JP2010144774A - 制御型磁気軸受装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 アキシアル変位センサとアキシアル磁気軸受の位置が離れていても、主軸の熱膨張によりアキシアル電磁石の制御が不安定になることがない制御型磁気軸受装置を提供する。
【解決手段】 制御型磁気軸受装置は、回転体3が制御型アキシアル磁気軸受4および制御型ラジアル磁気軸受5,6によりハウジング2内に非接触支持されて回転させられるようになされており、回転体3の一端寄りの部分のアキシアル方向の変位を検出するアキシアル変位センサ24がハウジング2に設けられ、アキシアル磁気軸受4が、回転体3の他端側のフランジ状部分16に対向するように配置されてアキシアル変位センサ24の出力に基づいて励磁電流が制御される前後1対のアキシアル電磁石17a,17bを備えているものである。1対のアキシアル電磁石が、ハウジング2に対して軸方向に移動しうるように支持されており、回転体3のフランジ状部分16の熱変位に応じて1対のアキシアル電磁石を軸方向に移動させるアクチュエータ20が設けられている。
【選択図】 図1

Description

この発明は、たとえば研削装置などの主軸である回転体を制御型磁気軸受で非接触支持して回転させる制御型磁気軸受装置に関する。
研削装置などの工作機械では、主軸の高速回転化を図るために、主軸を制御型磁気軸受で非接触支持して回転させる制御型磁気軸受装置が用いられることがある。
このような制御型磁気軸受装置として、次のようなものが知られている。
前後方向にのびる主軸が、1組のアキシアル磁気軸受および前後2組のラジアル磁気軸受によりハウジング内に非接触支持されて、ビルトイン型電動機により高速回転させられるようになっており、ハウジングから突出した主軸の前端部に研削砥石が取り付けられる。アキシアル磁気軸受は、主軸をアキシアル制御軸方向に非接触支持するもので、主軸のフランジ状部分に対向する前後1対のアキシアル電磁石を備えている。各ラジアル磁気軸受は、主軸を互いに直交する2つのラジアル制御軸方向に非接触支持するもので、主軸を2つのラジアル制御軸方向の両側から挟むように配置された2対のラジアル電磁石を備えている。ハウジングには主軸のアキシアル制御軸方向の変位を検出するためのアキシアル変位センサが設けられ、主軸のアキシアル制御軸方向の変位に基づいて1対のアキシアル電磁石に供給する励磁電流を制御することにより、主軸がアキシアル制御軸方向の所定の浮上目標位置に非接触支持される。ハウジングには、各ラジアル磁気軸受の近傍における主軸の2つのラジアル制御軸方向の変位を検出するためのラジアル変位センサが設けられ、主軸のラジアル制御軸方向の変位に基づいて各ラジアル磁気軸受の2対のラジアル電磁石に供給する励磁電流を制御することにより、主軸が2つのラジアル制御軸方向の所定の浮上目標位置に非接触支持される。
また、アキシアル変位センサの他に熱変位検出センサを設け、熱変位に基づいてアキシアル制御軸方向の浮上目標位置を変化させて、主軸の熱膨張による工具の熱変位を補正するようにした制御型磁気軸受装置が提案されている(たとえば特許文献1参照)。
特開昭63−4153号公報
主軸の前端部に取り付けられた研削砥石の外周面で研削が行われ、それにより砥石および主軸がラジアル方向の負荷を受ける研削装置に使用される制御型磁気軸受装置の場合、砥石が取り付けられる主軸前端部の熱変位を小さくすること、および主軸前端部の径方向の動剛性を高くすることが必要となり、その条件を満たすために、主軸の軸方向位置決めの基準となるアキシアル変位センサを砥石に最も近い主軸前端寄りの部分に配置し、前側のラジアル磁気軸受を砥石からの距離が最短となる主軸前端寄りの部分に配置することが考えられる。そうすると、アキシアル磁気軸受は、ラジアル磁気軸受の後方の主軸後端寄りの部分に配置されることになり、アキシアル磁気軸受と、その位置決めの基準となるアキシアル変位センサの位置が前後に離れることになる。
上記の配置を採用した場合、主軸の熱膨張による主軸前端部の熱変位は小さくなるが、主軸の熱膨張により、フランジ状部分に熱変位が生じ、アキシアル磁気軸受における前後のアキシアル電磁石とフランジ状部分とのギャップが変動する。たとえば、アキシアル変位センサとアキシアル磁気軸受の距離が400mmで、温度差が40℃の場合、フランジ状部分の熱変位は0.1mm以上になる。そして、このようにアキシアル電磁石と主軸のフランジ状部分のギャップが変動すると、アキシアル磁気軸受による主軸の位置制御が不安定になるという問題が生じる。
この発明の目的は、上記の問題を解決し、アキシアル変位センサとアキシアル磁気軸受の位置が離れていても、主軸の熱膨張によりアキシアル電磁石の制御が不安定になることがない制御型磁気軸受装置を提供することにある。
この発明による制御型磁気軸受装置は、回転体が制御型アキシアル磁気軸受および制御型ラジアル磁気軸受によりハウジング内に非接触支持されて回転させられるようになされており、回転体の一端寄りの部分のアキシアル方向の変位を検出するアキシアル変位センサがハウジングに設けられ、アキシアル磁気軸受が、回転体の他端側のフランジ状部分に対向するように配置されてアキシアル変位センサの出力に基づいて励磁電流が制御される前後1対のアキシアル電磁石を備えている制御型磁気軸受装置において、1対のアキシアル電磁石が、ハウジングに対して軸方向に移動しうるように支持されており、回転体のフランジ状部分の熱変位に応じて1対のアキシアル電磁石を軸方向に移動させるアクチュエータが設けられていることを特徴とするものである。
アクチュエータは、回転体のフランジ状部分の熱変位と同じ方向に同じ量だけアキシアル電磁石を移動させる。それにより、回転体のフランジ状部分と1対のアキシアル電磁石のギャップがほぼ一定に保たれ、主軸の熱膨張によって主軸の位置制御が不安定になることがない。
回転体のフランジ状部分の熱変位は、たとえば、ハウジングに設けられた熱変位センサでフランジ状部分あるいはその近傍の回転体の軸方向の位置を検出することにより求めることができる。また、1対のアキシアル電磁石の励磁電流の変化を検出することにより求めることもできる。さらに、回転体あるいはハウジングの所定部分の温度を検出することにより求めることもできる。
この発明の制御型磁気軸受装置において、たとえば、アキシアル電磁石支持部が、ハウジングに一体に形成されるかまたは固定されており、1対のアキシアル電磁石が、アキシアル電磁石支持部に対して軸方向に移動しうるように支持され、1対のアキシアル電磁石の間に、これらの軸方向相互間隔を一定に保持するためのスペーサが挟まれ、一方のアキシアル電磁石とアキシアル電磁石支持部の間に、このアキシアル電磁石を他方のアキシアル電磁石側に付勢する弾性部材が設けられ、上記他方のアキシアル電磁石とアキシアル電磁石支持部の間に、ピエゾアクチュエータが設けられている。
この場合、1対のアキシアル電磁石は、弾性部材の弾性力により、スペーサを挟んだ状態で、弾性部材とピエゾアクチュエータの間に保持されている。ピエゾアクチュエータに印加する電圧を変化させることにより、ピエゾアクチュエータが伸縮し、1対のアキシアル電磁石の位置が変化する。
弾性部材には、ピエゾアクチュエータとの間に1対のアキシアル電磁石を強固に保持するために、高い剛性が要求される。弾性部材としては、たとえば剛性の高いばねなどが用いられる。
この発明の制御型磁気軸受装置によれば、上記のように、アキシアル変位センサとアキシアル磁気軸受の位置が離れていても、主軸の熱膨張によって回転体のフランジ状部分とアキシアル電磁石のギャップがほとんど変化することがなく、アキシアル電磁石の制御が不安定になることがない
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。
図1は研削装置の主要部であるスピンドルユニットの部分を示す縦断面図であり、同図の上下が上下である。また、以下の説明において、図1の左側を前、右側を後とし、後から前を見たときの左右を左右とする。図2は図1のII−II線の断面図(横断面図)、図3は磁気軸受装置の電気的構成の主要部を示すブロック図である。
図示は省略したが、スピンドルユニット(1)は、適宜な駆動装置により、ワークに対して前後方向および左右方向に相対的に移動させられ、所望の位置に位置決めされる。スピンドルユニット(1)の移動および位置決めは、たとえば、公知の数値制御装置により制御される。
スピンドルユニット(1)は、水平なハウジング(2)の内側で水平な回転体である主軸(砥石軸)(3)が回転する横型のものであり、主軸(3)の向きが前後方向となるように配置されている。主軸(3)の前部はハウジング(2)から前方に突出し、その前端部に工具である研削砥石(G)が固定されるようになっている。この例では、砥石(G)の外周面で研削加工が行われ、主軸(3)が径方向の負荷を受けるようになっている。
主軸(3)の軸方向(アキシアル方向)すなわち前後方向の制御軸(アキシアル制御軸)をZ軸、Z軸と直交するとともに互いに直交する2つの径方向(ラジアル方向)の制御軸(ラジアル制御軸)のうち、左右方向の制御軸をX軸、上下方向の制御軸をY軸とする。
スピンドルユニット(1)には、主軸(3)を軸方向に非接触支持する1組の制御型アキシアル磁気軸受(4)、主軸(3)を径方向に非接触支持する前後2組の制御型ラジアル磁気軸受(5)(6)、主軸(3)の軸方向および径方向の変位を検出するための変位検出部(7)、主軸(3)を高速回転させるためのビルトイン型電動機(8)、主軸(3)の回転数を検出するための回転センサ(9)、ならびに主軸(3)の軸方向および径方向の可動範囲を規制して主軸(3)を磁気軸受(4)(5)(6)で支持していないときに主軸(3)を機械的に支持する前後2組のタッチダウン軸受(10)(11)が設けられている。
スピンドルユニット(1)には、磁気軸受(4)(5)(6)および電動機(8)を制御するためのコントローラ(12)がケーブルを介して電気的に接続されており、スピンドルユニット(1)とコントローラ(12)により、ハウジング(2)に対して主軸(3)を非接触支持して回転させる制御型磁気軸受装置が構成されている。スピンドルユニット(1)は磁気軸受装置の機械本体、コントローラ(12)は磁気軸受装置の制御手段である。
変位検出部(7)は、主軸(3)の軸方向の変位を検出するための1組のアキシアル変位センサユニット(13)、および主軸(3)の径方向の変位を検出するための前後2組のラジアル変位センサユニット(14)(15)を備えている。
アキシアル磁気軸受(4)は、砥石(G)から離れた主軸(3)の後端側(この例では後端部)のフランジ状部分(16)をZ軸方向の両側から挟むように配置された前後1対の環状アキシアル電磁石(17a)(17b)を備えている。アキシアル電磁石は、符号(17)で総称する。1対のアキシアル電磁石(17)は、次のように、一定の間隔を保持した状態でハウジング(2)に対して軸方向に移動しうるように支持されている。ハウジング(2)の後端部内周に、アキシアル電磁石支持部を構成する支持筒体(18)が固定されている。筒体(18)の前端および後端には、内向きに少し張り出した環状張出部(18a)(18b)が一体に形成されている。1対のアキシアル電磁石(17)が筒体(18)の内周に軸方向に摺動しうるようにはめられ、同様に筒体(18)の内周にはめられた環状スペーサ(19)が前後のアキシアル電磁石(17)の間に挟まれている。後側アキシアル電磁石(17b)と後側張出部(18b)との間に複数のピエゾアクチュエータ(20)が挟まれ、前側アキシアル電磁石(17a)と前側張出部(18a)との間に複数の弾性部材であるばね(21)が挟まれている。アクチュエータ(20)およびばね(21)は、円周方向に等間隔をおいた複数箇所(この例では4箇所)の同一直線上に、軸方向に互いに対向するように配置されている。ばね(21)は、前側アキシアル電磁石(17a)を後側に付勢して、前後のアキシアル電磁石(17)をアクチュエータ(20)およびスペーサ(19)とで挟み止める。アクチュエータ(19)は、後述するように印加電圧により伸縮して、前後のアキシアル電磁石(17)を前後方向に移動させる。そして、前後のアキシアル電磁石(17)は、アクチュエータ(19)の長さによって決まる前後方向の位置に保持される。筒体(18)の内周面およびアキシアル電磁石(17)の外周面を平滑にして、摩擦係数を小さくするのが望ましい。
この例では、フランジ状部分(16)は、主軸(3)の後端面に図示しないねじなどで固定された円板状の固定部材(23)により主軸(3)に固定されているが、フランジ状部分は主軸(3)に一体に形成されていてもよい。
アキシアル変位センサユニット(13)は、砥石(G)にできるだけ近い主軸(3)の前端寄りの部分の軸方向の変位を検出するためのものであり、円周方向に等間隔をおいて配置された複数個(この例では4個)のアキシアル変位センサ(24)を備えている。ハウジング(2)より少し前方の主軸(3)の外周に円板状ターゲット(25)が固定されており、各アキシアル変位センサ(24)は、ターゲット(25)の後面に対向するように配置され、該面との距離(空隙)に比例する距離信号を出力する。
前側のラジアル磁気軸受(5)は砥石(G)にできるだけ近い主軸(3)の前端寄りの外周に対向する位置に、後側のラジアル磁気軸受(6)は砥石(G)から離れたアキシアル磁気軸受(4)の前側の主軸(3)の外周に対向する位置にそれぞれ配置されている。前側のラジアル磁気軸受(5)は、主軸(3)をX軸方向の両側から挟むように配置された左右1対のラジアル電磁石(26a)(26b)、および主軸(3)をY軸方向の両側から挟むように配置された上下1対のラジアル電磁石(26c)(26d)を備えている。これらのラジアル電磁石は、符号(26)で総称する。同様に、後側のラジアル磁気軸受(6)も、2対のラジアル電磁石(27a)(27b)(27c)(27d)を備えている。これらのラジアル電磁石も、符号(27)で総称する。
前側のラジアル変位センサユニット(14)は、前側のラジアル磁気軸受(5)のすぐ前側に配置されており、X軸方向の電磁石(26a)(26b)の近傍においてX軸方向の両側から主軸(3)を挟むように配置された左右1対のラジアル変位センサ(28a)(28b)、およびY軸方向の電磁石(26c)(26d)の近傍においてY軸方向の両側から主軸(3)を挟むように配置された上下1対のラジアル変位センサ(28c)(28d)を備えている。これらのラジアル変位センサは、符号(28)で総称する。後側のラジアル変位センサユニット(15)は、後側のラジアル磁気軸受(6)のすぐ後側に配置されており、同様に、2対のラジアル変位センサ(29a)(29b)(29c)(29d)を備えている。これらのラジアル変位センサも、符号(29)で総称する。各ラジアル変位センサ(28)(29)は、主軸(3)の外周のターゲットとの距離に比例する距離信号を出力する。
電動機(8)は、前後のラジアル磁気軸受(5)(6)の間に配置されており、ハウジング(2)側のステータ(8a)と、主軸(3)側のロータ(8b)とから構成されている。
ラジアル電磁石(26)(27)、ラジアル変位センサ(28)(29)および電動機(8)のステータ(8a)は、ハウジング(2)の内周に固定されている。
タッチダウン軸受(10)(11)はアンギュラ玉軸受などの転がり軸受よりなり、各軸受(10)(11)の外輪がハウジング(2)側に固定され、内輪が主軸(3)の周囲に所定の隙間をあけて配置されている。2組のタッチダウン軸受(10)(11)はいずれも径方向の支持が可能なものであり、少なくとも1組は軸方向の支持も可能なものである。
コントローラ(12)には、センサ回路(30)(31)、電磁石駆動回路(32)、インバータ(33)およびDSPボード(34)が設けられ、DSPボード(34)には、ソフトウェアプログラムが可能なディジタル処理手段としてのDSP(35)、ROM(36)、不揮発性メモリとしてのRAM(37)、AD変換器(38)(39)およびDA変換器(40)(41)が設けられている。
センサ回路(30)は、変位検出部(7)の各変位センサ(24)(28)(29)を駆動し、各変位センサ(24)(28)(29)の出力信号をAD変換器(38)を介してDSP(35)に出力する。
センサ回路(31)は、回転センサ(9)を駆動し、回転センサ(9)の出力を主軸(3)の回転数に対応する回転数信号に変換し、これをAD変換器(39)を介してDSP(35)に出力する。
DSP(35)は、ROM(36)に格納されたプログラムに基づいて、次のような処理を行う。
DSP(35)は、4個のアキシアル変位センサ(24)の出力の平均値から主軸(3)のZ軸方向の変位を求めるとともに、4対のラジアル変位センサ(28)(29)の出力から各ラジアル磁気軸受(5)(6)の位置における主軸(3)のX軸方向およびY軸方向の変位を求め、これらの変位に基づいて、各磁気軸受(4)(5)(6)の各電磁石(17)(26)(27)に対する制御電流値を求め、一定の定常電流値に制御電流値を加えた励磁電流信号をDA変換器(40)を介して電磁石駆動回路(32)に出力する。そして、駆動回路(32)は、DSP(35)からの励磁電流信号に基づいて励磁電流を対応する磁気軸受(4)(5)(6)の電磁石(17)(26)(27)に供給し、これにより、主軸(3)がZ軸方向、X軸方向およびY軸方向所定の浮上目標位置に非接触支持される。この変位の検出および電磁石(17)(26)(27)の制御は非常に短い周期で行われる。DSP(35)は、また、回転センサ(9)からの回転数信号に基づいて、電動機(8)に対する回転数指令信号をDA変換器(41)を介してインバータ(33)に出力し、インバータ(33)は、この信号に基づいて、電動機(8)の回転数を制御する。そして、その結果、主軸(3)が、磁気軸受(4)(5)(6)により浮上目標位置に非接触支持された状態で、電動機(8)により高速回転させられる。
上記の磁気軸受装置では、次に説明するように、一定周期ごとに、アキシアル変位センサ(24)の位置を基準とする主軸(3)後端部の熱変位が検出され、主軸(3)に熱膨張が生じてもフランジ状部分(16)と前後のアキシアル電磁石(17)とのギャップが常にほぼ一定になるように、アクチュエータ(20)に印加される電圧が制御されるようになっている。
ハウジング(2)の後壁内面に、主軸(3)の後端部の熱変位を検出するための熱変位センサ(42)が主軸(3)の後端面に固定された固定部材(23)の後面に対向するように設けられている。この熱変位センサ(42)は、アキシアル変位センサ(24)と同様、固定部材(23)の後面との距離(空隙)に比例する距離信号を出力する。
コントローラ(12)に設けられたセンサ回路(43)が、熱変位センサ(42)を駆動し、その出力信号をAD変換器(44)を介してDSP(35)に出力する。DSP(35)は、熱変位センサ(42)の出力から主軸(3)の熱変位を求め、前後のアキシアル電磁石(17)の移動方向および移動量が熱変位の方向および大きさと同じになるようなアクチュエータ(20)の印加電圧を決定し、それをDA変換器(45)を介してアクチュエータ(20)に印加する。これにより、前後のアキシアル電磁石(17)が熱変位と同じ方向に同じ量だけ移動し、主軸(3)に熱膨張が生じても、フランジ状部分(16)と前後のアキシアル電磁石(17)とのギャップが常にほぼ一定に保たれる。
フランジ状部分(16)に対する前後のアキシアル電磁石(17)の位置は、主軸(3)のZ軸方向の変位が0のときに、前後のアキシアル電磁石(17)の制御電流が0になるように決められる。通常は、フランジ状部分(16)が前後のアキシアル電磁石(17)の中心に位置するように決められる。
アクチュエータ(20)による前後のアキシアル電磁石(17)の移動の制御の周期は、磁気軸受(4)(5)(6)による主軸(3)の位置の制御の周期よりかなり長い。たとえば、1〜5分の周期で、約10秒間熱変位が検出され、その平均値に基づいて、アクチュエータ(20)が制御される。
上記の実施形態では、磁気軸受装置に通常備えられている熱変位センサ(42)を使用して、熱変位を検出しているが、熱変位センサを使用せずに主軸(3)の熱変位を検出することもできる。
たとえば、図1および図3から熱変位センサ(42)、センサ回路(43)およびAD変換器(44)が除かれた構成において、1対のアキシアル電磁石(17)の励磁電流すなわち制御電流の変化に基づいて熱変位を検出することができる。
主軸(3)に熱変位が生じすると、フランジ状部分(16)と前後のアキシアル電磁石(17)とのギャップが変化するため、前後のアキシアル電磁石(17)の制御電流が変化する。したがって、前後のアキシアル電磁石(17)の励磁電流すなわち制御電流の変化に基づいて熱変位を検出することができ、それに基づいてアクチュエータ(20)の印加電圧を制御することにより、フランジ状部分(16)と前後のアキシアル電磁石(17)とのギャップをほぼ一定とすることができる。
さらに簡単には、各アキシアル電磁石(17)の制御電流が一定値(通常はともに0)となるようにアクチュエータ(20)でアキシアル電磁石(17)の位置を制御することにより、フランジ状部分(16)と前後のアキシアル電磁石(17)とのギャップをほぼ一定とすることができる。
また、主軸(3)あるいはハウジング(2)の所定部分の温度を検出し、それから主軸(3)の熱変位を推定することもできる。
図4は、変形例を示すアキシアル磁気軸受(4)近傍の縦断面図である。
この場合、アキシアル電磁石支持部を構成する支持筒体(18)の内周面に摺動ガイド層(46)が形成されており、ガイド層(46)の内周面に1対のアキシアル電磁石(17)が軸方向に摺動しうるようにはめられている。ガイド層(46)は、摩擦抵抗の小さい材料、たとえば、PTFE(フッ素樹脂)などからなる。ガイド層(46)は、筒体(18)の内周面全体に形成されてもよいし、アキシアル電磁石(17)が摺動する範囲を含む筒体(18)の内周面の一部に形成されてもよい。他は、上記実施形態の場合と同様であり、同じ部分には同一の符号を付している。
この場合、アキシアル磁気軸受(17)は、摩擦係数の小さい摺動層(46)を介して、筒体(18)に対し滑らかに摺動する。
磁気軸受装置の全体構成あるいは各部の構成は、上記実施形態のものに限らず、適宜変更可能である。
また、この発明は、研削装置の磁気軸受装置以外にも適用できる。
図1は、この発明を研削装置に適用した実施形態を示す制御型磁気軸受装置の主要部の縦断面図である。 図2は、図1のII−II線に沿う断面図(横断面図)である。 図3は、図1の磁気軸受装置の電気的構成の主要部を示すブロック図である。 図4は、変形例を示す制御型磁気軸受装置のアキシアル磁気軸受近傍の縦断面図である。
符号の説明
(1) スピンドルユニット
(2) ハウジング
(3) 主軸(回転体)
(4) 制御型アキシアル磁気軸受
(5)(6) 制御型ラジアル磁気軸受
(12) コントローラ
(16) フランジ状部分
(17a)(17b) アキシアル電磁石
(18) 支持筒体(アキシアル電磁石支持部)
(19) スペーサ
(20) ピエゾアクチュエータ
(21) ばね(弾性部材)
(24) アキシアル変位センサ

Claims (2)

  1. 回転体が制御型アキシアル磁気軸受および制御型ラジアル磁気軸受によりハウジング内に非接触支持されて回転させられるようになされており、回転体の一端寄りの部分のアキシアル方向の変位を検出するアキシアル変位センサがハウジングに設けられ、アキシアル磁気軸受が、回転体の他端側のフランジ状部分に対向するように配置されてアキシアル変位センサの出力に基づいて励磁電流が制御される前後1対のアキシアル電磁石を備えている制御型磁気軸受装置において、
    1対のアキシアル電磁石が、ハウジングに対して軸方向に移動しうるように支持されており、回転体のフランジ状部分の熱変位に応じて1対のアキシアル電磁石を軸方向に移動させるアクチュエータが設けられていることを特徴とする制御型磁気軸受装置。
  2. アキシアル電磁石支持部が、ハウジングに一体に形成されるかまたは固定されており、1対のアキシアル電磁石が、アキシアル電磁石支持部に対して軸方向に移動しうるように支持され、1対のアキシアル電磁石の間に、これらの軸方向相互間隔を一定に保持するためのスペーサが挟まれ、一方のアキシアル電磁石とアキシアル電磁石支持部の間に、このアキシアル電磁石を他方のアキシアル電磁石側に付勢する弾性部材が設けられ、上記他方のアキシアル電磁石とアキシアル電磁石支持部の間に、ピエゾアクチュエータが設けられていることを特徴とする請求項1の制御型磁気軸受装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016526131A (ja) * 2013-05-30 2016-09-01 ヌオーヴォ ピニォーネ ソチエタ レスポンサビリタ リミタータNuovo Pignone S.R.L. 少なくとも1つの能動型磁気軸受および補助転がり軸受を有する回転機械
US9486859B2 (en) 2012-02-10 2016-11-08 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Drill

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