JP2008250513A - 演奏情報表示装置およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 各々が仮想三次元空間内に配列された平面であるレイヤ上に、楽譜を構成する音符等のオブジェクトを配置し、所定の視点から各レイヤを眺めた状態によってディスプレイ上に楽譜を表示する。各レイヤの位置や視点等は適宜ユーザによって指定することができる。
【選択図】 図14
Description
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、比較的小型・低解像度のディスプレイにおいてもユーザが必要とする楽譜情報を見やすく表示でき、さらに表示上の自由度を高め視覚的に楽しめる演奏情報表示装置およびプログラムを提供することを目的としている。
請求項1記載の演奏情報表示装置にあっては、オブジェクト特定情報(論理楽譜情報)を含む演奏情報を記憶する記憶手段(20)であって、該オブジェクト特定情報は前記演奏情報を表示する表示画面を構成する複数のオブジェクトの各々について当該オブジェクトと当該オブジェクトが属するレイヤとを特定するものである、記憶手段(20)と、時間、高さおよび奥行きからなる仮想的な三次元空間内に、前記各レイヤを配置するための曲面(S(t,d))を指定する曲面指定手段(2,10,SP10)と、前記三次元空間内に、前記各レイヤを眺める仮想的な視点とその向きとを指定する視点指定手段(2,10,SP14)と、前記視点から眺めた仮想的な映像を表示する表示手段(8,SP40)とを有することを特徴とする。
さらに、請求項2記載の構成にあっては、請求項1記載の演奏情報表示装置において、前記曲面指定手段(2,10,SP10)は、現在適用されている曲面(S(t,d))を変形する手段を有することを特徴とする。
さらに、請求項3記載の構成にあっては、請求項1または2記載の演奏情報表示装置において、前記三次元空間内における前記各レイヤの奥行きを変更する奥行変更手段をさらに有することを特徴とする。
さらに、請求項4記載の構成にあっては、請求項1ないし3の何れかに記載の演奏情報表示装置において、前記三次元空間内に、仮想的な光源の座標である光源座標(PL)と、該光源の光軸が向かう座標である焦点座標(PB)とを指定する光源指定手段と、前記各オブジェクトと前記光源座標(PL)とを結ぶ直線と、前記光軸とが成す角度(θ)に応じて前記各オブジェクトの表示濃度を設定する表示濃度設定手段(2,10,SP28)とをさらに有することを特徴とする。
さらに、請求項5記載の構成にあっては、請求項1ないし4の何れかに記載の演奏情報表示装置において、自動演奏の時間的位置(t)を取得する時間的位置取得手段(SP16)と、「前記視点の位置と方向」、「前記光源の位置と方向」、または、「前記オブジェクトの前記レイヤ上の位置」のうち何れかを前記時間的位置(t)に応じて移動させる移動手段をさらに有することを特徴とする。
さらに、請求項6記載の構成にあっては、請求項1ないし5の何れかに記載の演奏情報表示装置において、前記表示手段(8)に表示される画像に対して表示倍率の設定を行う手段をさらに具備することを特徴とする。
また、請求項7記載のプログラムにあっては、オブジェクト特定情報(論理楽譜情報)を含む演奏情報を記憶手段(20)から読み出す読出過程であって、該オブジェクト特定情報は前記演奏情報を表示する表示画面を構成する複数のオブジェクトの各々について当該オブジェクトと当該オブジェクトが属するレイヤとを特定するものである、読出過程(SP16)と、時間、高さおよび奥行きからなる仮想的な三次元空間内に、前記各レイヤを配置するための曲面(S(t,d))を指定する曲面指定過程(SP10)と、前記三次元空間内に、前記各レイヤを眺める仮想的な視点とその向きとを指定する視点指定過程(SP14)と、前記視点から眺めた仮想的な映像を表示する表示過程(SP40)とを処理装置(22)に実行させることを特徴とする。
次に、本発明の一実施例の携帯型情報端末のハードウェア構成を図1を参照して説明する。
図1において、2は操作子部であり、各種スイッチ等から構成されている。4は検出回路であり、操作子部2の状態を検出する。6はタッチパネルであり、表示回路8によって各種の画像が表示される。さらに、タッチパネル6に対する操作状態は検出回路10によって検出される。12はオーディオインタフェース部であり、図示せぬヘッドフォン等を介して音声信号を出力するとともに、図示せぬマイクロフォンを介して音声信号を入力する。14は通信インタフェース部であり、外部機器との間でデータの入出力を行う。
2.1.処理の概要
次に、本実施例における各種前提理論について説明するが、最初に処理の概要を説明しておく。
本実施例は、携帯型情報端末のタッチパネル6に対して、楽譜を立体的に表示しようとするものである。まず、T軸(時間),H軸(高さ),D軸(奥行)を有する「オリジナル座標系」という三次元空間を想定し、図4(a)に示すように複数のレイヤL1,L2,……,Lnを該空間内に配置したとする。ここで、各レイヤL1,L2,……,Lnは、一般的には、楽譜におけるパートPt1,Pt2,……,Ptnに各々対応する。
次に、本実施例における演奏情報のデータ構成を図2を参照し説明する。本実施例の演奏情報には、例えばSMF(スタンダードMIDIフォーマット)形式などが採用される。図2において演奏情報は、一のヘッダチャンク30と、複数のトラックチャンク32,…,32とから構成されている。ヘッダチャンク30には、トラック数、時間単位、フォーマットの種別等が記憶される。また、各トラックチャンク32は、タイミングデータ34,…,34とイベントデータ36,…,36とから構成される。
ここで、タイミングデータ34,…,34はその直後に続く一または複数のイベントデータ36,…,36を再生するタイミングであり、イベントデータ36,…,36は、MIDIイベント、システム・エクスクルーシブ・メッセージ、メタイベント等のデータである。
次に、上述した演奏情報内の論理楽譜情報に基づいて、各レイヤの内容を特定するレイヤデータが構成される。まず、論理楽譜情報は、音符、休符、小節線等を表すものであり、各論理楽譜情報に基づいて、一または複数の「オブジェクト」が形成される。そして、一のトラックに含まれるオブジェクトが一のレイヤに配置される。上述したように、図3において、あるオブジェクトQは、オリジナル座標系内のT軸(時間),H軸(高さ)上の位置に基づいて「Q(tq, hq)」のようにレイヤ上の位置が表現される。
上述したレイヤ構築処理によって構築された各レイヤデータは、三次元直交座標系であるオリジナル座標系の中に配置される。ここでは、各レイヤL1,L2,……,Lnに対して、奥行d1,d2,……,dnが与えられる。すなわち、各レイヤLiは、T軸,H軸に対して平行に、かつD軸に対して直行するようにTD平面上に配置される。これにより、レイヤLi上の各オブジェクトは「Q(tq, di,hq)」で表される。
次に、ワールド座標系における曲面S(t, d)を特定する処理を図6(a)〜(c)を参照し説明する。まず、曲面S(t, d)は、初期状態においては、XWZW平面に一致するように設定される。従って、ワールド座標系における各レイヤは、図6(a)に示すようにオリジナル座標系と同様に配置される。ここで、ユーザは、必要に応じて曲面S(t, d)を変形することができる。
上述した「処理の概要」においては、ワールド座標系内の各レイヤは、図8(a)に示すようにYW軸と平行であると仮定したが、各レイヤの向きはこれに限られるものではなく、曲面S(t, d)上の各点上でユーザが任意に指定することができる。なお、「各レイヤの向き」は、「オリジナル座標系のオブジェクトをワールド座標系に写像したときの、各レイヤにおけるH軸の向き」である。例えば、図8(b)に示すように、各レイヤにおけるH軸は、視点座標系のYe軸に平行になるようにしてもよく、図8(c)に示すように曲面S(t, d)の法線方向にしてもよい。
xW = xS,
yW = yS + hq,
zW = zS.
xW= xS + hqsinα sinβ,
yW= xS + hqcosβ,
zW= zS - hqcosαsinβ.
ワールド座標系に座標変換されたオブジェクトの配置をそのまま用いて以降の処理をしてもよいが、後の処理において扱い易いように、ワールド座標系を適宜アフィン変換したものを修正ワールド座標系とし、この修正ワールド座標系を用いて以降の処理を行うと好適である。そこで、本実施例においても、かかる修正ワールド座標系に対する各オブジェクトの写像を求め、以後の処理に使用する。
xA = A11xW + A12yW + A13zW + A14,
yA = A21xW + A22yW + A23zW + A24,
zA = A31xW + A32yW + A33zW + A34.
xA = A11xW, yA = A22yW, zA = A33zW.
xA = xW+ A14, yA = yW+ A24, zA = zW+ A34.
また、「回転」の例として、XW軸のまわりをθX回転させる場合、YW軸のまわりをθY回転させる場合、あるいはZW軸のまわりをθZ回転させる場合、それぞれ次のような変換を行うとよい。
XW軸のまわり:xA = xW, yA= cosθXyW - sinθXzW, zA= sinθXyW + cosθXzW.
YW軸のまわり:xA = cosθYxW + sinθYzW, yA = yW, zA= -sinθYyW + cosθYzW.
ZW軸のまわり:xA = cosθZxW - sinθZyW, yA = sinθZyW+ cosθZzW, zA = zW.
なお、上述した各種変換を組み合わせてもよいことは言うまでもない。
このようにして求められた座標PA(xA, yA, zA)を修正ワールド座標系における新たな座標PWとして、以下に述べる処理が実行される。
修正後の三次元ワールド座標系(OW―XWYWZW)において、図9(a)に示す視点PF(xF, yF, zF)を想定する。視点PF(xF, yF, zF)を原点Oeとし、視線の向き、すなわち原点Oeと点PW(xW, yW, zW)とを結ぶ直線をZe軸とした左手系の座標系を視点座標系(Oe―XeYeZe)という。本実施例においては、Xe軸はXWZW面に平行にとるものとする。
従って、座標Pe(xe, ye, ze)は、下式により求められる。
xe= (xW - xF)cosα+ (zW - zF)sinα ,
ye= (xW - xF)sinαsinβ+ (yW - yF)cosβ- (zW - zF)cosαsinβ,
ze= (xW - xF)sinαcosβ- (yW - yF)sinβ- (zW - zF)cosαcosβ.
本実施例においては、ワールド座標系に配置されるオブジェクト(部品)に対して、シェーディング等の処理を施すことができる。スポットライトで焦点を当てたような表示を行うため、図9(b)に示すように所定の光源を想定し、その光源から放射される光量に応じて各オブジェクトを表示する濃度を割り当てることにより、表示濃度を制御することができる。なお、特にシェーディング効果を施さない場合は、全てのオブジェクトに対して一様の濃度が割り当てられる。
但し、上式における各変数の意味は次の通りである。
IL :光軸方向の光源の強さ(定数でもよいしユーザが指定してもよい)
θ:光軸と、直線POPLがなす角
n:指向性の強さを示す係数(定数でもよいしユーザが指定してもよい)
φ :各レイヤの法線fと直線POPLがなす角。
ここで、レイヤの法線fの向きは、先に説明した「レイヤの向き」によって一意に決定される。図9(b)の例ではH軸の方向がYW軸と同一であるため、法線fの向きはZW軸に等しくなる。
r :座標POと座標PLとの間の距離
Kd :拡散反射係数(定数)
以上のようにして、ワールド座標系内の全てのオブジェクト(部品)のそれぞれの座標POに対して、対応する表示濃度IOが割り当てられる。これにより、各オブジェクトは、割り当てられた表示の表示濃度IOで表示される。ここで、表示濃度IOが大きい場合、そのオブジェクトは濃く不透明に表示される。また、表示濃度IOが小さい場合、そのオブジェクトは薄く、背景色に近い色で表示される。また、視点から見たときに奥にあるオブジェクト(部品)が透けて見えるようになる。光源の座標PLを、視点の座標PFと一致させるような実装もありうる。
本実施例では、楽譜を静的に表示するのみならず、経過時間に応じてダイナミックに楽譜表示が変更される。例えば、演奏情報内のテンポ情報と、経過時間とに基づいて、演奏情報内の現在位置すなわちカレントポジションが更新され、それに伴って、オブジェクト(楽譜を構成する部品)、視点の座標PF、光源の座標PL等が更新され、結果として、表示される楽譜が更新され、カレントポジションのイベントデータに基づいて、楽音生成や演奏ガイド等も同時に実行される。
上述したオリジナル座標系の原点Oは、初期状態においては演奏情報の先頭位置であるが、演奏情報の再生が開始されると、カレントポジションとともに移動する。すなわち、その時々のカレントポジションがオリジナル座標系における原点Oになる。換言すれば、上述した説明では、あるレイヤ上のオブジェクトQのオリジナル座標系における位置を(tq, di,hq)としたが、演奏情報の再生開始時点からの経過時間をtとしたとき、当該オブジェクトQの座標は、(tq-t, di,hq)になる。その状態を図10(a)に示す。
上述したように、オブジェクトQの座標を(tq-t, di,hq)に設定するならば、カレントポジションの変更に応じてオブジェクトが移動するが、オブジェクトの位置を固定し、現在の演奏箇所がタッチパネル6上で強調して表示されるように、カレントポジションに応じて、視点座標PF、光源座標PLまたは焦点座標PBなどを変更するようにしてもよい。ここでは、一例として、視点座標PFをカレントポジションに沿って移動する例を説明しておく。
また、オブジェクトQの座標、視点座標PFおよび光源座標PLを固定しながら、カレントポジションtに応じて視点座標系における視線の向きや焦点座標PBを変更するようにしてもよい。すなわち、視点座標PFと現在時刻における曲線C(t)上の点とを結ぶ直線を「視線」とし、図11(c)に示すように角度α,βをカレントポジションtの関数α(t),β(t)とし、該視線と視点座標系のZe軸とが重なるようにα(t)とβ(t)とを設定するとよい。
視点座標系における各オブジェクトの座標および表示濃度IOが決定されると、次に、クリッピング、透視変換、ビューポート変換などの処理を経て、生成された画像がタッチパネル6に表示される。なお、これらの処理はコンピュータグラフィックスにおいて周知な処理であり、本実施例においてもこれら周知な処理を適用するとよい。
尚、透視変換は、遠近感のある透視投影だけでなく、並行投影(直交投影、正射影とも呼ばれる)であってもよい。
次に、本実施例の動作を説明する。
携帯型情報端末において所定の操作が行われると、図12,図13に示す処理プログラムが起動される。図において処理がステップSP2に進むと、所定の初期化処理が行われる。次に、処理がステップSP4に進むと、操作子部2において演奏状態(停止中または演奏中)の変更操作が行われたか否かが判定される。ここで「YES」と判定されると、処理はステップSP6に進み、演奏状態(停止中または演奏中)が変更される。すなわち、「停止中」であれば「演奏中」に変更され、「演奏中」であれば「停止中」に変更される。
本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、例えば以下のように種々の変形が可能である。
(1)上記実施例においては、携帯型情報端末上で動作するアプリケーションプログラムによって楽譜等の表示を行ったが、このアプリケーションプログラムのみをCD−ROM、メモリカード等の記録媒体に格納して頒布し、あるいは伝送路を通じて頒布してもよい。また、該アプリケーションプログラムは、携帯型情報端末において実行されるものに限られるものではなく、同様のプログラムを通常のパーソナルコンピュータや電子楽器等において実行できることは言うまでも無い。
Claims (7)
- オブジェクト特定情報を含む演奏情報を記憶する記憶手段であって、該オブジェクト特定情報は前記演奏情報を表示する表示画面を構成する複数のオブジェクトの各々について当該オブジェクトと当該オブジェクトが属するレイヤとを特定するものである、記憶手段と、
時間、高さおよび奥行きからなる仮想的な三次元空間内に、前記各レイヤを配置するための曲面を指定する曲面指定手段と、
前記三次元空間内に、前記各レイヤを眺める仮想的な視点とその向きとを指定する視点指定手段と、
前記視点から眺めた仮想的な映像を表示する表示手段と
を有することを特徴とする演奏情報表示装置。 - 前記曲面指定手段は、現在適用されている曲面を変形する手段を有することを特徴とする請求項1記載の演奏情報表示装置。
- 前記三次元空間内における前記各レイヤの奥行きを変更する奥行変更手段をさらに有することを特徴とする請求項1または2記載の演奏情報表示装置。
- 前記三次元空間内に、仮想的な光源の座標である光源座標と、該光源の光軸が向かう座標である焦点座標とを指定する光源指定手段と、
前記各オブジェクトと前記光源座標とを結ぶ直線と、前記光軸とが成す角度に応じて前記各オブジェクトの表示濃度を設定する表示濃度設定手段と
をさらに有することを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の演奏情報表示装置。 - 自動演奏の時間的位置を取得する時間的位置取得手段と、
「前記視点の位置と方向」、「前記光源の位置と方向」、または、「前記オブジェクトの前記レイヤ上の位置」のうち何れかを前記時間的位置に応じて移動させる移動手段
をさらに有することを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の演奏情報表示装置。 - 前記表示手段に表示される画像に対して表示倍率の設定を行う手段をさらに具備することを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載の演奏情報表示装置。
- オブジェクト特定情報を含む演奏情報を記憶手段から読み出す読出過程であって、該オブジェクト特定情報は前記演奏情報を表示する表示画面を構成する複数のオブジェクトの各々について当該オブジェクトと当該オブジェクトが属するレイヤとを特定するものである、読出過程と、
時間、高さおよび奥行きからなる仮想的な三次元空間内に、前記各レイヤを配置するための曲面を指定する曲面指定過程と、
前記三次元空間内に、前記各レイヤを眺める仮想的な視点とその向きとを指定する視点指定過程と、
前記視点から眺めた仮想的な映像を表示する表示過程と
を処理装置に実行させることを特徴とするプログラム。
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