JP2008249266A - 一次伝面型熱交換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】伝熱コアを収容するハウジングに作用する応力を低減し、ハウジング変形を低減するとともに、バイパス流れを抑制できる一次伝面型熱交換器を提供する。
【解決手段】コルゲートフィンで構成される一次伝熱面プレートを積層して各層間に交互に高圧流体用通路と低圧流体用通路が形成される伝熱コアと、この伝熱コアを収容するハウジングとを備えた一次伝面型熱交換器において、前記伝熱コアの最外層に配される一次伝熱面プレートのコルゲートフィンの頂部が前記ハウジングの内面にろう付されており、かつ前記伝熱コアの最外層に配される一次伝熱面プレートと前記ハウジングの内面との間には高圧流体用通路を形成し、高圧流体を流通させることを特徴とする一次伝面型熱交換器である。これは、向流型、直交流型または斜交流型のいずれかで構成することができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、コルゲートフィンで構成された一次伝熱面プレートを積層した熱交換器に関し、さらに詳しくは、伝熱コアを収容するハウジングに作用する応力を低減し、ハウジングに発生する変形を低減するとともに、コルゲートフィン同士に隙間が生じた場合に発生するバイパス流れを抑制することができる一次伝面型熱交換器に関するものである。
近年、エネルギーの有効利用という観点から、分散型エネルギーシステムは大型発電システムに代わるエネルギーシステムとして有望視されており、その中でも、ガスタービン等の熱機関や、化学プロセスを経て燃料から直接発電を行う高温型燃料電池の開発が盛んに行われている。これらの分散型エネルギーシステムにおいては、排熱回収性能がガスタービンや高温型燃料電池の性能に大きく影響することから、ガスタービンや高温型燃料電池には、熱回収効率がよく、有効な熱交換が可能な高性能の熱交換器の使用が必須になる。
また、ガスタービンや高温型燃料電池では、始動および停止が反復されることから、温度サイクルに対する高い耐久性を備えた熱交換器の採用が要請されている。このような機能を充分に発揮できる熱交換器として、高温用プレートフィン型熱交換器が用いられている。
高温用プレートフィン型熱交換器の伝熱コアは、一般的に高温流体通路と低温流体通路がチューブプレートを挟み交互に積層配置された構成からなり、低温流体通路は2枚のチューブプレート間にコルゲートフィンを挟み、ディストリビューターフィンを配置し、スペーサーバーで閉塞することで構成されている。チューブプレートは、ろう付け等によりコルゲートフィンと一体化されているが、コルゲートフィンの両側の面が直接高温流体と低温流体の両者に接しているわけでないので、便宜的に二次伝熱面と称されることがある。
これに対して、例えば、ステンレス鋼のような薄い合金シートを、ひだ付けを施すように波形に形成するか、折り曲げることにより、コルゲートを構成した面の両側で、両方の流体を直接接触させる伝熱面を形成させたのを一次伝熱面という。
これまで、上記の一次伝熱面と二次伝熱面を組み合わせることで、様々な伝熱コアが提案されてきたが、高温用プレートフィン型熱交換器では、燃料効率の向上および温度サイクルに対する高い耐久性という観点から、二次伝熱面に替えて、一次伝熱面のみによる熱交換方式、すなわち、一次伝面方式(Primary Surface)を採用した新たな熱交換器が開発されている。
本発明者らは、一次伝熱面と一体化されているディンプル形状のディストリビューターを製造することで、ディストリビューターフィン等の二次伝熱面により形成される通路と同等の偏流防止効果が得られることを見出し、特許文献1において、押し潰し加工されたディストリビューターと一体で構成された一次伝熱面プレートを使用する一次伝面方式による伝熱コアを提案した。
図1は、一次伝面方式による伝熱コアを示す図であり、同(a)は一次伝熱面プレートの一例を示す図であり、同(b)は2以上の一次伝熱面プレートを組み合わせて得られる伝熱コアの斜視図である。図1(b)に示す流体通路の構成は、矢印Hは高圧(高温)流体の流れを示し、矢印Lは低圧(低温)流体の流れをそれぞれ示しており、それぞれの流体はメイン通路部2において向流型を形成している。
特許文献1で提案された一次伝面方式による伝熱コア6に用いる一次伝熱面プレート1は、メイン通路部を形成する一次伝熱面2の一部を押し潰し加工して、平面部3とディンプル4からディストリビューター部を得ることにより、ディストリビューターと一体で構成された一次伝熱面プレート1となる。
さらに、二種類の一次伝熱面プレートを組み合わせて、側部をスペーサーバー5で封止することにより、伝熱コア6を得る。このような構成とすることにより、低圧(低温)流体の偏流を防止し、高温排熱の回収率を上昇させて燃料効率の向上を図ることができる。一次伝熱面または二次伝熱面から得られる伝熱コアは、ハウジングに収容されて熱交換器として機能する。
図2は、伝熱コアをハウジングに収容した一次伝面型熱交換器の構成例を模式的に示す図である。なお、図2中の矢印Hは高圧(高温)流体の流れ方向を、矢印hはバイパス流の流れ方向をそれぞれ示す。
図2に例示する一次伝面型熱交換器11では、ヘッダ8を備えた伝熱コア6が、ハウジング7内に配置されているが、寸法公差の累積により伝熱コア6とハウジング7との間には、やむを得ない隙間が発生することになる。入側ダクト9から流入した高圧(高温)の流体は、矢印Hに示すように、伝熱コア6内で、ヘッダ8から流入した低圧(低温)の流体と熱交換を行うことにより冷却された後に、出側ダクト10から流出する。
しかし、伝熱コア6とハウジング7との間に隙間が生じていると、伝熱コア6とハウジング7との間を流れる矢印hで示すバイパス流が発生し、伝熱コア6による有効な熱交換が行われず、熱交換効率が低下するという問題がある。
このような問題を解決するために、例えば、特許文献2には、伝熱コアの外周とハウジングの内面との間に隙間を設けて、伝熱コアをハウジング内に配置するとともに、伝熱コアの外周とハウジングの内面との間にワイヤーメッシュを介在させた積層型熱交換器が開示されている。
この熱交換器によれば、弾性体であるワイヤーメッシュによって伝熱コアとハウジング間に発生する応力が緩和されるので、応力による伝熱コアの破損を防止できる。また、伝熱コアの外周とハウジングの内面との間の隙間はワイヤーメッシュによって大きな流通抵抗を有する経路となるため、伝熱コアとハウジングとの間を流れるバイパス流を極力抑えることができるとしている。
しかし、特許文献2で開示される積層型熱交換器は、伝熱コアの外周とハウジングの内面との間にワイヤーメッシュを介在させることにより、伝熱コアとハウジングとの間で流体を流れ難くするものであり、後述する図9に示すように、コルゲートフィン同士の間に隙間が生じることにより、バイパス流の発生を抑制することができない。
特願2005−335379号 特開2004−132562号公報
通常、一次伝面型熱交換器は、伝熱要素となる一次伝熱面プレートはステンレス鋼等の薄い合金シートを用い、これにひだ付け加工や折り曲げ加工を施して、例えばコルゲートフィンを構成するなどして、接着接合やろう付け等を行わず、変形自由度を大きくして伝熱コアを構成し、ハウジングに収容されている。このため、一次伝面型熱交換器に高圧(高温)流体を流通させる場合には、伝熱コアに応力が発生し、これを収容するハウジングに変形が生じることになる。
熱交換器やハウジングに発生する変形を防止するには、例えば、タイボルト等を用いて外部から締め付けを行う装置を設ける必要がある。しかし、締め付け装置を配置することにより、一次伝面型熱交換器の重量が増加するとともに組立に多大な工数を要することになり、製造コストの増大を来すことになる。また、後述する図9に示すように、従来の一次伝面型熱交換器では内圧により、コルゲートフィン同士の間に発生した隙間により、バイパス流(矢印h)が発生増加することから、熱交換効率が低下する。
本発明は、上述した問題に鑑みなされたものであり、伝熱コアを流通する高圧流体に伴ってハウジングに作用する応力を低減し、ハウジングに発生する変形を低減するとともに、伝熱コア間の隙間に起因するバイパス流れを抑制することができる一次伝面型熱交換器を提供することを目的としている。
前述の通り、一次伝面型熱交換器に用いられる一次伝熱面プレートは、ろう付け等により一体化されるプレートフィンに替えて、薄い合金シートを用い、波形に形成加工することにより、または折り曲げ加工により、例えば、コルゲートフィンから構成する。そして、熱交換に際しては、一次伝熱面プレート面の両側で、高圧流体および低圧流体を直接接触させる伝熱面として用いられる。
そこで、本発明者らは、本発明の課題を解決するために種々の検討を行なった結果、伝熱コアで発生する応力のうち、ハウジングに作用する応力を抑制するには、伝熱コアの最外層に配される一次伝熱面プレートのコルゲートフィンをハウジングの内面に当接するように接合し、内圧によりコルゲートフィンに作用する荷重の分布を最適にコントロールするのが有効であることに着目した。
さらに、本発明者らは、コルゲートフィンとハウジングに作用する内圧による荷重分布を最適にコントロールすることにより、締め付け装置による締め付け力を付加しなくても、伝熱コアを収容するハウジングの変形を防止できるとともに、コルゲートフィンをハウジングの内面に接合することにより、バイパス流れを抑制できることを知見した。
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、下記(1)および(2)の一次伝面型熱交換器を要旨としている。
(1)コルゲートフィンで構成された一次伝熱面プレートを積層して各層間に交互に高圧流体用通路と低圧流体用通路が形成される伝熱コアと、この伝熱コアを収容するハウジングとを備えた一次伝面型熱交換器において、前記伝熱コアの最外層に配される一次伝熱面プレートのコルゲートフィンの頂部が前記ハウジングの内面にろう付されており、かつ前記伝熱コアの最外層に配される一次伝熱面プレートと前記ハウジングの内面との間には高圧流体用通路を形成し、高圧流体を流通させることを特徴とする一次伝面型熱交換器である。
(2)上記(1)の一次伝面型熱交換器では、前記伝熱コアが形成する高圧流体用通路および低圧流体用通路を、向流型、直交流型または斜交流型のいずれかで構成することができる。さらに、前記コルゲートフィンを構成する一次伝熱面プレートは、ステンレス系材料、Ni基超耐熱合金またはアルミニウム合金で作製するのが望ましい。
本発明の一次伝面型熱交換器によれば、伝熱コアの最外層に配される一次伝熱面プレートのコルゲートフィンをハウジングの内面に当接するように装着し、コルゲートフィンおよびハウジングに作用する内圧による荷重分布を最適にコントロールすることにより、ハウジングに発生する変形および応力を低減することができる。同時に、コルゲートフィンとハウジングとの接合により、バイパス流れを抑制できることから熱交換効率を向上させることができる。
本発明の一次伝面型熱交換器は、コルゲートフィンを構成する一次伝熱面プレートを積層して各層間に交互に高圧流体用通路と低圧流体用通路が形成される伝熱コアと、この伝熱コアを収容するハウジングとを備えた一次伝面型熱交換器において、前記伝熱コアの最外層に配される一次伝熱面プレートのコルゲートフィンの頂部が前記ハウジングの内面にろう付されており、かつ前記伝熱コアの最外層に配される一次伝熱面プレートと前記ハウジングの内面との間には高圧流体用通路を形成し、高圧流体を流通させることを特徴としている。
前述の通り、一次伝面型熱交換器を構成するコルゲートフィンは、ろう付け等により別部材に接合されることなく、波形に形成加工することにより一次伝面プレートとして、プレート面の両側で、高圧流体および低圧流体を流通させる構造である。
そして、本発明の一次伝面型熱交換器では、その最外層に配される一次伝熱面プレートであるコルゲートフィンの頂部をハウジングの内面にろう付し、一次伝熱面プレートとハウジングとを接合する。それと同時に、最外層に配される一次伝熱面プレートとハウジングの内面とで高圧流体用通路を形成する。このように構成することにより、コルゲートフィンおよびハウジングに作用する内圧による荷重分布をハウジングに作用する応力が低減できるように調整できる。
以下に、本発明の一次伝面型熱交換器の構成を、それ以外の比較例となる一次伝面型熱交換器の構成と対比して説明する。以下の説明では、伝熱コアの最上層に配される一次伝熱面プレートと上部ハウジングとの関係に基づいて説明するが、その関係は最下層に配される一次伝熱面プレートと下部ハウジングとの関係においても同様である。
1.本発明の一次伝面型熱交換器の構成
1−1.向流型の流体通路を構成する場合
図3は、本発明の一次伝面型熱交換器における、上部ハウジングの内部に装着された最上層の一次伝熱面プレートを構成するコルゲートフィンの配置状況を示す図である。最上層のコルゲートフィン1は上部ハウジング7の内部に当接されて配置されており、コルゲートフィン1の各頂部1aはハウジング7の内面にろう付され、最上層のコルゲートフィン1と上部ハウジング7とは接合されている。
図4は、本発明の一次伝面型熱交換器における、最上層の一次伝熱面プレートを構成するコルゲートフィン配置に伴う境界条件を説明する要部図である。図示するように、上部ハウジング7の厚さdは2mmおよび側面幅wtは10mmであり、装着されたコルゲートフィン1は高さ2.4mm、28ピッチ(1インチ当たりのフィン枚数)の寸法に形成加工されており、上部ハウジング7の内部にろう付されている。
図4に示すコルゲートフィン配置によれば、最上層の一次伝熱面プレートを構成するコルゲートフィン1と上部ハウジング7の内部との間には流体用通路12が形成されるが、本発明の一次伝面型熱交換器の構成では、この通路を高圧流体用通路12hとして高圧流体を流通させる。一方、高圧流体用通路12hの反対側は、低圧流体用通路12lとして低圧流体を流通させる。
最上層の一次伝熱面プレートを構成するコルゲートフィン1と上部ハウジング7との間に高圧流体を流通させることにより、荷重F1が上部ハウジング7に作用するが、一方、反対方向に作用する荷重F2も発生する。そのため、上部ハウジング7を押し上げようとする荷重F1と上部ハウジングを引き下げようとする荷重F2とは相殺され、上部ハウジング7に発生する応力は極めて小さなものとなる。
図5は、前記図4に示すコルゲートフィン、並びに高圧流体用通路および低圧流体用通路配置に伴う、本発明の一次伝面型熱交換器での上部ハウジングの変形挙動をシミュレーションした結果を示す図である。上部ハウジング7の全長幅wは70mmであり、圧力条件は高圧流体を55kgf/cm2(53.9bar)、低圧流体を1.6kgf/cm2(1.6bar)とした。図5に示すように、このときの変形は、上部ハウジング7の中央部の変形量δで+0.99μm(+0.00099mm)であり、全く無視できるものであった。
1−2.直交流型、または斜交流型の流体通路を構成する場合
図6は、直交流型の流体通路を形成する伝熱コアの構成と各流体の流れ方向を示す図である。上層の一次伝面プレートを構成するコルゲートフィン1は、上部ハウジング7の内部に当接されるように配置され、高圧流体用通路12hを構成しており、高圧流体の流通方向は矢印Hで示される方向となる。コルゲートフィン1を構成する他の面は、低圧流体用通路12lとして用いられる。
下層の一次伝面プレートを構成するコルゲートフィン1は、上層のコルゲートフィン1と直交するように配置される。上層のコルゲートフィン1面で形成される低圧流体用通路12lと下層のコルゲートフィン1面で形成される低圧流体用通路12lとは連通されており、上層と下層のコルゲートフィン1間に低圧流体用通路12lが構成され、低圧流体の流通方向は矢印Lで示される。下層の一次伝面プレートにおいても、コルゲートフィン1を構成する面の両側で、高圧流体用通路12hおよび低圧流体用通路12lが形成される。
図6は、直交流型の流体通路を形成する伝熱コア6の構成を示しているが、任意の角度で交差する斜交流型の流体通路を形成する伝熱コアの構成であっても、図6に示す構成と同様に、上層の一次伝面プレートおよび下層の一次伝面プレートとの組み合わせ構造からなる。そして、上層および下層の一次伝面プレートにおいて、コルゲートフィンを構成する面の両側で、高圧流体用通路12hおよび低圧流体用通路12lが形成される。
本発明の直交流型の一次伝面型熱交換器においても、前記図4に示す構成と同様に、最上層のコルゲートフィンは上部ハウジングの内部に当接させて配置し、コルゲートフィンの各頂部はハウジングの内面にろう付した。そして、最上層のコルゲートフィンと上部ハウジングの内部との間に高圧流体用通路を構成した。下層のコルゲートフィンは、最上層のコルゲートフィンと直交する方向に配置し、上層と下層のコルゲートフィン間に低圧流体用通路を構成した。
最上層のコルゲートフィンと上部ハウジングとの間に構成した高圧流体用通路に、高圧流体を流通させることにより、前記図4に示すような荷重の分布状態となり、上部ハウジングに作用する応力は極めて小さなものとなる。
図7は、本発明の直交流型の一次伝面型熱交換器における、上部ハウジングの変形挙動をシミュレーションした結果を示す図である。前記図5と同様に、上部ハウジング7の全長幅wは70mmとし、高圧流体を55kgf/cm2(53.9bar)、低圧流体を1.6kgf/cm2(1.6bar)とし、最上層のコルゲートフィン1と上部ハウジング7との間に高圧流体を流通させることにより、上部ハウジング7の中央部の変形量δは−0.52μm(−0.00052mm)となり、全く無視できるものであった。
前記図5および図7の結果から、直交流型、または斜交流型の流体通路を構成する一次伝面型熱交換器においても、向流型の一次伝面型熱交換器と同様に、最上層に配される一次伝熱面プレートが構成するコルゲートフィンの頂部を上部ハウジングの内面にろう付し、最上層に配されるコルゲートフィンと上部ハウジングとで構成される流通路に高圧流体を流通させることにより、上部ハウジングに発生する応力を無視できる程度に低減できることが分かる。
2.比較例の一次伝面型熱交換器の構成
2−1.流体通路の構成を変更する場合
図8は、比較例となる一次伝面型熱交換器における、最上層の一次伝熱面プレートを構成するコルゲートフィン、並びに高圧流体用通路および低圧流体用通路配置に伴うハウジングへの荷重伝達を説明する要部図である。
前記図4と同様に、上部ハウジング7の厚さdは2mmおよび側面幅wtは10mmであり、装着されたコルゲートフィン1は高さ2.4mm、28ピッチ(1インチ当たりのフィン枚数)の寸法に形成加工されており、上部ハウジング7の内部に接している。
比較例の一次伝面型熱交換器では、流体通路の構成を変更するため、図8に示す最上層の一次伝熱面プレートを構成するコルゲートフィン1と上部ハウジング7の内部とに低圧流体用通路12lを形成した。
この低圧流体用通路12lに低圧流体を流通させることにより、高圧流体が上部ハウジング7に作用する荷重F1と、高圧流体用通路12hを介して上部ハウジングに作用する荷重F2とが重複され、上部ハウジング7を押し上げる荷重が著しく大きくなる。
図9は、比較例の一次伝面型熱交換器における、上部ハウジングの変形挙動をシミュレーションした結果を示す図である。上部ハウジング7の全長幅wは70mmとし、高圧流体を55kgf/cm2(53.9bar)、低圧流体を1.6kgf/cm2(1.6bar)とし、最上層のコルゲートフィン1と上部ハウジング7との間に低圧流体を流通させた。
このときの上部ハウジング7の変形は、図9に示すように、上部ハウジングの中央部において変形量δが+0.65mmとなり大きな変形であった。このような大きな変形量δになると、コルゲートフィンとコルゲートフィンとの間に隙間が生じバイパス流の発生が予測される。
2−2.ハウジング内にコルゲートフィンを配置させない場合
さらに比較例として、上部ハウジングの内部に、一次伝熱面プレートを構成するコルゲートフィンを配置させることなく、圧力が55kgf/cm2(53.9bar)の高圧流体を充填させ、上部ハウジングの変形挙動を調査した。
図10は、上部ハウジングの内部に一次伝熱面プレートを構成するコルゲートフィンを配置させない場合の上部ハウジングの変形挙動をシミュレーションした結果を示す参考図である。上部ハウジングの全長幅wは70mmであり、圧力条件は高圧流体を55kgf/cm2(53.9bar)で充填した。このときの上部ハウジングの中央部における変形量δは+0.72mmであり、大きな変形であった。比較例の一次伝面型熱交換器と同等の変形量であることが分かる。
本発明のコルゲートフィンを構成する一次伝熱面プレートの素材としては、ステンレス系材料、Ni基超耐熱合金またはアルミニウム合金を用いるのが望ましい。このように、素材としてステンレス系材料、Ni基超耐熱合金またはアルミニウム合金を用いれば、高強度かつ曲げ加工性に優れた薄板を得ることができる。ステンレス系材料としては、例えば、SUS347、SUS321、SUS310、SUS310S、SUS304等を、またNi基超耐熱合金としては、例えば、インコネル625等を用いることができる。また、アルミニウム合金として、3003、4004、6951等を適用できる。
本発明の一次伝面型熱交換器によれば、伝熱コアの最外層に配される一次伝熱面プレートのコルゲートフィンをハウジングの内面に当接するように接合し、コルゲートフィンに作用する荷重の分布を最適にコントロールすることにより、ハウジングに発生する変形および応力を低減することができる。同時に、コルゲートフィンとハウジングとの接合により、バイパス流れを抑制できることから熱交換効率を向上させることができる。
また、熱交換器やハウジングに発生する変形を防止するためのタイボルトやカバープレート等の締め付け部材が不要となり、重量の軽減や製造コストの削減を図ることができる。
これにより、本発明の一次伝面型熱交換器は、優れた熱交換効率を維持できるとともに、製造が容易であり、かつ、温度サイクルに対する高い耐久性を備えた熱交換器として、分散型エネルギーシステム等の分野で広く適用できる。
一次伝面方式による伝熱コアを示す図であり、同(a)は一次伝熱面プレートの一例を示す図であり、同(b)は2以上の一次伝熱面プレートを組み合わせて得られる伝熱コアの斜視図である。 伝熱コアをハウジングに収容した一次伝面型熱交換器の構成例を模式的に示す図である。 本発明の一次伝面型熱交換器における、上部ハウジングの内部に装着された最上層の一次伝熱面プレートを構成するコルゲートフィンの配置状況を示す図である。 本発明の一次伝面型熱交換器における、最上層の一次伝熱面プレートを構成するコルゲートフィン配置に伴う境界条件を説明する要部図である。 前記図4に示すコルゲートフィン、並びに高圧流体用通路および低圧流体用通路配置に伴う、本発明の一次伝面型熱交換器での上部ハウジングの変形挙動をシミュレーションした結果を示す図である。 直交流型の流体通路を形成する伝熱コアの構成と各流体の流れ方向を示す図である。 本発明の直交流型の一次伝面型熱交換器における、上部ハウジングの変形挙動をシミュレーションした結果を示す図である。 比較例となる一次伝面型熱交換器における、最上層の一次伝熱面プレートを構成するコルゲートフィン、並びに高圧流体用通路および低圧流体用通路配置に伴うハウジングへの荷重伝達を説明する要部図である。 比較例の一次伝面型熱交換器における、上部ハウジングの変形挙動をシミュレーションした結果を示す図である。 上部ハウジングの内部に一次伝熱面プレートを構成するコルゲートフィンを配置させない場合の上部ハウジングの変形挙動をシミュレーションした結果を示す図である。
符号の説明
1.一次伝熱面プレート、コルゲートフィン
2.一次伝熱面、メイン通路部
3.押し潰し加工後の一次伝熱面の平面部
4.ディンプル、 5.スペーサーバー
6.伝熱コア、 7.ハウジング
8.ヘッダ、 9.入側ダクト
10.出側ダクト、 11.一次伝面型熱交換器
12:流通路、 12h:高圧流体用通路
12l:低圧流体用通路

Claims (3)

  1. コルゲートフィンで構成された一次伝熱面プレートを積層して各層間に交互に高圧流体用通路と低圧流体用通路が形成される伝熱コアと、この伝熱コアを収容するハウジングとを備えた一次伝面型熱交換器において、
    前記伝熱コアの最外層に配される一次伝熱面プレートのコルゲートフィンの頂部が前記ハウジングの内面にろう付されており、かつ前記伝熱コアの最外層に配される一次伝熱面プレートと前記ハウジングの内面との間には高圧流体用通路を形成し、高圧流体を流通させることを特徴とする一次伝面型熱交換器。
  2. 前記伝熱コアが形成する高圧流体用通路および低圧流体用通路が、向流型、直交流型または斜交流型のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の一次伝面型熱交換器。
  3. 前記コルゲートフィンで構成された構成する一次伝熱面プレートがステンレス系材料、Ni基超耐熱合金またはアルミニウム合金からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の一次伝面型熱交換器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115791244A (zh) * 2023-02-06 2023-03-14 中国核动力研究设计院 一种模块式微通道紧凑换热实验本体、方法、设备及介质

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