JP2008253310A - 筋電・筋音測定用センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】 筋音図測定用機構部と筋電図測定用機構部を適切に一体化させて、問題なく同じ一つの測定対象箇所に対する筋音図測定と筋電図測定を可能とし、測定対象箇所の筋活動情報を容易且つ正確に取得できる筋電・筋音測定用センサを提供する。
【解決手段】 振動センサ10と電位測定用電極15を積層した構造とし、電位測定用電極15側を生体の体表面に向けて固定状態で取付けると、体表面に接触する電位測定用電極15を用いて電位の測定が行えることに加え、振動センサ10でこの取付箇所における振動の測定が行えることから、電位測定用電極15を用いた筋電図測定と振動センサ10での筋音図測定が生体の同一位置において同時に行えることとなり、筋電図測定と筋音図測定による同一測定対象箇所における詳細な筋活動情報を確実に得られ、測定対象箇所における筋肉の活動状況を複数の観点から精度よく把握できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、生体の筋活動情報の計測を行う筋電・筋音測定用センサに関し、特に、筋肉の動きに伴う電気的変化及び発生した振動の同一位置における同時計測を可能にする筋電・筋音測定用センサに関する。
人が様々な身体運動を行う上で必要不可欠な要素である筋活動の情報に関する研究は、従来から行われてきたが、近年、非侵襲的な調査手法の発達に伴い、ますます盛んに行われるようになっている。こうした筋活動情報の調査、測定法としては、表面電極や針電極を用い、筋収縮に伴う電気的変化を電位として検出する筋電図(EMG)測定が代表的なものであるが、近年では、マイクロフォンコンデンサや加速度計などのトランスデューサを用い、筋収縮の際に発生する微細振動を捉える筋音図(MMG)測定が注目を集めている。
筋電図測定は、生体の体表面に設けた電極により、運動神経から筋肉へと伝達される信号を電気信号として測定するものであり、また、筋音図測定は、体表面に設けたトランスデューサ(センサ)により、筋肉に筋力が発揮されるときに生じる振動を測定するものであり、それぞれ得られる情報は互いに異なったものとなっているが、こうした筋電図測定用の電極と筋音図測定用のトランスデューサを共に体表面に配置して、同時に筋電図と筋音図の各測定を行い、それぞれの測定法とその結果の相関等に関する研究を行い、より詳細に筋活動情報を得ようとする試みもなされている。
この同時測定にあたっては、電極とトランスデューサを体表面にそれぞれ配置して用いる他、筋電図測定用の電極と筋音図測定用のトランスデューサを一体化したものを用いる手法が提案されている。
こうした筋電図測定用電極と筋音図測定用トランスデューサを一体化した従来の筋電・筋音測定用センサの例として、特開2003−284697号公報に記載されるものがある。
この筋電・筋音測定用センサは、計測装置を構成する複数の測定部のうち、心音や呼吸音等を測定するためのトランスデューサとしての圧電型センサにおいて、センサの圧電体を挟む二つの電極のうち、一方の電極が筋電位等の生体電気信号測定用の電極を兼ねる構成であり、心音や呼吸音等の圧力変動に基づく信号情報と共に、心電位や筋電位等の生体電気に基づく信号情報を同時に取得できるものである。
特開2003−284697号公報
従来の筋電・筋音測定用センサは、前記特許文献に示される構成となっており、圧力変動信号と生体電気信号の各測定部分を一度にまとめて体表面に配設でき、測定装置全体で筋電図測定と筋音図測定を同時に行うことができるものの、センサの配置される生体の所定筋肉部位を同じ測定対象として筋電図測定と筋音図測定を行うことはできないという課題を有していた。これは、以下のような理由による。
筋音図測定のための圧電型センサは、通常、センサ配置位置がそのまま筋音測定位置となるが、センサの負電極側をグランドに接続する必要がある。一方、筋電図測定においては、正側の電極位置が測定対象箇所となり、他方の負側電極は補助的なものとなって配設位置を適宜設定できるが、これもグランドに接続する必要がある。筋音図測定と筋電図測定を同じ所定の筋肉部位に対して行うためには、センサや電極を少なくとも測定対象の筋肉部位に配置し、特に筋電図測定用の電極については、前記筋肉部位の方を正側とする必要がある。ここで、振動センサの電極のいずれか一方が筋電図測定用の電極を兼ねる構造を仮定した場合、体表面に接する側が必然的に正電極となることで、振動センサの圧電部を介した反対側が自動的に負電極となるが、この負電極がグランドを介して接続されている筋電図測定用の他方の負側電極を通じて体表面に電気的に接続されることで、筋音図測定に不都合を生じることとなり、こうした接続関係は成立し得ないことがわかる。
このため、前記特許文献に記載のセンサを用いる場合は、圧電型センサにおける筋電図測定用の電極を兼ねる電極は負電極とせざるを得ず、別途配設される筋電図測定用の他方の電極が正電極となる。結果的に、筋電図測定においては、この正電極である他方の電極のある部位についての情報が取得され、筋電図測定と筋音図測定の対象位置が異なる結果しか得られないこととなる。
なお、筋電位測定用の電極と振動センサとが別体となっている場合、振動センサの体表面に接する電極を負電極、筋電図測定用の電極のうち測定対象側の電極を正電極とすれば、測定自体は問題なく行えるものの、センサと電極を最も近付けた場合でもセンサと電極が横に並んだ状態となるなど、計測対象部位を厳密に一致させることができないため、やはり身体の所定筋肉部位を同じ測定対象として筋電図測定と筋音図測定を同時に行うことはできないという課題を有していた。
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、筋音図測定用機構部と筋電図測定用機構部を適切に一体化させて、問題なく同じ一つの測定対象箇所に対する筋音図測定と筋電図測定を可能とし、測定対象箇所の筋活動情報を容易且つ正確に取得できると共に、測定系全体を簡略化でき、測定精度を保ちつつ測定システム全体のコストを抑えられる筋電・筋音測定用センサを提供することを目的とする。
本発明に係る筋電・筋音測定用センサは、測定対象への取付用部分を有する接触型の振動センサと、当該振動センサにおける測定対象への取付用部分に、所定の中間層を介して積層配置される略フィルム状の電位測定用電極とを備えるものである。
このように本発明によれば、振動センサと電位測定用電極を積層した構造とし、電位測定用電極側を生体の体表面に向けて固定状態で取付けると、体表面に接触する電位測定用電極を用いて電位の測定が行えることに加え、振動センサでこの取付箇所における振動の測定が行えることにより、電位測定用電極を用いた筋電図測定と振動センサでの筋音図測定が生体の同一位置において同時に行えることとなり、筋電図測定と筋音図測定による同一測定対象箇所における詳細な筋活動情報を確実に得られ、測定対象箇所における筋肉の活動状況を複数の観点から精度よく把握できる。
また、本発明に係る筋電・筋音測定用センサは必要に応じて、前記振動センサが、所定圧電材料を略フィルム状とした圧電材料部の両面に、略フィルム状の導体製電極をそれぞれ配設して形成される圧電型センサとされ、前記中間層が、前記振動センサにおける一方の電極側に重ねて配置される略フィルム状の絶縁体とされるものである。
このように本発明によれば、振動センサとして圧電材料部と電極との積層体からなる圧電型センサを用い、中間層と電位測定用電極を含めてセンサ全体を積層構造とすることにより、筋電図測定と筋音図測定を同一位置で同時に行える機能を確保しつつ、センサ全体の構造を簡略化でき、センサの低コスト化が図れると共に、センサ形状を容易に各測定に適した大きさ及び形状として構成でき、測定精度を向上させられる。
また、本発明に係る筋電・筋音測定用センサは必要に応じて、前記振動センサ、中間層、及び電位測定用電極が、可撓性を有するものである。
このように本発明によれば、センサをなす各部が可撓性を有する材質とされ、生体の体表面に沿って密着状態で取付けられることにより、測定対象箇所にセンサ全体を確実に密着させて固定することができ、体表面との十分な接触面積を確保して電位と振動の検出能を高め、測定精度をさらに向上させられると共に、人を測定対象とする場合に体表面にセンサを適合させることができ、測定対象者のセンサ取付に係る違和感を軽減できる。
また、本発明に係る筋電・筋音測定用センサは必要に応じて、前記振動センサにおける前記一方の電極が、信号グランドに接続されるものである。
このように本発明によれば、中間層に面する振動センサの一方の電極を信号グランドに接続し、生体の体表面に接する電位測定用電極を、グランドと同電位である一方の電極導体で覆った状態とすることにより、電位測定用電極が一方の電極面にシールドされた状態となり、振動センサ側や外部からの電位測定への悪影響を軽減して正確に筋電図測定が行えることとなる。
以下、本発明の一実施形態に係る筋電・筋音測定用センサを図1ないし図4に基づいて説明する。図1は本実施形態に係る筋電・筋音測定用センサの概略構成斜視図及びセンサ隅部拡大斜視図、図2は本実施形態に係る筋電・筋音測定用センサを用いた測定システムの構成説明図、図3は本実施形態に係る筋電・筋音測定用センサによる電位測定原理説明図、図4は本実施形態に係る筋電・筋音測定用センサによる振動測定原理説明図である。
前記各図において本実施形態に係る筋電・筋音測定用センサ1は、測定対象に一体に取付けられて振動を検出する接触型の振動センサ部10と、この振動センサ部10における測定対象への取付用部分に、所定の絶縁体からなる中間層14を介して積層配置される略フィルム状の電位測定用電極15とを備える構成である。
なお、このセンサ1と共に、このセンサ1に対し位置関係固定状態で体表面60の別の位置に取付けられ、信号グランドに接続される電位測定用の補助電極40と、センサ1の各電極及び補助電極40と信号線を介して接続され、センサ1からの出力を得て筋電図測定と筋音図測定を実行する計測装置50とが用いられて測定が行われる仕組みである。
前記振動センサ部10は、ポリビニリデンフロライド(PVDF)等の圧電材料を可撓性のあるフィルム状とした圧電材料部11の両面に、この圧電材料部11の可撓性を失わせない程度の薄い膜状とされる導体製電極12、13をそれぞれ配設して形成される圧電フィルムセンサとされる構成である。この振動センサ部10の取付用部分となる一方の電極12には、中間層14を介して電位測定用電極15が一体に取付けられる。前記一方の電極12は、信号グランドに接続され、他方の電極13に対し負電位側となる。そして、この電極12は、電位測定用の補助電極40を介して、グランドとしての生体の体表面60にも接続される(図2参照)。
前記中間層14は、可撓性を有する絶縁体製フィルムであり、前記振動センサ部10における一方の電極12側に重ねられて接着一体化され、振動センサ部10と電位測定用電極15とが相互に電気的な影響を及さないよう両者を隔離するものである。
前記電位測定用電極15は、可撓性を有する導体製フィルムであり、体表面への接触部分として中間層14に接着一体化される構成である。この電位測定用電極15は、前記補助電極40が信号グランドに接続されることで、正電位となっており、この電位測定用電極15に接する体表面部位を問題なく筋電測定における測定対象箇所とすることができる。
センサ1の測定原理は、生体の体表面60に電位測定用電極15を当接させ、生体に発生する微小電流の変化を電位測定用電極15により電位として検出する(図3参照)一方、筋収縮に伴う体表面60に発生する微細な振動を圧電フィルムの振動センサ部10により検出する(図5参照)ものとなっており、振動センサ部10と電位測定用電極15を積層させた構造とすることにより、振動センサ部10と電位測定用電極15が共に重なる生体の同一部位に対する電位と振動の同時測定を可能にしている。なお、センサ1については、矩形状とした例を図示しているが、この他、方形状や円形状、多角形状など、任意の形状としてかまわない。また、振動センサ部10と電位測定用電極15を同じ形状で且つ同じ大きさとしているが、これらをそれぞれ異ならせることもできる。
前記計測装置50は、前記振動センサ部10の各電極12、13、及び電位測定用電極15、並びに補助電極40とそれぞれ接続され、振動センサ部10に生じる電圧信号を入力されると共に、電位測定用電極15からの電位信号を入力され、必要に応じて各信号を処理に必要なレベルまで増幅したり、雑音成分を除去した上で、各信号の時間経過に伴う変化を記録したり、信号の変化を波形として表示したりするものであり、従来公知の筋電図測定や筋音図測定に用いられる装置と同様のものであり、詳細な説明を省略する。
次に、本実施の形態に係る筋電・筋音測定用センサを用いた測定について説明する。まず、生体の測定対象となる筋肉の体表面側部位(筋腹)となる体表面60所定位置に、一又は複数のセンサ1をその電位測定用電極15が体表面60に向くようにして取付ける。また、測定対象箇所から離れた別の体表面所定位置に、補助電極40を取付ける。そして、センサ1における振動センサ部10の各電極12、13、及び電位測定用電極15、並びに補助電極40にそれぞれ接続されている信号線を、計測装置50に接続し、振動センサ部10や電位測定用電極15で得られた信号出力を計測装置50に入力可能としておく。
各センサ1と計測装置50との接続が完了したら、計測装置50を起動し、各信号を受入れ可能な状態として測定を開始する。この状況で、生体における測定対象部位の筋肉が生体の所定動作に伴って動くと、この筋肉の動きに基づいた電位測定用電極15からの電位(筋電)、振動センサ部10からの振動(筋音)の各信号変化が計測装置50で測定データとして順次記録、あるいは表示されることとなる。
測定に際し、センサ1では、電位測定用電極15が振動センサ部10の一方の電極12に外側からカバーされ、この一方の電極12がグランドに接続されていることで、電位測定用電極15は電極12の外側から電気的にシールドされる状態となっており、電位測定用電極15に対する振動センサ部10側やセンサ外からの電気的な悪影響を完全に排除して筋電図測定の精度を高められる。
このように、本実施の形態に係る筋電・筋音測定用センサにおいては、圧電型の振動センサ部10と電位測定用電極15を積層した構造とし、電位測定用電極15側を生体の体表面60に向けて固定状態で取付けると、体表面60に接触する電位測定用電極15を用いて電位の測定が行えることに加え、振動センサ部10でこの取付箇所における振動の測定が行えることから、電位測定用電極15を用いた筋電図測定と振動センサ部10での筋音図測定が生体の同一位置において同時に行えることとなり、筋電図測定と筋音図測定による同一測定対象箇所における詳細な筋活動情報を確実に得られ、測定対象箇所における筋肉の活動状況を複数の観点から精度よく把握できる。また、センサ1をなす各部が可撓性を有する材質とされ、体表面60に沿って密着状態で取付けられることから、測定対象箇所にセンサ1全体を確実に密着させて固定することができ、体表面60との十分な接触面積を確保して電位と振動の検出能を高め、測定精度を向上させられる。
なお、前記実施形態に係る筋電・筋音測定用センサにおいては、センサ1を体表面60に一つ取付けて測定を行う場合への適用を示しているが、これに限らず、図5に示すように複数のセンサ2a、2b、2cをそれぞれ体表面60に取付けて、複数箇所に対する測定を行うようにすることもできる。また、こうした複数のセンサ2a、2b、2cを用いる場合は、隣合う二つのセンサ間に生じる電位差を測定できるように制御装置50の差動入力部に対し各信号線を結線する状態(差動接続)としてもよく、測定に係る誤差を小さくして測定精度を高められる。そして、このように複数のセンサと制御装置を差動接続状態とする場合、補助電極は必ずしも設ける必要はない(図5参照)。
また、前記実施形態に係る筋電・筋音測定用センサにおいては、振動センサ部10としていわゆる圧電フィルムを用いる構成としているが、これに限らず、圧電フィルム以外の構造の振動センサとして、筋音図測定に適した振動検出能を有する接触型の小型加速度センサを使用する構成とすることもできる。こうした一般的な加速度センサを用いる場合も、加速度センサの測定対象箇所への取付用部分に、絶縁体フィルム等の中間層を介して電位測定用電極を配設した構造とすればよく、前記実施形態同様に生体の同一部位に対する電位と振動の同時測定が行える。この加速度センサを用いる場合、中間層及び電位測定用電極は加速度センサの取付用部位より大きくても小さくてもよく、また、中間層及び電位測定用電極は前記実施形態同様に可撓性を有する材質とすることもでき、この場合、前記実施形態同様に体表面への密着性を高められ、体表面との十分な接触面積を確保して電位と振動の検出能を高め、筋電図及び筋音図測定の精度を確保できる。
また、前記実施形態に係る筋電・筋音測定用センサにおいては、各電極からの信号をそのまま信号線を介して計測装置50に入力し、信号に対する全ての処理を計測装置50で行う構成としているが、これに限らず、体表面に取付けられる大きさを維持できれば、振動センサ部や電位測定用電極と共に、プリアンプやA/D変換器、信号変換用の素子あるいは回路等を一体に実装し、USBやRS−232C等の一般的な規格に準拠した形式且つレベルの信号として送出すユニットとすることもでき、体表面のセンサから制御装置に至る間のノイズによる影響を低減できると共に、制御装置としてパソコンを用いることができ、測定系を簡便なシステムとすることができる。
本発明の筋電・筋音測定用センサを用いた筋電及び筋音同時測定を実施し、得られた結果に基づいてセンサ性能について評価した。なお、図6に、本実施例に係る筋電・筋音測定用センサを用いた測定状態の説明図を示す。
測定に用いるセンサ2a、2b、2cは、振動センサ部20をなす横8mm、縦23mm、厚さ0.2mmの圧電フィルム(KEP−110AS:株式会社クレハ製)の表面に、中間層24としての絶縁フィルムを介して、同形のステンレスフィルムを電位測定用電極25として貼付けた構造であり、センサ全体の厚さは0.35mmとなっている。なお、圧電フィルムは、ポリビニリデンフロライド(PVDF)のフィルムの両面に導体電極を付け分極したものである。このセンサ2を測定対象に接触させ、同一部位における電位と振動の測定、すなわち、体表面60に接するステンレスフィルムにより、生体に発生する微小電流の変化を電位として検出し、圧電フィルムにより、筋収縮に伴う体表面に発生する微細な振動を検出する測定を行うこととなる。
測定は、測定対象者(24歳男性、体重50kg)の左腕表面における上腕二頭筋の筋線維の方向へ三つのセンサ2a、2b、2cを並べて貼り付け、ステンレスフィルム間に生じる電位(EMG)と圧電フィルムに生じる電圧(MMG)を計測装置50で測定する手順で行った。この測定に係る信号処理として、EMG信号については、ゲイン10000のプリアンプ51で増幅すると共に、5Hz〜1kHzのバンドパスフィルタ52を通過させて雑音成分を除去する。また、MMG信号については、ゲイン100のプリアンプ53で増幅すると共に、1.5Hz〜300Hzのバンドパスフィルタ54を通過させて雑音成分を除去する。そして、各信号をディジタルストレージスコープ55に取込み、さらにGP−IBケーブルを介してパソコン56に取込んで測定処理を行った。なお、プリアンプ51、53の差動入力部に隣合うセンサの出力を接続するようにして、センサ間の電位差を測定するようにしている。
この本発明に係るセンサによる上腕二頭筋の同一部位における電位と振動の測定では、測定対象者の左腕を机の上に置いた状態から関節の角度を変えずにゆっくりと持ち上げ、静止させた時に生じる電位と振動を測定した。なお、測定対象者は事前に数回の動作練習を行い、実験を行った。また、センサ表面に導電性ペーストを塗布することで皮膚とセンサの接触状態を安定させた。
このようにセンサを筋線維方向に三つ配置し、それぞれの電極間電位(電圧)を測定して得られた電位と振動の波形を、それぞれ図7、図8に示す。Vabはセンサ2a、2b間に生じた電位差、Vcbは、センサ2c、2b間に生じた電位差をそれぞれ示す。波形図より、腕を持ち上げた実験開始後約2秒経過時点から、同様に電位及び振動の大きな変化が生じており、筋収縮時における電位及び振動を検出できたことがわかる。これにより、本発明のセンサを用いて同一部位における筋電図と筋音図の同時測定が可能であることがわかる。
さらに、体表面へのセンサ取付位置の違いに応じて、それぞれの電位と振動の波形に差異が見られることから、センサによる電位及び振動の測定により、筋活動のより詳細な検出の可能性を有していることがわかる。そして、使用するセンサの数を増やしていくと、筋肉全体の動きを把握可能となることが予想できる。
本発明の一実施形態に係る筋電・筋音測定用センサの概略構成斜視図及びセンサ隅部拡大斜視図である。 本発明の一実施形態に係る筋電・筋音測定用センサを用いた測定システムの構成説明図である。 本発明の一実施形態に係る筋電・筋音測定用センサによる電位測定原理説明図である。 本発明の一実施形態に係る筋電・筋音測定用センサによる振動測定原理説明図である。 本発明の他の実施形態に係る筋電・筋音測定用センサを用いた測定システムの構成説明図である。 本発明に係る実施例の筋電・筋音測定用センサを用いた測定状態の説明図である。 本発明に係る実施例の筋電・筋音測定用センサによる電位測定で得られた電圧変化の波形図である。 本発明に係る実施例の筋電・筋音測定用センサによる振動測定で得られた電圧変化の波形図である。
符号の説明
1、2a、2b、2c センサ
10、20 振動センサ部
11 圧電材料部
12、13 電極
14、24 中間層
15、25 電位測定用電極
40 補助電極
50 計測装置
51、53 プリアンプ
52、54 バンドパスフィルタ
55 ストレージスコープ
56 パソコン
60 体表面

Claims (4)

  1. 測定対象への取付用部分を有する接触型の振動センサと、
    当該振動センサにおける測定対象への取付用部分に、所定の中間層を介して積層配置される略フィルム状の電位測定用電極とを備えることを
    特徴とする筋電・筋音測定用センサ。
  2. 前記請求項1に記載の筋電・筋音測定用センサにおいて、
    前記振動センサが、所定圧電材料を略フィルム状とした圧電材料部の両面に、略フィルム状の導体製電極をそれぞれ配設して形成される圧電型センサとされ、
    前記中間層が、前記振動センサにおける一方の電極側に重ねて配置される略フィルム状の絶縁体とされることを
    特徴とする筋電・筋音測定用センサ。
  3. 前記請求項2に記載の筋電・筋音測定用センサにおいて、
    前記振動センサ、中間層、及び電位測定用電極が、可撓性を有することを
    特徴とする筋電・筋音測定用センサ。
  4. 前記請求項2又は3に記載の筋電・筋音測定用センサにおいて、
    前記振動センサにおける前記一方の電極が、信号グランドに接続されることを
    特徴とする筋電・筋音測定用センサ。
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