JP2008255296A - 液体洗浄剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】多糖分解酵素とキレート剤とを液体洗浄剤に安定的に共存させ、高い洗浄力と高い保存安定性を両立する液体洗浄剤組成物を提供する。
【解決手段】界面活性剤1〜70重量%、キレート剤0.1〜30重量%、多糖分解酵素0.0001〜1重量%、及びオリゴ糖0.01〜5重量%を含有する液体洗浄剤組成物であって、該オリゴ糖は該多糖分解酵素が分解しうる多糖の加水分解物であり、平均重合度が2〜10の範囲にあることを特徴とする液体洗浄剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は液体洗浄剤組成物に関し、更に詳しくは、界面活性剤、キレート剤、多糖分解酵素及び特定のオリゴ糖を含有し、高い洗浄力と保存安定性を両立する液体洗浄剤組成物に関する。
液体洗剤は衣料洗剤を始めとする洗浄剤に広く用いられており、粉体洗剤と比べて水に溶け易いというメリットがある。低水量・高洗剤濃度での洗濯様式が普及してきた近年、液体洗剤の消費量も増加している。
また液体洗剤において、酵素は高機能洗剤を開発する上で欠くことのできない成分となっている。プロテアーゼ、リパーゼ等の酵素は、汚れを分解し洗浄力を高める効果を有している。アミラーゼ、マンナナーゼ、ペクチナーゼ等の多糖分解酵素も洗剤利用が進められている有用な酵素である。セルラーゼは綿布の非晶性セルロースを分解することで、衣料洗剤において洗浄力向上・毛羽立ち防止・柔軟化等の効果を発揮する。アミラーゼ、マンナナーゼ、ペクチナーゼは食物由来の多糖を分解し、衣料・食器洗剤等において洗浄力を高める効果がある。
しかし、酵素は一般に安定性が低く、洗剤に配合した場合、保存中に変性を起こし徐々に活性を失うといった問題が生じる。特に、液体洗剤においては、粉体洗剤に比べて酵素の失活が起こりやすく、酵素を安定的に配合するのは容易ではない。洗剤成分の中でも特に、アニオン性界面活性剤、キレート剤、プロテアーゼ、アルカリといった成分は酵素失活作用が強いことが知られている。上記したような多糖分解酵素も安定性においては十分ではなく、液体洗剤での利用は限られている。したがって、多糖分解酵素を液体洗剤に安定的に配合する技術が求められていた。
キレート剤は洗剤に広く利用されている重要な成分である。キレート剤は水道水に含まれる硬度成分を捕捉することで、界面活性剤の不活性化・カルシウム塩の析出等を防ぎ、洗浄力の向上に貢献する。しかしながら、キレート剤は酵素安定化に寄与する金属イオンをも捕捉するため、強い酵素失活作用を有している。したがって、キレート剤と酵素とを安定的に共存させることは特に難度が高く、酵素のキレート剤耐性を高めることは重要であった(非特許文献1および非特許文献2)。
これまでに液体洗剤中での酵素安定性を改善する方法として、カルシウムやマグネシウム等の金属イオンを添加する方法が開示されている(例えば特許文献1)。しかしこの方法では、キレート剤共存下では十分な効果を得ることができない。これは、金属イオンがキレート剤に捕捉されるためである。もしくは、キレート剤が金属イオンで不活性化されるため、金属イオン捕捉能が低下し、洗浄力が低下する。
また、高濃度界面活性剤に対するセルラーゼの安定性を高める方法として、特許文献2にはセロビオースを添加する方法が開示されている。また特許文献3には、セロビオースの添加によってプロテアーゼに対する安定性が高まることが開示されている。しかしながらこれらの何れの文献においても、多糖分解酵素のキレート剤耐性についての開示は無く、キレート剤耐性の向上については改善の余地があった。
特許文献4には、キレート剤、セルラーゼ及びオリゴ糖を含有する液体洗剤組成物が開示されている(実施例12)。しかしながら、上記文献4には布地ケア、カラーケア性能を改善するとの開示はあるが、酵素安定性に関する記載は無い。実施例で使用されているオリゴ糖の詳細は不明であり、セルラーゼのキレート剤耐性に関する記載も無い。また、安定性向上のための酵素とオリゴ糖との組合せについての開示もない。
上述のとおり、これまでに界面活性剤、キレート剤、多糖分解酵素、及びオリゴ糖を含み、洗浄力と保存安定性を両立させた液体洗浄剤を配合する方法は無く、そのような方法が求められていた。
Yves M. Galante等、「Enzyme Application in Detergency and in Manufacturing Industries」、 Current Organic Chemistry、2003年、7巻、1399−1422ページ Hans Sejr Olsen等、「The Role of Enzymes in Modern Detergency」、Journal of Surfactants and Detergents、1998年、1巻、4号、555−567ページ 国際公開1997−10323号公報明細書 特開平02−105898号公報明細書 特開平02−110198号公報明細書 国際公開2001−007556号公報明細書
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、界面活性剤、キレート剤、多糖分解酵素、及びオリゴ糖を含み、高い洗浄力と高い保存安定性を両立した液体洗浄剤を提供することにある。
前記課題を解決するため本発明者は鋭意検討し、界面活性剤、キレート剤、多糖分解酵素、及び特定のオリゴ糖を含む組成物とすることで、上記課題を見事達成できることを見出し、本発明を完成した。以下に本発明を詳述する。
本発明の組成物は、界面活性剤、キレート剤、多糖分解酵素及びオリゴ糖を含有する液体洗浄剤組成物であって、該オリゴ糖は該多糖分解酵素が分解しうる多糖の加水分解物であることを特徴とする液体洗浄剤組成物である。
本発明の組成物は、また、液体洗浄剤組成物に対する該成分の含有量が、界面活性剤1〜70重量%、キレート剤0.1〜30重量%、多糖分解酵素0.0001〜1重量%、及びオリゴ糖0.01〜5重量%の範囲である液体洗浄剤組成物でもある。
上記特定のオリゴ糖を含有し、特定量の組成にすることで、多糖分解酵素は高いキレート剤耐性を発揮する。また、界面活性剤、キレート剤、及び多糖分解酵素の働きにより、優れた洗浄力も有する。特に、キレート剤を含有するため高い金属捕捉能を有し、高硬度の洗浄水中でも高い洗浄力を維持することができる。
上記界面活性剤としては、アニオン性、ノニオン性、カチオン性、両イオン性のいずれのタイプも用いることができ、1種又は2種以上を併用しても良い。界面活性剤含有量としては、好ましくは組成物100重量%中、1〜70重量%、さらに好ましくは、10〜60重量%である。1重量%より低いと十分な洗浄力が得られず、70重量%より高いと均一に溶解するのが困難になる恐れがある。また、洗浄力の観点からアニオン性界面活性剤を含むことが好ましく、具体的には5〜50重量%が好ましい。更に好ましくは、アニオン性とノニオン性界面活性剤の混合物であり、具体的にはアニオン性界面活性剤が5〜50重量%、及びノニオン性界面活性剤が5〜50重量%である。
上記アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル硫酸塩、アルキル又はアルケニル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩又はエステル塩、アルカンスルホン酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、アルキル又はアルケニルリン酸エステル又はその塩等が挙げられる。なお、これらのアニオン性界面活性剤のアルキル基、アルケニル基の中間にメチル基等のアルキル基が分岐していてもよい。好ましくは、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル硫酸塩、アルキル又はアルケニル硫酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩であり、更に好ましくは直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩である。上記アルキル又はアルケニル基は、炭素数10〜20で直鎖のもの、又は分岐鎖を一つのみ含むものが好ましく、上記ポリオキシアルキレン基は、オキシアルキレン単位が1〜30のポリオキシエチレン、又はポリオキシプロピレンであるのが好ましい。また炭素数10〜20のアルキル基を有するアニオン性界面活性剤は、好適な形態である。上記アニオン性界面活性剤は、1種のものを用いても良いし、2種以上を併用して用いても良い。
上記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、高級脂肪酸アルカノールアミド又はそのアルキレンオキサイド付加物、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグリコキシド、脂肪酸グリセリンモノエステル等が挙げられる。なお、これらのノニオン性界面活性剤のアルキル基、アルケニル基の中間にメチル基等のアルキル基が分岐していても良く、好ましくは、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテルである。上記アルキル又はアルケニル基は、炭素数10〜20で直鎖のもの、若しくは、分岐鎖を一つのみ含むものが好ましく、上記ポリオキシアルキレン基はオキシアルキレン単位が1から30のポリオキシエチレン、若しくは、ポリオキシプロピレンであるのが好ましい。
上記カチオン性界面活性剤としては、各種アンモニウム塩又はアミン塩類等を用いることができ、具体的には、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、N−メチルビスヒドロキシエチルアミン脂肪酸エステル塩酸塩等が挙げられる。上記両イオン性界面活性剤としては、カルボキシル型又はスルホベタイン型両性界面活性剤等が挙げられ、具体的には、アルキルアミノ脂肪酸塩、アルキルベタイン、アルキルアミンオキサイド等が挙げられる。
上記キレート剤としては、アミノカルボン酸類、ポリカルボン酸類、リン酸類、ホスホン酸類等が挙げられ、1種又は2種以上を用いることができる。好ましくは、2種以上のキレート剤を用いることである。アミノカルボン酸類としては、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ニトリロ三酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン四酢酸、イミノジコハク酸、ヒドロキシイミノジコハク酸、エチレンジアミンジコハク酸、メチルグリシン二酢酸、上記ポリカルボン酸類としては、クエン酸、酒石酸、ベンゼンポリカルボン酸、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、アクリル酸とマレイン酸とのコポリマー、上記リン酸類としては、オルソリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、テトラリン酸、ヘキサメタリン酸、上記ホスホン酸類としては、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸、ヒドロキシエタンジメチレンホスホン酸等が挙げられる。上記キレート剤は、ナトリウム塩、カリウム塩等の塩型でも良い。好ましいキレート剤としては、アニオン性基を3個以上含むものであり、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ニトリロ三酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン四酢酸、イミノジコハク酸、ヒドロキシイミノジコハク酸、エチレンジアミンジコハク酸、メチルグリシン二酢酸、クエン酸、ポリアクリル酸、アクリル酸とマレイン酸とのコポリマー、トリポリリン酸、テトラリン酸、ヘキサメタリン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸が挙げられる。更に好ましくは、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、クエン酸、トリポリリン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸である。アニオン性基を3個以上含むキレート剤は、優れたキレート能を有するため好適である。
キレート剤の含有量としては、0.1〜30重量%が好ましく、1〜10重量%が更に好ましい。0.1%より低いと十分なキレート性能が得られず洗浄力が低下し、30重量%より高いとキレート性能が過剰になり洗浄力を低下させる恐れがある。
上記組成物は更に、多糖分解酵素、及びオリゴ糖を含有し、該オリゴ糖は該多糖分解酵素が分解しうる多糖の加水分解物であることを特徴とする。これは、配合する多糖分解酵素の種類によって、配合するオリゴ糖種が異なることを意味する。この多糖分解酵素とオリゴ糖の組合せは本発明にとって最も重要であり、酵素のキレート剤耐性を高めるために必須の条件である。「該多糖分解酵素が分解しうる多糖」とは、多糖分解酵素の基質となり加水分解され得る多糖のことである。例えば、セルラーゼの場合はセルロース、アミラーゼの場合はデンプンとなる。なおここで、「多糖分解酵素が分解しうる」ということは、実質的に有用な分解活性を示すことである(例えば、Kcat>1.0(1/分))。従って、「該オリゴ糖は該多糖分解酵素が分解しうる多糖の加水分解物である」ということは、オリゴ糖は、配合する多糖分解酵素の基質多糖を加水分解することで得られるものであることを意味している。例えば、多糖分解酵素がセルラーゼの場合、オリゴ糖はセロオリゴ糖であり、酵素がアミラーゼの場合、オリゴ糖はマルトオリゴ糖であるということである。
この組合せが必須であることは以下の理由による。オリゴ糖は酵素の活性部位に結合し酵素の立体構造を安定化することで、酵素のキレート剤耐性を高める。多糖分解酵素の基質多糖から得られるオリゴ糖は活性部位への高い結合能を有するため、高い耐性向上効果を発揮する。オリゴ糖が基質多糖以外の多糖から得られるものである場合(例えば、セルラーゼとマルトオリゴ糖のような組合せ)では、活性部位との結合は弱くキレート剤耐性の向上効果は十分に得られない。また、単糖類でも活性部位との結合がほとんど起こらず、キレート剤耐性の向上度は低い。したがって、二糖以上のオリゴ糖であることも本発明にとって必須の要件である。
上記多糖分解酵素としては、例えば、セルラーゼ、アミラーゼ、プルラナーゼ、マンナナーゼ、ペクチナーゼ、キシラナーゼ、グルカナーゼ、キチナーゼ、リゾチーム等が挙げられ、1種又は2種以上を用いることができる。酵素の起源は、真菌、細菌、植物、動物由来等、特に限定されない。市販の酵素は、Novozymes社、Genencor社、AB enzymes社、DSM社、シグマアルドリッチ社、花王社、明治製菓社、アマノエンザイム社、ヤクルト社、ナガセケムテックス社、HBI社、洛東化成社等の各酵素メーカーから入手することができる。多糖分解酵素の含有量は、液体洗浄剤組成物に対して酵素活性体の乾燥重量として0.0001〜1重量%であることが好ましく、より好ましくは、0.001〜0.5重量%である。0.0001重量%より低いと酵素の洗浄効果が十分に得られず、1重量%より高いと過剰になり、洗浄対象物への残存が問題になる恐れがある。
オリゴ糖としては、天然物、及び水酸基に化学的な修飾を施した物(カルボキシメチル化物、ヒドロキシエチル化物、ヒドロキシプロピル化物、メチル化物等)、いずれも用いることができるが、水酸基の修飾率は低い方が好ましい。修飾率が高くなるに従って酵素活性部位との結合力が低下するため、安定化性能も低下する。具体的には、オリゴ糖の水酸基の修飾率は0〜10モル%が好ましく、さらに好ましくは、0〜2モル%である。10モル%より高いと、キレート剤耐性が十分に向上しない恐れがある。また、オリゴ糖の還元末端を酸化、還元、グリコシド化、ラクトン化、酸素原子の窒素原子置換等の方法で不活性化してもよい。
オリゴ糖の糖鎖長は、長いほど多糖分解酵素のキレート剤耐性向上度が大きいが、短鎖の方が溶解性は高い。オリゴ糖は液体洗浄剤組成物に均一に溶解していることが好ましいため、洗浄剤組成に従って、溶解する範囲で最大の安定化効果を得られるオリゴ糖鎖長を選択するのが好ましい。オリゴ糖鎖長の選択は、オリゴ糖一分子が含む単糖の平均数で定義される平均重合度により選択することできる。具体的には、平均重合度が2〜10のオリゴ糖が好ましく、2.2〜6であることが更に好ましい。2より低いと十分な耐性向上効果が得られず、10より高いと均一に溶解するのが困難になる恐れがある。グルコース、ガラクトース等の単糖では十分な安定化効果は得られず、単糖類は本発明の範囲外である。また、二糖分解酵素の阻害剤を加えて単糖類の生成を抑制することで、オリゴ糖によるキレート剤耐性向上効果を高めることができる。
オリゴ糖の製造方法としては特に限定されず、多糖の酵素加水分解、酸加水分解等の一般的な方法により得ることができる。オリゴ糖は、混合物、精製した単一化合物いずれも用いることができるが、経済的な観点から混合物で用いることが好ましい。オリゴ糖は、1種、又は2種以上を混合して用いることができる。
オリゴ糖含有量は本発明において重要である。本発明者は、過剰のオリゴ糖が存在すると酵素の安定性が逆に低下する現象を見出した。これは、オリゴ糖の還元末端と酵素のアミノ基が反応(メイラード反応)することに起因していると思われる。したがって、オリゴ糖濃度が高いほど安定性も高いのではなく、最大のキレート剤耐性が得られる最適なオリゴ糖の含有量が存在する。オリゴ糖の含有量としては、0.01〜5重量%であれば良く、好ましくは0.05〜2重量%であり、さらには0.1〜1重量%が更に好ましい。0.01重量%より低いと十分な耐性向上効果が得られず、5重量%より高いと、オリゴ糖と酵素との反応により耐性を低下させる恐れがある。少量添加の方がより高い安定化効果が得られることもあり、経済的にも優位となる。なお、オリゴ糖/多糖分解酵素のモル比が十分に大きければ、オリゴ糖の効果は組成物中の濃度に依存し、オリゴ糖/多糖分解酵素のモル比にはよらない。以下、本発明で使用できる多糖分解酵素とオリゴ糖の組合せを例示するが、本発明はこれに限定されない。
上記セルラーゼとしては、エンドセルラーゼ、セロビオハイドロラーゼ、β−1,4−エンドグルカナーゼ等を含み、好ましくは真菌及び細菌由来のものであり、更に好ましくは真菌由来のものである。Humicola属、Trichoderma属、Thielavia属、Sporotrichum属、Myceliophthora属、Aspergillus属、Melanocarpus属、Fusarium属、Rhizopus属、Bacillus属、Cellulomonas属等が具体的に挙げられ、Humicola insolens、Humicola grisea、Humicola thermoidea、 Humicola lanuginosa、Fusarium oxysporum、Trichoderma reesei、Trichoderma longibrachiatum属、Thielavia terrestris由来のセルラーゼが好ましい。さらに具体的には、WO91−17243、WO91−17244、WO94−21802、WO00−14208、WO00−37614、WO94−07998、WO01−32817、WO95−24471、WO00−24879、EP271004、WO94−01532、WO96−34092、WO04−039969、WO96−29397、WO98−12307号公報で記載されているセルラーゼ等を用いることができる。市販のものとしては、Novozymes社のEndolase(商標)、Carezyme(商標)、Celluzyme(商標)、Renozyme(商標)、Genencor社のPuradax EG L(商標)、AB enzymes社のEconase(商標)、Ecopulp(商標)、また、DSM社、花王社、明治製菓社、アマノエンザイム社、ヤクルト社、ナガセケムテックス社等の各会社から入手することができる。好ましくは、Carezyme(商標、Humicola insolens DSM1800由来の43kDaセルラーゼ、グリコシルハイドロラーゼファミリー45)、Endolase(商標、Humicola insolens DSM1800由来の50kDaセルラーゼ、グリコシルハイドロラーゼファミリー7)、Puradax(商標、Trichoderma reesei由来セルラーゼ)であり、Carezyme(商標)が更に好ましい。更に、上記セルラーゼは、β−グルコシダーゼ活性を有さないものが好ましい。これは、オリゴ糖が単糖まで分解されるのを防ぐためである。上記多糖分解酵素にセルラーゼを用いる場合、上記オリゴ糖としては、セルラーゼが分解しうる多糖の加水分解物である限り限定されないが、例えば、各種セルロースの加水分解物、セロオリゴ糖を用いることができ、具体的にはセロビオース、セロトリオース、セロテトラオース、セロペンタオース、セロヘキサオース等が挙げられる。
上記アミラーゼとしては、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、イソアミラーゼ等を含み、Bacillus属、Streptomyces属、Aspergillus属、Rhizopus属、Pyrococcus属、Klebsiella属、Penicillum属由来のものが好適である。さらに具体的には、特開昭48−91271、特開昭61−209588、特開平04−500756、WO97−32961、特表平10−504197、特表平8−500243、特表平8−504586、特表平8−506731、特表平9−503916、特表平9−510617、特表2001−520006、特表2001−521739、特表2002−504323、特表2002−530072、特表2002−540785、特表2003−507586、特表2004−508815、特表2006−509511、WO2004−053039号公報で記載されているもの等を例示できる。市販のものとしては、Novozymes社のTermamyl(商標)、Stainzyme(商標)、Duramyl(商標)、Natalase(商標)、Genencor社のPurastar ST L(商標)、Purastar HPAm L(商標)、Purastar OXAm(商標)、アマノエンザイム、DSM社から得られるアミラーゼ類等を好適に用いることができる。更に好ましくは、Termamyl(商標)、Stainzyme(商標)、Duramyl(商標)、Purastar ST L(商標)、Purastar HPAm L(商標)である。上記多糖分解酵素にアミラーゼを用いる場合、上記オリゴ糖としては、アミラーゼが分解しうる多糖の加水分解物である限り限定されないが、例えば、デンプン、アミロース、アミロペクチンの加水分解物、イソマルトオリゴ糖を用いることができ、具体的にはマルトース、マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース等が挙げられ、直鎖状のものが好ましい。
上記プルラナーゼとしては、特開平6−245768、特開平10−327868、特開2006−174841、WO92−02614、WO92−16617、WO99−45124号公報で記載されているもの等を使用でき、市販品では、Novozymes社のPromozyme(商標)等を使用できる。プルラナーゼと好適に使用できるオリゴ糖としては、プルランの加水分解物、マルトトリオースが挙げられる。
上記マンナナーゼとしては、WO2004−053039、WO99−64573、WO99−64619、特開2005−160476号公報等に記載されているものが使用でき、市販品ではNovozymes社のMannaway(商標)、Genencor社のPurabrite(商標)等を使用できる。マンナナーゼと好適に使用できるオリゴ糖としては、マンナン、グルコマンナン、及びガラクトマンナンの加水分解物、マンノースを含むオリゴ糖類が挙げられ、さらに具体的にはマンノビオース、マンノトリオース、マンノテトラオース等が挙げられる。
上記ペクチナーゼとしては、ペクチン酸リアーゼも含み、WO2002−92741、特開平10−337187、特開平11−318443、WO2000−42155、WO2003−95638号公報で記載されているもの等を使用でき、市販品では、Novozymes社のPectinex(商標)等を使用できる。ペクチナーゼと組み合せて用いることができるオリゴ糖としては、ペクチン、ペクチン酸の加水分解物、ガラクツロン酸を含むオリゴ糖類が挙げられる。
上記キシラナーゼとしては、β−キシラナーゼ、キシログルカナーゼ等を含み、WO96−13568、WO99−02663、特開2007−54050号公報等に記載されているものが使用できる。キシラナーゼと好適に使用できるオリゴ糖としては、キシラン及びキシログルカンの加水分解物、キシロオリゴ糖類が挙げられ、さらに具体的にはキシロビオース、キシロトリオース、キシロテトラオース、キシロペンタオース等が挙げられる。上記グルカナーゼと好適に使用できるオリゴ糖としては、β−1,3−グルカンの加水分解物、上記キチナーゼと好適に使用できるオリゴ糖としては、キチンの加水分解物、グルコサミンを含むオリゴ糖類、上記リゾチームと好適に使用できるオリゴ糖としては、ペプチドグリカンの加水分解物が挙げられる。
上記多糖分解酵素は、表面に存在するアミノ基が化学修飾剤によりノニオン性、もしくはアニオン性の官能基に変換されていることが好ましい。これは、アミノ基の塩基性が洗浄剤組成物中で酵素安定性を低下させるためである。アミノ基は上述したように、オリゴ糖の還元末端と反応することで酵素活性を低下させる可能性がある。したがって、あらかじめ酵素活性に影響しない化学修飾剤でノニオン性(アミド基)、もしくはアニオン性(カルボキシル基等)の官能基に変換することで、オリゴ糖による安定化効果を最大化することができる。好ましくはアニオン性の官能基に変換することである。具体的には、アミド基、カルボキシル基に変換するのが好ましく、カルボキシル基に変換するのが更に好ましい。アニオン性の官能基に変換することにより、キレート剤含有の洗浄剤組成物中で更に高い安定性を示す。
上記化学修飾剤としては、カルボン酸無水物、カルボン酸塩化物等を用いることができるが、カルボン酸無水物、特に環状のカルボン酸無水物が好ましい。カルボン酸無水物は主に酵素表面に存在するアミノ基と反応してノニオン性のアミド基を形成するが、環状のカルボン酸無水物の場合、アミド基を介してカルボキシル基が更に連結される。更に好ましくは、高分子の環状カルボン酸無水物である。具体的には、無水酢酸、無水コハク酸、ピロメリット酸二無水物、エチレンジアミン四酢酸二無水物、無水マレイン酸ホモポリマー、無水マレイン酸を含むコポリマー、及びPCT/JP2006/322058で記載の各種高分子修飾剤等が使用でき、好ましくは、無水マレイン酸ホモポリマー、無水マレイン酸を含むコポリマー、及びPCT/JP2006/322058で記載の各種高分子修飾剤である。化学修飾の方法としては特に限定されないが、PCT/JP2006/322058で記載の方法等を用いることができる。
また、上記多糖分解酵素は、活性の至適pHがpH4−12の範囲にあるものが好ましく、pH6−9にあるものが更に好ましい。至適pHが6−9であると、洗剤組成物のpHも同範囲に設定することができ、高い洗浄力と保存安定性、および低い皮膚・布地刺激性を有する理想的な洗浄剤とすることができる。また、上記多糖分解酵素は、例示した酵素にアミノ酸置換を施した変異体も使用でき、少なくとも90%の相同性を有することが好ましい。
上記液体洗浄剤組成物は更に、多糖分解酵素以外の酵素、オリゴ糖以外の酵素安定化剤、蛍光増白剤、起泡剤、気泡抑制剤、抗菌剤、分散剤、汚れ放出ポリマー、粘度調整剤、香料、柔軟剤、漂白剤、着色剤、可溶化剤、アルカリ剤、pH調整剤等のその他成分を含んでいても良い。オリゴ糖添加による微生物の増殖を防ぐため、抗菌剤を含有することが特に好ましい。これらの含有量は目的に合わせて適宜設定すれば良いが、好ましくは組成物中、0〜50重量%であり、さらに好ましくは0〜30重量%である。
上記多糖分解酵素以外の酵素としては、プロテアーゼ、リパーゼ、パーオキシダーゼ、
等が挙げられ、特にプロテアーゼを含むことが好ましい。プロテアーゼとしては特に限定されないが、Novozymes社のSavinase(商標)、Alcalase(商標)、Esperase(商標)、Liquanase(商標)、Everlase(商標)、Ovozyme(商標)、Polarzyme(商標)、Kannase(商標)、Genencor社のPurafect L(商標)、Purafect OX(商標)、Purafect Prime(商標)、Properase(商標)等を使用することができ、その他、AB enzymes社、DSM社、シグマアルドリッチ社、花王社、アマノエンザイム社、ナガセケムテックス社、HBI社、洛東化成社等の各酵素メーカーから入手できるプロテアーゼを使用することもできる。また、プロテアーゼによる多糖分解酵素の失活を防ぐために、プロテアーゼの可逆的阻害剤を加えることがより好ましい。阻害剤としては、ホウ酸/プロピレングリコール系、フェニルホウ酸化合物等が挙げられる。リパーゼとしては特に限定されないが、Novozymes社のLipex(商標)、Lipolase(商標)等を使用することができる。オリゴ糖以外の酵素安定化剤としては、カルシウム塩、マグネシウム塩等の金属塩類が挙げられる。これらは、キレート剤の性能に影響を与えない範囲で極微量(例えば0.1%以下)添加することは可能である。
また、本発明の組成物は、界面活性剤、キレート剤、多糖分解酵素、及びオリゴ糖を含有する液体洗浄剤組成物であるが、溶媒を用いることが好ましい。溶媒としてはイオン交換水、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等を用いることができる。溶解性、安全性の点で、イオン交換水、エタノール、プロピレングリコールが好ましい。特にイオン交換水が好ましい。溶媒の含有量としては、0〜90重量%が好ましく、さらに好ましくは0〜50重量%である。
上記液体洗浄剤組成物のpHとしては特に限定されず、目的にあわせて設定すれば良いが、好ましくはpH5−12であり、更に好ましくはpH6−9の範囲である。pHが5より低いと洗浄力が低下し、pHが12より高いと酵素安定性が極端に低下したり、皮膚刺激性が高まる等の問題が起こる恐れがある。
上記液体洗浄剤組成物の用途は特に限定されないが、衣料洗浄剤、食器洗浄剤、自動食器洗浄剤、身体洗浄剤、洗顔剤、シャンプー、口腔洗浄剤、硬質表面洗浄剤、布地洗浄剤等の各種洗浄剤用途に使用することができる。特に、衣料洗浄剤、食器洗浄剤、自動織機洗浄剤用途が好適である。
多糖分解酵素の酵素活性測定は、DNS(3,5−ジニトロサリチル酸、Miller G L、Anal. Chem.、31巻、426ページ、1959年)によって行った。すなわち、多糖を基質とし、一定時間酵素反応を行った後、生成した還元糖量をDNS試薬を用いて定量した。セルラーゼ活性の測定は、基質として4重量%のカルボキシメチルセルロースナトリウム塩(シグマアルドリッチ社)、バッファーとしてpH7、50mMのリン酸緩衝液を用い、40℃で一定時間分解反応を行い、還元糖量を測定した。アミラーゼ活性の測定の際には、基質として可溶性デンプン(和光)を用いてセルラーゼ活性測定と同様に行った。
多糖分解酵素のキレート剤含有組成物中における耐性試験は、以下のようにして行った。すなわち、初期活性を測定し、一定温度で一定時間保存後に再び活性を測定する。初期活性を100%として残存活性を算出し、耐性の指標とした。
本発明方法によれば、液体洗浄剤組成物において、多糖分解酵素とキレート剤を安定的に配合することができるため、高い洗浄力と保存安定性を兼ね備えた液体洗浄剤組成物を得ることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、以下断りのない場合、「%」は「重量%」を示すものとする。
(実施例1)
界面活性剤、キレート剤、多糖分解酵素、及びオリゴ糖を含有する表1に示した組成の液体洗剤(pH8)を調製した。ここでは、多糖分解酵素としてセルラーゼのCarezyme(商標、Novozymes社、酵素活性体含量は約5%)4500Lを使用し、プロテアーゼとしては、Purafect Prime 4000L(商標、Genencor社)を使用した。また、オリゴ糖としては、表2に示す各種セロオリゴ糖(セルラーゼが分解しうる多糖由来のオリゴ糖)を0.25%添加した。セロビオースは和光純薬、セロビオース以外のセロオリゴ糖は生化学工業より入手した。また、セロオリゴ糖混合物は、セロビオース、セロトリオース、セロテトラオース、セロペンタオースを等重量ずつ含む混合物である(平均重合度3.14)。さらに、化学修飾されているセロオリゴ糖として、カルボキシメチルセルロースの酵素分解物(水酸基修飾率50モル%、平均重合度約5)についても同様に組成物を調製した。
これら液体洗剤組成物について、40℃におけるセルラーゼの耐性試験を行った結果を表2に示す。各種セロオリゴ糖の添加によって、キレート剤含有洗剤におけるセルラーゼの耐性向上効果が認められた。特に、長鎖のセロオリゴ糖、化学修飾されていないセロオリゴ糖で効果が高かった。
(比較例1)
実施例1と同様に、ただしここではセロオリゴ糖の代わりに、セルラーゼが分解しうる多糖の分解物ではないオリゴ糖(ラクトース、イソマルトトリオース)、あるいは単糖(グルコース)を0.25%添加したもの、さらに糖類を全く添加しないもの、を各種調製し、実施例1と同様にセルラーゼの耐性試験を行った。結果を表2に合わせて示す。単糖のグルコース、あるいはセルラーゼの基質由来でないオリゴ糖(ラクトース、イソマルトトリオース)の添加では、耐性向上効果はほとんど見られなかった。
Figure 2008255296
Figure 2008255296
(実施例2)
オリゴ糖濃度の影響を検討した。すなわち、表1と同様の組成で、ただしオリゴ糖としてはセロビオースを使用し、表3に示したようにセロビオースの含有量を変化させて添加した組成物を調製した。オリゴ糖以外の成分は表1と全く同様の組成で調製した。これら液体洗剤組成物について、40℃におけるセルラーゼの耐性試験を行った結果を表3に示す。
Figure 2008255296
(実施例3)
酵素のアミノ基を無水コハク酸で化学修飾したCarezyme(商標)を調製した。すなわち、Carezyme4500Lの0.5mlをチューブに入れ、2モル/l、pH8のトリエタノールアミン(TEA)バッファーを0.1ml加えて混合した。更に、化学修飾剤として0.5モル/lの無水コハク酸/N−メチルピロリドン(NMP)溶液を0.04ml加えて混合し、更に室温で一時間静置した。最後にイオン交換水を加えて最終体積を1mlに調整し、化学修飾CarezymeA(無水コハク酸修飾)1mlを得た。アミノ基の修飾率を測定したところ、86%であった。なお、修飾率の測定はTNBS(トリニトロベンゼンスルホン酸)法を用い、PCT/JP2006/322058に記載の方法に従った。酵素のアミノ基は無水コハク酸と反応してアミド結合を形成し、更にコハク酸由来のカルボキシル基が付加されるためアニオン性に変換される。
(実施例4)
ピロメリット酸二無水物(PMDA)で化学修飾したCarezymeを調製した。実施例3と同様に、ただし、無水コハク酸/NMP溶液の代わりに、今度は0.5モル/lのPMDA/NMP溶液を0.02ml添加し、化学修飾CarezymeB(PMDA修飾)1mlを得た。アミノ基の修飾率は84%であった。
更に、PMDA系ポリマーで化学修飾したCarezymeも調製した。修飾剤(PMDAとモノエタノールアミンの付加物)は、PCT/JP2006/322058の実施例101に記載の方法で調製した。実施例3と同様に、ただし、無水コハク酸/NMP溶液の代わりに、今度はPMDA/モノエタノールアミン(MEA)付加物溶液を0.04ml添加し、化学修飾CarezymeC(PMDA/MEA修飾)1mlを得た。アミノ基の修飾率は83%であった。
更に、無水マレイン酸ポリマーで化学修飾したCarezymeも調製した。ポリ無水マレイン酸は、和光純薬から入手した平均分子量5000のものである。実施例3と同様に、ただし、無水コハク酸/NMP溶液の代わりに、ここでは5%のポリ無水マレイン酸/NMP溶液を0.04ml添加し、化学修飾CarezymeD(ポリ無水マレイン酸)1mlを得た。アミノ基の修飾率は80%であった。主に酵素表面に存在するアミノ基が、環状カルボン酸無水物との反応によりカルボキシル基に変換される。
(実施例5)
酵素化学修飾の影響を検討した。表1と同様の組成で、ただしここではセルラーゼ及びオリゴ糖を表4のように一部変更して液体洗剤組成物を調製した。オリゴ糖は、0.25%添加した。なお、実施例3及び4で調製した化学修飾CarezymeA〜Dを用いた際は、組成物に対して2.0%加えた(酵素活性体濃度は無修飾のCarezymeと同一に設定)。セルラーゼ、オリゴ糖以外の成分は表1と全く同様の組成で調製した。これら液体洗剤組成物について、40℃におけるセルラーゼの耐性試験を行った結果を表4に示す。化学修飾酵素によって、更に高い耐性を付与できることが分かった。
Figure 2008255296
(実施例6)
より実際の保存条件に近い30℃での耐性試験を行った。すなわち、表1と同様の組成で、ただしセルラーゼ及びオリゴ糖を表5のように一部変更して液体洗剤組成物を調製した。なお、オリゴ糖は0.25%添加した。また、化学修飾CarezymeCの場合は2.0%添加した。セルラーゼ、オリゴ糖以外の成分は表1と全く同様の組成で調製した。これら液体洗剤組成物について、30℃におけるセルラーゼの耐性試験を行った結果を表5に示す。オリゴ糖添加、及び化学修飾によって実用的な耐性が得られることがわかった。
(比較例2)
実施例6と同様に、ただしセルラーゼとしてCarezyme(無修飾)を1%添加し、オリゴ糖は何も添加せずに、実施例6と同様に耐性試験を行った。結果を表5に示す。
Figure 2008255296
(実施例7)
今度は、多糖分解酵素、オリゴ糖、及びプロテアーゼを変更して実験を行った。すなわち表1の組成で、ただし、多糖分解酵素、及びオリゴ糖の種類、含有量は表6のように変更して液体洗剤組成物を調製した。ここで用いた多糖分解酵素は、セルラーゼのPuradax EG 7000L(商標、Genencor社、酵素活性体含有量は約8%)である。また、プロテアーゼとしては、Savinase(商標、Novozymes社、酵素活性体含有量は約6%)を0.5%添加した。これら液体洗剤組成物について、40℃におけるセルラーゼの耐性試験を行った。また、比較例としてオリゴ糖を添加しない実験も同様に行った。結果を表6に示す。セロオリゴ糖を含有することでPuradaxにおいても、キレート剤含有洗浄剤中での耐性向上が確認され、セロトリオースが特に効果が高かった。
Figure 2008255296
(実施例8)
更に、多糖分解酵素、オリゴ糖、及びプロテアーゼを変更して実験を行った。すなわち表1の組成で、ただし、多糖分解酵素、及びオリゴ糖の種類、含有量は表7のように変更して組成物を調製した。ここで用いた多糖分解酵素は、セルラーゼのEndolase 5000L(商標、Novozymes社、酵素活性体含有量は約5%)である。また、プロテアーゼとしては、Esperase(商標、Novozymes社)を0.2%添加した。これら液体洗剤組成物について、40℃におけるセルラーゼの耐性試験を行った。また、比較例としてオリゴ糖を添加しない実験も同様に行った。結果を表7に示す。セロオリゴ糖を含有することでEndolaseにおいても、キレート剤含有洗浄剤中での耐性向上が確認された。低濃度の方が効果は高く、2%では安定化効果が見られなかった。また、セロテトラオースが特に効果が高かった。
Figure 2008255296
(実施例9)
市販洗剤の液体アタック(商標、花王社、44%ポリオキシエチレンアルキルエーテル含有、pH9)に、キレート剤としてエチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩を1.0%、多糖分解酵素としてEndolaseを0.5%、およびオリゴ糖としてセロビオースを1.0%添加し、液体洗剤組成物を調製した。45℃、12時間の条件で耐性試験を行ったところ、残存セルラーゼ活性は70%であった。また、比較例として、オリゴ糖を全く添加せずに同様の実験を行ったところ、残存活性は39%であった。
(実施例10)
市販洗剤の液体タイド(商標、P&G社)に、表8に従って多糖分解酵素、およびオリゴ糖を添加し、液体洗剤組成物を調製した。30℃にて耐性試験を行った結果を表8に示す。比較例として、オリゴ糖を添加しない実験も同様に行った。
Figure 2008255296
(実施例11)
実施例6で調製した洗浄剤組成物(セロトリオースを添加した2組成物)を用いて、人工汚染布(EMPA116、EMPA163)の洗浄試験を行った。調製直後の組成物、および30℃で60日保存後の組成物ともに、良好な洗浄力を示した。
本発明の液体洗浄剤組成物は、優れた洗浄力と保存安定性を有するため、衣料用洗浄剤をはじめとする各種洗浄剤として有効に利用することができる。

Claims (5)

  1. 界面活性剤、キレート剤、多糖分解酵素、及びオリゴ糖を含有する液体洗浄剤組成物であって、該オリゴ糖は該多糖分解酵素が分解しうる多糖の加水分解物であることを特徴とする液体洗浄剤組成物。
  2. 液体洗浄剤組成物に対する該成分の含有量が、界面活性剤1〜70重量%、キレート剤0.1〜30重量%、多糖分解酵素0.0001〜1重量%、及びオリゴ糖0.01〜5重量%の範囲である請求項1記載の液体洗浄剤組成物。
  3. 液体洗浄剤組成物に対する該オリゴ糖の含有量が、0.1〜1重量%の範囲である請求項1及び2記載の液体洗浄剤組成物。
  4. 該オリゴ糖の平均重合度が2〜10の範囲である請求項1〜3記載の液体洗浄剤組成物。
  5. 該多糖分解酵素に存在するアミノ基が、化学修飾剤によりノニオン性、もしくはアニオン性の官能基に変換されている請求項1〜4記載の液体洗浄剤組成物。
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