JP2008252211A - デジタルイコライザ - Google Patents
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Abstract
【課題】高音域がプリエンファシスされた入力信号のクリッピングを防止しつつ等化処理を実行する。
【解決手段】デジタルイコライザ1は、アナログ入力信号のプリエンファシスされた高音域成分を減衰させるプリアンプ2と、プリアンプ2の出力信号をデジタル信号に変換するA/D変換器3Dと、A/D変換器3Dからのデジタル信号に等化処理を施す信号処理部4と、信号処理部4の出力信号をアナログオーディオ信号に変換するD/A変換器3Aとを備える。
【選択図】図3
【解決手段】デジタルイコライザ1は、アナログ入力信号のプリエンファシスされた高音域成分を減衰させるプリアンプ2と、プリアンプ2の出力信号をデジタル信号に変換するA/D変換器3Dと、A/D変換器3Dからのデジタル信号に等化処理を施す信号処理部4と、信号処理部4の出力信号をアナログオーディオ信号に変換するD/A変換器3Aとを備える。
【選択図】図3
Description
本発明は、アナログオーディオ信号の周波数特性を補正するデジタルイコライザに関する。
LPレコードなどのアナログディスクの録音はRIAA規格(全米レコード工業会規格)に従って行われている。RIAA規格によれば、アナログディスクに刻まれる音溝の幅の拡がりを防ぐために録音信号の低音域は抑制される。また、アナログディスクから再生されるオーディオ信号に含まれるノイズ成分を抑制するために、録音信号の高音域は予め強調(プリエンファシス)されている。図1は、録音時にオーディオ信号に与えられる周波数特性を概略的に示すグラフである。図1に示される通り、この周波数特性は、3180μ秒(50Hz)〜318μ秒(500Hz)の時定数で示される低域減衰特性を有するとともに、75μ秒(2.12kHz)の時定数で示される高域強調特性を有している。
一方、アナログディスクからオーディオ信号を再生するときには、再生信号に対して図1に示した周波数特性とは逆の特性を与えて当該再生信号を等化しなければならない。図2は、再生時にオーディオ信号に与えられる周波数特性を概略的に示すグラフである。
RIAA規格の他、FM放送の復調処理においてもオーディオ信号の高域成分のノイズレベルが高くなるので、FM送信機においてオーディオ信号の高域成分を強調する処理(プリエンファシス)が行われ、FM受信機において受信信号の高域成分を減衰する処理(ディエンファシス)が行われている。
近年、デジタルイコライザによる等化処理が行われているが、このデジタルイコライザの基本構成は、高音域がプリエンファシスされたアナログオーディオ信号を増幅するプリアンプと、当該プリアンプの出力信号をデジタル信号に変換するA/D変換器と、当該A/D変換器の出力にデジタル信号処理を施すDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)と、当該DSPの出力をアナログ信号に変換するD/A変換器と、からなる。この種のデジタルイコライザに関する従来技術は、たとえば特許文献1(特開平4−248710号公報)に開示されている。
特開平4−248710号公報
一般に、オーディオ信号処理用のA/D変換器のダイナミックレンジ(再現可能な音の振幅)は100dB〜120dBであり制限されている。また、楽音信号のレベルは大きく変動するため、良好な音質のオーディオ信号を得るためには、デジタルイコライザの入力信号レベルを適切な範囲内に設定することが重要である。すなわち、当該入力信号レベルをD/A変換器のダイナミックレンジの上限近くに設定すれば、D/A変換器は、強ピークを持つ入力信号をクリッピングし、D/A変換器の出力波形が著しく歪むことになる。一方、当該入力信号レベルを低いレベルに設定すれば、S/N比の低下を招くという問題がある。入力信号の基準レベルがD/A変換器のダイナミックレンジの上限よりも20dB程度低いレベルであり、80dB〜100dBのS/N比を確保することが良好な楽音再生に必要である。
しかしながら、上述のRIAA規格やFM放送規格に従って1kHz程度の中音域に対して高音域がプリエンファシスされた入力信号については、当該入力信号のクリッピングを防止するために、デジタルイコライザの入力信号レベルを低い値に設定せざるを得ないが、これによりS/N比が低下するという問題がある。
上記に鑑みて本発明の目的は、高音域がプリエンファシスされた入力信号のクリッピングを防止しつつ等化処理を実行し得るデジタルイコライザを提供することである。
上記目的を達成すべく、請求項1記載の発明は、高音域成分がプリエンファシスされたアナログ入力信号の周波数特性を補正するイコライザであって、前記アナログ入力信号の当該プリエンファシスされた高音域成分を減衰させるプリアンプと、前記プリアンプの出力信号をデジタル信号に変換するA/D変換器と、前記A/D変換器からのデジタル信号に等化処理を施す信号処理部と、前記信号処理部の出力信号をアナログオーディオ信号に変換するD/A変換器と、を備えることを特徴とする。
以下、本発明の種々の実施例について説明する。
図3は、本発明の一実施例に係るデジタルイコライザ1の概略構成を示す図である。このデジタルイコライザ1は、プリアンプ2、A/D変換器3D、デジタル信号処理部4およびD/A変換器3Aを有している。プリアンプ2は入力端子10を有し、この入力端子10には外部の信号供給源からアナログ入力信号が供給される。このアナログ入力信号は、図1に示したようなRIAA規格に従った周波数特性を有するものとする。すなわち、アナログ入力信号の周波数特性は、約75μ秒(2.12kHz)の時定数で示される高域強調特性と、約3180μ秒(50Hz)〜318μ秒(500Hz)の時定数で示される低域減衰特性とを有している。なお、本実施例では、アナログ入力信号には、RIAA規格に従った周波数特性が与えられているが、これに限定されず、FM放送規格に従った周波数特性が与えられてもよい。
プリアンプ2は、入力端子10に供給されたアナログ入力信号を増幅し、且つ75μ秒の時定数に対応する高域強調成分を減衰させることで高音域特性を平坦な特性に補正する機能を有している。具体的には、プリアンプ2は、入力端子10と接続された非反転入力端子(+)を持つ演算増幅器12を有している。演算増幅器12の非反転入力端子(+)には、抵抗値R1を持つ抵抗素子11の一端が接続されており、抵抗素子11の他端には基準電位(接地電位)が与えられている。また、演算増幅器12の出力端子と演算増幅器12の反転入力端子(−)との間には、抵抗値R2を持つ抵抗素子13が接続され、この抵抗素子13と並列に静電容量C1を持つキャパシタ14が接続されている。さらに、演算増幅器12の反転入力端子(−)には、抵抗値R3を持つ抵抗素子15の一端が接続されており、この抵抗素子15の他端には基準電位(接地電位)が与えられている。
このような構成を有するプリアンプ2の伝達関数T(s)は次式(1)によって与えられる。
ここで、s=jω(jは虚数単位、ωは角周波数)は、ラプラス変換の変数である。式(1)によれば、プリアンプ2は、直流電圧利得T(s=0)=(R2+R3)/R2を有する。さらにプリアンプ2は、fC1=1/(2πC1R3)の周波数のロールオフ特性を有し、次式(2)で示されるターンオーバー周波数fC2のローパス特性を有する。
ここで、時定数C1R3=75μ秒であるとしたとき、抵抗値R3は、抵抗値R2と比べて非常に大きい(すなわち、R3>>R2)。それゆえ、ターンオーバー周波数fC2は十分高く、実質上無視できるものとなる。この結果、プリアンプ2の出力信号は、75μ秒の時定数で示される高域強調成分が補正された周波数特性を有することとなる。すなわち、プリアンプ2の出力信号は、図4に示されるように高音域が平坦な周波数特性を有する。
したがって、プリアンプ2は、A/D変換器3Dのダイナミックレンジに対して適切なレベルの増幅信号をA/D変換器3Dに供給することができる。このため、A/D変換器3Dがプリアンプ2からの増幅信号をクリッピングすることが防止される。また、信号処理部4は、3180μ秒〜318μ秒の時定数に対応する低域成分のみを強調する等化処理を実行し、75μ秒の時定数で示される高域強調成分を補正する必要がない。このとき、信号処理部4は、クリッピングによる歪んだ波形を含まないデジタル信号に等化処理を施すので、D/A変換器3Aは、2.12kHz以上のノイズ成分が抑圧された高音質のアナログオーディオ信号を供給することができ、高S/N比が可能となる。
今、低域信号V1(周波数1kHz;振幅10mV)と高域信号V2(周波数10kHz;振幅10mV)との混合信号を疑似楽音信号V0(=V1+V2)としてデジタルイコライザ1に与えるものとする。このとき、1Vppの最大入力電圧を持つA/D変換器3Dは、プリアンプ2からの増幅信号をクリッピングすることなくデジタル信号に変換することができる。図5は、A/D変換器3Dへの入力信号の波形を概略的に示すタイミングチャートである。図5に示されている波形のうち、高域信号V2の成分は−12.8dB減衰している。これに対し、図6は、プリアンプ2からキャパシタ14を除いた構成を有する通常のプリアンプの出力波形を概略的に示すタイミングチャートである。この通常のプリアンプは、プリエンファシスされた高域成分を減衰させる特性を持たないため、図6の波形では、高域信号V2が減衰していない。このため、図6の波形に対しては、低域の信号レベルを−5.48dB減じる必要が生じた。これは、雑音電圧レベルが相対的に5.48dB増大することを意味する。
上記の通り、デジタルイコライザ1の構成について説明した。プリアンプ2は、プリエンファシスされた高域成分を減衰させるためのキャパシタ14を有するが、本発明に係るデジタルイコライザの構成はこれに限定されるものではない。プリアンプ2において、キャパシタ14を除去し、演算増幅器12の後段にローパスフィルタを配置すれば、プリエンファシスされた高域成分を減衰させることが可能である。
1 デジタルイコライザ
2 プリアンプ
3D A/D変換器
3A D/A変換器
4 信号処理部
10 入力端子
14 キャパシタ
2 プリアンプ
3D A/D変換器
3A D/A変換器
4 信号処理部
10 入力端子
14 キャパシタ
Claims (5)
- 高音域成分がプリエンファシスされたアナログ入力信号の周波数特性を補正するデジタルイコライザであって、
前記アナログ入力信号の当該プリエンファシスされた高音域成分を減衰させるプリアンプと、
前記プリアンプの出力信号をデジタル信号に変換するA/D変換器と、
前記A/D変換器からのデジタル信号に等化処理を施す信号処理部と、
前記信号処理部の出力信号をアナログオーディオ信号に変換するD/A変換器と、
を備えることを特徴とするデジタルイコライザ。 - 請求項1記載のデジタルイコライザであって、前記信号処理部は、前記A/D変換器からのデジタル信号の低音域成分のみに等化処理を施すことを特徴とするデジタルイコライザ。
- 請求項1または2記載のデジタルイコライザであって、前記プリアンプは、略平坦な高音域特性を有する信号を出力することを特徴とするデジタルイコライザ。
- 請求項1から3のうちのいずれか1項に記載のデジタルイコライザであって、前記アナログ入力信号の高音域成分は、略75μ秒の時定数で示される高域強調特性を有することを特徴とするデジタルイコライザ。
- 請求項1から4のうちのいずれか1項に記載のデジタルイコライザであって、前記プリアンプは、前記アナログ入力信号が供給される入力端子に接続された非反転入力端子を有する演算増幅器と、前記演算増幅器の出力端子と前記演算増幅器の反転入力端子との間に接続されたキャパシタと、前記キャパシタに並列に接続された抵抗素子と、を含むことを特徴とするデジタルイコライザ。
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JPH10307592A (ja) * | 1997-05-08 | 1998-11-17 | Alpine Electron Inc | 車載用オーディオ装置のデータ配信システム |
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JP2003163609A (ja) * | 2001-11-27 | 2003-06-06 | Sharp Corp | デ・エンファシス回路 |
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- 2007-03-29 JP JP2007087553A patent/JP2008252211A/ja active Pending
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