JP2008256124A - ビット係合穴付きねじ及び一群のビット係合穴付きねじとドライバビットとの組み合わせ並びにビット係合穴の形状寸法設定方法 - Google Patents

ビット係合穴付きねじ及び一群のビット係合穴付きねじとドライバビットとの組み合わせ並びにビット係合穴の形状寸法設定方法 Download PDF

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Abstract


【課題】 翼部係合溝に段部を成形するパンチ寿命を大幅に長くし、しかもファイバーフローの座屈等がなく、さらに食い付き性に優れた形状のビット係合穴付きねじを提供する。
【解決手段】ビット係合穴4が、軸部1の中心軸を通る中心軸線Nに沿って形成された中心穴部5と、中心穴部5から放射状に延びる複数の翼部係合溝6と、を備え、翼部係合溝6の溝端壁7が、中心穴部5の底部51に向かって中心軸線Nに近づく方向に傾斜する傾斜面部71と、傾斜面部71と傾斜段部72を介して接続され頭部頂面3aに向けて延びる平行部73と、を備え、傾斜段部72は、中心軸線Nに対して直交する直交線に対して外端部よりも内端部が深くなる方向に傾斜する構成となっている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、たとえば、十字穴等のドライバビットの放射状の翼部が係合する翼部係合溝を備えたビット係合穴付きねじ、及びサイズの異なる一群のビット係合穴付きねじとこれに用いられるドライバビットとの組み合わせ並びにビット係合穴の形状寸法設定方法に関する。
従来のこの種のビット係合穴付きねじとしては、たとえば、特許文献1に記載のような十字穴付きねじが知られている。
この十字穴付きねじは、図9に示すように、ねじ部が設けられた軸部101と、軸部の一端に設けられた頭部102とを有し、頭部頂面102aには締付け工具のビット200が係合するビット係合穴103が設けられている。ビット係合穴103は、中心軸線Nに沿って形成された中心穴部104と、中心穴部104から放射状に延びる複数の翼部係合溝105と、を備えている。
十字穴の場合、翼部係合溝105の放射方向端部に位置する溝端壁は中心穴部104の底部106に向かって中心軸線Nに近づく方向に傾斜させてビット200の翼部205の中心がビット係合穴103の中心に合致するように案内しているが、締め付けトルクが大きくなると、カムアウトが生じやすく、ビット係合穴103の形状がつぶれる欠点がある。
そこで、この特許文献1に記載の十字穴付きねじは、溝端壁を、中心穴部104の底部106に向かって中心軸線Nに近づく方向に傾斜する傾斜部111と、傾斜部111と段部112を介して接続され頭部頂面102aに向けて延びる平行部113と、を備えた構成とし、傾斜部111と平行部113に合致するような形状の翼部205を有する専用ドライバビット200によって、締め付けトルク増大を図ると共にカムアウトの防止を図っている。
しかしながら、この特許文献1に記載の十字穴付きねじは、段部112が中心軸線Nに対して直交する水平段部となっているので、ビット係合穴103を成型する際に、パンチの段部112に対応する箇所に加圧反力が集中し、パンチ寿命が短くなるという問題がある。さらに、傾斜部111から段部112を経て平行部113に急激に形状が変化するので、ファイバーフローが座屈する部分が生じやすい。特に、平行部113の途中で座屈する傾向があり、強度低下の問題があった。
また、平行部113の長さを長くすれば締め付けトルクをより大きくすることができるが、平行部113の長さを長くすると、ファイバーフローの座屈が生じやすく、また、首下部102aに近づくことになり、強度上、平行部113を長くするにも限界がある。
また、ビット係合穴103にビット200を係合する際に、ビット先端が水平の段部112に引っ掛かり、スムースに係合できないおそれもある。
さらに、平行部113が垂直(中心軸線と平行)なので、ドライバビットの食い付き性も悪いという問題があった。
特許第3863924号公報
本発明は、上記した従来技術の問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、係合溝にビットをスムーズに係合することができ、しかも成形する際のパンチ寿命を大幅に長くでき、ファイバーフローに座屈が生じない形状の段部を備えたビット係合穴付きねじを提供することにある。
また、他の目的とするところは、このビット係合穴付きねじの複数サイズのビット係合穴に対して一つのドライバビットで駆動することを可能とする一群のビット係合穴付きねじとこれに用いられるドライバビットとの組み合わせ並びにビット係合穴の形状寸法設定方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本請求項1に記載の発明は、ねじ部が設けられた軸部と、該軸部の一端に設けられた頭部とを有し、該頭部頂面にドライバビットが係合するビット係合穴が設けられ、該ビット係合穴は、軸部の中心軸線に沿って形成された中心穴部と、該中心穴部から放射状に延びる複数の翼部係合溝と、を備え、
該翼部係合溝は、放射方向端部に位置する溝端壁が、中心穴部の底部に向かって中心軸線に近づく方向に傾斜する傾斜部と、該傾斜部と段部を介して接続され頭部頂面に向けて延びる平行部と、を備えた構成のビット係合穴付きねじにおいて、
前記段部は、中心軸線に対して直交する直交線に対して中心軸線と反対側の外端部よりも中心軸線側の内端部が深くなる方向に傾斜する傾斜段部となっていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、傾斜段部の中心軸線と直交する直交線との傾斜角γを15°〜25°に設定したことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、前記平行部を、頭部頂面側に向かって中心軸線から離れる外開き方向に所定角度傾斜させたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、平行部の傾斜角δを3°〜7°に設定したことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、平行部の頭部頂面側の端部が傾斜部の延長線上に位置する構成となっていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、ビット係合穴は4つの翼部係合溝を備えた十字穴であり、傾斜部が日本工業規格JISB1012−1985に規定されるH形十字穴に準拠した規格形状であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の構成を有する異なるサイズの一群のビット係合穴付きねじとこのねじ群に用いられるドライバビットとの組み合わせであって、
各ねじサイズのビット係合穴の翼部係合溝については、傾斜部の形状寸法は各ねじサイズとも同一で、傾斜部の底部側の端部の頭部頂面からの深さはねじサイズが大きくなるにしたがって段階的に深くなっており、傾斜部の延長線と頭部頂面との交点を平行部の頭部頂面側の端部とすることにより、平行部の深さをねじサイズが大きくなるに従って段階的に大きくなるように設定し、
ドライバビットは、ビット係合穴の中心穴部に係合される基部と、ビット係合穴の翼部係合溝に係合する放射状の翼部とを備え、該翼部の外側面は、各ねじサイズのビット係合穴に共通の傾斜部に係合する翼部傾斜部と、該翼部傾斜部の傾斜延長線に沿って設けられ傾斜延長線から外側に張り出して各ねじサイズの翼部係合溝の平行部に係合する複数段の翼部平行部が設けられ、各翼部平行部は、一つ小さいねじサイズのビット係合穴の平行部より平行部の深さが増大した領域に対応して階段状に張り出す構成となっていることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかの項に記載の構成を有する異なるサイズの一群のビット係合穴付きねじとこのねじ群に用いられるドライバビットとの組み合わせであって、
各ねじサイズのビット係合穴の翼部係合溝については、傾斜部の形状寸法は各ねじサイズとも同一で、傾斜部の底部側の端部の頭部頂面からの深さはねじサイズが大きくなるにしたがって段階的に深くなっており、平行部の深さをねじサイズが大きくなるに従って段階的に大きくなるように設定され、
ドライバビットは、ビット係合穴の中心穴部に係合される基部と、ビット係合穴の翼部係合溝に係合する放射状の翼部とを備え、該翼部の外側面は、各ねじサイズのビット係合穴に共通の傾斜部に係合すると共に少なくとも最大サイズのビット係合穴の平行部の頭部頂面側の端部位置まで延びる傾斜側面となっており、該傾斜側面には各ねじサイズの翼部係合溝の平行部の頭部頂面側端部近傍部分と所定隙間を介して対向する翼部平行部を有する切り欠きが設けられていることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、ビット係合穴は4つの翼部係合溝を備えた十字穴であり、翼部係合溝の傾斜部の形状が日本工業規格JISB1012−1985に規定されるH形十字穴の形状に準拠した規格形状であることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項5に記載のビット係合穴付きねじのビット係合穴の形状寸法設定方法であって、
平行部の深さとカムアウトトルクの関係から、カムアウトトルクの変化がなくなる時点の深さに基づいて平行部の深さ寸法を決定し、
頭部頂面から傾斜部の底部側端部までの沈み深さとカムアウトトルクの関係から、カムアウトトルクが傾斜部のみで形成された翼部係合溝の場合のカムアウトトルクよりも大きくなる時点の沈み深さに基づいて沈み深さ寸法を決定することを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項5に記載の構成を有すると共に翼部係合部溝の傾斜部の底部側端部を通る円の直径寸法であるg寸法が同一のビット係合穴を用いる一群のビット係合穴付きねじのビット係合穴の形状寸法設定方法であって、
一群のねじサイズのうち、基準となるねじサイズに使用するビット係合穴の翼部係合溝の基準寸法形状を請求項10に記載の方法によって決定し、
その他のねじサイズに使用するビット係合穴の翼部係合溝の沈み深さについては、傾斜部を前記基準となる翼部係合溝の傾斜部の寸法形状と同一とし、請求項10に記載の方法で決定した深さの平行部の頭部頂面側の端部位置が傾斜部の延長線上に位置する形状となるように、予めねじサイズをパラメータとする算出式を求めておき、該算出式を用いて各ねじサイズのビット係合穴の沈み深さを決定し、
傾斜部の延長線と頭部頂面との交点から平行部の直線を底部に向けて伸ばし、基準となる傾斜部と傾斜段部との交点から傾斜段部の直線を伸ばし、前記平行部の直線と傾斜段部の直線の交点にて平行部の深さを決定することを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、ビット係合穴は4つの翼部係合溝を備えた十字穴であり、翼部係合溝の傾斜部の形状が日本工業規格JISB1012−1985に規定されるH形十字穴の形状に準拠した規格形状であり、
g寸法が同一の一群のねじサイズはM3乃至M5であって、
沈み深さを求める算出式は、沈み深さをq(mm)、ねじサイズをx(mm)とすると、
q=0.05x +0.27x+0.28
であることを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、傾斜部の底部側端部のg寸法は、2.09mmとなっていることを特徴とする。
請求項14に記載の発明は、ビット係合穴は4つの翼部係合溝を備えた十字穴であり、翼部係合溝の傾斜部の形状が日本工業規格JISB1012−1985に規定されるH形十字穴の形状に準拠した規格形状であり、g寸法が同一の一群のねじサイズはM6及びM8であって、
沈み深さを求める算出式は、沈み深さをq(mm)、ねじサイズをx(mm)とすると、
q=0.75x−1.42
であることを特徴とする。
請求項15に記載の発明は、傾斜部の底部側端部のg寸法は、3.48mmとなっていることを特徴とする。
請求項16に記載の発明は、翼部係合溝の互いに対向する溝側壁の平行部側の部分が、頭部頂面に向かって徐々に間隔が拡がる方向に傾斜する食い付き傾斜面となっていることを特徴とする。
本発明によれば、段部を傾斜段部としたので、ドライバビットを係合する際には、翼部は傾斜段部に案内されてその奥に位置にする傾斜部に係合する。
また、ビット係合穴を鍛造する際には、傾斜段部を成形するパンチ部分に作用する加圧反力は斜め方向に逃がされるので、パンチ寿命を大幅に長くすることができる。
ファイバフローも平行部から傾斜段部を経て傾斜部に連続的につながり、従来のように平行部の中途部においてファイバーフローが座屈する部分が無く、欠け,割れ等を防止することができる。
さらに、平行部の深さが同じであれば、傾斜段部が傾斜している分だけ従来の水平段部よりも翼部の係合代が大きくとることができ、平行部と傾斜部の両方に係合する専用ドライバビットを用いた場合の締め付けトルクをより大きくすることができる。
傾斜段部の傾斜角γについては、20°で30%程度鍛造時の成形反力を軽減することができ、それ以上の角度をつけて大きな応力の変化は見られなかった。あまり角度を大きくすると、傾斜部の長さが確保できなくなるので、請求項2に記載のように、15°〜25°程度とすることが好適である。
請求項3に記載のように、平行部を中心軸線に対して傾斜させることにより、食い付き性を向上させることができる。
また、平行部の傾斜角があまり大きいと、食い付き性がかえって悪くなるので、請求項4に記載のように、最大5°までの範囲が好適である。
請求項5に記載のビット係合穴付きねじによれば、傾斜部に係合する翼部傾斜部を備えたドライバビットと、平行部に係合する平行翼部を備えたビットの両方のビットと、傾斜部と平行部の両方に係合する特殊形状のドライバビットが使用できる。
特に、平行部の頭部頂面側の端部が傾斜部の延長線上に位置する構成としておけば、傾斜部のみのビット係合穴を有するねじと互換性を有し、傾斜部のみのドライバビットをそのまま利用することができ、また、翼部の傾斜部が平行部の端部に案内され、がたつきも防止できる。
請求項6に記載のように、ビット係合穴の傾斜部をJISB1012−1985に規定されるH形十字穴に準拠した規格形状部としたことにより、JIS形状のビットを使用することができ、汎用性の高いビット係合穴付きねじを実現できる。
請求項7に記載の発明によれば、ビット係合穴の沈み深さが大きくなっても、階段状に張り出す翼部平行部が、順次平行部に係合するので、平行部と傾斜部の両方を有する特殊形状の翼部係合溝に対して、一つのドライバビットで複数サイズのビット係合穴に対応することができる。
翼部係合溝の平行部に翼部平行部が係合することにより、カムアウトを防止することができ、係合代が大きくなることにより破壊トルクも大きくなる。
さらに、係合溝の平行部に翼部平行部が係合することにより、ねじに対して食い付き性がよく、使い勝手に優れたビット係合穴とビットの組み合わせを実現できる。
請求項8に記載の発明によれば、ビット係合穴の沈み深さが大きくなっても、翼部の傾斜側面に、各サイズの翼部係合溝の平行部と対向する部分に切り欠き部を設け、切り欠き部に平行部と所定隙間を介して対向する翼部平行部を形成したので、平行部と傾斜部の両方を有する特殊形状の翼部係合溝に対して、一つのドライバビットで対応することができる。
また、このドライバビットは、傾斜部と平行部を備えた特殊形状の翼部係合溝専用ではなく、張り出し部分が無いので、傾斜部のみの汎用的なビット係合穴に対しても使用可能であり、汎用性が高い。
請求項9に記載の発明によれば、ビット係合穴の傾斜部をJISB1012−1985に規定されるH形十字穴に準拠した規格形状部としたことにより、翼部係合溝が傾斜部と平行部を備えた特殊形状でありながらJISのドライバビットをそのまま用いることがで きる。
請求項10に記載の発明によれば、傾斜部と平行部の関係を合理的に決定することができる。すなわち、平行部の深さとカムアウトトルクの関係を検討したところ、深さを深くするにしたがってカムアウトトルクが大きくなるものの、ある深さからはカムアウトトルクの変化が小さくなることがわかった。この深さに基づいて、平行部の深さ寸法を設定する。
一方、傾斜部の底部側端部の深さである沈み深さとカムアウトトルクの関係について、傾斜部のみの翼部係合溝と対比して検討したところ、沈み深さが浅い場合は、カムアウトトルクはそれほど変わらず、ある深さに達した時点から、傾斜部と平行部を有する本発明の翼部係合溝の方がカムアウトトルクが大きくなることがわかった。この沈み深さに基づいて沈み深さ寸法を設定する。このようにすれば、平行部のカムアウト防止機能を、最大限に発揮させることができる。
請求項11に記載の発明によれば、g寸法が同一のビット係合穴を用いる一群のビット係合穴付きねじのビット係合穴の沈み深さについて、請求項10の方法で決定した深さの平行部の頭部頂面側の端部位置が傾斜部の延長線上に位置する形状となるように、予めねじサイズをパラメータとする算出式を求めておき、算出式を用いて各ねじサイズのビット係合穴の沈み深さを決定し、さらに平行部の深さを決定するようになっているので、基準となるサイズのビット係合穴を形状寸法を決定すれば、自動的に他のサイズのビット係合穴の形状寸法を決定することができる。
たとえば、請求項12に記載の発明のように、傾斜部がH形十字穴の形状に準拠した規格形状で、g寸法が同一の一群のねじサイズはM3乃至M5の場合、上記算出式のサイズとすれば、カムアウトトルクが最大の十字穴を備えたねじ群を提供することができる。
また、JISB4663の、汎用的なH型ねじ回しの2番のビットをそのまま利用することができる。
JIS規格の頭部形状のすべてに適用するためには、頭高さの最小値1.75mmの皿頭を満足する寸法に設定する必要がある。この皿頭の場合、最小断面比が20%以上が必要である。JISで定められている頭部形状のうち、皿頭がもっとも条件が厳しいが、傾斜部の底部側端部のg寸法を、請求項13に記載のように、JIS規格の2.286mmから2.09mmとすれば、口下アールとの距離を調整することができ、JISに規定されるすべての頭部形状について適用することができる。
請求項14に記載の発明によれば、傾斜部がH形十字穴の形状に準拠した規格形状で、g寸法が同一の一群のねじサイズはM6及びM8の場合、上記算出式とすれば、各サイズに最適の十字穴を備えたねじ群を提供することができる。
また、JISB4663の、汎用的なH型ねじ回しの3番のビットをそのまま利用することができる。
さらに、請求項15に記載の発明によれば、傾斜部の底部側端部のg寸法を3.48mmとすることにより、皿頭についても適用可能である。
請求項16に記載の発明によれば、翼部係合溝の互いに対向する溝側壁の平行部側の部分が、頭部頂面に向かって徐々に間隔が拡がる方向に傾斜する食い付き傾斜面となっているので、平行部の端壁側だけでなく、溝側壁についても食い付き性がよくなり、食い付き性の一層の向上を図ることができる。
以下に本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るビット係合穴付きねじを示している。
すなわち、このビット係合穴付きねじ1は、ねじが形成された軸部2と、軸部2の一端に設けられた頭部3とを有し、頭部頂面31に締め付け工具のビットが係合するビット係合穴4が設けられている。ビット係合穴4は十字穴で、軸部2の中心軸線Nに沿って形成された中心穴部5と、中心穴部5から放射状に延びる複数の翼部係合溝6と、を備えている。頭部形状はつば付きなべ頭形状となっているが、つばの無いなべ形、皿形、丸さら形、トラス形、バインド形等、種々の形状に適用可能である。
翼部係合溝6は、放射方向端部に位置する溝端壁が中心穴部5の穴底51に向かって中心軸線Nに近づく方向に傾斜する傾斜部71と、傾斜部71と傾斜段部72を介して頭部頂面31に向けて延びる平行部73とを有する形状となっている。
本実施の形態では、翼部係合溝6の傾斜部71は、日本工業規格JISB1012−1985に規定されるH形十字穴に準拠した形状となっており、傾斜部71の中心軸線Nに対する角度Aは、規格の通り、基準寸法が26°30′、許容差は0〜25′に設定される。
翼部係合溝6は中心穴部5側と頭部頂面31側に開いており、翼部係合溝6の左右両側に位置する溝側壁8は、ビットの翼部側面が係合してトルクが伝達される部分となる。溝側壁6の中心側開口縁8aは直線状に延びており、ビットの翼部が係合する溝側壁8の半径方向の係合幅は、傾斜部71の傾斜に応じて徐々に大きくなり、傾斜段部72から平行部73にかけて傾斜部71の延長線Mに対して係合幅が拡大している。
また、中心穴部5の中心軸線Nに対して直交する横断面形状は、翼部係合溝6の部分が角部位置となるような略四角形状で、隣合う翼部係合溝6の間に、所定幅の係合壁9が設けられている。この係合壁9は、中央部が中心軸線に向かって凸となるように若干屈曲する屈曲面となっている。この係合壁9も底部51に向かって中心軸線Nに近付く方向に傾斜する傾斜面となっており、ビットの翼部の間の谷部が嵌合するようになっている。この係合壁9の左右角部が溝側壁8の中心側開口縁8aとなっている。
また、中心穴部5の底部51は、所定角度傾斜する円錐面となっており、翼部係合溝6の下端及び係合壁9の下端と連続している。この底部51の円錐面の傾斜角Bも、JISB1012−1985に準拠した角度に設定されるもので、中心軸線Nと直交する直交線に対して基準寸法が28°、許容差が0〜1°に設定される。
一方、傾斜段部72は、中心軸線Nに対して直交する直交線Hに対して中心軸線Nと反対側の外端部よりも中心軸線側の内端部が深くなる方向に所定角度γだけ傾斜する傾斜面となっている。この傾斜段部72の角度γは、圧造する際の工具寿命を考慮して、15°〜25°程度とすることが好ましい。
平行部73は、中心軸線Nに対して頭部頂面31に向かって外開き方向に所定角度δだけ傾斜させた構成となっている。この平行部73の傾斜角δは、5°以下、好ましくは5°程度に設定することが好適である。また、平行部73の頭部頂面31側の端部73aは、図示例では、傾斜面部71の延長線M上に位置しており、対角位置にある平行部73の端部73a間のスパンが翼部長さmである。端部73aの位置は、延長線Mの真上に一致している必要はなく、延長線Mを基準にして、延長線Mより若干外側に位置していてもよい。
翼部係合溝6の互いに対向する溝側壁8の平行部73側の部分、図示例では傾斜段部72の幅で中心軸線と平行に延びる領域が、頭部頂面31に向かって徐々に間隔が拡がる方向に傾斜する食い付き傾斜面81となっている。図1(C)は、図1(B)の矢印に示すように、中心軸線Nに対して直交し翼部係合溝6を幅方向に二等分する翼部中心線V方向に見て、翼部中心線Vに対して直交する直交面に投影した図である。この投影図において、平行部73は、傾斜段部72側の溝幅n1よりも頭部頂面側の溝幅n2が大きく、左右側辺73c,73cは、頭部頂面から直交する垂直線N1(中心軸線Nと平行)に対して所定角度ρだけ傾斜している。
溝側壁8のJIS形状の傾斜部71側の溝幅も、底部側から頭部頂面31側に向かって徐々に間隔が拡がる方向に傾斜しているが、この傾斜部71の左右側辺71c,71cの垂直線N1との傾斜角度ηよりも平行73の傾斜角度ρの方が大きくなっている。
この実施例では、傾斜部71側の溝側壁の傾斜部側部分の傾斜角ηは4°程度であるのに対して、平行部73側の食い付き傾斜面81の傾斜角ρの好適な範囲は、9°±2°、より好ましくは9°に設定される。このようにすれば、平行部73の端壁側の傾斜角δと相俟って、対応する形状のビット翼部に対して、外側面側と左右側面側の2方向から食い付くので、食い付き性の優れた十字穴を実現することができる。
ビット係合穴4を圧造する際には、図2(A)に示すように、ビット係合穴4の翼部係合溝6に対応する十字形状のパンチ翼部301を備えた工具が用いられ、このパンチ翼部301をワークに押し込んでパンチ翼部301の形状に倣って翼部係合溝6が成形される。パンチ翼部301は、翼部係合溝6の傾斜部71を成形するためのパンチ翼部傾斜部302と、傾斜段部72を成形するためのパンチ翼部傾斜段部303と、平行部73を成形するためのパンチ翼部平行部304とを備えており、加圧時にワークからパンチ翼部傾斜段部303に作用する加圧反力は斜め方向に逃がされるので、パンチ寿命を大幅に長くすることができる。
FEM解析を行った結果、図2(C)に示すような水平段部303′に作用する加工反力P′は、5799[Mpa]であるのに対して、本発明の傾斜段部303としたものでは、角度20°で、4235[Mpa]と、30%軽減されることがわかった。
また、30°では4337[Mpa]、40°で4331[Mpa]と、大きな応力の変化は見られず、JIS形状の傾斜部71の長さを確保するためには、角度を小さくする必要があることから、20°程度とすることが好ましい。
また、成形後のファイバフローについても、図2(B)に示すように、平行部73から傾斜段部72を経て傾斜部71に連続的につながり、図2(D)に示す水平段部172を備えた従来例のように、平行部173の中途部に、ファイバーフローの座屈bによる欠け,割れ等の欠陥173aが生じることが無い。
本実施の形態の十字穴付きねじは、図3に示すように、傾斜部71に係合する傾斜翼部412を備えたJIS規格に準拠した汎用ビット410と、平行部73に係合する平行翼部421を備えたストレートビット420と、傾斜部71に係合する翼部傾斜部22と平行部73に係合する翼部平行部23を備えた特殊形状ビットの3種類のドライバビットが使用可能である。
傾斜翼部412を有する汎用ビット410は、図3(A)に示すように、JIS4633−1998に規定される規格形状で、中央の基部411から放射状に延びる4枚の傾斜翼部412を備え、傾斜翼部412の外側面412aが、先端に向かって中心軸線に近づく方向に傾斜している。
傾斜翼部412は翼部係合溝6の傾斜部71にしか係合しないが、平行部73の頭部頂面31側の端部73aが傾斜部71の延長線上に位置しているので、傾斜翼部412の外側面412aが平行部73の端部73aに案内され、ビットががたつかない。また、翼部係合溝6と傾斜翼部412の係合代は、平行部73があっても、通常のJIS規格の十字穴の場合と変わらない。
ストレートビット420は、図3(B)に示すように、平行翼部421の外側面421aが中心軸線Nと平行となっている。この場合、ビット420の平行翼部421が翼部係合溝6の平行部73に係合し、平行部73の内側面に接触して駆動トルクが伝達される。
この実施例では、平行部73が中心軸線に対して5°程度傾斜しているので、平行翼部421の外側面が平行部73の付け根側に食い込み、食い付き性を向上させることができる。さらに、この実施例では、係翼部係合溝6の内側壁8の平行部73側の部分に食い付き傾斜面81を設けているので、平行部73の端壁側の傾斜角δと相俟って、左右側面側の2方向から食い付くので、食い付き性が格段に向上している。
特殊形状ビット20は、図3(C)に示すように、中央の基部21から放射状に延びる4枚の翼部22を備えた構成で、翼部22は、翼部係合溝6の傾斜部71に係合する翼部傾斜部23と、傾斜段部72に係合する翼部傾斜段部24と、平行部73に係合する翼部平行部25を有する構成となっている。翼部傾斜部23の傾斜角度は翼部係合溝6の傾斜部71の傾斜角Aと同じである。また、翼部傾斜段部24の傾斜角についても傾斜段部24の傾斜角γと同一角度に設定される。
また、傾斜翼部22と傾斜翼部22の間の谷部26は、十字穴の係合壁9に係合する部分で、谷部25下端の径は、十字穴の係合壁下端の径bよりも若干大きく、食い付く構成となっている。
さらに、翼部平行部25についても、外側面が平行部73の付け根側に食い込み、食い付き性がよく、また、翼部平行部25の左右側面に対しては、内側壁8の食い付き傾斜面81が食い付くので、食い付きに優れた係合構造を実現できる。
十字穴4の傾斜段部72が傾斜している分だけ、平行部73の長さが同じであれば、水平段部よりも、翼部22の係合代が大きくなり、締め付けトルクをより大きくすることができる。
次に、図4には、異なるサイズの一群のビット係合穴付きねじとこのねじ群に用いられる共通のドライバビットとの組み合わせの構成例を示している。
この例では、一群のビット係合穴付きねじとして、M3、M4、M5の3つのサイズのねじ群と、M6以上のM6,M8の2つのサイズのねじ群とに分けられている。各ねじ群の区分は、基準となる傾斜部71の大きさ、具体的には底部側端部71aを通る円の直径がであるg寸法が相違する。
第1群のねじ群について説明すると、図4(F)に示すように、M3,M4,M5の各ねじサイズのビット係合穴の翼部係合溝について、傾斜部72の形状寸法が各ねじサイズとも同一となっている。
そして、傾斜部72の底部側の端部の頭部頂面31からの沈み深さqはねじサイズが大きくなるにしたがって段階的に深くなっており、傾斜部72の延長線Mと頭部頂面31との交点を平行部73の頭部頂面31側の端部73aとすることにより、平行部73の深さをねじサイズが大きくなるに従って段階的に大きくなるように設定している。
傾斜段部72の傾斜部71側の内端部は傾斜部71の上端位置で決まっているので、傾斜部71の延長線Mと頭部頂面31aとの交点を平行部73の頭部頂面31側の端部73aとすることにより、自動的に傾斜段部72及び平行部73の形状寸法が定まる。
一方、ドライバビット520は、図4(A)に示すように、ビット係合穴4の中心穴部5に係合される基部521と、ビット係合穴4の翼部係合溝6に係合する放射状の翼部522とを備えている。翼部522の外側面は、各ねじサイズのビット係合穴4に共通の傾斜部72に係合する翼部傾斜部523と、翼部傾斜部523の延長線Mに沿って設けられ延長線Mから外側に張り出して各ねじサイズの翼部係合溝の平行部73(M3),72(M4),72(M5)に係合する複数段の翼部平行部524(M3),524(M4),524(M5)が設けられている。各翼部平行部524(M3),524(M4),524(M5)は、一つ小さいねじサイズのビット係合穴の平行部より平行部の深さが増大した領域に対応して階段状に張り出す構成となっている。翼部平行部524(M3),524(M4),524(M5)と翼部傾斜部523間は、翼部傾斜段部525を介して接続されている。
M3サイズのねじにこのドライバビット520を使用した場合には、図4(C)に示すように、ビット係合穴4の傾斜部71にドライバビット520の翼部傾斜部523が係合すると共に、第1段の翼部平行部524(M3)が平行部73(M3)に係合し、カムアウトトルクが増大する。
M4サイズのねじに使用した場合には、図4(D)に示すように、ビット係合穴4の傾斜部71にドライバビット520の翼部傾斜部523が係合すると共に、翼部傾斜段部524が傾斜段部72に、第2段の翼部平行部524(M4)が平行部73(M4)に部分的に係合することになる。平行部73(M4)に対して全体的に係合しないが、径の大きい翼部平行部524(M4)が平行部73に嵌合するので、カムアウトトルク増大に寄与し、また、食い付き性もよい。また、第1段及び第2の翼部平行部524(M3),524(M3)が翼部係合溝の溝側面に係合するので、傾斜部のみのドライバビットに比較して接触面積が増大し、駆動トルクの増大を図ることができる。
M5サイズのねじに使用した場合には、図4(E)に示すように、ビット係合穴4の傾斜部71にドライバビット520の翼部傾斜部523が係合すると共に、第1段,第2段及び第3段の3つの翼部平行部531,532,533が平行部73(M5)に係合する。この場合も、平行部73(M5)に対して全体的に係合しないが、径の大きい第3段の翼部平行部533が平行部73(M5)に嵌合するので、カムアウトトルク増大に寄与し、また、食い付き性もよい。
翼部傾斜段部524が傾斜段部72に、第3段の翼部平行部524(M5)が平行部73(M5)に部分的に係合することになる。平行部73(M5)に対して全体的に係合しないが、径の大きい翼部平行部524(M5)が平行部73(M5)に嵌合するので、カムアウトトルク増大に寄与し、また、食い付き性もよい。また、第1乃至第3段の翼部平行部524(M3),524(M4),524(M5)が翼部係合溝の溝側面に係合するので、傾斜部のみのドライバビットに比較して接触面積が増大し、駆動トルクの増大を図ることができる。
このように、この特殊形状のドライバビット520を用いれば、平行部73と傾斜部71の両方に係合する特殊形状のビットでありながら、一つのドライバビット520で3つのサイズのねじに対応することができる。
次にM6以上のサイズのねじ群について説明する。
M6以上のサイズでは、図4(J)に示すように、ビット係合穴4の基準となる傾斜部71′の大きさを一段大きくしたものである。、傾斜部71′を一回り大きくしただけで、基本的な構成はM3〜M5のサイズのねじ群と同じである。
すなわち、ねじのビット係合穴4を構成する傾斜部71′の形状寸法を、M6,M8の各サイズのねじについて同一とし、各サイズのビット係合穴の沈み深さqに応じて、平行部73(M6),73(M8)を段階的に大きくしている。
ビット620は、図4(G),(H)に示すように、ビット係合穴4の中心穴部5に係合される基部621と、ビット係合穴4の翼部係合溝6に係合する放射状の傾斜翼部622とを備えている。傾斜翼部622の外側面には、M6,M8の各サイズのビット係合穴付きねじのビット係合穴4に共通の傾斜部71′に係合する翼部傾斜部622と、この翼部傾斜部622の延長線Mに沿って延長線Mから張り出して各サイズのねじのビット係合穴4の平行部73(M6),73(M8)に係合する2段の翼部平行部624(M6),624(M8)が設けられている。翼部平行部624(M6),624(M8)は、一つ小さいサイズのねじのビット係合穴の平行部の深さが増大した領域に対応して階段状に張り出す構成で、この例では、第2段の翼部平行部624(M8)は、一つ小さいM6サイズのビット係合穴の平行部73(M6)より平行部73(M8)の深さが増大した領域に対応して階段状に張り出す構成となっている。
図4(I)には、M8サイズのねじに使用した場合が示されている。
M8サイズのねじに使用した場合には、ビット係合穴4の傾斜部71にドライバビット620の翼部傾斜部622が係合すると共に、第2段の翼部平行部624(M8)が平行部73(M8)に係合する。この場合も、第2段の平行部73(M8)に対して全体的に係合しないが、径の大きな翼部平行部632が平行部73(M8)に嵌合するので、カムアウトトルク増大に寄与し、また、食い付き性もよい。また、第1乃至第2段の翼部平行部624(M6),624(M8)が翼部係合溝の溝側面に係合するので、傾斜部のみのドライバビットに比較して接触面積が増大し、駆動トルクの増大を図ることができる。
次に、上記各ねじ群のビット係合穴の形状寸法設定方法について説明する。
1)平行部73の深さ設定
・平行部の長さ違いによるカムアウトトルク変化
平行部73の深さ寸法rは、平行部73の深さとカムアウトトルクの関係から、カムアウトトルクの変化がなくなる時点の深さに基づいて平行部73の深さ寸法を決定する。
図5には、平行部73の長さの違いによる、M3、M4、M5の各サイズの十字穴のカムアウトトルクToの変化を示している。各サイズとも、ある深さからカムアウトトルクTo(3),To(4),To(5)の変化はなくなっている。この変化のなくなる時点の平行部深さrを、各サイズの平行部深さr3,r4,r5として決定する。
この例では、r3は0.70mm、r4は1.23mm、r5は1.84mmであった。
また、このときのカムアウトトルクTo(3),To(4),To(5)は、締め付けトルクT1(3),T1(4),T1(5)の3倍以上あり、通常の締め付けトルクではカムアウトは生じない。
2)JIS形状の傾斜部71におけるカムアウトトルク比較
M3サイズにおいて、沈み深さqを1.5mm以上とった時点で、本発明の傾斜部と平行部を備えた特殊形状の十字穴のカムアウトトルクが、JIS規格の傾斜部のみの十字穴よりも高くなっており、ドライバビットとの接触面積を大きくすることよりも平行部73を設けることで浮き上がり対策の効果が出ている。
3)沈み深さq寸法
M3サイズにおいて、カムアウトトルクから、沈み深さqは、1.5mm以上必要であり、JIS頭部形状にも使用できるようにq深さを設定する。
q深さを設定する際には、頭飛びを起こさないように、図4(C)に示すような、首下Rとの断面比を考慮する。
断面比は、傾斜部71の底部側端部71aと、頭部3の下面と軸部2との付け根部である首下Rとの間の距離をS、ヘッダーブランク径をDとすると、S/Dで計算されるもので、最小断面比が20%以上が要求される。JISに規定される頭部形状のすべてに適用するためには、頭高さの最小値1.75mmの「皿頭」を満足する寸法にする必要がある。
そこで、q深さを1.54mmとし、g寸法をJISに規定の2.286[mm]から2.09[mm]に変更し、首下Rとの距離Sを調整した。
これにより、皿頭の場合でも、最小断面比は、0.513/2.60で、20%となり、頭飛びのおそれはなくなる。また、q深さを1.54[mm]にした場合の翼部寸法mは、3.59[mm]となり、JISで規定されるなべ,皿,丸皿,バインドのm寸法、3.60〜3.80の範囲にあり、どの頭部形状についても対応可能である。
4)傾斜段部の角度設定
傾斜段部72の角度は、20°に設定されるが、図6(A)に示すように、平行部73の深さrを1mmにすると、q深さ1.54mmより深くなってしまうため、平行部の深さは0.7mmとする。
5)他サイズの寸法設定
・M4,M5
各サイズのq深さは次の算出式から算出する。
q[mm]=0.05x2 +0.27x+0.28
ここで、xはねじサイズである。
この算出式は、傾斜部71を、基準となるM3サイズの傾斜部71の寸法形状と同一とし、上記1)で求めた深さr4,r5の平行部73の頭部頂面側の端部73a位置が傾斜部71の延長線M上に位置する形状となるように、ねじサイズをパラメータとし、ねじサイズとq深さの関係式を求めたものである。
図7(A)は、このねじサイズxを横軸に、q深さを縦軸にとったグラフである。このグラフから関係式を求めた。
この関係式から算出したq深さのラインを頭部頂面とし、図6(B)に示すように、傾斜部71の延長線Mの交点C3,C4,C5を求め、交点C3,C4,C5から5°の直線を下に伸ばし、傾斜部71の上端から水平線に対してγ(この例では20°)の角度で延ばした直線Lとの交点D3,D4,D5を傾斜段部72と平行部73の角部とする。
これらM3,M4,M5サイズの十字穴はJISのH型十字穴のNo.2に対応する。
・M6,M8
このM6,M8サイズの十字穴はJISのH型十字穴のNo.3に対応するもので、M6,M8サイズの傾斜部71の寸法形状は同一である。十字穴の形状が大きくなるので、傾斜部71下端のg寸法は、No2と同じ比率で、JISに規定の3.81[mm]から3.48[mm]に変更する。
次に、各サイズのq深さ[mm]を次の算出式から算出する。
q[mm]=0.75x−1.42
No.3の場合、傾斜部71と平行部73の比率が、No.2の最小サイズM3と同じ比率となるように、傾斜部71と平行部73の寸法を算出する。比率は1.178であり、平行部73の長さ寸法に1.178を掛ければ、傾斜部71と傾斜段部72との交点が求まる。
傾斜段部72の傾斜角度γを20°とする。
No.2,No.3のドライバビット共に、傾斜段部72は傾斜部71の上端を始点とし、JISビットにおいても、締め付けられる形状となっている。内側になるとドライバビットが入らない。
このように、傾斜部71の大きさを一定としたので、q深さに対する平行部深さの割合は、段階的に大きくなっていくが、その割合は、図7(B)に示すように、No.2のドライバビットを用いる第1群のねじの十字穴では、45〜64%、No.3のドライバビットを用いる第2群のねじの十字穴では、45〜59%である。
図8には、異なるサイズの一群のビット係合穴付きねじと、このねじ群に用いられる締め付け工具用のビットとの組み合わせの他の実施の形態を示している。
ねじ群の構成は、上記組み合わせ構成例と同一であり、ドライバビットの構成のみが相違する。以下の説明では、ドライバビットの構成についてのみ説明するものとし、ビット係合穴付きねじの構成については、上記組み合わせ構成例と同一の符号を付して説明を省略するものとする。
ドライバビット720は、ビット係合穴4の中心穴部5に係合される基部721と、ビット係合穴4の翼部係合溝6に係合する放射状の翼部722とを備えた構成で、翼部722の外側面は、各ねじサイズのビット係合穴4に共通の傾斜部71に係合すると共に少なくとも最大サイズのM5のねじのビット係合穴71の平行部73の頭部頂面側の端部73a位置まで延びる傾斜部722aと、傾斜部722aに続くストレート部722bを備えている。
この翼部722の外側面には、M3,M4,M5各ねじサイズの翼部係合溝6の平行部73の頭部頂面側端部73a近傍部分と所定隙間を介して対向する3段の翼部平行部734(M3),734(M4),734(M5)が設けられている。
この実施例の場合には、M3,M4サイズに対応する翼部平行部734(M3),734(M4)は傾斜する外側面722aを部分的に切り欠いて構成され、最大のM5サイズに対応する翼部平行部734(M5)については、翼部のストレート部722bの傾斜部側の端部によって翼部平行部734(M5)を構成している。
M3サイズのねじにこのドライバビット720を使用した場合には、図8(C)に示すように、傾斜部71にドライバビット720の傾斜部722aが係合し、第1段の翼部平行部734(M3)が平行部73(M3)と微小隙間を隔てて係合する。若干隙間があるものの、カムアウトトルクの増大を図ることができ、また食い付き性も向上する。
平行部73と翼部平行部734との間に微小隙間が形成されるものの、平行部73の外側面側の食い付き性が若干落ちるが、翼部係合溝6の内側壁8に、平行部73に対応して食い付き傾斜面81が設けられているので、食い付き性は損なわれ無い。
M4サイズのねじに使用した場合には、図8(D)に示すように、傾斜部71にドライバビット720の傾斜部722aが係合すると共に、第2段の翼部平行部534(M4)が平行部73(M4)と微小隙間を隔てて係合する。この場合も、若干隙間があるものの、カムアウトトルクの増大を図ることができ、食い付き性も向上する。
M5サイズのねじに使用した場合には、図8(E)に示すように、傾斜部71にドライバビット720の傾斜部722aが係合すると共に、第3段の翼部平行部734(M5)が平行部73(M5)に微小隙間を介して係合する。この場合も、平行部73(M5)に対して全体的に係合しないが、カムアウトトルク増大に寄与し、また、食い付き性も向上する。
なお、この例では、M3〜M5サイズのNo.2の大きさのドライバビットに適用した場合について説明したが、M6,M8に適用されるNo.3のドライバビットについても同様に適用することができる。また、この特殊形状のドライバビット720は、このねじ群に使用するだけでなく、JIS規格で規定されている汎用的な十字穴に対しても使用可能であり、汎用性が高い。
また、この実施の形態では傾斜部72の延長線M上に平行部73の頭部頂面31側の端部を位置させる必要はなく、延長線Mよりも若干内側にして、翼部平行部734との隙間を小さくしてもよい。このようにすれば、食い付き性をより向上させることができる。
なお、上記各実施の形態では、ビット係合穴として翼部が係合する放射状の翼部係合溝が4つの十字穴を例にとって説明したが、十字穴に限るものではなく、たとえば、放射状の翼部係合溝が3つあるいは5つ以上有するものでもよい。
また、十字穴の翼部係合溝の形状について、傾斜段部より下方の部分をJIS規格に準拠した規格形状部としたが、JIS規格に準拠した形状でなくてもよく、要するに翼部係合溝の端壁部が、傾斜面部と平行部とを有する形状で、傾斜面部と平行部が傾斜段部でつながる形状となっていればよい。
図1は本発明の一実施例に係るビット係合穴付きねじを示すもので、同図(A)は穴形状部分を示す縦断面図、同図(B)はビット係合穴の平面図、同図(C)は同図(B)のC方向矢視図である。 図2(A)は図1の段部が傾斜した十字穴を成形するパンチ翼部の部分斜視図、図2(B)は同図(A)のパンチ翼部近傍のファイバーフロー状態を模式的に示す図、図2(C)は段部が水平の従来の十字穴を成形するパンチ翼部の部分斜視図、図2(D)は同図(C)のパンチ翼部近傍のファイバーフロー状態を模式的に示す図である。 図3は図1のビット係合穴付きねじの締付けに用いられる各種ビットを示すもので、同図(A)は傾斜翼部を備えた汎用ビットを用いる場合の模式図、同図(B)は平行翼部を備えたビットを用いる場合の模式図、同図(C)は張り出し部付き傾斜翼部を備えた専用ビットを用いる場合の模式図である。 図4は異なるサイズの一群の十字穴付きねじと、このねじ群に用いられる締め付け工具用のビットとの組み合わせの実施の形態を示すもので、(A)はM3乃至M5の第1群のねじに用いられるビットの構成を示す正面図、同図(B)はビットの底面図、同図(C)乃至(F)はM3乃至M5サイズのねじとビットの係合状態を示す図、同図(F)はM3乃至M5のねじ群の十字穴の寸法関係を示す説明図、同図(G)はM6,M8サイズの第2群のねじに用いられるビットの構成を示す正面図、同図(H)は同図(G)の底面図、同図(I)はM8サイズのねじとビットの係合状態を示す図、同図(J)はM6乃至M8のねじ群の十字穴の寸法関係を示す説明図である。 図5(A)は図4の第1群のねじに設けられる十字穴の平行部深さとカムアウトトルクの関係を示すグラフ、図5(B)はq深さとカムアウトルクの関係を示すグラフである。 図6(A)は平行部の深さと傾斜段部の傾斜角度の関係を示す図、図6(B)は平行部の作図例を示す図である。 図7(A)は図4及び図5に示した各ねじ群のねじサイズに応じたq深さとリセス深さの関係を示すグラフ、図7(B)は図4及び図5に示した各ねじ郡のねじサイズにおけるq深さに対する平行部深さの比率を示すグラフである。 図8は異なるサイズの一群の十字穴付きねじと、このねじ群に用いられる締め付け工具用のビットとの組み合わせの他の実施の形態を示すもので、同図(A)はビットの構成を示す正面図、同図(B)はビットの底面図、同図(C)乃至(E)はM3乃至M5サイズのねじとビットの係合状態を示す図である。 図9は従来の十字穴付きねじを示すもので、同図(A)は穴形状とビットの組み合わせ状態を示す断面図、同図(B)はねじ頭部の平面図である。
符号の説明
1 ビット係合穴付きねじ
2 軸部
3 頭部、31 頭部頂面
4 ビット係合穴
5 中心穴部、51 底部
6 翼部係合溝
7 溝端壁
71 傾斜部 、71 ′ 傾斜部
72 傾斜段部
73 平行部
72(M3),72(M4),72(M5) 平行部
72(M6),72(M8) 平行部

8 溝側壁、81 食い付き傾斜面
9 係合壁
A 傾斜部71の中心軸線Nに対する角度
M 傾斜部71の延長線
N 中心軸線
γ 傾斜段部74の傾斜角
δ 平行部73の傾斜角

20 ビット
21 基部
22 翼部
23 翼部傾斜部
24 翼部傾斜段部
25 翼部平行部
N1 中心線

300 パンチ
301 パンチ翼部
302 パンチ翼部傾斜部
303 パンチ翼部傾斜段部
304 パンチ翼部平行部

410 汎用ビット
411 基部
412 翼部
412a 翼部の外側面
420 平行ビット
421 平行翼部、421a 外側面

520 ビット
521 基部
522 翼部
523 翼部傾斜部
524(M3),524(M4),524(M5) 翼部平行部
525 翼部傾斜段部

620 ビット
621 基部
622 翼部
623 翼部傾斜部
624(M6),624(M8) 翼部平行部
625 翼部傾斜段部

720 ビット
721 基部
722 翼部
722a 傾斜部
722b ストレート部
734(M3),734(M4),734(M5) 翼部平行部

Claims (16)

  1. ねじ部が設けられた軸部と、該軸部の一端に設けられた頭部とを有し、該頭部頂面にドライバビットが係合するビット係合穴が設けられ、該ビット係合穴は、軸部の中心軸線に沿って形成された中心穴部と、該中心穴部から放射状に延びる複数の翼部係合溝と、を備え、該翼部係合溝は、放射方向端部に位置する溝端壁が、中心穴部の底部に向かって中心軸線に近づく方向に傾斜する傾斜部と、該傾斜部と段部を介して接続され頭部頂面に向けて延びる平行部と、を備えた構成のビット係合穴付きねじにおいて、
    前記段部は、中心軸線に対して直交する直交線に対して中心軸線と反対側の外端部よりも中心軸線側の内端部が深くなる方向に傾斜する傾斜段部となっていることを特徴とするビット係合穴付きねじ。
  2. 傾斜段部の中心軸線と直交する直交線との傾斜角γを15°〜25°に設定したことを特徴とする請求項1に記載のビット係合穴付きねじ。
  3. 前記平行部を、頭部頂面側に向かって中心軸線から離れる外開き方向に所定角度傾斜させたことを特徴とする請求項1又は2に記載のビット係合穴付きねじ。
  4. 前記平行部の傾斜角δを3°〜7°に設定したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの項に記載のビット係合穴付きねじ。
  5. 平行部の頭部頂面側の端部が傾斜部の延長線上に位置する構成となっている請求項1乃至4のいずれかの項に記載のビット係合穴付きねじ。
  6. ビット係合穴は4つの翼部係合溝を備えた十字穴であり、傾斜部が日本工業規格JISB1012−1985に規定されるH形十字穴に準拠した規格形状である請求項1乃至5のいずれかの項に記載のビット係合穴付きねじ。
  7. 請求項5に記載の構成を有する異なるサイズの一群のビット係合穴付きねじとこのねじ群に用いられるドライバビットとの組み合わせであって、
    各ねじサイズのビット係合穴の翼部係合溝については、傾斜部の形状寸法は各ねじサイズとも同一で、傾斜部の底部側の端部の頭部頂面からの深さはねじサイズが大きくなるにしたがって段階的に深くなっており、傾斜部の延長線と頭部頂面との交点を平行部の頭部頂面側の端部とすることにより、平行部の深さをねじサイズが大きくなるに従って段階的に大きくなるように設定し、
    ドライバビットは、ビット係合穴の中心穴部に係合される基部と、ビット係合穴の翼部係合溝に係合する放射状の翼部とを備え、該翼部の外側面は、各ねじサイズのビット係合穴に共通の傾斜部に係合する翼部傾斜部と、該翼部傾斜部の傾斜延長線に沿って設けられ傾斜延長線から外側に張り出して各ねじサイズの翼部係合溝の平行部に係合する複数段の翼部平行部が設けられ、各翼部平行部は、一つ小さいねじサイズのビット係合穴の平行部より平行部の深さが増大した領域に対応して階段状に張り出す構成となっていることを特徴とする一群のビット係合穴付きねじとドライバビットとの組み合わせ。
  8. 請求項1乃至4のいずれかの項に記載の構成を有する異なるサイズの一群のビット係合穴付きねじとこのねじ群に用いられるドライバビットとの組み合わせであって、
    各ねじサイズのビット係合穴の翼部係合溝については、傾斜部の形状寸法は各ねじサイズとも同一で、傾斜部の底部側の端部の頭部頂面からの深さはねじサイズが大きくなるにしたがって段階的に深くなっており、平行部の深さがねじサイズが大きくなるに従って段階的に大きくなるように設定され、
    ドライバビットは、ビット係合穴の中心穴部に係合される基部と、ビット係合穴の翼部係合溝に係合する放射状の翼部とを備え、該翼部の外側面は、各ねじサイズのビット係合穴に共通の傾斜部に係合すると共に少なくとも最大サイズのビット係合穴の平行部の頭部頂面側の端部位置まで延びる傾斜側面となっており、該傾斜側面には各ねじサイズの翼部係合溝の平行部の頭部頂面側端部近傍部分と所定隙間を介して対向する翼部平行部を有する切り欠きが設けられていることを特徴とする一群のビット係合穴付きねじとドライバビットとの組み合わせ。
  9. ビット係合穴は4つの翼部係合溝を備えた十字穴であり、翼部係合溝の傾斜部の形状が日本工業規格JISB1012−1985に規定されるH形十字穴の形状に準拠した規格形状である請求項7又は8に記載の一群のビット係合穴付きねじとドライバビットとの組み合わせ。
  10. 請求項5に記載のビット係合穴付きねじのビット係合穴の形状寸法設定方法であって、
    平行部の深さとカムアウトトルクの関係から、カムアウトトルクの変化がなくなる時点の深さに基づいて平行部の深さ寸法を決定し、
    頭部頂面から傾斜部の底部側端部までの沈み深さとカムアウトトルクの関係から、カムアウトトルクが傾斜部のみで形成された翼部係合溝の場合のカムアウトトルクよりも大きくなる時点の沈み深さに基づいて沈み深さ寸法を決定することを特徴とするビット係合穴の形状寸法設定方法。
  11. 請求項5に記載の構成を有すると共に翼部係合部溝の傾斜部の底部側端部を通る円の直径寸法であるg寸法が同一のビット係合穴を用いる一群のビット係合穴付きねじのビット係合穴の形状寸法設定方法であって、
    一群のねじサイズのうち、基準となるねじサイズに使用するビット係合穴の翼部係合溝の基準寸法形状を請求項10に記載の方法によって決定し、
    その他のねじサイズに使用するビット係合穴の翼部係合溝の沈み深さについては、傾斜部を前記基準となる翼部係合溝の傾斜部の寸法形状と同一とし、請求項10に記載の方法で決定した深さの平行部の頭部頂面側の端部位置が傾斜部の延長線上に位置する形状となるように、予めねじサイズをパラメータとする算出式を求めておき、該算出式を用いて各ねじサイズのビット係合穴の沈み深さを決定し、
    傾斜部の延長線と頭部頂面との交点から平行部の直線を底部に向けて伸ばし、基準となる傾斜部と傾斜段部との交点から傾斜段部の直線を伸ばし、前記平行部の直線と傾斜段部の直線の交点にて平行部の深さを決定することを特徴とするビット係合穴の形状寸法設定方法。
  12. ビット係合穴は4つの翼部係合溝を備えた十字穴であり、翼部係合溝の傾斜部の形状が日本工業規格JISB1012−1985に規定されるH形十字穴の形状に準拠した規格形状であり、
    g寸法が同一の一群のねじサイズはM3乃至M5であって、
    沈み深さを求める算出式は、沈み深さをq、ねじサイズをxとすると、
    q=0.05x +0.27x+0.28
    である請求項11に記載のビット係合穴の形状寸法設定方法。
  13. 傾斜部の底部側端部のg寸法は、2.09mmとなっている請求項12に記載のビット係合穴の形状寸法設定方法。
  14. ビット係合穴は4つの翼部係合溝を備えた十字穴であり、翼部係合溝の傾斜部の形状が日本工業規格JISB1012−1985に規定されるH形十字穴の形状に準拠した規格形状であり、
    g寸法が同一の一群のねじサイズはM6及びM8であって、
    沈み深さを求める算出式は、沈み深さをq、ねじサイズをxとすると、
    q=0.75x−1.42
    である請求項11に記載のビット係合穴の形状寸法設定方法。
  15. 傾斜部の底部側端部のg寸法は、3.48mmとなっている請求項14に記載のビット係合穴の形状寸法設定方法。
  16. 翼部係合溝の溝側壁の平行部側の部分が、頭部頂面に向かって徐々に拡がる方向に傾斜する食い付き傾斜面となっている請求項1乃至6のいずれかの項に記載のビット係合穴付きねじ。
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