JP2008248443A - 撥水性ポリエステル繊維およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製糸安定性が良好であり、優れた撥水性能を有する撥水性ポリエステル繊維を提供する。また、優れた撥水性能を有する撥水性ポリエステル繊維を安定して生産する撥水性ポリエステル繊維の製造方法を提供する。
【解決手段】ポリエステルからなる撥水性ポリエステル繊維において、該ポリエステル繊維に、テトラフルオロエチレン単位、ヘキサフルオロプロピレン単位、および、ビニリデンフルオリド単位からなる共重合フッ素樹脂が、該ポリエステル繊維の重量に対して20〜50重量%含有され、かつ、共重合フッ素系樹脂の、265℃、5kgにおけるメルトフローインデックスが15g/10min以上である撥水性ポリエステル繊維とする。さらに、ポリエステルに、テトラフルオロエチレン単位、ヘキサフルオロプロピレン単位、および、ビニリデンフルオリド単位からなる共重合フッ素樹脂をこれらの合計重量に対して20〜50重量%ブレンドして溶融紡糸し、撥水性ポリエステル繊維を製造するに際し、該共重合フッ素樹脂として、265℃、5kgにおけるメルトフローインデックスを15g/10min以上のものを用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、製糸安定性が良好であり、優れた撥水性を有する撥水性ポリエステル繊維に関するものである。さらには、優れた撥水性を有するポリエステル繊維に安定して製造することができる撥水性ポリエル繊維の製造方法を提供するものである。
従来から、フッ素系樹脂やシリコーン系樹脂を含有する分散液等で布帛を処理して布帛表面にこれらの樹脂を付着せしめて、撥水処理を施すことは広く行われている。しかしながら、これらの加工処理で得られた布帛は撥水性はあるものの、耐久性が低く、布帛の使用に伴って処理した樹脂が、その表面から脱落して撥水性を失い易いという欠点を有している。一方、十分な撥水耐久性を付与する程の量を処理すると布帛の風合いが硬くなるという問題点があった。そのためにポリエステル繊維の、スポーツウェア分野等の撥水耐久性と風合いが共に要求される分野への応用が大きく制限されていた。
これに対して、特許文献1にはフッ素系樹脂を溶融混練して得られた繊維が提案され、特許文献2にはフッ素系重合体微粒子を練り込んで得られた繊維が提案されているが、これらの繊維では工程安定性、糸質性能を満足することができなかった。また、特許文献3ではテトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン・ビニリデンフルオリドの共重合体を撥水成分としてポリエステルに含有した繊維が提供されている。しかしながら、ここで使用しているフッ素系樹脂は含有量を増加させると紡糸時での断糸が多発し、良好な品質の繊維を安定して得ることが困難となる。また、工程安定性を改善するためにフッ素系樹脂の含有量を減少させると十分な撥水性を有する繊維が得られなくなる。また、布帛の撥水性は織編み構造や目付けなどにより大きく変化するため、繊維の本質的な特性としてそれ自身が高い撥水性を有する繊維が望まれている。
特開昭62−238822号公報 特開平2−26919号公報 特開2000−96348号公報
本発明のこのような現状に鑑みなされたもので、その目的は、製糸安定性が良好であり、優れた撥水性能を有する撥水性ポリエステル繊維を提供することにある。また、優れた撥水性能を有する撥水性ポリエステル繊維を安定して生産する撥水性ポリエステル繊維の製造方法を提供することにある。
本発明者等は、このような問題を解決するために検討した結果、ポリエステルとの混練性が良好な粘度を有するフッ素系樹脂をブレンドすることによって、十分な撥水性を有し、長期間のランニングにおいても安定して製造しうるポリエステル繊維が提供できることを見出し本発明に到達した。
すなわち、本発明は、ポリエステルからなる撥水性ポリエステル繊維であって、該ポリエステル繊維に、テトラフルオロエチレン単位、ヘキサフルオロプロピレン単位、および、ビニリデンフルオリド単位からなる共重合フッ素樹脂が、該ポリエステル繊維の重量に対して20〜50重量%含有され、かつ、共重合フッ素系樹脂の、265℃、5kgにおけるメルトフローインデックスが15g/10min以上である撥水性ポリエステル繊維である。
さらに、本発明によれば、ポリエステルと、テトラフルオロエチレン単位、ヘキサフルオロプロピレン単位、および、ビニリデンフルオリド単位からなる共重合フッ素樹脂とをブレンドして溶融紡糸し、撥水性ポリエステル繊維を製造するに際し、該共重合フッ素樹脂として、265℃、5kgにおけるメルトフローインデックスが15g/10min以上とすること特徴とする撥水性ポリエステル繊維の製造方法が提供される。
本発明によれば、優れた撥水性能を有するだけでなく製糸安定性にも優れた撥水性ポリエステル繊維を提供することができる。さらに、優れた撥水性能を有する撥水性ポリエステル繊維を安定して生産する撥水性ポリエステル繊維の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の撥水性ポリエステル繊維について詳述する。上記繊維はポリエステルからなり、該ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートおよびこれらを主体として、これらのジカルボン酸成分またはグリコール成分をイソフタル酸、5−ナトリウムイソフタル酸、アジピン酸、トリメリット酸、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールまたはペンタエリスリトール等で共重合したものを挙げることができる。なかでも機械的性質、成形性等のバランスのとれたポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートが特に好ましい。
また、上記ポリエステルには、本発明の目的を阻害しない範囲で、耐熱剤、光安定剤、蛍光剤、酸化防止剤、艶消剤、酸化防止剤、静電防止剤、顔料、着色剤、難燃剤、強化剤、潤滑剤、帯電防止剤等を含有していてもよい。
本発明の撥水性ポリエステル繊維おいては、該ポリエステル繊維に、テトラフルオロエチレン単位、ヘキサフルオロプロピレン単位、および、ビニリデンフルオリド単位からなる共重合フッ素樹脂が、該ポリエステル繊維の重量に対して20〜50重量%、好ましくは30〜40重量%含有され、かつ、共重合フッ素樹脂の、265℃、5kgでのメルトフローインデックスが15g/10min以上、好ましくは15〜30g/10minであることが肝要である。上記共重合フッ素樹脂の含有量が20重量%未満では十分な撥水性が得られない。また、本発明は、かかる共重合フッ素樹脂を含有する撥水性ポリエステル繊維は、撥水性のみならず製糸安定性にも優れることを見出しなされたものであるが、上記含有量が50重量%を超える場合は製糸安定性が悪くなり好ましくない。
また、本発明においては、上記共重合フッ素樹脂が、20〜70重量%のテトラフルオロエチレン単位、5〜30重量%のヘキサフルオロプロピレン単位、および、ビニリデンフルオリド単位からなるあることが好ましく、20g/10minであることがより好ましい。かかる共重合フッ素樹脂を含有するポリエステル繊維は製糸安定性が格段に向上し、溶融紡糸法による長期のランニングにおいても安定した良好な製造が可能である。
以上に説明した共重合フッ素樹脂の具体例としては、住友スリーエム社製THV220G、THV310Gなどを好ましく挙げることができる。
本発明の撥水性ポリエステル繊維は、該繊維1本の上に10pLの蒸留水を滴下したときの該繊維と水滴とのなす角(以下、接触角と称することがある)が、100°以上であることが好ましく、105°以上であることがより好ましい。かかる接触角を有するポリエステル繊維は撥水性が極めて優れている。
本発明のポリエステル繊維の断面形状は、用途等に応じて任意の形状とすることができ、例えば円形の他、三角、偏平、星型、V型等の異形断面またはそれらの中空断面が例示できる。
本発明のポリエステル繊維は、ポリエステルに前述した共重合フッ素樹脂をこれらの合計重量に対して20〜50重量%ブレンドして溶融紡糸し、必要に応じて延伸、熱処理を施すことにより製造することができる。またこの際、例えば次の方法を採用することができる。すなわち、共重合フッ素樹脂を20〜50重量%ブレンドしたポリエステルを、270〜300℃で溶融して紡糸口金から押し出し、500〜3000m/minで巻き取り未延伸を得、巻き取った未延伸糸を60〜100℃で延伸し、150〜200℃で熱処理することにより本発明のポリエステル繊維を製造することができる。さらに、上記共重合フッ素樹脂として、265℃、5kgでのメルトフローインデックスが15g/10min以上であるものを用いることによって、格段に製糸安定性が向上する。
なお、本発明のポリエステル繊維は、上記のように前述したフッ素樹脂を含有させたポリエステルを単独で紡糸したブレンド繊維のほか、該フッ素樹脂を含有したポリエステルが繊維表面を形成するように他のポリマーと複合紡糸した繊維も含まれ、かかる複合繊維は、繊維の機械的特性保持やコストダウンの点で有利である。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)接触角
1本の繊維上に10pLの蒸留水を滴下したときの繊維と水滴とのなす角を測定した。
(2)強度・伸度
20℃、65%RHの雰囲気下で引張試験機により、試料長20cm、速度20cm/分の条件で測定したときの、破断時の強度および伸度である。測定回数は10回とし、その平均を求めた。
(3)メルトフローインデックス(MFI)
ASTM D1238に基づき測定した。
[実施例1]
265℃、5kgでのメルトフローインデックス(MFI)が20g/10minであるテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン−ビニリデンフルオリド共重合体(住友スリーエム社製THV220G)を20重量%ブレンドしたポリエチレンテレフタレートを用いて、285℃で溶融し、0.3mmφ×0.6mmL−24ホールの紡糸口金からトータル吐出量を36g/minとして押し出し、1500m/minで未延伸糸を巻き取った。巻き取った未延伸糸を80℃で延伸、180℃で熱処理することによりポリエステル繊維を得た。結果を表1に示す。
[実施例2〜4、比較例1および2]
実施例1において、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン−ビニリデンフルオリド共重合体(住友スリーエム社製THV220G)のブレンド量(重量%)を表1のように変更したポリエチレンテレフタレートを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてポリエステル繊維を得た。結果を表1に示す。
[実施例5]
265℃、5kgでのメルトフローインデックス(MFI)が15g/10minであるテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン−ビニリデンフルオリド共重合(住友スリーエム社製THV310G)を30重量%ブレンドしたポリエチレンテレフタレートを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてポリエステル繊維を得た。結果を表1に示す。
[比較例3]
265℃、5kgでのメルトフローインデックス(MFI)が10g/10minであるテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン−ビニリデンフルオリド共重合(住友スリーエム社製THV500G)を10重量%ブレンドしたポリエチレンテレフタレートを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてポリエステル繊維を得た。結果を表1に示す。
[比較例4]
265℃、5kgでのメルトフローインデックス(MFI)が10g/10minであるテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン−ビニリデンフルオリド共重合体(住友スリーエム社製THV500G)を20重量%ブレンドしたポリエチレンテレフタレートを用いたこと以外は、比較例3と同様にしてポリエステル繊維を得た。結果を表1に示す。
Figure 2008248443
本発明の撥水性ポリエステル繊維は、製糸安定性が良好であり、繊維自身が優れた撥水性を有しているため、布帛等の繊維構造物として撥水後加工処理を施すことなく、あらゆる用途に用いることができる。このため、一般衣料のみならず、スポーツ衣料、作業服などの特殊衣料、靴、鞄、傘などにも広く用いることができる。また、本発明の撥水性ポリエステル繊維の製造方法によれば、安定して優れた撥水性を有するポリエステル繊維を製造することができる。

Claims (4)

  1. ポリエステルからなる撥水性ポリエステル繊維であって、該ポリエステル繊維に、テトラフルオロエチレン単位、ヘキサフルオロプロピレン単位、および、ビニリデンフルオリド単位からなる共重合フッ素樹脂が、該ポリエステル繊維の重量に対して20〜50重量%含有され、かつ、共重合フッ素系樹脂の、265℃、5kgにおけるメルトフローインデックスが15g/10min以上であることを特徴とする撥水性ポリエステル繊維。
  2. ポリエステル繊維1本の上に10pLの蒸留水を滴下したときの繊維と水滴とのなす角直が100°以上である請求項1に記載の撥水性ポリエステル繊維。
  3. 共重合フッ素樹脂が、20〜70重量%のテトラフルオロエチレン単位、5〜30重量%のヘキサフルオロプロピレン単位、および、ビニリデンフルオリド単位からなる共重合フッ素樹脂である請求項1または2に記載の撥水性ポリエステル繊維。
  4. ポリエステルに、テトラフルオロエチレン単位、ヘキサフルオロプロピレン単位、および、ビニリデンフルオリド単位からなる共重合フッ素樹脂をこれらの合計重量に対して20〜50重量%ブレンドして溶融紡糸し、撥水性ポリエステル繊維を製造するに際し、該共重合フッ素樹脂として、265℃、5kgにおけるメルトフローインデックスが15g/10min以上とすること特徴とする撥水性ポリエステル繊維の製造方法。
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