置300と通信する。リーダ115、116は、例えば、バーコードリーダ、二次元コードリーダ、RFIDリーダなどであり、商品Gに付加されたタグ100から、タグ100に含まれている情報、例えば、個品IDを読み取る。本実施形態では、リーダ115は、製造業者の拠点における製造後の商品から情報を読取るための位置に配置され、リーダ116は、製造業者の拠点における出荷時の商品から情報を読取るための位置に配置されている。
記憶装置113は、例えば、ハードディスクドライブやフラッシュメモリなどのプログラムやデータを記憶する装置である。記憶装置113は、タグ読出プログラム117を記憶している。タグ読出プログラム117は、リーダ115、116を介してタグ100から個品IDを読み取る処理、当該読取った個品IDに対して、拠点ID、業務イベント、読取日時等を対応付けたトレーサビリティデータを生成する処理、生成したトレーサビリティデータを通信インタフェース114を介して情報提供仲介装置300に送信する処理をCPU111に実行させるためのプログラムである。ここで、トレーサビリティデータとは、後で商品の流通を追跡することのできるデータであって、商品の製造後の少なくとも一部の流通経路における商品に関する情報であり、流通履歴情報又は流通履歴情報の一部に相当する。
メモリ112は、プログラムやデータを記憶する領域として、或いは、CPU111による処理に使用されるプログラムやデータを格納する作業領域として利用される。CPU111は、各部112〜117の動作を制御する。また、CPU111は、記憶装置113に格納されているプログラム、例えば、タグ読出プログラム117をメモリ112に読み出して実行する。
履歴情報生成装置150は、小売業者の拠点に設けられる装置である。履歴情報生成装置150は、CPU151と、メモリ152と、記憶装置153と、通信インタフェース154と、リーダ155と、リーダ156とを有する。
通信インタフェース154は、例えば、有線LANカード、無線LANカードなどといったLAN用インタフェースであり、通信路500を介して、他の装置、例えば、情報提供仲介装置300と通信する。リーダ155、156は、例えば、バーコードリーダ、二次元コードリーダ、RFIDリーダなどであり、商品Gに付加されたタグ100から、タグ100に含まれている情報、例えば、個品IDを読み取る。本実施形態では、リーダ155は、小売業者の拠点における入荷した商品の情報を読取るための位置に配置され、リーダ156は、小売業者の拠点における商品の販売時に商品の情報を読取るための位置に配置されている。
記憶装置153は、例えば、ハードディスクドライブやフラッシュメモリなどのプログラムやデータを記憶する装置である。記憶装置153は、タグ読出プログラム157を記憶している。タグ読出プログラム157は、リーダ155、156を介してタグ100から個品IDを読み取る処理、当該読取った個品IDに対して、拠点ID、業務イベント名、読取日時等を対応付けてトレーサビリティデータを生成する処理、生成したトレーサビリティデータを通信インタフェース154を介して情報提供仲介装置300に送信する処理をCPU151に実行させるためのプログラムである。
メモリ152は、プログラムやデータを記憶する領域として、或いは、CPU151による処理に使用されるプログラムやデータを格納する作業領域として利用される。CPU151は、各部152〜157の動作を制御する。また、CPU151は、記憶装置153に格納されているプログラム、例えば、タグ読出プログラム157をメモリ152に読み出して実行する。
端末200は、消費者により利用される端末であり、情報提供仲介装置300と通信路500を介して通信し、消費者が所望する商品に関する情報を取得するためのものである。端末200は、CPU201と、メモリ202と、記憶装置203と、通信インタフェース204と、読取部の一例としてのリーダ205と、入力装置206と、表示装置207とを有する。端末200は、例えば、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants)、PC(Personal Computer)、ノートPCなどに、リーダ205を内蔵又は外付けすることにより構成できる。なお、端末200は、消費者の所有する装置に限らず、小売業者の拠点に用意されている装置であってもよく、要は、消費者が利用可能な装置であればよい。
通信インタフェース204は、例えば、有線LANカード、無線LANカードなどといったLAN用インタフェースや、携帯電話アンテナを含む携帯電話網用インタフェースであり、通信路500を介して、他の装置、例えば、情報提供仲介装置300と通信する。
リーダ205は、例えば、バーコードリーダ、二次元コードリーダ、RFIDリーダなどであり、商品Gに付加されたタグ100から、タグ100に含まれている情報、例えば、個品IDを読み取る。なお、本実施形態では、消費者は、端末200のリーダ205により、小売業者から消費者が購入した商品Gのタグ100から情報を読取ることもできるし、端末200を小売業者の拠点にもっていき、そこで販売のために展示してある商品Gのタグ100から情報を読取ることもできる。
入力装置206は、例えば、入力ボタン、タッチパネル、キーボード、マウスなど、消費者が各種入力を行うための装置である。表示装置207は、例えば、液晶ディスプレイなどの各種情報を表示するための装置である。記憶装置203は、例えば、ハードディスクドライブやフラッシュメモリなどのプログラムやデータを記憶する装置である。記憶装置203は、情報アクセスプログラム210を記憶している。情報アクセスプログラム210は、リーダ205を介してタグ100から個品IDを読み取る処理、個品IDを通信インタフェース204を介して情報提供仲介装置300に通知する処理、個品IDに関連する情報名の一覧画面(選択画面)を取得する処理、一覧画面の中から入力装置206を介して消費者に選択された情報を情報提供仲介装置300から仲介取得する処理をCPU201に実行させるためのプログラムである。
メモリ202は、プログラムやデータを記憶する領域として、或いは、CPU201による処理に使用されるプログラムやデータを格納する作業領域として利用される。CPU201は、各部202〜207の動作を制御する。また、CPU201は、記憶装置203に格納されているプログラム、例えば、情報アクセスプログラム210をメモリ202に読み出して実行する。ここで、本実施形態では、個品ID送信部は、主にCPU201が記憶装置204に格納された情報アクセスプログラム210を実行することにより構成される。
情報提供装置400は、消費者に商品に関連する情報や広告の情報を提供したい、製造業者や小売業者やその他の様々な業者により用意されている。情報提供装置400は、商品の情報や広告の情報を管理し、これら情報を通信路500に接続された装置に提供する。本実施形態では、情報提供装置400には、書籍における文字列の記載箇所を検索する文字列検索サイトを提供している情報提供装置400や、書籍に関する広告情報を提供する情報提供装置400がある。
情報提供装置400は、CPU401と、メモリ402と、記憶装置403と、通信インタフェース404とを有する。情報提供装置400は、例えば、PCによって構成することができる。
通信インタフェース404は、例えば有線LANカードや無線LANカードなどといったLANインタフェースであり、情報提供仲介装置300と通信路500を介して通信する。記憶装置403は、例えば、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリなど、プログラムやデータを記憶する装置である。本実施形態では、記憶装置403は、消費者に提供するための情報提供サイトのウェブページの情報や、ウェブページを作成するための情報やプログラムを記憶する。例えば、文字列検索サイトを提供する情報提供装置400の記憶装置403は、商品Gである複数の書籍について、文字列と、当該文字列が記載されて書籍中の記載箇所との対応テーブルを記憶するとともに、受け付けた文字列から対応テーブルを用いて記載箇所を検索する処理をCPU401に実行させる検索プログラムを記憶する。メモリ402は、プログラムやデータを記憶する領域として、或いは、CPU401による処理に使用されるプログラムやデータを格納する作業領域として利用される。CPU401は、各部402〜404の動作を制御する。また、CPU401は、記憶装置403に格納されているプログラムをメモリ202に読み出して実行する。例えば、CPU401は、情報提供サイトの要求を受け取った場合には、要求に応じた情報提供サイトのウェブページを要求元に送信する。また、文字列検索サイトを提供する情報提供装置400のCPU401は、表示要求を受け取った場合には、検索対象の文字列を入力するためのウェブページを要求元に送信し、検索対象の文字列を受信した場合には、書籍における当該文字列が記載されている記載箇所を対応テーブルから検索して、要求元に記載箇所の情報を含むページ(文字列検索結果画面)を送信する。
情報提供仲介装置300は、端末200に対して情報提供装置400の情報を仲介して提供する処理を行う装置である。情報提供仲介装置300は、CPU301と、メモリ302と、記憶装置303と、通信インタフェース304と、入力装置305と、表示装置306とを有する。情報提供仲介装置300は、例えばPCによって構成される。
通信インタフェース304は、例えば有線LANカードや無線LANカードなどといったLANインタフェースであり、端末200や情報提供装置400などと通信路500を介して通信する。入力装置305は、例えば、入力ボタン、タッチパネル、キーボード、マウスなど、情報提供仲介装置300の管理者が各種入力を行うための装置である。表示装置306は、例えば、液晶ディスプレイなどの各種情報を表示するための装置である。記憶装置303は、例えばハードディスクドライブ、フラッシュメモリなどの装置であり、プログラムやデータを記憶する。記憶装置303は、トレーサビリティデータ管理プログラム310と、情報提供仲介プログラム320とを記憶し、また、流通履歴情報蓄積部の一例としてのトレーサビリティDB360と、条件テーブルの一例としての情報提供仲介定義テーブル370とを記憶する。
トレーサビリティDB360は、商品に関するトレーサビリティデータを管理するためのデータベースである。
図2は、本発明の一実施形態に係るトレーサビリティDBの一例の構成図である。
トレーサビリティDB360は、個品IDフィールド360aと、商品コードフィールド360bと、拠点IDフィールド360cと、業務イベントフィールド360dと、日時フィールド360eとを含むレコードを管理している。このトレーサビリティDB360では、履歴情報生成装置110、150から受信した各トレーサビリティデータが各レコードとして管理されている。
個品IDフィールド360aには、受信したトレーサビリティデータ中の個品IDが格納される。
商品コードフィールド360bには、同じレコードの個品IDフィールドの個品IDにより特定される商品の種類を一意に特定する商品コードが設定される。なお、個品IDが商品コードを含んでいる構成である場合には、商品コードフィールド360bを省略することができる。この場合には、個品IDフィールド360aに格納されている個品IDから商品コードを取得することができる。また、個品IDと商品コードとの対応関係を示す別テーブルを用意しておくようにしてもよい。このようにすると、トレーサビリティDB360から商品コードフィールド360bを省略することができる。この場合には、別テーブルから個品IDに対応する商品コードを取得することができる。
拠点IDフィールド360cには、トレーサビリティデータが生成された拠点を一意に特定する拠点IDが設定される。例えば、拠点IDとしては、製造業者、小売業者などの業者を一意に特定するIDであってもよい。また、拠点IDとしては、各製造業者における各工場などや、各小売業者における各店舗などを一意に特定するIDであってもよい。
業務イベントフィールド360dには、トレーサビリティデータが生成された商品に関わる業務を示す業務イベント名(業務イベント特定情報)が設定される。例えば、製造業者における商品の製造業務において生成されたトレーサビリティデータであれば“製造”が設定され、製造業者における商品の出荷業務において生成されたトレーサビリティデータであれば“製造業者出荷”が設定され、小売業者における商品の入荷業務において生成されたトレーサビリティデータであれば“小売業者入荷”が設定され、小売業者における商品の販売業務において生成されたトレーサビリティデータであれば“販売”が設定される。日時フィールド360eには、トレーサビリティデータが生成された日時が設定される。
図1の説明に戻り、情報提供仲介定義テーブル370は、提供する情報の名前と、当該情報を提供するために、処理対象のトレーサビリティデータに必要な条件(情報提供条件)とを管理するテーブルである。この情報提供仲介定義テーブル370は、情報提供仲介装置300の管理者が表示装置306に表示される内容を確認しつつ、情報提供仲介装置300の入力装置305によって設定することができるようになっている。すなわち、CPU301が情報提供仲介テーブル370を表示部306に表示させ、入力装置305による管理者の入力に応じてCPU301が情報提供仲介テーブル370の追加、更新、変更等を行う。これにより、情報提供を行う情報提供サイトを、任意の時点に追加や削除等することができる。このため、例えば、商品を出荷した後でも、情報提供サイトを追加することができる。
図3は、本発明の一実施形態に係る情報提供仲介定義テーブルの一例を示す構成図である。
情報提供仲介定義テーブル370は、仲介定義IDフィールド370aと、個品IDフィールド370bと、商品コードフィールド370cと、拠点IDフィールド370dと、業務イベントフィールド370eと、付帯条件フィールド370fと、提供情報名フィールド370gと、提供情報アドレスフィールド370hとを含むレコードを管理する。
仲介定義IDフィールド370aには、当該レコードを一意に特定する仲介定義IDが設定される。個品IDフィールド370bには、情報提供条件の一例としての個品IDが設定される。すなわち、処理対象のトレーサビリティデータに当該個品IDが含まれることが、当該レコードが示す情報提供サイトの情報を提供するための必要条件である。なお、個品IDに関する必要条件が不要なときは、個品IDフィールド370bには、“−”が設定される。商品コードフィールド370cには、情報提供条件の一例としての商品コードが設定される。すなわち、処理対象のトレーサビリティデータに当該商品コードが含まれることが、当該レコードが示す情報提供サイトの情報を提供するための必要条件である。なお、商品コードに関する必要条件が不要なときは、商品コードフィールド370cには、“−”が設定される。
拠点IDフィールド370dには、情報提供条件の一例としての拠点IDが設定される。すなわち、処理対象のトレーサビリティデータに当該拠点IDが含まれることが、当該レコードが示す情報提供サイトの情報を提供するための必要条件である。なお、拠点IDに関する必要条件が不要なときは、拠点IDフィールド370dには、“−”が設定される。業務イベントフィールド370eには、情報提供条件の一例としての業務イベント名が設定される。すなわち、処理対象のトレーサビリティデータに当該業務イベント名が含まれることが、当該レコードが示す情報提供サイトの情報を提供するための必要条件である。なお、トレーサビリティデータに対する業務イベントに関する必要条件が不要なときは、業務イベントフィールド370eには、“−”を設定する。
付帯条件フィールド370fには、個品IDフィールド370b、商品コードフィールド370c、拠点IDフィールド370d、業務イベントフィールド370eに設定可能な条件以外についての、処理対象のトレーサビリティデータに対する必要条件が設定される。例えば、付帯条件フィールド370fに“最新業務イベント”が設定されていれば、対象の個品についての最新のトレーサビリティデータであることが必要条件とされる。また、付帯条件フィールド370fに、例えば“2007/03/31まで”などの期限に関する条件が設定されていれば、対象の個品についての当該期限までに生成されたトレーサビリティデータであることが必要条件とされる。この例では、日時フィールド360eの日時が2007/03/31までのトレーサビリティデータのレコードであることが必要条件とされる。
本実施形態では、同一レコードの個品IDフィールド370b、商品コードフィールド370c、拠点IDフィールド370d、業務イベントフィールド370e、付帯条件フィールド370fのいずれか複数のフィールドに条件が設定されている場合には、設定された全ての条件を満たすことが情報を提供するために必要である。この情報提供仲介定義テーブル370によると、商品の流通経路や、商品に関わる業務の状態に応じて、提供する情報を適切に換えることができる。
提供情報名フィールド370gには、当該レコードに設定された全ての条件を満たす場合に、提供可能な情報の名前が設定される。提供情報アドレスフィールド370hには、当該レコードに設定される全ての条件を満たす場合に、提供可能な情報を有する場所(情報提供装置400又はその中の情報提供サイト)を示す識別子(アドレス)が設定される。
例えば、情報提供仲介定義テーブル370の仲介定義IDフィールド370aが“m100001”のレコードは、商品コードが“100100”であり、業務イベントが“販売”であるトレーサビリティデータが処理対象にあれば、“文字列検索”という情報を提供可能であり、当該情報が“192.0.2.8/inf1”にあることを示している。
また、仲介定義IDフィールド370aが“m100002”のレコードは、商品コードが“100100”であり、業務イベント名が“小売業者入荷”である最新のトレーサビリティデータが処理対象にあれば、“商品説明”という情報を提供可能であり、当該情報が“192.0.2.8/inf2”にあることを示している。このレコードによると、処理対象のトレーサビリティデータの最新のものの業務イベントが小売業者入荷である場合、すなわち、対応する商品が小売業者に入荷されて販売される前の状態である場合に、商品説明の情報を提供可能であると判断することができる。したがって、販売される前の商品についての説明情報を消費者に提供することができる。
また、仲介定義IDフィールド370aが“r234001”のレコードは、拠点IDが“r234”であり、業務イベントが“販売”であるトレーサビリティデータが処理対象にあれば、広告情報を提供可能であり、広告情報が“192.0.2.3/ad1”にあることを示している。
図1の説明に戻り、トレーサビリティデータ管理プログラム310は、履歴情報生成装置110、150から送信されたトレーサビリティデータをトレーサビリティDB360に登録するための処理をCPU301に実行させるプログラムである。なお、処理の詳細については後述する。情報提供仲介プログラム320は、通信インタフェース304を介して端末200から通知された個品IDに関連するすべてのトレーサビリティデータ(トレーサビリティデータ又はトレーサビリティデータ群)をトレーサビリティDB360から読み取る処理と、情報提供仲介定義テーブル370とトレーサビリティデータ(群)とに基づいて提供可能な情報を特定する処理と、情報提供装置400から情報を取得し、端末200に送信する処理等をCPU301に実行させるプログラムである。なお、処理の詳細については後述する。
メモリ302は、プログラムやデータを記憶する領域として、或いは、CPU301による処理に使用されるプログラムやデータを格納する作業領域として利用される。CPU301は、各部302〜306の動作を制御する。また、CPU301は、記憶装置303に格納されているプログラム、例えば、トレーサビリティデータ管理プログラム310や情報提供仲介プログラム320をメモリ302に読み出して実行する。
次に、本発明の一実施形態に係る情報提供システムにおける処理動作を説明する。
図4は、本発明の一実施形態に係る情報提供システムにおける処理のフローチャートである。
製造業者の拠点においては、商品Gが製造されたときや、製造された商品Gが出荷されるときには、当該製造業者の履歴情報生成装置110のCPU111がリーダ115又は116によって商品Gのタグ100から個品IDを読み取り、当該個品IDに対して、拠点ID、業務イベント名、読取日時等を対応付けたトレーサビリティデータを生成し、当該トレーサビリティデータを通信インタフェース114を介して情報提供仲介装置300に送信する(ステップS1171)。
また、小売業者の拠点においては、商品Gが入荷されたときや、商品Gが販売されるときには、当該小売業者の履歴情報生成装置150のCPU151がリーダ155又は156によって商品Gのタグ100から個品IDを読み取り、当該個品IDに対して、拠点ID、業務イベント名、読取日時等を対応付けたトレーサビリティデータを生成し、当該トレーサビリティデータを通信インタフェース154を介して情報提供仲介装置300に送信する(ステップS1571)。
情報提供仲介装置300では、トレーサビリティデータ管理プログラム310を実行するCPU301が、通信インタフェース304を介して、履歴情報生成装置110、150から送信されたトレーサビリティデータを受信し、受信したトレーサビリティデータの内容をトレーサビリティDB360に書き込む(ステップS3101)。すなわち、CPU301は、トレーサビリティDB360に新たなレコードを追加し、トレーサビリティデータに含まれている個品ID、拠点ID、業務イベント名、及び日時を、追加したレコードの対応するフィールド360a、360c、360d、360eに書き込み、更に、個品IDから商品ID部分(例えば、個品IDの上位6桁)を切り出して、商品IDフィールド360bに書き込む。これによって、トレーサビリティDB360には、商品Gの流通経路におけるトレーサビリティデータが逐次格納されることとなる。
一方、端末200において、消費者により商品Gに付加されたタグ100から情報を読み出す指示が行われると、端末200のCPU201が情報アクセスプログラム210の実行を開始し、CPU201がリーダ205により、商品Gのタグ100から個品IDを読取る(ステップS2101)。ここで、消費者が商品Gのタグ100から個品IDを読取る場面としては、例えば、小売業者の拠点で購入していない商品Gのタグ100から読取る場面や、消費者が購入した商品Gのタグ100から個品IDを読取る場面がある。
次いで、CPU201が読取った個品IDを含む提供可能情報一覧要求を情報提供仲介装置300に送信する(ステップS2102)。ここで、提供可能情報一覧要求とは、個品IDに示される商品Gに関連する提供可能な情報の名前を示す一覧(画面)を要求することである。
情報提供仲介装置300では、情報提供仲介プログラム320を実行するCPU301が、端末200から送信された提供可能情報一覧要求を通信インタフェース304を介して受信する(ステップS3201)。次いで、CPU301が要求に含まれる個品IDに関連するすべてのトレーサビリティデータ(トレーサビリティデータ群)をトレーサビリティDB360から取得する(ステップS3202)。例えば、提供可能情報一覧要求に含まれている個品ID、すなわち、ステップS2101で読み取られた個品IDが“100100100”である場合には、トレーサビリティDB360から個品IDが“100100100”のレコードが取得される。ここで、レコードを(個品IDフィールド360a、商品コードフィールド360b、拠点IDフィールド360c、業務イベントフィールド360d、日時フィールド360e)の形式で示すと、具体的には、(100100100、100100、m100、製造、2007/01/25 10:45:23)のレコードと、(100100100、100100、m100、製造業者出荷、2007/01/29 09:23:58)のレコードと、(100100100、100100、r234、小売業者入荷、2007/01/29 18:31:11)のレコードと、(100100100、100100、r234、販売、2007/02/04 15:02:10)のレコードとの4つのレコードが取得される。
次いで、情報提供仲介プログラム320を実行するCPU301は、情報提供仲介定義テーブル370に定義されるレコードのうち、取得したトレーサビリティデータ(群)が条件を満たすレコードを取得する(ステップS3203)。例えば、提供可能一覧要求中の個品IDが“100100100”である場合には、上記取得した4つのトレーサビリティデータのレコードが条件を満たしている、仲介定義IDが“m100001”、“m100003”、“m100004”、“r234001”の4つのレコードが取得される。
すなわち、商品コードが“100100”であり、業務イベント名が“販売”であることを条件する仲介定義IDが“m100001”のレコードが、トレーサビリティデータ群に、この条件を満たすレーサビリティデータ(100100100、100100、r234、販売、2007/02/04 15:02:10)があるので取得される。また、日時が“2007/03/31まで”であり、個品IDが“100100100”であり、且つ業務イベント名が“販売”であることを条件とする仲介定義ID“m100003”のレコードが、トレーサビリティデータ群に、この条件を満たすトレーサビリティデータ(100100100、100100、r234、販売、2007/02/04 15:02:10)があるので取得される。また、拠点IDが“m100”であり、業務イベント名が“製造”であることを条件とする仲介定義IDが“m100004”のレコードが、トレーサビリティデータ群にこの条件を満たすトレーサビリティデータ(100100100、100100、m100、製造、2007/01/25 10:45:23)があるので取得される。また、拠点IDが“r234”であり、業務イベント名が“製造”であることを条件とする仲介定義IDが“r234001”のレコードが、トレーサビリティデータ群にこの条件を満たすトレーサビリティデータ(100100100、100100、r234、販売、2007/02/04 15:02:10)があるので取得される。なお、トレーサビリティデータ群のうち日時が最新のものであって、業務イベント名が“小売業者入荷”であること(すなわち、当該商品が小売業者に入荷されたが、販売されていないこと状態であること)を条件とする仲介定義IDが“m100002”のレコードは、トレーサビリティデータ群にこの条件を満たすトレーサビリティデータがないので取得されない。
そして、情報提供仲介プログラム320を実行するCPU301は、情報提供仲介定義テーブル370から取得したレコードのうち、提供情報名が“広告”以外のレコードを抽出し、抽出したレコードに含まれている1又は複数の提供可能な情報を消費者に選択させるため一覧画面である提供可能情報一覧画面を生成し、端末200に送信する(ステップS3204)。ステップS2101で読み取られた個品IDが“100100100”である場合には、提供情報名が“広告”でない、仲介定義IDが“m100001”、“m100003”のレコードが抽出され、これらレコードの提供情報名フィールド370gに設定されている“文字列検索”、“景品当選”の情報を選択させるための提供可能情報一覧画面データを生成する。なお、本実施形態では、ステップS3204において、CPU301は、ステップS3203で抽出したレコードと、提供可能情報一覧画面データを送信した端末200を特定可能な識別情報(例えば、セッションID)とを対応付けてメモリ302に格納する。
端末200では、情報提供仲介装置300から提供可能情報一覧画面データを受信すると、CPU201が提供可能情報一覧画面を表示装置207に表示する(ステップS2103)。
図5は、本発明の一実施形態に係る提供可能情報一覧画面を示す図である。図5は、“文字列検索”、“景品当選”の情報を選択させるための提供可能情報一覧画面D2103を示している。
提供可能情報一覧画面D2103には、選択可能な情報の1つである文字列検索を選択するための文字列検索ボタンBm100001、選択可能な情報の1つである景品当選を選択するための景品当選ボタンBm100003、戻るボタンB001、終了ボタンB002、当該画面の説明文等が含まれる。消費者による入力装置206の操作により戻るボタンB001が選択されると、情報アクセスプログラム210を実行するCPU201は、以前に表示された画面を表示する。また、消費者による入力装置206の操作により終了ボタンB002が選択されると、情報アクセスプログラム210を実行するCPU201は、情報アクセスプログラム210の実行を終了する。また、消費者による入力装置206の操作により文字列検索ボタンBm100001又は景品当選ボタンBm100003が選択されると、情報アクセスプログラム210を実行するCPU201は、選択されたボタンに対応する情報の提供を要求する情報提供要求を情報提供仲介装置300に送信する。情報提供要求には、選択された情報を一意に特定する指標、例えば、提供を要求する情報の名前(提供要求情報名)が含まれる。
図4の説明に戻り、情報アクセスプログラム210を実行するCPU201は、提供可能情報一覧画面に一覧表示されている提供情報名のうち、入力装置206により選択された情報を要求する情報提供要求を送信する(ステップS2104)。例えば、図5に示す提供情報一覧画面D2103が表示されている場合には、CPU201は、入力装置206により文字列検索ボタンBm100001が選択されると、“文字列検索”情報の提供要求を情報提供仲介装置300に送信し、入力装置206により景品当選ボタンBm100003が選択されると、“景品当選”情報の提供要求を情報提供仲介装置300に送信する。
情報提供仲介装置300では、情報提供仲介プログラム320を実行するCPU301が端末200から情報提供要求を受信する(ステップS3205)。
そして、CPU301は、情報提供要求に含まれる提供要求情報名が示す情報を提供する情報提供装置400に対して、当該情報の提供を要求する情報提供要求を送信する。情報提供要求の送信先となる情報提供装置400の場所は、ステップS3203で情報提供仲介定義テーブル370から抽出したレコードにおける提供情報名と提供情報アドレスとの対応関係から把握することができる。なお、当該レコードは、メモリ302に端末200を特定可能な識別情報と対応付けられて記憶されているので、当該識別情報に基づいてメモリ302から取得できる。例えば、端末200から送信された情報提供要求に含まれている提供要求情報名が“文字列検索”である場合には、CPU301は、抽出していたレコードから提供情報名“文字列検索”に対応する提供情報アドレス“192.0.2.8/inf1”を取得し、当該アドレスの情報提供装置400に“文字列検索”を含む情報提供要求を送信する。また、端末200から送信された情報提供要求に含まれている提供要求情報名が“景品当選”である場合には、抽出していたレコードから提供情報名“景品当選”に対応する提供情報アドレス“192.0.2.8/inf3”を取得し、当該アドレスの情報提供装置400に“景品当選”を含む情報提供要求を送信する。
更に、情報提供仲介プログラム320を実行するCPU301が、ステップS3203で情報提供仲介定義テーブル370から抽出したレコードのうち、提供情報名が“広告”のレコードを抽出し、対応する広告の情報を要求する情報提供要求を、それぞれの提供情報アドレスの情報提供装置400に送信する(ステップS3206)。例えば、ステップS3203で、仲介定義IDが“m100001”、“m100003”、“m100004”、“r234001”の4つのレコードが取得されていた場合には、CPU301は、“192.0.2.8/ad1”、“192.0.2.3/ad5”の2つの場所の情報提供装置400に、対応する広告情報を要求する情報提供要求を送信する。情報提供装置400の場所“192.0.2.8/ad1”は、提供情報名が“広告”である仲介定義IDが“m100004”のレコードの提供情報アドレスフィールド370hから取得できる。また、情報提供装置400の場所“192.0.2.3/ad5”は、提供情報名が“広告”である仲介定義IDが“r234001”のレコードの提供情報アドレスフィールド370hから取得できる。
次いで、情報提供仲介プログラム320を実行するCPU301は、ステップS3206で情報提供要求を送信したそれぞれの情報提供装置400から、情報(例えば、情報画面データ)、又は/及び広告情報を受信する(ステップS3207)。そして、情報提供仲介プログラム320を実行するCPU301は、広告情報を受信した場合には、受信した情報画面データに広告情報(複数受信した場合には、複数個)を加える加工を行い、加工後の情報画面データを端末200に送信する一方、広告情報を受信しなかった場合は、受信した情報画面データをそのまま端末200に送信する(ステップS3208)。
端末200では、情報アクセスプログラム210を実行するCPU201が情報提供仲介装置300から情報画面データを受信すると、情報画面を表示装置207に表示する(ステップS2105)。
図6は、本発明の一実施形態に係る情報画面を示す図である。同図は、ステップS2101で読み取られた個品IDが“100100100”であり、かつステップS2104で選択され、提供情報要求に含まれた提供情報名が“文字列検索”である場合に表示される情報画面を示している。
情報画面D2105には、当該画面の提供情報名D2105a、広告欄Am100004、広告欄Ar234001、検索用表示欄D2105b、戻るボタンB001、終了ボタンB002などが含まれる。検索用表示欄D2105bには、提供情報の説明文と、検索文字列入力欄T004、検索ボタンB003が含まれる。広告欄Am100004には、情報提供仲介定義テーブル370の仲介定義IDが“m100004”のレコードで示される提供情報アドレス“192.0.2.8/ad1”の場所から取得した広告情報、例えば、製造業者(出版社)からの広告情報が表示される。また、広告欄Ar234001には、情報提供仲介定義テーブル370の仲介定義IDが“r234001”のレコードで示される提供情報アドレス“192.0.2.3/ad5”の場所から取得した広告情報、例えば、小売業者(書店)からの広告情報が表示される。検索文字列入力欄T004は、書籍における記載箇所を検索させる文字列を入力するための欄である。検索文字列入力欄T004には、消費者による入力装置206の操作により、文字列が入力される。検索ボタンB003は、消費者により入力装置206の操作により選択されると、情報アクセスプログラム210を実行するCPU201が検索文字列入力欄T004に入力された文字列の書籍における記載箇所を検索させる要求(文字列検索要求)を、文字列検索を行う機能を提供する情報提供サイトの情報提供装置400に送信する。
図4の説明に戻り、情報画面に消費者が入力する入力領域がある場合には、情報アクセスプログラム210を実行するCPU201は、情報画面に対して入力装置206により入力された入力情報を受け付け、所定のボタンが選択された場合には入力情報を含む情報提供要求を情報提供仲介装置300に送信する(ステップS2106)。例えば、図6に示す情報画面D2105が表示されている場合には、入力装置206により検索文字列入力欄T004に検索文字列が入力され、検索ボタンB003が選択されると、情報アクセスプログラム210を実行するCPU201が検索文字列を含む情報提供要求(この場合、文字列検索結果提供要求)を送信する。
この後は、情報提供仲介プログラム320を実行するCPU301が、端末200と情報提供装置400との間の情報提供要求及び情報提供応答を仲介する処理を行う。例えば、検索文字列を含む文字列検索結果要求を受信した場合には、CPU310は、受信した要求中の検索文字列を文字列検索機能を有する情報提供サイトの情報提供装置400に送信し、情報提供装置400からの文字列検索結果画面データを受信し、文字列検索結果画面データを端末200に送信する。これにより、端末200のCPU201が、文字列検索結果画面を表示装置207に表示させる。
以上、本発明を一実施形態に基づいて説明したが、本発明は上述した実施形態に限られず、他の様々な態様に適用可能である。
例えば、上記実施形態においては、トレーサビリティデータを情報提供仲介装置300のトレーサビリティDB360で集中して管理する例を示していたが、本発明はこれに限られず、例えば、トレーサビリティデータを、製造業者や、小売業者が有する記憶装置に分散して管理するようにしてもよい。また、製造業者においては、トレーサビリティデータを製造業者の工場毎に備えられた記憶装置により分散して管理してもよく、また、小売業者の店舗毎に備えられた記憶装置により分散して管理するようにしてもよい。なお、トレーサビリティデータを分散して管理する場合にあっては、ステップS3202においてCPU301が、トレーサビリティデータを分散して管理しているそれぞれの記憶装置から対応するトレーサビリティデータを取得するようにすればよい。
また、上記実施形態では、トレーサビリティデータをトレーサビリティDB360で管理するようにしていたが、本発明はこれに限られず、例えば、タグ100としてデータを読み書き可能なRFIDタグを採用し、トレーサビリティデータを当該RFIDタグに書き込んで管理するようにしてもよい。この場合には、ステップS2101において、CPU201がタグ100から個品IDを読み取るのとあわせてトレーサビリティデータを読み取り、ステップS2102において、情報提供仲介装置300に個品IDとトレーサビリティデータとを送信するようにし、更に、CPU301が端末200から個品IDとトレーサビリティデータを受信するようにすればよい。この場合には、ステップS3202の処理は必要ない。更に、トレーサビリティデータをタグ100とトレーサビリティDB360とに分散して管理するようにしてもよく、この場合には、ステップS3202を省略せず、分散して管理されているトレーサビリティデータを、トレーサビリティDB360から取得するようにすればよい。
また、上記実施形態では、常に提供可能情報一覧画面を生成して、端末200に送信するようにしていたが、本発明はこれに限られず、ステップS3203において情報提供仲介定義テーブル370から取得したレコードのうち、提供情報名が“広告”以外のものが1つ以下である場合には、CPU301は、ステップS3204、ステップS2103、ステップS2104、ステップS3205を省略し、すなわち提供可能情報一覧画面に係る処理を省略し、以降の情報画面に係る処理を行うようにしてもよい。なお、ステップS3203において情報提供仲介定義テーブル370から取得したレコードのうち、提供情報名が“広告”以外のものが無かった場合には、ステップS3208では、CPU301は、広告のみからなる情報画面を生成して端末200に送信する。
100 タグ、110 履歴情報生成装置、150 履歴情報生成装置、200 端末、201 CPU、202 メモリ、203 記憶装置、204 通信インタフェース、205 リーダ、206 入力装置、207 表示装置、210 情報アクセスプログラム、300 情報提供仲介装置、301 CPU、302 メモリ、303 記憶装置、304 通信インタフェース、305 入力装置、306 表示装置、310 トレーサビリティデータ管理プログラム、320 情報提供仲介プログラム、360 トレーサビリティDB、370 情報提供仲介定義テーブル、400 情報提供装置。