JP2008251273A - 透明導電膜および透明導電膜の製造方法 - Google Patents

透明導電膜および透明導電膜の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008251273A
JP2008251273A JP2007089180A JP2007089180A JP2008251273A JP 2008251273 A JP2008251273 A JP 2008251273A JP 2007089180 A JP2007089180 A JP 2007089180A JP 2007089180 A JP2007089180 A JP 2007089180A JP 2008251273 A JP2008251273 A JP 2008251273A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
walled carbon
conductive film
transparent conductive
carbon nanotubes
bundle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007089180A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5004338B2 (ja
Inventor
Takahiro Kitano
高広 北野
Masayasu Ogushi
眞康 大串
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP2007089180A priority Critical patent/JP5004338B2/ja
Publication of JP2008251273A publication Critical patent/JP2008251273A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5004338B2 publication Critical patent/JP5004338B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Non-Insulated Conductors (AREA)
  • Manufacturing Of Electric Cables (AREA)

Abstract

【課題】透明性・導電性の高い透明導電膜を提供することである。
【解決手段】単層カーボンナノチューブを有する導電層を持つ透明導電膜であって、前記単層カーボンナノチューブは、導電層において、バンドル状態で存在し、前記バンドルの長さが単一長のものでは無い所定の分布を有するものであり、前記所定の分布はバンドルの長さ0.5μm毎の度数分布における最頻値が1.5μmを越えたものであると共に、1.5μmを越えた長さのバンドルの数が1.5μm以下の長さのバンドルの数よりも多い。
【選択図】図2

Description

本発明は透明導電膜に関する。特に、カーボンナノチューブを用いた透明導電膜に関する。
液晶ディスプレイ等で用いられている透明導電膜は、一般的には、InSn酸化物などの金属酸化物で出来ている。そして、これらの透明導電膜は、基板を加熱しながら真空中でスパッタリング等の方法で成膜されている。従って、これらの方法による成膜には高温が必要であり、耐熱性に乏しい樹脂基板の使用には制約が大きい。更には、成膜に真空雰囲気を要し、基板が大きくなるに伴って巨大な成膜装置が必要となり、成膜コストが高く付く。
このような問題点を解決する為、スパッタリング等の乾式手段に代わって、塗布などの湿式手段に注目が注がれた。特に、カーボンナノチューブ含有溶液を塗布して透明導電膜を形成すると言う湿式手段が注目を浴び出した。例えば、カーボンナノチューブを用いた透明導電膜が特許文献1や特許文献2に開示されている。
さて、特許文献2には、単層カーボンナノチューブを用いた透明導電膜が開示されている。この技術は、基板を加熱すること無く、かつ、大気圧中で透明導電膜を形成できるので、従来のスパッタリング等の成膜方法に比べ、低コストでタクトタイムも短いと言う特長を持っている。しかしながら、上記文献等で開示されているカーボンナノチューブを用いた透明導電膜は、未だ、性能が低く、透明性がより高く、かつ、導電性がより高い透明導電膜が望まれていた。
尚、非特許文献1には、中空糸膜を用いた内圧型循環濾過法によって単層カーボンナノチューブの純度を向上させる方法が開示されている。しかしながら、この報告では、単に、純度を高くするのみに過ぎず、カーボンナノチューブのバンドルの長さを規定する本発明の技術思想は全く認められない。従って、非特許文献1の技術では、本発明が奏する特長が奏されない。
特開平09−115334号公報 特表2004−526838号公報 Appl.Phys.A 67,29−37(1998)A.G.Rinzler等
従って、本発明が解決しようとする課題は、スパッタリング等の乾式手段の場合に起きていた欠点を解決すると共に、従来の湿式手段を用いた場合に起きていた透明性・導電性の一段の向上が図れた透明性・導電性の高い透明導電膜を提供することである。
前記の課題を解決する為の検討を鋭意推し進めて行く中に、本発明者らは、透明導電膜において、バンドルの長さに寄らずに等量のカーボンナノチューブは等量の透過率を有しているにも拘らず、長いバンドルを形成している単層カーボンナノチューブは短いバンドルを形成している単層カーボンナノチューブに比べて導電性の寄与が大きいことを見出した。従って、高い導電性の導電膜を得る為には、短いバンドルを形成している単層カーボンナノチューブを出来るだけ取り除けば良いであろうとの啓示を得るに至った。
本発明は上記知見に基づいてなされたものである。
すなわち、前記の課題は、
単層カーボンナノチューブを有する導電層を持つ透明導電膜であって、
前記単層カーボンナノチューブは、導電層において、バンドル状態で存在し、
そして、1.5μmを越えた長さのバンドルの数が1.5μm以下の長さのバンドルの数よりも多い
ことを特徴とする透明導電膜によって解決される。
又、単層カーボンナノチューブを有する導電層を持つ透明導電膜であって、
前記単層カーボンナノチューブは、導電層において、バンドル状態で存在し、
前記バンドルの長さが単一長のものでは無い所定の分布を有するものであり、
前記所定の分布はバンドルの長さ0.5μm毎の度数分布における最頻値が1.5μmを越えたものである
ことを特徴とする透明導電膜によって解決される。
特に、単層カーボンナノチューブを有する導電層を持つ透明導電膜であって、
前記単層カーボンナノチューブは、導電層において、バンドル状態で存在し、
前記バンドルの長さが単一長のものでは無い所定の分布を有するものであり、
前記所定の分布はバンドルの長さ0.5μm毎の度数分布における最頻値が1.5μmを越えたものであると共に、1.5μmを越えた長さのバンドルの数が1.5μm以下の長さのバンドルの数よりも多い
ことを特徴とする透明導電膜によって解決される。
又、上記の透明導電膜であって、湿式酸化することによって得られた単層カーボンナノチューブが用いられてなることを特徴とする透明導電膜によって解決される。特に、上記の透明導電膜であって、50%以上の硝酸、又は硝酸と硫酸との混酸によって24時間以上還流させる湿式酸化によって得られた単層カーボンナノチューブが用いられてなることを特徴とする透明導電膜によって解決される。更には、上記の透明導電膜であって、アーク放電法によって得られた単層カーボンナノチューブが用いられてなることを特徴とする透明導電膜によって解決される。又、上記の透明導電膜であって、波長532nmのレーザ照射で検出されるラマン強度分布特性において、ラマンシフトが1340±40カイザーである範囲にラマン散乱光の強度に第1の吸収を有すると共に、ラマンシフトが1590±20カイザーである範囲にラマン散乱光の強度に第2の吸収を有し、かつ、0<(前記第1の吸収の強度)/(前記第2の吸収の強度)≦0.03の条件を満たす単層カーボンナノチューブが用いられてなることを特徴とする透明導電膜によって解決される。又、上記の透明導電膜であって、全光線透過率が60%以上で、かつ、表面抵抗値が1000Ω/□以下であることを特徴とする透明導電膜によって解決される。
又、透明導電膜の製造方法であって、
単層カーボンナノチューブを溶媒中にバンドル状態で分散させる分散工程と、
前記分散工程で得られた単層カーボンナノチューブ分散液から長さ1.5μm以下のバンドルを形成している単層カーボンナノチューブを取り除く除去工程と、
前記除去工程で得られた単層カーボンナノチューブ分散液を基材上に設けて透明導電膜を形成する形成工程
とを有することを特徴とする透明導電膜の製造方法によって解決される。
又、透明導電膜の製造方法であって、
単層カーボンナノチューブを湿式酸化する湿式酸化工程と、
前記湿式酸化工程で得られた単層カーボンナノチューブを溶媒中にバンドル状態で分散させる分散工程と、
前記分散工程で得られた単層カーボンナノチューブ分散液から長さ1.5μm以下のバンドルを形成している単層カーボンナノチューブを取り除く除去工程と、
前記除去工程で得られた単層カーボンナノチューブ分散液を基材上に設けて透明導電膜を形成する形成工程
とを有することを特徴とする透明導電膜の製造方法によって解決される。
又、透明導電膜の製造方法であって、
単層カーボンナノチューブを50%以上の硝酸または硝酸と硫酸との混酸によって24時間以上還流させる湿式酸化工程と、
前記湿式酸化工程で得られた単層カーボンナノチューブを溶媒中にバンドル状態で分散させる分散工程と、
前記分散工程で得られた単層カーボンナノチューブ分散液から長さ1.5μm以下のバンドルを形成している単層カーボンナノチューブを取り除く除去工程と、
前記除去工程で得られた単層カーボンナノチューブ分散液を基材上に設けて透明導電膜を形成する形成工程
とを有することを特徴とする透明導電膜の製造方法によって解決される。
又、上記の透明導電膜の製造方法であって、アーク放電法によって粗単層カーボンナノチューブを得る工程を有することを特徴とする透明導電膜の製造方法によって解決される。
又、上記の透明導電膜の製造方法であって、分散工程が、特に、波長532nmのレーザ照射で検出されるラマン強度分布特性において、ラマンシフトが1340±40カイザーである範囲にラマン散乱光の強度に第1の吸収を有すると共に、ラマンシフトが1590±20カイザーである範囲にラマン散乱光の強度に第2の吸収を有し、かつ、0<(前記第1の吸収の強度)/(前記第2の吸収の強度)≦0.03の条件を満たす単層カーボンナノチューブを、溶媒中にバンドル状態で分散させる工程であることを特徴とする透明導電膜の製造方法によって解決される。
又、上記の透明導電膜の製造方法であって、除去工程が、孔径0.1μm以上で1μm以下の中空糸を用いた内圧型循環濾過であることを特徴とする透明導電膜の製造方法によって解決される。
本発明による透明導電膜は、導電層において、単層カーボンナノチューブがバンドル状態で存在し、そして1.5μmを越えた長さのバンドルの数が1.5μm以下の長さのバンドルの数よりも多い(及び/又は、バンドルの長さ0.5μm毎の度数分布における最頻値が1.5μmを越えたものである)ように構成させたので、従来の単層カーボンナノチューブからなる透明導電膜に比べ、透明性と電気伝導性に共に優れたものであり、画像表示装置に用いられる透明電極部材などに好適である。
そして、上記特長を奏する透明導電膜は、単層カーボンナノチューブ分散液を、例えば孔径0.1μm〜1μmの中空糸を用いた内圧型循環濾過によって処理すると言った簡単な操作を施すことで簡単に得られ、その製造コストは低廉である。すなわち、製造方法自体が容易であり、簡単に実施でき、かつ、製造コストの大幅なアップが無い。
本発明の透明導電膜は、単層カーボンナノチューブを有する導電層が透明基材上に設けられた透明導電膜である。単層カーボンナノチューブは、導電層において、バンドル状態で存在する。そして、1.5μmを越えた長さのバンドルの数が1.5μm以下の長さのバンドルの数よりも多いものである。或いは、前記バンドルの長さが単一長のものでは無い所定の分布を有するものであり、その所定の分布はバンドルの長さ0.5μm毎の度数分布における最頻値が1.5μmを越えたものである。単層カーボンナノチューブは、湿式酸化することによって得られた単層カーボンナノチューブである。特に、50%以上の硝酸、又は硝酸と硫酸との混酸によって24時間以上還流させる湿式酸化によって得られた単層カーボンナノチューブである。又、アーク放電法によって得られた単層カーボンナノチューブである。更には、波長532nmのレーザ照射で検出されるラマン強度分布特性において、ラマンシフトが1340±40カイザーである範囲にラマン散乱光の強度に第1の吸収を有すると共に、ラマンシフトが1590±20カイザーである範囲にラマン散乱光の強度に第2の吸収を有し、かつ、0<(前記第1の吸収の強度)/(前記第2の吸収の強度)≦0.03の条件を満たす単層カーボンナノチューブである。単層カーボンナノチューブを有する導電層は、例えば10nm〜1000nmの厚さである。そして、必要に応じて、導電層中には単層カーボンナノチューブの温度による導電性低下を抑制する剤が含まれている。例えば、スルホン酸基を有する高分子が含まれている。或いは、スルホン酸基を有する高分子で単層カーボンナノチューブが保護されている。若しくは、スルホン酸基を有する高分子層で導電層が覆われている。透明導電膜は、全光線透過率が60%以上である。特に、80%以上である。尚、言うまでも無いが、100%未満である。そして、表面抵抗値が1000Ω/□以下である。特に、200Ω/□以下である。尚、言うまでも無いが、0より大きなものである。このような透明導電膜は次の製造方法によって得られる。
本発明の透明導電膜の製造方法は、単層カーボンナノチューブを溶媒中にバンドル状態で分散させる分散工程を有する。又、前記分散工程で得られた単層カーボンナノチューブ分散液から長さ1.5μm以下のバンドルを形成している単層カーボンナノチューブを取り除く(長さ1.5μm以下のバンドルを形成している単層カーボンナノチューブを全て取り除くものでも、一部が取り除かれるものでも良い。)除去工程を有する。そして、前記除去工程で得られた単層カーボンナノチューブ分散液を基材上に設けて透明導電膜を形成する形成工程を有する。尚、好ましくは、分散工程の前において、単層カーボンナノチューブを湿式酸化する湿式酸化工程を有する。特に、単層カーボンナノチューブを50%以上の硝酸または硝酸と硫酸との混酸によって24時間以上還流させる湿式酸化工程を有する。又、好ましくは、アーク放電法によって粗単層カーボンナノチューブを得る工程を有する。上記分散工程は、特に、波長532nmのレーザ照射で検出されるラマン強度分布特性において、ラマンシフトが1340±40カイザーである範囲にラマン散乱光の強度に第1の吸収を有すると共に、ラマンシフトが1590±20カイザーである範囲にラマン散乱光の強度に第2の吸収を有し、かつ、0<(前記第1の吸収の強度)/(前記第2の吸収の強度)≦0.03の条件を満たす単層カーボンナノチューブを、溶媒中にバンドル状態で分散させる工程である。又、上記除去工程は、孔径0.1μm以上で1μm以下の中空糸を用いた内圧型循環濾過工程である。そして、本製造方法の実施によって上記透明導電膜が得られる。
以下、更に詳しく説明する。
透明導電膜を構成する為に用いられる基材(フィルム或いはシート若しくは厚みが前記フィルム・シートより厚い板など)は、透明導電膜に用いられるものであれば良い。例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)、ビニルアルコール樹脂、シクロオレフィン系樹脂、セルロース樹脂などを用いることが出来る。その他にも、無機ガラスなどを用いることも出来る。但し、フレキシブルな特性に優れている有機樹脂製が好ましい。前記基材の表面(導電層が設けられる側の表面および/または導電層が設けられる側とは反対側の裏面)には、必要に応じて、ハードコート層、防汚層、防眩層、反射防止層、粘着層、着色層などが設けられる(積層される)。基材の厚さは、目的によって決まる。但し、一般的には、10μm〜10mm程度の厚さである。
本発明に用いるカーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブである。その理由は、多層カーボンナノチューブやその他の知られている炭素材料に比べて導電性が高いからである。
単層カーボンナノチューブは、導電層(透明導電膜)中において、バンドルを形成していることが必要である。本発明において、バンドルとは、単層カーボンナノチューブが、側壁同士のファンデアワールス力によって、複数本、重なり合っている状態(形状)を意味する。
さて、従来から公知の方法で作成された単層カーボンナノチューブはバンドル状態で得られ、このバンドルの長さは或る分布を持っている。これに対して、本発明に用いる単層カーボンナノチューブは、そのバンドルの長さに或る分布があり、この分布に本発明特有の特徴を持つ。すなわち、長さが1.5μmを越えたバンドルの数が、長さが1.5μm以下のバンドルの数よりも多い。好ましくは、長さが2.0μm以上のバンドルの数が、長さが1.5μm以下のバンドルの数よりも多い。更に好ましくは、長さが2.5μm以上のバンドルの数が、長さが1.5μm以下のバンドルの数よりも多い。或いは、バンドルの長さ0.5μm毎の度数分布(度数分布表または度数分布図)における最頻値が1.5μmを越えたものである。好ましくはバンドルの長さの度数分布における最頻値が2.0μmを越えたものである。更に好ましくはバンドルの長さの度数分布における最頻値が2.5μmを越えたものである。そして、バンドルが上記特徴の分布を持つ場合、透明性・導電性が共に優れたものであった。
バンドルの長さを測定する方法としては、単層カーボンナノチューブを走査型顕微鏡で観察し、その長さを測定する方法が挙げられる。尚、この方法に限定されるものではない。測定するバンドルの本数には格別な制限は無いが、正確な統計値を得る為には、50本以上のバンドルを測定することが好ましい。更には100本以上の測定がより好ましい。バンドルの長さを測定する際、不純物が多い場合は測定が困難となる為、測定可能な程度まで不純物を除去してから測定することが好ましい。又、バンドルが密集した状態では長さの測定は困難である為、バンドル1本ずつが測定できる程度の密度で分散していることが好ましい。
バンドルの長さについての度数分布図(表)の形態には、特に制限は無い。例えば、対称分布、非対称分布、J字型分布、U字型分布、複峰性分布、何れであっても良い。但し、対称分布であることが好ましい。本発明において、最頻値とは、全階級中で最も度数の高い階級の値を意味する。級数の区分けにおいて範囲の設定は0.5μmの区切りで集計する。
本発明に用いる単層カーボンナノチューブは湿式酸化したものであることが好ましい。それは溶媒に対する分散性が向上するからである。湿式酸化であれば格別な制限は無いものの、塩酸、硝酸、硫酸、燐酸などの無機酸、或いはこれ等の混酸が好ましく用いられる。特に、50%以上の硝酸、又は硝酸と硫酸との混酸を用いることが好ましい。硝酸と硫酸との混酸を用いる場合は、水、濃硝酸、濃硫酸の混酸水溶液全体に対する体積比率をa(vol%)、b(vol%)、c(vol%)とすると、式(1),式(2)を満たしたものが特に好ましい。
式(1) 0.20≦{a/(a+b+c)}≦0.40
式(2) 0.20≦{b/(b+c)}≦0.30
湿式酸化の反応条件についても格別な制限はないものの、有効な酸処理を施す為には、反応時間が24時間以上であることが好ましい。更に好ましくは48時間以上である。そして、反応温度は85℃以上であることが好ましい。
本発明に用いる単層カーボンナノチューブの製造方法には格別な制限は無く、公知の方法を用いることが出来る。具体的には、アーク放電法、レーザ蒸発法、化学気相蒸着法などが挙げられる。但し、結晶性や収率の観点から、アーク放電法で得られた単層カーボンナノチューブを用いることが好ましい。
本発明に用いる単層カーボンナノチューブは、その純度が高い方が好ましい。それは、純度が低いと、光透過率が低下するからである。単層カーボンナノチューブの純度はラマンスペクトル測定によって確認できる。具体的には、カーボンナノチューブを構成する主成分であるグラフェンシート由来の吸収強度とそれ以外の炭素材料を表す成分由来の吸収強度との比によってカーボンナノチューブの純度を確認できる。例えば、アーク放電によって作製された単層カーボンナノチューブに波長532nmのレーザを照射して測定した場合、ラマンシフトが1340±40カイザーである範囲にラマン散乱光の強度に第1の吸収を有すると共に、ラマンシフトが1590±20カイザーである範囲にラマン散乱光の強度に第2の吸収を有する。ここで、第1の吸収はグラフェンシート由来の吸収であり、第2の吸収は炭素原子のSP軌道由来の吸収であると謂われている。そして、第1の吸収強度に対して第2の吸収強度が小さい方が、カーボンナノチューブの純度は高い。そして、本発明における単層カーボンナノチューブは次のような条件を満たすものであることが好ましい。すなわち、波長532nmのレーザを照射して検出されるラマン強度分布特性において、ラマンシフトが1340±40カイザーである範囲にラマン散乱光の強度に第1の吸収を有すると共に、ラマンシフトが1590±20カイザーである範囲にラマン散乱光の強度に第2の吸収を有し、前記第1の吸収の強度をID、前記第2の吸収の強度をIGとした場合、式(3)を満たしたものが好ましい。特に、式(4)を満たしたものが好ましい。すなわち、ID/IGの値が0.03以下の場合は純度が高く、透明性・導電性が共に優れたものであった。
式(3) 0<ID/IG≦0.03
式(4) 0<ID/IG≦0.02
本発明の透明導電膜は下記の工程を経て得られる。
工程1 単層カーボンナノチューブを溶媒中にバンドル状態で分散させる工程;
工程2 工程1によって得られた単層カーボンナノチューブ分散液から長さ1.5μm以下のバンドルを形成している単層カーボンナノチューブを取り除く工程;
工程3 工程2で得られた単層カーボンナノチューブ分散液を用いて基材上に透明導電膜を形成する工程;
ここで、工程1は、単層カーボンナノチューブを溶媒中にバンドル状態で分散させる工程である。
工程1で用いる単層カーボンナノチューブは純度が高いほうが好ましい。具体的には、単層カーボンナノチューブが波長532nmのレーザを照射して検出されるラマン強度分布特性において、ラマンシフトが1340±40カイザーである範囲にラマン散乱光の強度に第1の吸収を有すると共に、ラマンシフトが1590±20カイザーである範囲にラマン散乱光の強度に第2の吸収を有し、前記第1の吸収強度をID、前記第2の吸収強度をIGとした場合、上記式(3)を満たす単層カーボンナノチューブである。より好ましくは上記式(4)を満たす単層カーボンナノチューブである。
単層カーボンナノチューブを溶媒中に分散させる方法としては、溶媒中で界面活性剤と共に超音波照射する方法や、溶媒中でアルキルアミンまたはピレン類縁体と共に超音波照射する方法が挙げられる。本発明において分散方法に格別な制限は無いが、界面活性剤を用いる分散方法を用いることが好ましい。それは、界面活性剤を用いる分散方法は、単層カーボンナノチューブをバンドル状態で分散させることが出来るからである。尚、アルキルアミンまたはピレン類縁体を用いる方法は、単層カーボンナノチューブを1本ずつ独立した状態で分散させることが多い。本発明に用いる界面活性剤に格別な制限は無いが、ノニオン系あるいはアニオン系界面活性剤が好ましい。具体的には、ポリエチレングリコールモノオクチルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールモノノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールモノドデシルフェニルエーテル、オクチルベンゼンスルホン酸塩、ノニルベンゼンスルホン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、モノイソプロピルナフタレンスルホン酸塩、ジイソプロピルナフタレンスルホン酸塩、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸塩、ジブチルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、コール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、グリココール酸ナトリウム、セチルトリメチルアンモニウムブロミド等が挙げられる。中でもドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムやポリエチレングリコールモノオクチルフェニルエーテルは分散性の観点から特に好ましいものである。
アルキルアミンの具体例としては、イソプロピルアミン、N−メチル−プロピルアミン、1−メチルプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、1−オクチルアミン、1−ドデシルアミン、1−オクタデシルアミン、アニリン、ジプロピルアミン、ピペリジン、1−メチルピペリジン、トリプロピルアミン、ピリジン、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。中でも、1級アミンが特に好ましく、例えば1−オクチルアミン、イソプロピルアミン等がより好ましい。ピレン類縁体としては、ピレンアンモニウムブロマイド、ピレン基を側鎖に有するポリマー等が挙げられる。
超音波を照射する方法としては公知の方法であれば格別な制限は無い。例えば、バス型超音波照射機やチップ型超音波照射機を用いることが出来る。より短時間で処理する観点から、チップ型超音波照射機を用いることが好ましい。
上記工程2は、上記工程1によって得られた単層カーボンナノチューブ分散液から長さ1.5μm以下のバンドルを形成している単層カーボンナノチューブを取り除く工程である。具体的には濾過法による分離(除去)が好ましい。濾過法としては公知の濾過法が用いられる。例えば、吸引濾過や加圧濾過、クロスフロー濾過などを用いることが出来る。中でも、スケールアップの観点から、中空糸膜を用いたクロスフロー濾過が好ましい。特に、中空糸膜を用いた内圧型循環濾過法がより好ましい。中空糸膜を用いる場合は、孔径が0.1μm以上1μm以下のものが好ましい。特に、0.2μm以上0.5μm以下のものが好ましい。これは、孔径0.1μm未満の中空糸を用いた場合は、短いバンドルを排出できない恐れが有り、1μmを越えた孔径のものではバンドルによって孔が塞がれ、濾過できない恐れが有るからによる。
本発明の透明導電膜の製造に際しては上記工程1の前に下記工程0が行われることが好ましい。それは、工程0を経ることによって、溶媒に対する分散性が向上するからである。
工程0 単層カーボンナノチューブを湿式酸化する工程;
湿式酸化には格別な制限は無い。しかしながら、塩酸、硝酸、硫酸、燐酸などの無機酸、又はこれ等の混酸を用いた湿式酸化が好ましい。特に、50%以上の硝酸、又は硝酸と硫酸との混酸を用いた湿式酸化が好ましい。硝酸と硫酸との混酸を用いる場合は、水、濃硝酸、濃硫酸の混酸水溶液全体に対する体積比率をa(vol%),b(vol%),c(vol%)とすると、上記式(1),式(2)を満たしたものが特に好ましい。湿式酸化の反応条件についても格別な制限はないものの、有効な酸処理を施す為には、反応時間が24時間以上であることが好ましい。更に好ましくは48時間以上である。そして、反応温度は85℃以上であることが好ましい。
本発明の透明導電膜の製造に際しては上記工程0の前に下記工程−1が行われることが好ましい。
工程−1 アーク放電法によって粗単層カーボンナノチューブを得る工程;
単層カーボンナノチューブの製造方法には格別な制限は無く、公知の方法を用いることが出来る。例えば、アーク放電法、レーザ蒸発法、化学気相蒸着法が挙げられる。しかしながら、結晶性や収率の観点から、アーク放電法で得られた単層カーボンナノチューブを用いることが好ましい。
上記製造方法によって上記特長の透明導電膜が得られる。特に、上記工程2を繰り返すことによって、短いバンドルを形成している単層カーボンナノチューブが除かれ、全光線透過率が向上し、かつ、表面電気抵抗が小さくなる。例えば、全光線透過率が60%以上であり、かつ、表面抵抗値が1000Ω/□以下のものが得られる。そして、上記工程2を複数回繰り返すことによって、短いバンドルを形成している単層カーボンナノチューブは、一層、除かれ、全光線透過率が70%以上、更には80%以上、かつ、表面抵抗値が500Ω/□以下、更には200Ω/□以下のものが得られる。尚、本発明における全光線透過率は単層カーボンナノチューブを含む導電層のみならず基材を含めた全光線透過率である。
そして、上記した特長の透明導電膜は、タッチパネル用電極基板、電子ペーパーの電極基板、液晶ディスプレイの電極基板、プラズマディスプレイの電極基板等に利用できる。
以下、具体的な実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明が下記の実施例に限定されるものでないことは当然のことである。
[実施例1]
[工程(1)]
アーク放電法によって作成された単層カーボンナノチューブを63%硝酸にて85℃で2日間反応(湿式酸化)させた後、濾過によって単層カーボンナノチューブを精製、回収した。
この精製単層カーボンナノチューブの走査型電子顕微鏡写真を図1に、単層カーボンナノチューブのバンドルの長さの測定結果を図2に示す。
図2の0.5μm毎の度数分布より、最頻値は0.5μmから1.0μmまでの範囲に在ることが判る。そして、バンドルの長さが1.5μmを越えた単層カーボンナノチューブのバンドルの数の全体に占める割合は19%であり、バンドルの長さが1.5μm以下である単層カーボンナノチューブのバンドルの数の全体に占める割合は81%である。すなわち、バンドルの長さが1.5μm以下である単層カーボンナノチューブのバンドルの数は、バンドルの長さが1.5μmを越えた単層カーボンナノチューブのバンドルの数より多いことが判る。
又、得られた単層カーボンナノチューブのラマン測定を行った(波長532nm、装置名:HoloLab5000 株式会社島津製作所製)処、ID=1161(1343cm−1)、IG=51280(1592cm−1)であり、ID/IGは0.023(図3参照)であった。
[工程(2)]
次に、上記特徴の単層カーボンナノチューブ20mg、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(東京化成工業社製)500mg、0.05Mの水酸化ナトリウム水溶液100gを混合し、1分間超音波照射し(装置名ULTRASONIC HOMOGENIZER MODEL UH−600SR、エスエムテー社製)、単層カーボンナノチューブ分散液を得た。
[工程(3)]
そして、この単層カーボンナノチューブ分散液を中空糸膜(孔径200nm、膜面積105cm(SPECTRUM社製))にて循環濾過に供した。
[工程(4)]
この後、分散液を0.5wt%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを添加した0.05Mの水酸化ナトリウム水溶液500mlで洗浄し、短いバンドルの単層カーボンナノチューブを除去した。
このようにして得られた単層カーボンナノチューブ分散液の走査型電子顕微鏡写真を図4に、単層カーボンナノチューブのバンドルの長さの測定結果を図2に示す。
図2の度数分布表より最頻値は1.5μm〜2.0μmの範囲に在ることが判る。そして、バンドルの長さが1.5μmを越えた単層カーボンナノチューブのバンドルの数の全体に占める割合は66%であり、バンドルの長さが1.5μm以下のカーボンナノチューブのバンドルの数の全体に占める割合は34%である。すなわち、バンドルの長さが1.5μm以下のカーボンナノチューブのバンドルの数が、バンドルの長さが1.5μmを越えたカーボンナノチューブのバンドルの数より少ないことが判る。
次に、上記特徴の単層カーボンナノチューブ分散液をPETフィルム(商品名コスモシャインA4100 東洋紡社製)上にスプレーコートした後、メタノールによってドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを除去し、透明導電膜を得た。
[比較例1]
実施例1において、中空糸膜による循環濾過の工程(3)を行わなかった以外は同様に行い、透明導電膜を得た。
[特性]
上記実施例1及び比較例1で得た透明導電膜の全光線透過率(装置名 直読ヘーズコンピュータ、スガ試験機社製)、表面抵抗率(装置名 ロレスタ−FP、ダイアインスツルメンツ社製)を測定したので、その結果を表−1に示す。
表−1
全光線透過率(%) 表面抵抗率(Ω/□)
実施例1 80.3 197
比較例1 76.1 440
これによれば、本発明になる透明導電膜は、透明性および電気伝導性が共に優れたものであることが判る。
[実施例2]
実施例1において、中空糸膜を孔径500nmで膜面積80cm(SPECTRUM社製)の中空糸膜に代えた以外は実施例1と同様に行った。
このようにして得られた単層カーボンナノチューブ分散液の走査型電子顕微鏡写真を図5に、単層カーボンナノチューブのバンドルの長さの測定結果を図6に示す。これによれば、本実施例で得られた単層カーボンナノチューブのバンドルの長さの最頻値は2.0μm〜2.5μmの範囲に在ることが判る。又、バンドルの長さが1.5μmを越えた単層カーボンナノチューブのバンドルの数の全体に占める割合は69%であり、バンドルの長さが1.5μm以下の単層カーボンナノチューブのバンドルの数の全体に占める割合は31%であった。そして、バンドルの長さが1.5μm以下の単層カーボンナノチューブのバンドルの数が、バンドルの長さが1.5μmを越えた単層カーボンナノチューブのバンドルの数より少ないことが判った。
次に、本実施例の透明導電膜について、直読ヘーズコンピュータ(スガ試験機社製)で調べた全光線透過率は70.5%であり、ロレスタ−FP(ダイアインスツルメンツ社製)で調べた表面抵抗率は50Ω/□であった。
[実施例3]
アーク放電法によって作製された単層カーボンナノチューブの代わりに化学気相蒸着法によって作製された単層カーボンナノチューブを用いた以外は実施例1と同様に行い、透明導電膜を得た。
このようにして得られた単層カーボンナノチューブ分散液の走査型電子顕微鏡写真を図7に、単層カーボンナノチューブのバンドルの長さの測定結果を図8に示す。これによれば、本実施例で得られた単層カーボンナノチューブのバンドルの長さの最頻値は0.5μm〜1.0μmの範囲に在ることが判る。しかしながら、バンドルの長さが1.5μmを越えた単層カーボンナノチューブのバンドルの数の全体に占める割合は61%であり、バンドルの長さが1.5μm以下のカーボンナノチューブのバンドルの数の全体に占める割合は39%であった。すなわち、バンドルの長さが1.5μm以下の単層カーボンナノチューブのバンドルの数が、バンドルの長さが1.5μmを越えた単層カーボンナノチューブのバンドルの数より少ないことが判った。
又、得られた単層カーボンナノチューブのラマン測定を行ったところ、ID=1365(1345cm−1)、IG=47069(1594cm−1)であり、ID/IGは0.029であった。
次に、本実施例の透明導電膜について、直読ヘーズコンピュータ(スガ試験機社製)で調べた全光線透過率は65%であり、ロレスタ−FP(ダイアインスツルメンツ社製)で調べた表面抵抗率は360Ω/□であった。
[実施例4]
実施例1において、湿式酸化で用いた63%硝酸の代わりに、水(20体積%)、69%硝酸(20体積%)と97%硫酸(60体積%)の混酸を用いて湿式酸化した以外は同様に行い、透明導電膜を得た。
このようにして得られた単層カーボンナノチューブ分散液の走査型電子顕微鏡写真を図9に、単層カーボンナノチューブのバンドルの長さの測定結果を図10に示す。これによれば、本実施例で得られた単層カーボンナノチューブのバンドルの長さの最頻値は1.5μm〜2.0μmの範囲に在ることが判る。又、バンドルの長さが1.5μmを越えた単層カーボンナノチューブのバンドルの数の全体に占める割合は70%であり、バンドルの長さが1.5μm以下のカーボンナノチューブのバンドルの数の全体に占める割合は30%であった。そして、バンドルの長さが1.5μm以下の単層カーボンナノチューブのバンドルの数が、バンドルの長さが1.5μmを越えた単層カーボンナノチューブのバンドルの数より少ないことが判った。
又、得られた単層カーボンナノチューブのラマン測定を行ったところ、ID=1032(1345cm−1)、IG=86000(1592cm−1)であり、ID/IGは0.012であった。
次に、本実施例の透明導電膜について、直読ヘーズコンピュータ(スガ試験機社製)で調べた全光線透過率は81.0%であり、ロレスタ−FP(ダイアインスツルメンツ社製)で調べた表面抵抗率は180Ω/□であった。
工程2前の単層カーボンナノチューブの走査型電子顕微鏡写真 工程2前・後の単層カーボンナノチューブのバンドルの長さに対する度数分布図 単層カーボンナノチューブのラマン測定図 工程2後の単層カーボンナノチューブの走査型電子顕微鏡写真 実施例2の単層カーボンナノチューブの走査型電子顕微鏡写真 実施例2の工程2後の単層カーボンナノチューブのバンドルの長さに対する度数分布図 実施例3の単層カーボンナノチューブの走査型電子顕微鏡写真 実施例3の工程2後の単層カーボンナノチューブのバンドルの長さに対する度数分布図 実施例4の単層カーボンナノチューブの走査型電子顕微鏡写真 実施例4の工程2後の単層カーボンナノチューブのバンドルの長さに対する度数分布図 特許出願人 株式会社クラレ 代 理 人 宇 高 克 己

Claims (13)

  1. 単層カーボンナノチューブを有する導電層を持つ透明導電膜であって、
    前記単層カーボンナノチューブは、導電層において、バンドル状態で存在し、
    そして、1.5μmを越えた長さのバンドルの数が1.5μm以下の長さのバンドルの数よりも多い
    ことを特徴とする透明導電膜。
  2. 単層カーボンナノチューブを有する導電層を持つ透明導電膜であって、
    前記単層カーボンナノチューブは、導電層において、バンドル状態で存在し、
    前記バンドルの長さが単一長のものでは無い所定の分布を有するものであり、
    前記所定の分布はバンドルの長さ0.5μm毎の度数分布における最頻値が1.5μmを越えたものである
    ことを特徴とする透明導電膜。
  3. 湿式酸化することによって得られた単層カーボンナノチューブが用いられてなる
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2の透明導電膜。
  4. 50%以上の硝酸、又は硝酸と硫酸との混酸によって24時間以上還流させる湿式酸化によって得られた単層カーボンナノチューブが用いられてなる
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3いずれかの透明導電膜。
  5. アーク放電法によって得られた単層カーボンナノチューブが用いられてなる
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4いずれかの透明導電膜。
  6. 波長532nmのレーザ照射で検出されるラマン強度分布特性において、ラマンシフトが1340±40カイザーである範囲にラマン散乱光の強度に第1の吸収を有すると共に、ラマンシフトが1590±20カイザーである範囲にラマン散乱光の強度に第2の吸収を有し、かつ、0<(前記第1の吸収の強度)/(前記第2の吸収の強度)≦0.03の条件を満たす単層カーボンナノチューブが用いられてなる
    ことを特徴とする請求項1〜請求項5いずれかの透明導電膜。
  7. 全光線透過率が60%以上で、かつ、表面抵抗値が1000Ω/□以下である
    ことを特徴とする請求項1〜請求項6いずれかの透明導電膜。
  8. 透明導電膜の製造方法であって、
    単層カーボンナノチューブを溶媒中にバンドル状態で分散させる分散工程と、
    前記分散工程で得られた単層カーボンナノチューブ分散液から長さ1.5μm以下のバンドルを形成している単層カーボンナノチューブを取り除く除去工程と、
    前記除去工程で得られた単層カーボンナノチューブ分散液を基材上に設けて透明導電膜を形成する形成工程
    とを有することを特徴とする透明導電膜の製造方法。
  9. 分散工程に先立って単層カーボンナノチューブを湿式酸化する湿式酸化工程を有する
    ことを特徴とする請求項8の透明導電膜の製造方法。
  10. 分散工程に先立って単層カーボンナノチューブを50%以上の硝酸または硝酸と硫酸との混酸によって24時間以上還流させる湿式酸化工程を有する
    ことを特徴とする請求項8の透明導電膜の製造方法。
  11. 湿式酸化工程に先立ってアーク放電法によって粗単層カーボンナノチューブを得る工程を有する
    ことを特徴とする請求項8〜請求項10いずれかの透明導電膜の製造方法。
  12. 分散工程は、
    波長532nmのレーザ照射で検出されるラマン強度分布特性において、ラマンシフトが1340±40カイザーである範囲にラマン散乱光の強度に第1の吸収を有すると共に、ラマンシフトが1590±20カイザーである範囲にラマン散乱光の強度に第2の吸収を有し、かつ、0<(前記第1の吸収の強度)/(前記第2の吸収の強度)≦0.03の条件を満たす単層カーボンナノチューブを、溶媒中にバンドル状態で分散させる工程である
    ことを特徴とする請求項8〜請求項10いずれかの透明導電膜の製造方法。
  13. 除去工程は、
    孔径0.1μm以上で1μm以下の中空糸を用いた内圧型循環濾過である
    ことを特徴とする請求項8の透明導電膜の製造方法。
JP2007089180A 2007-03-29 2007-03-29 透明導電膜および透明導電膜の製造方法 Expired - Fee Related JP5004338B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007089180A JP5004338B2 (ja) 2007-03-29 2007-03-29 透明導電膜および透明導電膜の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007089180A JP5004338B2 (ja) 2007-03-29 2007-03-29 透明導電膜および透明導電膜の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008251273A true JP2008251273A (ja) 2008-10-16
JP5004338B2 JP5004338B2 (ja) 2012-08-22

Family

ID=39975992

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007089180A Expired - Fee Related JP5004338B2 (ja) 2007-03-29 2007-03-29 透明導電膜および透明導電膜の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5004338B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5150630B2 (ja) * 2007-07-10 2013-02-20 独立行政法人科学技術振興機構 透明導電性薄膜の製造方法
JP2013053241A (ja) * 2011-09-05 2013-03-21 Kuraray Co Ltd 積層体
US9922745B2 (en) 2013-02-28 2018-03-20 Toray Industries, Inc. Aggregate of carbon nanotubes, and production method therefor

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007217684A (ja) * 2006-01-20 2007-08-30 Ezaki Glico Co Ltd 導電性コーティング用水性組成物

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007217684A (ja) * 2006-01-20 2007-08-30 Ezaki Glico Co Ltd 導電性コーティング用水性組成物

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5150630B2 (ja) * 2007-07-10 2013-02-20 独立行政法人科学技術振興機構 透明導電性薄膜の製造方法
JP2013053241A (ja) * 2011-09-05 2013-03-21 Kuraray Co Ltd 積層体
US9922745B2 (en) 2013-02-28 2018-03-20 Toray Industries, Inc. Aggregate of carbon nanotubes, and production method therefor

Also Published As

Publication number Publication date
JP5004338B2 (ja) 2012-08-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5320287B2 (ja) 透明導電膜および透明導電膜の製造方法
JP5430397B2 (ja) 単層カーボンナノチューブ分散液、及び単層カーボンナノチューブ分散液の製造方法
Tiwari et al. Evolution of graphene oxide and graphene: from imagination to industrialization
Urade et al. Graphene properties, synthesis and applications: a review
US20200190271A1 (en) Method for making a pva-graphene film
Kim et al. Raman and IR spectroscopy of chemically processed single-walled carbon nanotubes
JP5611050B2 (ja) 金属性カーボンナノチューブの製造方法、カーボンナノチューブ分散液、カーボンナノチューブ含有膜、及び透明導電膜
Vlassiouk et al. Strong and electrically conductive graphene-based composite fibers and laminates
CN103403900B (zh) 热电转换材料和使用该材料的挠性热电转换元件
De et al. Flexible, transparent, conducting films of randomly stacked graphene from surfactant‐stabilized, oxide‐free graphene dispersions
Afzal et al. Perspectives of polystyrene composite with fullerene, carbon black, graphene, and carbon nanotube: a review
TW201631117A (zh) 熱傳導板片及其製造方法
US20140183158A1 (en) Method for improving anisotropy of carbon nanotube film and method for making touch panel
Ahmad et al. Perspectives on polyvinyl chloride and carbon nanofiller composite: a review
JP5004338B2 (ja) 透明導電膜および透明導電膜の製造方法
Ran et al. Liquid metal assisted fabrication of MXene-based films: Toward superior electromagnetic interference shielding and thermal management
JP5519497B2 (ja) タッチパネル
KR101534298B1 (ko) 전자파 차폐필름용 조성물, 이를 이용한 전자파 차폐필름의 제조방법 및 이에 의하여 제조된 전자파 차폐필름
JP5326297B2 (ja) カーボンナノチューブ分散溶液
Humbe et al. Quantification of pre-and post-air plasma-treated graphene oxide dispersed polymer blends for high dielectric applications
Jung et al. Transparent conductive thin films based on chemically assembled single-walled carbon nanotubes
Al-Tikrity et al. Study of electrical properties of a reduced graphene-oxadiazole-2-thiol (rGS) PVA polymer composite
KR20150076633A (ko) 탄소-메탈 복합체의 제조방법
JP2014063574A (ja) 導電性パターンの形成方法、および透明導電性フィルム
JP2009282865A (ja) タッチパネル用透明電極基板、及びタッチパネル

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091005

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111207

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120203

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120229

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120416

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120509

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120521

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150601

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees