JP2008253297A - 医療用チューブ - Google Patents

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Yuzo Shomura
裕三 庄村
Makoto Marui
良 圓井
Masaya Kotaki
雅也 小滝
Asami Nakai
朝美 仲井
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MARUI SENI KIKAI KK
Kyoto Institute of Technology NUC
Kansai Medical University
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MARUI SENI KIKAI KK
Kyoto Institute of Technology NUC
Kansai Medical University
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Abstract

【課題】型くずれや、繊維がほどけるのを防止することができる医療用チューブ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の医療用チューブは、ナノファイバーにより構成される第1の筒体61と、第1の筒体61の外周面に巻回された補強用線材62と、ナノファイバーにより形成され、補強用線材62上に配置された第2の筒体63と、を備え、第1及び第2の筒体61,63のナノファイバーの少なくとも一部が、補強用線材62間の隙間を介して接着されており、第1の筒体61、第2の筒体63、及び補強用線材62により液不透過性の壁面を形成している。
【選択図】図2

Description

本発明は、中心循環系人工血管、非中心循環系人工血管、冠動脈用ステントグラフト、大動脈用ステントグラフト、血管用ステントグラフトなどとして用いられる医療用チューブに関する。
動脈瘤や糖尿病など様々な原因で発生する動脈硬化性病変は、重要な生活習慣病のひとつであり、その進行病期においては狭窄した血管を手術により人工血管に置換することが多い。このような人工血管としては、例えば、ポリエチレンテフタレートおよびポリエステル系弾性体からなる複合繊維を織、編、組処理などで管状に形成した人工血管がある(特許文献1)。
特開平5−161708号公報
しかしながら、上記のような人工血管は、弾性繊維を単に織、編、組処理などで管状に形成しただけであるので、型くずれがおきたり、繊維がほどけるおそれがある。なお、上述した問題は、人工血管において生じる問題だけではなく、例えば、繊維を編むなどして形成した冠動脈用ステントグラフト、大動脈用ステントグラフト、血管用ステントグラフト等でも生じる問題であり、さらには気管、気管支、消化管や胆管などの非血管系管腔臓器に用いられる医療用チューブ全般に起こりうる問題である。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、型くずれや、繊維がほどけるのを防止することができる医療用チューブ及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る医療用チューブは、上記問題を解決するためになされたものであり、ナノファイバーにより構成される第1の筒体と、前記第1の筒体の外周面に、当該外周面の一部が露出するように巻回された補強用線材と、ナノファイバーにより形成され、前記補強用線材上に配置された第2の筒体と、を備え、前記第2の筒体のナノファイバーは、前記補強用線材間から露出する第1の筒体のナノファイバーと接着されており、前記第1の筒体、第2の筒体、及び補強用線材により液不透過性の壁面を形成している。
この構成によれば、ナノファイバーで形成された第1の筒体の外周面に補強用線材を巻回しているため、第1の筒体の形態保持性を向上することができる。さらに、補強用線材の上にさらにナノファイバーで形成された第2の筒体を巻回するとともに、補強用線材間の隙間において、第1及び第2の筒体の少なくとも一部を接着しているため、両筒体が一体化するとともに、補強用線材が両筒体の間に確実に保持される。したがって、筒体のナノファイバーがほどけ、形態保持性が損なわれるのを確実に防止することができる。
また、補強用線材は、両筒体の外周面または内周面の全面を隙間なく巻回しているのではなく、隙間を形成しつつ巻回されており、また補強用線材を挟んで両筒体が接着されて一体化されているため、両筒体の柔軟性が妨げられることはない。
なお、本発明における液不透過性とは、厳密な液不透過性を指しているのではなく、例えば人工血管に要求されるような、ISO7198に準拠する液不透過性を示していればよい。
上記医療用チューブにおいては、筒状の芯部材をさらに設け、第1の筒体が、芯部材の外周に配置されるように構成することができる。これにより、チューブの剛性を向上することができる。芯部材としては、公知のステントなどを用いることができる。
また、次のような芯部材を用いることもできる。すなわち、芯部材を、螺旋構造を有する線材からなるコア材と、コア材の螺旋構造の一部を軸方向に連結し、コア材よりも曲げ剛性の低い連結材と、で構成することができる。
この芯部材を用いれば、次のような利点がある。すなわち、例えば、従来の金属ステントでは、外力による曲げ変形に対し、ステントを構成する金属線同士に衝突や引っ張りが生じるため、ステントの壁が内腔側へ突出するような変形を生じ、その結果、内腔面積が減少するいわゆるキンク現象が生ずる。これに対して、上記芯部材は、曲げ剛性の異なる二種の材料からなり、曲げ剛性の高いコア材のらせん構造の一部を、曲げ剛性の低い連結材が軸方向に連結しているため、曲げ変形に対しては、曲げ剛性の低い連結材が変形に追従しつつ変形、伸長する。したがって、曲げ剛性の高いコア材において、らせん構造の軸方向に隣接する線材同士が衝突したり、引っ張り合うのを防止できる。その結果、曲げ変形に対し、芯部材がスムーズに追従するため、内腔面積の減少を防止することができる。その一方で、コア材は、曲げ剛性の高い線材をらせん構造に形成しているため、径方向外方からの圧縮に対しては、高い弾性復元力を示すことができ、その結果、径方向の圧縮に対しても内腔断面積を確保することができる。
上述した第1及び第2の筒体は、種々の方法で形成することができるが、例えば、エレクトロスピニング法により形成することができる。これにより、柔軟性のある膜を形成することができ、緻密な膜を形成できることから、液不透過性の膜を形成するのにも適している。また、芯部材を用いた場合、曲げ変形時に芯部材の変形にスムーズに追従することができる。
このエレクトロスピニング法においては、所定のポリマー溶液及び溶媒の混合液によりナノファイバーを形成し、この溶媒によって第1及び第2のナノファイバーの少なくとも一部を接着することができる。
上記補強用線材としては、例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリエチレンテフタラート繊維、ポリエチレン繊維、ポリウレタン繊維、PLA繊維、PTFE繊維、PCL繊維、ポリアミド繊維、ザイロン繊維、またはアラミド繊維を用いることができる。また、第1の筒体への巻き付け方は、例えば、組物構造、編物構造、シングルカバーリング構造、ダブルカバーリング構造とすることができる。
また、芯部材と第1の筒体との密着性を向上するには、次のように構成することができる。つまり、第1の筒体のナノファイバー及び連結材をプラスチック繊維で形成し、これらの少なくとも一部を接着すればよい。すなわち、第1の筒体のナノファイバーと連結材とをプラスチック繊維で形成することで、接着しやすくする。接着の方法としては、種々の方法を挙げることができる。例えば、熱で圧着するほか、ナノファイバーをエレクトロスピニング法で形成する場合には、所定のポリマー溶液及び溶媒の混合液によりナノファイバーを形成し、この溶媒によって第1の筒体のナノファイバーと連結材の少なくとも一部を接着することができる。
本発明に係る第1の医療用チューブの製造方法は、上記問題を解決するためになされたものであり、筒状の芯部材を準備するステップと、前記芯部材の外周に、エレクトロスピニング法によってナノファイバーを巻回することで、第1の筒体を形成するステップと、前記第1の筒体の外周面に、当該外周面の一部が露出するように、補強用線材を巻回するステップと、前記補強用線材上に、エレクトロスピニング法によってナノファイバーを巻回し、前記補強用線材間から露出する第1の筒体と接着しつつ、第2の筒体を形成するステップと、を備え、前記第1の筒体、第2の筒体、及び補強用線材により液不透過性の壁面が形成されている。
ここで用いられる芯部材は、例えば、螺旋構造を有する線材からなるコア材と、前記コア材の螺旋構造の一部を軸方向に連結し、前記コア材よりも曲げ剛性の低い連結材と、で構成することができる。
また、本発明に係る第2の医療用チューブの製造方法は、上記問題を解決するためになされたものであり、筒状の型材を準備するステップと、前記型材の外周に、エレクトロスピニング法によってナノファイバーを巻回することで、第1の筒体を形成するステップと、前記第1の筒体の外周面に、当該外周面の一部が露出するように、補強用線材を巻回するステップと、前記補強用線材上に、エレクトロスピニング法によってナノファイバーを巻回し、前記補強用線材間から露出する第1の筒体と接着しつつ、第2の筒体を形成するステップと、を備え、前記型材を抜き取るステップと、を備え、前記第1の筒体、第2の筒体、及び補強用線材により液不透過性の壁面が形成されている。
上記芯部材をコア材と連結材で構成する場合、その材料としては、例えば、コア材をステンレス鋼、またはニッケルチタン(NiTi)合金のような金属材料で形成することができる。また、連結材は、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリエチレンテフタラート繊維、ポリエチレン繊維、ポリウレタン繊維、PLA繊維、PTFE繊維、PCL繊維、ポリアミド繊維、ザイロン繊維、またはアラミド繊維から選ばれる繊維材料によって形成することができる。このとき、連結材は、上記材料からなるマルチフィラメントで形成することが好ましい。以上のように、コア材として金属材料を用いるとともに、連結材としてプラスチック材料を用いることで、コア材と連結材との曲げ剛性の差が大きくなり、芯部材の曲げ変形に対する追従がよりスムーズになる。
なお、曲げ剛性に差を設けることができるのであれば、コア材及び連結材をともにプラスチック材料で形成することもできる。
本発明によれば、医療用チューブの型くずれや、繊維がほどけるのを防止することができる。
以下、本発明に係る医療用チューブの一実施形態について図面を参照しつつ詳述する。図1は本実施形態に係る医療用チューブの斜視図、図2は図1の断面図、図3は芯部材の斜視図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る医療用チューブは、従来のステントと同様の形態を有する芯部材1と、その外周面を覆う膜を構成する本体部60とを有している。そして、図3に示すように、芯部材1は、らせん構造を有する線材からなるコア材10と、このコア材10のらせん構造の一部を軸方向に連結するとともに、コア材10よりも曲げ剛性の低い連結材20とで構成されている。一方、本体部60は、3層構造になっており、ナノファイバーで形成される第1の筒体61と、その外周面に巻回される補強用線材62と、ナノファイバーで形成され、補強用線材62の外周に巻回される第2の筒体63とから構成される。以下、各部材について説明する。
(1) 芯部材
以下、本実施形態に係る芯部材を、添付図面を参照して更に詳細に説明する。まず、コア材及び連結材を構成する材料について説明した後、芯部材の形成方法について種々のバリエーションを説明する。
(1-1) コア材
コア材としては、従来より医療用ステントの構築に利用されることの知られている各種の金属線を使用することができる。その具体例としては、例えばステンレス鋼、タンタルム、プラチナもしくはプラチナ合金、金もしくは金合金、コバルト−クロム−ニッケル合金などのコバルトベース合金、ニッケルチタン合金などを挙げることができる。これらの中では、ステンレス鋼、ニッケルチタン合金などが好ましい。特に好ましいステンレス鋼としては、SUS304L,SUS304WPB、SUS716,SUS604PHなどを挙げることができる。これらの金属はその一種を単独で用いることもでき、また2種以上を併用することも可能である。
これらの金属線の太さは、作製する芯部材に要求される拡張力などに応じて適宜決定でき、特に制限されるものではない。通常金属線の種類、利用の形態、即ちこれを用いて作製する芯部材の大きさ、形状、これと交絡させる連結材の種類、使用比率などに応じて、適宜選択される。一般には、約20〜300μmの範囲から選ばれるのが普通である。
また、金属線以外でも種々の材料を用いることができる。すなわち、次に説明する連結材よりも曲げ剛性の高い線材であれば、金属線に限らず、高分子材料等も用いることができる。
(1-2) 連結材
連結材は、コア材よりも曲げ剛性の低い材料、特にマルチフィラメント形状が選択される。この連結材は、上述したように、コア材のらせん構造の一部を軸方向に連結するものであり、後述するように、コア材と同様にらせん構造を形成することもできるし、コア材において軸方向に隣接する線材を連結するように、直線状に形成することもできる。材質としては、コア材よりも曲げ剛性が低いことが条件となり、例えば、コア材を金属線で形成する場合には、これより曲げ剛性の低いプラスチック繊維で形成することができる。コア材と連結材との組み合わせの例としては、例えば、SUS +ポリエステル繊維、NiTi+ポリエステル繊維、SUS+ナイロン繊維、NiTi+ナイロン繊維、SUS+ポリエチレンテフタラート繊維、NiTi+ポリエチレンテフタラート繊維、SUS+ポリエチレン繊維、NiTi+ポリエチレン繊維、SUS+ポリウレタン繊維、NiTi+ポリウレタン繊維、SUS+PLA繊維、NiTi+PLA繊維、SUS+PTFE繊維、NiTi+PTFE繊維、SUS+PCL繊維、NiTi+PCL繊維、SUS+ポリアミド繊維、NiTi+ポリアミド繊維、SUS+ザイロン繊維、NiTi+ザイロン繊維、SUS+炭素繊維、NiTi+炭素繊維、SUS+アラミド繊維、NiTi+アラミド繊維を挙げることができる。ここでは、+の前がコア材で、+の後が連結材の材料を示している。また、連結材を構成する線材の太さは、コア材との関係で適宜決定でき、特に制限されるものではない。一般には、約20〜300μmの範囲から選ばれるのが普通である。
なお、本発明でいう曲げ剛性とは(曲げ剛性 EI = E(ヤング係数)x I(断面2次モーメント))で表される材料の特性値であり、コア材の曲げ剛性が連結材よりも高ければ、材料の選定は上記のものに限定されず、種々の選択が可能である。例えば、コア材の方が曲げ剛性が高ければ、コア材及び連結材をともにプラスチック繊維材料とすることができる。また、例えばコア材と連結材が同一材料、同一径であったとしても、モノフィラメントとマルチフィラメントのように異なる形態であれば曲げ剛性によってその差異を定量的に表現することが可能である。
(1-3) ニット編みステント
特に好ましい芯部材の一実施態様は、図3に示されている。この図に示された芯部材1は、連結材をスパイラル構造を有する線材で構成する。そして、ニット編み目を有するコア材10のスパイラル構造と、ニット編み目を有する連結材20のスパイラル構造とを、両ニット編み目によって段柄に(交互に)製編し、縮径可能な中空間構造を有するように、構成する。
図3に示される芯部材1の編成の態様は、図4(拡大図)に示されている。図4(a)によれば、コア材10と連結材20とのそれぞれは、ニードルループ11,11’とシンカーループ12,12’とからなる編み目を備えており、コア材10のシンカーループ11が、連結材20のシンカーループ11’に絡み合って編成されている。ここで、コア材10のニードルループ11のウェール方向高さ(H)に対するコース方向長さ(L)の比は、コア材10の塑性曲げ領域内の曲率が得られるものとするのが好ましい。また、シンカーループ12のコース長さ(L)を、ニードルループ11のコース方向長さ(L)よりも大とする(長くする)ことによって、シンカーループ11の長さの範囲において、コア材10が弾性変形域を保つことができ、かくして、芯部材1の管の外部方向に対する拡張力を保持することができる。
上記図4(a)に示す編成態様の芯部材1は、そのウェール方向、即ち軸長方向(管の長さ方向)に伸張力が加えられた場合、ニードルループ11の内側にシンカーループ12がその内側から引き込まれ、図4(b)に示されるように、ウェール方向に伸張し、これに伴ってコース方向に縮径する。即ち、図1に示す軸方向長さLを増し、直径Dを減じる。
芯部材1は、後述する膜部材が設けられた状態で、脈管の所望部位に挿入、留置することができる。挿入後は、その管の内側から外部方向向きに、例えばバルーンを膨らませるなどの操作によって、力を加えることにより拡径することができる。この拡径は、例えば、図4(b)に示す状態から図4(a)に示す状態(編成時)への復帰であり、シンカーループ12のニードルループ11両側への引き出しに相当する。この引き出しは、ニードルループ11,11’が絡み合うまで可能であり、この引き出し及び絡み合いによって、芯部材はその管の外部方向に対して強い拡張力を発揮する。特に、引き出されたシンカーループ12は図4(a)に示されるように隣接するニードルループ11,11’間にほぼ直線状に延びる形となり、これが上記拡張力の発現に大きく寄与するのである。
また、上記において、コア材の線径及び連結材の線径の組合せを変化させれば、得られる芯部材は、それ自体で自己拡張を達成することも可能である。即ち、芯部材は、これを構成するコア材と連結材との組合せを適宜変更することによって、セルフエクスパンダブルステントとしても、またバルーンエクスパンダブルステントとしても調製可能である利点がある。従って、芯部材を、カバー付きステントとして用いる場合には、これを適用すべき管腔臓器の特性に応じて、好ましい留置方法に適したステントとして、バルーン拡張式及び自己拡張式のいずれとしても有効に利用することができる。
上述した芯部材は、これを脈管に留置するために目的部位まで運ぶ際、種々の蛇行した脈管を通過させる場合があるが、このような運搬が容易である利点をも有している。即ち、ニット編みされた芯部材は、構成素材の組成、線径、組合せなどを変更することによって、その拡張力、収縮力、さらには外力に対する寸法復元力などを容易に調整できる利点がある。またこれらの調整によって、かなりの程度で任意に蛇行させ得るものとすることができると共に、脈管の屈曲部にも挿着、留置可能なものとすることができる自由度を有している。屈曲に対しては、後に詳述する。
(1-4) ジグザグ状ステント
図5は、芯部材の他の一実施態様を示している。
この図に示されたステントは、図3に示されるニット編みステントにおける編み目を有する金属線の代わりに、相当する編み目(ループ)を有するジグザグ状のコア材10を利用して、スパイラル構造を形成させ、このスパイラル構造の編み目を、連結材20にて編み込んだ形態を有している。
上記スパイラルの軸方向に対する間隔は、用いるコア材の種類、所望の拡張力、留置される芯部材の長さなどに応じて、適宜決定でき、特に制限されるものではないが、通常0.05〜0.5mm程度の範囲内から選ぶのが普通である。スパイラルの軸方向に対する角度(ピッチ)も、任意に選択できるが、一般には60°以上、90°未満の範囲から選択され得る。ジグザグ状に折り曲げられたコア材10の直線部分の長さは、このコア材の線径、所望の拡張力、芯部材の管径などに応じて適宜選択できる。例えば比較的径の大きい血管、または非血管用に用いられる場合、通常0.2〜10mm程度の範囲から選択することができる。また、隣り合う直線部分のなす角度(θ)は、約10〜110°の範囲から適宜選択することができる。この芯部材は、自己拡張により拡経し拡張力を得るものである。
(1-5) 芯部材の製造
芯部材は、従来より繊維製品分野(織物、編物、組物分野)で知られている各種の技術に従って、製造することができる。
その製造の具体例を図3に示す芯部材を例に挙げて詳述すると、この芯部材は、例えばパンティストッキングなどの製造のために広く利用されている円形編機(筒編機)を使用して編成することができる。この円筒編機は、縦軸周りに回転するシリンダと、このシリンダの周上で回転に応じて各別に上下動する複数の編み針とを備えている。この編機による編成の基本は次の通りである。即ち、上記シリンダの周上にコア材10を供給すると、上動する編み針がこれを捉え、下動してシンカーラインの下方に引き込む。シリンダ周上に並ぶ各針の上下動により、引き込み部に形成されるニードルループ11が、シンカーライン上のシンカーループ12の両側において図4(a)に示すよう絡み合ってニット編み目を編成する。
通常の筒編機は給糸口が1口であるが、芯部材の製造には、この給糸口を2口又はそれ以上設けた複合編機を利用する。この編機のそれぞれの給糸口に対応してカム山を設けることにより、同時に2段又はそれ以上の編み目を形成するものとする。すなわち、例えば給糸口を2口設ける場合は、その一方の給糸口からコア材10を供給し、もう一方の給糸口から連結材20を供給しながら編機を駆動させる。これによって、コア材10と連結材20とを段柄に(交互に)製編させ得る。
上記において、それぞれの給糸口に対応する双方の上カムを一体ものではなく、分割構造とすることにより、コア材10と連結材20との編み目の大きさを異ならせることができる。また、編み機のシリンダの中に所望の内径と同寸法の丸棒を挿入し、これに編み地を巻き付けるようにして編むことにより、所望の径を得ることが可能である。
一般に小径筒編機では編針が作動するシリンダは固定されており、針を上下させるカムと給糸口を有するハウジングがシリンダの周りを回転し、糸を供給しながら針の上下運動をさせる構造となっている。したがって、給糸口が一口の編機の場合、製編する糸は編機とは別の場所に設置し、編機の真上方向より給糸口へ糸を供給するが、芯部材の製造のための複合編機では、給糸口を2口又はそれ以上とするため、上記と同様に編機の真上方向から糸を供給すると、給糸口に到る前に各糸が絡み合って編めなくなる。したがって、この複合編機では、それぞれの糸を給糸口と同期させて回転させるのが望ましく、これによって、上記欠点を回避できる。
さらに、コア材10及び連結材20は、通常そのもの自体には撚りがないが、このような糸を、垂直に立てたボビンから上下方向に繰り出す(解除する)と、撚りが発生する。このような撚りは、製編後の編み地に捻れを生じる不利がある。この撚りの発生を防ぐため、本発明に利用する複合編機では、各糸を巻いたボビンを水平に設置して、その回転に応じて巻かれた糸を解除する(引っ張る)ことによって供給するのが望ましい。
他の実施態様に係る芯部材も、上記と同様にして、従来より繊維製品分野で知られている各種の編物技術、組み物技術、織物技術に従って、製造することができる。
(1-6) 芯部材のその他の態様
上記のような編機によって製編する以外にも種々の形態の芯部材を形成することができる。例えば、図6に示すように、スパイラル構造のコア材10において、軸方向に隣接するコア材10の線材同士を直線状の連結材20によって連結することもできる。このような構成によっても、後述するように、曲げ変形が生じた場合に、剛性の低い連結材がコア材によりも伸縮するので、キンク現象を防止することができる。
(2) 本体部
上述したように、本体部60は、伸縮性のある繊維材料を芯部材の外周面に巻回して膜としたものであり、上記のように3層構造である。まず、芯部材1の外周面に、第1の筒体61を形成し、その外周面に補強用線材62を巻回する。最後に、第1の筒体61と同様の方法で、補強用線材62の外面に第2の筒体63を形成する。そして、最内層及び最外層を構成する筒体61,63は、ナノファイバーによって形成されている。繊維材料となるナノファイバーは、全体として周方向に配向性を有するように芯部材1に巻回されている。但し、ここでいう配向性とは厳密なものではなく、周方向から±45°の範囲で芯部材1に巻回されていればよい。そして、本体部60の膜厚は、両筒体61,63と補強用線材62とを合わせて、例えば40〜200μmとすることが好ましい。以上のような構成により、本体部60の壁面は、液不透過性を有するとともに、後述するように、芯部材1に曲げ変形が生じたときに、それに柔軟に追従するような柔軟性を有する。なお、ここでいう、液不透過性とは、液体の漏水を完全に防止するような厳密なものを指しているのではなく、例えば人工血管に要求されるISO7198に準拠する液不透過性を示していればよい。
(2-1) 第1の筒体
第1の筒体61の形成方法としては、例えば、繊維材料を芯部材1外周面の周方向に巻回しつつ、軸方向に順次移動して巻回するように形成する方法があり、例えばエレクトロスピニング法で形成することができる。
エレクトロスピニング法としては、公知のものを用いることができるが、例えば図7に示す装置を用いて本体部を形成することができる。同図に示すように、この装置は、水平方向に延び、軸周りに回転自在に支持された円筒部材51を備えている。そして、この円筒部材51の上方にはナノファイバーを供給する給糸口52が設けられている。この給糸口52は、円筒部材51の軸方向に沿って水平に移動可能に構成されている。また、この給糸口52にはポリマー溶液及び溶媒が供給されるとともに、高電圧が印加されるようになっている。一方、円筒部材51は接地されている。
このように構成された装置で本体部60を形成するには、まず、ポリマー溶液に高電圧を印加することで、溶媒を蒸発させつつ給糸口52から下方の芯部材Tに向けて極細化された繊維を吹き付ける。このとき、円筒部材51を軸周りに回転させると、芯部材1の外周面に沿って繊維が巻回されていく。これと同時に給糸口52を水平方向に移動させると、芯部材1の軸周りに繊維が巻回されていき、最終的に芯部材1の外周面全体に極細繊維が巻回され、本体部が形成される。このときの繊維径は、例えば、10nm〜10μm程度にすることが好ましい。エレクトロスピニング法においては、円筒部材51と給糸口52との距離、円筒部材51の回転速度、及び給糸口52の水平方向の移動速度を適宜変更することで、所望の筒体を形成することができ、膜厚などを調整することができる。また、ポリマー溶液の濃度を調整することにより、極細繊維の直径を制御することができる。例えば、ポリマー溶液の濃度を低くすると、径の細い繊維を形成することができる。
ここで用いられる繊維材料としては、エレクトロスピニング法で一般的に用いられる材料を挙げることができ、例えば、ナイロン6,6(PA-6,6)、ポリウレタン(PU)、(PC)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、ポリカーボネート(PC)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリエチレン-co-ビニルアセテ−トポリベンゼン(PEVA)、PEVA/PLA、ポリメタクリル酸(PMMA)/テトラヒドロパーフルオロアクリル酸オクチル(TAN)、ポリエチレンオキシド(PEO)、コラーゲン-PEO、ポリアニリン(PANI)/ポリエチレンオキシド(PEO)ブレンド、ポリアニリン(PANI)/ポリスチレン、Silk like polymer with fibronectin functionality、ポリビニルカルバゾール、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアクリル酸-ポリピレンメタノール(PAA-PM)、ポリスチレン(PS)、ポリメタクリル酸(PMMA)、ポリアミド(PA)、ポリビニルフェノール(PVP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、セルロースアセテート(CA)、PAA-PMとポリウレタンの混合、ポリビニルアルコール(PVA)/シリカ、ポリアクリルアミド(PAAm)、PLGA、コラーゲン、ポリカプロラクトン(PCL)、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル(HEMA)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレンイミド(PEI)、ポリエチレングリコール(PEG)、ナイロン-4,6(PA-4,6)、ポリフェロセニルジメチルシラン(PFDMS)、ナイロン6(PA-6)/モンモリロナイト(Mt)、ポリエチレンコビニールアルコール、ポリアクリロニトリル(PAN)/TiO2、ポリカプロラクトン(PCL)/メタル、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリメタフェニレンイソフタルアミド等を挙げることができる。なお、用いられる溶媒は、上述した繊維材料に適合する公知のものを用いることができる。
エレクトロスピニング条件としては、印加電圧が1kV〜30 kVが好ましい。また、ノズルと芯部材間の距離は、遠すぎると接着しない一方、近すぎると接着するが、ファイバーのモルフォロジーが維持できず、フィルム状になる。このような観点から、この距離は5cm〜20cmであることが好ましい。
以上の説明では、エレクトロスピニング法によって本体部を形成する方法を説明したが、本発明の本体部は、これ以外の方法でも、繊維材料を芯部材の外周面に巻回することで、液不透過性の膜が形成できるのであれば、特には限定されない。
(2-2) 補強用線材
補強用線材62は、第1の筒体61の外周面に巻回される。巻回の方法は、種々の方法があるが、第1の筒体61の外周面全面に隙間なく巻き付けるのではなく、ある程度、隙間が形成され、第1の筒体61の一部が露出するように巻回する。このとき、第1の筒体61の外周面の10〜50%が露出することが好ましい。そのような巻回方法として、例えば、組物構造、編物構造、シングルカバーリング構造、ダブルカバーリング構造(ピッチも含めて)等がある。また、補強用線材62の径は、例えば、20〜100μmとすることができる。
補強用線材62の材料は、例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリエチレンテフタラート繊維、ポリエチレン繊維、ポリウレタン繊維、PLA繊維、PTFE繊維、PCL繊維、ポリアミド繊維、ザイロン繊維、またはアラミド繊維を用いることができる。
(2-3) 第2の筒体
第2の筒体63は、第1の筒体61と同様にエレクトロスピニング法を用いることができる。上記のように第1の筒体61の外周面に補強用線材62を巻回した後、その外面に第2の筒体63を形成する。詳細は、第1の筒体61と同様であるが、第1の筒体61は、補強用線材62の間から露出しているため、補強用線材62の外面に第2の筒体63を形成すると、この露出部分において両筒体61,63が接着される。より詳細には、エレクトロスピニング法を用いると、上述したように、ポリマー溶液と溶媒とが吹き付けられるが、このとき吹き付けられる溶媒が補強用線材62から露出する第1の筒体61を溶かし、これによって第2の筒体63は、第1の筒体61と接着しながら、補強用線材62の外面に形成されていく。
このとき、両筒体61,63のナノファイバーの接着性を向上するには、いずれかもしくは両方で良溶媒を用いる必要がある。良溶媒の例として、図8には、PMMA,PC,PLLA,PU,ナイロン6/66、PETで用いる良溶媒を示している。但し、貧溶媒であっても、いずれかのナノファイバーを溶解させることができるのであれば、適用可能である。また、また、エレクトロスピニング条件は、上述した第1の筒体61と同様である。以上の工程を経て、第2の筒体63が形成されると、医療用チューブが完成する。
(3) 本発明の医療用チューブの適用
本発明の医療用チューブは、中心循環系人工血管、非中心循環系人工血管などのほか、冠動脈用ステントグラフト、大動脈用ステントグラフト、血管用ステントグラフトなどとして用いることができる。ステントグラフトとしては、これらの血管に配置されるステントのほか、気管、気管支、消化管、胆管などの非血管に配置するものとして用いることができる。
上記実施形態によれば、ナノファイバーで形成された第1の筒体61の外周面に補強用線材62を巻回しているため、第1の筒体61の形態保持性を向上することができる。このとき、補強用線材62の締め付けにより、第1の筒体61を芯部材1に強固に接着することができる。さらに、補強用線材62の上にナノファイバーで形成された第2の筒体63をさらに巻回するとともに、補強用線材62間の隙間において、第1及び第2の筒体61,63の少なくとも一部を溶媒によって接着しているため、両筒体61,63が一体化するとともに、補強用線材62が両筒体61,63の間に確実に保持される。
また、上記のような芯部材1を用いているので、次のような利点がある。すなわち、例えば、従来の金属ステントでは、外力による曲げ変形に対し、ステントを構成する金属線同士に衝突や引っ張りが生じるため、ステントの壁が内項側へ突出するような変形を生じ、その結果、内項面積が減少するいわゆるキンク現象が生ずる。これに対して、本発明に係る医療用チューブでは、上記のように曲げ剛性の異なる二種の材料からなり、剛性の高いコア材10のらせん構造の一部を、曲げ剛性の低い連結材20が軸方向に連結しているため、曲げ変形に対しては、曲げ剛性の低い連結材20が変形に追従しつつ変形、伸長する。したがって、曲げ剛性の高いコア材10において、らせん構造の軸方向に隣接する線材同士が衝突したり、引っ張り合うのを防止できる。その結果、曲げ変形に対し、芯部材1がスムーズに追従するため、内腔面積の減少を防止することができる。以上より、本発明のチューブを例えば人工血管として用いる場合には、生体内を屈曲して走行する血管に十分にフィットし、血管組織に対して不要な圧迫が与えられるのを防止することができる。
その一方で、コア材10は、曲げ剛性の高い線材をらせん構造に形成しているため、径方向外方からの圧縮に対しては、高い弾性復元力を示すことができ、その結果、径方向の圧縮に対しても内腔断面積を確保することができる。また、上記のように構成された芯部材1の周方向に繊維を配向させて形成した本体部60と組合せると、曲げ変形に対して柔軟性と屈曲した形状への追従性を損ねることなく気密性と漏水性、耐圧性を有した円筒構造体を作成することが出来る。これは生体内で周囲臓器から圧迫を受ける、あるいは屈曲した部位を走行する血管の病変に用いる人工血管として最適な構造特性を有している。なお、本発明のチューブを生体に留置し拡張させた時の長さは、人工血管として通常用いる長さ、或いはカバー付きステントとして通常用いる長さにすることができ、約20mm〜200mm程度が一般的である。
また、芯部材1を用いず、本体部60のみで医療用チューブを構成することもできる。このような医療用チューブであっても、ナノファイバー等がほどけることなく形態保持性は維持される。製造方法としては、例えば、外周面に離型剤を塗布した円筒状の型材を準備し、この型材の外周面に、本体部60を形成する。その後、型材を引き抜けば、本体部60のみの医療用チューブが完成する。
以下、本発明の実施例について説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例
コア材としてSUS (SUS304WPB、鈴木金属工業株式会社製、直径0.14mm)を用い、また連結材としてポリエステルウーリー (東洋紡績株式会社製、167D/48f)を用いて、これらを図3に示すように交互に交絡させてなる芯部材を作製した。なお、径は20mm、長さは60mmであった。
この芯部材の製編には、上記(1-5)項に記載した2口の給糸口、各給糸口に対応するカム山及び各給糸口と同期させて回転する水平に設置されたボビンとを備えた複合編機を利用して、一方の給糸口からコア材10を供給し、もう一方の給糸口から連結材20を供給しながら編機を駆動させることによって、コア材10と連結材20とを段柄に(交互に)製編させてなる芯部材を作製した。
続いて、エレクトロスピニング法により上記芯部材の表面に第1の筒体を形成した。ここでは、ポリカプロラクトン(PCL)を繊維材料として用いた。また、成膜の条件として、PCL濃度:10wt%、溶媒:クロロホルム/メタノール混合溶液、印加電圧:15kV、紡糸距離:15cm、円筒部材の回転速度:900rpm、給糸口の水平移動速度1mm/minとした。
次に、第1の筒体の表面に補強用線材を巻回した。ここでは、ポリエステルウーリー(東洋紡績株式会社製、167D/48f)繊維を用い、組角60度の24本丸打ち組物構造で巻回した。これに続いて、補強用線材の上に、第2の筒体を上記第1の筒体と同条件で形成した。こうして本実施例に係る医療用チューブを作製した。
比較例1
医療用ステントであるUltraflex Stent (Boston Scientific 社)を準備した。このステントは、NiTi合金からなる1本の線材を図1のように製編したものである。
比較例2
ゼラチン仕様中心循環系人工血管(株式会社ウベ循研製 ユービーシールドグラフト(WYGタイプ))を準備した。
耐キンク試験
上述した実施例、比較例1及び2に対し、曲げ変形を加え、キンク現象の発生程度を肉眼的に比較した。各試料について得られた結果を図9に示す。ここでは、図9(a)は実施例、図9(b)は比較例1、図9(c)は比較例2を示している。これらの図から明らかなように、実施例のチューブは、比較例1に示す構造の金属ステントと比較して約180度の曲げ変形に対しても曲げの中央部の内腔面積は保持され、キンク現象を起こしにくいことが判明した。同様に、織物によって形成した人工血管(比較例2)もキンク現象が生じており、曲げ剛性の低い線材だけを用いてもキンク現象が生じることが明確になった。そして、本発明のように曲げ剛性の異なる材料を組み合わせることで、キンク現象を防止できることが明らかになった。
本発明の一実施形態に係る医療用チューブの斜視図である。 図1の断面図である。 芯部材の一実施態様を示す概略図である。 図1に示す芯部材におけるコア材と連結材の編成態様を示す拡大図である。 芯部材の他の一実施態様を示す概略図である。 芯部材の他の一実施態様を示す概略図である。 エレクトロスピニング法に用いる装置の一例を示す概略構成図である。 本発明で使用可能な良触媒の例を示す表である。 実施例、比較例1,2の試料を用いた耐キンク試験の結果を示す図である。
符号の説明
1 芯部材
10 金属線
20 連結材
61 第1の筒体
62 補強用線材
63 第2の筒体

Claims (7)

  1. ナノファイバーにより構成される第1の筒体と、
    前記第1の筒体の外周面に、当該外周面の一部が露出するように巻回された補強用線材と、
    ナノファイバーにより形成され、前記補強用線材上に配置された第2の筒体と、を備え、
    前記第2の筒体のナノファイバーは、前記補強用線材間から露出する第1の筒体のナノファイバーと接着されており、
    前記第1の筒体、第2の筒体、及び補強用線材により液不透過性の壁面を形成している、医療用チューブ。
  2. 筒状の芯部材をさらに備えており、
    前記第1の筒体は、前記芯部材の外周に配置されている、請求項1に記載の医療用チューブ。
  3. 前記芯部材は、
    螺旋構造を有する線材からなるコア材と、
    前記コア材の螺旋構造の一部を軸方向に連結し、前記コア材よりも曲げ剛性の低い連結材と、
    を備えている請求項2に記載の医療用チューブ。
  4. 前記第1及び第2の筒体は、エレクトロスピニング法により形成される、請求項1から3のいずれかに記載の医療用チューブ。
  5. 前記エレクトロスピニング法においては、所定のポリマー溶液及び溶媒の混合液によりナノファイバーを形成し、前記溶媒によって前記第1及び第2の筒体のナノファイバーの少なくとも一部が接着されている、請求項4に記載の医療用チューブ。
  6. 前記第1の筒体のナノファイバー及び連結材がプラスチック繊維で形成され、これらの少なくとも一部が接着されている、請求項1から5のいずれかに記載の医療用チューブ。
  7. 前記第1及び第2の筒体は、エレクトロスピニング法により形成され、
    前記エレクトロスピニング法においては、所定のポリマー溶液及び溶媒の混合液によりナノファイバーを形成し、前記溶媒によって前記第1の筒体のナノファイバーと前記連結材の少なくとも一部が接着されている、請求項6に記載の医療用チューブ。
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