JP2008255451A - 耐磨耗鋼板の製造方法 - Google Patents

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【課題】板厚が薄く、従来平坦な形状の確保が困難であった薄物の耐磨耗鋼板であっても良好な形状を容易に確保することができる耐磨耗鋼板の製造方法を提供すること。
【解決手段】鋼中に質量%で、C:0.1〜0.4%、Si:0.01〜1.0%、Mn:0.6〜2.0%、P≦0.04%、S≦0.04%、Sol.Al:0.005〜0.1%を含む鋼を、熱間圧延後600℃以上の温度でコイル状に巻き取り、鋼板に切断後、Ar3点以上の温度に加熱し、焼き入れることを特徴とする耐磨耗鋼板の製造方法を用いる。さらに、鋼が質量%で、Cu:0.03〜2.0%、Ni:0.03〜2.0%、Cr:0.03〜2.0%、Mo:0.03〜2.0%、Nb:0.005〜0.1%、V:0.010〜0.5%、Ti:0.005〜0.05%、B:0.0005〜0.003%の中から選ばれる1種又は2種以上を含有することが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、産業機械、および運搬機器等に用いられる耐磨耗鋼板の製造方法に関する。
近年、特にトラックをはじめとする輸送機器、および土木、鉱山機械等の軽量化により、産業用機械用鋼板には、これまで以上に高強度で耐磨耗に優れた鋼板が要求されている。特に、建設、土木、鉱山等の分野で使用される産業機械、部品、運搬機器など(例えば、パワーショベル、ブルドーザー、ホッパー、バケット等)には、耐磨耗部材の長寿命化のため、耐磨耗性に優れた鋼板が用いられる。
このような耐磨耗鋼板として、例えば特許文献1に記載のような、強度および耐磨耗性を確保した上で、低温靭性および低温溶接割れ性に優れた耐磨耗鋼板が知られている。
特開2002−256382号公報
耐磨耗鋼板はその用途から、焼入れによる高硬度が求められるが、高硬度ゆえ、焼入れ後の形状矯正は困難である。そのため、焼入れ後、形状の悪い鋼板は製品とすることができず、歩留まり低下を招いていた。一方、焼入れ後形状矯正を行なったとしても靭性が劣化するため、用途が限られるという不具合を招くことがあった。特に、板厚が12mm以下の薄い鋼板においては、平坦な形状を確保して、歩留を高めることが困難であった。
特許文献1に記載の耐磨耗鋼板においても、板厚の薄い鋼板の形状については必ずしも満足できるものではなかった。
したがって本発明の目的は、このような従来技術の課題を解決し、特に板厚が12mm以下と、板厚が薄く、従来平坦な形状の確保が困難であった薄物の耐磨耗鋼板であっても良好な形状を容易に確保することができる耐磨耗鋼板の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、耐磨耗鋼の焼入れ後の形状を確保するためには、焼入れ前の形状を確保するとともに、残留応力を除去することが肝要であるという、以下の(a)〜(d)の知見を得た。
(a)焼入れ後の形状は、焼入れ前の形状に依存する。板厚が12mm以下、特に板厚が8mm以下の薄物材は、熱間圧延時に平坦度が出にくい。さらに、焼入れ前の加熱時にAr3点以上に加熱しても、自重で平らになることが少ない。焼入れ前に原板の形状を平坦にしておくことが肝要である。
(b)焼入れ前の形状に関し、熱間圧延後の冷却速度が影響する。厚板ミルで製造した鋼板は、鋼板のまま空冷されるため、エッジ部とセンター部の冷却速度の違いから、熱間圧延後、反りやすい。これは特に冷却速度の差が大きい薄物材で顕著である。これを防止するため、熱間圧延後、コイル状に巻き取り、熱延コイルとする。コイルは鋼板に比べて冷却が遅く、位置による冷却速度の差が小さい。なお、コイルの場合、最外周と最内周部は、通常鋼板にカットする際に不良部分として捨てられるので、冷却の速い位置は製品とならない。コイル巻取温度を低くするには、ランナウトテーブルでの注水量を多くする必要があり、鋼帯がひずみやすい。また、コイル巻取温度を低くするとフェライト+ベイナイト、あるいはマルテンサイト組織となるが、変態ひずみにより鋼帯が変形しやすい。さらに、AlNを粗大化し、焼き入れ加熱時の結晶粒成長性を阻害しないようにするため、巻取温度は600℃以上の温度で行う必要がある。熱延コイルを製造する上で、仕上圧延前にエッジヒーターを使用して鋼帯のエッジ部を加熱すると、エッジ部とセンター部の温度差が小さくなり、好ましい。
(c)平坦度が出ない理由として、焼入れ時のひずみの影響も有る。焼入れ時、鋼板の位置による冷却差により、反りが発生しやすい。焼入れ時のオーステナイト粒径が鋼板の位置により異なると鋼板位置により焼入れ時のマルテンサイト変態時期が異なるため、反りが大きくなる。特に、薄物材は焼入れ時に加熱炉に入る質量が少なく低能率となるため、加熱時間が十分に取れない事情が有る。このため、位置による温度履歴の違いから、焼入れ後反りが生じやすい。また、薄物材は焼入れ加熱時に急速加熱となるため、鋼板全体に均一な焼入れ温度となりにくく、反りが発生しやすい。焼入れ加熱前に鋼板にひずみを付与すると、加熱時、オーステナイト変態が促進され、短時間加熱でも鋼板全体に均一に焼きが入りやすい。焼入れ前のひずみの導入の仕方としては、テンションレベラーではひずみの導入が少ないため効果が小さく、スキンパス圧延による方が好ましい。
(d)600℃以上の温度で巻取を行うため、巻取り後、鋼帯表面にはスケールが厚く生成する。この状態で焼入れ前に組織改善のため焼鈍を行うと、スケール脱炭により表面硬さが発現しにくい。よって、焼入れ前に球状化焼鈍等の熱処理は行わないことが好ましい。
本発明はこれらの知見に基づいて完成されたものであり、その特徴は以下の通りである。
(1)鋼中に質量%で、C:0.1〜0.4%、Si:0.01〜1.0%、Mn:0.6〜2.0%、P≦0.04%、S≦0.04%、Sol.Al:0.005〜0.1%を含む鋼を、熱間圧延後600℃以上の温度でコイル状に巻き取り、鋼板に切断後、Ar3点以上の温度に加熱し、焼き入れることを特徴とする耐磨耗鋼板の製造方法。
(2)さらに、鋼が質量%で、Cu:0.03〜2.0%、Ni:0.03〜2.0%、Cr:0.03〜2.0%、Mo:0.03〜2.0%、Nb:0.005〜0.1%、V:0.010〜0.5%、Ti:0.005〜0.05%、B:0.0005〜0.003%の中から選ばれる1種又は2種以上を含有することを特徴とする(1)に記載の耐磨耗鋼板の製造方法。
(3)コイル状に巻き取った後、スキンパス圧延にてひずみを付加後、鋼板に切断することを特徴とする(1)または(2)に記載の耐磨耗鋼板の製造方法。
本発明によれば、薄物の耐磨耗鋼板であっても良好な形状を容易に確保することができ、形状の優れた耐磨耗鋼板を提供することができる。
以下、板厚が12mm以下、特に8mm以下の薄物の耐磨耗鋼板であっても良好な形状を確保することができる耐磨耗鋼板に関し、その化学成分の限定理由と製造条件を具体的に説明する。
まず、本発明で用いる耐磨耗鋼板の化学成分について説明する。以下の化学成分についての説明において%で示す単位は全て質量%である。
C:0.1〜0.4%
Cは鋼の硬度を高め、耐磨耗性を向上させるために重要な元素である。C含有量が0.1%未満では十分な硬度が得られず、一方、0.4%超えでは、熱延コイルを製造した場合、コイルつぶれが発生しやすい。熱延コイルの段階では焼きが入らないよう高温巻取を行う必要があるが、巻取温度が高いと高温強度が低下するためである。好ましくは、C:0.2〜0.3%である。
Si:0.01〜1.0%
Siは、焼入れ性の観点から添加する。その効果は、0.01%未満では十分に得られない。一方、Si量が多すぎると赤スケールが発生し、赤スケール部が熱間圧延のランナウトテーブル上で急冷され、微細な組織となる。この組織ばらつきは、焼き入れ時の形状に影響するため、Si量は1.0%以下とする。好ましくは、0.01〜0.5%である。
Mn:0.6〜2.0%
Mnは焼入れ性の観点から添加する。0.6%未満ではその効果は得られず、2.0%を超えて添加するとMn偏析による組織ばらつきから形状が悪化する。好ましいMn含有量は0.6〜1.5%である。
P≦0.04%
P含有量が0.04%を超えると靭性が劣化する。よって、0.04%以下とする。望ましくは0.02%以下である。
S≦0.04%
SはMnと結合し、靭性を劣化させる。このため、少ないほど好ましく、0.04%以下とする。上記の理由から、Sは0.005%以下が好ましい。
Sol.Al:0.005〜0.1%
Sol.Alは、不可避的に含まれるNを固定するために添加する。固溶N、あるいは微細なAlNは、結晶粒成長性を阻害し、焼き入れ加熱時(再加熱時)にオーステナイト粒が細かくなることにより、焼入れ性を阻害する。その効果のため、すなわちこれら固溶Nあるいは微細なAlNによる焼入れ性阻害を防止するためSol.Al量は0.005%以上とする。Al量が多すぎると鋼中の酸化物が増大し、酸化物による結晶粒成長の阻害が顕在化してくることから、Sol.Al量は0.1%以下とする。好ましい範囲は、0.02〜0.07%である。
本発明に用いる鋼は、上記成分組成範囲に限定する必要がある。
また、焼入れ性を高めるため、Cu、Ni、Cr、Mo、Nb、V、Ti、Bの元素の中から選ばれる1種又は2種以上を以下の範囲で含有させることが好ましい。なお、各々の元素の不純物としての含有レベルは、Cu<0.03%、Ni<0.03%、Cr<0.03%、Mo<0.03%、Nb<0.005%、V<0.010%、Ti<0.005%、B<0.0005%である。
Cu:0.03〜2.0%
Cuが0.03%未満では焼入れ性効果が十分でなく、一方、2.0%を超えて添加すると熱間加工性が劣化する。好ましくは、0.03〜0.2%である。
Ni:0.03〜2.0%
Niが0.03%未満であると焼入れ性効果が十分ではなく、一方、2.0%を超えて添加してもその効果が飽和し、コスト高を招く。好ましくは、0.03〜0.5%である。
Cr:0.03〜2.0%
Crが0.03%未満であると焼入れ性効果が十分ではなく、一方、2.0%を超えて添加すると炭化物が多くなり、逆に焼入れ性が低下する。好ましくは、0.03〜0.5%である。
Mo:0.03〜2.0%
Moが0.03%未満であると焼入れ性効果が十分ではなく、一方、2.0%を超えて添加すると熱延コイル巻取り時に焼きが入ってしまい、コイルカットが困難となるだけでなく、形状も劣化する。好ましくは、0.03〜0.5%である。
Nb:0.005〜0.1%
Nbが0.005%未満であると焼入れ性効果が十分ではなく、一方、0.1%を超えて添加してもその効果が飽和し、コスト高を招く。好ましくは、0.01〜0.05%である。
V:0.010〜0.5%
Vが0.010%未満であると焼入れ性効果が十分ではなく、一方、0.5%を超えて添加してもその効果が飽和し、コスト高を招く。好ましくは、0.03〜0.5%である。
Ti:0.005〜0.05%
Tiが0.005%未満であると焼入れ性効果が十分ではなく、一方、0.05%を超えて添加してもその効果が飽和し、コスト高を招く。好ましくは、0.03〜0.05%である。
B:0.0005〜0.003%
Bが0.0005%未満であると焼入れ性効果が十分ではなく、一方、0.003%を超えて添加すると熱延コイルの段階で焼きが入ってしまい、コイルカットが困難となるだけでなく、形状も劣化する。好ましくは、0.0005〜0.002%である。
本発明に用いる鋼では、上記した成分組成以外の残部は、Feおよび不可避的不純物とすることが好ましい。
次に、本発明の耐磨耗鋼板の製造方法について説明する。
熱延前の加熱条件に関しては、熱間圧延が可能な温度まで加熱することが必要で、1150℃以上が好ましい。一方、加熱温度が高すぎると、表面疵が発生しやすいので、1280℃以下が好ましい。熱延前の加熱に関しては、スラブを冷却することなく加熱を行っても良い。
次いで、熱間圧延を行なう。熱間圧延は、薄板材の製造に用いられる粗圧延機および仕上圧延機を有する熱延ミルにて行なうことが好ましい。
仕上温度(仕上圧延終了温度)をAr3点以上で行うことにより、幅方向の組織均一化を図るのが好ましい。また、本発明の方法による耐磨耗鋼板は焼きが入りやすく、熱間圧延時に焼きが入ることを防止するため、ランナウトテーブルでの冷却水量は少なめに制御する必要が有る。そのためには、仕上温度はAr3点以上、900℃以下で行うことが好ましい。
仕上げ温度を確保するため、加速圧延を行うことは有効である。ここで加速圧延とは、鋼帯の尾端の仕上温度低下を防止する目的で仕上圧延中に圧延速度を増加させて、温度を均一化させる技術である。それだけでなく、仕上げ圧延前に粗バー(熱間粗圧延が終わり仕上げ圧延に入る前の半製品)を電磁誘導加熱等の方法で加熱した上で、あるいは粗バーを一旦コイルに巻き取って粗バーの幅方向や長さ方向の温度分布を均一化した上で、一定速度でまたは加速して仕上げ圧延する方法を用いる方が仕上げ温度を維持しやすいので、これらの方法の方がむしろ好ましい。また、焼入れ前の熱延コイル形状の観点から、熱間仕上圧延前に板幅方向のエッジ部の材質均一化を目的として、エッジヒーターを使用することが好ましい。エッジヒーターを用いる場合は、エッジ部(鋼板のエッジから幅方向で20mm中心よりの位置)とセンター部(鋼板の幅方向中心部)の仕上圧延温度の差を20℃以下とすることが好ましい。
熱延コイル製造において、コイル巻取温度を低くするには、仕上圧延機出側から巻取機までの間に設置されている、ランナウトテーブルでの注水量を多くする必要があり、鋼帯がひずみやすい。また、巻取温度を低くすると鋼組織がフェライト+ベイナイト、あるいはマルテンサイト組織となるが、変態ひずみにより鋼帯が変形しやすい。さらに、AlNを粗大化し、焼き入れ加熱時の結晶粒成長性を阻害しないようにするため、巻取温度は600℃以上とする。一方、巻取温度が高すぎると高温強度低下からコイルつぶれが発生しやすいので、750℃以下とすることが好ましい。AlN粗大析出の観点からは、650〜750℃が好ましい。
熱処理後の形状は、熱処理前の形状に依存する。よって、熱延コイル段階で、スキンパス圧延(調質圧延ともいう)あるいはレベラー等による形状矯正を施すことが好ましい。レベラーの場合、伸長率は通常行なわれている範囲である0.1%〜0.4%程度とすることが好ましい。またスキンパス圧延は、レベラーより伸長率が高く取れるため好ましい。スキンパス圧延においては、焼き入れ後の形状も考慮し、伸長率は0.7%以上とするのが好ましい。なお、伸長率が大きくなりすぎると焼き入れ加熱時にひずみ粒成長により局部的に結晶粒が大きくなり、焼き入れが不均一になりやすいため、伸長率は2.0%以下とすることが好ましい。ただし、スキンパス圧延の後(コイルカットの前後含む)にレベラーで形状矯正を行うことは有効である。
熱延コイルは、熱処理を施すため、所定の長さの鋼板にコイルカットされる。
コイルカットされた鋼板は、Ar3点以上に再加熱後、焼入れされる。薄物材において、加熱炉の能率から通常、再加熱温度は1000℃以下である。必要に応じて焼き入れ中にAr3点以下の温度で冷却を停止することができる。
なお、本発明の製造方法において、コイルカット後の焼き入れにより、鋼板表面は酸化され、該焼き入れ後に酸洗が必要となることから、熱延コイルの段階では酸洗は行わない。一方、スケールがついたまま焼入れされることとなるため、スケールが厚すぎるとスケール脱炭により鋼板表面が脱炭され、所定の硬度が出にくい。よって、熱間圧延後にはスケール成長をひきおこす熱処理は極力避けるべきであり、上記した焼入れのための再加熱に先立ち、熱処理は実施しない。
表1に示す化学成分を有する鋼(鋼種A〜I)を溶製して以下に示す製造条件で耐磨耗鋼板の製造を行なった。
Figure 2008255451
連続鋳造法により作製したスラブを1250℃に加熱し、エッジヒーターを使用、またはエッジヒーターの使用無しで、熱延ミルを用いて熱間圧延を行い、Ar3点以上である仕上温度:860℃で板厚6.0mmとし、巻取温度700℃でコイル状に巻取り、板幅1829mmの熱延コイルを作製した。巻取後の組織は、全てフェライト−パーライト組織であった。その後、そのまま、または1.0%の伸長率でスキンパス圧延、もしくは0.3%の伸長率でテンションレベラーを施した後、12220mm長さに切断した。また、比較として、厚板ミルにて同じサイズの鋼板を同じ仕上温度で、コイル状に巻き取ることなく作製した。厚板ミルによる鋼板は、仕上後、室温まで空冷した。
これら鋼板を各鋼板のAr3点以上の温度である900℃に再加熱し焼き入れた後の形状を測定した。形状は、焼き入れ加熱前、焼き入れ後の鋼板上で、直定規を隣り合う凸部に押し当てて、定規と鋼板の間に発生する隙間を測定して評価した。隙間の測定は、圧延方向と、圧延直角方向について各3回ずつ行ない、その平均値を形状として用いた。結果を表2に示す。なお、本発明の製造方法を用いた鋼板は、いずれも表面ブリネル硬さHBS(10/3000)で320以上であり、耐磨耗鋼として十分な表面硬さを有していた。
Figure 2008255451
また、鋼種AについてのNo.1〜5について、コイル巻き取りの有無、およびエッジヒーター使用時、スキンパス圧延実施時の耐磨耗鋼板の焼き入れ後の形状の比較を図1に示す。図1によれば、コイル状に巻き取る本発明の製造方法を用いることで、鋼板の形状が平坦化していることが分かる。
コイル巻き取りの有無による焼き入れ後の形状の関係を示すグラフ。エッジヒーター、スキンパス圧延使用時の形状も合わせて示す。

Claims (3)

  1. 鋼中に質量%で、C:0.1〜0.4%、Si:0.01〜1.0%、Mn:0.6〜2.0%、P≦0.04%、S≦0.04%、Sol.Al:0.005〜0.1%を含む鋼を、熱間圧延後600℃以上の温度でコイル状に巻き取り、鋼板に切断後、Ar3点以上の温度に加熱し、焼き入れることを特徴とする耐磨耗鋼板の製造方法。
  2. さらに、鋼が質量%で、Cu:0.03〜2.0%、Ni:0.03〜2.0%、Cr:0.03〜2.0%、Mo:0.03〜2.0%、Nb:0.005〜0.1%、V:0.010〜0.5%、Ti:0.005〜0.05%、B:0.0005〜0.003%の中から選ばれる1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の耐磨耗鋼板の製造方法。
  3. コイル状に巻き取った後、スキンパス圧延にてひずみを付加後、鋼板に切断することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の耐磨耗鋼板の製造方法。
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