JP2008253079A - アクチュエータ及びアクチュエータの制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 駆動用ピエゾ素子の伸縮動作を可動部材に伝達する際に用いられる、複数の部材間の接圧を容易に制御できるピエゾアクチュエータを提供する。
【解決手段】 本発明のピエゾアクチュエータ1は、一端を固定され印加電圧によって伸縮直線運動を行なう駆動用ピエゾ素子2と、当該駆動用ピエゾ素子2の所定の一面に取付けられた棒状の駆動軸4と、駆動軸4と接する位置に配置された可動部材(回転子5)と、一端を固定され印加電圧によって伸縮直線運動を行ない可動部材と駆動軸4との間の接圧を制御する制御用ピエゾ素子6とを備え、駆動用ピエゾ素子2の伸縮直線運動における稼働方向と、制御用ピエゾ素子6の伸縮直線運動における稼働方向とが直交するように配置されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明のピエゾアクチュエータ1は、一端を固定され印加電圧によって伸縮直線運動を行なう駆動用ピエゾ素子2と、当該駆動用ピエゾ素子2の所定の一面に取付けられた棒状の駆動軸4と、駆動軸4と接する位置に配置された可動部材(回転子5)と、一端を固定され印加電圧によって伸縮直線運動を行ない可動部材と駆動軸4との間の接圧を制御する制御用ピエゾ素子6とを備え、駆動用ピエゾ素子2の伸縮直線運動における稼働方向と、制御用ピエゾ素子6の伸縮直線運動における稼働方向とが直交するように配置されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ピエゾ素子を用いたピエゾアクチュエータ及び当該ピエゾアクチュエータの制御方法に関する。
圧電素子に機械的圧力を付加すると、これに比例して電荷を発生する現象である圧電効果(ピエゾ圧電効果)は、現在多くの機器において利用されている。近年は、この圧電効果の逆である逆圧電効果を利用した提案がなされている。
例えば、特開2006−5998号公報(特許文献1)では、圧電素子の稼働方向の先端部にロッドを固定し、このロッドの所定の位置にスライダを配置して、圧電素子に電圧を印加し、ロッドとスライダの間の摩擦力によりスライダを動かし、逆にスライダを動かさない場合にはロッドとスライダ間の摩擦力よりも大きな力を加えてスライダを固定するリニアアクチュエータの提案がなされている。
上記文献では、スライダが備えるスプリングの弾性力によって、ロッドとスライダとの間にはそれらの接触面に対して垂直方向に所定の接圧が生じ、この接触面に対して平行方向にこの接圧に起因する摩擦力が生じている。この場合、接圧と摩擦力との関係は、ロッドおよびスライダの材質、表面の状態等の因子によって規定され、リニアアクチュエータの稼働中にこの摩擦力を所望の大きさに変化させることはできない。
特開2006−5998号公報
従来のピエゾアクチュエータにおいて、駆動用ピエゾ素子の伸縮動作を可動部材に伝達するかどうかを制御する際、ロッドとスライダという複数の部材間の摩擦力を用いているが、この摩擦力の要因となる部材間の接圧を制御することができなかった。
本発明は、上述したような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、駆動用ピエゾ素子の伸縮動作を可動部材に伝達する際に用いられる、複数の部材間の接圧を容易に制御できるピエゾアクチュエータを提供することを目的としている。
本発明のピエゾアクチュエータは、印加電圧に応じて変形する第一及び第二のピエゾ素子と、前記第一のピエゾ素子の形状の変化に応じて運動可能な可動部材と、を備え、前記第二のピエゾ素子は前記第一のピエゾ素子の形状の変化に応じて運動させるか否かを制御することを特徴とするものである。
又、さらに、前記第一のピエゾ素子の一端部に接続された駆動部材を備え、前記第二のピエゾ素子は、前記駆動部材と前記可動部材との間の接圧を制御することを特徴とするものである。
又、前記駆動部材は、弾性を有することを特徴とするものである。
又、さらに、前記第二のピエゾ素子と前記駆動部材との間に、弾性体を備えることを特徴とするものである。
又、前記第一のピエゾ素子の変形する方向と、前記第二のピエゾ素子の変形する方向とが、直交していることを特徴とするものである。
又、前記可動部材は円形状の回転子であることを特徴とするものである。
又、前記可動部材は直線状のロッドであることを特徴とするものである。
又、前記駆動部材と前記可動部材とが接触する面は、粗目状に形成されていることを特徴とするものである。
又、前記駆動部材における前記可動部材と接触する面及び前記可動部材における駆動部材と接触する面には、稼働方向と直交する溝が形成されていることを特徴とするものである。
本発明のピエゾアクチュエータの制御方法は、印加電圧に応じて変形する第二のピエゾ素子に所定の電圧を印加して前記第二のピエゾ素子を伸長させ、印加電圧に応じて変形する第一のピエゾ素子と運動可能な可動部材との間の接圧を大きくするとともに、前記第一のピエゾ素子に前記所定の電圧と位相がずれた電圧を印加して前記第一のピエゾ素子を変形することにより、前記第一のピエゾ素子の形状の変化に応じて前記可動部材を運動させることを特徴とするものである。
又、前記第一のピエゾ素子に印加する電圧の波形は、正弦波であることを特徴とするものである。
又、前記第一のピエゾ素子に印加する電圧の波形は、矩形波であることを特徴とするものである。
又、前記第二のピエゾ素子に印加する電圧の波形は、矩形波であることを特徴とするものである。
本発明によれば、ピエゾ素子の伸縮動作を可動部材に伝達する際に用いられる、複数の部材間の接圧を容易に制御できるピエゾアクチュエータを提供することができる。
本発明を実施するための最良の形態のピエゾアクチュエータ(アクチュエータ)1は、一端を固定されて印加電圧によって伸縮直線運動を行なう駆動用ピエゾ素子(第一のピエゾ素子)2と、当該駆動用ピエゾ素子2の所定の一面に取付けられた細長棒状の駆動軸(駆動部材)4と、駆動軸4と接する位置に配置された可動部材と、一端を固定されて印加電圧によって伸縮直線運動を行ない可動部材と駆動軸4との間の接圧を制御する制御用ピエゾ素子(第二のピエゾ素子)6とを備えたものである。
又、駆動用ピエゾ素子2の伸縮直線運動における稼働方向と、制御用ピエゾ素子6の伸縮直線運動における稼働方向とが直交するように配置されるものである。
更に、制御用ピエゾ素子6の先端部は、駆動軸4の所定の側面と接しており、可動部材は円板形状の回転子5であり、駆動軸4及び可動部材とした回転子5の接触面は粗目状に形成されているものである。
そして、このピエゾアクチュエータ1を制御するための、駆動用ピエゾ素子2と制御用ピエゾ素子6に印加する印加電圧の波形はいずれも正弦波であり、それらの位相をずらすことによって可動部材の運動方向を制御するものである。
以下、本発明の実施例を図に基づいて詳説する。本実施例のアクチュエータは、ピエゾ素子を用いたものであり、このピエゾ素子は、圧力を加えた場合この圧力に比例して電荷を発生し、逆に、電力を印加した場合には圧電素子自体が伸縮動作をするという性質を有した圧電素子である。この圧電素子に圧力を加えた場合の現象を圧電効果、逆に電力を印加した場合の現象を逆圧電効果と呼び、本発明のピエゾアクチュエータはこの逆圧電効果を利用した発明である。
本実施例のピエゾアクチュエータ1は、図1に示すように、直方体形状で印加電圧により伸縮直線運動を行なう第一のピエゾ素子とする駆動用ピエゾ素子2と、この駆動用ピエゾ素子2の一面に固定され駆動用ピエゾ素子2に電圧を印加する電極3と、駆動用ピエゾ素子2の電極3が接着された面と対向する面に溶着された棒状で細長直方体形状であって駆動部材とする駆動軸4と、駆動軸4の一側面と外接する位置に配置され可動部材とする円板形状の回転子5と、駆動用ピエゾ素子2の伸縮直線運動の方向と直交するように配置され駆動軸4と回転子5との間の接圧を制御する第二のピエゾ素子とする制御用ピエゾ素子6と、この制御用ピエゾ素子6に電力を印加する電極7と、駆動用ピエゾ素子2及び制御用ピエゾ素子6の伸縮方向を直交させるようにして駆動用ピエゾ素子2及び制御用ピエゾ素子6の一端部を固定する固定部材8とを備えるものである。
第一のピエゾ素子とする駆動用ピエゾ素子2は、電極3から電圧が印加されると、印加された印加電圧に比例して伸縮運動を行うものであり、電極3側が固定部材8に固定されているため、一方向にのみ伸縮直線運動するものである。又、駆動用ピエゾ素子2に溶着された駆動軸4は、駆動用ピエゾ素子2の伸縮直線運動に支持されて反復直線運動を行うものである。
この駆動部材とする駆動軸4は回転子5の外周面と接しているものであって、この接点において接線方向に働く摩擦力により回転子5を回転させるものであり、回転子5との間の摩擦力を大きくするため、各表面は粗目状に形成されている。
第二のピエゾ素子とする制御用ピエゾ素子6は、駆動軸4における回転子5との接点と対向する位置に駆動軸4と制御用ピエゾ素子6の先端部が接するように配置され、電極7から電圧が印加されると、印加された印加電圧に比例した伸縮運動を行うものであり、電極7側が固定部材8に固定されているため、一方向にのみ伸縮直線運動するものである。そして、図1に示したように、伸長時には駆動軸4を回転子5の外表面に押しつけて駆動軸4と回転子5との間の接圧を大きくし、駆動軸4の反復直線運動を回転子5に伝達させて回転子5を回転させるものである。このように、駆動用ピエゾ素子2と制御用ピエゾ素子6を稼働方向が直交するように配置することにより、駆動用ピエゾ素子2の運動を効果的に可動部材に伝達できるものである。
尚、制御用ピエゾ素子6が伸長して駆動軸4と回転子5の接圧を大きくしている場合、制御用ピエゾ素子6と駆動軸4との間の接圧も大きくなるため、制御用ピエゾ素子6の先端部を駆動軸4が摺動することにより摩擦熱や摩耗が発生するおそれがあるため、駆動軸4の制御用ピエゾ素子6の先端部と接する部分には、摩擦係数を小さくする加工を施し、又、油等の潤滑剤が塗布されているものである。このように制御用ピエゾ素子6の先端と駆動軸4との接触部との摩擦力を小さくし、制御用ピエゾ素子6の先端を直接に駆動軸4と圧接可能とすることによりピエゾアクチュエータ1の構造を単純化することができる。
又、図2に示すように、制御用ピエゾ素子6の収縮時には駆動軸4と回転子5の間の接圧が小さくなるため、駆動軸4の反復直線運動は回転子5に伝わらないものである。尚、図2において駆動軸4と回転子5との間に空間が形成されているが、概念を示す図であり実際のピエゾ素子の伸縮量は1μm〜100μmであるため、図に示すほどの空間が形成されることはない。以下の図においても同様である。
このように、本実施例のピエゾアクチュエータは、制御用ピエゾ素子6の伸縮動作を、駆動軸4と回転子5との間の接圧の変化に対応させているので、駆動用ピエゾ素子2の伸縮動作を可動部材に伝達する際に用いられる、駆動軸4および回転子5という複数の部材間の接圧を容易に制御することができる。
そして、電極3,7から印加される印加電圧の波形は、図3に示すように、0〔V〕〜A〔V〕の間で減衰を行なう正弦波であり、回転子5を図1及び図2に示したように時計回りに回転させる場合には、駆動用ピエゾ素子2に印加する印加電圧の位相を制御用ピエゾ素子6に印加する印加電圧の位相よりも約90度遅らせることで制御するものである。つまり、図1に示したような、回転子5に駆動用ピエゾ素子2の伸長時の運動エネルギを伝達する場合は、制御用ピエゾ素子6が伸長して駆動軸4と回転子5の間の接圧を大きくした後に駆動用ピエゾ素子2の伸長を開始させることにより、駆動用ピエゾ素子2の伸長時の運動エネルギを回転子5に伝達することができるものである。
又、図2に示したような、駆動用ピエゾ素子2の収縮時の運動エネルギを回転子5に伝えない場合は、制御用ピエゾ素子6が収縮して駆動軸4と回転子5の間の接圧を小さくした後に駆動用ピエゾ素子2の収縮を開始させることにより、回転子5に駆動用ピエゾ素子2の収縮時の運動エネルギが伝わることが無く、駆動軸4の収縮動作によって回転子5の回転を停止させることや逆回転させることを防止できるものである。
このように、本実施例では、回転子5を回転する場合と回転させない場合とで、駆動軸4に印加する印加電圧の波形は変えておらず、駆動軸4と回転子5との間の接圧のみを変えている。
更に、図4及び図5に示すように、回転子5を反時計回りに回転させる場合には、図6に示すように、駆動用ピエゾ素子2へ印加する印加電圧の波形の位相を、制御用ピエゾ素子6へ印加する印加電圧の波形の位相よりも約90度進めることにより制御するものである。つまり、図4に示したように、回転子5に駆動用ピエゾ素子2の収縮時の運動エネルギを伝達する場合は、制御用ピエゾ素子6が伸長して駆動軸4と回転子5の間の接圧を大きくした後に駆動用ピエゾ素子2の収縮を開始させることにより、駆動用ピエゾ素子2の収縮時の運動エネルギを無駄なく回転子5に伝達することができるものである。
又、図5に示したように、駆動用ピエゾ素子2の伸長時の運動エネルギを回転子5に伝えない場合は、制御用ピエゾ素子6が収縮して駆動軸4と回転子5との間の接圧を小さくした後に駆動用ピエゾ素子2の伸長を開始させることにより、回転子5に駆動用ピエゾ素子2の伸長時の運動エネルギが伝わることが無く、駆動軸4の伸長動作によって回転子5の回転を停止させることや逆回転させることを防止できるものである。
このように、駆動用ピエゾ素子2と制御用ピエゾ素子6とを直角に配置した状態で駆動用ピエゾ素子2と制御用ピエゾ素子6に電圧を印加し、駆動用ピエゾ素子2の伸縮直線運動時の運動エネルギを回転子5に伝えることにより、単独では直線運動しかできないピエゾ素子の運動エネルギを回転運動のエネルギに変換することができるものである。又、制御用ピエゾ素子6を駆動軸4と回転子5の接点と対向する位置に配置することにより、制御用ピエゾ素子6の伸縮直線運動による力を無駄なく駆動軸4と回転子5の間の接圧に用いることができるものである。更に、駆動軸4と回転子5の接触表面を粗目状に形成することにより摩擦係数を高くすることができ、ひいては、駆動軸4によって回転子5をより確実に回転させることができるものである。
又、印加する印加電圧の波形を正弦波とすることにより、電圧の波形を変更する必要がないため、パルス変換装置等を別途設置する必要が無く設計が容易となるものである。
上述したピエゾアクチュエータ1においては、駆動用ピエゾ素子2及び制御用ピエゾ素子6に印加する印加電圧の波形が正弦波のものを用いていたが、図7及び図8に示すような矩形波を用いることも可能である。印加電圧の波形としてこのような矩形波を用いる場合において回転子5を例えば時計回りに回転させる場合には、図7に示したように、駆動用ピエゾ素子2に印加する印加電圧の位相を制御用ピエゾ素子6に印加する印加電圧の位相よりも僅かに遅らせることにより、駆動用ピエゾ素子2が伸長する場合には制御用ピエゾ素子6が伸長しており、駆動用ピエゾ素子2が収縮する場合には制御用ピエゾ素子6が収縮していることにより、回転子5は時計回りに回転する。
尚、図示の通り、駆動用ピエゾ素子2に印加する印加電圧の位相を僅かに遅らせたのは、制御用ピエゾ素子6に電圧を印加してから実際に伸長するまでの間の応答時間を考慮したためであり、上述した正弦波の場合と同様に、制御用ピエゾ素子6が駆動軸4と回転子5との間の接圧を大きくした後に駆動用ピエゾ素子2の伸長を開始させるためである。
一方、印加電圧の波形として矩形波を用いる場合において例えば回転子5を反時計回りに回転させる場合は、図8に示すように、駆動用ピエゾ素子2に印加する印加電圧の位相を制御用ピエゾ素子6に印加する印加電圧の位相よりも約180度ずらすことにより、駆動用ピエゾ素子2が伸長する場合には制御用ピエゾ素子6は収縮しており、駆動用ピエゾ素子2が収縮する場合には制御用ピエゾ素子6は伸長していることとして、回転子5を反時計回りに回転させるものである。
このようにピエゾ素子に印加する印加電圧の波形を矩形波とすることにより、矩形波は0〔V〕或いはA〔V〕のいずれかの値のみを取るため、制御用ピエゾ素子6による制御が容易になると共に、伸長状態から収縮状態或いはその逆の収縮状態から伸長状態への変化速度が速くなるため、回転子5の回転速度を正弦波を利用した場合よりも速くすることができ、更に、駆動用ピエゾ素子2の伸縮直線運動を無駄なく利用することができるものである。
又、図9に示すように、駆動用ピエゾ素子2に印加する印加電圧の波形を正弦波とし、制御用ピエゾ素子6に印加する印加電圧の波形を矩形波とすることもできる。この場合において回転子5を回転させる場合には、駆動用ピエゾ素子2に印加する印加電圧の位相を制御用ピエゾ素子6に印加する印加電圧の位相と約90度進ませ又は遅らせて時計方向やハンと径方向に回転させるように制御するものである。
このように、駆動用ピエゾ素子2に印加する印加電圧の波形を正弦波とし、制御用ピエゾ素子6に印加する印加電圧の波形を矩形波とした場合、駆動用ピエゾ素子2の伸縮速度は制御用ピエゾ素子6の伸縮速度と比較して遅いため、制御用ピエゾ素子6に電圧を印加するタイミングの精度が要求されず制御が容易となるものである。
更に、図10に示すように、駆動用ピエゾ素子2に印加する印加電圧の波形を三角波とし、制御用ピエゾ素子6に印加する印加電圧の波形を矩形波とすることもできる。この場合において回転子5を時計回りに回転させる場合には、上述した矩形波と正弦波を共に用いる場合と同様、駆動用ピエゾ素子2に印加する印加電圧の位相を制御用ピエゾ素子6に印加する印加電圧の位相よりも約90度遅らせ、反時計回りに回転させるときは約90度進ませることにより制御するものである。
このように、駆動用ピエゾ素子2に印加する印加電圧の波形を三角波とし、制御用ピエゾ素子6に印加する印加電圧の波形を矩形波とすることにより、駆動用ピエゾ素子2の伸縮速度が一定となるため、回転子5の回転速度等を制御する場合において、制御用ピエゾ素子6を制御するのが容易となるものである。
又、制御用ピエゾ素子6が必要とする伸縮量と駆動用ピエゾ素子2が必要とする伸縮量とは異なるため、共振周波数が異なるピエゾ素子を用いることができるので、それぞれのピエゾ素子の選定が容易となる。例えば、制御用ピエゾ素子6は駆動軸4と回転子5との間の接圧を制御することができればよいため大きな伸縮量は必要としないが、回転子5の回転量を大きくしたいときには、駆動用ピエゾ素子2は回転子5を回転させるために大きな伸縮量を必要とするのが一般的である。このような場合には、それぞれに要求される特性に応じたピエゾ素子を任意に選定することができる。
以下、ピエゾ素子を用いたピエゾアクチュエータ1の利点について述べる。ピエゾアクチュエータ1は、ピエゾ素子に加える印加電圧を変化させることによって伸縮時の変化量を制御できるため、ピエゾアクチュエータ1の速度制御が容易である。又、印加電圧に対しての応答性能が早いため、回転子5を素早く回転させることや回転方向を変化させることが容易にできる。
又、ピエゾ素子は磁力の影響を受けないため、強い磁力を発する機械や物質の傍で使用することができ、ピエゾアクチュエータ1を使用する場所が限られないため、多くの機器或いは装置に利用できる。又、ピエゾアクチュエータ1をモータとして利用した場合、磁力を必要としないため、磁力の影響を大きく受けるような精密機器の内部で用いることもでき、更に、小型であって印加電圧や周波数の大きさによる変位量が正確なため、正確な回転制御が必要な機器においても用いることができる。
更に、ピエゾアクチュエータ1は、ピエゾ素子自体がコンデンサと同一の効果を有しているため、省エネ対策となり、大きな電池を使用できないような小型の機器において大いに利用価値があるものである。
このようなピエゾアクチュエータ1の利用方法としては、例えば、デジタルカメラの光学式手振れ補正機構の光学装置用のモータとして利用できる。又、DVD等の光ピックアップレンズの駆動モータとして用いることもできる。更に、時計用のモータ或いは携帯電話の内部で用いることもできる。
尚、上述した実施例のピエゾアクチュエータ1においては、制御用ピエゾ素子6は、駆動軸4と回転子5の接点と対向する位置に配置していたが、これに限るものではなく、図11に示すように、駆動軸4の先端部近傍等に設置することも可能である。この場合、駆動軸4に弾性を有する部材を用いることにより、制御用ピエゾ素子6の伸長時における駆動軸4と回転子5の間の接圧を略一定に保つことが可能となり、制御用ピエゾ素子6の伸縮長さを厳密に制御する必要性が減るので、ひいては、制御用ピエゾ素子6をより制御しやすくなる。
又、上述した実施例におけるピエゾアクチュエータ1が備える駆動軸4及び回転子5の表面は粗目状であったが、図12に示すように、駆動軸4及び回転子5の表面に稼働方向と直交する溝を備えたものとすることもできる。
このように表面に溝を備えた駆動軸4及び回転子5を用いることにより、駆動軸4と回転子5との間で空回り等が発生する確率が低くなり、駆動軸4の溝と回転子5の溝が噛合しているため、回転子5を回転させるために大きな負荷が掛かる場合においても回転子5を確実に回転させることができるものである。
更に、上述した実施例におけるピエゾアクチュエータ1では、駆動軸4に制御用ピエゾ素子6が直に接触しており、駆動軸4は制御用ピエゾ素子6の先端部と接触した状態で直線運動を行なっていたが、図13及び図14に示すように、制御用ピエゾ素子6の先端部にバネ等の弾性体15を設置し、駆動軸4と制御用ピエゾ素子6との間に弾性体15を噛ませることもできる。
このように駆動軸4と制御用ピエゾ素子6との間に弾性体15を噛ませることで、図13に示したように、制御用ピエゾ素子6が伸長して駆動軸4と回転子5との間の接圧を大きくした場合においても、弾性体15の弾性により駆動軸4と制御用ピエゾ素子6との間に働く摩擦力が無くなり、制御用ピエゾ素子6或いは駆動軸4の摩耗が無くなるため、ピエゾアクチュエータ1の耐久年数を長くすることができるものである。
又、図14に示すように、制御用ピエゾ素子6が収縮して駆動軸4と回転子5との間の接圧を小さくした場合には、制御用ピエゾ素子6が直接駆動軸4を制御している場合と比較して、弾性体15の弾性により駆動軸4と回転子5との間の接圧を小さくすることができるため、回転子5の回転が停止することや逆回転することを防止でき、回転子5の回転が安定するものである。又、駆動軸4と回転子5との間の摩擦力が小さいため、ピエゾアクチュエータ1に用いる駆動軸4や回転子5の素材の選択範囲が広がるものである。
又、図11に示す場合と同様、駆動軸4と制御用ピエゾ素子6との間に弾性体15を噛ませることにより、制御用ピエゾ素子6の伸長時における駆動軸4と回転子5の間の接圧を略一定に保つことが可能となり、制御用ピエゾ素子6の伸縮長さを厳密に制御する必要性が減るので、ひいては、制御用ピエゾ素子6をより制御しやすくなる。
尚、図15に示すように、制御用ピエゾ素子6を固定部材8に摺動可能に設置し、稼働方向の両側端部に弾性体16を配置することもできる。この場合、駆動軸4が稼働すると制御用ピエゾ素子6も駆動軸4に支持されて摺動するが、この摺動を弾性体16が吸収するため、制御用ピエゾ素子6の先端部に弾性体15を設置した場合と同様に、駆動軸4と制御用ピエゾ素子6の間の摺動による摩擦熱や摩耗の発生を防止することができるものである。
更に、上述した実施例におけるピエゾアクチュエータ1では、駆動軸4は回転子5の外周面に接するように配置していたが、図16及び図17に示すように、回転子5の平面周縁部近傍に駆動軸4を押し当てるように配置することもできる。
このように回転子5の平面周縁に駆動軸4が接するように配置することで、図17に示したように、回転子5と駆動軸4の間の接触面積が大きくなり、摩擦力も上がるため空回りを防止でき、回転子5に大きな負荷が掛かっている場合においても、回転子5を確実に回転させることができるものである。
又、これまでは制御用に用いるピエゾ素子はひとつであったが、図18に示すように、2つのピエゾ素子6a,6bを並列させることも可能である。このように2つのピエゾ素子を用いることにより、駆動軸4と回転子5との間の接圧を大きくすることができるため、回転子5を回転させるための負荷が大きいときにも、回転子5を回転させることができるものである。
更に、上述した実施例のピエゾアクチュエータ1においては、可動部材として回転子5を用いていたが、図19に示すように回転子5の代わりに直方体形状等の棒状のロッド11を配置し、直線方向にロッド11を動かすこともできる。このように可動部材としてロッド11を用いることにより、例えば、カメラのフォーカスレンズを駆動させるモータとして用いることができるものである。
尚、固定部材8として駆動用ピエゾ素子2と制御用ピエゾ素子6を一つの部材で固定しているが、別々の部材で固定することも当然可能である。又、本実施例において駆動用ピエゾ素子2と制御用ピエゾ素子6に印加する電圧は0〔V〕〜A〔V〕としているが、当然駆動用ピエゾ素子2と制御用ピエゾ素子6を互いに異なる電圧で制御することもある。又、本発明は、以上の実施例に限定されるものでなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で自由に変更、改良が可能である。
1 ピエゾアクチュエータ(アクチュエータ)
2 駆動用ピエゾ素子(第一のピエゾ素子)
3,7 電極
4 駆動軸(駆動部材)
5 回転子(可動部材)
6,6a,6b 制御用ピエゾ素子(第二のピエゾ素子)
8 固定部材
11 ロッド(可動部材)
15,16 弾性体
2 駆動用ピエゾ素子(第一のピエゾ素子)
3,7 電極
4 駆動軸(駆動部材)
5 回転子(可動部材)
6,6a,6b 制御用ピエゾ素子(第二のピエゾ素子)
8 固定部材
11 ロッド(可動部材)
15,16 弾性体
Claims (13)
- 印加電圧に応じて変形する第一及び第二のピエゾ素子と、
前記第一のピエゾ素子の形状の変化に応じて運動可能な
可動部材と、を備え、
前記第二のピエゾ素子は前記第一のピエゾ素子の形状の変化に応じて運動させるか否かを制御することを特徴とするアクチュエータ。 - 請求項1に記載のアクチュエータであって、
さらに、前記第一のピエゾ素子の一端部に接続された駆動部材を備え、
前記第二のピエゾ素子は、前記駆動部材と前記可動部材との間の接圧を制御することを特徴とするアクチュエータ。 - 請求項1又は2に記載のアクチュエータであって、
前記駆動部材は、弾性を有することを特徴とするアクチュエータ。 - 請求項2又は3に記載のアクチュエータであって、
さらに、前記第二のピエゾ素子と前記駆動部材との間に、弾性体を備えることを特徴とするアクチュエータ。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載のアクチュエータであって、
前記第一のピエゾ素子の変形する方向と、前記第二のピエゾ素子の変形する方向とが、直交していることを特徴とするアクチュエータ。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載のアクチュエータであって、
前記可動部材は円形状の回転子であることを特徴とするアクチュエータ。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載のアクチュエータであって、
前記可動部材は直線状のロッドであることを特徴とするアクチュエータ。 - 請求項2〜7のいずれか一項に記載のアクチュエータであって、
前記駆動部材と前記可動部材とが接触する面は、粗目状に形成されていることを特徴とするアクチュエータ。 - 請求項2〜8のいずれか一項に記載のアクチュエータであって、
前記駆動部材における前記可動部材と接触する面及び前記可動部材における駆動部材と接触する面には、稼働方向と直交する溝が形成されていることを特徴とするアクチュエータ。 - 印加電圧に応じて変形する第二のピエゾ素子に所定の電圧を印加して前記第二のピエゾ素子を伸長させ、印加電圧に応じて変形する第一のピエゾ素子と運動可能な可動部材との間の接圧を大きくするとともに、前記第一のピエゾ素子に前記所定の電圧と位相がずれた電圧を印加して前記第一のピエゾ素子を変形することにより、前記第一のピエゾ素子の形状の変化に応じて前記可動部材を運動させることを特徴とするアクチュエータの制御方法。
- 請求項10に記載のアクチュエータの制御方法であって、
前記第一のピエゾ素子に印加する電圧の波形は、正弦波であることを特徴とするアクチュエータの制御方法。 - 請求項10又は11に記載のアクチュエータの制御方法であって、
前記第一のピエゾ素子に印加する電圧の波形は、矩形波であることを特徴とするアクチュエータの制御方法。 - 請求項10〜12のいずれか一項に記載のアクチュエータの制御方法であって、
前記第二のピエゾ素子に印加する電圧の波形は、矩形波であることを特徴とするアクチュエータの制御方法。
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---|---|---|---|
JP2007093084A JP2008253079A (ja) | 2007-03-30 | 2007-03-30 | アクチュエータ及びアクチュエータの制御方法 |
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JP2008253079A true JP2008253079A (ja) | 2008-10-16 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011097808A (ja) * | 2009-11-02 | 2011-05-12 | Konica Minolta Opto Inc | 振動型駆動装置 |
KR101124807B1 (ko) | 2010-03-25 | 2012-03-23 | 김창완 | 압전 초음파 모터 |
JP2012515845A (ja) * | 2009-01-20 | 2012-07-12 | パルミル | 電解方法、装置及びシステム |
CN112564542A (zh) * | 2020-11-12 | 2021-03-26 | 东南大学 | 一种基于压电作动原理的低速高精度旋转驱动装置 |
-
2007
- 2007-03-30 JP JP2007093084A patent/JP2008253079A/ja active Pending
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