以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図中同一符号は同一または相当する部材を示し、重複する説明は繰返さない。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施の形態における情報閲覧装置の機能の概略を示す機能ブロック図である。図1を参照して、情報閲覧装置100は、情報を記憶するための情報記憶部101と、情報記憶部101に記憶されている情報の中からユーザに提示するための情報を選択するための選択部102と、選択部102により選択されている情報を出力するための出力部103と、情報記憶部101に記憶されている情報のうち一部あるいは全部の各々に対して、選択部102で選択されている情報との関連度を算出するための関連度算出部104と、選択部102で選択している情報を別の情報に切替えることを選択部102に指示するための切替部105とを含む。
情報記憶部101、選択部102、出力部103、関連情報算出部104および切替部105は、それぞれが直接接続されていてもよいし、電話回線または無線を利用したローカルエリアネットワーク(LAN)またはインターネット等のネットワークで接続されていてもよい。
情報記憶部101は、その記憶保持が一時的か、または継続的かを問わず、その用途に応じて適宜選択可能であるとともに、情報閲覧装置100に内蔵される内臓型であってもよく、情報閲覧装置100の外部に備えられる外付型、または、情報閲覧装置100に着脱自在の脱着型であってもよい。また、情報記憶部101に記憶される情報は、予め記憶されている固定的な情報であってもよいし、ネットワークを介して収集され一時的に記憶されている情報であってもよいし、CD−ROMなどの脱着型の記録媒体によって差換え可能な情報であってもよい。
選択部102は、ユーザに提示するための情報を選択して保持している。選択部102は、出力部103が出力する情報を特定するために、提示する情報のファイル名または識別番号などの情報記憶部101に記憶されている情報のインデックスを記憶する。この場合、出力部103は、選択部102から情報へのインデックスを取得して提示するための情報を特定し、取得した情報へのインデックスを用いて情報記憶部101から情報の実体を取得する。このため、選択部102が保持する情報量を小さくすることができる。
また、選択部102では、提示する情報の実体(内容)をコピーして一時的に記憶するようにしていてもよい。この場合、出力部103は、選択部102から保持されている情報の実体を取得して情報を出力する。このため、出力部103または選択部102と、情報記憶部101との間のデータ転送速度が遅いような場合でも効率良く情報を提示することができる。
出力部103がユーザに情報を出力する形態としては、陰極線管(CRT)や液晶ディスプレイなどの表示装置に視覚情報として表示する、スピーカーなどの音声再生装置に聴覚情報として再生する、などがあり、その形態を問わない。出力形態は静止画等の静的な形態であってもよいし、動画等の時間的に内容の変化する動的な形態であってもよく、また、複数の出力形態を併用した形態であってもよい。要するに、情報の内容に応じて適切な形態で出力される。
関連度算出部104は、選択部102で選択されている情報と、他の情報との関連度を算出する。関連度の算出方法は、例えば、情報の内容を代表するキーワードや分類などの一致度を算出する。キーワードや分類は、それぞれの情報に予め付与されている。これとは別の関連度の算出方法としては、情報がテキストの場合には文章の要約やシソーラスを利用した意味理解技術を用いることができ、情報が画像の場合には画像の類似度を比較する例示による検索技術または画像に含まれている被写体を認識する画像理解技術を用いることができ、情報が音声の場合には音声認識技術によるテキスト情報への変換などの一般的な技術を用いることができる。この関連度の算出方法の詳細については後述する。
また、関連度算出部104が、選択部102で選択されている情報との関連度を算出するタイミングは、選択部102が新たな情報を選択するときである。この方法によれば情報の内容が更新されても常に最新の関連度を算出することができる利点があるが、レスポンスが遅くなるという欠点がある。また、情報記憶部101に記憶されている情報すべての間の関連度を予め算出して記憶しておいてもよい。この方法によれば、ユーザが情報閲覧装置100を利用していないときなどに関連度を算出しておくことができ、レスポンスを早くすることができる利点があるが、情報の内容が変更した場合にその変更が関連度に即座に反映されにくいという欠点がある。
関連度算出部104が関連度を算出するために対象とする情報は、情報記憶部101に記憶されている情報のすべてであってもよいし、一部であってもよい。一部の情報を対象とすると、関連度を算出するタイミングを選択部102が新たに情報を選択するときとした場合において、処理量を少なくすることができる。この場合には、関連度を算出する対象とする情報を、情報記憶部101に記憶されている情報から所定の個数だけランダムにピックアップすることにより決定してもよいし、選択部102が保持している情報へのインデックスから所定の範囲内の情報(例えばインデックスが情報に一意に付与された番号であるような場合に、保持している情報の番号から所定の範囲内の番号が付された情報)を対象とするようにしてもよい。
切替部105は、キーボードまたはダイヤルなどの入力装置、または、画面に表示されているGUI(Graphical User Interface)部品とマウスなどのポインティングデバイスとを組合わせたものである。ユーザにより切替部105が操作されることに応じて、切替部105は、選択部102で選択している情報を別の情報の選択に切替えることを指示する。この場合、切替部105には、例えば、選択部102で現在選択されている情報に関連する情報(関連度の高い情報)に切替えるためのボタンと、現在選択されている情報と無関係な情報(関連度の低い情報)に切替えるためのボタンとが備えられ、ユーザは選択部102により選択されている情報と次に選択するべき別の情報との間の関連度を選択部102に指定できる。
また、切替部105をタイマー等で構成し、所定の時間が経過した後のタイミングで選択部102で選択している情報を別の情報の選択に切替えることを自動的に指示するようにしてもよい。ここで、切替部105が切替指示を出力する所定の時間は、予め定められた一定の時間間隔、または、選択部102が選択している情報に対応付けて予め設定されている提示時間である。この場合においても、選択部102により選択されている情報と次に選択するべき別の情報との間の関連度の高低をユーザが指示可能となるように、例えば普段は関連度の高い情報に切り替えるが、切替回数が5回のうち1回は関連度の低い情報に切替えるというようにしてもよい。
図2は、本実施の形態における情報閲覧装置のハード構成の概略を示す図である。図2から明らかなように、情報閲覧装置100は、一般的なコンピュータで構成される。図2を参照して、情報閲覧装置100は、情報閲覧装置100の全体を制御し、所定の処理を実行するための中央演算装置(CPU:Central Processing Unit)201と、データやプログラムを一時的に記憶するためのメモリ202と、データやプログラムを二次的に記憶するための外部記憶部203と、情報を表示するためのディスプレイ204と、音を再生するためのスピーカ205と、情報閲覧装置100に対するユーザの入力を受付けるための入力部206とを備える。CPU201、メモリ202、外部記憶部203、ディスプレイ204、スピーカ205および入力部206は、バス206で接続される。
図1に示した情報閲覧装置100の各機能は、図2に示した一般的なコンピュータで実現される。メモリ202および外部記憶部203が、情報記憶部101として機能する。CPU201およびメモリ202が、選択部102として機能する。ディスプレイ204およびスピーカ205が、出力部103として機能する。CPU201およびメモリ202が、関連度算出部104として機能する。入力部206、CPU201およびメモリ202が、切替部105として機能する。
図3は、情報記憶部101に記憶されている情報の内容の一例を示す図である。図3では、情報を、XML(eXtensible Markup Language)の記法に従ってテキストで記述した例を示しているが、情報の記述形式はこれに限るものではない。
図3において、情報は、<title>タグと、<title>タグに対応する</title>タグとで囲まれてマークアップされているタイトルを含む。以下同様に、<date>タグによって日付けが、<category>タグによって分類が、<keyword>タグによってキーワードが、<body>タグによって情報の内容が、それぞれマークアップされる。
図4は、情報記憶部101に記憶されている情報のインデックスの一例を示す図である。図4に示した情報は、それぞれの情報に対して予め一意に付与された番号がインデックスとして付される。図では、ID301をインデックスとして付している。そして、ID301と各情報に含まれているタイトル302とが対応付けられる。例えば図3に示した情報に関しては、ID301として「3」が付され、このID「3」にタイトル「第風6号、今夜遅く本州上陸の恐れ」が対応付けられている。
図5は、情報閲覧装置100の出力部3で出力される情報閲覧画面の一例を示す図である。ここでは、選択部102が情報へのインデックスとしてのID301が「3」を記憶している場合に出力される情報閲覧画面を例に示している。出力部103は、ID301が「3」の情報の内容(図3)を情報記憶部101から読出して、出力部204に表示させる。ここで、出力部204に表示される書式は、情報の内容に応じて決定される。たとえば、タイトルは大きな文字で表示され、日付けは所定の書式で表示される。また、分類とキーワードは、情報の内容を表わすためのメタデータなので、表示する必要はなく、出力部204では表示されない。情報の内容のうち表示する内容と表示しない内容、および、表示する内容がいかなる書式で表示されるかは、情報の内容に応じて予め定めておけばよい。
なお、情報閲覧装置100を起動したときに選択部102が選択している情報を決定する方法は任意である。例えば、予め定められている特定の情報としてもよいし、情報閲覧装置100を前回終了したときに選択していた情報としてもよいし、新たに情報記憶部101に記憶された情報としてもよいし、情報記憶部101に記憶されている情報の中から任意の一つを選んで選択している情報としてもよい。
図6は、第1の実施の形態における切替部105の一例を示す図である。図6を参照して、切替部105は、十字型をしたキーである。十字型の上下および左右の各凸部にスイッチが設けられている。押下された凸部に応じて、次に選択するための情報を指示することが可能である。図6に示した切替部105は、上下および左右の凸部にスイッチが設けられているため、4種類の指示を入力することができる。たとえば、左方向の凸部のスイッチには、現在選択されている情報のインデックスよりの前のインデックスが対応付けられた情報を選択するための指示が割当てられ、右方向の凸部のスイッチには、現在選択されている情報のインデックスよりの後のインデックスが対応付けられた情報を選択するための指示が割当てられ、上方向の凸部のスイッチには、現在閲覧している情報との関連度の高い情報(類似する情報)を選択するための指示が割当てられ、下方向の凸部のスイッチには、現在閲覧している情報との関連度の低い情報(非類似の情報)を選択するための指示が割当てられる。
現在選択されている情報のインデックスよりの後または前のインデックスが対応付けられた情報とは、選択部102が選択している情報のID301の値に対して、ID301が直前あるいは直後のID301に対応付けられている情報をいう。上述したように情報記憶部101に記憶されている情報は、インデックスとしてID301が付されていた。このID301は、所定の順位を与えられた番号とされている。所定の順位は、たとえば情報記憶部101に記憶される順であってもよいし、テレビやラジオの番組プログラムのように放送チャンネルの順であってもよい。これにより、情報記憶部101に記憶された順に、または、テレビやラジオの番組プログラムをチャンネルの順に切替えるようにして情報を閲覧することができる。
なお、選択部102が選択している情報のインデックスより後または前のインデックスが対応付けられた情報が無い場合は、最大あるいは最小のインデックス(ID301)の値に対応する情報を選択するようにすればよい。これにより、すべての情報を円環状に配列された情報として扱うことができる。
例えば、選択部102が、ID301が「3」に対応する情報を選択している状態で、ユーザが切替部105の右方向の凸部を押下すると、選択部102は選択している情報を、ID301が「3」の情報から「4」の情報に切替える。これにより、出力部103には、ID301が「4」の情報の内容が表示される。出力部103に、ID301が「4」の情報の内容が表示された一例を図7に示す。
逆に、ユーザが切替部105の左方向の凸部を押下すると、選択部102は選択している情報を、ID301が「3」の情報から「2」の情報に切替える。これにより、出力部103には、ID301が「2」の情報の内容が表示される。
また、選択部102が、ID301が「3」に対応する情報を選択している状態で、ユーザが切替部105の上方向の凸部を押下すると、選択部102は選択している情報を、ID301が「3」の情報から「3」の情報に関連する別の情報に切替える指示が、切替部105から選択部102に送信される。この指示を受信した選択部102は、関連度算出部104から関連度を取得して、取得された関連度から次に選択する情報を決定する。
なお、切替部105は、図6に示したように十字形状のスイッチに限るものではない。切替部105を、同じ操作部に対する操作方法に応じて指示内容を変更可能な入力手段とすることもできる。これにより、ユーザの操作数を減らすことができ、操作が容易になる。そのような切替部の例としては、たとえば、特開2000−76267号公報、または、特開2000−305934号公報に記載されている。
次に、関連度算出部104における関連度の算出方法について説明する。ここでは、情報記憶部101に図4に示したインデックスが付された情報が記憶されており、選択部102によりID301「3」のインデックスが付された情報が選択されている場合を例に説明する。また、情報記憶部101に記憶された情報には、分類とキーワードとが予め付されている。
関連度算出部104では、選択部102により選択されている情報と、他の情報との関連度が算出される。情報記憶部101には、それぞれの情報について、図8に示すようにID301の値に対応して分類303とキーワード304とが記憶されている。関連度算出部104では、この分類303とキーワード304とを用いで情報間の関連度を算出する。関連度は、選択部102により選択されているID301が「3」の情報と、他の情報それぞれとの関連度305が算出される。なお、ID301が「3」の情報について、関連度を算出する必要がないため関連度を算出しない。
関連度305は、例えば次式(1)を用いて算出される。
(関連度)=(係数1)×(分類の一致度)+(係数2)×(キーワードの一致度) … (1)
図8の例では、係数1を0.3、係数2を0.7とし、分類の一致度とキーワードの一致度とは、一致する場合を「1」、一致しない場合を「0」としている。たとえば、ID301が「5」の情報は、ID301が「3」の情報と分類303のみ一致するので関連度は0.3(=0.3×1+0.7×0)、ID301が「7」の情報はID301が「3」の情報とキーワード304にみ一致するので関連度は0.7(=0.3×0+0.7×1)となる。
分類303またはキーワードの一致度は、一致度を定めるためのテーブルを別途用意して記憶しておき、そのテーブルを参照してするようにしてもよい。例えば、テーブルで分類303が「気象」と「社会」の一致度を0.5と定義しておけば、ID301が「3」の情報とID301が「7」の情報との関連度は、0.85(=0.3×0.5+0.7×1)となる。
選択部102は、関連度算出部104により算出された関連度305の値を取得して、次に選択する情報を決定する。いずれの情報を選択するかは、上述した切替部105からの指示に基づき決定される。切替部105から関連度の最も大きい値を有する情報を次に選択する情報とする指示が受付けられると、ID301が「7」の情報が該当するため、選択部102は、選択している情報のID301を「7」に切替える。その結果、出力部103では、ID301が「7」に相当する情報の表示内容が生成されて出力される。この場合に、出力部103で出力される情報の表示例は、図9に示される。
なお、選択するべき条件(上述の例では関連度が最も大きい値を有する情報)に合致する情報が複数ある場合、条件に合致する複数の情報のうちから任意に選ばれた情報を選択すればよい。
一方、単純に関連度の最も大きい値を有する情報を次に選択する情報とすると、同じ情報が繰返して選択される場合がある。例えば上述の例では、ID301が「7」の情報との関連度が最も高い値を持つ情報はID301が「3」の情報なので、ユーザが切替部105の上方向の凸部を連続して押下した場合には、ID301が「3」の情報と「7」の情報とが交互に選択されることになる。この問題を解決するためには、例えばそれぞれの情報に対応して、表示されたか否かを表わすフラグを記憶しておき、該フラグが立っている、すなわち最近表示された情報は関連度の算出および選択の対象から外すようにすればよい。このために選択部102が選択している情報に関連する別の情報に切替える指示が、切替部105から選択部102に連続して送信される間、フラグを記憶しておくようにすればよい。つまり、切替部105から上方向の凸部が連続して押下されている間はフラグの状態を保持しておき、他の凸部が押下された時点でフラグの状態をクリアすればよい。
図10は、第1の実施の形態における情報閲覧装置で実行される閲覧処理の流れを示すフローチャートである。図10を参照して、情報閲覧装置100では、選択部102において情報記憶部101に記憶されている情報が選択される(ステップS01)。この処理は、情報閲覧装置100が起動されたときに、選択部102が情報を選択する処理であり、選択される情報は、予め定められた特定の情報であってもよいし、情報閲覧装置100を前回終了したときに選択していた情報であってもよいし、情報記憶部101に新たに記憶された情報であってもよいし、情報記憶部101に記憶されている情報の中から任意に選ばれた情報であってもよいし、ユーザが情報記憶部101に記憶されている情報の中から指定した情報であってもよい。要するに、情報閲覧装置100が起動されたときに、選択部102で何らかの情報が選択されていればよい。
次のステップS02では、ステップS01で選択部102により選択された情報が、既に選択された情報であることを示すフラグが立てられる。このフラグは、情報のインデックスに対応付けて一時的に情報記憶部101に記憶される。そして、選択された情報のインデックスが出力部103に送信され、出力部103では受信したインデックスに対応する情報を情報記憶部101より読出して、上述した表示内容を生成して出力する。これにより、ユーザは、情報記憶部101に記憶された情報の1つを閲覧することができる。
この段階で、ユーザは、切替部105を操作して、次に閲覧する情報に切替えるための指示を入力可能となる。上述したように、切替部105は、閲覧する情報を切替える指示の入力に加えて、次に閲覧する情報を決定するために現在閲覧している情報に対していかなる関係にある情報を選択するべきかを指示するための入力も可能としている。すなわち、現在閲覧している情報と関連度の高い情報を選択するための上方向の凸部(類似)の押下に従う指示、現在閲覧している情報と関連度のない情報を選択するための下方向の凸部(非類似)の押下に従う指示、現在閲覧している情報よりもIDが前の情報を選択するための左方向の凸部の押下に従う指示、現在閲覧している情報よりもIDが後の情報を選択するための右方向の凸部(類似)の押下に従う指示である。
切替部105で、いずれかの凸部の押下(切替指示)があったか否かが判断される(ステップS04)。切替部105の操作による切替指示があるまで待機状態となり(ステップS04で「なし」)、切替指示があったときにステップS05に進む。なお、切替指示があるまで待機状態とするのではなく、切替指示があった場合に割り込みを発生させ、ステップS05以降の処理を実行するようにしてもよい。
ステップS05では、切替指示の方向が判断される。切替指示の方向が「前」または「後」の場合にはステップS13に進み、「類似」または「非類似」の場合にはステップS06に進む。切替指示の方向は、切替部105のいずれの凸部が押下されたかにより判断される。
ステップS06では、切替指示の方向が、前回の切替指示と同じか否かが判断される。このステップS06における判断は、情報閲覧装置100が起動されてからの切替指示の回数が2回以上あった場合に実行される処理であり、情報閲覧装置100が起動されてから最初の切替指示の場合にはステップS08に進む。情報閲覧装置100が起動されてからの切替指示の回数が2回以上である場合で、かつ、今回の切替指示の方向が前回の切替指示の方向と異なる場合にはステップS07に進み、同じ場合にはステップS07をスキップしてステップS08に進む。
ステップS07では、選択部102により選択されている情報が、既に選択された情報であることを示すフラグが立てられている場合に、このフラグをクリアする。このフラグは、切替部105により連続して同じ方向の指示が入力された場合に、後述するステップS10またはS11で同じ情報が繰返して選択されるのを防止するためのフラグである。したがって、前回と異なる方向の凸部が押下された場合に、フラグをクリアする。
ステップS08では、関連度算出部104により選択部102により選択されている情報と、情報記憶部101に記憶されている情報との関連度が算出される。関連度を算出する情報は、インデックスに対応してフラグが立てられている情報を除き、情報記憶部101に記憶されているすべての情報が対象となる。また、情報記憶部101に記憶されているすべての情報とすることなく、一部の情報としてもよい。一部の情報を抽出する方法としては、選択部102により選択されている情報を基準にして、たとえば、選択されている情報のIDよりも所定数小さいIDまたは大きいIDの情報としてもよいし、情報記憶部101に記憶された日時を用いて、選択された情報が記憶された日時を中心にした所定の期間に記憶された情報としてもよい。ステップS08が実行されることにより、ステップS01でID301が「3」の情報が選択されていた場合には、図8において示した関連度が算出される。
ステップS09では、ステップS04で入力された切替指示の方向が判定される。切替指示の方向が類似の場合には、ステップS10に進み、非類似の場合にはステップS11に進む。ステップS10では、選択部102において、ステップS08で算出された関連度に基づき、選択されている情報との関連度が最大の情報が選択される。ステップS11では、ステップS08で算出された関連度に基づき、選択されている情報との関連度が最小の情報が選択される。ここで、関連度が最大または最小の情報が複数存在する場合には、たとえば、IDが最も小さい情報、記憶された日時が最も新しい情報または任意の情報が選ばれる。
ステップS10またはステップS11の後、選択部102により新たに選択された情報のフラグが立てられる。これにより、次に連続して同じ方向の指示が入力された場合には、ステップS08で関連度が算出されないので、ステップS10またはS11で選択された情報が再度表示されることはない。
これについて、図8に示した関連度を例に具体的に説明する。ここでは上述の分類303の一致度を定義するテーブルを用いた方法で関連度が算出されるものとし、そのテーブルを用いてID301が「7」の情報との関連度を算出すると、関連度が最も大きい情報のID301が「3」または「5」となる場合を例に説明する。
選択部102でID301が「3」の情報が選択されている状態で、切替部105の上方向の凸部が2回連続して押下された場合は、1回目の押下に応じてID301が「7」の情報が選択部102によって選択される。この段階で、ID301が「3」の情報と「7」の情報とに既に選択されたことを示すフラグが立てられる。そして、ID301が「7」の情報との関連度が関連度算出部104により算出される。この段階では、ID301が「3」の情報および「7」の情報に対しての関連度は算出されない。したがって、2回目の押下に応じてID301が「5」の情報が選択部102によって選択される。このように、一度選択された情報にフラグを立てて、フラグが立っている情報の関連度を算出しないようにすることにより、同じ条件で選択する指示が連続して入力された場合に同じ情報が繰返し選択されるのを避けることができる。
ステップS12の後、ステップS03に戻り、ステップS10またはステップS11で選択部102で選択された情報が、出力部103から出力される。
一方、ステップS05で切替指示の方向が「前」または「後」と判断された場合には、選択部102により選択されている情報が既に選択された情報であることを示すフラグが立てられている場合に、このフラグをクリアする。切替指示の方向が「前」または「後」の場合には、連続して同じ方向の指示が入力された場合に、同じ情報が表示されることがないからである。
そして、次のステップS14では、指示の方向に応じて、選択部102により選択されている情報のIDよりも前後のIDに対応する情報が選択される。これにより、関連度に関係なく、IDの順に情報を閲覧することができる。たとえば、情報が記憶される順にIDが付されるのであれば、情報が記憶された順に情報を閲覧することが可能となる。そして、ステップS14で選択された情報が、ステップS03において出力部103より出力される。
本実施の形態における情報閲覧装置100によれば、たとえば、選択部102によりID301が「3」の情報が選択されている状態で、ユーザが切替部105の上方向の凸部を押下した場合は、ID301が「3」の情報との関連度が最も高い情報が選択されて表示される。これにより、提示されている情報に興味がある場合には、その情報に関連する他の情報を閲覧することができる。逆に、ユーザが切替部105の下方向の凸部を押下した場合は、ID301が「3」の情報との関連度が最も低い情報が選択する情報として選択される。これにより、提示されている情報がユーザの好みのものでない場合には、内容の大きく異なる情報に切り替えることが容易になる。この操作を繰返すうちに、ユーザが興味のある情報が表示される。
なお、本実施の形態においては、連続して同じ方向の指示が切替部105により入力された場合には、ステップS08において既に選択された情報の関連度を算出しないようにしたが、これに代えて、または、これに加えて、ステップS10またはステップS11において、既に選択された情報を選択の対象から外すようにしてもよい。
また、切替部105から切替指示が選択部102に連続して送信されている間は、選択部102において切替指示前に選択されていた情報(この例ではID301が「3」の情報)との関連度を参照して選択する情報を決定することによっても、既に選択された情報が連続して選択されないようにすることができる。
本実施の形態における情報閲覧装置100では、関連度算出部104で算出された関連度が最大または最小の情報が複数ある場合には、その中から選ばれた1つの情報を選択するようにしたが、そのような複数の情報を順番に切替えて選択するようにしてもよい。また、選択部102により選択されていた情報との関連度が所定の値以上の情報の中からランダムに選ばれた情報を選択するようにしてもよい。さらに、選択部102により選択されていた情報との関連度が高い順または低い順に予め定められた個数分の情報を順番に切替えて、選択部102が選択するようにしてもよい。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施の形態における情報閲覧装置について説明する。第1の実施形態における情報閲覧装置100は、選択部102により選択されている情報を、その選択されている情報との関連を考慮して切替えるものであった。これに対して、第2の実施形態における情報閲覧装置100では、ユーザの嗜好に適した情報を選択部102により選択させる。以下、第1の実施の形態における情報閲覧装置100と異なる点について主に説明する。
また、第2の実施の形態においては、複数の部分情報から構成され、時間的に進行する情報が情報記憶部101に記憶されている場合を例に説明する。
図11は、第2の実施の形態における情報閲覧装置100Aの機能の概略を示すブロック図である。第1の実施の形態における情報閲覧装置100と異なる点は、ユーザプロファイル記憶部106が追加されている点と、関連度算出部104Aが情報記憶部101に記憶されている情報の中からユーザプロファイル記憶部に記憶されているユーザプロファイルに基づいて関連度を算出する点である。
ユーザプロファイル記憶部106は、ユーザの嗜好を表わすユーザプロファイルデータを記憶する。関連度算出部104Aは、情報記憶部101に記憶されている情報のうち一部あるいは全部の各々に対して、ユーザプロファイル記憶部106に記憶されているユーザプロファイルデータとの関連度を算出する。
ユーザプロファイルデータとは、ユーザごとに予め設定されるデータであり、ユーザの嗜好を示す情報である。ユーザの嗜好を示す情報は、ユーザが直接入力して指定する場合と、ユーザが過去に閲覧した情報から得られる場合とがある。ユーザが直接入力して指定する場合は、ユーザが自己の嗜好を明示的に入力することができるため、ユーザの興味の対象を推測する精度が高くなるが、ユーザが入力しなければならない。ユーザが過去に閲覧した情報から得られる場合は、たとえば、一般的なウェブブラウザのブックマークに登録されているURLで特定される情報などが興味を示す情報として得ることができる。この場合には、ユーザによるブックマークの登録といった入力から得られる暗示的な情報であるため、ユーザの興味の対象を推測する精度は低くなるが、ユーザの入力の手間を簡略にすることができる。ユーザの嗜好を推測する技術については様々な手法が提案されているが、ここでは任意の手法を用いればよい。
図12は、ユーザが嗜好を表わす情報を直接入力するための画面の一例を示す図である。ここでは、ユーザの映画に関する嗜好を入力する画面としている。図12を参照して、画面には、好みのジャンルを選択するための複数のチェックボックス401と、好みの俳優を自由に入力するためのテキストエリア402と、入力した好みをユーザプロファイル記憶部106に登録して記憶させる指示を入力するための登録ボタン404と、入力した内容を取り消すための指示を入力するためのキャンセルボタン403とが設けられている。
チェックボックス401、テキストエリア402およびボタン403,404それぞれはGUI(Graphical User Interface)であり、その操作については一般的なGUIの操作と同様であるので、ここでは説明を繰返さない。
図12に示した画面が、情報閲覧装置100Aのディスプレイ204に表示されて、ユーザが入力部206を操作することにより、好みのジャンル、好みの俳優名が入力され、登録ボタン404が指示されることにより、入力されたユーザプロファイルデータがユーザプロファイル記憶部106に記憶される。
図13は、ユーザプロファイル記憶部106に記憶されるユーザプロファイルデータの一例を示す図である。図13を参照して、ユーザプロファイルデータは、属性501と値502とを含む。属性501は、図12に示した画面で入力される情報の種類を示す。値502は、属性501ごとに対応する入力された値である。図13では、図12において、チェックボックス401で「コメディ」と「アクション」のジャンルが選択され、テキストエリア402に「エリー マフィン」の俳優名が入力された後、登録ボタン404が指示された場合に、記憶されるユーザプロファイルデータを示している。
図14は、情報記憶部101に記憶される情報の一例を示す図である。ここでは、情報記憶部101に記憶される情報は、時間に応じて提示する映画のデータとしている。情報は、映画の内容を表わすメタデータ601と、タイトル画面602と、動画データ603と、字幕データ604とを含む。
メタデータ601は、情報を識別するためのID611と、映画のタイトル612と、ジャンル613と、再生開始からの経過時間614に相当する場面に出演している主な出演者615との情報を含む。
動画データ603は映像と音声を含んでおり、幾つかの場面から構成されている。そして、動画データ603は、再生されると時間の進行に応じて内容が変化する。
図15は、情報記憶部101に記憶されている情報のそれぞれと出力可能となる時刻との関係を模式的に示した図である。本実施の形態においては、情報記憶部101に、時間の経過に伴って内容が変化する情報とした。このような情報としては、たとえば、テレビ放送により提供される情報が含まれる。テレビ放送では、いくつかの情報を放送するチャンネルが複数あるため、このうちのいずれかのチャンネルが出力部103から出力される。ここでは、情報記憶部101に記憶されている情報のうち、同時に出力可能となる情報をチャンネルで区分している。したがって、情報記憶部101に記憶されている情報は、チャンネルと対応つけて記憶される。図15では、時間の経過を横軸で示し、各チャンネルで放送される情報をID611で示している。例えば、チャンネルCH1では、19時から22時の範囲にID611が「6」の情報と、「1」の情報と、「12」の情報とが放送され、各情報の開始時刻はそれぞれ19時、20時、21時である。
選択部102では、切替部105により指示されたチャンルと現在の時刻とから定まる情報を選択する。例えば、20時30分において、切替部105によりチャンネルCH1が指示された場合にはID611が「1」の情報が選択され、チャンネルCH2が指示された場合にはID611が「2」の情報が選択され、チャンネルCH3が指示された場合にはID611が「5」の情報が選択される。後述するように、切替部102から選択部102に出力される切替指示には、チャンネル切替指示と、嗜好情報切替指示とが含まれる。チャンネル切替指示は、選択部102で選択している情報のチャンネルに対して前または後のチャンネルのいずれかに切替える指示をいう。このため、選択部102では、切替部102からのチャンネル切替指示に応じて、現在選択している情報のチャンネルの前または後のチャンネルの情報を選択することになる。選択部102により現在選択されている情報がいずれのチャンネルに含まれるかは、選択部102で記憶するようにすればいよい。
したがって、選択部102では、切替部105から切替指示が受信されない限り、それまで選択していた情報と同じチャンネルが維持される。このため、時間が進行すると、選択部102で選択される情報が切替わることになる。例えば、19時においてID611が「6」の情報が選択されていた場合には、時間が進行して時刻が20時になると、選択部102では、それまで選択していたID611が「6」の情報と同じチャンネルCHのID611が「1」の情報に切替わる。この切替は、選択部102が、選択部102内あるいは別途構成されているタイマー(図示せず)から現在時刻を定期的に取得して、選択している情報のチャンネルと現在時刻とから選択する情報を決定することにより行われる。
図16は、第2の実施の形態における切替部105Aの一例を示す図である。切替部105Aは、凸字型のキーである。凸字型の上および左右の各凸部にスイッチが設けられている。押下された凸部に応じて、次に選択するための情報を指示することが可能である。図16に示した切替部105Aは、上および左右の凸部にスイッチが設けられているため、3種類の指示を入力することができる。たとえば、左方向の凸部のスイッチ(前)には、現在選択されている情報のチャンネルより前のチャンネルの情報を選択するための指示が割当てられ、右方向の凸部のスイッチ(次)には、現在選択されている情報のチャンネルより後のチャンネルの情報を選択するための指示が割当てられ、上方向の凸部のスイッチ(おすすめ)には、ユーザプロファイルデータとの関連度の高い情報を選択するための指示が割当てられる。
図17は、第2の実施の形態における情報閲覧装置で実行される閲覧処理の流れを示すフローチャートである。図17を参照して、情報閲覧装置100Aでは、切替部105Aで、いずれかの凸部の押下(切替指示)があったか否かが判断される(ステップS21)。切替部105Aの操作による切替指示があるまで待機状態となり(ステップS21で「なし」)、切替指示があったときにステップS22に進む。なお、切替指示があるまで待機状態とするのではなく、切替指示があった場合に割り込みを発生させ、ステップS22以降の処理を実行するようにしてもよい。
ステップS22では、切替指示の方向が判断される。切替指示の方向が「前」(左方向)または「後」(右方向)の場合にはステップS28に進み、「おすすめ」(上方向)の場合にはステップS23に進む。切替指示の方向は、切替部105のいずれの凸部が押下されたかにより判断される。
ステップS23では、切替指示の方向が、前回の切替指示と同じか否かが判断される。このステップS23における判断は、所定の期間内に切替指示の回数が2回以上あった場合に実行される処理であり、所定の期間内に2回以上の指示がない場合にはステップS24に進む。所定の期間内に2回以上の切替指示があった場合で、かつ、今回の切替指示の方向が前回の切替指示の方向と異なる場合にはステップS24に進み、同じ場合にはステップS24をスキップしてステップS25に進む。
ステップS24では、選択部102により選択されている情報が、既に選択された情報であることを示すフラグが立てられている場合に、このフラグをクリアする。このフラグは、切替部105により連続して同じ方向の指示が入力された場合に、後述するステップS26で同じ情報が繰返して選択されるのを防止するためのフラグである。したがって、前回と異なる方向の凸部が押下された場合に、フラグをクリアする(ステップS24)。
ステップS25では、関連度算出部104Aによりユーザプロファイル記憶部106に記憶されているユーザプロファイルデータと、情報記憶部101に記憶されている情報との関連度が算出される。切替部105Aの上方向の凸部が押下された場合は、押下された時刻におけるすべてのチャンネルの情報と、ユーザプロファイルデータとの関連度が関連度算出部104Aで算出される。そして、選択部102は関連度が最も高い情報を選択する。関連度は、次の式(2)で算出される。
(関連度)=(係数3)×(ジャンルの一致度)+(係数4)×(出演者の一致度) … (2)
ジャンルの一致度は、ユーザプロファイルデータにおける値502が「true」に設定されたジャンルと、各情報のジャンル613とが比較され、両データが一致すれば「1」、一致しなければ「0」に決定される。出演者の一致度は、ユーザプロファイルデータにおける属性501が俳優の値502と、各情報の出演者615とが比較され、両データが一致すれば「1」、一致しなければ「0」に決定される。
上述したように、出演者615の値は経過時間614に応じて変化する。ここで、図13に示したユーザプロファイルデータと図14に示した情報との関連度を例に説明すると、情報の再生を開始した時刻(時間0:0:0)からの経過時間が0分〜15分の間は出演者の一致度は「0」となり、15分〜30分の間は「1」となり、30分〜60分の間は「1」となる。したがって、ユーザプロファイルデータと各情報との関連度は、切替部105Aの上方向の凸部が押下された時刻に応じて変化することになる。すなわち、上述の関連度を算出する式(2)において、係数3を0.3、係数4を0.7とした場合に、チャンネルCH1では、ID「1」の情報とユーザプロファイルとの関連度は、20時〜20時15分の間では「0.3(=0.3×1+0.7×0)」となり、20時15分〜21時の間では「1(=0.3×1+0.7×1)」となる。同様に、チャンネルCH3では、ID「1」の情報とユーザプロファイルとの関連度は、20時50分〜21時5分の間では「0.3(=0.3×1+0.7×0)」となり、21時5分〜21時50分の間では「1(=0.3×1+0.7×1)」となる。
このように、ある時刻におけるすべての情報のユーザプロファイルデータとの関連度を算出することによって、その時点で選択されうる情報の中で最もユーザの嗜好に適した情報を選択することができる。つまり、上記の例ではテレビを見ているときに、「おすすめ」ボタンを押すと、その時点で視聴することのできる情報(放送中の情報)の中で最もユーザの興味に合った情報(チャンネル)に切替えることができる。
さらに、同じ情報であってもユーザプロファイルデータとの関連度は時刻により異なるので、その時点でユーザの嗜好に合った情報に切替えることができる。たとえば、その時点でユーザの好みの俳優が出演している情報があれば、その情報に切替えることができ、その俳優が出演している場面を見ることができる。より具体的に図15を用いて説明すると、ID611が「1」の情報は、チャンネルCH1では20時〜21時まで、チャンネルCH3では20時50分〜21時50分まで提示の対象となっている。ID611が「1」の情報は、20時55分〜21時00分までの間では、チャンネルCH1とチャンネルCH3とで提示の対象となる。ユーザが、20時55分に切替部105の「おすすめ」ボタンを押すと、関連度が上述のように算出され、チャンネルCH1のID611が「1」の情報の関連度が「1」、チャンネルCH3のID611が「1」の情報の関連度が「0.3」となる。その結果、ユーザが切替部105の「おすすめ」ボタンを押した時点(20時55分)に、最も関連度の高い情報、すなわち、チャンネルCH1のID611が「1」の情報が選択されて、チャンネルCH1に切替わることになる。
関連度を算出する情報は、フラグが立てられている情報を除き、情報記憶部101に記憶されているすべての情報が対象となる。また、情報記憶部101に記憶されている情報のうち、切替部105Aで切替指示が入力された時点において出力可能な情報である。さらに、そのようた情報のすべてとすることなく、一部の情報としてもよい。
なお、関連度が最大の情報が複数存在する場合には、たとえば、IDが最も小さい情報等、任意の情報が選ばれる。
ステップS25で関連度が算出されると、選択部102において、関連度が最大の情報が選択される(ステップS26)。そして、選択部102により選択された情報にフラグが立てられる(ステップS27)。これは、切替部105Aの上方向の凸部が連続して押下された場合に、第1の実施形態で説明したのと同様に、それぞれの情報に対応して既に選択されたことを示すフラグを記憶しておき、フラグが立っている、すなわち既に選択されて出力部103で表示された情報については、関連度算出部104Aで関連度を算出する対象から外すか、または、出力部103で出力する対象から外すようにするためである。これにより、次に連続して「おすすめ」の選択指示が入力された場合には、その情報についてはステップS25で関連度が算出されないので、ステップS30で選択された情報が再度表示されることはない。
ステップS27の後、ステップS30において、ステップS26で選択部102で選択された情報が、出力部103から出力される。
一方、ステップS22で切替指示の方向が「前」または「後」と判断された場合には、選択部102により選択されている情報が既に選択された情報であることを示すフラグが立てられている場合に、このフラグをクリアする(ステップS28)。切替指示の方向が「前」または「後」の場合には、連続して同じ方向の指示が入力された場合に、同じ情報が表示されることがないからである。
そして、次のステップS29において、選択部102が現在選択している情報のチャンネルの番号が「1」減らす、あるいは増やされ、変更されたチャンネルに該当する情報が選択部102により選択される。例えば、時刻19時にチャンネルCH2が選択されているときに、切替部105Aの左方向の凸部が押下された場合はチャンネルCH1に該当する情報6が選択され、切替部105Aの右方向の凸部が押下された場合はチャンネルCH3に該当する情報5が選択される。チャンネルの番号が最小の値のときにチャンネルの番号を1減らした場合は最大の値のチャンネルの情報に、チャンネルの番号が最大の値のときにチャンネルの番号を1増やした場合は最小の値のチャンネルの情報に、それぞれ切替えるようにすれば、チャンネルが円環状に並んでいるように操作できる。
その後、ステップS30に進み、ステップS29で選択部102により選択された情報が、出力部103から出力される。
選択部102で選択している情報が切替えられたときには、出力部103で出力される情報も切替えられる。時間の進行に応じて内容が変化する情報が切替えられた場合は、出力部103からは情報が途中から出力されるので、ユーザがいかなる情報に切替えられたのかを判断できない恐れがある。そこで、選択部102により選択されている情報が切替えられたときには、予め定められた所定の時間だけ、切替えられた後の情報に含まれている所定種類の部分情報を提示するようにすればよい。所定種類の部分情報は、図14に示した情報ではタイトル画面602が該当する。このタイトル画面602が所定の時間だけ出力するようにすれば、ユーザは、選択部102により選択されている情報が切替えられて、切替後に選択部102により選択されている情報の内容を容易に知ることができる。なお、タイトル画面にの他に、たとえば、ニュースの見出し、広告情報、著作権情報等の所定種類の情報を表示するようにしてもよい。また、出力部103で出力する際に、所定の時間だけ所定種類の部分情報を提示するのにかえて、選択された情報のすべてを所定時間だけ表示するようにしてもよし、所定種類の部分情報を時間の制限なく表示するようにしてもよい。
なお、本実施の形態においては、時間の経過に伴って内容が変化する情報として、テレビ放送の番組を例に説明したが、これに限らず、インターネット等のネットワークを介してストリーミング配信される情報であってもよいし、時間帯ごとに割付けられた動画情報としてもよい。すなわち、時間の経過に伴って内容が変化する情報は、情報記憶部101に予め記憶される情報であってもよいし、外部からネットワークを介して受信された後情報記憶部101に記憶される情報であってもよい。
本実施の形態における情報閲覧装置100Aによれば、情報記憶部101に記憶されている情報が時間の進行に応じて内容が変更する複数の場面から構成されている情報である場合であっても、関連度合の高い場面を提示することができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施の一形態における情報閲覧装置100Bについて説明する。第3の実施形態における情報閲覧装置100Bでは、ユーザが閲覧した情報の履歴を利用して出力する情報を切替えるものである。以下、第1の実施の形態における情報閲覧装置100と異なる点について主に説明する。
図18は、第3の実施の形態における情報閲覧装置100Bの機能の概略を示すブロック図である。第1の実施の形態における情報閲覧装置100と異なる点は、選択部102で選択された情報の履歴を記憶するための履歴記憶部108が追加された点、および、関連度算出部104Bが情報記憶部101に記憶されている情報のうち一部あるいは全部の各々に対して、履歴記憶部108に記憶されている情報との関連度を算出する点である。
履歴記憶部108は、選択部102により過去に選択された情報と、その情報がいつからいつまで選択されていたかを記憶する。また、履歴記憶部108は、選択部102により部分情報が選択された場合には、その部分情報と、その部分情報がいつからいつまで提示されていたかを記憶する。
図19は、情報記憶部101に記憶される情報の別の例を示す図である。ここでは、情報記憶部101に記憶される情報は、株式に関する情報であり、複数の銘柄に関する情報(銘柄情報)を部分情報として含むポートフォリオ情報である。情報は、ポートフォリオデータ自体を示すヘッダー701と、該ポートフォリオを構成している銘柄情報702〜706とを含む。ヘッダー701はポートフォリオ情報を識別するために一意に付与された番号であるID711と該ポートフォリオをユーザが容易に識別できるために付与された名前であるポートフォリオ名712を含んでいる。銘柄情報702〜706は、図では銘柄のコードを示しているが、実際には現在の値動きやチャートや企業情報などの情報を含む。
図19に示すポートフォリオ情報は、ヘッダー701と銘柄情報702〜706とからなる複数の部分情報から構成されているが、このポートフォリオ情報が選択部102で選択される際には、部分情報ごとに選択される。これにより、いずれかの銘柄情報の一つを選択して出力部103から出力し、ユーザの操作に応じて提示する銘柄情報を切替えることができる。このためのユーザの操作は、例えば「進む」や「戻る」のようなボタン(図示せず)で操作することになる。
図20は、銘柄情報の切替えの例を説明するための図である。図20(A)は、図19に示した銘柄情報702が選択されて出力部103により出力される表示例を示す。銘柄情報702が出力されている状態から、次の銘柄に進む操作がユーザによって行われると、図20(B)に示すように銘柄情報703が出力部103により出力される。さらに、次の銘柄に進む操作が再度行われると図20(C)に示すように銘柄情報は704が出力部103により出力される。また、図20(B)に示した銘柄情報703が出力された状態で、前の銘柄に戻る操作が行われると図20(A)に示したの銘柄情報702が出力されるた状態に戻る。いずれの銘柄情報(部分情報)が出力部103により出力されているかは、選択部102で記憶される。
また、情報記憶部101には、複数のポートフォリオ情報が記憶されているので、切替部105に設けられた「次のポートフォリオ」や「前のポートフォリオ」を選択する指示を入力するためのボタンをユーザが操作することにより、選択部102で選択するポートフォリオ情報が切替えられる。この場合にも、いずれのポートフォリオ情報が提示されているかは選択部102で記憶される。
図21は、履歴記憶部108に記憶される履歴情報の一例を示す図である。図21を参照して、履歴情報は、選択部102により選択されたポートフォリオ情報の部分情報(銘柄情報)それぞれに対して、出力部103により出力された開始時刻801と、出力が終了した終了時刻802と、出力部103により出力されていた提示時間803と、部分情報(銘柄情報)を特定するための銘柄コード804とを含む。図21では、開始時刻801と終了時刻802は「時:分:秒」の形式で、提示時間803は秒の形式でそれぞれ記している。なお、提示時間803は終了時刻802と開始時刻801とから算出することができるため、履歴情報に必ずしも含める必要はない。
履歴記憶部108は、過去に選択部102により選択されて出力部103により出力された情報のすべて記憶している必要はない。たとえば、開始時刻801が現在の時刻から所定の時間よりも前の情報を消去するようにしてもよい。または、履歴記憶部108に記憶可能な履歴情報の数を予め定めておき、所定の数よりも多くなる場合に開始時刻801が前のものから消去するようにしてもよいし、提示時間803が短いものから消去するようにしてもよい。また、履歴情報を消去するための操作をユーザが行ったときなど、ユーザの明示的な操作によって消去するようにしてもよいし、情報閲覧装置100Bを利用しているユーザが変わった場合に消去するようにしてもよい。以上のように履歴情報を消去することによって、後述する関連度の算出を適切なものとすることができる。
図22は、第3の実施の形態における情報閲覧装置100Bで実行される閲覧処理の流れを示すフローチャートである。図22を参照して、情報閲覧装置100Bでは、選択部102において情報記憶部101に記憶されているポートフォリオ情報に含まれる銘柄情報(部分情報)が選択される(ステップS41)。この処理は、情報閲覧装置100Bが起動されたときに、選択部102が情報を選択する処理であり、選択される情報は、予め定められた特定の銘柄情報であってもよいし、情報閲覧装置100Bを前回終了したときに選択していた銘柄情報であってもよいし、情報記憶部101に新たに記憶された銘柄情報であってもよいし、情報記憶部101に記憶されている銘柄情報の中から任意に選ばれた情報であってもよいし、ユーザが情報記憶部101に記憶されている銘柄情報の中から指定した銘柄情報であってもよい。要するに、情報閲覧装置100Bが起動されたときに、選択部102で何らかの銘柄情報が選択されていればよい。
次のステップS42では、ステップS01で選択部102により選択された銘柄情報が、既に選択された銘柄情報であることを示すフラグが立てられる。このフラグは、銘柄情報に対応付けて一時的に情報記憶部101に記憶される。
そして、選択された銘柄情報が出力部103に送信され、出力部103では受信した銘柄情報を、上述した表示内容を生成して出力する(ステップS43)。これにより、ユーザは、情報記憶部101に記憶された銘柄情報の1つを閲覧することができる。
この段階で、ユーザは、切替部105を操作して、次に閲覧する情報に切替えるための指示を入力可能となる。そして、切替部105で切替指示が入力されたか否かの判断がなされる(ステップS44)。切替部105の操作による切替指示があるまで待機状態となり(ステップS44で「なし」)、切替指示があったときにステップS45に進む。なお、切替指示があるまで待機状態とするのではなく、切替指示があった場合に割り込みを発生させ、ステップS45以降の処理を実行するようにしてもよい。
ステップS45では、選択部102で選択された銘柄情報が出力部103で出力された開始時刻および終了時刻を、提示時間および銘柄コードと対応付けて履歴記憶部108に記憶する。
そして、次のステップS46では、切替指示の方向が判断される。切替指示の方向が過去に出力された銘柄情報に関連する銘柄情報に切替えるための「関連情報」の場合にはステップS47に進み、切替指示の方向がポートフォリオ情報を切替えるための「次のポートフォリオ」または「前のポートフォリオ」の場合にはステップS50に進み、切替指示の方向がポートフォリオ情報の中で銘柄情報を切替えるための「進む」または「戻る」の場合にはステップS52へ進み、切替指示の方向が過去に出力された銘柄情報に切替えるための「履歴閲覧」の場合にはステップS54に進む。
ステップS47では、関連度算出部104Bにより、履歴記憶部108に記憶されている履歴情報と情報記憶部101に記憶されている情報のうち一部あるいは全部の各々との関連度を算出する。そして、選択部102は、関連度算出部104Bにより算出された関連度を取得して、取得された関連度に基づき定まる情報を選択する(ステップS48)。
関連度算出部104Bは、履歴記憶部108に記憶されている履歴情報と情報記憶部101に記憶されている情報の算出対象の銘柄情報との関連度を、式(3)を用いて算出する。
(関連度)=Σ(i番目の提示時間)×(i番目の銘柄情報と算出対象の銘柄情報との一致度) … (3)
但し、iは履歴情報を特定するためのカウンタである。履歴記憶部108で記憶されている履歴情報の数をnとすると、Σによって0からnまでiの値をカウントアップして積算されるので、履歴記憶部108で記憶されている履歴情報のすべてを考慮して関連度が算出される。
上述の式(3)において、i番目の銘柄情報と算出対象の銘柄情報との一致度とは、銘柄情報の一部分あるいはすべての一致の程度を表わす数値であり、具体的には第1の実施の形態あるいは第2の実施の形態で説明したものと同様にして求めることができる。または、いずれの内容に興味があるかをユーザが指定することで、一致度の算出対象とする内容を限定できるようにすれば、履歴情報との関連度に加えてユーザの興味に適するように関連度を算出することができる。これについては、特開2000−76267号公報に記載された方法を適用することができる。
上述の式では、それぞれの履歴情報ごとに、一致度に提示時間を掛け合わせることによって重み付けをしている。すなわち、長時間提示されていた情報に対して高い重み付けをしている。これは、ユーザが提示されている情報を長い間見ていたということは、その情報に興味があったと推測されるからである。このようにして、上述の式(3)で算出される関連度は、過去に閲覧していた情報のうち、ユーザが興味を持った情報に関連する情報ほど高い値とすることができる。
なお、閲覧していた時間でユーザの興味を推測する以外にも、ユーザの視線の動きなどを別途計測して履歴情報に含めてもよいし、ユーザが閲覧していた情報に興味があるか否かを明示的に入力するためのボタンを別途設けておいて、該ボタンによる入力を履歴情報に含めてもよい。これらの履歴情報は、上述の関連度の算出式(3)における提示時間と同様にして重み付けに利用すればよい。
ここで、関連度算出の別の具体例を、図19に示したポートフォリオ情報に含まれる個々の部分情報(銘柄情報)702〜706と、図21の履歴情報との関連度を例に示す。銘柄の業種分類のみを一致度の算出対象とするようにユーザが予め設定していたとし、図19に示した銘柄情報702〜706の業種分類が、それぞれ「水産農林業」「建設業」「建設業」「電気機器」「食料品」であり、図21の銘柄コードが1379、6753、9766、6752、6764、4109の業種分類がそれぞれ「水産農林業」「電気機器」「サービス業」「電気機器」「電気機器」「化学」であるとする。この場合、一致度は業種分類が同じ場合は1、異なる場合は0であるとすると、上記の式(3)より、図21に示した銘柄情報702〜706の関連度はそれぞれ5、0、0、195、0、となる。したがって、銘柄情報705の関連度が最も高くなる。
選択部102は、関連度算出部104Bで算出された関連度の最も高い銘柄情報を選択する(ステップS48)。この場合、選択される銘柄情報は、ID711が「1」のポートフォーリオ情報に含まれる銘柄情報705である。このようにして、提示の対象となるポートフォリオ情報が、複数の部分情報を含む場合でも、関連度の高い部分情報を選択して提示することができる。
そして、選択された銘柄情報に既に選択されたことを示すフラグが立てられる(ステップS49)。これにより、連続して過去に提示された情報との関連度の高い情報に切替えるための指示を入力する操作が行われた場合は、それぞれの銘柄情報(部分情報)に対して最近提示したか否かを表わすフラグが記憶されるので、そのような最近表示された銘柄情報は、ステップS47において、関連度の算出の対象から外される。
ステップS49の後、ステップS43に戻り、ステップS48で選択部102で選択された銘柄情報が、出力部103から出力される。
一方、ステップS46で切替指示の方向が「進む」または「戻る」と判断された場合には、選択部102により選択されている情報が既に選択された情報であることを示すフラグが立てられている場合に、このフラグをクリアする(ステップS52)。切替指示の方向が「前」または「後」の場合には、連続して同じ方向の指示が入力された場合に、同じ情報が表示されることがないからである。
そして、次のステップS53では、指示の方向に応じて、選択部102により選択されている銘柄情報を、その銘柄情報が含まれるポートフォリオ情報の前または後の銘柄情報に切替える。そして、ステップS53で選択された銘柄情報が、ステップS43において出力部103より出力される。これにより、銘柄情報を順に閲覧することができる。
また、ステップS46で切替指示の方向が「次のポートフォリオ」または「前のポートフォリオ」と判断された場合には、選択部102により選択されている情報が既に選択された情報であることを示すフラグが立てられている場合に、このフラグをクリアする(ステップS50)。切替指示の方向が「次のポートフォリオ」または「前のポートフォリオ」の場合には、連続して同じ方向の指示が入力された場合に、同じ情報が表示されることがないからである。
そして、次のステップS51では、指示の方向に応じて、選択部102により選択されている銘柄情報を、その銘柄情報が含まれるポートフォリオ情報の次または前のポートフォリオ情報に含まれる最前の銘柄情報に切替える。そして、ステップS51で選択された銘柄情報が、ステップS43において出力部103より出力される。これにより、異なるポートフォリオ情報を順に閲覧することができる。
さらに、ステップS46で切替指示の方向が「履歴閲覧」と判断された場合には、選択部102により選択されている情報が既に選択された情報であることを示すフラグが立てられている場合に、このフラグをクリアする(ステップS54)。切替指示の方向が「履歴閲覧」の場合には、連続して同じ方向の指示が入力された場合に、同じ情報が表示されることがないからである。
そして、次のステップS55では、選択部102が選択している情報を、履歴記憶部108に記憶された履歴情報に対応する情報に切替える。これにより、過去に参照した情報に戻って閲覧することができる。さらに、別途設けられた指示ボタンを押下することにより、履歴情報を遡って情報を閲覧することができる。このための入力手段は、一般的なウェブブラウザに設けられているような履歴を「戻る」や「進む」ボタンのような入力手段であってもよいし、一般的なサムネール表示のように履歴情報に記憶されている情報の一覧表示に一旦切り替えてユーザが所望の情報を選択するような入力手段であってもよい。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施の形態における情報閲覧装置について説明する。第4の実施形態における情報閲覧装置100Cは、情報記憶部101に記憶されている情報が更新される場合に緊急度の高い情報を優先的に出力するものである。そして、情報閲覧装置100Cでは、情報記憶部101に記憶されている情報とは異なる情報をリアルタイムに取得する。以下、第1の実施の形態における情報閲覧装置100と異なる点について主に説明する。
図23は、第4の実施の形態における情報閲覧装置100Cの機能の概略を示すブロック図である。第1の実施の形態における情報閲覧装置100と異なる点は、切替部105が削除された点、外部から情報をリアルタイムに取得するための外部情報取得部110と情報記憶部101に記憶されている情報の重要度を算出するための重要度算出部112が追加された点、および、関連度算出部104Cが、情報記憶部101に記憶されている情報の一部あるいは全部の各々に対して外部情報取得部110で取得された外部情報との関連度を算出するようにした点である。
外部情報取得部110は、情報閲覧装置100Cの外部より情報をリアルタイムに取得する。外部情報とは、外部よりリアルタイムに取得される情報であり、たとえば、ユーザが入力する時刻情報、現在の時刻、ユーザの体温や心拍数などの健康に関連する情報、または、情報閲覧装置100Cに接続されている電化製品等の別の装置の動作状況等である。以下、説明のため外部情報をユーザが入力する時刻情報とした場合を例に説明する。
関連度算出部104Cは、情報記憶部101に記憶されている情報のうち一部あるいは全部の各々に対して、外部情報取得部110で取得された外部情報との関連度を算出する。
重要度算出部112は、情報記憶部101に記憶されている情報のうち一部あるいは全部の各々に対して、重要度を算出する。ここで重要度算出の具体例を説明する。図24は、情報記憶部101に記憶される情報の一例を示す図である。図24に示す情報は、図3に示した情報に、この情報が緊急情報であることを示すための<urgent/>タグが追加されている。重要度算出部112は、この<urgent/>タグを用いて、その情報の重要度を算出する。すなわち、情報に<urgent/>タグが付与されていれば重要度を「1」とし、付与されていなければ「0」とする。なお、重要度算出部112は、それぞれの情報に重要度が数値で記述されている場合には、その数値を重要度とすればよい。また、情報の内容自体から重要度を算出するようにしてもよく、このための重要度の算出方法については一般的な技術を利用することができる。
また、この情報には、<date>タグによって設定された時刻情報が含まれるため、情報が作成された時刻を判断することができる。このため、ユーザは所望の時刻を指定することによって閲覧する情報の範囲をコントロールすることができる。
図25は、情報閲覧装置100Cの出力部103で出力される情報閲覧画面の一例を示す図である。図25を参照して、情報閲覧画面は、情報の内容を表示するための表示エリア901と、時間の範囲を表示する時間バー902と、時間バー902上の時刻を指し示すための時間ノブ903とを含む。
表示エリア901には、選択部102により選択された情報の内容が表示される。表示エリア901に表示される情報の内容および書式は、情報の内容に応じて決定される。たとえば、タイトルは大きな文字で表示され、日付けは所定の書式で表示される。また、分類とキーワードは、情報の内容を表わすためのメタデータなので、表示する必要はなく、表示エリア901には表示されない。情報の内容のうち表示する内容と表示しない内容、および、表示する内容がいかなる書式で表示されるかは、情報の内容に応じて予め定めておけばよい。
時間バー902と時間ノブ903とで、上述した外部情報取得部110の一部が構成される。時間バー902は、ユーザが閲覧を希望する情報の時期を指定するための入力部であり、ここでは、日付ごとに指定領域を複数配置している。時間バー902で表示する時期の範囲はユーザが調整できるようにすればよく、現在から過去の日付を表示してもよく、時刻を表示するようにしてもよい。ユーザが、時間ノブ903をマウスなどのポインティング装置やカーソルキーなどを操作して移動させることにより、時間ノブ903の位置に対応する時期が外部情報として指定される。
ここでは、時間ノブ903が1つの場合を示したが、時間ノブ903を2つとし、それぞれで開始時刻と終了時刻とを指定するようにして、時間の範囲を指定できるようにしてもよい。なお、時間バー902および時間ノブ903は、ここで示した形態に限らず、時間を指定できる形態であればよい。例えば時計のような形態にして針を動かして時間を指定できるようにしてもよい。さらには、画面上に表示されている以外にも、情報閲覧装置100Cに接続される入力装置としてもよい。
図26は、第4の実施の形態における情報閲覧装置で実行される情報閲覧処理の流れを示すフローチャートである。図26を参照して、情報閲覧装置100Cでは、外部情報取得部110により外部情報が取得されたか否かが判断される(ステップS61)。ここでは、外部情報取得部110の時間ノブ903により時刻が指示されたか否かにより判断される。以下、時間ノブ903により指示された時刻を「表示対象時刻」と呼ぶ。外部情報が取得されるまで待機状態となり(ステップS61で「なし」)、外部情報が取得されるとステップS62に進む。なお、外部情報が取得されるまで待機状態とするのではなく、外部情報が取得されるた時点で割り込みを発生させ、ステップS62以降の処理を実行するようにしてもよい。
ステップS62では、関連度算出部104Cにより取得された外部情報と、情報記憶部101に記憶されている情報との関連度が算出される。関連度は、算出の対象となる情報に含まれる時刻情報が、表示対象時刻から離れるほど小さくなる値となるように算出される。例えば、表示対象時刻から1時間以内であれば「1」、表示対象時刻から1日以内であれば「0.7」、表示対象時刻から2日以内であれば「0.5」とすればよい。
そして、次のステップS63では、選択部102により関連度が最も高い情報が選択される。なお、関連度が最大の情報が複数存在する場合には、たとえば、IDが最も小さい情報等、任意の情報が選ばれる。
ステップS64の後、選択部102により選択された情報にフラグが立てられる。これは、同じ外部情報が連続して取得された場合に既に選択されて出力部103で表示された情報については、関連度算出部104で関連度を算出する対象から外すようにするためである。したがって、ステップS63では、このフラグが立っている情報については、関連度が算出されない。また、フラグが立っている情報を関連度算出の対象から外すのに代えて、出力部103で出力する対象から外すようにしてもよい。
次のステップS65では、ステップS63において選択部102で選択された情報が出力部103により出力される。
これにより、情報閲覧画面の表示エリア901には、時間ノブ903により指示された時刻(以後、表示対象時刻と呼ぶ)に最も近い時刻情報を持つ情報が表示される。あるいは、表示対象時刻を中心とした所定の範囲内の時刻情報を持つ情報が表示される。この場合、選択された情報が複数ある場合には順次切替えて表示される。
図27は、第4の実施の形態における情報閲覧装置で実行される情報閲覧処理の流れを示す別のフローチャートである。図27を参照して、情報閲覧装置100Cでは、所定時間経過したか否かが判断される(ステップS71)。所定時間経過するまで待機状態となり(ステップS71でNO)、所定時間経過するとステップS72に進む。なお、所定時間経過するまで待機状態とするのではなく、所定時間経過した時点で割り込みを発生させ、ステップS72以降の処理を実行するようにしてもよい。ここでは、一定時間ごとにステップS72以降の処理を実行するようにしたが、情報記憶部101に新たに情報が記憶されたタイミング、または、選択部102により選択されている情報が切替えられたタイミングの後に、ステップS72以降の処理を実行するようにしてもよい。
ステップS72では、重要度算出部112により情報記憶部101に記憶されている情報の重要度が算出される。そして、算出された重要度は、選択部102に送信される。選択部では、受信した重要度に基づき所定の値よりも大きい重要度の情報を選択する(ステップS73)。
次のステップS74では、選択部102により選択された情報にフラグが立てられる。これは、重要度が高いと判断されて選択部102に一度選択された情報については、重要度算出部112で重要度を算出する対象から外すようにするためである。したがって、ステップS73では、このフラグが立っている情報については、重要度が算出されない。また、フラグが立っている情報を重要度算出の対象から外すのに代えて、出力部103で出力する対象から外すようにしてもよい。また、フラグを設定する代わりに情報の内容を書き換えてもよい。たとえば、図24に示した情報においては、<urgent/>タグを削除するように書き換えれば、その情報について書換え後に算出される重要度が「0」になる。
次のステップS75では、ステップS73において選択部102で選択された情報が出力部103により出力される。この際、たとえば赤色等の目立つ色彩で表示したり、目印を表示したり、音と併せて出力するようにすれば、ユーザの注意を喚起することができ、表示されている情報が重要度の高い情報であることを報知するために効果的である。
また、出力部103で出力する際に、選択された情報を所定時間表示するようにしてもよい。所定時間表示した後もとの表示に切替わる。さらに、選択された情報の所定部分、たとえば、ニュースの見出し、タイトル画面、広告情報、著作権情報を表示するようにしてもよい。さらに、所定の部分を所定の時間だけ表示するようにしてもよい。
特に、情報記憶部101に記憶される情報が、随時追加されるような場合には、新たに追加された情報の重要度が高い場合に、その情報が優先的に出力されるので、緊急性(重要度)の高い情報をユーザに即座に知らせることができる。情報記憶部101に随時追加される情報としては、外部のコンピュータなどからネットワークを介して定期的に受信される情報、放送電波で受信される番組プログラムなどの情報である。
なお、重要度算出部112が重要度を算出する対象とする情報は、情報記憶部101に記憶された情報のすべてとするのではなく、新たに記憶された情報のみとしてもよい。
以上の例では、外部情報としてユーザが明示的に設定した表示対象時刻とする場合を説明したが、現在の時刻を外部情報とすることも可能である。この場合、情報記憶部101に、ある時刻をユーザに伝えるための情報を記憶しておく。その情報は、たとえば正午などの時刻情報を有する。この場合、正午になった時点で、正午の時刻情報を有する情報の重要度が高くなり、出力される。このため、ユーザに正午になったことを通知することができる。
この場合は、ユーザが情報を閲覧している最中に、閲覧している情報に代えて正午であることを表す情報を提示する他に、閲覧している情報に重ねあわせて正午であることを表す情報を提示するようにすれば、閲覧中の情報がいきなり切替わってユーザが当惑することを防ぐことができる。
また、外部情報を、ユーザの体温やユーザの体温心拍などの健康に関連する情報とすることもできる。健康に関する情報は、センサーなどを利用して計測され、外部情報取得部110に入力される。この場合、情報記憶部101に病院、治療方法、薬などの医療に関する情報を記憶しておく。これにより、取得された外部情報としての健康に関連する情報と予め定められた値とを比較して異常と判断された場合に、健康に関する情報と、情報記憶部101に記憶された情報との関連度を求め、その関連度が高い情報を選択して出力すれば、身体に異常が発生した場合に、その異常に関連する病院などの医療に関する情報をユーザに提示することができる。なお、センサーにより異常と判断された情報のみを外部情報取得部110で取得するようにしてもよい。
さらに、外部情報を情報閲覧装置100Cに接続された別の装置の動作状況としてもよい。別の装置とは、例えば洗濯機等の電化製品である。この場合、情報記憶部101に、たとえば、天気予報に関する情報、洗濯機の動作状況が変化したことをユーザに通知するための情報等を記憶しておけば、洗濯機の動作が終了した時点で、洗濯機の動作が終了したことを示す情報や天気予報などがユーザに提示される。このため、ユーザは、洗濯機の動作状況の変化を知ることができたり、次の行動をするのに役立つ情報を知ることができる。
なお、第4の実施の形態における情報閲覧装置100Cは、第1〜第3の実施の形態における情報閲覧装置100,100A,100Bと組合わせることができる。
本実施の形態においては情報閲覧装置について説明したが、図10、図17、図22、図26および図27し示した情報閲覧処理をコンピュータに実行させるための情報閲覧プログラムとしても実現できる。このプログラムはコンピュータで読取可能な記録媒体に格納されて流通する。このような記録媒体は、一般的なコンピュータに内蔵あるいは接続されるROM(Read Only Memory) などの半導体メモリであってもよいし、また、コンピュータと接続される外部記憶部に着脱可能な記録媒体であってもよく、磁気テープ、カセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスク系、CD−ROM/MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスク系、ICカード(メモリカードを含む)や光カード等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM、EEPROM、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体であってもよい。
また、インターネットを含む通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する媒体であってもよい。尚、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用プログラムは、予めコンピュータに格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされる。尚、記録媒体に格納されている内容としてはプログラムに限定されず、データであってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100,100A,100B,100C 情報閲覧装置、101 情報記憶部、102 切替部、102 選択部、103 出力部、104,104A,104B,104C 関連情報算出部、105,105A 切替部、106 ユーザプロファイル記憶部、108 履歴記憶部、110 外部情報取得部、112 重要度算出部、202 メモリ、203 外部記憶部、204 ディスプレイ、204 出力部、205 スピーカ、206 バス、206 入力部。