JP2008254208A - インプリント用モールド構造体及び該インプリント用モールド構造体を用いて製造した磁気記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】インプリント用モールド構造体と加工対象物間にナノメーターサイズのコンタミネーション(パーティクル)が存在する場合であっても加工対象物自身を破損することなく、サーボ/データ信号の真円度が確保されて性能が維持された磁気記録媒体を製造することができるインプリント用モールド構造体及び該インプリント用モールド構造体を用いて製造した磁気記録媒体の提供。
【解決手段】加工対象物に押圧されるインプリント用モールド構造体であって、基板及び前記基板の一方の表面上に形成された凸部を有するモールド基材と、前記モールド基材上に形成されたモールド表層とを備え、前記モールド表層は、前記加工対象物よりも押し込み硬度が小さく、前記モールド基材は、前記モールド表層よりも硬度が大きいことを特徴とするインプリント用モールド構造体である。
【選択図】図1
【解決手段】加工対象物に押圧されるインプリント用モールド構造体であって、基板及び前記基板の一方の表面上に形成された凸部を有するモールド基材と、前記モールド基材上に形成されたモールド表層とを備え、前記モールド表層は、前記加工対象物よりも押し込み硬度が小さく、前記モールド基材は、前記モールド表層よりも硬度が大きいことを特徴とするインプリント用モールド構造体である。
【選択図】図1
Description
本発明は、インプリント用モールド構造体及び該インプリント用モールド構造体を用いて製造した磁気記録媒体に関する。
近年、高速性やコストに優れたハードディスクドライブが、ストレージ機器の主力として、携帯電話、小型音響機器や、ビデオカメラなどのポータブル機器に搭載され始め、より一層の小型大容量化という要求に応えるために、記録密度を向上させる技術が求められている。
ハードディスクドライブの記録密度を高めるためには、磁気記録媒体の高性能化、及び磁気ヘッド幅の狭小化という手法が従来より用いられてきたが、データトラック間隔を狭めることにより、隣接トラック間の磁気の影響(クロストーク)や、熱揺らぎの影響が無視できなくなり、磁気ヘッドの狭小化などによる面記録密度の向上には限界があった。
ハードディスクドライブの記録密度を高めるためには、磁気記録媒体の高性能化、及び磁気ヘッド幅の狭小化という手法が従来より用いられてきたが、データトラック間隔を狭めることにより、隣接トラック間の磁気の影響(クロストーク)や、熱揺らぎの影響が無視できなくなり、磁気ヘッドの狭小化などによる面記録密度の向上には限界があった。
そこで、クロストークによるノイズを解決する手段として、ディスクリートトラックメディアと呼ばれる形態の磁気記録媒体が提案されている。
ディスクリートトラックメディアは、隣接するトラック間に非磁性のガードバンド領域を設けて個々のトラックを磁気的に分離したディスクリート構造とすることにより、隣接トラック間の磁気的干渉を低減したものである。
ディスクリートトラックメディアは、隣接するトラック間に非磁性のガードバンド領域を設けて個々のトラックを磁気的に分離したディスクリート構造とすることにより、隣接トラック間の磁気的干渉を低減したものである。
また、熱揺らぎによる減磁を解決する手段として、信号記録のための個々のビットを予め所定の形状パターンで備えたパターンドメディアと呼ばれる形態の磁気記録媒体が提案されている。
上記ディスクリートトラックメディアやパターンドメディアを製造する際には、特許文献1に開示されたように、レジストパターン形成用モールド(スタンパとも称することがある。)を用いて、磁気記録媒体の表面に形成されたレジスト層に所望のパターンを転写するインプリンティング法(インプリントプロセス)がある。
前記インプリントプロセスでは形状加工対象物に対してレジスト塗布、モールドを密着、圧力を印加し、レジストパターンを形成する。これまではモールドの表層に硬質保護層(例えば、DLC膜)を形成しモールドの耐久性向上が検討されてきた(特許文献2参照)。しかし、本方式ではモールドと加工対象物間にナノメーターサイズのコンタミネーション(パーティクル)が存在すると、加工対象物に直接的に、かつ局所的に圧力が印加されてしまうため、加工対象物自身を破損してしまうことがあった。
本発明者はモールド自体を軟質素材で構成することで上記問題が解決すると考え、樹脂基体での検討を行った。これまでにも、特許文献3及び4で開示されているような検討が行われており、上記問題の解決方法が提案されている。
しかし、磁気記録媒体を作製するにあたってサーボ/データ信号を真円状に配置する必要があり、上記樹脂製モールドでは基体自身がインプリント時に変形してしまい、パターン形成はできるものの、磁気記録媒体性能が著しく低下するという問題があった。
しかし、磁気記録媒体を作製するにあたってサーボ/データ信号を真円状に配置する必要があり、上記樹脂製モールドでは基体自身がインプリント時に変形してしまい、パターン形成はできるものの、磁気記録媒体性能が著しく低下するという問題があった。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、インプリント用モールド構造体と加工対象物間にナノメーターサイズのコンタミネーション(パーティクル)が存在する場合であっても加工対象物自身を破損することなく、サーボ/データ信号の真円度が確保されて性能が維持された磁気記録媒体を製造することができるインプリント用モールド構造体及び該インプリント用モールド構造体を用いて製造した磁気記録媒体を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 加工対象物に押圧されるインプリント用モールド構造体であって、基板及び前記基板の一方の表面上に形成された凸部を有するモールド基材と、前記モールド基材上に形成されたモールド表層とを備え、前記モールド表層は、前記加工対象物よりも押し込み硬度が小さく、前記モールド基材は、前記モールド表層よりも押し込み硬度が大きいことを特徴とするインプリント用モールド構造体である。
該<1>に記載のインプリント用モールド構造体においては、前記モールド表層は、前記加工対象物よりも押し込み硬度が小さく、前記モールド基材は、前記モールド表層よりも押し込み硬度が大きいので、前記インプリント用モールド構造体と前記加工対象物との間にナノメーターサイズのコンタミネーション(パーティクル)が存在する場合であっても前記加工対象物に直接的かつ局所的に圧力が印加されるのを防止することができると共に、インプリント時に前記モールド基材が変形するのを防止することができ、もって、前記インプリント用モールド構造体と前記加工対象物との間にナノメーターサイズのコンタミネーション(パーティクル)が存在する場合であっても加工対象物自身を破損することなく、サーボ/データ信号の真円度が確保されて性能が維持された磁気記録媒体を製造することができる。
<2> 加工対象物の押し込み硬度R1、モールド表層の押し込み硬度R2、及びモールド基材の押し込み硬度R3が、下記関係式(1)を満たす前記<1>に記載のインプリント用モールド構造体である。
R1>R3>R2・・・(1)
<3> モールド表層の押し込み硬度R2が、3GPa以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載のインプリント用モールド構造体である。
<4> モールド表層が、加工対象物に対して剥離機能を有する材料からなる前記<1>から<3>のいずれかに記載のインプリント用モールド構造体である。
<5> 前記<1>から<4>のいずれかに記載のインプリント用モールド構造体を用いて製造したことを特徴とする磁気記録媒体である。
<1> 加工対象物に押圧されるインプリント用モールド構造体であって、基板及び前記基板の一方の表面上に形成された凸部を有するモールド基材と、前記モールド基材上に形成されたモールド表層とを備え、前記モールド表層は、前記加工対象物よりも押し込み硬度が小さく、前記モールド基材は、前記モールド表層よりも押し込み硬度が大きいことを特徴とするインプリント用モールド構造体である。
該<1>に記載のインプリント用モールド構造体においては、前記モールド表層は、前記加工対象物よりも押し込み硬度が小さく、前記モールド基材は、前記モールド表層よりも押し込み硬度が大きいので、前記インプリント用モールド構造体と前記加工対象物との間にナノメーターサイズのコンタミネーション(パーティクル)が存在する場合であっても前記加工対象物に直接的かつ局所的に圧力が印加されるのを防止することができると共に、インプリント時に前記モールド基材が変形するのを防止することができ、もって、前記インプリント用モールド構造体と前記加工対象物との間にナノメーターサイズのコンタミネーション(パーティクル)が存在する場合であっても加工対象物自身を破損することなく、サーボ/データ信号の真円度が確保されて性能が維持された磁気記録媒体を製造することができる。
<2> 加工対象物の押し込み硬度R1、モールド表層の押し込み硬度R2、及びモールド基材の押し込み硬度R3が、下記関係式(1)を満たす前記<1>に記載のインプリント用モールド構造体である。
R1>R3>R2・・・(1)
<3> モールド表層の押し込み硬度R2が、3GPa以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載のインプリント用モールド構造体である。
<4> モールド表層が、加工対象物に対して剥離機能を有する材料からなる前記<1>から<3>のいずれかに記載のインプリント用モールド構造体である。
<5> 前記<1>から<4>のいずれかに記載のインプリント用モールド構造体を用いて製造したことを特徴とする磁気記録媒体である。
本発明によると、インプリント用モールド構造体と加工対象物間にナノメーターサイズのコンタミネーション(パーティクル)が存在する場合であっても加工対象物自身を破損することなく、サーボ/データ信号の真円度が確保されて性能が維持された磁気記録媒体を製造することができるインプリント用モールド構造体及び該インプリント用モールド構造体を用いて製造した磁気記録媒体を提供することができる。
以下、本発明のインプリント用モールド構造体について図面を参照して説明する。
(インプリント用モールド構造体)
図1は、本発明のインプリント用モールド構造体の構成を示す部分斜視図である。
図1に示すように、インプリント用モールド構造体1は、加工対象物(例えば、後述する図3におけるインプリントレジスト24)に押圧されるものであり、モールド基材4と、モールド基材4上に形成されたモールド表層5とを少なくとも備え、更に必要に応じて、その他の部材を備える。
図1は、本発明のインプリント用モールド構造体の構成を示す部分斜視図である。
図1に示すように、インプリント用モールド構造体1は、加工対象物(例えば、後述する図3におけるインプリントレジスト24)に押圧されるものであり、モールド基材4と、モールド基材4上に形成されたモールド表層5とを少なくとも備え、更に必要に応じて、その他の部材を備える。
加工対象物、モールド表層5、及びモールド基材4の材料は、加工対象物の押し込み硬度R1がモールド表層5の押し込み硬度R2よりも大きく、モールド基材4の硬度R3がモールド表層5の硬度R2よりも大きくなるように適宜選択される。
さらに、加工対象物の押し込み硬度R1、モールド表層5の押し込み硬度R2、及びモールド基材4の押し込み硬度R3が、R1>R3>R2を満たすことが好ましい。
さらに、加工対象物の押し込み硬度R1、モールド表層5の押し込み硬度R2、及びモールド基材4の押し込み硬度R3が、R1>R3>R2を満たすことが好ましい。
なお、加工対象物の押し込み硬度R1、モールド表層5の押し込み硬度R2、及びモールド基材4の押し込み硬度R3は、以下に示す測定方法により測定される。
−押し込み硬度の測定方法−
TRIBOSCOPE(HYSITRON社製)を用いて、ダイヤモンド先端稜角90度、先端曲率半径40nmの三角錐型を用いて押し込み加重5μNで押し込み速度3nm/秒で押し込み、最大5μNまでの圧力を印加し、その後圧力を徐々に戻す。このときの最大荷重5μNを圧子接触部の投影面積で除算して硬度を求めた。
TRIBOSCOPE(HYSITRON社製)を用いて、ダイヤモンド先端稜角90度、先端曲率半径40nmの三角錐型を用いて押し込み加重5μNで押し込み速度3nm/秒で押し込み、最大5μNまでの圧力を印加し、その後圧力を徐々に戻す。このときの最大荷重5μNを圧子接触部の投影面積で除算して硬度を求めた。
−モールド基材−
前記モールド基材4は、円盤状をなす基板2と、基板2の一方の表面2a上に、同心円状に、所定の間隔で形成された複数の凸部3とを有し、モールド表層5よりも押し込み硬度が大きい。
前記モールド基材4は、円盤状をなす基板2と、基板2の一方の表面2a上に、同心円状に、所定の間隔で形成された複数の凸部3とを有し、モールド表層5よりも押し込み硬度が大きい。
また、前記同心円の半径方向(凸部3が列設されている方向)における凸部3の断面形状は、例えば、矩形をなしている。
なお、前記凸部3の断面形状は、矩形に限られず、目的に応じて、後述するエッチング工程を制御することにより、任意の形状を選択することができる。
以下、本実施形態の説明において、「断面(形状)」とは、特に断りがない限り、前記同心円の半径方向(凸部3が列設されている方向)における断面(形状)を指す。
なお、前記凸部3の断面形状は、矩形に限られず、目的に応じて、後述するエッチング工程を制御することにより、任意の形状を選択することができる。
以下、本実施形態の説明において、「断面(形状)」とは、特に断りがない限り、前記同心円の半径方向(凸部3が列設されている方向)における断面(形状)を指す。
−モールド表層−
前記モールド表層5は、加工対象物よりも押し込み硬度が小さく、3GPa以下である。また、モールド表層5は、加工対象物に対して剥離機能を有する材料からなることが好ましく、加工対象物に対して剥離機能を有する材料としては、公知のフッ素系樹脂、炭化水素系潤滑剤、フッ素系潤滑剤、フッ素系シランカップリング剤などを使用できる。
前記フッ素系樹脂としては、PTFA,PFA,FEP,ETFEなどが挙げられる。
前記炭化水素系潤滑剤としては、ステアリン酸、オレイン酸等のカルボン酸類、ステアリン酸ブチル等のエステル類、オクタデシルスルホン酸等のスルホン酸類、リン酸モノオクタデシル等のリン酸エステル類、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等のアルコール類、ステアリン酸アミド等のカルボン酸アミド類、ステアリルアミン等のアミン類などが挙げられる。
前記フッ素系潤滑剤としては上記炭化水素系潤滑剤のアルキル基の一部または全部をフルオロアルキル基もしくはパーフルオロポリエーテル基で置換した潤滑剤が挙げられる。前記パーフルオロポリエーテル基としては、パーフルオロメチレンオキシド重合体、パーフルオロエチレンオキシド重合体、パーフルオロ−n−プロピレンオキシド重合体(CF2CF2CF2O)n、パーフルオロイソプロピレンオキシド重合体(CF(CF3)CF2O)nまたはこれらの共重合体等である。
前記フッ素系シランカップリング剤としては分子中に少なくとも1個、好ましくは1〜10個のアルコキシシラン基、クロロシラン基を有するものであり、分子量200〜500,000のものが好ましい。前記アルコキシシラン基の例としては、-Si(OCH3)3基、-Si(OCH2CH3)3基、-Si(OCH3)3基が挙げられ、前記クロロシラン基としては、-Si(Cl)3基などが挙げられる。具体的には、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラ-ハイドロデシルトリメトキシシラン、ペンタフルオロフェニルプロピルジメチルクロロシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラ-ハイドロオクチルトリエトキシシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラ-ハイドロオクチルトリメトキシシランなどの素材である。
前記モールド表層5は、加工対象物よりも押し込み硬度が小さく、3GPa以下である。また、モールド表層5は、加工対象物に対して剥離機能を有する材料からなることが好ましく、加工対象物に対して剥離機能を有する材料としては、公知のフッ素系樹脂、炭化水素系潤滑剤、フッ素系潤滑剤、フッ素系シランカップリング剤などを使用できる。
前記フッ素系樹脂としては、PTFA,PFA,FEP,ETFEなどが挙げられる。
前記炭化水素系潤滑剤としては、ステアリン酸、オレイン酸等のカルボン酸類、ステアリン酸ブチル等のエステル類、オクタデシルスルホン酸等のスルホン酸類、リン酸モノオクタデシル等のリン酸エステル類、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等のアルコール類、ステアリン酸アミド等のカルボン酸アミド類、ステアリルアミン等のアミン類などが挙げられる。
前記フッ素系潤滑剤としては上記炭化水素系潤滑剤のアルキル基の一部または全部をフルオロアルキル基もしくはパーフルオロポリエーテル基で置換した潤滑剤が挙げられる。前記パーフルオロポリエーテル基としては、パーフルオロメチレンオキシド重合体、パーフルオロエチレンオキシド重合体、パーフルオロ−n−プロピレンオキシド重合体(CF2CF2CF2O)n、パーフルオロイソプロピレンオキシド重合体(CF(CF3)CF2O)nまたはこれらの共重合体等である。
前記フッ素系シランカップリング剤としては分子中に少なくとも1個、好ましくは1〜10個のアルコキシシラン基、クロロシラン基を有するものであり、分子量200〜500,000のものが好ましい。前記アルコキシシラン基の例としては、-Si(OCH3)3基、-Si(OCH2CH3)3基、-Si(OCH3)3基が挙げられ、前記クロロシラン基としては、-Si(Cl)3基などが挙げられる。具体的には、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラ-ハイドロデシルトリメトキシシラン、ペンタフルオロフェニルプロピルジメチルクロロシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラ-ハイドロオクチルトリエトキシシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラ-ハイドロオクチルトリメトキシシランなどの素材である。
−その他の部材−
前記その他の部材としては、本発明の効果を害しない限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、モールド基材4とモールド表層5の間に介装されたモールド層等が挙げられる。
前記その他の部材としては、本発明の効果を害しない限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、モールド基材4とモールド表層5の間に介装されたモールド層等が挙げられる。
以上のように、インプリント用モールド構造体1においては、モールド表層5は、加工対象物よりも押し込み硬度が小さく、モールド基材4は、モールド表層5よりも押し込み硬度が大きいので、インプリント用モールド構造体1と加工対象物との間にナノメーターサイズのコンタミネーション(パーティクル)が存在する場合であっても加工対象物に直接的かつ局所的に圧力が印加されるのを防止することができると共に、インプリント時にモールド基材4が変形するのを防止することができ、もって、インプリント用モールド構造体1と加工対象物との間にナノメーターサイズのコンタミネーション(パーティクル)が存在する場合であっても加工対象物自身を破損することなく、サーボ/データ信号の真円度が確保されて性能が維持された磁気記録媒体(後述する図3における磁気記録媒体100)を製造することができる。
また、加工対象物の押し込み硬度R1、モールド表層5の押し込み硬度R2、及びモールド基材4の押し込み硬度R3が、R1>R3>R2を満たすので、加工対象物自身の破損を確実に防止することに加え、基体自身がインプリント時に変形することで発生する磁気記録媒体性能の低下も防止することができる。
また、モールド表層5の押し込み硬度R2が、3GPa以下であるので、加工対象物、具体的には垂直磁気記録媒体を構成している保護層、磁気記録層などの機能層をナノサイズのコンタミネーション介在しても破損を防止することができる。加えてコンタミネーションを捕獲し、対象物クリーニングとしても機能することができる。
また、モールド表層5が、加工対象物に対して剥離機能を有する材料からなるので、モールド表層5を加工対象物から容易に剥離することができる。
なお、本実施形態の説明では、2層の層構成(モールド基材4及びモールド表層5)からなるインプリント用モールド構造体1を示したが、これに限定されるものではなく、少なくとも2層以上の層構成を有していればよい。
<インプリント用モールド構造体の作製方法>
以下、本発明に係るインプリント用モールド構造体の作製方法の例について図面を参照して説明する。なお、本発明に係るインプリント用モールド構造体は、下記の作製方法以外の作製方法により作製されたものであってもよい。
―原盤の作製―
図2A〜Bは、インプリント用モールド構造体を示す断面図である。図2Aに示すように、まず、Si基板10上に、スピンコートなどでPMMAなどのフォトレジスト液を塗布し、フォトレジスト層21を形成する。
その後、Si基板10を回転させながら、サーボ信号に対応して変調したレーザー光(又は電子ビーム)を照射し、フォトレジスト全面に所定のパターン、例えば各トラックに回転中心から半径方向に線状に延びるサーボ信号に相当するパターンを円周上の各フレームに対応する部分に露光する。
その後、フォトレジスト層21を現像処理し、露光部分を除去して、除去後のフォトレジスト層21のパターンをマスクにしてRIEなどにより選択エッチングを行い、凹凸形状を有する原盤11を得る。
以下、本発明に係るインプリント用モールド構造体の作製方法の例について図面を参照して説明する。なお、本発明に係るインプリント用モールド構造体は、下記の作製方法以外の作製方法により作製されたものであってもよい。
―原盤の作製―
図2A〜Bは、インプリント用モールド構造体を示す断面図である。図2Aに示すように、まず、Si基板10上に、スピンコートなどでPMMAなどのフォトレジスト液を塗布し、フォトレジスト層21を形成する。
その後、Si基板10を回転させながら、サーボ信号に対応して変調したレーザー光(又は電子ビーム)を照射し、フォトレジスト全面に所定のパターン、例えば各トラックに回転中心から半径方向に線状に延びるサーボ信号に相当するパターンを円周上の各フレームに対応する部分に露光する。
その後、フォトレジスト層21を現像処理し、露光部分を除去して、除去後のフォトレジスト層21のパターンをマスクにしてRIEなどにより選択エッチングを行い、凹凸形状を有する原盤11を得る。
―モールドの作製―
次に、図2Bに示すように、光硬化性樹脂を含有するインプリントレジスト液を塗布してなるインプリントレジスト層24が一方の面に形成された被加工基板としての石英基板30に対して、原盤11を押し当て、原盤11上に形成された凸部のパターンがインプリントレジスト層24に転写される。
次に、図2Bに示すように、光硬化性樹脂を含有するインプリントレジスト液を塗布してなるインプリントレジスト層24が一方の面に形成された被加工基板としての石英基板30に対して、原盤11を押し当て、原盤11上に形成された凸部のパターンがインプリントレジスト層24に転写される。
ここで、前記被加工基板の材料は、光透過性を有し、モールド構造体として機能する強度を有する材料であれば、特に制限されることなく、目的に応じて適宜選択され、例えば、石英(SiO2)等が挙げられる。
また、前記「光透過性を有する」とは、具体的には、被加工基板にインプリントレジスト層が形成される一方の面から出射するように、前記被加工基板の他方の面から光を入射した場合に、インプリントレジストが十分に硬化することを意味しており、少なくとも、前記他方の面から前記一方の面への光透過率が50%以上であることを意味する。
また、前記「モールド構造体として機能する強度を有する」とは、磁気記録媒体の基板上に形成されたインプリントレジスト層に対して、平均面圧力が4kgf/cm2という条件下で押し当て、加圧しても耐えられるような強度を意味する。
また、前記「光透過性を有する」とは、具体的には、被加工基板にインプリントレジスト層が形成される一方の面から出射するように、前記被加工基板の他方の面から光を入射した場合に、インプリントレジストが十分に硬化することを意味しており、少なくとも、前記他方の面から前記一方の面への光透過率が50%以上であることを意味する。
また、前記「モールド構造体として機能する強度を有する」とは、磁気記録媒体の基板上に形成されたインプリントレジスト層に対して、平均面圧力が4kgf/cm2という条件下で押し当て、加圧しても耐えられるような強度を意味する。
――硬化工程――
その後、インプリントレジスト層24に紫外線などを照射して転写されたパターンを硬化させる。
その後、インプリントレジスト層24に紫外線などを照射して転写されたパターンを硬化させる。
――パターン形成工程――
その後、転写されたパターンをマスクにしてRIEなどにより選択エッチングを行い、凹凸形状を有するモールド基材4を得る。
なお、前記選択エッチングは、凹凸形状を有するモールド基材4の凹部の断面形状が、図1に示す凸部3の断面形状を転写した断面形状となるように行われる。
その後、転写されたパターンをマスクにしてRIEなどにより選択エッチングを行い、凹凸形状を有するモールド基材4を得る。
なお、前記選択エッチングは、凹凸形状を有するモールド基材4の凹部の断面形状が、図1に示す凸部3の断面形状を転写した断面形状となるように行われる。
――モールド表層形成工程――
上述したように作製されたモールド基材4上に、加工対象物及びモールド基材4よりも押し込み硬度が小さく、前記加工対象物に対して剥離機能を有する材料からなるモールド表層5を形成する。
上述したように作製されたモールド基材4上に、加工対象物及びモールド基材4よりも押し込み硬度が小さく、前記加工対象物に対して剥離機能を有する材料からなるモールド表層5を形成する。
(磁気記録媒体)
以下、本発明に係るインプリント用モールド構造体を用いて作製されたディスクリートトラックメディアや、パターンドメディアなどの磁気記録媒体を図面を参照して説明する。但し、本発明に係る磁気記録媒体は、本発明に係るインプリント用モールド構造体を用いていれば、下記の製造方法以外の製造方法により作製されたものであってもよい。
以下、本発明に係るインプリント用モールド構造体を用いて作製されたディスクリートトラックメディアや、パターンドメディアなどの磁気記録媒体を図面を参照して説明する。但し、本発明に係る磁気記録媒体は、本発明に係るインプリント用モールド構造体を用いていれば、下記の製造方法以外の製造方法により作製されたものであってもよい。
図3に示すように、磁性層50と、インプリントレジスト液を塗布してなるインプリントレジスト層24とがこの順に形成された磁気記録媒体の基板40に対して、モールド構造体1を押し当て、加圧することにより、モールド構造体1上に形成された凸部3のパターンをインプリントレジスト層24に転写する。
その後、凸部3のパターンが転写されたインプリントレジスト層24をマスクにして、RIEなどにより選択エッチングを行い、モールド構造体1上に形成されたパターン形状に基づく凹凸形状を磁性層50に形成し、凹部に非磁性材料70を埋め込み、表面を平坦化した後、必要に応じて、保護膜などを形成して磁気記録媒体100を得る。
1 モールド構造体
2 基板
2a 表面
3 凸部
4 モールド基材
5 モールド表層
10 Si基板
11 Si原盤
21 フォトレジスト層
24 インプリントレジスト層
30 石英基板
40 磁気記録媒体の基板
50 磁性層
70 非磁性材料
100 磁気記録媒体
2 基板
2a 表面
3 凸部
4 モールド基材
5 モールド表層
10 Si基板
11 Si原盤
21 フォトレジスト層
24 インプリントレジスト層
30 石英基板
40 磁気記録媒体の基板
50 磁性層
70 非磁性材料
100 磁気記録媒体
Claims (5)
- 加工対象物に押圧されるインプリント用モールド構造体であって、基板及び前記基板の一方の表面上に形成された凸部を有するモールド基材と、前記モールド基材上に形成されたモールド表層とを備え、前記モールド表層は、前記加工対象物よりも押し込み硬度が小さく、前記モールド基材は、前記モールド表層よりも押し込み硬度が大きいことを特徴とするインプリント用モールド構造体。
- 加工対象物の押し込み硬度R1、モールド表層の押し込み硬度R2、及びモールド基材の押し込み硬度R3が、下記関係式(1)を満たす請求項1に記載のインプリント用モールド構造体。
R1>R3>R2・・・(1) - モールド表層の押し込み硬度R2が、3GPa以下である請求項1から2のいずれかに記載のインプリント用モールド構造体。
- モールド表層が、加工対象物に対して剥離機能を有する材料からなる請求項1から3の
いずれかに記載のインプリント用モールド構造体。 - 請求項1から4のいずれかに記載のインプリント用モールド構造体を用いて製造したことを特徴とする磁気記録媒体。
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JP2007095536A JP2008254208A (ja) | 2007-03-30 | 2007-03-30 | インプリント用モールド構造体及び該インプリント用モールド構造体を用いて製造した磁気記録媒体 |
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JP2012507883A (ja) * | 2008-11-05 | 2012-03-29 | モレキュラー・インプリンツ・インコーポレーテッド | インプリント・リソグラフィーにおける離型剤分離制御 |
WO2014013922A1 (ja) * | 2012-07-19 | 2014-01-23 | 日産化学工業株式会社 | 防汚性を有する凹凸形状の表面を有する構造体及びその製造方法 |
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2007
- 2007-03-30 JP JP2007095536A patent/JP2008254208A/ja active Pending
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TWI648147B (zh) * | 2012-07-19 | 2019-01-21 | 日商日產化學工業股份有限公司 | 具有防污性之具有凹凸形狀之表面的構造體及其製造方法 |
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