JP2006214529A - 磁気軸受装置のラジアル変位検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ラジアル変位センサに異常が発生しても重大な事故や故障の発生を防止できる安全は磁気軸受装置の変位検出装置を提供する。
【解決手段】 磁気軸受装置の変位検出装置5は、2つのラジアル制御軸上に位置するように周方向に等間隔をおいて配置された4個のラジアル変位センサ17a,17b,17c,17dと、ラジアル変位センサを駆動するとともにラジアル変位センサの出力から回転体の2つのラジアル制御軸方向の変位を演算する駆動演算手段22とを備えている。駆動演算手段が、各ラジアル変位センサを個別に駆動して、各ラジアル制御軸上の2つのラジアル変位センサの出力からそのラジアル制御軸方向の回転体の変位を演算し、いずれかのラジアル変位センサの出力に異常が生じたときに、そのラジアル変位センサの出力として所定の擬似出力値を設定するものである。
【選択図】 図3
【解決手段】 磁気軸受装置の変位検出装置5は、2つのラジアル制御軸上に位置するように周方向に等間隔をおいて配置された4個のラジアル変位センサ17a,17b,17c,17dと、ラジアル変位センサを駆動するとともにラジアル変位センサの出力から回転体の2つのラジアル制御軸方向の変位を演算する駆動演算手段22とを備えている。駆動演算手段が、各ラジアル変位センサを個別に駆動して、各ラジアル制御軸上の2つのラジアル変位センサの出力からそのラジアル制御軸方向の回転体の変位を演算し、いずれかのラジアル変位センサの出力に異常が生じたときに、そのラジアル変位センサの出力として所定の擬似出力値を設定するものである。
【選択図】 図3
Description
この発明は、磁気軸受装置のラジアル変位検出装置に関する。
磁気軸受装置として、回転体と、回転体をラジアル制御軸方向(径方向)に非接触支持する2組の制御型ラジアル磁気軸受と、回転体をアキシアル制御軸方向(軸方向)に非接触支持する1組の制御型アキシアル磁気軸受と、回転体を高速回転させる内蔵電動モータと、回転体のラジアル制御軸方向の変位を検出するラジアル変位検出装置と、回転体のアキシアル制御軸方向の変位を検出するアキシアル変位検出装置と、ラジアル変位検出装置およびアキシアル変位検出装置の出力に基づいてラジアル磁気軸受およびアキシアル磁気軸受の電磁石を制御する電磁石制御装置とを備えたいわゆる5軸制御型磁気軸受装置が知られている。
ラジアル変位検出装置は、回転体の軸方向に間隔をおいて配置された2組のラジアル変位センサユニットと、これらのラジアル変位センサユニットを構成するラジアル変位センサを駆動するとともにラジアル変位センサの出力から各ラジアルセンサユニットの部分における各ラジアル制御軸方向の回転体の変位を演算する駆動演算手段とを備えている。
従来のラジアル変位検出装置の駆動演算手段では、各ラジアル制御軸上の1対のラジアル変位センサの出力が減算器で減算されてその制御軸方向の回転体の変位として出力され、電磁石制御装置において、回転体のラジアル制御軸方向の変位に基づいて、ラジアル磁気軸受の電磁石に供給する励磁電流が制御される(たとえば特許文献1参照)。
特開平11−287246号公報
上記のような従来の磁気軸受装置では、1個のラジアル変位センサが破損して動作しなくなると、それから出力が出なくなり、減算器から出力されるラジアル制御軸方向の変位が異常な値になるため、磁気軸受による回転体の支持が不能になる。その結果、回転体がタッチダウンして、重大な事故や故障を引き起こすおそれがある。
この発明の目的は、上記の問題を解決し、ラジアル変位センサに異常が発生しても重大な事故や故障の発生を防止できる安全な磁気軸受装置の変位検出装置を提供することにある。
第1の発明による磁気軸受装置の変位検出装置は、互いに直交する2つのラジアル制御軸上に位置するように周方向に等間隔をおいて配置された4個のラジアル変位センサと、ラジアル変位センサを駆動するとともにラジアル変位センサの出力から回転体の2つのラジアル制御軸方向の変位を演算する駆動演算手段とを備えている磁気軸受装置のラジアル変位検出装置において、駆動演算手段が、各ラジアル変位センサを個別に駆動して、各ラジアル制御軸上の2つのラジアル変位センサの出力からそのラジアル制御軸方向の回転体の変位を演算し、いずれかのラジアル変位センサの出力に異常が生じたときに、そのラジアル変位センサの出力として所定の擬似出力値を設定するものであることを特徴とするものである。
擬似出力の値は、予め定められている。擬似出力値は、ラジアル変位センサごとに定めておいてもよい。または、ラジアル変位センサを複数のグループに分け、グループごとに共通の擬似出力値を定めておいてもよい。さらに、全てのラジアル変位センサについて、共通の擬似出力値を定めておいてもよい。
通常、回転体はラジアル変位が0である位置の近傍に支持されるので、たとえば、擬似出力値は、ラジアル変位が0のときのラジアル変位センサの出力と等しい値に定められている。
ラジアル変位センサが破損すると、その出力が最大電圧になる。したがって、たとえば、ラジアル変位センサの出力が一定の閾値より大きくなったときに、そのラジアル変位センサに異常が発生したと判断する。
あるラジアル変位センサに異常が生じて、その出力が最大電圧になっても、そのラジアル変位センサの出力として擬似出力値が設定され、それに基づいてラジアル制御軸方向の変位が演算されるので、ラジアル変位が異常な値になることがない。したがって、磁気軸受による回転体の支持が不能になることがなく、重大な事故や故障の発生を防止することができる。
第1の発明は、4個のラジアル変位センサがラジアル制御軸方向の変位の検出のためだけに使用される場合だけでなく、アキシアル制御軸方向の変位の検出のためにも使用される場合にも適用される。
第2の発明による磁気軸受装置の変位検出装置は、各組が互いに直交する2つのラジアル制御軸上に位置するように周方向に等間隔をおいて配置された4個のラジアル変位センサを有する2組のラジアル変位センサユニットと、ラジアル変位センサユニットを駆動するとともにラジアル変位センサの出力から各ラジアル変位センサユニットの部分における2つのラジアル制御軸方向の回転体の変位を演算する駆動演算手段とを備えているラジアル変位検出装置において、駆動演算手段が、各ラジアル変位センサを個別に駆動して、各ラジアル変位センサユニットの部分における各ラジアル制御軸上の2つのラジアル変位センサの出力からそのラジアル制御軸方向の回転体の変位を演算し、いずれかのラジアル変位センサの出力に異常が生じたときに、そのラジアル変位センサの出力として所定の擬似出力値を設定するものであることを特徴とするものである。
第2の発明は、第1の発明と同様の構成を有するので、上記の第1の発明の作用効果と同じ作用効果を奏する。
第2の発明は、8個のラジアル変位センサがラジアル制御軸方向の変位の検出のためだけに使用される場合だけでなく、アキシアル制御軸方向の変位の検出のためにも使用される場合にも適用される。
この発明の磁気軸受装置の変位検出装置によれば、上述のように、ラジアル変位センサに異常が発生した場合でも、演算されるラジアル変位が異常な値になることがなく、したがって、磁気軸受による回転体の支持が不能になることがなく、重大な事故や故障の発生を防止することができる。
以下、図面を参照して、この発明を5軸制御型磁気軸受装置に適用した実施形態について説明する。
図1は磁気軸受装置の主要部を概略的に示す縦断面図、図2は図1の水平断面図、図3は磁気軸受装置のラジアル制御軸方向の変位の検出および磁気軸受の制御に関する部分の電気的構成を示すブロック図、図4は磁気軸受装置のアキシアル制御軸方向の変位の検出および磁気軸受の制御に関する部分の電気的構成を示すブロック図である。
磁気軸受装置は、図示しない鉛直な筒状のハウジングの内側で鉛直な回転体(1)が回転する縦型のものであり、回転体(1)の周囲のハウジングの部分に、回転体(1)をラジアル制御軸方向に非接触支持する2組の制御型ラジアル磁気軸受(2)(3)、回転体(1)をアキシアル制御軸方向に非接触支持する1組の制御型アキシアル磁気軸受(4)、ラジアル変位変位検出装置(5)を構成する2組のラジアル変位センサユニット(6)(7)、アキシアル変位検出装置(8)を構成するアキシアル変位検出ユニット(9)、回転体(1)を回転させる内蔵電動モータのステータ(10)、回転体(1)の回転数を検出するための回転センサ(図示略)、タッチダウン用の保護軸受(図示略)などが配置されている。
この明細書において、アキシアル制御軸(軸方向の制御軸)をZ軸、Z軸に直交するとともに互いに直交する2つのラジアル制御軸(径方向の制御軸)をX軸およびY軸とする。
各ラジアル磁気軸受(2)(3)は、それぞれ、回転体(1)の外周部に設けられたターゲット部(11)(12)に対向し、かつ回転体(1)をX軸方向およびY軸方向の両側から挟むように周方向に等間隔をおいて配置された4個(2対)の電磁石(ラジアル電磁石)(13)(14)を備えている。
アキシアル磁気軸受(4)は、回転体(1)に形成されたフランジ部(1a)をZ軸方向の両側から挟むように配置された1対の環状の電磁石(アキシアル電磁石)(15)を備えている。
上側ラジアル変位センサユニット(6)は、回転体(1)の外周部に設けられたターゲット部(16)に対向し、かつ回転体(1)をX軸方向およびY軸方向の両側から挟むように周方向に等間隔をおいて配置された4個(2対)のラジアル変位センサ(17a)(17b)(17c)(17d)を備えている。これらのセンサは符号(17)で総称し、区別する必要があるときは、それぞれ、X軸正側のものを上側第1ラジアル変位センサ(17a)、X軸負側のものを上側第2ラジアル変位センサ(17b)、Y軸正側のものを上側第3ラジアル変位センサ(17c)、Y軸負側のものを上側第4ラジアル変位センサ(17d)と呼ぶことにする。
下側ラジアル変位センサユニット(7)は、回転体(1)の外周部に設けられたターゲット部(18)に対向し、かつ回転体(1)をX軸方向およびY軸方向の両側から挟むように周方向に等間隔をおいて配置された4個(2対)のラジアル変位センサ(19a)(19b)(19c)(19d)を備えている。これらのセンサは符号(19)で総称し、区別する必要があるときは、それぞれ、X軸正側のものを下側第1ラジアル変位センサ(19a)、X軸負側のものを下側第2ラジアル変位センサ(19b)、Y軸正側のものを下側第3ラジアル変位センサ(19c)、Y軸負側のものを下側第4ラジアル変位センサ(19d)と呼ぶことにする。
各変位センサ(17)(19)は、従来のラジアル変位センサと同様のインダクタンス型変位センサである。
各ターゲット部(11)(12)(16)(18)は、磁性材料である環状の珪素鋼板が積層されたものであり、各ターゲット部(11)(12)(16)(18)に隣接する回転体(1)の外周部は非磁性材料で構成されている。
アキシアル変位センサユニット(8)は、回転体(1)の下端面に設けられたターゲット部(図示略)に対向するように配置された1個のアキシアル変位センサ(20)を備えている。
アキシアル変位センサ(20)は、ラジアル変位センサ(17)(19)と同様のインダクタンス型変位センサである。
ラジアル変位検出装置(5)は、上記の変位ラジアルセンサユニット(6)(7)と、ラジアル変位センサ(17)(19)を駆動するとともにラジアル変位センサ(17)(19)の出力から回転体(1)のX軸方向およびY軸方向の変位を演算する駆動演算手段(21)とを備えている。
駆動演算手段(21)は、ラジアル変位センサ(17)(19)の出力から回転体(1)のX軸方向およびY軸方向の変位を演算する変位演算手段(22)と、ラジアル変位センサ(17)(19)を個別に駆動してラジアル変位センサ(17)(19)からの信号を出力する8個のセンサ駆動回路(23)と、センサ駆動回路(23)からのラジアル変位センサ(17)(19)の出力をAD変換して変位演算手段(22)に出力する8個のAD変換器(24)とを備えている。
アキシアル変位検出装置(8)は、上記のアキシアル変位センサユニット(9)と、アキシアル変位センサ(20)の出力から回転体(1)のZ軸方向の変位を演算する変位演算手段(25)と、アキシアル変位センサ(20)を駆動してアキシアル変位センサ(20)からの信号を出力するセンサ駆動回路(26)と、センサ駆動回路(26)からのアキシアル変位センサ(20)の出力をAD変換して変位演算手段(25)に出力するAD変換器(27)とを備えている。
磁気軸受装置には、ラジアル変位検出装置(5)で検出された回転体(1)のX軸方向およびY軸方向の変位に基づいてラジアル磁気軸受(2)(3)の電磁石(13)(14)を制御するラジアル電磁石制御手段(28)と、アキシアル変位検出装置(8)で検出された回転体(1)のZ軸方向の変位に基づいてアキシアル磁気軸受(4)の電磁石(15)を制御するアキシアル電磁石制御手段(29)とが設けられている。
ラジアル電磁石制御手段(28)からのラジアル電磁石制御信号は、DA変換器(30)を介して電力増幅器(31)に入力し、電力増幅器(31)からラジアル電磁石(13)(14)に励磁電流が供給される。同様に、アキシアル電磁石制御手段(29)からのアキシアル電磁石制御信号は、DA変換器(32)を介して電力増幅器(33)に入力し、電力増幅器(31)からアキシアル電磁石(15)に励磁電流が供給される。
変位演算手段(22)(25)および電磁石制御手段(28)(29)は、ソフトウェアプログラムが可能なディジタル処理手段によって構成されている。この例では、DSPによって構成されている。
ラジアル変位検出装置(5)の変位演算手段(22)において、上側第1ラジアル変位センサ(17a)の出力と上側第2ラジアル変位センサ(17b)の出力の差から上側ラジアル変位センサユニット(6)の部分における回転体(1)のX軸方向の変位が、上側第3ラジアル変位センサ(17c)の出力と上側第4ラジアル変位センサ(17d)の出力の差から上側ラジアル変位センサユニット(6)の部分における回転体(1)のY軸方向の変位が、下側第1ラジアル変位センサ(19a)の出力と下側第2ラジアル変位センサ(19b)の出力の差から下側ラジアル変位センサユニット(7)の部分における回転体(1)のX軸方向の変位が、下側第3ラジアル変位センサ(19c)の出力と下側第4ラジアル変位センサ(19d)の出力の差から下側ラジアル変位センサユニット(7)の部分における回転体(1)のY軸方向の変位がそれぞれ求められる。
また、変位演算手段(22)には、予め定められた各ラジアル変位センサ(17)(19)の擬似出力値が記憶されている。変位演算手段(22)は、常時、各ラジアル変位センサ(17)(19)の出力を所定の閾値と比較しており、ラジアル変位センサ(17)(19)の出力が閾値より大きくなったときに、そのラジアル変位センサ(17)(19)に異常が発生したと判断し、そのラジアル変位センサ(17)(19)の出力として、上記の擬似出力値を設定して、上記のラジアル変位の演算を行う。
磁気軸受装置の全体構成および各部の構成は、上記実施形態のものに限らず、適宜変更可能である。
たとえば、上記実施形態では、軸状の回転体(1)の外周部にターゲット部(16)(18)が設けられて、ラジアル変位センサ(17)(19)がターゲット部(16)(18)の径方向外側に配置されているが、円筒状の回転体の内周部にターゲット部が設けられて、ラジアル変位センサがターゲット部の径方向内側に配置されている場合もある。
また、この発明による変位検出装置は、回転体が水平に配置される横型の磁気軸受装置にも適用される。
(1) 回転体
(5) ラジアル変位検出装置
(6)(7) ラジアル変位センサユニット
(17a)(17b)(17c)(17d)(19a)(19b)(19c)(19d) ラジアル変位センサ
(22) 駆動演算手段
(5) ラジアル変位検出装置
(6)(7) ラジアル変位センサユニット
(17a)(17b)(17c)(17d)(19a)(19b)(19c)(19d) ラジアル変位センサ
(22) 駆動演算手段
Claims (2)
- 互いに直交する2つのラジアル制御軸上に位置するように周方向に等間隔をおいて配置された4個のラジアル変位センサと、ラジアル変位センサを駆動するとともにラジアル変位センサの出力から回転体の2つのラジアル制御軸方向の変位を演算する駆動演算手段とを備えている磁気軸受装置のラジアル変位検出装置において、
駆動演算手段が、各ラジアル変位センサを個別に駆動して、各ラジアル制御軸上の2つのラジアル変位センサの出力からそのラジアル制御軸方向の回転体の変位を演算し、いずれかのラジアル変位センサの出力に異常が生じたときに、そのラジアル変位センサの出力として所定の擬似出力値を設定するものであることを特徴とする磁気軸受装置のラジアル変位検出装置。 - 各組が互いに直交する2つのラジアル制御軸上に位置するように周方向に等間隔をおいて配置された4個のラジアル変位センサを有する2組のラジアル変位センサユニットと、ラジアル変位センサを駆動するとともにラジアル変位センサの出力から各ラジアル変位センサユニットの部分における2つのラジアル制御軸方向の回転体の変位を演算する駆動演算手段とを備えているラジアル変位検出装置において、
駆動演算手段が、各ラジアル変位センサを個別に駆動して、各ラジアル変位センサユニットの部分における各ラジアル制御軸上の2つのラジアル変位センサの出力からそのラジアル制御軸方向の回転体の変位を演算し、いずれかのラジアル変位センサの出力に異常が生じたときに、そのラジアル変位センサの出力として所定の擬似出力値を設定するものであることを特徴とする磁気軸受装置のラジアル変位検出装置。
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