JP2008254245A - 追記型光記録媒体及びスパッタリングターゲット - Google Patents

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Abstract

【課題】青色波長領域(350〜500nm)のレーザ光、特に405nm近傍の波長のレーザ光で良好な記録再生特性を示し、高密度記録可能で、記録感度が従来品に比べて高い記録層を有する追記型光記録媒体、及び該記録層を形成するためのスパッタリングターゲットの提供。
【解決手段】(1)基板上に、少なくとも、Biの酸化物と、記録再生レーザ光に対する光吸収機能を増強する1種以上の元素M(但し、Bi、C、Nを除く)の単体とを主成分として含有する記録層を有し、青色波長領域のレーザ光で記録再生可能である追記型光記録媒体。
(2)基板上に、少なくとも、Biの酸化物と、記録再生レーザ光に対する光吸収機能を増強する1種以上の元素M(但し、Bi、C、Nを除く)の単体と、該元素Mの酸化物とを主成分として含有する記録層を有し、青色波長領域のレーザ光で記録再生可能である追記型光記録媒体。
【選択図】なし

Description

本発明は、追記型(WORM:Write Once Read Many)光記録媒体に関し、特に青色波長領域のレーザ光による高密度記録が可能で、記録再生特性、特に記録感度の優れた追記型光記録媒体に関する。
青色波長領域(350〜500nm)のレーザ光による記録再生が可能な追記型光記録媒体に関しては、超高密度の記録が可能となる青色レーザの開発が急速に進んでおり、それに対応した追記型光記録媒体の開発が行われている。
従来の追記型光記録媒体では、有機材料からなる記録層にレーザ光を照射し、主に有機材料の分解・変質による屈折率変化を生じさせて記録ピットを形成させており、記録層に用いられる有機材料の光学定数や分解挙動が、良好な記録ピットを形成させるための重要な要素となっている。
従って、青色レーザ対応の追記型光記録媒体の記録層に用いる有機材料としては、青色レーザに対する光学的性質や分解挙動の適切な材料を選択する必要がある。
即ち、従来のHigh to Low極性を有する追記型光記録媒体では、未記録時の反射率を高め、またレーザの照射によって有機材料が分解し、大きな屈折率変化が生じるようにするため(これによって大きな変調度が得られる)、記録再生波長は大きな吸収帯の長波長側の裾に位置するように選択される。
何故ならば、有機材料の大きな吸収帯の長波長側の裾は、適度な吸収係数を有し、且つ大きな屈折率が得られる波長領域となるためである。
しかしながら、青色レーザに対する光学的性質が、従来の赤色レーザ対応の記録材料並みの値を有する記録材料は見出されていない。何故ならば、有機材料の吸収帯を青色レーザの波長近傍に持たせるには、分子骨格を小さくするか、或いは共役系を短くする必要があるが、そうすると吸収係数の低下、即ち屈折率の低下を招くためである。つまり、青色レーザの波長近傍に吸収帯を持つ有機材料は多数存在し、吸収係数を制御することは可能であるが、大きな屈折率を持たないので、大きな変調度を得ることができないのである。
また、有機色素は、無機材料に比べ安定性が劣るため、保存性や耐光性に課題がある。そこで、青色レーザに対応する追記型光記録媒体では、無機材料を記録層に用いることが検討されている。
青色レーザに対応する追記型光記録媒体用の記録層としては、例えば、特許文献1に、書き換え型の光記録媒体と同様の相変化材料を用いたものが提案されているが、追記型光記録媒体は長期保存が求められるため、相変化材料は保存特性が不十分である。
また、特許文献2のように、無機材料を複数層積層し、その反応を利用して記録を行う方法も提案されているが、複数層の反応を利用したものは時間と共に反応が進むため長期保存には適していない。
そこで本発明者らは、青色波長のレーザ光でも高密度の記録が可能な追記型光記録媒体として、先願(特許文献3〜5など参照)において、金属又は半金属の酸化物、とりわけ酸化ビスマスを主成分とする記録層の有用性を提案している。
一方、上記本発明者らの先願と類似する技術としては特許文献6、7があり、特許文献6では、Te、Oと更に他の元素を添加した記録層が開示されており、特許文献7では、遷移金属の不完全酸化物を用いたものも開示されている。また、特許文献7では、遷移金属以外の元素を含むものも発明に含まれるとしているが、Al以外に具体的な元素の記述はなく、遷移金属の定義としては、Zn、Yなどを含む場合と含まない場合があって不明確であり、W、Mo以外は詳細な記述はない。
更に、これらの特許文献6、7では、本発明が解決しようとする課題、即ち高感度化についての具体的な記載はない。
ところで、酸化物を記録層とする追記型光記録媒体は、記録層の熱伝導率が低く、記録マーク間の熱干渉を抑制できるため、高密度化に適していると言える。
この酸化物を記録層とする場合、更に記録特性を改善する方法として、酸化物の酸化度を落とす(酸素欠損量を増やす)ことが提案されている。
化学量論組成よりも酸素が少ない材料を、赤色や赤外の波長領域で用いた技術については、例えば、TeOx(0<x<2)を用いたもの(特許文献8)、TeOx、GeOx、SnOx、BiOx、SbOx、TlOxの中から選ばれた少なくとも1つとS、Seのうちの少なくとも1つを含むもの(特許文献9)、低酸化物GeOx中にTeとSbを含有するか、SbOxにTeとGeを含有するもの(特許文献10)、NiOxで表されるNiの低酸化物を用いたもの(特許文献11)、Inの低酸化物にレーザ光を照射して画像を形成する情報記録方式(特許文献12)などがある。
更に、特許文献13には、赤色波長領域での低酸化物に関し、TeOxにSn、In、Bi、Zn、Al、Cu、Ge、Sbから選ばれる元素を添加した発明が開示されている。その本文中にはBiOxに関する記述もあり、Te、Sb、Geを添加した場合に効果的であると記載されている。但し、この発明は、光照射により光の透過率が変化する、いわゆる黒化現象を利用した発明である。黒化により記録したものが、光照射により再び元の透過率に戻るという可逆性がある膜についての発明である。
また、特許文献13では、BiOxの青色領域での効果に関する記述はなく、またTeOxを含む系以外の詳細な記述はない。
上記特許文献8〜13は、赤色や赤外の波長領域で記録再生を行うものであり、青色レーザに対応する技術ではない。
青色レーザに対応する追記型光記録媒体に関し、記録層として用いられる酸化物の酸化度を落とす(酸素欠損量を増やす)技術としては、本発明者らが、基板上に、少なくともBiの酸化物とM(Mは、Mg、Al、Zn、Li、Si、Hf、Sn、Y、Bの中から選ばれた少なくとも一種の元素)の酸化物を主成分とする記録層を備え、該酸化物の酸素含有量が化学量論組成よりも少ない追記型光記録媒体を提案している(特許文献14)。
特許文献14では、Biの酸化物に添加する添加物を酸化物として含有させており、この方法は、Bi系記録材料の記録再生特性を改善するために非常に有効な手段であるが、今後予測される更なる高速記録化を考えた場合、記録層の記録感度が十分であるとは言えない。
以上説明したように、公知文献には、記録感度を更に改善するため、本発明のように、記録層に、Biの酸化物と、記録再生レーザ光に対する光吸収機能を増強する1種以上の元素Mの単体とを含有させるという技術については記載がない。
特開平09−286174号公報 特開2004−79020号公報 特開2005−161831号公報 特開2005−108396号公報 特開2003−48375号公報 特開2002−133712号公報 特開2003−237242号公報 特開昭50−46317号公報 特許第1444471号公報 特許第1849839号公報 特許第2656296号公報 特開昭51−21780号公報 特公平7−25209号公報 特開2006−248177号公報
本発明は、青色波長領域(350〜500nm)のレーザ光、特に405nm近傍の波長のレーザ光で良好な記録再生特性を示し、高密度記録可能で、記録感度が従来品に比べて高い記録層を有する追記型光記録媒体、及び該記録層を形成するためのスパッタリングターゲットの提供を目的とする。
上記課題は、次の1)〜17)の発明(以下、本発明1〜17という)によって解決される。
1) 基板上に、少なくとも、Biの酸化物と、記録再生レーザ光に対する光吸収機能を増強する1種以上の元素M(但し、Bi、C、Nを除く)の単体とを主成分として含有する記録層を有し、青色波長領域のレーザ光で記録再生可能であることを特徴とする追記型光記録媒体。
2) 基板上に、少なくとも、Biの酸化物と、記録再生レーザ光に対する光吸収機能を増強する1種以上の元素M(但し、Bi、C、Nを除く)の単体と、該元素Mの酸化物とを主成分として含有する記録層を有し、青色波長領域のレーザ光で記録再生可能であることを特徴とする追記型光記録媒体。
3) 元素Mが、その結晶又は薄膜に記録再生レーザ光を照射したときの複素屈折率虚部の値が3.0以上の元素であることを特徴とする1)又は2)記載の追記型光記録媒体。
4) 元素MがB(ホウ素)であることを特徴とする1)又は2)記載の追記型光記録媒体。
5) 前記複素屈折率虚部の値が3.0以上の元素が、Zn、Mg、Ru、Sb、Cr、Be、Co、Pd、V、Te、Ir、Mo、Os、Phから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする3)記載の追記型光記録媒体。
6) 元素MとBiの原子数比(元素M/Bi)が、0.20〜0.70であることを特徴とする1)〜5)の何れかに記載の追記型光記録媒体。
7) Biの酸化物の酸素含有量が化学量論組成よりも少ないことを特徴とする1)〜6)の何れかに記載の追記型光記録媒体。
8) 前記記録層に記録再生レーザ光を照射したときの複素屈折率虚部の値が0.30以上、実部の値が2.20以上であることを特徴とする1)〜7)の何れかに記載の追記型光記録媒体。
9) 基板上に、少なくとも、下部保護層、前記記録層、上部保護層、反射層が順次積層されていることを特徴とする1)〜8)の何れかに記載の追記型光記録媒体。
10) 基板上に、少なくとも、反射層、上部保護層、前記記録層、下部保護層、カバー層が順次積層されていることを特徴とする1)〜8)の何れかに記載の追記型光記録媒体。
11) Biの酸化物と、追記型光記録媒体の記録再生レーザ光に対する光吸収機能を増強する1種以上の元素M(但し、Bi、C、Nを除く)の単体とを主成分として含有することを特徴とする追記型光記録媒体の記録層作製用スパッタリングターゲット。
12) Biの酸化物と、追記型光記録媒体の記録再生レーザ光に対する光吸収機能を増強する1種以上の元素M(但し、Bi、C、Nを除く)の単体と、該元素Mの酸化物とを主成分として含有することを特徴とする追記型光記録媒体の記録層作製用スパッタリングターゲット。
13) 元素Mが、その結晶又は薄膜に記録再生レーザ光を照射したときの複素屈折率虚部の値が3.0以上の元素であることを特徴とする11)又は12)記載のスパッタリングターゲット。
14) 元素MがBであることを特徴とする11)又は12)記載のスパッタリングターゲット。
15) 前記複素屈折率虚部の値が3.0以上の元素が、Zn、Mg、Ru、Sb、Cr、Be、Co、Pd、V、Te、Ir、Mo、Os、Phから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする13)記載のスパッタリングターゲット。
16) 元素MとBiの原子数比(元素M/Bi)が、0.20〜0.70であることを特徴とする11)〜15)の何れかに記載のスパッタリングターゲット。
17) Biの酸化物の酸素含有量が化学量論組成よりも少ないことを特徴とする11)〜16)の何れかに記載のスパッタリングターゲット。
以下、上記本発明について詳しく説明する。
Biの酸化物は、酸化物の中では青色波長領域の光をよく吸収するため良好な記録をし易いが、今後予測される高速化には更なる記録感度の改善が必要である。
Biの酸化物を記録層とする追記型光記録媒体における高感度化のポイントは次の2点である。
(1)Biの酸化物における酸素含有量を化学量論組成よりも少なくする。
(2)Biの酸化物に、記録再生レーザ光に対する光吸収機能を増強する1種以上の
元素M(但し、Bi、C、Nを除く)の単体を含有させる。
前記特許文献11では、Biの酸化物における酸素含有量を化学量論組成よりも少なくする方法により、記録感度の改善ができることを確認しているが、Biの酸化物における酸素含有量を化学量論組成よりも少なくし過ぎると、即ち、金属Biの含有量をある程度以上増やすと、逆に記録感度等の記録再生特性が悪化する場合がある。
この原因は、Biの酸化物を記録層とする追記型光記録媒体における記録原理に関係している。
即ち、酸素含有量が化学量論組成に近いBiの酸化物を記録層とする追記型光記録媒体では、次のような変化が主たる記録原理になっており、核生成及びその成長による相分離が記録の根源と考えられる。
(1)Biの酸化物が、記録光の照射による熱によって分解し、金属Biが生成する。
(2)金属Biが微結晶化を起こす。
(3)Biの酸化物が微結晶化を起こす。
(4)金属Biと、Biの酸化物が相分離を起こす。
Biの酸化物の酸素含有量を化学量論組成より少なくしても、記録原理は、上記と同様であるが、金属Biの存在によって、記録光に対する記録層の吸収係数を増加させることができるため、記録感度が改善される。
Biの酸化物において、化学量論組成よりも酸素含有量を少なくすると、金属Biの結晶が析出し易くなり、青色波長領域においても大きな変調度が得られる。
しかし、金属Biの融点は、271℃と低温であり、記録によって金属Biが溶融するため、金属BiとBiの酸化物の相分離が起こりづらくなる。また、金属Biの熱伝導率は、Biの酸化物に比べて非常に高いため、金属Biの含有量がある程度以上多くなると、記録感度が悪化したり、変調度が小さくなる等、記録再生特性が悪化する。
更に、Biの酸化物における酸素含有量を化学量論組成よりも少なくするほど(即ち金属Biの存在比率を高めるほど)、析出する結晶が大きくなり、小さいマークを記録することが難しくなる。
したがって、Biの酸化物における酸素含有量を化学量論組成よりも少なくして、金属Biの含有量を増加させる場合、金属Biは、Biの酸化物をマトリックスとして、そのマトリックス中に分散させること、或いは、金属BiとBiの酸化物を均一に混合させることが重要となる。
金属Biが均一でなく、局所的に多く存在する箇所があると、その場所では、溶融モードが記録原理の主体となってしまうため、好ましくない。また、金属Biが均一でなく、局所的に多く存在する箇所があると、その場所では、再生光の照射によっても溶融を起こす可能性があり、再生安定性が著しく低下する場合があるので、好ましくない。
Biの酸化物における酸素含有量を一層化学量論組成よりも少なくする方法としては、Biの酸化物に添加元素を加える方法があり、先行技術(特開2006−248177号公報)に示されているように、Biの酸化物に他の元素の酸化物を含有させればよい。
記録層がBiの酸化物のみから形成される場合、Biの酸化物における酸素含有量を化学量論組成よりも少なくすると、金属Biの存在比率が高まって記録感度の改善が期待できるが、マトリックスであるBiの酸化物が減少するため、金属Biが凝集し易くなり、溶融モードが記録原理の主体となって、記録再生特性の劣化が起こる。
そこで、金属Biの存在比率が高くなっても金属Biの凝集が起こらないようにするため、Biの酸化物に他の元素の酸化物を含有させる方法が有効である。つまり、金属Biの存在比率が増えて、マトリックスであるBiの酸化物が減少した分を、他の元素の酸化物を含有させることにより補うようにするのである。
この方法によって、記録層がBiの酸化物のみで構成される場合よりも、Biの酸化物における酸素含有量を、一層化学量論組成より少なくすることができ、感度改善に効果がある。
また、Biの酸化物に他の元素の酸化物を添加して結晶析出量の拡大を抑制すると、小さいマークの形成が良好になり、高密度化が容易になる。また、他の元素の酸化物を添加することにより、記録マークが安定化し保存安定性が向上する。
Biの酸化物に、他の元素の酸化物を含有させた記録層を有する追記型光記録媒体の、主たる記録原理は、次の(1)〜(5)が考えられる。
(1)Biの酸化物が、記録光の照射による熱によって分解し、金属Biが生成する。
(2)金属Biが微結晶化を起こす。
(3)Biの酸化物が微結晶化を起こす。
(4)他の酸化物が微結晶化を起こす。
(5)金属Biと、Biの酸化物及び/又は他の酸化物が相分離を起こす。
本発明では、上記従来技術に比べて更に記録感度を向上させるため、Biの酸化物に、記録再生レーザ光に対する光吸収機能を増強する1種以上の元素M(但し、Bi、C、Nを除く)の単体を記録層に含有させる。なお、前記特許文献11では、Biの酸化物に対し、酸化物であるNiOxを添加しているが、本発明では、Biの酸化物に対し、元素Mを単体として記録層中に存在させる点が大きく異なる。また、元素MがBiでは従来技術と同じになるため、Biは元素Mに入れない。更に、C(炭素)及びN(窒素)を元素Mに入れないのは、本出願人の他の出願の発明と同一になるのを避けるためである。
この時、元素Mを、記録光の照射による熱によって溶融しない程度の融点を有する元素から選択し、また、記録再生レーザ光に対する吸収係数が大きな元素を選択することにより、記録モードの主体を溶融モードにすることなく、記録感度の改善を図ることが可能となる。
即ち、従来技術での光−熱変換機能は、酸素含有量が化学量論組成に近いBiの酸化物を記録層とする追記型光記録媒体の場合、Biの酸化物が担っており、酸素含有量が化学量論組成よりも少ないBiの酸化物を記録層とする追記型光記録媒体の場合、金属BiとBiの酸化物が担っているが、本発明の記録層では、光−熱変換機能は、元素Mの単体と金属BiとBiの酸化物が担っており、記録光に対する記録層の吸収機能を著しく高めることができる。
また、記録層の吸収係数を高めようとして、従来のように金属Biの存在比率を高めると、記録再生特性の劣化が起こりやすかったが、本発明の方法では、記録再生特性の劣化を生む原因である金属Biの存在比率を高める必要がないため、記録感度と記録再生特性の両立を図ることが可能となる。
次に、上記本発明の説明をふまえ、各請求項について説明する。
本発明1は、Biの酸化物と、記録再生レーザ光に対する光吸収機能を増強する1種以上の元素M(但し、Bi、C、Nを除く)の単体を主成分として含有する記録層を有する。これにより、従来のBiの酸化物を記録層とする追記型光記録媒体に比べて、青色波長領域(350〜500nm)のレーザ光を用いた場合の記録感度を向上させることができる。
ここで主成分とは、Biの酸化物と記録再生レーザ光に対する光吸収機能を増強する1種以上の元素Mの単体とを併せた含有量(モル%)が、記録層中で最も高いことを意味する。また、元素Mの単体とは、元素M以外の元素と化学的に結合していない状態を指す。
本発明1は、記録原理の根源となるBiの酸化物から、光吸収機能(光−熱変換機能)を除くか或いは光吸収機能の軽減を図り、新たに光吸収機能を担う成分として、記録再生レーザ光に対する光吸収機能を増強する1種以上の元素Mの単体を添加するものである。
従来は、ジッタ、PRSNR、エラーレート、変調度、再生安定性、保存信頼性等で代表される記録再生特性の確保と、記録感度向上の両方の機能をBiの酸化物に負担させていたため、記録再生特性を確保した状態での大幅な記録感度の向上は望めなかった。
しかし、本発明1では、記録再生特性の確保と記録感度向上の機能を、別々の成分に持たせるようにしたため、それらの機能の両立が可能となる。
添加する元素Mには特に大きな制限はないが、スパッタリングターゲットの作りやすさや耐久性等の観点から、比較的融点が高い元素(例えば400℃以上)が好ましい。
本発明2は、Biの酸化物と、記録再生レーザ光に対する光吸収機能を増強する1種以上の元素M(但し、Bi、C、Nを除く)の単体と、該元素Mの酸化物とを主成分として含有する記録層を有する。これにより、本発明1と同様に、従来のBiの酸化物を記録層とする追記型光記録媒体に比べて、青色波長領域(350〜500nm)のレーザ光を用いた場合の記録感度を向上させることができる。ここで、主成分とは、Biの酸化物と、記録再生レーザ光に対する光吸収機能を増強する1種以上の元素Mの単体と、該元素Mの酸化物とを併せた含有量(モル%)が、記録層中で最も高いことを意味する。
本発明1との差異は、記録層に元素Mの酸化物を含有させた点である。記録感度の向上は、記録再生レーザ光に対する光吸収機能を増強する1種以上の元素Mの単体により行われるが、元素Mの量や元素Mの種類によっては、元素Mを単体のみで存在させると、記録層の熱伝導率が上がり過ぎてしまい、感度が悪化したり変調度が小さくなるという弊害が起こる可能性もある。しかし、本発明2のように、元素Mの酸化物を記録層に含有させれば、記録再生特性を損なうことなく記録感度の向上を図ることが可能となる。
添加する元素Mには特に大きな制限はないが、スパッタリングターゲットの作りやすさや耐久性等の観点から、比較的融点が高い元素(例えば400℃以上)が好ましい。
本発明3では、本発明1〜2における元素Mとして、その結晶又は薄膜に記録再生レーザ光を照射したときの複素屈折率虚部の値が3.0以上である元素を用いる。
本発明1〜2では、元素Mについて、このような複素屈折率虚部の値を規定していないが、これは、元素Mを単体で存在させれば、ほぼ全ての固体元素においてBiの酸化物以上の光吸収機能を有するためである。
しかし、記録再生特性の更なる向上を図り、かつBiの酸化物に添加する添加物量を抑え、少ない添加物量でも記録感度を向上させるためには、元素Mとして、その結晶又は薄膜に記録再生レーザ光を照射したときの複素屈折率虚部の値が3.0以上である元素が好ましい。なお、添加元素Mの複素屈折率虚部の値が3.0以上であれば、記録再生レーザ光の波長によらず高感度化が実現できる。
このような元素には特に大きな制限はないが、スパッタリングターゲットの作りやすさや耐久性等の観点から、比較的融点(例えば400℃以上)が高い元素が好ましい。
本発明4は、本発明1〜2における元素MとしてB(ホウ素)を用いた追記型光記録媒体である。
ホウ素は、単体でBiの酸化物以上の光吸収機能(複素屈折率虚部の値)を有し、少ない添加量で記録感度の改善が顕著に現れる元素である。
ホウ素は、スパッタリングターゲットが比較的作りやすく耐久性に優れており、好ましい添加元素である。また、ホウ素を添加したスパッタリングターゲットは、スパッタレートが非常に高くなり生産性に優れるという利点を有する。
本発明5は、前記複素屈折率虚部の値が3.0以上である元素としてZn、Mg、Ru、Sb、Cr、Be、Co、Pd、V、Te、Ir、Mo、Os、Phから選ばれた少なくとも1種を用いた追記型光記録媒体である。
これらの元素は、単体でBiの酸化物以上の光吸収機能(複素屈折率虚部の値)を有し、少ない添加量で記録感度の改善が顕著に現れる元素群である。また、融点が比較的高く、スパッタリングターゲットが比較的作りやすく耐久性に優れており、好ましい添加元素群である。なお、記録再生波長が420nmを超えると、列挙した元素群の複素屈折率虚部の値が3.0未満になる恐れがあるため、これらの元素は記録再生波長が420nm以下の場合に用いることが好ましい。
本発明6では、元素MとBiの原子数比(元素M/Bi)を、0.20〜0.70とする。ここで言う原子数比は、単純に元素MとBiの原子数比であり、単体として存在する元素MやBiと、酸化物として存在する元素MやBiを含めたものである。
上記範囲では、記録再生特性と記録感度の両立が確実に実現できるので好ましい。
元素M/Biが0.20を下回ると、感度改善効果が小さくなる。また、元素M/Biが0.70を上回ると、反射率が著しく低下したり、記録再生特性の劣化が顕著になる場合が多くなる。
本発明7では、Biの酸化物の酸素含有量を化学量論組成よりも少なくする。
本発明1〜6では、Biの酸化物と、記録再生レーザ光に対する光吸収機能を増強する1種以上の元素Mの単体を記録層に含有させることにより、記録感度の改善を行っていたが、本発明7では、更にBiの酸化物における酸素含有量を化学量論組成よりも少なくすることによっても感度の改善を図る。
酸化物は、元素と酸素の化合する割合が決まっており、それを化学量論組成と呼んでいる。例えば、Biは、Bi原子:酸素原子=2:3のBiの状態が通常の化合物として取り得る形態である。そのBiと酸素の比が化学量論組成である。
化学量論組成は、酸素と化合する元素により異なっており、例えば、MgO、Al、ZnO、LiO、SiO、HfO、SnO、Y、B、Fe、Co、V、VO、V、WOなどのような酸化物を形成する。
酸素含有量が化学量論組成よりも少ない場合とは、Biであれば、Biの酸化物をBiOxとして、0<x<1.5のような場合をいう。
本発明では、Biの酸化物はどのような化合物形態であってもよく、BiのようなBi単独の酸化物に限定されるものではなく、例えば、BiBOといった3元素からなる複合酸化物であっても良い。
このBiBOの場合は、化学量論組成はBi:B:O=1:1:3であり、酸素含有量が化学量論組成よりも少ないということは、酸化されずに金属として存在する原子があることを意味する。但し、Biの酸化物の酸素含有量を化学量論組成よりも少なくし過ぎると、記録原理として金属Biの溶融が支配的となるため記録再生特性が劣化する。故に本発明の記録原理である核生成及びその成長による相分離を有効に発現させるには、Biの酸化物の酸素含有量を、化学量論組成の50%以上とすることが好ましい。
本発明8では、記録層に記録再生レーザ光を照射したときの複素屈折率虚部の値を0.30以上、実部の値を2.20以上とする。これにより、単層式、或いは多層式の追記型光記録媒体の何れにおいても、該媒体の反射率を大きく下げることなく、記録感度を向上させることができる。また、多層式の追記型光記録媒体においては、実部の値を2.20以上とすることにより、記録再生光が透過する記録層(記録再生光から見て最奥に位置する記録層以外の記録層)の透過率を高めることができ、奥側の記録層の記録再生特性を向上させることができる。また、記録層の複素屈折率の値が上記範囲であれば、記録再生レーザ光の波長によらず高感度化が実現できる。
なお、上記数値限定を満足する記録層は、本発明1〜7における記録層により実現できる。
本発明9は、基板上に、少なくとも、下部保護層、前記記録層、上部保護層、反射層が順次積層された追記型光記録媒体である。この層構成は、基板側から記録再生が行われる場合に、本発明1〜8の記録層の特性を最大限に引き出すことができるものである。
本発明10は、基板上に、少なくとも、反射層、上部保護層、前記記録層、下部保護層、カバー層が順次積層された追記型光記録媒体である。この層構成は、カバー層側から記録再生が行われる場合に、本発明1〜8の記録層の特性を最大限に引き出すことができるものである。
本発明において、記録層の膜厚は、5〜30nmの範囲が好ましく、5〜15nmが更に好ましい。膜厚が5nmを下回ると、記録再生レーザ光に対する光吸収機能を高めた本発明の記録層であっても、十分な記録感度を確保しにくくなる。また、膜厚が30nmを超えると、媒体の反射率が急激に低下し、また媒体の熱伝導率が高くなりすぎ、記録再生特性が劣化する恐れがある。
上部保護層は、記録層と反射層の間に設けられる層であって、主に記録感度、反射層の制御を行う機能を担う。
上部保護層の膜厚は、10〜100nmの範囲に設定することが好ましい。膜厚が10nmより薄くなると、記録層で発生した熱が必要以上に反射層から放熱されるため好ましくなく、膜厚が100nmより厚くなると、記録層で発生した熱が反射層から放熱されにくくなり、記録マーク間の熱干渉が大きくなるため好ましくない。
下部保護層は記録層の保存信頼性を確保するために用いられる。即ち、下部保護層は、基板やカバー層を透過してくる酸素、水分、その他のガスから記録層を守る働きをする。よって、基板やカバー層を透過してくる酸素、水分、その他のガスから、記録層を十分に守るためには、下部保護層の膜厚は、15nm以上とすることが好ましい。また、生産性の観点から、100nm以下の膜厚に設定することが好ましい。
本発明の追記型光記録媒体において、上部保護層及び下部保護層に用いることができる材料としては、B、Sm、Ce、Al、MgO、BeO、ZrO、UO、ThOなどの単純酸化物系の酸化物;SiO、2MgO・SiO、MgO・SiO、CaO・SiO、ZrO・SiO、3Al・2SiO、2MgO・2Al・5SiO、LiO・Al・4SiOなどのケイ酸塩系の酸化物;AlTiO、MgAl、Ca10(PO(OH)、BaTiO、LiNbO、PZT〔Pb(Zr,Ti)O〕、PLZT〔(Pb,La)(Zr,Ti)O〕、フェライトなどの複酸化物系の酸化物;Si、AlN、BN、TiNなどの窒化物系の非酸化物;SiC、BC、TiC、WCなどの炭化物系の非酸化物;LaB、TiB、ZrBなどのホウ化物系の非酸化物;ZnS、CdS、MoSなどの硫化物系の非酸化物;MoSiなどのケイ化物系の非酸化物;アモルファス炭素、黒鉛、ダイアモンド等の炭素系の非酸化物等が挙げられる。
また、上部保護層及び下部保護層には、色素や樹脂などの有機材料を使用することも可能である。
色素としては、ポリメチン系、ナフタロシアニン系、フタロシアニン系、スクアリリウム系、クロコニウム系、ピリリウム系、ナフトキノン系、アントラキノン(インダンスレン)系、キサンテン系、トリフェニルメタン系、アズレン系、テトラヒドロコリン系、フェナンスレン系、トリフェノチアジン系、アゾ系、ホルマザン系各色素、及びこれらの金属錯体化合物などが挙げられる。
樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ケトン樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ウレタン樹脂、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート、ポリオレフィン等を用いることができ、これらを単独で又は2種以上混合して用いることができる。
有機材料層の形成は、蒸着、スパッタリング、CVD、溶剤塗布などの通常の手段によって行なうことができる。塗布法を採用する場合には、上記有機材料などを有機溶剤に溶解して、スプレー、ローラーコーティング、ディッピング、スピンコーティングなどの慣用のコーティング法で行なうことができる。
用いられる有機溶剤としては、一般にメタノール、エタノール、イソプロパノールなどアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類;クロロホルム、塩化メチレン、ジクロルエタン、四塩化炭素、トリクロルエタンなどの脂肪族ハロゲン化炭素類;ベンゼン、キシレン、モノクロルベンゼン、ジクロルベンゼンなどの芳香族類;メトキシエタノール、エトキシエタノールなどのセロソルブ類;ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの炭化水素類などが挙げられる。
本発明の追記型光記録媒体において、反射層は、蒸着、スパッタリング又はイオンプレーティングにより基板上に形成することができる。中でも、反射層はスパッタリングにより形成されることが好ましい。
以下に、スパッタリングを用いた反射層形成方法について詳細に説明する。
スパッタリングに用いる放電用ガスとしてはArが好ましく用いられる。また、スパッタリングの条件としては、Ar流量1〜50sccm、パワー0.5〜10kW、成膜時間0.1〜30秒、の範囲が好ましく、より好ましいのは、Ar流量3〜20sccm、パワー1〜7kW、成膜時間0.5〜15秒、の範囲であり、更に好ましいのは、Ar流量4〜10sccm、パワー2〜6kW、成膜時間1〜5秒、の範囲である。
なお、スパッタリングの条件は、Ar流量、パワー、及び成膜時間の少なくとも1つが上記範囲にあることが好ましく、2つ以上が上記範囲にあることがより好ましく、全ての条件が上記範囲にあることが更に好ましい。
このようなスパッタリング条件で反射層を形成することにより、反射率の向上や耐腐食性の更なる向上を図ることができ、優れた記録特性を有する追記型光記録媒体を得ることができる。
反射層の膜厚は、20〜200nmの範囲が好ましく、25〜180nmの範囲がより好ましく、30〜160nmの範囲が特に好ましい。但し、本発明の反射層が多層型光記録媒体に適用される場合には、上記膜厚の下限は、この限りではない。
膜厚が20nmより薄いと、所望の反射率が得られない問題や保存時に反射率が低下する問題、更に、記録振幅が十分にとれない問題を生じることがある。膜厚が200nmより厚いと、成膜面が粗面となり、反射率が低下することがある。また、生産性の観点からも好ましくない。
反射層の成膜速度は6〜95nm/sの範囲が好ましく、7〜90nm/sの範囲がより好ましく、8〜80nm/sの範囲が特に好ましい。成膜速度が、6nm/sより遅いと、スパッタ中に酸素が入りやすくなり、酸化により反射率が低下したり、反射層の耐腐食性が低下する場合がある。成膜速度が、95nm/sより速いと、温度上昇が大きく、基板に反りが発生することがある。
基板の素材としては、熱的、機械的に優れた特性を有し、基板側から(基板を通して)記録再生が行われる場合には光透過特性にも優れたものであれば、特別な制限はない。
具体例としては、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、非晶質ポリオレフィン、セルロースアセテート、ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられるが、ポリカーボネートや非晶質ポリオレフィンが好ましい。
基板の厚さは用途により異なり、特に制限はない。
反射層や光透過層等の上に形成する保護層(環境保護層)の材料としては、反射層や光透過層等を外力から保護するものであれば特に限定されない。有機材料としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等が挙げられる。また、無機材料としては、SiO、Si、MgF、SnO等が挙げられる。
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を用いる場合は、これらの材料を適当な溶剤に溶解した塗布液を塗布し乾燥することによって形成することができる。
紫外線硬化性樹脂を用いる場合は、そのまま又は適当な溶剤に溶解した塗布液を塗布し、紫外線を照射して硬化させることによって形成することができる。
紫外線硬化性樹脂としては、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレートなどのアクリレート系樹脂を用いることができる。
これらの材料は単独で用いても混合して用いても良いし、1層だけでなく多層膜にして用いても良い。
環境保護層の形成方法としては、記録層と同様にスピンコート法やキャスト法等の塗布法、スパッタ法、化学蒸着法等が用いられるが、中でもスピンコート法が好ましい。
環境保護層の膜厚は、一般に0.1〜100μmの範囲であるが、本発明においては、3〜30μmが好ましい。
また、反射層或いは光透過層面に更に基板を貼り合わせてもよく、反射層や光透過層面相互を内面として対向させ、光学記録媒体2枚を貼り合わせても良い。
基板鏡面側に、表面保護やゴミ等の付着防止のために紫外線硬化樹脂層や、無機系層等を成膜してもよい。
光透過層(カバー層)は、高密度化を図るため高NAのレンズを用いる場合に必要となる。例えば高NA化すると、再生光が透過する部分の厚さを薄くする必要がある。これは、高NA化に伴い、光学ピックアップの光軸に対してディスク面が垂直からズレる角度(いわゆるチルト角、光源の波長の逆数と対物レンズの開口数の積の2乗に比例する)により発生する収差の許容量が小さくなるためであり、このチルト角が基板の厚さによる収差の影響を受け易いためである。従って、基板の厚さを薄くしてチルト角に対する収差の影響をなるべく小さくする必要がある。
そこで、例えば基板上に凹凸を形成して記録層とし、その上に反射層を設け、更にその上に光を透過する層である光透過性の光透過層(カバー層)を設けるようにし、光透過層側から再生光を照射して記録層の情報を再生するような光記録媒体や、基板上に反射層を設け、その上に記録層を設け、更にこの上に光透過性を有する光透過層を設けるようにし、カバー層側から再生光を照射して記録層の情報を再生するような光記録媒体が提案されている(Blu−ray規格)。
このようにすれば、光透過層を薄型化していくことにより対物レンズの高NA化に対応可能である。つまり、薄い光透過層を設け、この光透過層側から記録再生することにより更なる高記録密度化を図ることができる。
なお、このような光透過層は、ポリカーボネートシートや紫外線硬化型樹脂により形成されるのが一般的である。
また、本発明で言う光透過層には、光透過層を接着するための層を含めてもよい。
本発明の追記型光記録媒体は、青色波長領域(350〜500nm)のレーザ光により記録再生が可能であるが、好ましいのは、波長450nm以下のレーザ光である。なお、500nmを超える波長領域のレーザ光でも記録再生は可能である。
本発明の追記型光記録媒体は、本発明9、10の構成以外に、下記のような構成とすることもできるが、これに限定される訳ではなく、例えば、下部保護層、上部保護層を複数の層で構成しても構わない。
(a) 基板/記録層/上部保護層/反射層
(b) 基板/下部保護層/記録層/上部保護層
(c) 基板/反射層/上部保護層/記録層/カバー層
(d) 基板/上部保護層/記録層/下部保護層/カバー層
更に、本発明9、10の構成や、上記(a)〜(d)の構成を基本として、多層化しても構わない。例えば、(a)の構成を基本として二層化する場合、基板/記録層/上部保護層/反射層(半透明層)/接着層/記録層/上部保護層/反射層/基板という構成とすることができる。
本発明11は、Biの酸化物と、追記型光記録媒体の記録再生レーザ光に対する光吸収機能を増強する1種以上の元素M(但し、Bi、C、Nを除く)の単体を主成分として含有するスパッタリングターゲットであって、これを用いて本発明1の追記型光記録媒体の記録層を作製することができる。
本発明12は、Biの酸化物と、追記型光記録媒体の記録再生レーザ光に対する光吸収機能を増強する1種以上の元素M(但し、Bi、C、Nを除く)の単体と、該元素Mの酸化物とを主成分として含有するスパッタリングターゲットであって、これを用いて本発明2の追記型光記録媒体の記録層を作製することができる。
本発明13は、本発明11又は12における元素Mが、その結晶又は薄膜に記録再生レーザ光を照射したときの複素屈折率虚部の値が3.0以上の元素であるスパッタリングターゲットであって、これを用いて本発明3の追記型光記録媒体の記録層を作製することができる。
本発明14は、本発明11又は12における元素Mが、Bであるスパッタリングターゲットであって、これを用いて本発明4の追記型光記録媒体の記録層を作製することができる。
本発明15は、本発明13における複素屈折率虚部の値が3.0以上の元素が、Zn、Mg、Ru、Sb、Cr、Be、Co、Pd、V、Te、Ir、Mo、Os、Phから選ばれた少なくとも1種であるスパッタリングターゲットであって、これを用いて本発明5の追記型光記録媒体の記録層を作製することができる。
本発明16は、本発明11〜15の何れかにおいて、元素MとBiの原子数比(元素M/Bi)が、0.20〜0.70であるスパッタリングターゲットであって、これを用いて本発明6の追記型光記録媒体の記録層を作製することができる。
本発明17は、本発明11〜16の何れかにおいて、Biの酸化物の酸素含有量が化学量論組成よりも少ないスパッタリングターゲットであって、これを用いて本発明7の追記型光記録媒体の記録層を作製することができる。
本発明によれば、青色波長領域(350〜500nm)のレーザ光、特に405nm近傍の波長のレーザ光で良好な記録再生特性を示し、高密度記録可能で、記録感度が従来品に比べて高い記録層を有する追記型光記録媒体、及び該記録層を形成するためのスパッタリングターゲットを提供できる。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。また、実施例として、波長が405nmのレーザ光を用いた例を示したが、本発明の記録層は、350〜500nmの範囲では複素屈折率が正常分散を示し、複素屈折率に急激な変化が起きないため、同様に記録再生が可能である。即ち、350〜500nmの範囲で記録再生波長が変化すると、追記型光記録媒体としての反射率や記録感度は変化するが、記録原理が変化することはないため、同様の記録再生が可能である。
実施例1
案内溝(溝深さ28nm、トラックピッチ0.40μm、平均溝幅0.20μm)を有するポリカーボネート基板上に、スパッタ法を用いて、ZnS−SiO(80:20モル%)からなる膜厚60nmの下部保護層、膜厚10nmの記録層、ZnS−SiO(80:20モル%)からなる膜厚20nmの上部保護層を順次積層した。
記録層は、BiとBとB(ホウ素)を、54.7:19.0:26.3(モル%)の割合で混合し焼成したスパッタリングターゲットを用いて成膜した。
このスパッタリングターゲットは、本発明11、12、14、16の条件を満足するスパッタリングターゲットとなっている。
次いで、上部保護層上に、スパッタ法により膜厚60nmのAg反射層を設け、更にスピンコート法により紫外線硬化型樹脂(サンノプコ株式会社製:ノプコキュア134)からなる膜厚約5μmの有機保護層を設けて本発明の追記型光記録媒体を得た。
上記記録層を、RBS(Rutherford Backscattering Spectrometry)法により定量分析したところ、ターゲットと記録層において同等の組成比となっていることを確認した。
即ち、Biの酸化物に、記録再生レーザ光に対する光吸収機能を増強する元素としてホウ素が添加された、本発明1、2、4の条件を満足する記録層となっている。
また、BとBiの原子数比(B/Bi)は、約0.59であり、本発明6の条件を満足する記録層となっている。
更に、X線光電子分光分析法(XPS;X−ray Photoelectron Spectroscopy)により記録層の膜厚方向の組成を定量分析したところ、Biが酸化物及び金属Biとして存在していることが確認された。
よって、本実施例の記録層は、その主成分であるBiの酸化物の酸素含有量が化学量論組成よりも少なく、本発明7の条件を満足している。
記録層の405nm近傍での複素屈折率の値は、実部が2.35、虚部が0.40であり、本実施例の記録層は、本発明8の条件を満足している。
上記追記型光記録媒体に対し、パルステック工業(株)製の光ディスク評価装置ODU−1000(波長:405nm、NA:0.65)を用いて、HD DVD−R規格〔DVD Specifications for High Density Recordable Disc(HD DVD−R) Version1.0〕に準拠した記録を行った。記録速度は6.61m/sとした。
その結果、記録パワー6.5mWで、変調度:50%、PRSNR(Partial Response Signal to Noise Ratio):30、PI error:20という非常に良好な記録が実現できた。
比較例1
記録層を、BiとBを2:1(モル比)の割合で混合し焼成したスパッタリングターゲット(即ち、Bが単体で存在しないターゲット)を用いて成膜した点以外は、実施例1と同様にして追記型光記録媒体を作製し、実施例1と同様にして、HD DVD−R規格に準拠した記録を行った。
その結果、変調度:60%、PRSNR:25、PI error:20という良好な記録が実現できたが、記録パワーは8.5mWとなり、実施例1に比べて、感度が2mW程度悪化した。
但し、本比較例1で作製した追記型光記録媒体の上記特性は、記録感度を含めた全ての評価項目において、HD DVD−R規格を余裕をもって満たしており、本比較例1の媒体の特性が悪い訳ではなく、本発明がもっと優れているということである。
実施例2
案内溝(溝深さ20nm、トラックピッチ0.32μm、平均溝幅0.155μm)を有するポリカーボネート基板上に、スパッタ法を用いて、膜厚60nmのAg反射層、ZnS−SiO(80:20モル%)からなる膜厚20nmの上部保護層、膜厚10nmの記録層、ZnS−SiO(80:20モル%)からなる膜厚60nmの下部保護層を順次積層した。
記録層は、BiとBとBを54.7:19.0:26.3(モル%)の割合で混合し焼成したスパッタリングターゲットを用いて成膜した。
このスパッタリングターゲットは、本発明11、12、14、16の条件を満足するスパッタリングターゲットとなっている。
次いで、下部保護層上に、紫外線硬化樹脂からなる厚さ0.1mmのカバー層をスピンコーティング法により形成し、追記型光記録媒体を得た。
この記録層を、RBS法により定量分析したところ、ターゲットと記録層において同等の組成比となっていることを確認した。
即ち、Biの酸化物に、記録再生レーザ光に対する光吸収機能を増強する元素としてホウ素が添加された、本発明の1、2、4の条件を満足する記録層となっている。
また、BとBiの原子数比(B/Bi)は、約0.59であり、本発明6の条件を満足する記録層となっている。
更に、X線光電子分光分析法により、記録層の膜厚方向の組成を定量分析したところ、Biが酸化物と金属Biとして存在していることが確認された。
よって、本実施例の記録層は、その主成分であるBiの酸化物の酸素含有量が化学量論組成よりも少なく、本発明7の条件を満足している。
記録層の405nm近傍での複素屈折率の値は、実部が2.35、虚部が0.40であり、本実施例の記録層は、本発明8の条件を満足している。
上記追記型光記録媒体に対し、パルステック工業(株)製の光ディスク評価装置ODU−1000(波長:405nm、NA:0.85)を用いて、BD−R規格(System Dscription Blu−ray Disc Recordable Format Part1 Basic Format Specifications)に準拠した記録を行った。記録速度は19.67m/s(4x記録に相当)とした。
その結果、記録パワー6.0mWで、変調度:50%、ジッタ:5.5%という非常に良好な記録が実現できた。
比較例2
記録層を、BiとBを2:1(モル比)の割合で混合し焼成したスパッタリングターゲット(即ち、Bが単体で存在しないターゲット)を用いて成膜した点以外は、実施例2と同様にして追記型光記録媒体を作製し、実施例2と同様にして、BD−R規格に準拠した記録を行った。
その結果、変調度:62%、ジッタ:5.7%という良好な記録が実現できたが、記録パワーは7.8mWで、実施例2に比べて、感度が1.8mW程度悪化した。
但し、本比較例2で作製した追記型光記録媒体の上記特性は、記録感度を含めた全ての評価項目においてBD−R規格を余裕をもって満たしており、本比較例2の媒体の特性が悪い訳ではなく、本発明がもっと優れているということである。
実施例3〜12
案内溝(溝深さ28nm、トラックピッチ0.40μm、平均溝幅0.20μm)を有するポリカーボネート基板上に、スパッタ法を用いて、ZnS−SiO(80:20モル%)からなる下部保護層、記録層、ZnS−SiO(80:20モル%)からなる膜厚20nmの上部保護層を順次積層した。下部保護層と記録層の膜厚は、追記型光記録媒体としての反射率が14%〜18%となるように調整した。なお、下部保護層の膜厚変更範囲は40〜60nmとした。
記録層は、Biと、表1に記載の元素Mの酸化物とを2:1(モル比)で一定とした混合物に、更に表1に記載の添加元素Mを1:1〜2:1(モル比)の範囲で混合して焼成したスパッタリングターゲットを用いて成膜した。
これらのスパッタリングターゲットは、本発明11、12、13、15、16の条件を満足するスパッタリングターゲットとなっている。
次いで、上部保護層上に、スパッタ法により膜厚60nmのAg反射層を設け、更にスピンコート法により紫外線硬化型樹脂(サンノプコ株式会社製:ノプコキュア134)からなる膜厚約5μmの有機保護層を設けて、実施例3〜12の追記型光記録媒体を得た。
上記各記録層をRBS法により定量分析したところ、ターゲットと記録層において同等の組成比となっていることを確認した。
即ち、Biの酸化物に、記録再生レーザ光に対する光吸収機能を増強する元素として表1の元素が添加された、本発明の1、2、3、5の条件を満足する記録層となっている。
また、表1の添加元素MとBiの原子数比(元素M/Bi)は、何れも本発明6の条件を満足している。
更に、X線光電子分光分析法により、各記録層の膜厚方向の組成を定量分析したところ、Biが酸化物と金属Biとして存在していることが確認された。
よって、実施例3〜12の記録層は、何れもその主成分であるBiの酸化物の酸素含有量が化学量論組成よりも少なく、本発明7の条件を満足している。
各記録層の波長405nm近傍における複素屈折率の値は、何れも、実部が2.20以上、虚部が0.30以上であり、実施例3〜12の記録層が、本発明8の条件を満足していることが確認された。
また、表1に、波長405nm近傍における、各添加元素Mの結晶の複素屈折率虚部の値を示したが、各添加元素Mは、何れも本発明3の条件を満足している。
上記各追記型光記録媒体に対し、実施例1と同様にして、HD DVD−R規格に準拠した記録を行った。
その結果、表1に示した各記録感度で、実施例3〜12の何れも、変調度:45%以上、PRSNR:23以上、PI error:50以下という非常に良好な記録が実現できた。
Figure 2008254245
比較例3〜12
記録層を、Biと、上記表1に記載の元素Mの酸化物とを、2:1(モル比)の割合で混合して焼成したターゲット(即ち、添加元素Mが単体で存在しないスパッタリングターゲット)を用いて成膜した点以外は、実施例3〜12と同様にして追記型光記録媒体を作製した。
上記各比較例の記録層について、X線光電子分光分析法により記録層の膜厚方向の組成を定量分析したところ、表1に記載の元素Mは、何れの比較例についても、ほぼ酸化物として存在していることが確認された。
なお、比較例3〜12と実施例3〜12は、同番号同士の記録層が同じ元素から構成されるため、比較対照することができる。
上記各追記型光記録媒体に対し、実施例1と同様にして、HD DVD−R規格に準拠した記録を行った。
その結果、表1に示した各記録感度で、比較例3〜12の何れも、変調度:50%以上、PRSNR:20以上、PI error:70以下という非常に良好な記録が実現できた。
しかし、実施例3〜12と比較例3〜12の同番号同士を対比すると、実施例3〜12に比べて、比較例3〜12の方が感度が約2mW程度悪くなった。
但し、本比較例3〜12で作製した追記型光記録媒体の上記特性は、記録感度を含めた全ての評価項目において、HD DVD−R規格を余裕をもって満たしており、本比較例3〜12の媒体の特性が悪い訳ではなく、本発明がもっと優れているということである。
実施例13
記録層を、BiとCuを1:1(モル比)の割合で混合して焼成したターゲットを用いて成膜した点以外は、実施例2と同様にして追記型光記録媒体を作製し、実施例2と同様にして、BD−R規格に準拠した記録を行った。
その結果、記録パワー5.8mWで、変調度:55%、ジッタ:5.5%という良好な記録が実現できた。
なお、波長405nm近傍におけるCuの結晶の複素屈折率の虚部の値は2.21で、本発明3の条件は満たしていないが、波長405nm近傍における記録層の複素屈折率の値は、実部が2.90、虚部が0.40であり、本発明8の条件を満足していることを確認した。
即ち、本発明で使用可能な添加元素に要求される条件は、記録再生レーザ光に対する光吸収機能を増強することであり、この条件を満足していれば、例えば本発明3の条件を満たさない添加元素でも使用できることが明らかとなった。

Claims (17)

  1. 基板上に、少なくとも、Biの酸化物と、記録再生レーザ光に対する光吸収機能を増強する1種以上の元素M(但し、Bi、C、Nを除く)の単体とを主成分として含有する記録層を有し、青色波長領域のレーザ光で記録再生可能であることを特徴とする追記型光記録媒体。
  2. 基板上に、少なくとも、Biの酸化物と、記録再生レーザ光に対する光吸収機能を増強する1種以上の元素M(但し、Bi、C、Nを除く)の単体と、該元素Mの酸化物とを主成分として含有する記録層を有し、青色波長領域のレーザ光で記録再生可能であることを特徴とする追記型光記録媒体。
  3. 元素Mが、その結晶又は薄膜に記録再生レーザ光を照射したときの複素屈折率虚部の値が3.0以上の元素であることを特徴とする請求項1又は2記載の追記型光記録媒体。
  4. 元素MがB(ホウ素)であることを特徴とする請求項1又は2記載の追記型光記録媒体。
  5. 前記複素屈折率虚部の値が3.0以上の元素が、Zn、Mg、Ru、Sb、Cr、Be、Co、Pd、V、Te、Ir、Mo、Os、Phから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項3記載の追記型光記録媒体。
  6. 元素MとBiの原子数比(元素M/Bi)が、0.20〜0.70であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の追記型光記録媒体。
  7. Biの酸化物の酸素含有量が化学量論組成よりも少ないことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の追記型光記録媒体。
  8. 前記記録層に記録再生レーザ光を照射したときの複素屈折率虚部の値が0.30以上、実部の値が2.20以上であることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の追記型光記録媒体。
  9. 基板上に、少なくとも、下部保護層、前記記録層、上部保護層、反射層が順次積層されていることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の追記型光記録媒体。
  10. 基板上に、少なくとも、反射層、上部保護層、前記記録層、下部保護層、カバー層が順次積層されていることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の追記型光記録媒体。
  11. Biの酸化物と、追記型光記録媒体の記録再生レーザ光に対する光吸収機能を増強する1種以上の元素M(但し、Bi、C、Nを除く)の単体とを主成分として含有することを特徴とする追記型光記録媒体の記録層作製用スパッタリングターゲット。
  12. Biの酸化物と、追記型光記録媒体の記録再生レーザ光に対する光吸収機能を増強する1種以上の元素M(但し、Bi、C、Nを除く)の単体と、該元素Mの酸化物とを主成分として含有することを特徴とする追記型光記録媒体の記録層作製用スパッタリングターゲット。
  13. 元素Mが、その結晶又は薄膜に記録再生レーザ光を照射したときの複素屈折率虚部の値が3.0以上の元素であることを特徴とする請求項11又は12記載のスパッタリングターゲット。
  14. 元素MがBであることを特徴とする請求項11又は12記載のスパッタリングターゲット。
  15. 前記複素屈折率虚部の値が3.0以上の元素が、Zn、Mg、Ru、Sb、Cr、Be、Co、Pd、V、Te、Ir、Mo、Os、Phから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項13記載のスパッタリングターゲット。
  16. 元素MとBiの原子数比(元素M/Bi)が、0.20〜0.70であることを特徴とする請求項11〜15の何れかに記載のスパッタリングターゲット。
  17. Biの酸化物の酸素含有量が化学量論組成よりも少ないことを特徴とする請求項11〜16の何れかに記載のスパッタリングターゲット。
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