JP2008256084A - 磁気軸受装置及び磁気軸受スピンドル装置 - Google Patents

磁気軸受装置及び磁気軸受スピンドル装置 Download PDF

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Abstract

【課題】製品コストを抑制しつつ軸受負荷を好適に求めることができる磁気軸受装置及び磁気軸受スピンドル装置を提供する。
【解決手段】制御装置は、一対のアキシャル電磁石及び一対のラジアル電磁石24aへ供給される励磁電流値(励磁電圧値)の差を求めるとともに、これら求められた差を係数倍してアキシャル方向及びラジアル方向における軸受負荷として出力する差動増幅回路43を備えてなる。励磁電流は、アキシャル電磁石及びラジアル電磁石24aに供給される定常電流と主軸の変位により変化する制御電流とからなる。アキシャル電磁石及びラジアル電磁石24aに対して定常電流を供給することにより非線形性をもつアキシャル電磁石及びラジアル電磁石24aの磁気吸引力が線形近似される。このため、一対の電磁石へ供給される励磁電流(励磁電圧)の値の差を求めて係数倍することにより、軸受負荷に対応する値が得られる。
【選択図】図6

Description

本発明は、例えば工作機械の主軸を非接触状態で支持する磁気軸受装置及び磁気軸受スピンドル装置に関するものである。
従来、研削装置、切削装置及びマシニングセンタ等の工作機械において、主軸の高速回転化などを目的として、主軸(スピンドル)を磁気軸受により非接触支持する磁気軸受スピンドル装置が多く使用されるようになってきている。このような磁気軸受スピンドル装置としては、例えば特許文献1に示されるように、スピンドルを1組のアキシャル磁気軸受と2組のラジアル磁気軸受とにより非接触支持するようにしたものが一般的である。
特開平10−29101号公報
前述したような磁気軸受スピンドル装置においては、異常診断等を行うために磁気軸受の軸受負荷を検出することが求められる。この軸受負荷を検出する方法としては、例えば圧電式の力センサを使用する方法がある。すなわち、図7に示すように、ワーク51を例えば圧電式の力センサが内蔵されたシュー(受け治具)52により受けた状態で支持する。力センサは、加工工具53によりワーク51が加工される際に当該ワーク51を通じてシュー52に作用する力を電気信号に変換し、当該変換した電気信号をワーク51の受ける力の検出信号として出力する。そして、マイクロコンピュータ等の制御装置は、力センサからの検出信号に基づきワーク51の受ける力を軸受負荷として求める。なお、当該手法は、主軸の支持手段として玉軸受等の転がり軸受を採用した転がりスピンドル装置にも多く採用されている。しかし、前述した圧電式の力センサは一般に高価であるため、製品コストの点で力センサを使用することなく磁気軸受の軸受負荷を求めることが望まれていた。
そこで、前述した力センサを使用することなく軸受負荷を検出する方法として、磁気軸受を構成する電磁石への供給電流に基づき磁気軸受に作用する負荷を求めることが考えられる。しかしこの場合には、電磁石への供給電流と当該電磁石の吸引力との関係は非線形であることから、電磁石への供給電流に基づき磁気軸受の軸受負荷を求めるためには複雑な演算が必要になる。このため、図8に示されるように、磁気軸受の制御装置61は、電磁石64への通電制御を通じて主軸62の浮上位置制御を行うPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)63に加え、増幅器65を通じて電磁石64へ供給される電流に基づき磁気軸受の軸受負荷を演算するボードコンピュータ66を備えて構成される。製品コストの観点からボードコンピュータ66の採用は好ましくないものの、PLC63では軸受負荷を求めるための前述した複雑な演算を行うことは困難であることからボードコンピュータ66を採用せざるを得ないという実状がある。このため、制御装置61の構成が複雑化するとともに、製品コストの低減化を阻害する一因となっていた。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、製品コストを抑制しつつ軸受負荷を好適に求めることができる磁気軸受装置及び磁気軸受スピンドル装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、回転体を磁気吸引力によってラジアル方向における中立位置に非接触状態で支持すべく当該回転体を間に挟んで対向配置される一対のラジアル電磁石を含むラジアル磁気軸受と、前記回転体を磁気吸引力によってアキシャル方向における中立位置に非接触状態で支持すべく当該回転体に設けられた回転部材を間に挟んで対向配置される一対のアキシャル電磁石を含むアキシャル磁気軸受と、前記回転体の中立位置に対するラジアル方向及びアキシャル方向への変位を検出して当該検出結果を当該回転体の変位情報として出力する変位検出手段と、前記変位検出手段を通じて取得される前記回転体の変位情報に基づき当該回転体をラジアル方向及びアキシャル方向における前記中立位置に保持すべく前記ラジアル電磁石及びアキシャル電磁石に一定の定常電流と前記回転体の変位によって変化する制御電流とからなる励磁電流を供給する制御手段とを備えてなる磁気軸受装置において、前記制御手段は、ラジアル方向において対向する一対のラジアル電磁石へ供給する励磁電流の値の差及びアキシャル方向において対向する一対のアキシャル電磁石へ供給する励磁電流の値の差を求めるとともに当該求めた差を係数倍した値をラジアル方向及びアキシャル方向における軸受負荷として求める演算手段を備えてなることをその要旨とする。
本発明によれば、一対のラジアル電磁石及び一対のアキシャル電磁石に対してそれぞれ定常電流を供給することにより、強い非線形性をもつラジアル電磁石及びアキシャル電磁石の吸引力が線形近似(1次関数に近似)される。この結果、磁気軸受系を線形システムとして扱うことができるとともに、線形制御理論による制御が可能になる。そして、この定常電流によるラジアル電磁石及びアキシャル電磁石の線形制御を利用して軸受負荷が求められる。すなわち、対向する一対のラジアル電磁石及び対向する一対のアキシャル電磁石へ供給される励磁電流の値の差をとり、係数倍すれば軸受負荷となる。このため、軸受負荷を求めるにあたって、制御手段の演算負荷が軽減される。したがって、複雑な演算を行うために高価なボードコンピュータを採用する必要がない。そして、ボードコンピュータに比べて一般に安価であるPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)のみでの軸受制御が可能となる。また、例えば一般に高価である圧電式の力センサを通じて軸受負荷を計測する場合と異なり当該力センサを設ける必要もない。したがって、製品コストを抑制しつつ簡素な演算により軸受負荷を好適に求めることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の磁気軸受装置において、前記演算手段は、前記一対のラジアル電磁石及び前記一対のアキシャル電磁石にそれぞれ対応して設けられる差動増幅回路を含み、これら差動増幅回路の反転入力端子及び非反転入力端子には、対応する前記一対のラジアル電磁石又は前記一対のアキシャル電磁石へ供給される励磁電流を入力する構成としたことをその要旨とする。
本発明によれば、一対のラジアル電磁石又は一対のアキシャル電磁石へ供給される励磁電流は差動増幅回路の反転入力端子及び非反転入力端子に入力される。これら反転入力端子及び非反転入力端子に入力された2つの電流の値の差は定められた増幅率で増幅されて軸受負荷として出力端子から出力される。このように、差動増幅回路といった簡素な構成により軸受負荷を簡単に求めることができる。
請求項3に記載の発明は、磁気軸受スピンドル装置において、工具又はワークが装着される回転体としての主軸が請求項1又は請求項2に記載の磁気軸受装置により非接触状態で支持されてなることをその要旨とする。
本発明によれば、製品コストを抑制しつつ簡素な演算により軸受負荷を好適に求めることができる磁気軸受装置を採用することにより、磁気軸受スピンドル装置の製品コストの低減化が図られる。
本発明によれば、製品コストを抑制しつつ軸受負荷を好適に求めることができる。
以下、本発明を、工作機械に搭載される磁気軸受スピンドル装置に具体化した一実施の形態を図1〜図6に基づいて説明する。
図1に示されるように、磁気軸受スピンドル装置11は図示しない工作機械の架台12の上面に配設されている。磁気軸受スピンドル装置11は制御装置13により制御される。磁気軸受スピンドル装置11のケーシング21の内部には、主軸(スピンドル)22が架台12の上面に対して水平に配設されている。この主軸22の中間部位における外周面には円環板状の鍔部材22aが外嵌固定されている。また、主軸22の外端部(図1における右端部)には、図示しない加工工具又はワークが取り付けられる。
ケーシング21の内部には、主軸22をアキシャル方向(軸方向)において非接触支持する1組のアキシャル磁気軸受23、及び主軸22をラジアル方向(半径方向)において非接触支持する左右2組のラジアル磁気軸受24,24が配設されている。アキシャル磁気軸受23は、2組のラジアル磁気軸受24,24の間に設けられている。なお、アキシャル方向は、XYZ座標系におけるZ軸方向に、同じくラジアル方向はX軸方向及びY軸方向に対応する。
アキシャル磁気軸受23は、ケーシング21の内周面に固定された2つの円環状のアキシャル電磁石23a,23a、及びケーシング21の内底面に主軸22の内端部(図1における左端部)に対向して固定されたアキシャル変位センサ23bを備えてなる。
2つのアキシャル電磁石23a,23aは、アキシャル方向において鍔部材22aを間に挟んで互いに対向するように配設されている。それらアキシャル電磁石23a,23aの鍔部材22a側の側面と主軸22の軸方向において鍔部材22aの互いに反対側に位置する2つの環状面との間には、所定の間隙(アキシャルギャップ)Gaxが形成されている。そして、アキシャル変位センサ23bによりアキシャル方向(Z軸方向)への変位を検出するとともに、当該検出結果に基づいて2つのアキシャル電磁石23a,23aの吸引力の調節が行われることにより、主軸22はアキシャル方向において浮上し、当該アキシャル方向における所定の中立位置に非接触状態で且つ安定して支持される。
図2に示されるように、1組のラジアル磁気軸受24は、ケーシング21の内周面に固定された4つのラジアル電磁石24a、及びこれらラジアル電磁石24aに対応して配設される4つのラジアル変位センサ24bを備えてなる。2対のラジアル電磁石24aは、互いに直交する2つのラジアル方向(XYZ座標系におけるX軸方向及びY軸方向)において主軸22を間に挟んで互いに対向するように設けられている。すなわち、4つのラジアル電磁石24aは、主軸22の回転方向において90度毎に配設されている。4つのラジアル電磁石24aの先端面には、主軸22の外周面の曲率に対応した円弧面24cが凹設されている。これら円弧面24cと主軸22の外周面との間には、所定の間隙(ラジアルギャップ)Grdが形成されている。そして、4つのラジアル変位センサ24bにより主軸22の互いに直交する2つのラジアル方向への変位を検出するとともに、これら検出結果に基づいて4つのラジアル電磁石24aの吸引力の調節が行われることにより、主軸22はラジアル方向において浮上し、当該ラジアル方向における所定の中立位置に非接触状態で且つ安定して支持される。
さらに、図1に示されるように、ケーシング21の内部において、ケーシング21の奥側に配設されたアキシャル電磁石23aと、同じく奥側に配設されたラジアル電磁石24aとの間には、主軸22を回転させる駆動源としてモータ25が組み込まれている。モータ25は、ケーシングの内周面に固定されるとともにコイルが巻回されたステータ、及び主軸22の外周面における当該ステータに対応する部位に設けられた図示しないマグネットロータを備えてなる公知の構成とされている。
<電気的構成>
次に、磁気軸受スピンドル装置11の電気的な構成について説明する。
図3に示すように、磁気軸受スピンドル装置11の制御装置13は、CPU(中央処理装置)31、ROM32(読み取り専用メモリ)及びRAM(読み取り書き込みメモリ)33を備えてなる。これらCPU31、ROM32及びRAM33は図示しないバスを介して相互に接続されている。ROM32には磁気軸受スピンドル装置11の各部を制御するための各種の制御プログラム等が格納されている。当該制御プログラムとしては、例えばアキシャル電磁石23a及びラジアル電磁石24aの通電制御を行う電磁石制御プログラムがあり、モータ25の駆動制御を行うモータ制御プログラムが含まれる場合もある。RAM33はROM32に格納された制御プログラムを展開してCPU31が各種の処理を実行するためのデータ記憶領域、すなわち作業領域である。そしてCPU31は、ROM32に格納された各種の制御プログラムに基づき磁気軸受スピンドル装置11を統括的に制御する。
CPU31には、1組のアキシャル磁気軸受23を構成する2つのアキシャル電磁石23a及び2組のラジアル磁気軸受24を構成する合計8つのラジアル電磁石24aが接続されている。また、CPU31には、1組のアキシャル磁気軸受23を構成するアキシャル変位センサ23b及び2組のラジアル磁気軸受24を構成する合計8つのラジアル変位センサ24bが接続されている。さらに、CPU31には、モータ25が図示しないモータ駆動回路を介して接続されている。なお、図3では、便宜上、アキシャル電磁石23a及びアキシャル変位センサ23b並びにラジアル電磁石24a及びラジアル変位センサ24bは、それぞれ1つだけ図示する。
アキシャル変位センサ23bは、主軸22のアキシャル方向における変位を検出し、その検出信号を主軸22のアキシャル方向における変位情報としてCPU31へ出力する。ラジアル変位センサ24bは、主軸22のラジアル方向における変位を検出し、その検出信号を主軸22のラジアル方向における変位情報としてCPU31へ出力する。これらアキシャル変位センサ23b及びラジアル変位センサ24bは、本発明の変位検出手段を構成する。
CPU31は、アキシャル変位センサ23b及びラジアル変位センサ24bを通じて取得した主軸22の変位情報に基づきアキシャル電磁石23a及びラジアル電磁石24aへの通電を制御し、これによりアキシャル電磁石23a及びラジアル電磁石24aの吸引力の調節を行う。
詳述すると、CPU31は、各アキシャル電磁石23a及び各ラジアル電磁石24a、正確にはそれらを構成する励磁コイルに対して、一定の定常電流と主軸22の変位に基づき値が変更される制御電流とからなる励磁電流を供給する。アキシャル方向において互いに対向する一対のアキシャル電磁石23a、及び互いに直交する2つのラジアル方向において互いに対向する一対のラジアル電磁石24aに供給される定常電流は、互いに等しく且つ主軸22の変位の有無にかかわらず一定の値とされる。
CPU31は、アキシャル変位センサ23b及びラジアル変位センサ24bを通じて取得した主軸22の変位情報に基づきアキシャル電磁石23a及びラジアル電磁石24aへ供給する制御電流を変化させる。互いに対向する一対のアキシャル電磁石23a及び互いに対向する一対のラジアル電磁石24aに供給される制御電流は、絶対値が等しく且つ符号(+、−)が反対とされる。すなわち、一方のアキシャル電磁石23a及びラジアル電磁石24aに供給される制御電流が正の値であるとき、他方のアキシャル電磁石23a及びラジアル電磁石24aに供給される制御電流は前述した一方のアキシャル電磁石23a及びラジアル電磁石24aに供給される制御電流と絶対値の等しい負の値とされる。
なお、アキシャル電磁石23a及びラジアル電磁石24aに対してバイアス電流として常に一定の定常電流が供給されることにより、アキシャル電磁石23a及びラジアル電磁石24aに供給される制御電流と磁気吸引力との関係が線形化される。
<制御電流と磁気吸引力との関係>
ここで、一対のアキシャル電磁石23a及びX軸方向において対向する一対のラジアル電磁石24aへ供給される制御電流と磁気吸引力との関係について説明する。なお、当該供給される制御電流と磁気吸引力との関係において、一対のアキシャル電磁石23a及びX軸方向において対向する一対のラジアル電磁石24aは、同様の関係を示す。このため、ここではX軸方向(図2における左右方向)において対向配置された一対のラジアル電磁石24a,24aへ供給される制御電流と磁気吸引力との関係について代表的に説明する。
<X軸方向及びZ軸方向>
図4に示されるグラフにおいて、横軸は、X軸正側(図2における右側)のラジアル電磁石24aへ供給される制御電流I1及びX軸負側(図2における左側)のラジアル電磁石24aへ供給される制御電流I2を示す。制御電流I1は、当該グラフの原点0を基準として右側が正、同じく左側が負とされている。制御電流I2は制御電流I1と絶対値が等しくて符号(正負)が逆であることから、当該制御電流I2は、同グラフの原点0を基準として左側が正、右側が負となる。また、当該グラフにおいて、縦軸は磁気吸引力Fを示す。磁気吸引力Fは原点0を基準として上側が正、同じく下側が負とされている。
磁気吸引力FについてX軸正側を正、X軸負側を負としたとき、磁気吸引力F1は正、磁気吸引力F2は負となる。そして、X軸正側のラジアル電磁石24aにおいては、制御電流I1が定常電流I0と絶対値の等しい負の値のときに磁気吸引力F1がゼロとなる。そして、制御電流I1が増加するにつれて磁気吸引力F1は二次関数的に増加する。
また、X軸負側のラジアル電磁石24aにおいては、制御電流I2が定常電流I0と絶対値の等しい負の値のときに、すなわち制御電流I1が定常電流I0と絶対値の等しい正の値のときに、磁気吸引力F2がゼロとなる。そして、制御電流I2が増加するにつれて、すなわち制御電流I1が減少するにつれて磁気吸引力F2の絶対値は二次関数的に増加する。
また、制御電流I1,I2がゼロのとき、励磁電流は定常電流I0に等しくなる。そして、X軸正側のラジアル電磁石24aの磁気吸引力F1はF0に、またX軸負側のラジアル電磁石24aの磁気吸引力F2は−F0になり、これら対向する一対のラジアル電磁石24aの全体の磁気吸引力Ftはゼロになる。そして、当該全体の磁気吸引力Ftは、原点0を通りX軸正側のラジアル電磁石24aの制御電流I1の増加に伴い増加する直線となる。すなわち、当該制御電流I1と全体の磁気吸引力Ftとは比例する。
CPU31は、図示しない公知のPID制御等を通じて、主軸22のX軸方向における変位に対応する一対のラジアル電磁石24a全体の磁気吸引力Ftを求め、この求めた磁気吸引力Ftに対応するX軸正側のラジアル電磁石24aの制御電流I1を求める。そして、CPU31は、当該制御電流I1に対応する制御電流信号Vo1をX軸正側のラジアル電磁石24aに、また当該制御電流I1と絶対値の等しい負の値となる制御電流−I1に対応する制御電流信号Vo2をX軸負側のラジアル電磁石24aに出力する。前述したように、X軸正側のラジアル電磁石24aの制御電流I1と、X軸正側及びX軸負側の一対のラジアル電磁石24aの全体の磁気吸引力Ftとは比例するので、当該全体の磁気吸引力Ftが求まれば、図4のグラフに示される前述した比例関係から簡単にX軸正側のラジアル電磁石24aの制御電流I1を求めることができる。
例えば、主軸22がX軸方向における中立位置からX軸負側へ微小変位した場合、これがラジアル変位センサ24bを通じて検出され、この検出結果に基づき主軸22を前記の中立位置に戻すようにX軸正側及びX軸負側の一対のラジアル電磁石24aに励磁電流が供給される。
すなわち、図4のグラフに示されるように、X軸正側のラジアル電磁石24aには、定常電流I0と正の値の制御電流Iaとを合わせた励磁電流(=I0+Ia)が供給される。この結果、当該励磁電流に対応するX軸正側へ向く磁気吸引力F1aがX軸正側のラジアル電磁石24aに発生する。また、X軸負側のラジアル電磁石24aには、定常電流I0と負の値の制御電流−Iaとを合わせた励磁電流(=I0−Ia)が供給される。この結果、当該励磁電流に対応するX軸負側へ向く磁気吸引力−F2aがX軸負側のラジアル電磁石24aに発生する。
ここで、X軸正側のラジアル電磁石24aの磁気吸引力F1aの絶対値は、X軸負側のラジアル電磁石24aの磁気吸引力−F2aの絶対値より大きいので、両者を合わせたX軸正側及びX軸負側の一対のラジアル電磁石24aの全体の磁気吸引力Ft=Faは正の値となる。このため、主軸22はX軸の正側へ、すなわち変位が小さくなる側へ吸引される。
主軸22が中立位置からX軸正側へ微小変位した場合は、前述の場合とは逆に、X軸正側及びX軸負側の一対のラジアル電磁石24aの全体の磁気吸引力Ftは負の値となる。そして、X軸正側のラジアル電磁石24aには当該全体の磁気吸引力Ftに比例する負の値の制御電流が供給され、X軸負側のラジアル電磁石24aにはX軸正側のラジアル電磁石24aに供給される制御電流と絶対値が等しい正の値の制御電流が供給される。
このようにX軸正側及びX軸負側の一対のラジアル電磁石24a,24aの制御電流が制御されることにより、主軸22はX軸方向における中立位置に保持される。なお、一対のアキシャル電磁石23a,23aへ供給される制御電流と磁気吸引力との関係についても、前述と同様である。
<Y軸方向>
次に、Y軸方向(図1における上下方向)において対向する一対のラジアル電磁石24a,24aに供給される制御電流と磁気吸引力との関係について説明する。
図5に示されるグラフにおいて、横軸はY軸正側(図1における上側)のラジアル電磁石24aへ供給される制御電流I1を示し、同グラフの原点0を基準として右側が正、左側が負である。Y軸負側(図1における下側)のラジアル電磁石24aへ供給される制御電流I2は正の値であって、Y軸正側のラジアル電磁石24aへ供給される負の値の制御電流I1と絶対値が等しい。このため、同グラフの横軸の原点0より左側の部分は、Y軸負側のラジアル電磁石24aの制御電流I2をも示している。そして、当該制御電流I2については、同グラフの原点0を基準として左側が正、右側が負である。
また、同グラフにおいて、縦軸は磁気吸引力Fを示し、原点0を基準として上側が正、下側が負である。Y軸正側のラジアル電磁石24aに供給される制御電流I1が定常電流I0と絶対値の等しい負の値−I0のときにY軸正側のラジアル電磁石24aの磁気吸引力F1はゼロとなる。この磁気吸引力F1は、制御電流I1の増加に伴って二次関数的に増加し、制御電流I1がゼロのときF0となる。Y軸正側のラジアル電磁石24aの制御電流I1が正である領域において、Y軸負側のラジアル電磁石24aの制御電流I2はゼロ、すなわちY軸負側のラジアル電磁石24aの磁気吸引力F2はゼロとなる。したがって、Y軸正側のラジアル電磁石24aの磁気吸引力F1がそのままY軸正側及びY軸負側の一対のラジアル電磁石24a,24a全体の磁気吸引力Ftとなる。
Y軸正側のラジアル電磁石24aの制御電流I1がゼロのとき、Y軸負側のラジアル電磁石24aの制御電流I2はゼロ、すなわちY軸負側のラジアル電磁石24aの磁気吸引力F2はゼロとなる。そして、Y軸正側のラジアル電磁石24aの制御電流I1が負である領域において、制御電流I1の減少(制御電流I2の増加)に伴って、Y軸負側のラジアル電磁石24aの磁気吸引力F2の絶対値は二次関数的に増加する。したがって、Y軸正側及びY軸負側の一対のラジアル電磁石24a,24a全体の磁気吸引力Ftは、制御電流I1がゼロで磁気吸引力F1がF0の点を通り制御電流I1の減少に伴って減少する直線となる。すなわち、当該制御電流I1と全体の磁気吸引力Ftとは比例する。
次に、主軸22のY軸方向への変位がゼロのとき、CPU31により求められる磁気吸引力F1の値はゼロ、すなわちこれに対応する制御電流I1,I2は共にゼロとなる。このため、CPU31からY軸正側のラジアル電磁石24aに供給される励磁電流は定常電流I0に等しくなるとともに、同じくY軸負側のラジアル電磁石24aに供給される励磁電流はゼロとなり、Y軸正側及びY軸負側の一対のラジアル電磁石24a,24a全体の磁気吸引力FtはF0となる。そして、この磁気吸引力F0が主軸22に作用する重力と釣り合うことにより、主軸22はY軸方向における中立位置に保持される。
主軸22がY軸負側に変位した場合、CPU31で演算される磁気吸引力Ftの値は正の値となる。すなわち、全体の磁気吸引力Ftは、前述した磁気吸引力F0に増分aを加えた値Faとなる。そして、CPU31は、Y軸負側のラジアル電磁石24aの制御電流I2の値をゼロとする。また、CPU31は、記憶している全体の磁気吸引力Ftと制御電流I1との関係から、磁気吸引力Faに対応するY軸正側のラジアル電磁石24aの制御電流Iaを求めて、当該Y軸正側のラジアル電磁石24aに供給する。これにより、Y軸正側のラジアル電磁石24aの励磁電流は(I0+Ia)となる。すなわち、当該Y軸正側のラジアル電磁石24aによる上向きの磁気吸引力Fa(=F0+a)が主軸22に作用する重力(=Fo)より大きくなるので、主軸22は全体として上向きの力を受ける。
主軸22がY軸正側に変位した場合、CPU31で演算される磁気吸引力の値は負の値となる。すなわち、全体の磁気吸引力Ftは、前述した磁気吸引力F0から減分bを引いた値Fbとなる。CPU31は、記憶している磁気吸引力Ftと制御電流I1との関係から、磁気吸引力Fbに対応する負の制御電流−Ibを求めて、当該Y軸負側のラジアル電磁石24aに供給する。また、CPU31は、当該制御電流Ibと絶対値の等しい正の制御電流IbをY軸負側のラジアル電磁石24aに供給する。これにより、Y軸正側のラジアル電磁石24aの励磁電流は(I0−Ib)、Y軸負側のラジアル電磁石24aの励磁電流はIbとなる。すなわち、Y軸正側及びY軸負側の一対のラジアル電磁石24a,24aによる上向きの磁気吸引力Fb(=F0−b)が主軸22作用する重力より小さくなり、主軸22は全体として下向きの力を受ける。
このようにY軸正側及びY軸負側の一対のラジアル電磁石24a,24aの制御電流が制御されることにより、主軸22はY軸方向における中立位置に保持される。
<軸受負荷の検出回路>
非接触型の軸受である磁気軸受の負荷容量は、例えば転がり軸受けに比べて一般に小さい。このため、何らかの原因で主軸22に大きな荷重がかかると、当該主軸22が磁気軸受に接触する等のおそれがある。このため、磁気軸受が搭載される工作機械等においては、当該軸受負荷に応じて磁気軸受及び当該軸受に支持される主軸等を好適に制御するために、当該軸受負荷を監視することが求められる。したがって、前述のように構成した磁気軸受スピンドル装置11の制御装置13には、前述した軸受負荷を求めるための演算手段が設けられている。当該演算手段は前述した定常電流(バイアス電流)によるアキシャル電磁石23a及びラジアル電磁石24aの線形制御を利用して軸受負荷を求めるべく構成されている。
すなわち、図6に示すように、CPU31と各アキシャル電磁石23a及び各ラジアル電磁石24aとの間には、それぞれ反転増幅回路が設けられている。同図では、説明の便宜上、一対のラジアル電磁石24a,24aに対応する一対の反転増幅回路41,42のみ図示する。これら反転増幅回路41,42の出力端子は、対応するラジアル電磁石24a,24aの励磁コイルC,Cを介して差動増幅回路43に接続されている。この差動増幅回路43が本発明の演算手段に相当する。
反転増幅回路41を構成する増幅器44の反転入力端子(−)は入力抵抗Rsを介してCPU31に、同じく非反転入力端子(+)はグランドに接続されている。さらに、入力抵抗Rsと増幅器44の反転入力端子(−)との接続点P1と、増幅器44の出力端子と励磁コイルCとの間の接続点P2との間には、帰還抵抗Rfが接続されている。反転増幅回路42は、前述した反転増幅回路41と同様の構成とされていることから、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
したがって、ラジアル電磁石24aの吸引力を制御すべくCPU31から出力される制御指令信号Vin1,Vin2は、入力抵抗Rsの抵抗値及び帰還抵抗Rfの抵抗値との比に基づく増幅率(=Rf/Rs)で増幅されることにより制御電流信号Vo1,Vo2とされる。そしてこれら制御電流信号Vo1,Vo2は増幅器44,44の出力端子を通じて励磁コイルC,Cに供給される(Vo1=−(Rf/Rs)Vin1、Vo2=−(Rf/Rs)Vin2)。この結果、当該励磁コイルCには制御電流I1,I2が生じる。
差動増幅回路43を構成する増幅器45の反転入力端子(−)は入力抵抗R1を介して、対をなす2つのラジアル電磁石24a,24aのうち一方のラジアル電磁石24aを構成する励磁コイルCの増幅器44と反対側の端部に接続されている。同じく増幅器45の非反転入力端子(+)は入力抵抗R2を介して、対をなす他方のラジアル電磁石24aを構成する励磁コイルCの増幅器44と反対側の端部に接続されている。入力抵抗R1と増幅器45の反転入力端子(−)との間の接続点P3と増幅器45の出力端子との間には、帰還抵抗R3が接続されている。また、入力抵抗R2と増幅器45の非反転入力端子(+)との間の接続点P4とグランドとの間には抵抗R4が接続されている。なお、2つの入力抵抗R1,R2の抵抗値は同じ値とされている(R1=R2)。また、帰還抵抗R3及び抵抗R4の抵抗値は同じ値とされている(R3=R4)。
ここで、一方の反転増幅回路41に対応するラジアル電磁石24aの励磁コイルCと差動増幅回路43の入力抵抗R1との接続点P5とグランドとの間には、抵抗R5が接続されている。他方の反転増幅回路42に対応するラジアル電磁石24aの励磁コイルCと差動増幅回路43の入力抵抗R2との接続点P6とグランドとの間には、抵抗R6が接続されている。このため、対をなす2つのラジアル電磁石24a,24aの励磁コイルCに供給された制御電流は、抵抗R5,R6を通じて電圧に変換されて増幅器45の反転流力端子(−)及び非反転入力端子(+)に入力される。
したがって、対をなす2つのラジアル電磁石24a,24aの励磁コイルC,Cに生じる励磁電流は、抵抗R5,R6の抵抗値に基づき所定の電圧値V1,V2に変換されて差動増幅回路43を構成する増幅器45の反転入力端子(−)及び非反転入力端子(+)に入力される。増幅器45は、これら電圧値V1,V2の差(V1−V2)を、帰還抵抗R3と入力抵抗R1との比に基づく増幅率(=R3/R1)で増幅して軸受負荷信号Vlとし、この軸受負荷信号Vlを、出力端子を通じてCPU31に出力する。
前述したように、対をなすラジアル電磁石24a,24aの磁気吸引力Fと制御電流I1,I2とは比例関係にあることから、対をなす2つのラジアル電磁石24a,24aへ供給される励磁電流(定常電流+制御電流)の値の差をとり、係数倍すれば磁気吸引力Fで示される軸受負荷に対応した結果(電流値)が得られる。本実施の形態では、対をなす2つのラジアル電磁石24a,24aへ供給される励磁電流に対応する電圧値(励磁電圧の値)V1,V2の差を求め、当該差(=V1−V2)を係数倍(ここでは、「R3/R1」倍)することにより軸受負荷の検出結果として当該軸受負荷に対応した値となる軸受負荷信号VlがCPU31に出力される。これは、一対のアキシャル電磁石23a,23a並びに二対を一組とする二組のラジアル電磁石24a,24aの各対のすべてにおいて同様である。
そして、CPU31は、一対のアキシャル電磁石23a,23a並びに複数対(本実施の形態では、八対)のラジアル電磁石24a,24aにそれぞれ対応して設けられた差動増幅回路43からの出力に基づき、一組のアキシャル磁気軸受23及び二組のラジアル磁気軸受24の負荷状態を判定する。そして、CPU31は当該負荷状態に応じて各アキシャル電磁石23a及びラジアル電磁石24aの磁気吸引力の制御、並びに主軸22の回転数制御等を行う。
<実施の形態の効果>
従って、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)制御装置13は、対をなす一対のアキシャル電磁石23a及び対をなす一対のラジアル電磁石24aへ供給される励磁電流に対応する電圧値V1,V2の差を求め、当該差(=V1−V2)を係数倍(「R3/R1」倍)することによりラジアル方向及びアキシャル方向における軸受負荷を求める演算手段として差動増幅回路43を備えてなる。なお、対をなす一対のアキシャル電磁石23a及び対をなす一対のラジアル電磁石24aへ供給される励磁電流に対応する電圧値の差を求めて当該差を係数倍することは、対をなす一対のアキシャル電磁石23a及び対をなす一対のラジアル電磁石24aへ供給される励磁電流の値の差を求めて当該差を係数倍することと同義である。
この構成によれば、一対のラジアル電磁石24a,24a及び一対のアキシャル電磁石23a,23aに対してそれぞれ定常電流を供給することにより、強い非線形性をもつアキシャル電磁石23a及びラジアル電磁石24aの磁気吸引力が線形近似(1次関数に近似)される。この結果、磁気軸受系を線形システムとして扱うことができるとともに、線形制御理論による制御が可能になる。そして、この定常電流によるラジアル電磁石24a及びアキシャル電磁石23aの線形制御を利用して軸受負荷が求められる。すなわち、対向する一対のラジアル電磁石24a,24a及び対向する一対のアキシャル電磁石23a,23aへ供給される励磁電流の値の差をとり、係数倍すれば軸受負荷(正確には、軸受負荷に対応する値)となる。
このため、軸受負荷を求めるにあたって、制御装置13、正確にはCPU31の演算負荷が軽減される。したがって、複雑な演算を行うために高価なボードコンピュータを採用する必要がない。そして、ボードコンピュータに比べて一般に安価であるPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)のみでの軸受制御も可能となる。また、例えば一般に高価である圧電式の力センサを通じて軸受負荷を計測する場合と異なり当該力センサを設ける必要もない。したがって、磁気軸受スピンドル装置11の製品コストを抑制しつつ簡素な演算により軸受負荷を好適に求めることができる。また、ボードコンピュータを搭載する必要がないので、その分、磁気軸受スピンドル装置11の省スペース化が図られる。
(2)差動増幅回路43の反転入力端子(−)及び非反転入力端子(+)には、対応する一対のラジアル電磁石24a,24a及び一対のアキシャル電磁石23a,23aへ供給される励磁電流が電圧値に変換されて入力される。これら反転入力端子(−)及び非反転入力端子(+)に入力された2つの電圧値の差は定められた増幅率で増幅されて差動増幅回路43の出力端子から出力される。制御装置13、正確にはCPU31は、この出力端子から出力される電圧値を軸受負荷として異常判定等を行う。このように、差動増幅回路43といった簡素な構成により軸受負荷(正確には、軸受負荷に対応する値)を簡単に求めることができる。
(3)磁気軸受スピンドル装置11において、工具又はワークが装着される回転体としての主軸22を一組のアキシャル磁気軸受23及び二組のラジアル磁気軸受24からなる磁気軸受装置により非接触状態で支持するようにした。
この構成によれば、製品コストを抑制しつつ簡素な演算により軸受負荷を好適に求めることができる磁気軸受装置を採用することにより、磁気軸受スピンドル装置11の製品コストの低減化が図られる。
<他の実施の形態>
尚、前記実施の形態は、次のように変更して実施してもよい。
・本実施の形態では、一対のアキシャル電磁石23a,23a及び一対のラジアル電磁石24a,24aに対して単一の差動増幅回路43を設けるようにしたが、複数個の差動増幅回路43を一体的に組み込んだ複数チャンネル(本例では、5チャンネル)を有する差動増幅装置を使用することも可能である。このようにしても、主軸22の両端部の互いに直交する2つのラジアル方向(X軸方向及びY軸方向)及びアキシャル方向(Z軸方向)への変位による軸受負荷を好適に求めることができる。
・本実施の形態では、一対のアキシャル電磁石23aの双方及び一対のラジアル電磁石24aの双方に定常電流(バイアス電流)を常時供給することによりアキシャル電磁石23a及びラジアル電磁石24aの磁気吸引力を線形近似して主軸22の空間位置制御を行うようにしたが、次のようにすることも可能である。すなわち、アキシャル電磁石23a及びラジアル電磁石24aに定常電流を供給する代わりに、永久磁石を使用してバイアスを与える線形制御方式を採用することも可能である。この構成によれば、アキシャル電磁石23a及びラジアル電磁石24aに定常電流を供給することなく、これら電磁石の線形制御を実現可能となる。また、アキシャル電磁石23a及びラジアル電磁石24aによる消費電力も抑制可能になる。
<他の技術的思想>
次に前記各実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
・回転体を磁気吸引力によってラジアル方向における中立位置に非接触状態で支持すべく当該回転体を間に挟んで対向配置される一対のラジアル電磁石を含むラジアル磁気軸受と、前記回転体を磁気吸引力によってアキシャル方向における中立位置に非接触状態で支持すべく当該回転体に設けられた回転部材を間に挟んで対向配置される一対のアキシャル電磁石を含むアキシャル磁気軸受と、前記回転体の中立位置に対するラジアル方向及びアキシャル方向への変位を検出して当該検出結果を当該回転体の変位情報として出力する変位検出手段と、前記変位検出手段を通じて取得される前記回転体の変位情報に基づき当該回転体をラジアル方向及びアキシャル方向における前記中立位置に保持すべく前記ラジアル電磁石及びアキシャル電磁石に一定の定常電流と前記回転体の変位によって変化する制御電流とからなる励磁電流を供給する制御手段とを備えてなる磁気軸受装置の軸受負荷検出方法において、ラジアル方向において対向する一対のラジアル電磁石へ供給する励磁電流値の差及びアキシャル方向において対向する一対のアキシャル電磁石へ供給する励磁電流値の差を求め、当該求められた差を係数倍することによりラジアル方向及びアキシャル方向における軸受負荷として求める磁気軸受装置の軸受負荷検出方法。本発明によれば、請求項1と同様の作用効果を得ることができる。
本実施の形態の磁気軸受スピンドル装置の概略構成を示す縦断面図。 図1の1−1線断面図。 同じく磁気軸受スピンドル装置の電気的な構成を示すブロック図。 同じくX軸方向において対向する一対のラジアル電磁石に供給される制御電流と電磁石の吸引力との関係を示すグラフ。 同じくY軸方向において対向する一対のラジアル電磁石に供給される制御電流と電磁石の吸引力との関係を示すグラフ。 同じく軸受負荷を検出する差動増幅回路の接続状態を示す回路ブロック図。 従来の軸受負荷を求めるための構成を示す工作機械の要部正面図。 従来の軸受負荷を求めるための電気的な構成をしめすブロック図。
符号の説明
11…磁気軸受スピンドル装置、13…制御装置(制御手段)、22…主軸(回転体)、23…磁気軸受装置を構成するアキシャル磁気軸受、23a…アキシャル電磁石、23b…変位検出手段を構成するアキシャル変位センサ、24…磁気軸受装置を構成するラジアル磁気軸受、24a…ラジアル電磁石、24b…変位検出手段を構成するラジアル変位センサ、43…差動増幅回路(演算手段)、F1,F2,Ft…磁気吸引力、I1,I2…制御電流。

Claims (3)

  1. 回転体を磁気吸引力によってラジアル方向における中立位置に非接触状態で支持すべく当該回転体を間に挟んで対向配置される一対のラジアル電磁石を含むラジアル磁気軸受と、
    前記回転体を磁気吸引力によってアキシャル方向における中立位置に非接触状態で支持すべく当該回転体に設けられた回転部材を間に挟んで対向配置される一対のアキシャル電磁石を含むアキシャル磁気軸受と、
    前記回転体の中立位置に対するラジアル方向及びアキシャル方向への変位を検出して当該検出結果を当該回転体の変位情報として出力する変位検出手段と、
    前記変位検出手段を通じて取得される前記回転体の変位情報に基づき当該回転体をラジアル方向及びアキシャル方向における前記中立位置に保持すべく前記ラジアル電磁石及びアキシャル電磁石に一定の定常電流と前記回転体の変位によって変化する制御電流とからなる励磁電流を供給する制御手段とを備えてなる磁気軸受装置において、
    前記制御手段は、ラジアル方向において対向する一対のラジアル電磁石へ供給する励磁電流の値の差及びアキシャル方向において対向する一対のアキシャル電磁石へ供給する励磁電流の値の差を求めるとともに当該求めた差を係数倍した値をラジアル方向及びアキシャル方向における軸受負荷として求める演算手段を備えてなる磁気軸受装置。
  2. 請求項1に記載の磁気軸受装置において、
    前記演算手段は、前記一対のラジアル電磁石及び前記一対のアキシャル電磁石にそれぞれ対応して設けられる差動増幅回路を含み、これら差動増幅回路の反転入力端子及び非反転入力端子には、対応する前記一対のラジアル電磁石又は前記一対のアキシャル電磁石へ供給される励磁電流を入力する構成とした磁気軸受装置。
  3. 工具又はワークが装着される回転体としての主軸が請求項1又は請求項2に記載の磁気軸受装置により非接触状態で支持されてなる磁気軸受スピンドル装置。
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