JP2008253184A - ハード容器入り培土 - Google Patents
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Abstract
【課題】保管、搬送、取扱性に優れた容器入り培土を提供する。
【解決手段】内容物を含まない状態で形状を保つことが可能なハード容器に充填された培土であって、注入法による安息角(JIS R1600)が25°以上であって45°以下である。好適には、水分量が20重量%以下であり、培土の粒度が5mm以下である。ハード容器に収納されているので、搬送時などに扱いやすく、破損もない。またハード容器から目詰まりすることなく、容易に取り出すことができ、取り扱い性に優れている。
【選択図】なし
【解決手段】内容物を含まない状態で形状を保つことが可能なハード容器に充填された培土であって、注入法による安息角(JIS R1600)が25°以上であって45°以下である。好適には、水分量が20重量%以下であり、培土の粒度が5mm以下である。ハード容器に収納されているので、搬送時などに扱いやすく、破損もない。またハード容器から目詰まりすることなく、容易に取り出すことができ、取り扱い性に優れている。
【選択図】なし
Description
本発明は、ペットボトル、紙パック等のハード容器(剛性または準剛性の容器)に充填された培土に関する。
育苗容器への土詰め作業において、育苗容器の底穴より培土がこぼれ落ちないように、培土はある程度流動性が低いことが要求されている。このため、保管や輸送など流通過程における培土の包装は、取出しが容易なビニール袋が一般的に用いられている。流動性の低い培土は、瓶や紙パックのようなハード容器に充填した場合、目詰まりや容器内でブリッジしてしまい取り出すことが困難になるからである。取り出すことを予定していない場合、例えば、培土を入れた容器をそのまま育苗容器として使用するような用途においては、培土を育苗容器であるハード容器に充填したものが提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2005−270052号公報
上述したように、ハード容器は充填した培土を取り出すことなく育苗容器とする場合には問題はないが、培土の取出しには不向きであるため、ビニール袋等の包装に頼らざるを得ない。しかしビニール袋は、輸送中に荷崩れや破損することもしばしばある。
一方、近年、播種機導入の増加に伴い、土詰め部のタンクで培土が詰まらないように、或る程度流動性を持たせた培土が要求されている。
一方、近年、播種機導入の増加に伴い、土詰め部のタンクで培土が詰まらないように、或る程度流動性を持たせた培土が要求されている。
上記課題を解決する本発明の培土は、注入法による安息角(JIS R1600)が10°以上であって45°以下であることを特徴とし、好適には、水分量が20重量%以下であり、培土の粒度が5mm以下である。
またハード容器入り培土は、上述した培土をハード容器に充填したものである。本発明においてハード容器とは、内容物を含まない状態で形状を保つことが可能な剛性または準剛性の容器を意味し、具体的には、ペットボトル、紙パック、ポリタンク、一斗缶、ガロン瓶などが挙げられる。
本発明によれば、安息角が特定の範囲にあり、ハード容器への充填、取り出しに適した培土が提供される。これにより、輸送や保存中の取扱が極めて容易で、破損等のおそれのないハード容器入り培土が提供される。
以下、本発明の培土について詳細に説明する。
本発明の培土は、安息角(JIS R1600)が25°以上、45°以下であれば、資材の種類は問わず、有機資材、砂、粘土鉱物、樹脂など一般に農業や園芸に使用されているものであれば使用できる。具体的には、ピートモス、ココダスト、樹皮、草炭、草木の粉砕物などの有機資材、ゼオライト、ベントナイト、カオリナイト、火山灰土、赤玉土、鹿沼土、汚泥等の粘土鉱物やそれらの解砕物或いは造粒物の1種又は2種以上を適宜混合したものが挙げられる。これらの形状も特に限定されないが、流動性を高めるために、成型、造粒してもよい。
本発明の培土は、安息角(JIS R1600)が25°以上、45°以下であれば、資材の種類は問わず、有機資材、砂、粘土鉱物、樹脂など一般に農業や園芸に使用されているものであれば使用できる。具体的には、ピートモス、ココダスト、樹皮、草炭、草木の粉砕物などの有機資材、ゼオライト、ベントナイト、カオリナイト、火山灰土、赤玉土、鹿沼土、汚泥等の粘土鉱物やそれらの解砕物或いは造粒物の1種又は2種以上を適宜混合したものが挙げられる。これらの形状も特に限定されないが、流動性を高めるために、成型、造粒してもよい。
樹脂としては、具体的には、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリルアミド、アクリル酸樹脂及びデンプンなどが挙げられる。樹脂は、培土の撥水性や吸水性を調整するためや、成型・造粒時のバインダーとして添加される。さらに必要に応じて、肥料等を含んでいてもよい。
安息角は、図1に示すように、粉体層を形成させたときの、斜面と水平面とのなす角θであり、粉体の流動性の指標である。本発明の培土は、安息角が45°以下であることにより、通常の充填機を用いたハード容器への充填を容易に行なうことができ、また本体の内径よりも開口径の小さいハード容器から目詰まりやブリッジと呼ばれる容器出口付近で固まる現象等を起こすことなく容易に取り出すことができる。
一方、安息角が25°未満では、培土の粒径が小さくなり、透水性が低下する。
一方、安息角が25°未満では、培土の粒径が小さくなり、透水性が低下する。
安息角は、培土を構成する資材の種類、水分量、粒度によって異なる。従って資材の組み合わせに応じて、水分量と粒度を調整することにより、培土の安息角を上述した範囲にすることができる。
具体的には、水分量は20重量%以下であることが好ましい。水分量が20重量%を超えると、保管中にカビが発生し、培土の品質が劣化するのみならず、カビの菌糸によって培土の流動性が低下し、安息角が変化する(高くなる)。培土の品質および安息角を安定して保つためには、水分量は好ましくは15%重量以下、より好ましくは10重量%以下とする。
具体的には、水分量は20重量%以下であることが好ましい。水分量が20重量%を超えると、保管中にカビが発生し、培土の品質が劣化するのみならず、カビの菌糸によって培土の流動性が低下し、安息角が変化する(高くなる)。培土の品質および安息角を安定して保つためには、水分量は好ましくは15%重量以下、より好ましくは10重量%以下とする。
水分量を20重量%以下とするためには、培土を構成する有機資材、粘土鉱物及びバインダーなどを適切な配合量で配合した後、水を加えて混合し、その後、150℃以下の温度で加熱しながら水分量20重量%以下となるように乾燥する。このような乾燥工程を経ることにより、資材中に含まれる雑菌の繁殖を抑制し、微生物活動による変質を防止することができる。
また粒度は、5mm以下であることが好ましい。ただし、安息角が上述した範囲に保つことができるものであれば、粒度の異なる培土(粒状培土、粉状培土、造粒培土等)を適宜組み合わせたものであってもよい。
本発明の培土は、水分量、粒度等を調整することによって45°以下の安息角を有するので、ハード容器への充填を容易に行なうことができ、またハード容器からの取り出し時に目詰まりやブリッジを起こすことなく容易に取り出すことができる。ハード容器としては、剛性または準剛性の容器であれば、大きさ、形状ともに特に限定されず、ペットボトル、紙パック、ポリタンク、一斗缶、ガロン瓶など一般に粉体や液体用の容器として用いられているものを使用することができる。ただしハード容器の口の大きさは、直径5mm以上であることが好ましい。
このような本発明のハード容器入り培土は、袋入りものに比べ、搬送中に荷崩れや破損を起こすことなく、取扱が容易である。また培土を鉢に入れる際に、ハード容器の口から直接入れることができるため、スコップなどを必要としない。従って、一般家庭のガーデニング用として好適である。
以下、本発明の培土の実施例を説明する。なお以下の実施例において、特に断らない限り「%」は「重量%」を意味する。
<実施例1>
ピートモス(商品名:サニーグロウ)、ココナッツダスト(商品名:ココナッツ・ハスクダスト、フィリピン製)、ゼオライト(粒度1mm以下)、肥料及び水を下記の割合で配合、混合した後、肥料および水を加え、約105℃で水分量15重量%となるまで乾燥した。乾燥後の混合資材を造粒し、粒度5mm以下の培土を得た。
ピートモス 45%
ココナッツダスト 45%
ゼオライト 10%
ピートモス(商品名:サニーグロウ)、ココナッツダスト(商品名:ココナッツ・ハスクダスト、フィリピン製)、ゼオライト(粒度1mm以下)、肥料及び水を下記の割合で配合、混合した後、肥料および水を加え、約105℃で水分量15重量%となるまで乾燥した。乾燥後の混合資材を造粒し、粒度5mm以下の培土を得た。
ピートモス 45%
ココナッツダスト 45%
ゼオライト 10%
<実施例2>
ゼオライト(粒径1〜3mm)に肥料及び水を加え、混合し、粒度5mm以下の培土を得た。
ゼオライト(粒径1〜3mm)に肥料及び水を加え、混合し、粒度5mm以下の培土を得た。
<比較例>
ピートモス(商品名:サニーグロウ)、バーミキュライトとパーライトの混合物、ゼオライト(粒度1mm以下)を下記の割合で配合し、それに対し、水分量が50%となるように肥料及び水を加え混合し、粒度5mm以下の培土を得た。
ピートモス 60%
バーミキュライトと
パーライトの混合物 20%
ゼオライト 20%
ピートモス(商品名:サニーグロウ)、バーミキュライトとパーライトの混合物、ゼオライト(粒度1mm以下)を下記の割合で配合し、それに対し、水分量が50%となるように肥料及び水を加え混合し、粒度5mm以下の培土を得た。
ピートモス 60%
バーミキュライトと
パーライトの混合物 20%
ゼオライト 20%
実施例1、2および比較例で得た培土について、安定角、崩壊角および流出率を測定した。安息角は注入法により測定した。すなわちこの培土をロートから水平面上に落下させて、形成された培土の山の斜面と水平面とのなす角(安息角)を測定した。崩壊角は、上述のように形成された培土の山に振動を与えて崩した後の山の傾斜と水平面とのなす角を測定した。また流出口の径20mm、傾斜50°の容器に一定量の培土を充填した後、この流出口から培土が抜け落ちた量を測定し、下記の式により流出率を算出した。
流出率(%)={[流出量]÷[容器に入れた量]}×100
結果を表1に示す。
流出率(%)={[流出量]÷[容器に入れた量]}×100
結果を表1に示す。
表1に示す結果からもわかるように、安息角が45°以下である実施例の培土は、容器から取り出すときに目詰まりやブリッジを起こすことなく、充填した全ての培土を取り出すことができた。これに対し、水分量が多く、安息角の大きい比較例の培土は、ブリッジを起こし、約四分の1の培土しか取り出すことができなかった。
Claims (5)
- 注入法による安息角(JIS R1600)が25°以上であって45°以下、水分量が20重量%以下である培土。
- 内容物を含まない状態で形状を保つことが可能なハード容器に充填された培土であって、注入法による安息角(JIS R1600)が25°以上であって45°以下であることを特徴とするハード容器入り培土。
- 請求項1記載のハード容器入り培土であって、培土の水分量が20重量%以下であるハード容器入り培土。
- 請求項1記載のハード容器入り培土であって、培土の粒度が5mm以下であるハード容器入り培土。
- 請求項1記載のハード容器入り培土であって、前記ハード容器がペットボトル、紙パック、ポリタンク、一斗缶、ガロン瓶から選ばれるいずれかであることを特徴とするハード容器入り培土。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007098388A JP2008253184A (ja) | 2007-04-04 | 2007-04-04 | ハード容器入り培土 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007098388A JP2008253184A (ja) | 2007-04-04 | 2007-04-04 | ハード容器入り培土 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008253184A true JP2008253184A (ja) | 2008-10-23 |
Family
ID=39977472
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007098388A Pending JP2008253184A (ja) | 2007-04-04 | 2007-04-04 | ハード容器入り培土 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008253184A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10524427B2 (en) | 2004-02-13 | 2020-01-07 | Klondike Agricultural Products, LLC | Agricultural systems and methods |
WO2020013286A1 (ja) * | 2018-07-12 | 2020-01-16 | 株式会社クラレ | 吸水性培土 |
-
2007
- 2007-04-04 JP JP2007098388A patent/JP2008253184A/ja active Pending
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