JP2008252510A - エコーキャンセラ - Google Patents

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Abstract

【課題】 ダブルトーク状態およびシングルトーク状態のそれぞれに対応可能なエコーキャンセラを、従来よりも簡単かつ安価な構成で実現する。
【解決手段】 本発明が適用されたインターカム装置10は、相手方装置からの受信信号x[n]に当該相手方の音声成分が含まれているかどうかを検出する受話音検出回路22と、相手方への送信信号としての誤差信号e(t)にこちら側の話者の音声成分が含まれているかどうかを検出する送話音検出回路22と、を備えている。そして、これらの検出回路22および26による検出結果AおよびBに基づいて、判定回路24が、ダブルトーク状態およびシングルトーク状態のいずれの状態にあるのかを判定し、この判定回路24による判定結果Cに基づいて、ステップサイズ制御回路28が、適応フィルタ回路20のステップサイズμを適宜に設定するべく、ステップサイズ制御信号Dを生成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エコーキャンセラに関し、特に相手方から受信された受信信号が入力されるスピーカと、このスピーカと同じ空間に設けられており相手方に送信される送信信号を生成するマイクロホンと、を具備する音声通信装置に用いられ、スピーカの出力音がマイクロホンに入力されることによって送信信号に現れるエコー成分をキャンセルする、エコーキャンセラに関する。
この種の音響エコーキャンセラは、一般に、受信信号に基づいて上述のエコー成分を模擬した擬似エコー信号を生成する適応フィルタ手段と、この適応フィルタ手段によって生成された擬似エコー信号を送信信号から差し引くことで当該エコー成分をキャンセルする減算手段と、を備えている。即ち、相手方(遠端話者)のみが発音しているいわゆるシングルトーク状態にあるときに、当該相手方の発音に従うエコー成分をキャンセルすることを、前提としている。これに対して、こちら側(近端話者)も同時に発音しているいわゆるダブルトーク状態にあるときには、こちら側の発音に従う音声成分もキャンセル対象とされるので、不本意な結果を招く恐れがある。従って、シングルトーク状態およびダブルトーク状態のいずれの状態にあるのかに応じて、適切な処置を講ずる必要がある。
そこで、それぞれの状態に応じて適切な処置を講ずるべく従来技術として、例えば特許文献1に開示されたものがある。この従来技術によれば、外部へ音声出力された音声出力信号と、この音声出力の回り込みによるエコー成分が混入された音声入力信号と、の音量比が、音量比学習手段によって算出されると共に、当該音量比学習手段によって自装置におけるシングルトーク状態の音量比が学習される。そして、この音量比学習手段によって今回算出された音量比が、これまでの音量比の学習から予測されるダブルトーク状態に適合するかどうかに応じて、ダブルトーク検出手段が、当該ダブルトーク状態を検出する。つまり、ダブルトーク状態であれば、音量比はシングルトーク状態の音量比の範囲を超えていると予測されるので、この発想に従い、今回算出された音量比と、これまで学習されたシングルトーク状態における音量比の範囲と、が比較され、この比較結果に基づいて、ダブルトーク状態が検出される。そして、この検出結果に基づいて、エコーキャンセル処理手段が、適応制御のための学習動作を実行するかどうかを制御する。具体的には、シングルトーク状態にあるときにのみ学習動作を実行し、ダブルトーク状態にあるときには当該学習動作を非実行とする。
特開2007−53512号公報
しかし、上述の従来技術では、シングルトーク状態およびダブルトーク状態のいずれの状態にあるのかを検出するのに、音声出力信号と音声入力信号との音量比が逐次算出されると共に、自装置におけるシングルトーク状態の音量比が学習され、さらに今回の音量比がこれまでの学習から予測されるダブルトーク状態に適合するかどうかが比較される、という極めて複雑な処理が施される。従って、この複雑な処理を施すための構成もまた、複雑化し、かつ高コスト化する、という問題がある。この問題は、一連の処理を純粋なハードウェアによって実現する場合のみならず、ソフトウェア(プログラム)によって実現する場合にも、同様に生じる。
それゆえに、本発明は、従来よりも極めて簡単かつ安価な構成でシングルトーク状態およびダブルトーク状態のいずれの状態にあるのかを判定し、ひいてはそれぞれの状態に応じて適切な処置を講ずることができるエコーキャンセラを提供することを、目的とする。
この目的を達成するために、本発明は、相手方から受信された受信信号が入力されるスピーカと、このスピーカと同じ空間に設けられ当該相手方に送信される送信信号を生成するマイクロホンと、を具備する音声通信装置に用いられ、スピーカの出力音がマイクロホンに入力されることによって送信信号に現れるエコー成分をキャンセルするエコーキャンセラにおいて、受信信号に基づいて当該エコー成分を模擬した擬似エコー信号を生成する適応フィルタ手段と、送信信号から当該擬似エコー信号を差し引く減算手段と、を具備する。そして、受信信号に相手方の発音に従う受信音声成分が含まれているかどうかを検出する受信音声検出手段と、送信信号にマイクロホンへの発音に従う送信音声成分が含まれているかどうかを検出する送信音声検出手段と、をも具備する。さらに、受信音声検出手段および送信音声検出手段のそれぞれによる検出結果に基づいてシングルトーク状態であるのかダブルトーク状態であるのかを判定する判定手段と、この判定手段による判定結果に基づいて適応フィルタ手段の適応動作を制御する適応制御手段と、をも具備することを特徴とするものである。
即ち、本発明では、適応フィルタ手段が、相手方から受信された受信信号に基づいて、当該受信信号に従うスピーカの出力音がマイクロホンに回り込むことによって送信信号に現れるエコー成分を模擬した擬似エコー信号を生成する。そして、減算手段が、この擬似エコー信号を送信信号から差し引くことで、当該エコー成分をキャンセルする。その一方で、受信音声検出手段が、受信信号に相手方の積極的な発音に従う受信音声成分が含まれているかどうか、つまり当該相手方の真の音声成分が含まれているかどうか、を検出する。併せて、送信音声検出手段が、送信信号にマイクロホンへの積極的な発音に従う送信音声成分が含まれているかどうか、つまりこちら側の真の音声成分が含まれているかどうか、を検出する。そして、これら受信音声検出手段および送信音声検出手段のそれぞれによる検出結果に基づいて、判定手段が、今現在、シングルトーク状態にあるのか、それともダブルトーク状態にあるのか、を判定する。具体的には、受信信号および送信信号の一方にのみ真の音声成分が含まれている場合には、シングルトーク状態にあると判定し、受信信号および送信信号の両方に真の音声成分が含まれている場合には、ダブルトーク状態にあると判定する。そして、この判定手段による判定結果に基づいて、適応制御手段が、適応フィルタ手段の適応動作を制御する。
なお、適応制御手段は、適応フィルタ手段の適応動作の応答性に関係する所定要素を制御するものとしてもよい。
具体的には、適応制御手段は、当該所定要素として、適応フィルタ手段のステップサイズを制御するものとしてもよい。
より具体的には、適応制御手段は、判定手段によってシングルトーク状態にあると判定されたとき、適応フィルタ手段のステップサイズの値を比較的に大きい第1サイズ値とし、これによって、当該適応フィルタ手段の応答性を高める。一方、判定手段によってダブルトーク状態にあると判定されたときには、適応制御手段は、適応フィルタ手段のステップサイズの値を第1サイズ値よりも小さい第2サイズ値とし、これによって、当該適応フィルタ手段の応答性を低下させるものとしてもよい。このようにすれば、シングルトーク状態にあるときには、応答性の高い適応フィルタ手段の適応動作によって、良好なエコーキャンセル効果が得られる。一方、ダブルトーク状態にあるときには、少なくとも適応フィルタ手段の適応動作が不安定になるのが防止され、不本意な結果を招くことはない。なお、極端には、ダブルトーク状態にあるときには、当該第2サイズ値として“0”という値が設定されてもよく、つまり適応フィルタ手段の適応動作が停止されてもよい。
さらに、適応制御手段は、判定手段による判定結果が一定期間にわたって維持されたことを条件として、当該判定結果に基づく制御を行うものとしてもよい。つまり、判定手段によってシングルトーク状態およびダブルトーク状態の一方から他方に遷移したと判定されたときに直ぐに、当該判定手段による判定結果に基づいて適応フィルタ手段の適応動作を制御するのではなく、当該判定手段による判定結果が一定期間にわたって維持されたときに初めて、当該判定結果に基づく制御を行うものとしてもよい。このようにすれば、判定手段による判定結果が頻繁に変化したときに、これに伴って適応フィルタ手段の適応動作が頻繁に変わるのを防止することができる。つまり、適応フィルタ手段の適応動作を安定化させることができる。
また、本発明において、受信音声検出手段は、受信信号のうち相手方の真の音声成分のレベルを検出する受信音声レベル検出手段と、当該受信信号のうち相手方の騒音に従う受信騒音成分のレベルを検出する受信騒音レベル検出手段と、これら受信音声レベル検出手段および受信騒音レベル検出手段のそれぞれによる検出結果を互いに比較することによって当該受信信号に相手方の真の音声成分が含まれているかどうかを検出する受信側レベル比較手段と、を備えるものであってもよい。具体的には、受信側レベル比較手段は、受信音声レベル検出手段による検出レベル(相手方の真の音声レベル)が受信騒音レベル検出手段による検出レベル(相手方の騒音レベル)よりも大きいとき、好ましくは、当該受信音声レベル検出手段による検出レベルが当該受信騒音レベル検出手段による検出レベルに所定のマージンを加えたレベルよりも大きいときに、受信信号に相手方の真の音声成分が含まれているものと、判断する。そして、これ以外のときは、当該受信信号に相手方の音声成分が含まれていない、いわゆる無音状態にある、と判断する。このように、受信信号に含まれている相手方の騒音レベルを基準として、当該受信信号に相手方の真の音声成分が含まれているか否かを判断することによって、当該騒音の影響を受けない(言い換えれば当該騒音の変化に追随した)適切な検出を実現することができる。
なお、ここで言う受信音声レベル検出手段は、受信信号の信号レベルの立ち上がりに対しては俊敏に応答し、つまり比較的に小さい時定数を有し、当該受信信号の信号レベルの立ち下がりに対しては鈍感に応答する、つまり比較的に大きい時定数を有する、低域フィルタ手段、言わば受信音声フィルタ手段、によって構成することができる。そして、受信騒音レベル検出手段は、受信信号の信号レベルの立ち上がりに対しては鈍感に応答し、つまり比較的に大きい時定数を有し、当該受信信号の信号レベルの立ち下がりに対しては俊敏に応答する、つまり比較的に小さい時定数を有する、低域フィルタ手段、言わば受信騒音フィルタ手段、によって構成することができる。
送信音声検出手段についても、上述の受信音声検出手段と同様に、送信信号のうちこちら側の真の音声成分のレベルを検出する受信音声レベル検出手段と、当該送信信号のうちこちら側の騒音に従う送信騒音成分のレベルを検出する送信騒音レベル検出手段と、これら送信音声レベル検出手段および送信騒音レベル検出手段のそれぞれによる検出結果を互いに比較することによって当該送信信号にこちら側の真の音声成分が含まれているかどうかを検出する送信側レベル比較手段と、を備えるものであってもよい。即ち、送信側レベル比較手段は、送信音声レベル検出手段による検出レベル(こちら側の真の音声レベル)が送信騒音レベル検出手段による検出レベル(こちら側の騒音レベル)よりも大きいとき、好ましくは、当該送信音声レベル検出手段による検出レベルが当該送信騒音レベル検出手段による検出レベルに所定のマージンを加えたレベルよりも大きいときに、送信信号にこちら側の真の音声成分が含まれているものと、判断する。そして、これ以外のときは、当該送信信号にこちら側の音声成分が含まれていない無音状態にある、と判断する。このように、送信信号に含まれているこちら側の騒音レベルを基準として、当該送信信号にこちら側の音声成分が含まれているか否かを判断することによって、当該騒音の影響を受けない(言い換えれば当該騒音の変化に追随した)適切な検出を実現することができる。
そして、ここで言う送信音声レベル検出手段は、上述の受信音声レベル検出手段と同様の、送信信号の信号レベルの立ち上がりに対しては俊敏に応答し、当該送信信号の信号レベルの立ち下がりに対しては鈍感に応答する低域フィルタ手段、言わば送信音声フィルタ手段、によって構成することができる。そして、送信騒音レベル検出手段は、上述の受信騒音レベル検出手段と同様に、送信信号の信号レベルの立ち上がりに対しては鈍感に応答し、当該送信信号の信号レベルの立ち下がりに対しては俊敏に応答する低域フィルタ手段、言わば送信騒音フィルタ手段、によって構成することができる。
また、本発明においては、受信音声検出手段および送信音声検出手段のそれぞれによる検出結果に基づいて受信信号および送信信号のそれぞれを個々に減衰させる減衰手段を、さらに備えてもよい。言い換えれば、当該減衰手段を有する音声スイッチ手段、を具備する音声通信装置に、本発明を適用してもよい。
即ち、音声通信装置においては、特にハウリングを防止するべく、受信信号および送信信号のそれぞれに音声成分が含まれているか否かに基づいてこれら受信信号および送信信号のそれぞれを個々に減衰させる、具体的には、受信信号および送信信号の一方に音声成分が含まれているときに他方を減衰させる、という音声スイッチ手段、が設けられている場合がある。そして、このような音声スイッチ手段は、受信信号に相手方の音声成分が含まれているかどうかを検出する第1の検出手段と、送信信号にこちら側の音声成分が含まれているかどうかを検出する第2の検出手段と、これら第1および第2の検出手段による検出結果に基づいて受信信号および送信信号のそれぞれを個々に減衰させる減衰手段と、を備えている。従って、この音声スイッチ手段を構成する第1の検出手段を、本発明における受信音声検出手段として兼用させると共に、当該音声スイッチ手段を構成する第2の検出手段を、本発明における送信音声検出手段として兼用させれば、比較的に小規模な改造で本発明のエコーキャンセラを追加することができる。つまり、音声スイッチ手段と本発明のエコーキャンセラとを兼ね備えた音声通信装置を、比較的に容易かつ安価に実現することができる。
上述したように、本発明によれば、受信信号に相手方の真の音声成分が含まれているかどうかを検出する受信音声検出手段と、送信信号にこちら側の音声成分が含まれているかどうかを検出する送信音声検出手段と、のそれぞれによる検出結果に基づいて、シングルトーク状態およびダブルトーク状態のいずれの状態にあるのかが判定され、この判定結果に基づいて、適応フィルタ手段の適応動作が適宜制御される。従って、シングルトーク状態およびダブルトーク状態のいずれの状態にあるのかを検出するのに、音声出力信号と音声入力信号との音量比が逐次算出されると共に、自装置におけるシングルトーク状態の音量比が学習され、さらに今回の音量比がこれまでの学習から予測されるダブルトーク状態に適合するかどうかが比較される、という極めて複雑な処理が施され、この複雑な処理が施された後にやっとそれぞれの状態に応じた制御が行われる、という上述した従来技術に比べて、当該受信音声検出手段および送信音声検出手段を含むエコーキャンセラ全体を簡単かつ安価に構成することができる。
本発明が適用されたハンズフリー式のインターカム装置10の一実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態に係るインターカム装置10は、スピーカ12およびマイクロホン14を備えている。これらスピーカ12およびマイクロホン14は、互いに同じ空間に設けられており、具体的には図示しない受話器に内蔵されている。
このうち、スピーカ12には、図示しない相手方装置から受信された受信信号x(t)(t;時間を表すインデックス)が入力される。スピーカ12は、入力された受信信号x(t)に従って駆動することで、相手方からの受話音を再生する。再生された受話音は、上述の空間に出力され、このインターカム装置10を操作する図示しないこちら側の話者により聴取される。
一方、マイクロホン14には、こちら側の話者から発せられる音声s(t)が入力される。マイクロホン14は、入力された音声s(t)を電気信号y(t)に変換する。変換された電気信号y(t)は、マイクロホン14から出力され、このマイクロホン14の出力信号y(t)は、後述する減算回路16を介して、相手方装置に送信される。
ところで、このようなインターカム装置10においては、スピーカ12の出力音の一部d(t)がマイクロホン14に回り込み、これによって、マイクロホン14の出力信号y(t)に当該回り込みの音d(t)に従うエコー成分が現れる。このエコー成分d(t)は、言うまでもなく通信品質を低下させる原因となるため、本実施形態においては、当該エコー成分d(t)をキャンセルするべく、エコーキャンセラ18が、インターカム装置10の本体に内蔵されている。
このエコーキャンセラ18は、受信信号x(t)が入力されるFIR(Finite Impulse Response)型の適応フィルタ回路20と、この適応フィルタ回路20による処理後信号u(t)をマイクロホン14の出力信号y(t)から差し引く上述の減算回路16と、を備えている。減算回路16による減算後の信号、つまり適応フィルタ回路20による処理後信号u(t)とマイクロホン14の出力信号y(t)との差を表す誤差信号e(t)は、適応フィルタ回路20にフィードバックされる。適応フィルタ回路20は、この誤差信号e(t)が最小になるように、次の式1に基づいて、自身のフィルタ係数W[n](n;時間tをサンプリング番号で表したインデックス)を更新する。
《式1》
W[n+1]=W[n]+2・μ・e[n]・X[n]
なお、この式1において、μは、適応フィルタ回路20の応答性を決定付けるステップサイズ(収束係数)であり、このステップサイズμの値が大きいほど、当該適応フィルタ回路20の応答性が高まる。また、この式1で表される更新前のフィルタ係数W[n]および更新後のフィルタ係数W[n+1]は、いずれもベクトルである。例えば、更新前のフィルタ係数W[n]は、次の式2で表される。
《式2》
W[n]=[w0[n] w1[n] w2[n] … wL−1[n]]
この式2において、w0[n],w1[n],…は、時変のフィルタ係数であり、Lは、適応フィルタ回路20のタップ数である。そして、Tは、転置を表す。
また、式1におけるX[n]は、受信信号x(t)をベクトルで表現したものであり、次の式3で表される。
《式3》
X[n]=[x[n] x[n−1] x[n−2] … x[n−L+1]]
このように式1に基づいて適応フィルタ回路20のフィルタ係数W[n]が更新されることで、誤差信号e(t)は最小となり、言い換えれば、当該適応フィルタ回路20による処理後信号u(t)はエコー成分d(t)と略等価な擬似エコー信号となる。そして、この擬似エコー信号u(t)が、減算回路16によって、マイクロホン14の出力信号y(t)から差し引かれることで、当該マイクロホンの出力信号y[n]からエコー成分d(t)がキャンセルされる。そして、このエコー成分d(t)がキャンセルされた後の誤差信号e(t)が、相手方装置に送信される。
ただし、この要領によるエコー成分d(t)のキャンセル動作は、飽くまで、相手方のみが発音しているシングルトーク状態においてのみ、有効であり、こちら側の話者が同時に発音しているダブルトーク状態においては、不本意な結果を招く恐れがある。これは、ダブルトーク状態にあるときには、こちら側の話者の音声s(t)までもがキャンセル対象となるためである。
そこで、このような不本意な結果を招くことのないように、本実施形態では、シングルトーク状態およびダブルトーク状態のいずれの状態にあるのかが判定され、この判定結果に基づいて、適応フィルタ回路20の適応動作が制御され、詳しくは上述のステップサイズμの値が設定される。
これを実現するべく、本実施形態においては、受信信号x(t)に相手方の真の音声成分、言わば受話音成分、が含まれているかどうかを検出するための受話音検出回路22が、設けられている。この受話音検出回路22は、例えば、受信信号x(t)に相手方からの受話音成分が含まれているときには、“H(ハイ)”レベルの信号を出力し、当該受話音成分が含まれていないときには、“L(ロー)”レベルの信号を出力する。そして、この受話音検出回路22から出力される受話音検出信号Aは、判定回路24に入力される。
これと同様に、相手方装置に送信される誤差信号e(t)についても、これにこちら側の話者による真の音声成分、言わば送話音成分、が含まれているかどうを検出する送話音検出回路26が、設けられている。この送話音検出回路26は、誤差信号e(t)にこちら側の話者による送話音成分が含まれているときには、“H”レベルの信号を出力し、当該送話音成分が含まれていないときには、“L”レベルの信号を出力する。そして、この送話音検出回路26から出力される送話音検出信号Bもまた、判定回路24に入力される。
判定回路24は、受話音検出回路22から入力される受話音検出信号Aと、送話音検出回路26から入力される送話音検出信号Bと、に基づいて、今現在、シングルトーク状態にあるのか、それともダブルトーク状態にあるのかを、判定する。具体的には、受話音検出信号Aおよび送話音検出信号Bがいずれも“H”レベルであるとき、判定回路24は、ダブルトーク状態にある、と判定して、例えば“H”レベルの信号を出力する。一方、これ以外のとき、つまり受話音検出信号Aおよび送話音検出信号Bがいずれも“L”レベルであるか、どちらかが“L”レベルであるときには、判定回路24は、(無音状態を含む)シングルトーク状態にある、と判定して、“L”レベルの信号を出力する。そして、この判定回路24から出力される判定結果信号Cは、ステップサイズ制御回路28に入力される。
ステップサイズ制御回路28は、判定回路24から入力される判定結果信号Cに従って、適応フィルタ回路20のステップサイズμを設定するためのステップサイズ制御信号Dを生成する。具体的には、当該判定結果信号Cが“H”レベルであるとき、つまりダブルトーク状態にあるとき、ステップサイズ制御回路28は、適応フィルタ回路20のステップサイズμとして例えば“0.05”という比較的に小さい値が設定されるように、当該ステップサイズ制御信号Dを生成する。一方、判定結果信号Cが“L”レベルであるとき、つまりシングルトーク状態にあるときには、ステップサイズμとして当該“0.05”よりも大きい例えば“0.16”という値が設定されるように、ステップサイズ制御信号Dを生成する。なお、これら“0.05”および“0.16”というステップサイズμの値は、事前の試験や経験に基づいて、適当に定められる。
即ち、本実施形態によれば、シングルトーク状態にあるときは、適応フィルタ回路20のステップサイズμとして“0.16”という比較的に大きい値が設定される。これにより、適応フィルタ回路20は、高い応答性で適応動作を行うこととなり、良好なエコーキャンセル効果を得られることが期待される。
一方、ダブルトーク状態にあるときには、適応フィルタ回路20のステップサイズμとして“0.05”という比較的に小さい値が設定される。これにより、少なくとも適応フィルタ回路20の適応動作が不安定となるのが防止され、当該適応動作が破綻する等の不本意な結果を招くこともない。
ここで、図2を参照して、より具体的な動作例を説明する。
例えば、今、或る時刻t1において、図2(a)に示すように、受話音検出信号Aが“L”レベルから“H”レベルに変化すると共に、同図(b)に示すように、送話音検出信号Bが“L”レベルである、とする。この場合、判定回路24は、シングルトーク状態にある、と判定して、同図(c)に示すように、“L”レベルの判定結果信号Cを出力する。そして、この判定結果信号Cが“L”レベルであることに従って、ステップサイズ制御回路28は、同図(d)に示すように、適応フィルタ回路20のステップサイズμとして“0.16”という比較的に大きい値を設定する。これにより、適応フィルタ回路20は、シングルトーク状態に即した高い応答性で適応動作する。
そして、時刻t1よりも後の時刻t2において、図2(a)に示すように、受話音検出信号Aが“H”レベルから“L”レベルに変化すると共に、同図(b)に示すように、送話音検出信号Bは“L”レベルを維持している、とする。この場合も、判定回路24は、シングルトーク状態にあると判定して、同図(c)に示すように、“L”レベルの判定結果信号Cを出力する。そして、ステップサイズ制御回路28は、同図(d)に示すように、適応フィルタ回路20のステップサイズμの値を“0.16”に維持する。
さらに、時刻t2よりも後の時刻t3において、図2(a)に示すように、受話音検出信号Aが“L”レベルを維持したまま、今度は、同図(b)に示すように、送話音検出信号Bが“L”レベルから“H”レベルに変化する、とする。この場合も、判定回路24は、シングルトーク状態にあると判定して、同図(c)に示すように、“L”レベルの判定結果信号Cを出力する。そして、ステップサイズ制御回路28もまた、同図(d)に示すように、適応フィルタ回路20のステップサイズμの値を“0.16”に維持する。
そして、時刻t3よりも後の時刻t4において、図2(a)に示すように、受話音検出信号Aも“L”レベルから“H”レベルに変化すると共に、同図(b)に示すように、送話音検出信号Bが“H”レベルを維持している、とする。この場合、判定回路24は、シングルトーク状態からダブルトーク状態に遷移したと判定し、同図(c)に示すように、“H”レベルの判定結果信号Cを出力する。そして、ステップサイズ制御回路28は、この判定結果信号Cに従って、適応フィルタ回路20のステップサイズμの値を“0.16”から“0.05”に変更する。ただし、ステップサイズ制御回路28は、判定結果信号Cが“L”レベルから“H”レベルに変化した時点t4で直ぐに、適応フィルタ回路20のステップサイズμの値を“0.16”から“0.05”に変更するのではなく、同図(d)に示すように、当該時点t4から或る一定時間Tdが経過した時点t5においても、判定結果信号Cが“H”レベルを維持しているときに初めて、当該適応フィルタ回路20のステップサイズμの値を変更する。このように、一定時間Tdにわたって判定結果信号Cが変化しないことを条件に、当該判定結果信号Cに応じてステップサイズμの値が変更されることで、当該ステップサイズμの値が頻繁に変更されるのが防止され、ひいては適応フィルタ回路20の動作が不安定となるのが防止される。なお、ここで言う一定時間Tdとしては、例えば0.001[s]〜0.01[s]程度の比較的に短い時間が適当であり、好ましくは0.005[s]程度が適当である。
さらに、時刻t5よりも後の時刻t6において、図2(a)に示すように、受話音検出信号Aが“H”レベルから“L”レベルに変化すると共に、その一方で、同図(b)に示すように、送話音検出信号Bは“H”レベルを維持している、とする。この場合、判定回路24は、ダブルトーク状態からシングルトーク状態に遷移したと判定し、同図(c)に示すように、“L”レベルの判定結果信号Cを出力する。そして、ステップサイズ制御回路28は、この判定結果信号Cに従って、適応フィルタ回路20のステップサイズμの値を“0.05”から“0.16”に戻す。なお、このときも、上述と同様、判定結果信号Cが“H”レベルから“L”レベルに変化した時点t6から一定時間Tdが経過した時点t7において、当該判定結果信号Cが“L”レベルを維持していることを条件に、ステップサイズ制御回路28は、同図(d)に示すように、適応フィルタ回路20のステップサイズμの値を“0.05”から“0.16”に戻す。
そして、時刻t7よりも後の時刻t8において、図2(a)に示すように、受話音検出信号Aが“L”レベルを維持したまま、同図(b)に示すように、送話音検出信号Bが“H”レベルから“L”レベルに変化する、とする。この場合も、判定回路24は、シングルトーク状態にあると判定して、同図(c)に示すように、判定結果信号Cを“L”レベルに維持する。そして、ステップサイズ制御回路28もまた、同図(d)に示すように、適応フィルタ回路20のステップサイズμの値を“0.16”に維持する。
次に、図3を参照して、受話音検出回路22の詳細を説明する。
この図3に示すように、受話音検出回路22は、受信信号x(t)が入力される整流回路220を有している。この整流回路220は、入力された受信信号x(t)を整流し、言わば絶対値の信号に変換する。また、整流回路220は、受信信号x(t)が急激に変動することによる影響を回避するべく、所定期間、例えば1[ms]、にわたって当該受信信号x(t)の絶対値を積分し、つまり当該1[ms]毎の絶対値の平均値を求める。そして、この整流回路220による整流後信号(絶対値)は、音声レベル算出フィルタ回路222および騒音レベル算出フィルタ回路224のそれぞれに入力される。
音声レベル算出フィルタ回路222は、整流回路220と共に受信音声レベル検出手段を構成するものであり、具体的には、当該整流回路220による整流後信号の立ち上がりに対しては俊敏に応答し、つまり立ち上がり時定数が小さく、当該整流後信号の立ち下がりに対しては鈍感に応答する、つまり立ち下がり時定数が大きい、低域フィルタ回路である。このような音声レベル算出フィルタ回路222によって整流回路220による整流後信号を濾波処理することで、当該整流後信号に含まれる受話音成分のレベルVxaが算出される。そして、算出された受話音レベルVxaは、受信側レベル比較手段としての比較回路226に与えられる。
一方、騒音レベル算出フィルタ回路224は、整流回路220と共に受信騒音レベル検出手段を構成するものであり、具体的には、当該整流回路220による整流後信号の立ち上がりに対しては鈍感に応答し、つまり立ち上がり時定数が大きく、当該整流後信号の立ち下がりに対しては俊敏に応答する、つまり立ち下がり時定数が小さい、低域フィルタ回路である。このような騒音レベル算出フィルタ回路224によって整流回路220による
整流後信号を濾波処理することによって、当該整流後信号に含まれる騒音成分のレベルVxsが算出される。そして、算出された騒音レベルVxsは、乗算回路228によってα倍された後、比較回路228に与えられる。なお、乗算回路228において騒音レベルVxsに乗ぜられる係数αの値は、1以上の値であり、例えば1.5〜3.0の範囲で任意に設定される。また、騒音レベル算出フィルタ回路224においては、突発性騒音の影響を回避するべく、その入力信号である整流回路220による整流後信号を、当該整流回路220における積分期間(1[ms])よりもさらに長い期間、例えば8[ms]、にわたって積分して、当該8[ms]毎の積分値(平均値)から騒音レベルVxsを算出するようにしてもよい。
比較回路226は、音声レベル算出フィルタ回路222から与えられる受話音レベルVxaと、騒音レベル算出フィルタ回路224から乗算回路228経由で与えられる言わばマージン付与後の騒音レベルα・Vxsと、を比較する。そして、例えば、受話音レベルVxaがマージン付与後騒音レベルα・Vxsよりも大きいとき(Vxa>α・Vxs)、受信信号x(t)に受話音成分が含まれている、と判断する。そして、上述した受話音検出信号Aとして、“H”レベルの信号を出力する。これとは反対に、受話音レベルVxaがマージン付与後騒音レベルα・Vxs以下(Vxa≦α・Vxs)であるときには、比較回路226は、受信信号x(t)に受話音成分が含まれていない、と判断する。そして、受話音検出信号Aとして、“L”レベルの信号を出力する。
このように、受信信号x(t)を整流して、この整流後信号に含まれる受話音レベルVxaと騒音レベルVxsとが相対的に比較され、その比較結果に基づいて、当該受信信号x(t)に真の受話音成分が含まれているか否かが判断される。これにより、周囲の騒音による影響を受け難い的確な受話音成分の検出が実現される。また、受話音レベルVxaと騒音レベルVxsとの比較の際に、当該騒音レベルVxsにα倍のマージンが付与されることで、誤動作が低減され、検出動作が安定化される。
これと同様に、送話音検出回路26も、図4に示すような構成とされている。
即ち、送話音検出回路26は、誤差信号e(t)が入力される整流回路260と、この整流回路260による整流後信号から送話音レベルVeaを算出する音声レベル算出フィルタ回路262と、当該整流後信号から騒音レベルVesを算出する騒音レベル算出フィルタ回路224と、これら送話音レベルVeaおよび騒音レベルVesを互いに比較する比較回路226と、を備えている。併せて、この比較回路226による比較の際に、騒音レベルVesは、乗算回路268によってα倍され、つまり当該α倍というマージンを付与される。比較回路226は、送話音レベルVeaがマージン付与後騒音レベルα・Vesよりも大きいとき(Vea>α・Ves)、誤差信号e(t)に送話音成分が含まれている、と判断し、上述した送話音検出信号Bとして、“H”レベルの信号を出力する。これとは反対に、送話音レベルVeaがマージン付与後騒音レベルα・Ves以下(Vea≦α・Ves)であるときには、誤差信号e(t)に送話音成分が含まれていない、と判断し、送話音検出信号Bとして、“L”レベルの信号を出力する。このような構成により、周囲の騒音の影響を受け難い的確な送話音成分の検出が実現される。
以上のように、本実施形態によれば、受信信号x(t)に相手方の音声成分が含まれているかどうかを検出する受話音検出回路22と、誤差信号e(t)にこちら側の音声成分が含まれているかどうかを検出する送話音検出回路24と、のそれぞれの検出結果に基づいて、シングルトーク状態およびダブルトーク状態のいずれの状態にあるのかが判定され、この判定結果に基づいて、適応フィルタ回路20のステップサイズμがそれぞれの状態に応じた適切な値に設定される。従って、シングルトーク状態およびダブルトーク状態のいずれの状態にあるのかを検出するのに、音声出力信号と音声入力信号との音量比が逐次算出されると共に、自装置におけるシングルトーク状態の音量比が学習され、さらに今回の音量比がこれまでの学習から予測されるダブルトーク状態に適合するかどうかが比較される、という極めて複雑な処理が施され、この複雑な処理が施された後にようやくそれぞれの状態に応じた制御が行われる、という上述の従来技術に比べて、当該受話音声検出回路22および送話音声検出回路26を含むエコーキャンセラ18全体を簡単かつ安価に構成することができる。
なお、本実施形態で説明したようなインターカム装置10は、特にハウリングを防止するために、図5に示すような音声スイッチ回路100を備えていることがある。この音声スイッチ回路100は、受信信号x(t)を減衰させる受信側減衰実行手段としての受信側アッテネータ回路102と、送信信号としてのマイクロホン14の出力信号y(t)を減衰させる送信側減衰実行手段としての送信側アッテネータ回路104と、を有している。さらに、この音声スイッチ回路100は、受信信号x(t)に相手方からの受話音成分が含まれているかどうかを検出するための受話音検出回路106と、送信信号y(t)にこちら側の送話音成分が含まれているかどうかを検出するための送話音検出回路108と、これら受話音検出回路106および送話音検出回路108のそれぞれによる検出結果に基づいて受信側アッテネータ回路102および送信側アッテネータ回路104のそれぞれを制御する減衰制御手段としてのアッテネータ制御回路110と、を有している。即ち、アッテネータ制御回路110は、受信信号x(t)および送信信号y(t)の一方に音声成分が含まれているときに他方を減衰させるように受信側アッテネータ回路102および送信側アッテネータ回路104のそれぞれを制御する。これにより、音響経路を含む閉路の形成が抑制され、ハウリングが防止される。
このような音声スイッチ回路100が設けられている場合には、当該音声スイッチ回路100を構成する受話音検出回路106および送話音検出回路108を、それぞれ上述した受話音検出回路22および送話音検出回路26として兼用させることができる。また、アッテネータ制御回路110を、上述した判定回路24として兼用させることも可能である。このようにすれば、比較的に小規模な改造で、当該音声スイッチ回路100を備えたインターカム装置10にエコーキャンセラ18を追加することができる。言い換えれば、音声スイッチ回路100とエコーキャンセラ18との両方を備えたインターカム装置10を、容易かつ安価に実現することができる。
本実施形態で説明した内容は、飽くまで、本発明を実現するための一例であり、本発明の範囲を限定するものではない。
例えば、本実施形態においては、インターカム装置10に本発明を適用する場合について説明したが、これに限らない。即ち、相手方からの受話音を再生するためのスピーカと、相手方に送る音声を入力するためのマイクロホンとが、互いに同一の空間に設けられている装置であれば、本発明を適用することができる。特に、近年、街頭での防犯のために、これらスピーカおよびマイクロホンを街路灯に組み合わせたスーパ防犯灯が注目されているが、このスーパ防犯灯にも、本発明を適用することができる。
また、本実施形態においては、シングルトーク状態にあるときに、適応フィルタ回路20のステップサイズμの値を“0.16”とし、ダブルトーク状態にあるときに、当該ステップサイズμの値を“0.05”としたが、これに限らない。即ち、これ以外の値を設定してもよいし、受信信号x(t)および誤差信号e(t)のそれぞれに含まれる音声成分のレベルに従って当該ステップサイズμの値を徐々に(つまり段階的または連続的に)変化させてもよい。そして、ステップサイズμに限らず、適応フィルタ回路20のタップ数Lやそれ以外の要素を変更してもよい。
さらに、受話音検出回路22については、図3に示した構成としたが、これに限らない。例えば、単に適当なスレッショルドレベルを予め設定しておき、このスレッショルドレベルと整流回路220による整流後信号のレベルとを比較することによって、受話信号x(t)に受話音成分が含まれているかどうかを検出するようにしてもよい。
そして、送話音検出回路26についても、同様に、図4以外の構成としてもよい。
本発明の一実施形態の概略構成を示すブロック図である。 図1における各要部の動作を示すタイミングチャートである。 図1における受話音検出回路の詳細を示すブロック図である。 図1における送話音検出回路の詳細を示すブロック図である。 同実施形態を適用するのに好適なインターカム装置の概略構成を示すブロック図である。
符号の説明
10 インターカム装置
12 スピーカ
14 マイクロホン
16 減算回路
18 エコーキャンセラ
20 適応フィルタ回路
22 受話音検出回路
24 判定回路
26 送話音検出回路

Claims (10)

  1. 相手方から受信された受信信号が入力されるスピーカと、該スピーカと同じ空間に設けられ該相手方に送信される送信信号を生成するマイクロホンと、を具備する音声通信装置に用いられ、該スピーカの出力音が該マイクロホンに入力されることによって該送信信号に現れるエコー成分をキャンセルするエコーキャンセラにおいて、
    上記受信信号に基づいて上記エコー成分を模擬した擬似エコー信号を生成する適応フィルタ手段と、
    上記送信信号から上記擬似エコー信号を差し引く減算手段と、
    上記受信信号に上記相手方の発音に従う受信音声成分が含まれているかどうかを検出する受信音声検出手段と、
    上記送信信号に上記マイクロホンへの発音に従う送信音声成分が含まれているかどうかを検出する送信音声検出手段と、
    上記受信音声検出手段および上記送信音声検出手段のそれぞれによる検出結果に基づいてシングルトーク状態であるのかダブルトーク状態であるのかを判定する判定手段と、
    上記判定手段による判定結果に基づいて上記適応フィルタ手段の適応動作を制御する適応制御手段と、
    を具備することを特徴とする、エコーキャンセラ。
  2. 上記適応制御手段は上記適応フィルタ手段の適応動作の応答性に関係する所定要素を制御する、請求項1に記載のエコーキャンセラ。
  3. 上記所定要素は上記適応フィルタ手段のステップサイズを含む、請求項2に記載のエコーキャンセラ。
  4. 上記適応制御手段は、上記判定手段によって上記シングルトーク状態であると判定されたとき上記ステップサイズの値を第1サイズ値とし、該判定手段によって上記ダブルトーク状態であると判定されたとき該ステップサイズの値を該第1サイズ値よりも小さい第2サイズ値とする、請求項3に記載のエコーキャンセラ。
  5. 上記適応制御手段は上記判定手段による判定結果が一定期間にわたって維持されたことを条件として該判定結果に基づく制御を行う、請求項1ないし4のいずれかに記載のエコーキャンセラ。
  6. 上記受信音声検出手段は、上記受信信号のうち上記受信音声成分のレベルを検出する受信音声レベル検出手段と、該受信信号のうち上記相手方における騒音に従う受信騒音成分のレベルを検出する受信騒音レベル検出手段と、該受信音声レベル検出手段および該受信騒音レベル検出手段のそれぞれによる検出結果を互いに比較することによって該受信信号に該受信音声成分が含まれているかどうかを検出する受信側レベル比較手段と、を備える、請求項1ないし5のいずれかに記載のエコーキャンセラ。
  7. 上記受信音声レベル検出手段は、上記受信信号の信号レベルの立ち上がりに対して俊敏に応答し該受信信号の信号レベルの立ち下がりに対して鈍感に応答する受信音声フィルタ手段を備え、
    上記受信騒音レベル検出手段は、上記受信信号の信号レベルの立ち上がりに対して鈍感に応答し該受信信号の信号レベルの立ち下がりに対して俊敏に応答する受信騒音フィルタ手段を備える、
    請求項6に記載のエコーキャンセラ。
  8. 上記送信音声検出手段は、上記送信信号のうち上記送信音声成分のレベルを検出する送信音声レベル検出手段と、該送信信号のうち上記マイクロホンに入力された騒音に従う送信騒音成分のレベルを検出する送信騒音レベル検出手段と、該送信音声レベル検出手段および該送信騒音レベル検出手段のそれぞれによる検出結果を互いに比較することによって該送信信号に該送信音声成分が含まれているかどうかを検出する送信側レベル比較手段と、を備える、請求項1ないし7のいずれかに記載のエコーキャンセラ。
  9. 上記送信音声レベル検出手段は、上記送信信号の信号レベルの立ち上がりに対して俊敏に応答し該送信信号の信号レベルの立ち下がりに対して鈍感に応答する送信音声フィルタ手段を備え、
    上記送信騒音レベル検出手段は、上記送信信号の信号レベルの立ち上がりに対して鈍感に応答し該送信信号の信号レベルの立ち下がりに対して敏感に応答する送信騒音フィルタ手段を備える、
    請求項8に記載のエコーキャンセラ。
  10. 上記受信音声検出手段および上記送信音声検出手段のそれぞれによる検出結果に基づいて上記受信信号および上記送信信号のそれぞれを個々に減衰させる減衰手段をさらに備える、請求項1ないし9のいずれかに記載のエコーキャンセラ。
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