JP2008248761A - 水車発電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成で低コストに水車装置を設けることができるとともに、電気的制御を必要とせずに機械式制御により水車装置の二次圧力を一定制御することができる水車発電装置を提供する。
【解決手段】送水管路22に水車装置26を介設し、水車装置26の二次側における送水管路22の圧力をパイロット圧力として二次圧力を一定に制御する圧力制御弁28を水車装置26の上流側の送水管路に介設した。
【選択図】図1

Description

本発明は、水車発電装置に関し、上水道や工業用水等の導水・送水・配水管路等において発電を行うとともに、水車の二次圧を制御する技術に係るものである。
従来、上水道や工業用水等の導水・送水・配水管路等において発電を行う場合には、例えば図6に示すような構成がある。図6において、上水道や工業用水システムでは取水タンク1から導水・取水管路2を通して着水井3に水を導入し、着水井3に貯留した水を送水管路4にて処理プロセス5へ供給している。
導水・取水管路2には水車装置6を介装しており、水車装置6で発電機7を駆動して発電する。水車装置6の上流側には入口弁8を設けており、着水井3に設置した水位計9から発信する電気信号により入口弁8を開閉制御して着水井3の水位を設定水位に制御する。この結果、水車装置6の二次側には着水井3の設定水位に見合う背圧が作用し、この背圧が水車装置6の二次圧力となる。
また、図7に示すように、他の構成としては、配水槽11から送水管路12および配水管13を通して下流の需要家14に供給するものがある。
送水管路12には水車装置16を介装しており、水車装置16で発電機17を駆動して発電する。水車装置16の上流側には入口弁18を設けており、水車装置16の下流側に設けた圧力計19から発信する電気信号により入口弁18を開閉制御して水車装置16の二次圧力および配水管13の圧力を一定に維持する。
特開2006−83758号公報 特開2003−56443号公報 特開平09−250442号公報
しかし、上述したように、上水道や工業用水等の導水・送水・配水管路等に発電用の水車装置を配置する場合に、単純に水車装置だけを設置すると需要量の増減に伴い水車装置を流れる流量が変化し、有効落差が変動するため水車装置の運転効率が下がり、また、需要家における消費水量が減ると水車装置の二次圧力が大きくなって配管の圧力が上昇し、漏水の原因となる。また一定範囲の圧力で水を供給できないと、例えば需要家において、水道の蛇口の開度が同じであっても水流にムラを生じるといった不都合を生じることになる。そのため、ガイドベーンやランナベーンの流量制御手段を持たない水車装置は入口弁によって流量を制御する必要がある。この場合に、水車装置の二次圧力が上流側の入口弁の開度操作で制御されることになる。
このため、上述した構成では、水車装置の二次圧力を一定に制御するために、着水井3に設置した水位計9から発信する電気信号により入口弁8を開閉制御し、あるいは水車装置16の下流側に設けた圧力計19から発信する電気信号により入口弁18を開閉制御している。
しかし、水位計9や圧力計19で弁開閉操作を行うためには、入口弁8、18に電動弁を採用し、電気的制御により電動の入口弁8、18を制御する必要があり、制御が複雑になることに加え、設備の改造、メンテナンスが困難となる。
本発明は上記した課題を解決するものであり、簡易な構成で低コストに水車装置を設けることができるとともに、複雑な電気的制御を必要とせずに水車装置の二次圧力を一定制御することができる水車発電装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の本発明の水車発電装置は、送水管路に水車装置を介設し、水車装置の二次側における送水管路の圧力をパイロット圧力として二次圧力を一定に制御する圧力制御手段を水車装置の上流側の送水管路に介設したことを特徴とする。
請求項2に記載の本発明の水車発電装置は、圧力制御手段が機械的に二次圧力を制御する減圧弁であることを特徴とする。
本発明によれば、需要水量の変動に伴って送水管路を流れる流量が変動するのに際して、水車装置と直列に設置した圧力制御手段を用いて水車の二次圧力を所定値に制御することができ、水車装置に作用する有効落差の変動を抑制して水車装置の運転効率を高く維持することができ、漏水の原因となる管路圧力の上昇を抑制できる。また、電気的制御を必要とせずに機械式制御により水車装置の二次圧力を一定制御することができるので、簡易な構成で低コストに水車装置を設けることができ、メンテナンス維持性が大幅に向上するので、メンテナンスが行き届かない場合が多いマイクロ水力発電や残圧利用発電等において有用である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。はじめに、本発明において、「送水管路」の文言はいわゆる上水道や工業用水、河川水等における導水管路、送水管路、配水管路を含む広義の意味で使用するものである。
図1に示すように、上水道や工業用水システムにおいて、取水タンク21から送水管路(導水・取水管路)22を通して着水井23に水を導入し、着水井23に貯留した水を送水管路24にて処理プロセスへ供給する。
取水タンク21から着水井23に至る送水管路(導水・取水管路)22の所定位置には水車発電装置25を介設しており、水車発電装置25はそれ自体に発電機を含むものであっても良いが、ここでは水車装置26を送水管路22に介設して発電機27を管路の外部に配置する。
送水管路22には水車装置26の一次側に入口弁として圧力制御弁28を直列に設けている。圧力制御弁28はパイロット管29が水車装置26の二次側における送水管路22に接続しており、水車装置26の二次側における送水管路22の圧力をパイロット圧力として機械的制御により二次圧力を一定に制御するものであり、ここでは減圧弁である。
減圧弁には種々の構造のものがある。減圧弁の一例を図5に示す。ここでは、圧力制御弁28としてパイロット弁51を有する減圧弁52の構成を示す。
この減圧弁52は、パイロット弁51のパイロットばね力と二次圧力のバランスにより、機械的に減圧弁52の二次圧力を一定に保つことができるようになっている。
本発明においては、上記のような機械的な制御弁を用いることが望ましい。このことにより高価な制御機器を用いることなく簡易な構成で低コストに水車発電装置を設けることができるようになる。また、圧力制御手段は上記形態の減圧弁52に限定されるものではない。
上記した構成における作用を説明する。図3に実線aで示す動水勾配のように、圧力制御弁28には取水タンク21の設定水位(一定)bから着水井23の設定水位(一定)cまでの落差に相当する一次圧力が作用し、圧力制御弁28による減圧分dだけ低下した圧力制御弁28の二次圧力が水車装置26の一次側に作用する。水車装置26は一次側と二次側との圧力差を有効落差として発電機27を駆動し、水車装置26による減圧分eだけ低下した水車装置26の二次圧力が着水井23の水頭に相当する。
処理プロセスへ供給する使用水量が増加し、着水井23から送水管路24を通して流出する流量が増加し、着水井23の水位が低下する場合には、水車装置26の二次側の送水管路22においてパイロット管29に作用する圧力が低下し、この圧力がパイロット管29を通して圧力制御弁28にパイロット圧力として作用する。圧力制御弁28はパイロット圧力の低下を受けて二次圧力を増加させるように弁体を開方向に操作し、図3に破線fで示すように、圧力制御弁28における減圧分d’を減少させ、水車装置26の一次側に作用する圧力を高める。
図4に示すように、水車装置26は羽根車が定格回転数で回転する通常運転時において、羽根車を通過する流量が羽根車に作用する有効落差の変動に伴って変動し、有効落差が大きいほどに流量が多く(X位置)、有効落差が小さいほどに流量が少なくなり(Y位置)、有効落差と流入水量が自動的にバランスする。このため、着水井23から流出する水量が増加するほどに水車装置26を通過する流量が増加し、着水井23の水位を設定水位に維持する。
その結果、図3に破線fで示すように、圧力制御弁28における減圧分d’が減少し、水車装置26における減圧分e’が増加しても、圧力制御弁28における減圧分d’と水車装置26における減圧分e’の和は常に一定となり、水車装置26の二次圧力は一定に維持される。
よって、需要水量の変動に伴って送水管路22を流れる流量が変動するのに際して、水車装置26と直列に設置した圧力制御弁28によって二次圧力を所定値に制御することで、水車装置26は有効落差の変動に追従して二次圧力を一定に保つように流量が変動し、水車装置26に作用する有効落差の変動を抑制して水車装置26の運転効率を高く維持することができ、漏水の原因となる管路圧力の上昇を抑制できる。
そして、この場合には、先に図6に示した従来の構成のように、着水井3に水位計を設けなくても、二次圧を一定に保つことができる。
尚、水車装置26の下流に圧力制御弁28を直列に配置しても着水井23の水位を設定水位に維持することは可能である。
図2は本発明の他の実施の形態を示すものである。図1における構成要素と同様のものには同符号を付して説明を省略する。図2において、配水槽31から需要家32に至る送水管路33の所定位置には水車発電装置25を介設しており、送水管路33には水車装置26の一次側に入口弁として圧力制御弁28を直列に設けている。圧力制御弁28はパイロット管29が水車装置26の二次側における送水管路33に接続している。
この構成において、送水管路33を流れる需要水量は、需要家32における消費量の増減によって変化する。消費量が増加すると、水車装置26の二次側の送水管路22においてパイロット管29に作用する圧力が低下し、この圧力がパイロット管29を通して圧力制御弁28にパイロット圧力として作用する。圧力制御弁28はパイロット圧力の低下を受けて二次圧力を増加させるように弁体を開方向に操作し、水車装置26の一次側に作用する圧力を高める。
上述したように、水車装置26は羽根車が定格回転数で回転する通常運転時において、羽根車を通過する流量が羽根車に作用する有効落差の変動に伴って変動し、有効落差が大きいほどに流量が多く、有効落差が小さいほどに流量が少なくなり、有効落差と流入水量が自動的にバランスする。このため、需要家32に供給する水量が増加するほどに水車装置26を通過する流量が増加し、二次圧力を一定に維持する。他の作用効果は先の実施の形態と同様である。
本発明の実施の形態における水車発電装置を示す模式図 本発明の他の実施の形態における水車発電装置を示す模式図 本発明の水車発電装置における動水勾配を示す模式図 本発明の実施の形態における水車装置の有効落差と流量の変化を示すグラフ図 本発明の実施の形態における圧力制御弁の一例を示す減圧弁の模式図 従来の水車発電装置を示す模式図 従来の他の水車発電装置を示す模式図
符号の説明
21 取水タンク
22 送水管路(導水・取水管路)
23 着水井
24 送水管路
25 水車発電装置
26 水車装置
27 発電機
28 圧力制御弁
29 パイロット
31 配水槽
32 需要家
33 送水管路
51 パイロット弁
52 減圧弁

Claims (2)

  1. 送水管路に水車装置を介設し、水車装置の二次側における送水管路の圧力をパイロット圧力として二次圧力を一定に制御する圧力制御手段を水車装置の上流側の送水管路に介設したことを特徴とする水車発電装置。
  2. 圧力制御手段が機械的に二次圧力を制御する減圧弁であることを特徴とする請求項1に記載の水車発電装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN101893502A (zh) * 2010-06-29 2010-11-24 太平湾发电厂 轴流转浆式水轮机转轮不吊出机坑进行渗漏及动作试验方法
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CN106644308A (zh) * 2016-12-30 2017-05-10 国网福建省电力有限公司 一种轴流转桨式水轮机转轮耐压操作试验系统

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