JP2008251310A - 燃料電池モジュール及び燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】集電効率を向上させることが可能な燃料電池モジュール、及び、該燃料電池モジュールを備える燃料電池を提供する。
【解決手段】中空形状の膜電極構造体、該膜電極構造体の内周面側に配設される内部集電体、及び、該膜電極構造体の外周面側に配設される外部集電体を有するチューブ型燃料電池セルと、少なくとも、複数のチューブ型燃料電池セルを収容するケース部材と、を備える燃料電池モジュールにおいて、複数の内部集電体と接触する第1内部集電板及び第2内部集電板がケース部材に収容されるとともに、複数のチューブ型燃料電池セルが、第1内部集電板及び第2内部集電板によって狭持され、第1内部集電板と第2内部集電板とが締結部材によって締結されている、燃料電池モジュールとする。
【選択図】図7

Description

本発明は、中空形状の膜電極接合体を備えるチューブ型燃料電池セルを具備する燃料電池モジュールと、該燃料電池モジュールを備える燃料電池に関する。
燃料電池は、電解質層(以下、「電解質膜」という。)と、電解質膜の両面側にそれぞれ配設される電極(アノード及びカソード)とを備える膜電極接合体(以下、「MEA」という。)で電気化学反応を起こし、当該電気化学反応により発生した電気エネルギーを、MEAの両側にそれぞれ配設される集電体を介して外部に取り出す装置である。燃料電池の中でも、家庭用コージェネレーション・システムや自動車等に使用される固体高分子型燃料電池(以下、「PEFC」という。)は、低温領域での運転が可能という特徴を有している。このPEFCは、高いエネルギー変換効率を示し、起動時間が短く、かつシステムが小型軽量であることから、電気自動車の動力源や携帯用電源として注目されている。
単位体積当たりの発電量を向上させること等を目的として、近年、単セルが柱状のPEFC(以下、「チューブ型PEFC」という。)に関する研究が進められている。チューブ型PEFCのユニットセル(以下、「チューブ型燃料電池セル」又は「チューブ型セル」ということがある。)は、一般に、中空形状の電解質膜と当該電解質膜の内周面側及び外周面側にそれぞれ配設される中空形状の触媒層とを備える中空形状のMEA、を具備する。そして、例えば、当該MEAの内周面側に水素含有ガスを、外周面側に酸素含有ガスをそれぞれ供給することにより電気化学反応を起こし、この電気化学反応により発生した電気エネルギーを、当該MEAの内周面側及び外周面側にそれぞれ配設される集電体を介して外部に取り出す。このように、チューブ型PEFCでは、各チューブ型セルに備えられる中空形状のMEAの内周面側に一方の反応ガス(例えば、水素含有ガス)を、外周面側に他方の反応ガス(例えば、酸素含有ガス)を供給することにより電気エネルギーを取り出すので、隣り合う2つのチューブ型セルの外周面側に供給される反応ガスを同一とすることができる。したがって、チューブ型PEFCによれば、従来の平板型PEFCではガス遮蔽性能をも併せ持っていたセパレータが不要となるため、単位体積当たりの発電量を向上させることが容易になる。
このようなチューブ型PEFCに関する技術として、例えば、特許文献1には、中空電解質膜の内面及び外面に設けられた一対の電極を有するセルモジュールが2個以上集合したセルモジュール集合体であって、2個以上のセルモジュールと、各セルモジュールの内面側に反応ガスを流通させる内面用ガス流路と、各セルモジュールの外面側に反応ガスを流通させる外面用ガス流路とを備え、セルモジュールを挿入可能な貫通孔を所定間隔で設けた隔壁が該内面用ガス流路と該外面用ガス流路との間に配置され、各セルモジュールが該隔壁の貫通孔に挿入されて、該セルモジュールの開放端が内面用ガス流路に接続された基本構造を有し、上記基本構造において、各セルモジュールを挿入した前記隔壁の外面用ガス流路側の領域がポッティング処理されているセルモジュール集合体に関する技術が開示されている。そして、当該技術によれば、セルモジュール集合体を構成する複数のセルモジュールの整列を正確に且つ効率良く行うことができるため、生産性に優れる、としている。
特開2006−216407号公報
しかし、特許文献1に開示されている技術では、集電効率が低く、発電性能を向上させ難いという問題があった。
そこで本発明は、集電効率を向上させることが可能な燃料電池モジュール、及び、該燃料電池モジュールを備える燃料電池を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段をとる。すなわち、
第1の本発明は、中空形状の膜電極構造体、該膜電極構造体の内周面側に配設される内部集電体、及び、該膜電極構造体の外周面側に配設される外部集電体を有するチューブ型燃料電池セルと、少なくとも、複数のチューブ型燃料電池セルを収容するケース部材と、を備える燃料電池モジュールにおいて、複数の内部集電体と接触する第1内部集電板及び第2内部集電板がケース部材に収容されるとともに、複数のチューブ型燃料電池セルが、第1内部集電板及び第2内部集電板によって狭持され、第1内部集電板と第2内部集電板とが、締結部材によって締結されていることを特徴とする、燃料電池モジュールである。
ここに、第1の本発明及び以下に示す本発明(以下、単に「本発明」という。)において、「中空形状の膜電極構造体」は、PEFCで使用可能なプロトン伝導性ポリマーを含有する中空形状の電解質膜と、当該電解質膜の内周面に形成される中空形状の第1触媒層と、当該電解質膜の外周面に形成される中空形状の第2触媒層と、を備える中空形状のMEAを意味する。さらに、本発明において、「該膜電極構造体の内周面側に配設される内部集電体」とは、中空形状のMEAの内周面(より具体的には、中空形状の第1触媒層の内周面。以下同じ。)に拡散層及び/又は撥水層が備えられる場合には、当該拡散層又は撥水層と接触する形態で内部集電体が配設されることを意味する。これに対し、中空形状のMEAの内周面に拡散層及び撥水層が備えられない場合には、第1触媒層の内周面と接触する形態で内部集電体が配設されることを意味する。さらに、本発明において、「該膜電極構造体の外周面側に配設される外部集電体」とは、中空形状のMEAの外周面(より具体的には、中空形状の第2触媒層の外周面。以下同じ。)に拡散層及び/又は撥水層が備えられる場合には、当該拡散層又は撥水層と接触する形態で外部集電体が配設されることを意味する。これに対し、中空形状のMEAの外周面に拡散層及び撥水層が備えられない場合には、第2触媒層の外周面と接触する形態で外部集電体が配設されることを意味する。さらに、本発明において、「複数の内部集電体と接触する第1内部集電板及び第2内部集電板」とは、第1内部集電板及び第2内部集電板のそれぞれと、ケース部材に収容される複数のチューブ型燃料電池セルのそれぞれに備えられる内部集電体とが接触することを意味する。加えて、「締結部材」は、第1内部集電板と第2内部集電板とを締結可能な部材であれば、特に限定されるものではなく、第1内部集電板と第2内部集電板とを締結する際に使用可能な締結部材としては、ボルト及びナットのほか、ネジ等を例示することができる。
上記第1の本発明において、ケース部材に、導電性ケース部材及び絶縁性ケース部材が備えられるとともに、複数のチューブ型燃料電池セルが、導電性ケース部材及び絶縁性ケース部材によって狭持され、導電性ケース部材と絶縁性ケース部材とが、締結部材によって締結されていることが好ましい。
ここに、「締結部材」は、導電性ケース部材と絶縁性ケース部材とを締結可能な部材であれば、特に限定されるものではなく、導電性ケース部材と絶縁性ケース部材とを締結する際に使用可能な締結部材としては、ボルト及びナットのほか、ネジ等を例示することができる。
さらに、導電性ケース部材と絶縁性ケース部材とが締結部材によって締結されている上記第1の本発明において、導電性ケース部材自体に、熱媒体を流通させる流路が備えられることが好ましい。
ここに、「熱媒体」とは、低温始動性を向上させる等の目的で利用され得る温熱媒体と、運転時におけるチューブ型燃料電池セルの温度上昇を抑制する等の目的で利用される冷熱媒体とを含む概念である。温熱媒体の具体例としては温水等を例示することができ、冷熱媒体(以下、「冷媒」ということがある。)の具体例としては冷却水のほか、LLC(「LLC」は株式会社デンソーの登録商標。以下同じ。)等を例示することができる。さらに、「ケース部材自体に、熱媒体を流通させる流路が備えられる」とは、ケース部材自体の内部又は表面に、熱媒体を流通させる流路(以下、「熱媒体流路」ということがある。)が備えられることを意味する。ケース部材自体の内部に熱媒体流路が備えられる形態の具体例としては、ケース部材の表面の一部に熱媒体の流入口及び流出口が備えられ、当該流入口と流出口とを結ぶ流路がケース部材自体の内部に備えられる形態を挙げることができる。これに対し、ケース部材自体の表面に熱媒体流路が備えられる形態の具体例としては、ケース部材の外表面に熱媒体流路が備えられる形態のほか、ケース部材の内表面又は外表面に熱媒体流路としての配管が配設される形態等を挙げることができる。
さらに、導電性ケース部材自体に熱媒体を流通させる流路(以下、「熱媒体流路」ということがある。)が備えられる上記第1の本発明において、流路が、導電性ケース部材の外表面に備えられ、流路が備えられる導電性ケース部材の外表面の周囲に、シール部材が配設されることが好ましい。
第2の本発明は、上記第1の本発明にかかる燃料電池モジュールを複数積層して構成される積層体と、少なくとも該積層体を収容する外部ケース部材とを備えることを特徴とする、燃料電池である。
第1の本発明によれば、第1内部集電板及び第2内部集電板によって複数の内部集電体が狭持され、当該第1内部集電板と第2内部集電板とが締結部材によって締結される。そのため、複数の内部集電体と第1内部集電板及び第2内部集電板との密着性を向上させることができ、集電効率を向上させることができる。したがって、第1の本発明によれば、内部集電体を介した集電効率を向上させることが可能な、燃料電池モジュールを提供できる。
さらに、導電性ケース部材と絶縁性ケース部材とを締結部材によって締結することにより、導電性ケース部材と絶縁性ケース部材とによって狭持される複数のチューブ型燃料電池セルに備えられる外部集電体と、導電性ケース部材との密着性を向上させることができ、集電効率を向上させることができる。したがって、かかる形態とすることにより、内部集電体を介した集電効率のみならず、外部集電体を介した集電効率を向上させることが可能な、燃料電池モジュールを提供できる。
さらに、外部集電体を介した集電効率を向上させた燃料電池モジュールにおいて、導電性ケース部材自体に熱媒体流路が備えられることにより、上記効果に加え、複数のチューブ型燃料電池セルの冷却効率を向上させることが可能な、燃料電池モジュールを提供できる。
さらに、導電性ケース部材自体に熱媒体流路が備えられる燃料電池モジュールにおいて、熱媒体流路が導電性ケース部材の外表面に備えられる形態とすることにより、熱媒体流路を容易に形成することができる。そして、当該熱媒体流路が形成された導電性ケース部材の外表面の周囲にシール部材を配設することにより、熱媒体流路内を流通する熱媒体をシールすることができる。
第2の本発明によれば、第1の本発明にかかる燃料電池モジュールが複数備えられるので、集電効率を向上させることにより、発電性能を向上させることが可能な、燃料電池を提供できる。
図面を参照しつつ、本発明の燃料電池モジュール及び燃料電池について説明する。以下の説明では、チューブ型セルに備えられる中空形状のMEAの外周面側へ酸素含有ガス(以下、「空気」という。)が供給されるとともに、同MEAの内周面側へ水素含有ガス(以下、「水素」という。)が供給され、導電性ケース部材へ冷媒が供給される形態を例示するが、本発明は当該形態に限定されるものではない。チューブ型セルには、中空形状のMEAの外周面側へ水素を供給し、同MEAの内周面側へ空気を供給することも可能であり、寒冷地等で使用される場合には、例えば始動時に、冷媒に代えて温水等の温熱媒体を供給することもできる。
1.燃料電池モジュール
図1は、本発明の燃料電池モジュールの形態例を概略的に示す平面図である。本発明の燃料電池モジュールに備えられる締結部材及び内部集電板の配置形態を容易に理解可能とするため、図1では、締結部材及び内部集電板を適宜透過させて示している。図2は、本発明の燃料電池モジュールの形態例を概略的に示す正面図である。図3は、本発明の燃料電池モジュールの形態例を概略的に示す背面図である。図4は、本発明の燃料電池モジュールの形態例を概略的に示す底面図である。本発明の燃料電池モジュールに備えられる締結部材及び内部集電板の配置形態を容易に理解可能とするため、図4では、締結部材及び内部集電板を適宜透過させて示している。図5は、図1に点線で示した部位を示す拡大図である。本発明の燃料電池モジュールの構造を容易に理解可能とするため、図5では、ケース部材に収容される複数のチューブ型セル、内部集電板、及び、締結部材を適宜透過させて示している。図6は、図1のVI−VI断面を示す拡大図であり、一部を省略して示している。図7は、図5のVII−VII断面を示す拡大図である。図8は、図5のVIII−VIII断面を示す拡大図である。図9は、図5のIX−IX断面を示す拡大図である。図10は、1つの実施形態にかかる本発明の燃料電池モジュールが積層された状態を示す断面図であり、図が煩雑になることを防ぐため、符号を適宜省略して示している。図1〜図6、及び、図10の直線矢印は、重力方向を示しており、図7〜図9では、紙面奥/手前方向が重力方向である。また、図1、図4、及び、図5の破線矢印は、燃料電池モジュールの幅方向を示している。以下、図1〜図10を適宜参照しつつ、本発明の燃料電池モジュールについて説明する。
図1〜図6に示すように、本発明の燃料電池モジュール100は、ケース部材としての導電性ケース部材10及び絶縁性ケース部材20を備え、それぞれ一体に成形された導電性ケース部材10及び絶縁性ケース部材20の両端部には、水素用マニホールド31、32が備えられるとともに、ケース部材の側面には、空気流入口35及び空気流出口36が備えられている。そして、導電性ケース部材10及び絶縁性ケース部材20の幅方向端部には、冷媒用マニホールド33、34が備えられている。燃料電池モジュール100の運転時には、冷媒用マニホールド33を介して冷媒(例えば、LLC等)が供給され、導電性ケース部材10の外表面に形成された冷媒流路37、37、…を流通することによりチューブ型セル50、50、…を冷却した後の冷媒は、冷媒用マニホールド34から排出されて回収される。一方、水素は空気よりも軽いため、重力方向下方側に位置する水素用マニホールド31から供給されて重力方向上方側へと移動し、チューブ型セル50、50、…にて使用されなかった水素は、重力方向上方側に位置する水素用マニホールド32から排出されて回収される。そして、導電性ケース部材10の外表面における、水素用マニホールド31、32、並びに、冷媒用マニホールド33、34、及び、冷媒流路37、37、…の周縁部に、ビードガスケット40、40、…が備えられ、当該ビードガスケット40、40、…は、導電性ケース部材10に加硫接着されている。さらに、導電性ケース部材10と絶縁性ケース部材20とが平面で接触する箇所における、絶縁性ケース部材20側の表面にも、ビードガスケット40、40、…が備えられている(図9参照)。当該構成に加え、燃料電池モジュール100には、締結部材61、61、…、及び、締結部材62、62、…(以下、「低頭ボルト61、61、…」、「低頭ボルト62、62、…」等ということがある。)が備えられる。この低頭ボルト61、61、…により、導電性ケース部材10側に備えられる第1内部集電板56、56と、絶縁性ケース部材20側に備えられる第2内部集電板57、57とが締結される一方、低頭ボルト62、62、…により、導電性ケース部材10と絶縁性ケース部材20とが締結されている。かかる形態の燃料電池モジュール100が積層され、積層方向に圧縮圧力が付与されると、ビードガスケット40、40、…がシール部材として機能する(図10参照)。
図5〜図10に示すように、燃料電池モジュール100のケース部材に収容される複数のチューブ型セル50、50、…は、並列かつ一列に平面配置され、当該チューブ型セル50、50、…が、導電性ケース部材10及び絶縁性ケース部材20によって狭持されている。ここで、導電性ケース部材10は、例えば、所定の形状に成形したアルミニウムのダイキャスト材の表面に金めっきを施すことにより構成され、絶縁性ケース部材20は、絶縁材料であるガラス繊維強化樹脂(FRP)を所定の形状に成形することにより構成されている。
図6〜図10に示すように、導電性ケース部材10及び絶縁性ケース部材20によって狭持されるチューブ型セル50、50、…は、外周面に反応ガス流路54、54、…を備える内部集電体52、52、…と、当該内部集電体52、52、…の外周面に形成される中空形状のMEA51、51、…と、当該MEA51、51、…の外周面へ反応ガスを供給可能な形態で配置される外部集電体53、53、…と、を備える。そして、MEA51、51、…の外周面に配置される外部集電体53、53、…と導電性ケース部材10及び絶縁性ケース部材20とが接触している。さらに、燃料電池モジュール100では、複数の内部集電体52、52、…と接触する第1内部集電板56、56が、導電性ケース部材10側に配置されるとともに、複数の内部集電体52、52、…と接触する第2内部集電板57、57が、絶縁性ケース部材20側に配置され、これら第1内部集電板56、56と第2内部集電板57、57とが低頭ボルト61、61、…によって締結されている。そして、第1内部集電板56、56と導電性ケース部材10との間に絶縁部材58、58が配設されることにより、第1内部集電板56、56と導電性ケース部材10との通電(短絡)が防止されている。ここで、内部集電体52、第1内部集電板56、第2内部集電板57、及び、外部集電体53は、表面に金めっきが施された銅等の導電性材料により構成されている。
図6に示すように、導電性ケース部材10には、接着剤を配置可能な凹部11、11、凹部12、12が備えられるとともに、絶縁性ケース部材20には、接着剤を配置可能な凹部21、21、凹部22、22と、第2内部集電板57、57を配置可能な孔23、23と、が備えられる。そのため、燃料電池モジュール100を組み立てる場合には、まず、凹部21、21、凹部22、22に接着剤を配置するとともに、孔23、23に第2内部集電板57、57を配置した絶縁性ケース部材20の上に、複数のチューブ型セル50、50、…を、複数の内部集電体52、52、…と第2内部集電板57、57とが接触するように、並列かつ一列に平面配置する。次いで、第2内部集電板57、57の上に配置された内部集電体52、52、…の上に、第1内部集電板56、56を配置し、第1内部集電板56、56と第2内部集電板57、57とを低頭ボルト61、61、…によって締結する。次いで、凹部11、11、凹部12、12に接着剤を配置するとともに、第1内部集電板56、56又は内部集電体52、52、…と対向する面に絶縁部材58、58を塗布した導電性ケース部材10を、導電性ケース部材10の凹部11、11、凹部12、12と、絶縁性ケース部材20の凹部21、21、凹部22、22とが対向する形態で配置する。その後、導電性ケース部材10と絶縁性ケース部材20とを、低頭ボルト62、62、…によって締結する等の工程を経ることにより、燃料電池モジュール100を製造することができる。
このように、燃料電池モジュール100では、複数の内部集電体52、52、…を狭持する第1内部集電板56、56と第2内部集電板57、57とが、低頭ボルト61、61、…によって締結される(図7参照)。そのため、複数の内部集電体52、52、…と第1内部集電板56、56、及び、第2内部集電板57、57との密着性を向上させることができる。したがって、燃料電池モジュール100によれば、内部集電体52、52、…、及び、第2内部集電板57、57を介した集電の効率(アノード側の集電効率)を向上させることができ、その結果、発電性能を向上させることが可能になる。加えて、上述のように、燃料電池モジュール100では、導電性ケース部材10と絶縁性ケース部材20とが、低頭ボルト62、62、…によって締結される(図7参照)。そのため、導電性ケース部材10と絶縁性ケース部材20によって狭持される複数の外部集電体53、53、…と導電性ケース部材10との密着性を向上させることができる。したがって、かかる形態とすることで、第2内部集電板57、57、…を介した集電のみならず、外部集電体53、53、…、及び、導電性ケース部材10を介した集電の効率(カソード側の集電効率)を向上させることができるので、より一層発電性能を向上させることが可能な燃料電池モジュール100を提供できる。さらに、燃料電池モジュール100では、低頭ボルト62、62、…によって導電性ケース部材10と絶縁性ケース部材20とが締結されるので、導電性ケース部材10と絶縁性ケース部材20との接合性を向上させることができる。かかる形態とすることで、低頭ボルト62、62、…によって締結されている間は、導電性ケース部材10と絶縁性ケース部材20とが分離する事態を回避できるので、燃料電池モジュール100の信頼性を向上させることができる。
一方、燃料電池モジュール100の運転時には、冷媒用マニホールド33の冷媒流入口33aから冷媒が供給される。冷媒流入口33aから流入した冷媒の一部は、冷媒用マニホールド33を介して、導電性ケース部材10の外表面に形成された冷媒流路37、37、…へと分岐することにより、冷媒流路37、37、…へと流入する。これに対し、冷媒流入口33aから流入した残りの冷媒は、冷媒流出口33bから燃料電池モジュール100の外へと流出し、当該燃料電池モジュール100と隣接して積層される他の燃料電池モジュール100の冷媒流入口から、当該他の燃料電池モジュール内へと流入する。上記工程を経て冷媒用マニホールド33から冷媒流路37、37、…へと流入した冷媒は、冷媒流路37、37、…を流通する間に、外部集電体53、53、…を介して導電性ケース部材10と接触するチューブ型セル50、50、…を冷却することにより、MEA51、51、…を所定の温度(例えば、80℃前後)に維持するために機能する。その後、冷媒流路37、37、…から冷媒用マニホールド34へと流出した冷媒は、隣接する他の燃料電池モジュールから冷媒流入口34aを介して流入してきた冷媒とともに、冷媒流出口34bから燃料電池モジュール100の外へと流出し、回収される。
このように、燃料電池モジュール100によれば、導電性ケース部材10の外表面に形成された、冷媒流路37、37、…を流通する冷媒によって、複数のチューブ型セル50、50、…が冷却される。それゆえ、燃料電池モジュール100に備えられる複数のチューブ型セル50、50、…を同様の条件で冷却することが可能になり、複数のチューブ型セル50、50、…の温度分布の均一化を図ることができる。したがって、本発明によれば、発電性能を向上させることが可能な燃料電池モジュール100を提供できる。
さらに、燃料電池モジュール100によれば、導電性ケース部材10の外表面に形成された冷媒流路37、37、…を冷媒が流通するため、内部集電体52、52、…自体の内部に冷媒流路を形成する必要がない(図6〜図10参照)。それゆえ、円柱状に成形した内部集電体52、52、…の外周面に反応ガス流路54、54、…を形成する等の方法により、例えば、数km程度の長さを有する内部集電体を製造することが可能になり、燃料電池モジュール100に備えられる複数の内部集電体52、52、…を容易に量産化できる。したがって、本発明によれば、量産化を容易にすることで生産性を向上させることが可能な燃料電池モジュール100を提供できる。
加えて、燃料電池モジュール100によれば、複数のチューブ型セル50、50、…が並列かつ一列に平面配置される。そのため、導電性ケース部材10と、第1内部集電板56、56と、複数のチューブ型セル50、50、…と、第2内部集電板57、57と、絶縁性ケース部材20とを、接着剤、低頭ボルト61、61、…、及び、低頭ボルト62、62、…によって密着させることにより、全てのチューブ型セル50、50、…を容易かつ確実にシールすることができる。さらに、後述するように、第2内部集電板57、57の上に複数のチューブ型セル50、50、…を配置するのみで、燃料電池モジュール100に備えられる複数のチューブ型セル50、50、…を位置決めすることができる。さらにまた、複数のチューブ型セル50、50、…が並列かつ一列に平面配置されるので、全てのチューブ型セル50、50、…と導電性ケース部材10とを、外部集電体53、53、…を介して接触させることができ、カソード側の集電を容易に行うことが可能になる。したがって、燃料電池モジュール100によれば、チューブ型セル50、50、…の位置決めが容易になることで製造が容易になるのみならず、チューブ型セル50、50、…のシール性及び集電を容易に行うことができる。
図6に示すように、燃料電池モジュール100の運転時には、重力方向下方側に位置する水素用マニホールド31の水素流入口31aから水素が供給される。水素流入口31aから流入した水素の一部は、複数のチューブ型セル50、50、…の反応ガス流路54、54、…へと分岐することにより、反応ガス流路54、54、…へと流入し、当該反応ガス流路54、54、…からMEA51、51、…の内周面側へ水素が供給される。これに対し、水素流入口31aから流入した残りの水素は、水素流出口31bから燃料電池モジュール100の外へと流出し、当該燃料電池モジュール100と隣接して積層される他の燃料電池モジュール100の水素流入口から、当該他の燃料電池モジュール100の内側へと流入する(図10参照)。上記工程を経てMEA51、51、…の内周面側へと供給された水素は、その後、MEA51、51、…における電気化学反応に使用され、内部集電体52、52、…、及び、第2内部集電板57、57を介して、MEA51、51、…のアノード側の集電がなされる。MEA51、51、…における上記電気化学反応に使用されなかった水素は、その後、重力方向上方側に位置する水素用マニホールド32へと到達する。このようにして水素用マニホールド32へと到達した水素は、隣接する他の燃料電池モジュール100から水素流入口32aを介して流入してきた水素とともに、水素流出口32bから燃料電池モジュール100の外へと流出し、回収される。
すなわち、燃料電池モジュール100では、ケース部材の内側の空間で構成される水素用マニホールド31を介して水素がチューブ型セル50、50、…へと供給され、ケース部材の内側の空間で構成される水素用マニホールド32を介して、水素が燃料電池モジュール100の外へと流出し、回収される。また、燃料電池モジュール100では、冷媒が、ケース部材の内側の空間で構成される冷媒用マニホールド33を介して冷媒流路37、37、…へと供給され、冷媒流路37、37、…を流通することによりチューブ型セル50、50、…を冷却した後の冷媒は、ケース部材の内側の空間で構成される冷媒用マニホールド34を介して、燃料電池モジュール100の外へと流出し、回収される。このように、燃料電池モジュール100は、ケース部材内側の空間によって水素用マニホールド31、32及び冷媒用マニホールド33、34が構成されるので、燃料電池モジュールを構成する部材数の増加を抑制することが可能になり、燃料電池モジュールの小型化を図ることが容易になる。また、主に図5、図6、及び、図8〜図10で示すように、燃料電池モジュール100では、水素用マニホールド31、32、並びに、冷媒用マニホールド33、34、及び、冷媒流路37、37、…の周囲にビードガスケット40、40、…が備えられている。そのため、水素及び冷媒を確実にシールすることができる。さらに、重力方向下方側に位置する水素用マニホールド31は、燃料電池モジュール100から流出する冷媒が流入する冷媒用マニホールド34の側に配置されるので、過冷却状態で供給される水素を、冷媒用マニホールド34を介して流出する冷媒によって暖めることができ、暖められた水素をチューブ型セル50、50、…へと供給することができる。
他方、図2に示すように、燃料電池モジュール100の運転時には、ケース部材の側面に備えられる空気流入口35を介して、MEA51、51、…の外周面側へ空気が供給される。MEA51、51、…の外周面側へと供給された空気は、MEA51、51、…における電気化学反応に使用され、外部集電体53、53、…、及び、導電性ケース部材10を介して、カソード側の集電がなされる。MEA51、51、…における上記電気化学反応に使用されなかった空気は、その後、空気流入口35と反対側の側面に備えられる空気流出口36から燃料電池モジュール100の外へと排出される(図3参照)。
図7に示すように、燃料電池モジュール100に備えられる第1内部集電板56、56、及び、第2内部集電板57、57は、チューブ型セル50、50、…側の面に凹部を備え、当該凹部は、内部集電体52、52、…と対応した形状とされている。それゆえ、絶縁性ケース部材20の孔23、23に配置された第2内部集電板57、57の凹部に、内部集電体52、52、…と第2内部集電板57、57とが接触する形態で並列かつ一列に平面配置することのみによって、チューブ型セル50、50、…の位置決めをすることができるので、かかる形態とすることにより、燃料電池モジュール100を容易に組み立てる(製造する)ことができる。さらに、燃料電池モジュール100の製造時には、第2内部集電板57、57の上に配置されたチューブ型セル50、50、…の上に、内部集電体52、52、…と第1内部集電体56、56の凹部とが接触する形態で、第1内部集電板56、56を配置し、この第1内部集電板56、56と第2内部集電板57、57とを低頭ボルト61、61、…によって締結する。このようにすることで、絶縁性ケース部材20の上に配置された第2内部集電板57、57と、内部集電体52、52、…と、第1内部集電板56、56との密着性を向上させた形態で、これらを位置決めすることができる。
図10に示すように、燃料電池モジュール100、100、…は、アノード側の集電部材として機能する第2内部集電板57、57、…と、カソード側の集電部材として機能する導電性ケース部材10、10、…とが接触する形態で積層される。それゆえ、燃料電池モジュール100によれば、導電部材である第2内部集電板57、57、…、及び、導電性ケース部材10、10、…を介して、複数の燃料電池モジュール100、100、…を電気的に直列に接続することができる。
また、上述のように、燃料電池モジュール100において、導電性ケース部材10は、表面に金めっきが施されたアルミニウムのダイキャスト材からなり、絶縁性ケース部材20はFRPからなる。ここで、アルミニウムのダイキャスト材の線熱膨張係数値は約21×10−6[℃−1]〜約25×10−6[℃−1]であり、絶縁性ケース部材20を構成するFRPの線熱膨張係数値も約21×10−6[℃−1]〜約25×10−6[℃−1]である。すなわち、導電性ケース部材10を構成する材料の線熱膨張係数値と絶縁性ケース部材20を構成する材料の線熱膨張係数値との差の絶対値が5×10−6[℃−1]以下となるため、燃料電池モジュール100によれば、導電性ケース部材10と絶縁性ケース部材20との熱膨張収縮差が小さい。当該熱膨張収縮差が大きいと、導電性ケース部材と絶縁性ケース部材との間に隙間が生じやすくなる等、燃料電池モジュールのケース部材の変形が懸念されるが、燃料電池モジュール100によれば、当該熱膨張収縮差に起因するケース部材の変形を抑制することが可能になる。
さらに、燃料電池モジュール100において、導電性ケース部材10は、表面に金めっきが施されたアルミニウムのダイキャスト材、すなわち、金属からなる。当該金属は良好な剛性を有するので、図10に示すように積層されて積層方向に圧縮圧力が付与された場合であっても、当該圧縮圧力に耐えることができる。
また、本発明の燃料電池モジュール100に関する上記説明では、シール部材としてのビードガスケット40、40、…が導電性ケース部材10に加硫接着されている形態を例示したが、本発明の燃料電池モジュールは当該形態に限定されるものではない。ただし、シール部材が導電性ケース部材に接着固定されている形態とすれば、燃料電池モジュールの組立作業時にシール部材が落下する等の事態を回避することができ、組立作業時の作業性を容易に向上させることができるので好ましい。
本発明の燃料電池モジュール100に関する上記説明では、導電部材により構成される導電性ケース部材10及び絶縁部材により構成される絶縁性ケース部材20が、それぞれ、線熱膨張係数値の近い材料で構成される形態を例示したが、本発明の燃料電池モジュールは、当該形態に限定されるものではない。ただし、導電性ケース部材及び絶縁性ケース部材が、線熱膨張係数値が大きく異なる材料により構成されると、導電性ケース部材の熱膨張収縮量と絶縁性ケース部材の熱膨張収縮量との差が大きくなってケース部材が変形し、冷媒及び/又は水素のシール性等が低下する恐れがある。そこで、冷媒及び/又は水素のシール性を維持する等の観点から、導電性ケース部材及び絶縁性ケース部材は、それぞれ、線熱膨張係数値の近い材料で構成されることが好ましい。
本発明の燃料電池モジュールにおいて、「導電部材」及び「絶縁部材」は、少なくとも−40℃以上120℃以下の温度環境において使用可能であり、かつ、耐水性を有する材料であれば特に限定されるものではないが、平板型のPEFC運転時の単セル内と同等の環境に耐え得る耐食性を有することが好ましい。「導電部材」の具体例としては、アルミニウム、銀、白金、金等に代表される金属等を挙げることができる。「絶縁部材」は、さらに、成形可能なものであれば特に限定されず、その具体例としては、エンジニアリングプラスチック、フェノール樹脂、ガラス繊維強化樹脂等を挙げることができる。
また、本発明の燃料電池モジュールにおいて、内部集電体と接触する第2内部集電板は、絶縁性ケース部材側に備えられ、かつ、複数の燃料電池モジュールが積層された時に隣接する燃料電池モジュールの導電性ケース部材と接触可能な形態で備えられていれば、その形態は特に限定されない。ここで、複数の燃料電池モジュールを積層してスタック形態の燃料電池(以下、「スタック」という。)とする場合、燃料電池モジュール間の接触抵抗を低減するために、スタックの両端側から圧力が加えられる。それゆえ、当該圧力が加えられた状態において、互いに面する第2内部集電板と導電性ケース部材とが接触することにより複数の燃料電池モジュールを電気的に直列に接続可能とする観点から、第2内部集電板は、絶縁性ケース部材からわずかに(例えば、50〜100μm程度)外側へはみ出す形態で備えられることが好ましい。さらに、複数の燃料電池モジュールを電気的に直列に接続可能とする観点からは、上記圧力が加えられた状態の単一の燃料電池モジュール内において、内部集電体と第2内部集電板とが接触した状態に維持されること、すなわち、第2内部集電板が燃料電池モジュールの外側へ脱離しないことが必要とされる。それゆえ、本発明の燃料電池モジュールでは、上記圧力が加えられた状態において、第2内部集電板が絶縁性ケース部材に引っかかる形態で備えられることが好ましい。当該形態は、例えば、燃料電池モジュール100のように、第2内部集電板57、57が配置されるべき絶縁性ケース部材20の箇所に、断面形状T字型の孔23、23を形成するとともに、第2内部集電板57、57の断面形状を上記孔23、23と対応するT字型とした上で、絶縁性ケース部材20の上記孔23、23に第2内部集電板57、57を配置することにより、構成することができる。
また、本発明の燃料電池モジュール100に関する上記説明では、導電性ケース部材10の外表面に形成された冷媒流路37、37、…が備えられる形態を例示したが、本発明の燃料電池モジュールは、当該形態に限定されるものではない。上記形態のほか、例えば、ケース部材(上記形態では、導電性ケース部材)の表面に冷媒流入口及び冷媒流出口が備えられ、冷媒流入口と冷媒流出口とを繋ぐ冷媒流路がケース部材自体の内部に備えられるとともに、当該ケース部材の外表面に、冷媒流路用のシール部材が配設されない形態とすることも可能である。ただし、容易に製造可能なケース部材が備えられる形態とすることにより、容易に製造可能な燃料電池モジュールとする等の観点からは、その外表面に冷媒流路が備えられるとともに、当該冷媒流路の周囲に配設されるシール部材が備えられる形態のケース部材を具備する、燃料電池モジュールとすることが好ましい。
また、本発明の燃料電池モジュール100に関する上記説明では、内部集電体52、52、…の端面が、ケース部材の内側へ収容される形態を例示したが、本発明の燃料電池モジュールは当該形態に限定されず、内部集電体の端面が、ケース部材の側面へ剥き出しとされる形態とすることも可能である。ただし、導電性ケース部材10と内部集電体52、52、…との通電を防止して短絡を防止する等の観点からは、内部集電体の端面がケース部材の内側へ収容される形態とすることが好ましい。
以上のように、本発明の燃料電池モジュールによれば、集電効率を向上させることが可能になるほか、チューブ型セルの位置決めを容易に行うことができ、容易に製造することができる。それゆえ、別の観点から言えば、上記形態の本発明の燃料電池モジュールは、チューブ型燃料電池セルを備える従来の燃料電池モジュールと比較して、容易に分解することができる。したがって、本発明の燃料電池モジュールによれば、修理性・交換性を向上させることも可能になる。
2.燃料電池
図11は、本発明の燃料電池の形態例を示す正面図であり、積層された複数の燃料電池モジュールと、冷媒用配管及び水素用配管と、エンドプレート等の配置を概略的に示している。図11の直線矢印は重力方向を示しており、図11の紙面上下方向が、チューブ型セルに備えられる内部集電体の長手方向である。図12は、本発明の燃料電池の形態例を示す平面図であり、積層された複数の燃料電池モジュールと、冷媒用配管及び水素用配管と、外部ケース部材等の配置を概略的に示している。図12の点線矢印は空気の流れ方向を示している。図12の紙面奥/手前方向が、重力方向であり、かつ、チューブ型セルに備えられる内部集電体の長手方向である。図11及び図12において、図1〜図10と同様の構成を採るものには、図1〜図10にて使用した符号と同符号を付し、その説明を省略する。以下、図1〜図12を参照しつつ、本発明の燃料電池について具体的に説明する。
図11及び図12に示すように、本発明の燃料電池1000は、電気的に直列に接続された複数の燃料電池モジュール100、100、…によって構成される積層体と、マニホールド一体型エンドプレート505(以下、「マニホールド505」という。)及びエンドプレート506と、電極素子601、602と、を備え、マニホールド505には、冷媒用配管501、502、及び、水素用配管503、504が接続されている。そして、複数の燃料電池モジュール100、100、…の積層方向両端側から、圧力付与手段(不図示)によって、燃料電池モジュール間の接触抵抗を低減させ得る圧力が付与されている。
燃料電池1000の運転時には、水素用配管503を介して供給された水素が、マニホールド505を介して、燃料電池モジュール100、100、…の水素流入口31a、31a、…へと供給され、水素流入口31a、31a、…へと供給された水素は、長手方向両端部外周面がむき出しにされた内部集電体52、52、…に備えられる反応ガス流路54、54、…へと分岐する。燃料電池1000において、反応ガス流路54、54、…は水素流路として機能し、反応ガス流路54、54、…へと分岐した水素が、チューブ型セル50、50、…に備えられるMEA51、51、…の内周面へと達する。MEA51、51、…の内周面に備えられる第1触媒層へと達した水素は、当該第1触媒層に含有される触媒の作用下でプロトンと電子に分離する。このようにして生じたプロトンは、各チューブ型セル50、50、…に備えられるプロトン伝導性ポリマーを介して伝導されることにより、MEA51、51、…の外周面側に備えられる第2触媒層へと達する。これに対し、MEA51、51、…の第1触媒層で生じた電子は、MEA51、51、…に備えられる電解質膜を透過することができないため、外部回路を経て上記第2触媒層へと達する。一方、燃料電池1000の運転時には、燃料電池モジュール100、100、…の側面に備えられる空気流入口35、35、…を介して、各チューブ型セル50、50、…の外周面へ空気が供給され、当該空気が、各チューブ型セル50、50、…に備えられるMEA51、51、…の上記第2触媒層へと達する。そして、当該第2触媒層に含有される触媒の作用下で、第2触媒層へと到達した電子及びプロトンと、第2触媒層へと供給された空気に含有される酸素とが反応することにより、水が生成される。なお、第1触媒層における反応に利用されずに残った水素は、反応ガス流路54、54、…、水素流出口32b、32b、…、マニホールド505、及び、水素用配管504を経て回収される。
一方、燃料電池1000の運転時には、プロトンの伝導抵抗や電子抵抗等に起因する熱が発生する。燃料電池1000に備えられるMEA51、51、…に含有されるプロトン伝導性ポリマーは、例えば80℃程度の温度環境下で含水状態に保たれることによりプロトン伝導性能を発現するため、燃料電池1000の運転時には、チューブ型セル50、50、…の過度の温度上昇を防止すべく、冷媒用配管501を介して冷媒が供給される(図11及び図12参照)。冷媒用配管501を介して供給された冷媒は、マニホールド505を介して燃料電池モジュール100、100、…の冷媒流入口33a、33a、…へと供給され、導電性ケース部材10、10、…の外表面に形成された冷媒流路37、37、…を流通して冷媒流出口33b、33b、…から排出された冷媒は、マニホールド505、冷媒用配管502を介して回収される。一方、電極素子601は、電気的に直列に接続された燃料電池モジュール100、100、…の最も外側(図11及び図12の紙面左側)の燃料電池モジュール100に備えられる、導電性ケース部材10と電気的に接続されている。他方、電極素子602は、電極素子601が接続された上記燃料電池モジュール100と反対側の最も外側(図11及び図12の紙面右側)の燃料電池モジュール100に備えられる、第2内部集電板57、57と電気的に接続されている。したがって、燃料電池1000によれば、電極素子601及び電極素子602を介して電気エネルギーを取り出すことができる。
図12に示すように、燃料電池1000は、外部ケース部材700を備え、当該外部ケース部材700に、図11で示した各部材が収容される。外部ケース部材700には、空気を透過可能な開口部701、701、…が備えられ、当該開口部701、701、…を透過した空気が、燃料電池モジュール100、100、…へと供給される。
このように、燃料電池1000には、集電効率や冷却効率を向上させることが可能であるとともに、容易に製造することが可能な燃料電池モジュール100、100、…が備えられている。したがって、本発明によれば、集電効率や冷却効率を向上させることが可能であるとともに、容易に製造することが可能な燃料電池1000を提供できる。
本発明の燃料電池モジュール及び本発明の燃料電池(以下、これらをまとめて単に「本発明」という。)に備えられるチューブ型セル50、50、…は、中空形状の第1触媒層と、PEFCで使用可能なプロトン伝導性ポリマーを含有する中空形状の電解質膜と、中空形状の第2触媒層と、を有する中空形状のMEA51、51、…と、当該MEA51、51、…の内周面側、及び、外周面側にそれぞれ配設される内部集電体52、52、…、及び、外部集電体53、53、…と、を備えていれば、その形態は特に限定されるものではない。
電解質膜に含有されるプロトン伝導性ポリマーの具体例としては、含フッ素高分子を骨格として少なくともスルホン酸基、ホスホン酸基、及びリン酸基のうち一種を有するフッ素系のポリマーや、ポリオレフィンのような炭化水素を骨格とする炭化水素系のポリマー等を挙げることができる。上記フッ素系のポリマーを含有する電解質膜の具体例としては、Nafion(「Nafion」は米国デュポン社の登録商標。)やフレミオン(「フレミオン」は旭硝子株式会社の登録商標)等を挙げることができる。一方、上記炭化水素系のポリマーを含有する電解質膜の具体例としては、セレミオン等(「セレミオン」は旭硝子株式会社の登録商標)を挙げることができる。
第1触媒層及び第2触媒層(以下、これらをまとめて単に「触媒層」ということがある。)は、チューブ型セル50のアノードやカソードで生じる電気化学反応の触媒として機能する物質(触媒)と、当該電気化学反応で生じるプロトンを伝導させ得る物質(プロトン伝導性物質)とを有していれば、その形態は特に限定されるものではない。触媒層に含有される触媒の具体例としては、Ptのほか、Co、Ru、Ir、Au、Ag、Cu、Ni、Fe、Cr、Mn、V、Ti、Mo、Pd、Rh、Wからなる群より選択される1以上の金属とPtとを有するPt合金等を挙げることができる。触媒層に含有されるプロトン伝導性物質の具体例としては、上記電解質膜に含有され得る上記プロトン伝導性ポリマー等を挙げることができる。
内部集電体52及び外部集電体53(以下、これらをまとめて単に「集電体」ということがある。)は、良好な電子伝導性を有する材料(導電性材料)によって構成されることが好ましく、導電性材料の具体例としては、銅、銀、金、白金等の金属を挙げることができる。集電体の構成材料として銅が用いられる場合には、耐酸性を向上させるため、その表面を銀、金、白金等によって被覆することが好ましい。
また、本発明に関する上記説明では、MEA51、51、…の内周面に内部集電体52、52、…が配置されるとともに、同外周面に外部集電体53、53、…が配置された形態のチューブ型セル50、50、…を例示したが、本発明に備えられるチューブ型セルは、当該形態に限定されるものではない。中空形状のMEA51、51、…へ反応ガスを均一に供給可能とする等の観点からは、中空形状のMEA51、51、…の内周面側及び/又は外周面側に、中空形状の拡散層が備えられることが好ましい。本発明で使用されるチューブ型セルに中空形状の拡散層が備えられる場合、当該拡散層は、例えば、カーボンペーパーやカーボンクロス等によって構成することができる。
なお、本発明の燃料電池に関する上記説明では、燃料電池モジュール100、100、…が一列に積層される形態を例示したが、本発明の燃料電池は当該形態に限定されるものではなく、電気的に直列に接続される形態で、2列以上に積層することも可能である。
また、本発明の燃料電池に関する上記説明では、マニホールド一体型エンドプレートが備えられる形態を例示したが、本発明の燃料電池は当該形態に限定されるものではなく、マニホールドとエンドプレートとが別体に構成され、冷媒及び水素が互いに流入・流出可能なように連結される形態のマニホールド及びエンドプレートが備えられる形態とすることも可能である。
本発明の燃料電池モジュールの形態例を概略的に示す平面図である。 本発明の燃料電池モジュールの形態例を概略的に示す正面図である。 本発明の燃料電池モジュールの形態例を概略的に示す背面図である。 本発明の燃料電池モジュールの形態例を概略的に示す底面図である。 図1に点線で示した部位を示す拡大図である。 図1のVI−VI断面を示す拡大図である。 図5のVII−VII断面を示す拡大図である。 図5のVIII−VIII断面を示す拡大図である。 図5のIX−IX断面を示す拡大図である。 本発明の燃料電池モジュールが積層された状態を示す断面図である。 本発明の燃料電池の形態例を示す正面図である。 本発明の燃料電池の形態例を示す平面図である。
符号の説明
10…導電性ケース部材(ケース部材)
11、12…凹部
20…第2ケース部材(ケース部材)
21、22…凹部
23…孔
31、32…水素用マニホールド
31a、32a…水素流入口
31b、32b…水素流出口
33、34…冷媒用マニホールド
33a、34a…冷媒流入口
33b、34b…冷媒流出口
35…空気流入口
36…空気流出口
37…冷媒流路(流路)
40…ビードガスケット(シール部材)
50…チューブ型セル(チューブ型燃料電池セル)
51…MEA
52…内部集電体
53…外部集電体
54…反応ガス流路
56…第1内部集電板(内部集電板)
57…第2内部集電板(内部集電板)
61…低頭ボルト(締結部材)
62…低頭ボルト(締結部材)
100…燃料電池モジュール
501、502…冷媒用配管
503、504…水素用配管
505…マニホールド
506…エンドプレート
601、602…電極素子
700…外部ケース部材
701…開口部
1000…燃料電池

Claims (5)

  1. 中空形状の膜電極構造体、前記膜電極構造体の内周面側に配設される内部集電体、及び、前記膜電極構造体の外周面側に配設される外部集電体を有するチューブ型燃料電池セルと、少なくとも複数の前記チューブ型燃料電池セルを収容するケース部材と、を備える燃料電池モジュールにおいて、
    複数の前記内部集電体と接触する第1内部集電板及び第2内部集電板が、前記ケース部材に収容されるとともに、複数の前記内部集電体が、前記第1内部集電板及び前記第2内部集電板によって狭持され、
    前記第1内部集電板と前記第2内部集電板とが、締結部材によって締結されていることを特徴とする、燃料電池モジュール。
  2. 前記ケース部材に、導電性ケース部材及び絶縁性ケース部材が備えられるとともに、複数の前記チューブ型燃料電池セルが、前記導電性ケース部材及び前記絶縁性ケース部材によって狭持され、
    前記導電性ケース部材と前記絶縁性ケース部材とが、締結部材によって締結されていることを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池モジュール。
  3. 前記導電性ケース部材自体に、熱媒体を流通させる流路が備えられることを特徴とする、請求項2に記載の燃料電池モジュール。
  4. 前記流路が、前記導電性ケース部材の外表面に備えられ、前記流路が備えられる前記導電性ケース部材の前記外表面の周囲に、シール部材が配設されることを特徴とする、請求項3に記載の燃料電池モジュール。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池モジュールを複数積層して構成される積層体と、少なくとも前記積層体を収容する外部ケース部材とを備えることを特徴とする、燃料電池。
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