JP2008255117A - 非晶質アトルバスタチン・カルシウムの形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】非晶質アトルバスタチンの現在の製造方法は、毒性又は環境の観点から最適ではない溶媒を含み、さらに、現在の方法は、製造能力の点で最適ではなく、そして大規模合成に好適ではない。以上の課題を解決するための非晶質アトルバスタチン・カルシウムの改良された製造方法の提供。
【解決手段】以下のステップ:(a)溶媒中にアトルバスタチンを溶解して溶液を形成し;そして(b)上記溶液を、非溶媒とヒドロキシル溶媒を含む混合物に添加して、溶液からアトルバスタチンを沈澱させることによって非晶質アトルバスタチンを得る、を含む方法により形成される、非晶質アトルバスタチン・ヘミ−カルシウム塩トリヒドレート。
【選択図】なし
【解決手段】以下のステップ:(a)溶媒中にアトルバスタチンを溶解して溶液を形成し;そして(b)上記溶液を、非溶媒とヒドロキシル溶媒を含む混合物に添加して、溶液からアトルバスタチンを沈澱させることによって非晶質アトルバスタチンを得る、を含む方法により形成される、非晶質アトルバスタチン・ヘミ−カルシウム塩トリヒドレート。
【選択図】なし
Description
本発明の分野 本発明は、ヒドロキシル溶媒を含有する非溶媒を用いて溶液からアトルバスタチンを沈澱させることによる非晶質アトルバスタチンの形成方法に関する。
本発明の背景 3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−コエンザイムA(HMG−CoA)からメバロネートへの変換は、コレステロール生合成経路における初期の律速段階である。この段階は、酵素HMG−CoAレダクターゼにより触媒される。スタチンは、HMG−CoAレダクターゼが上記変換を触媒することを阻害する。それゆえ、スタチンは、集合的に、有効な脂質低下剤である。
アトルバスタチン・カルシウムは、化合名〔R−(R*,R*)〕−2−(4−フルオロフェニル)−β,δ−ジヒドロキシ−5−(1−メチルエチル)−3−フェニル−4−〔(フェニルアミノ)カルボニル〕−1H−ピロール−1−ヘプタン酸カルシウム塩(2:1)トリヒドレートを有し、そして以下の式:
で表され、リピトール(登録商標)として現在販売されている。
アトルバスタチン及び医薬として許容されるその塩は、HMG−CoAレダクターゼの、選択的、競争阻害剤である。それゆえ、アトルバスタチン・カルシウムは、有効な脂質低下性化合物であり、そしてそれゆえ、脂血症低下剤及び/又はコレステロール血症低下剤として有用であり、そしてまた骨粗しょう症、良性前立腺過形成(BPH)、及びアルツハイマー病の治療に有用である。
アトルバスタチン、アトルバスタチンの製剤、並びにアトルバスタチンの製造方法及び重要な中間体を開示する多数の特許が発行されている。これらは、米国特許第4,681,893;5,273,995;5,003,080;5,097,045;5,103,024;5,124,482;5,149,837;5,155,251;5,216,174;5,245,047;5,248,793;5,280,126;5,397,792;5,342,952;5,298,627;5,446,054;5,470,981;5,489,690;5,489,691;5,510,488;5,686,104;5,998,633;6,087,511;6,126,971;6,433,213;及び6,476,235号を含み、そして本明細書中に援用される。
さらに、多数の公開国際特許出願及び特許が、アトルバスタチンの結晶形、非晶質アトルバスタチンの製造方法を開示している。これらは、US 5,969,156;US 6,121,461;US 6,605,759;WO 01/36384;WO 02/41834;WO 02/43667;WO 02/43732;WO 02/051804;WO 02/057228;WO 02/057229;WO 02/057274;WO 059087;WO 02/083637;WO 02/083638;WO 03/011826;WO 03/050085;WO 03/07072;及びWO 04/022053を含む。
多くの医薬の非晶質形態は、その結晶形に比較して、異なる溶解特性、そしていくつかの場合には、異なる生物学的利用能パターンを示すことが開示されている(Konno T., Chem. Pham. Bull., 1990; 38; 2003-2007)。いくつかの治療適応に関しては、1の生物学的利用能パターンは、他のものよりも好まれる。
溶解速度の変化は、結晶又は非晶質形態のいずれかのアトルバスタチン製剤を製造することを有利にすることができる。例えば、アトルバスタチンのいくつかの可能性のある用途のためには(例えば、Takemoto, M.; Node, K.; Nakagami, H.; Liao, Y.; Grimm, M.; Takemoto,
Y.; Kitakaze, M.; Liao, J.K., Journal of Clinical Investigation, 2001; 108
(10): 1429-1437中に記載されるような、発作をもつ患者の急性治療のためには)、活性の速い開始が、アトルバスタチンの効力の改良において高く有益である)。
Y.; Kitakaze, M.; Liao, J.K., Journal of Clinical Investigation, 2001; 108
(10): 1429-1437中に記載されるような、発作をもつ患者の急性治療のためには)、活性の速い開始が、アトルバスタチンの効力の改良において高く有益である)。
非晶質アトルバスタチンの調製は、先に開示されている。例えば、Linら、米国特許第6,087,511号は、結晶アトルバスタチンからの非晶質アトルバスタチンの形成を開示する。非晶質アトルバスタチンを形成するために、Linらは、結晶アトルバスタチンが、テトラヒドロフランの如き非ヒドロキシル溶媒中に溶解されることを開示する。上記非ヒドロキシル溶媒は、除去されて、割れやすい泡が作られ、これは、機械的撹拌により壊されて、非晶質アトルバスタチンが得られる。
WO 00/71116も、非ヒドロキシル溶媒を使用する非晶質アトルバスタチンの形成を開示する。
WO 01/28999は、有機溶媒から粗アトルバスタチンを再結晶化することによる非晶質アトルバスタチンの形成方法であって、加熱下、2〜4炭素原子を含む低級アルカノール又は当該アルカノールの混合物中に、粗非晶質アトルバスタチン・カルシウムを溶解させることを含む前記方法を開示する。非晶質アトルバスタチン・カルシウムは、冷却後に沈澱する。
WO 01/42209は、アトルバスタチンがそれに自由に溶解される溶媒が提供されているアトルバスタチン溶液から、アトルバスタチンがその中に不溶性又はひじょうに僅かに可溶性であるところの溶媒を用いて、アトルバスタチンを沈澱させることによる非晶質アトルバスタチンの製造を開示する。アトルバスタチンがその中に自由に溶解性であるところの好ましい溶媒は、低分子量アルコール、例えば、メタノール及びエタノールを含む。
非晶質アトルバスタチンの現在の製造方法は、毒性又は環境の観点から最適ではない溶媒を含む。さらに、現在の方法は、製造能力の点で最適ではなく、そして大規模合成に好適ではない。それゆえ、非晶質アトルバスタチンの改良された製造方法の要求が未だ存在する。
本発明の要約 本発明の第1の局面は、非晶質アトルバスタチンの形成方法であって、以下のステップ: (a)溶媒中にアトルバスタチンを溶解して、溶液を形成し;及び (b)上記溶媒を、非溶媒とヒドロキシル溶媒を含む混合物に添加して、非晶質アトルバスタチンを得る、を含む前記方法である。
好ましい方法においては、非晶質アトルバスタチン・カルシウムを沈澱させるために使用する非溶媒は、溶解性/混和性ヒドロキシル溶媒、例えば、2−プロパノールとともに、脂肪族又はアルカン溶媒、例えば、ヘプタン(単数)、ペプタン(複数)、ヘキサン、その他を含む。
我々は、驚ろくべきことに、上記非溶媒中への少量のヒドロキシル溶媒の添加が、非晶質アトルバスタチン・カルシウムの沈澱及び形成を改善するために使用しうることを、発見した。より特に、アトルバスタチン・カルシウムが自由溶解性溶媒を含有する溶液中に溶解され、そして少量のヒドロキシル溶媒を含む非溶媒に添加されるときに、非晶質材料が形成される。上記非溶媒混合物中のヒドロキシル溶媒の使用は、1の利点の内の1以上を提供する。ヒドロキシル溶媒の使用は、ヒドロキシル溶媒が沈澱プロセスの間に存在しないときに容易に生じるところの、非晶質アトルバスタチン・カルシウムが反応容器の壁に付着しないという追加の利点を有する。さらに、上記沈澱プロセスにより達成される小さな粒子サイズは、粉砕ステップの必要性を軽減し、それにより、商業的使用のための材料の製造における装置操作の数を減少させる。これらのプロセス上の利点は、商業的又は工場スケールでの多量の非晶質アトルバスタチンの製造において極めて重要である。
単位投与形態における本発明に係る方法により製造される非晶質アトルバスタチンの使用は、同時係属中の、共有譲渡された特許出願表題「アトルバスタチンの医薬組成物」(代理人書類番号第PC25684、逐次番号)中に開示されている。
本発明の第2の局面は、容器及び治療的有効量の非晶質アトルバスタチン・カルシウムを含む、商業的販売に好適な治療用パッケージ又はキットである。
本発明の第3の局面は、低コレステロール血症及び/又は低脂血症、骨粗しょう症、良性前立腺過形成(BPH)、及びアルツハイマー病を患う患者を治療するための非晶質アトルバスタチン・カルシウムの使用方法である。
本発明の、以上の、そして他の目的、特徴、及び利点は、以下の詳細な説明を考慮することによりより容易に理解されるであろう。
本発明の詳細な説明 当業者により認められるように、好適な溶媒中に溶解した開始アトルバスタチンは、いずれの形態学的形態、例えば、結晶又は非晶質、及び無秩序結晶、液晶、プラスチック結晶、中間相、その他、又はそれらの組合せであることができる。アトルバスタチンは、例えば、米国特許第4,681,893号、同5,273,995号、及び同第5,969,156号中に記載されるように容易に製造されうる。これらを本明細書中に援用する。用語「アトルバスタチン」は、遊離酸形態、塩形態、溶媒和物、水和物、及び多形を含む。アトルバスタチンの医薬として許容される塩基付加塩は、金属又はアミン、例えば、アルカリ及びアルカリ土類金属又は有機アミンとともに形成される。カチオンとして使用される金属の例は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、その他である。好適なアミンの例は、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、N−メチルグルタミン、及びプロカインである。(例えば、Berge, S.M. et al.,“Pharmaceutical Salts”, J. of Pharm. Sci., 1977;
66: 1を参照のこと)。
66: 1を参照のこと)。
アトルバスタチンの好ましい形態は、商品名LIPITOR(登録商標)の下で販売されているアトルバスタチン・ヘミ−カルシウム塩トリヒドレートである。
用語「アルカン」は、本明細書中に使用するとき、6〜10個の炭素原子の直鎖又は分枝脂肪族炭化水素、例えば、ヘキサン、ヘプタン(単数)、ペプタン(複数)、その他をいう。
用語「アルカノール」は、本明細書中に使用するとき、1以上のヒドロキシル基を含む1〜6個の炭素原子の上記「アルカン」、例えば、1−プロパノール、2−プロパノール、その他をいう。
用語「シクロアルカン」は、本明細書中に使用するとき、5〜8個の炭素原子を含む炭化水素環、例えば、シクロヘキサン、シクロヘプタン、その他をいう。
非晶質アトルバスタチン・カルシウムは、アトルバスタチン・カルシウムの溶液が。非極性溶媒とヒドロキシル補助溶媒を含む非溶媒混合物に添加される方法による沈澱により形成される。アトルバスタチン・カルシウムを溶解させるために好適な溶媒は、例えば、アトルバスタチン・カルシウムがそれに溶解性であるところの極性有機溶媒を含む。本法における使用のために好適な非溶媒は、アルカンその他の非極性及び低極性溶媒、例えば、ヘキサン、ヘプタン(単数)、ペプタン(複数)、その他、シクロアルカン、例えば、シクロヘキサン、その他並びに他の非極性及び低極性溶媒、例えば、トルエン、イソプロピル・エーテル、その他を含む。本法における使用に好適なヒドロキシル溶媒は、1以上のヒドロキシル基を含む有機溶媒を含む。溶解のために好適な溶媒は、アトルバスタチンがそれに溶解性であるところのいずれかの溶媒であることができる。好ましくは、アトルバスタチンは、溶解性溶媒中少なくとも1重量%、そしてより好ましくは少なくとも5重量%の溶解度をもつ。好ましくは、上記溶媒は、150℃以下の沸点をもって揮発性でもある。さらに、上記溶媒は、比較的低い毒性をもつべきであり、そしてThe International Committee on Harmonization(ICH)ガイドラインに従って許容されるレベルに上記非晶質アトルバスタチンから除去されうる。このレベルまでの溶媒の除去は、その後の処理工程、例えば、トレー乾燥を要求しうる。好ましい溶解溶媒は、例えば、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、アセトン、メチル・エチル・ケトン等を含む。好ましい非溶媒混合物は、アルカン又はシクロアルカン溶媒の混合物、例えば、少量のヒドロキシル溶媒を、例えば、1〜6個の炭素原子をもつアルカノール、例えば、2−プロパノールを含むヘプタンを含む。
したがって、本法においては、アトルバスタチン・カルシウムは、その中にアトルバスタチン・カルシウムが自由に溶解するところの溶媒中に溶解される。好ましい溶媒は、例えば、非プロトン極性溶媒、例えば、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチル・ケトン、その他を含む。最も好ましい溶媒は、THFである。
上記溶解性溶媒中のアトルバスタチンの好ましい濃度は、上記溶解性溶媒中のアトルバスタチン・カルシウムの溶解度により決定される。THFに関しては、本法に好適な濃度範囲は、アトルバスタチン・カルシウム1g当り約8〜約20mlの間の溶媒である。好ましい溶媒濃度は、アトルバスタチン1g当り約10mLの溶媒である。
本法において使用される非溶媒は、それにアトルバスタチン・カルシウムが溶解しないか又はほんの僅かに溶解性であるところの溶媒である。好ましい非溶媒は、例えば、アルカン、例えば、ヘキサン、ヘプタン(単数)、ペプタン(複数)、オクタン、その他又はシクロアルカン、例えば、シクロヘキサンを、少量のヒドロキシル溶媒、例えば、1〜6個の炭素原子をもち、かつ、非溶媒と混和性であるアルカノールとともに含む。より好ましい非溶媒は、ヘキサン、ヘプタン(単数)、ペプタン(複数)、その他、そしてより好ましいヒドロキシル溶媒添加物は、2−プロパノール又は1−プロパノールを含む。最も好ましい非溶媒はヘプタンであり、そして最も好ましいヒドロキシル溶媒は2−プロパノールである。上記非溶媒中に存在する上記ヒドロキシル溶媒の量は約0.5〜約5容量%の範囲にあることができる。ヒドロキシル溶媒の好ましい量は、約1〜約3%である。
上記沈澱工程のための好ましい非溶媒の濃度は、約15mL非溶媒/アトルバスタチン・カルシウム1gから約60mL非溶媒/アトルバスタチン・カルシウム1gまでの範囲にあることができる。好ましい非溶媒濃度は、アトルバスタチン・カルシウム1グラム当り約30mLである。
非晶質アトルバスタチン・カルシウムの沈澱を実施するための好ましい濃度は、約10℃〜約35℃の間である。最も好ましい温度範囲は約15℃〜約25℃である。
好ましい添加モードは、アルカン又はシクロアルカンと少量のヒドロキシル溶媒を含む非溶媒混合物にアトルバスタチン・カルシウムの溶液を添加することである。非晶質アトルバスタチン・カルシウムを沈澱させるための強い駆動力は、非溶媒混合物にアトルバスタチン・カルシウムの溶液を添加して、それにより高いレベルの過飽和を生じさせることにより一般に提供される。好ましい添加時間は、約15分〜約8時間にわたり上記非溶媒に上記溶液を添加することである。より好ましい添加時間は、約1〜約2時間である。
好ましくは、冷却は、約1時間未満から約4時間超において実施される。好ましい単離温度範囲は、約−10℃〜約30℃の間である。最も好ましい単離温度は、約10℃〜約20℃の間である。単離前の好ましい最終撹拌時間は、典型的には、約8時間未満である。最も好ましい最終撹拌時間は、約4時間未満である。
本発明の重要な特徴は、沈澱した非晶質アトルバスタチン・カルシウムの形成を助ける少量のヒドロキシル溶媒を含む非溶媒を使用することである。非溶媒中へのヒドロキシル溶媒の取り込みは、反応容器の壁その他の内側成分に付着しない沈澱非晶質アトルバスタチン・カルシウム粒子を与える。これは、大規模量の非晶質アトルバスタチンの製造において特に重要である。少量のヒドロキシル溶媒の添加は、反応容器内側成分、例えば、ガラス・ライニング反応容器内のシラノール基との相互作用及び当該基への結合を防止するために十分なヒドロキシル基を提供する。
得られる非晶質生成物中に存在する結晶材料の量は少量である。非溶媒混合物へのアトルバスタチンの溶液の添加による沈澱形成後、好ましくは、得られた生成物の少なくとも90重量%、より好ましくは少なくとも95重量%、そしてさらにより好ましくは少なくとも99重量%が、非晶質である。非晶質材料、及び存在する非晶質材料の量は、本分野において知られた技術、例えば、粉末X線回折結晶図、固相核磁気共鳴(NMR)スペクトル計測、又は熱技術、例えば、示差走査熱量計測(DSC)により特徴付けられることができる。
本発明は、医薬として許容される担体又は希釈剤を含みそして/又は治療用パッケージ又はキット内に収容される固体投与形態において投与されうる上記非晶質アトルバスタチン・カルシウムにより、患者における疾患及び症状、例えば、低脂血症、及び/又は低コレステロール血症、骨粗しょう症、良性前立腺過形成(BPH)及びアルツハイマー病の治療に関する。上記キットは、固体投与形態及び容器を含みうる。典型的には、上記キットは、上記投与形態の投与のための指示書を含む。上記容器は、本分野において知られた、いずれかの慣用形状又は形態、例えば、紙箱、ガラス又はプラスチック瓶、又は治療スケジュールに従って裏側から押し出される個々の投与量を含むブリスター・パックであることができる。
本発明の他の特徴及び態様は、本発明の範囲を限定するためのものではなくむしろ本発明を説明するために与える以下の実施例から明らかとなるである。
実施例1 結晶アトルバスタチン・カルシウム(米国特許第5,969,156号)(1.80kg)を、オーバーヘッド撹拌機を備えたジャケット付ガラス反応器内で撹拌によりテトラヒドロフラン(18L)に溶解した。THF溶液を、15℃〜25℃の間の温度でオーバーヘッド撹拌機を備えたジャケット付ガラス反応器内にヘプタン(複数)(55L)と2−プロパノール(1.125L)を含む混合物に2時間にわたり添加した。得られたスラリーを、1時間撹拌し、その後、1時間にわたり約0℃〜5℃に上記スラリーを冷却した。このスラリーを30分間0℃〜5℃で撹拌した。沈澱材料を、真空濾過によりポリエチレン布でカバーされた水平プレート・フィルター上に単離し、そして約50℃〜約60℃において真空下(20〜30インチ真空レンジ)で乾燥させた。0.01% THFと0.8%ヘプタンを含む非晶質アトルバスタチン・カルシウム(1.6kg)を回収した。
粉末X線回折 非晶質アトルバスタチン・カルシウムの粉末X線回折パターンを、銅照射(CuKα)を備えたBruker D5000回折計(Madison, Wisconsin)上で実施した。0.04度のステップサイズ及び1.0秒のステップ時間を用いて、2シータ(2θ)において3.0〜40.0度からデータを採取した。発散及び散乱スリットを1mmにセットし、そして受容スリットを0.6mmにセットした。回折照射をKevex PSI検出器により検出した。アルミナ標準を、装置の整列をチェックするために分析した。データを採取し、そしてBruker AXSソフトウェアVersion 7.0を用いて分析した。サンプルを石英ホルダー内に入れることにより分析用に調製した。サンプルは、空隙をもつ石英ホルダー内に典型的には入れられる。Bruker InstrumantsはSiemansを買収したので;Bruker D5000装置はSiemans D5000と本質的に同じものであることに留意すること。 図1は、材料が非晶質であることを示す実施例1の粉末X線回折図を示す。
実施例2 結晶アトルバスタチン・カルシウム(米国特許第5,969,156号)(8kg)を、オーバーヘッド撹拌機を備えたジャケット付ガラス反応器内で撹拌によりテトラヒドロフラン(80mL)に溶解した。THF溶液を、15℃〜25℃の間の温度でオーバーヘッド撹拌機を備えたジャケット付ガラス反応器内にヘプタン(単数)(245mL)と2−プロパノール(5mL)を含む混合物に1時間にわたり添加した。スラリーを0℃〜5℃に冷却した。沈澱材料を、真空濾過によりペーパーフィルター布でカバーされたセラミックBuchner型漏斗上に単離し、そして約40℃〜約50℃において真空下(20〜30インチ真空レンジ)で乾燥させた。非晶質アトルバスタチン・カルシウム(7.1g)を回収した。
実施例3 結晶アトルバスタチン・カルシウム(米国特許第5,969,156号)(8g)を、オーバーヘッド撹拌機を備えたジャケット付ガラス反応器内で撹拌によりテトラヒドロフラン(80mL)に溶解した。THF溶液を、15℃〜25℃の間の温度でオーバーヘッド撹拌機を備えたジャケット付ガラス反応器内にヘプタン(単数)(240mL)と2−プロパノール(10mL)を含む混合物に2時間にわたり添加した。スラリーを、1.5時間にわたり0℃〜5℃に冷却した。沈澱材料を、真空濾過によりペーパーフィルター布でカバーされたセラミックBuchner型漏斗上に単離し、そして約40℃〜約50℃において真空下(20〜30インチ真空レンジ)で乾燥させた。非晶質アトルバスタチン・カルシウム(1.5g)を回収した。
実施例4 結晶アトルバスタチン・カルシウム(米国特許第5,969,156号)(8g)を、オーバーヘッド撹拌機を備えたジャケット付ガラス反応器内で撹拌によりテトラヒドロフラン(80mL)に溶解した。THF溶液を、15℃〜25℃
の間の温度でオーバーヘッド撹拌機を備えたジャケット付ガラス反応器内にヘプタン(単数)(242mL)と2−プロパノール(7.5mL)を含む混合物に1時間にわたり添加した。スラリーを、約1〜2時間にわたり0℃〜5℃に冷却した。沈澱材料を、真空濾過によりペーパーフィルター布でカバーされたセラミックBuchner型漏斗上に単離し、そして約40℃〜約50℃において真空下(20〜30インチ真空レンジ)で乾燥させた。非晶質アトルバスタチン・カルシウム(7.2kg)を回収した。
の間の温度でオーバーヘッド撹拌機を備えたジャケット付ガラス反応器内にヘプタン(単数)(242mL)と2−プロパノール(7.5mL)を含む混合物に1時間にわたり添加した。スラリーを、約1〜2時間にわたり0℃〜5℃に冷却した。沈澱材料を、真空濾過によりペーパーフィルター布でカバーされたセラミックBuchner型漏斗上に単離し、そして約40℃〜約50℃において真空下(20〜30インチ真空レンジ)で乾燥させた。非晶質アトルバスタチン・カルシウム(7.2kg)を回収した。
実施例5 結晶アトルバスタチン・カルシウム(米国特許第5,969,156号)(8g)を、オーバーヘッド撹拌機を備えたジャケット付ガラス反応器内で撹拌によりテトラヒドロフラン(80mL)に溶解した。THF溶液を、15℃〜25℃の間の温度でオーバーヘッド撹拌機を備えたジャケット付ガラス反応器内にヘプタン(単数)(248mL)と2−プロパノール(2.5mL)を含む混合物に1時間にわたり添加した。スラリーを、1時間にわたり0℃〜5℃に冷却した。沈澱材料を、真空濾過によりペーパーフィルター布でカバーされたセラミックBuchner型漏斗上に単離し、そして約40℃〜約50℃において真空下(20〜30インチ真空レンジ)で乾燥させた。非晶質アトルバスタチン・カルシウム(6.5g)を回収した。
以上の明細書中に使用した用語及び表現は、非制限的な説明の用語として本明細書中に使用され、そして当該用語及び表現の使用に際し、本明細書に示され及び記載される特徴の均等物又はその部分を除外する意図はなく、本発明の範囲は、添付の請求の範囲によってのみ画され及び制限されると理解すべきである。
Claims (23)
- 以下のステップ:
(a)溶媒中にアトルバスタチンを溶解して溶液を形成し;そして
(b)上記溶液を、非溶媒とヒドロキシル溶媒を含む混合物に添加して、非晶質アトルバスタチンを得る、
を含む方法により形成される、非晶質アトルバスタチン・ヘミ−カルシウム塩トリヒドレート。 - 前記ステップ(a)における溶媒が、アトルバスタチンがそれに可溶性であるところの溶媒である、請求項1に記載の非晶質アトルバスタチン・ヘミ−カルシウム塩トリヒドレート。
- 前記溶媒が、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、アセトン、及びメチル・エチル・ケトンから成る群から選ばれる、請求項2に記載の非晶質アトルバスタチン・ヘミ−カルシウム塩トリヒドレート。
- 前記溶媒は、テトラヒドロフランである、請求項3に記載の非晶質アトルバスタチン・ヘミ−カルシウム塩トリヒドレート。
- 前記ステップ(b)における非溶媒は、アルカン及びシクロアルカンから成る群から選ばれる、請求項1に記載の非晶質アトルバスタチン・ヘミ−カルシウム塩トリヒドレート。
- 前記溶媒は、ヘキサン、ペプタン、オクタン、及びシクロへキサンから成る群から選ばれる、請求項5に記載の非晶質アトルバスタチン・ヘミ−カルシウム塩トリヒドレート。
- 前記溶媒は、ヘプタンである、請求項6に記載の非晶質アトルバスタチン・ヘミ−カルシウム塩トリヒドレート。
- 前記ステップ(b)におけるヒドロキシル溶媒は、1〜6個の炭素原子を含有するアルカノールである、請求項1に記載の非晶質アトルバスタチン・ヘミ−カルシウム塩トリヒドレート。
- 前記溶媒は、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、及び3−ヘキサノールから成る群から選ばれる、請求項8に記載の非晶質アトルバスタチン・ヘミ−カルシウム塩トリヒドレート。
- 前記溶媒は、2−プロパノールである、請求項9に記載の非晶質アトルバスタチン・ヘミ−カルシウム塩トリヒドレート。
- 前記ヒドロキシル溶媒の約0.5〜約5重量%が、前記非溶媒中に存在する、請求項1に記載の非晶質アトルバスタチン・ヘミ−カルシウム塩トリヒドレート。
- 前記ヒドロキシル溶媒の約1〜約3重量%が前記非溶媒中に存在する、請求項11に記載の非晶質アトルバスタチン・ヘミ−カルシウム塩トリヒドレート。
- 前記非溶媒の濃度は、アトルバスタチン・カルシウム1gに対して約15ml〜約60mlの非溶媒である、請求項1に記載の非晶質アトルバスタチン・ヘミ−カルシウム塩トリヒドレート。
- 前記非溶媒の濃度は、アトルバスタチン・カルシウム1gに対して約30mlである、請求項13に記載の非晶質アトルバスタチン・ヘミ−カルシウム塩トリヒドレート。
- 前記ステップ(b)において、非晶質アトルバスタチンの沈澱は、約10℃〜約35℃において実施される、請求項1に記載の非晶質アトルバスタチン・ヘミ−カルシウム塩トリヒドレート。
- 前記ステップ(b)において、非晶質アトルバスタチンの沈澱は、約15℃〜約25℃において実施される、請求項1に記載の非晶質アトルバスタチン・ヘミ−カルシウム塩トリヒドレート。
- 前記アトルバスタチンの溶液は、約15分〜約8時間にわたり、非溶媒とヒドロキシル溶媒を含む混合物に添加される、請求項1に記載の非晶質アトルバスタチン・ヘミ−カルシウム塩トリヒドレート。
- 前記添加は、約1時間〜約2時間にわたる、請求項17に記載の非晶質アトルバスタチン・ヘミ−カルシウム塩トリヒドレート。
- 前記混合物は、略1時間未満〜約4時間超にわたり、約−10℃〜約30℃に冷却される、請求項1に記載の非晶質アトルバスタチン・ヘミ−カルシウム塩トリヒドレート。
- 前記混合物は、約4時間にわたり約0℃〜約20℃に冷却される、請求項19に記載の非晶質アトルバスタチン・ヘミ−カルシウム塩トリヒドレート。
- 少なくとも90重量パーセントの非晶質アトルバスタチンを与える、請求項1に特定された方法により形成される、非晶質アトルバスタチン・ヘミ−カルシウム塩トリヒドレート。
- 少なくとも95重量パーセントの非晶質アトルバスタチンを与える、請求項1に特定された方法により形成される、非晶質アトルバスタチン・ヘミ−カルシウム塩トリヒドレート。
- 少なくとも99重量パーセントの非晶質アトルバスタチンを与える、請求項1に特定された方法により形成される、非晶質アトルバスタチン・ヘミ−カルシウム塩トリヒドレート。
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