JP2008248102A - プラスチック油化システム及びプラスチック油化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】プラスチックを溶融させるために燃料を燃焼させる必要がなく、コストを低くすることができるようにする。
【解決手段】破砕プラスチックを形成する破砕機30と、エンジン11の排ガスによって破砕プラスチックを加熱して軟化させ、軟化プラスチックを形成する第1の処理部と、エンジン11の排ガスによって軟化プラスチックを更に加熱して気化させ、ガス化プラスチックを形成する第2の処理部と、ガス化プラスチックを分解し、油化して油化燃料を形成する触媒装置35とを有する。エンジン11の排ガスによって破砕プラスチックを加熱して軟化プラスチックが形成され、エンジン11の排ガスによって軟化プラスチックを更に加熱してガス化プラスチックが形成されるようになっているので、プラスチックを油化するためのコストを低くすることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラスチック油化システム及びプラスチック油化方法に関するものである。
従来、廃棄されたプラスチックを処理するためにプラスチック処理装置が提供されている。該プラスチック処理装置においては、燃料タンクの燃料を燃焼させることによって熱風を発生させ、該熱風によってプラスチックを溶融させ、溶融させられたプラスチックを圧縮成型するようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平7−267304号公報
しかしながら、前記従来のプラスチック処理装置においては、プラスチックを溶融させるために燃料を燃焼させる必要があるので、極めてコストが高くなってしまう。
本発明は、前記従来のプラスチック処理装置の問題点を解決して、プラスチックを溶融させるために燃料を燃焼させる必要がなく、コストを低くすることができるプラスチック油化システム及びプラスチック油化方法を提供することを目的とする。
そのために、本発明のプラスチック油化システムにおいては、投入されたプラスチックを破砕し、破砕プラスチックを形成する破砕機と、エンジンの排ガスによって前記破砕プラスチックを加熱して軟化させ、軟化プラスチックを形成する第1の処理部と、前記エンジンの排ガスによって前記軟化プラスチックを更に加熱して気化させ、ガス化プラスチックを形成する第2の処理部と、前記ガス化プラスチックを分解し、油化して油化燃料を形成する触媒装置とを有する。
本発明によれば、プラスチック油化システムにおいては、投入されたプラスチックを破砕し、破砕プラスチックを形成する破砕機と、エンジンの排ガスによって前記破砕プラスチックを加熱して軟化させ、軟化プラスチックを形成する第1の処理部と、前記エンジンの排ガスによって前記軟化プラスチックを更に加熱して気化させ、ガス化プラスチックを形成する第2の処理部と、前記ガス化プラスチックを分解し、油化して油化燃料を形成する触媒装置とを有する。
この場合、エンジンの排ガスによって破砕プラスチックを加熱して軟化プラスチックが形成され、前記エンジンの排ガスによって軟化プラスチックを更に加熱してガス化プラスチックが形成されるようになっているので、プラスチックを油化するためのコストを低くすることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、プラスチック油化システムが搭載されたプラスチック燃料式車両(以下、単に「車両」という。)について説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態におけるプラスチック油化システムを示す概念図である。
図において、11は車両に搭載され、車両を走行させるための駆動源としての、かつ、第1の加熱源としてのエンジン、12は該エンジン11の出力軸となるクランク軸、17は燃料噴射弁である。本実施の形態においては、エンジン11としてディーゼルエンジンが使用される。
また、13は排気ガスを排出するための排気管である。エンジン11においてガソリンを燃焼させることによって発生させられた排ガスは、排気管13を通り、該排気管13に配設された第2の加熱源としての排気浄化装置14によって浄化され、500〔℃〕程度の温度になった後、加熱処理部15を通り、排気部としての排気管16を通り、図示されないマフラーによって消音された後、大気中に排出される。
また、21は冷却装置としてのラジエータであり、前記エンジン11の外周に形成された図示されない冷却水路とラジエータ21とが循環流路23、24によって接続される。
ところで、本実施の形態においては、家庭、産業界等で排出されたプラスチックを溶融させることによって形成された油化燃料と、石油系の液体燃料としての軽油とを混合することによって形成された混合燃料が使用され、該混合燃料がエンジン11に供給される。この場合、プラスチックによって燃料材が構成され、軽油によって第1の燃料が、油化燃料によって第2の燃料が構成される。なお、軽油に代えて、石油系の液体燃料としてのガソリンを使用することができる。
そのために、エンジン11と接続させて燃料供給系26が配設される。該燃料供給系26は、上流側から下流側にかけて、プラスチックを投入するための燃料材投入口28、該燃料材投入口28に投入されたプラスチックから所定の樹脂、本実施の形態においては、塩化ビニルを分離させて除去する分別装置29、塩化ビニルが除去された後のプラスチックを破砕し、破砕プラスチックを形成する破砕機30、前記加熱処理部15を構成し、エンジン11の排ガスによって破砕プラスチックを加熱して軟化させ、軟化プラスチックを形成する第1の処理部としての軟化装置31、前記加熱処理部15を構成し、エンジン11の排ガスによって軟化プラスチックを更に加熱して気化させ、ガス化プラスチックを形成する第2の処理部としての気化装置32、前記ガス化プラスチックから塩素イオン等を除去する脱塩装置34、ガス化プラスチックを分解し、油化して油化プラスチックを油化燃料として形成する触媒装置35、及び図示されない燃料タンクから供給された軽油と、前記触媒装置35から供給された油化燃料とを混合して混合燃料を形成する混合器36を備える。
前記軟化装置31は、二重管構造を有し、内側管52及び外側管53を備え、前記内側管52内に破砕プラスチックの通路が形成され、内側管52と外側管53との間に筒状の排ガス流路54が形成される。また、前記気化装置32も同様に、二重管構造を有し、内側管55及び外側管56を備え、内側管55内にガス化プラスチックの通路が形成され、内側管55と外側管56との間に筒状の排ガス流路57が形成される。
したがって、混合燃料を燃料噴射弁17によってエンジン11内の燃焼室に噴射すると、エンジン11を駆動することができる。なお、燃料材投入口28に投入される1〔kg〕のプラスチックから約1〔l〕の油化燃料を得ることができる。
前述されたように、排気浄化装置14から排出される排ガスの温度は、500〔℃〕程度であって高いので、排ガスの排出系において上流側に、かつ、燃料供給系26において下流側に気化装置32が配設され、排ガスの排出系において下流側に、かつ、燃料供給系26において上流側に軟化装置31が配設される。そして、該軟化装置31において形成される軟化プラスチックの温度は、250〔℃〕より高く、かつ、300〔℃〕以下にされ、前記気化装置32において形成される気化プラスチックの温度は、300〔℃〕より高く、かつ、500〔℃〕以下にされる。
通常、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等のプラスチックを油化すると、軽質油、重質油が形成される。したがって、前記混合器36において、油化燃料と軽油とを混合し、混合燃料を燃料噴射弁17によってエンジン11の燃焼室に噴射すると、エンジン11を駆動することができる。
次に、前記ポリエチレンを油化するときの反応について説明する。
ポリエチレンは、〔−CH2 −CH2 −〕nで表されるプラスチックであり、130〔℃〕以上の温度で容易に軟化させることかできる。したがって、本実施の形態においては、気化装置32において気化プラスチックを形成するのに伴って温度が低下した排ガスを軟化装置31に送り、前記排ガスによってポリエチレンを容易に軟化させることができる。
前記軟化装置31内においては、図示されないスクリューが回転自在に配設され、図示されない駆動部としてのモータを駆動することによって、スクリューを回転させるようになっている。したがって、破砕機30によって破砕されたプラスチックは、軟化装置31に供給され、スクリューによって搬送される間に熱により軟化させられる。
また、前記気化装置32においては、軟化装置31から供給された軟化プラスチックを受け、該軟化プラスチックを熱分解することによって気化させる。ポリエチレンを熱分解すると、炭素・炭素結合の切断が進行するので、ポリエチレンを分解することによって得られる生成物は、炭素数分布の大きいn−パラフィンを主成分とする飽和炭化水素類と、n、1−オレフィンを主成分とする不飽和炭化水素から成る混合物、すなわち、炭化水素混合物から成る。
このようにして得られた気化プラスチックを、触媒装置35に送り、油化させると、主として軽油相当の炭化水素混合物から成る油化燃料を得ることができる。したがって、油化燃料と軽油とを混合した場合、軽油の混合率に依存することなくディーゼルエンジンを十分に駆動することができる。また、軽油に代えてガソリンを使用した場合でも、ガソリンの混合率をある程度高くすると、ガソリンエンジンを十分に駆動することができる。
他のプラスチックからも、成分はわずかに異なるが、ポリエチレンに類似の油化燃料を得ることができる。
なお、このようにして得られた油化燃料は、特別の混合装置を使用することなく、軽油、ガソリン等と容易に混合することができる。
このように、本実施の形態においては、排ガスの熱を利用してプラスチックを油化することができるので、特別の燃料を使用する必要がない。したがって、プラスチックを油化するためのコストを低くすることができる。
ところで、前記軟化装置31においては、エンジンン11の駆動を停止させた場合等において、排ガスからの熱を得ることができない場合、内側管52内の温度が低くなり、次にプラスチック油化システムを始動するときに、軟化装置31を正常に動作させることができるようになるまでの時間が長くなり、プラスチック油化システムを始動するのに時間がかかってしまう。
そこで、プラスチック油化システムを容易に始動することができるようにした本発明の第2の実施の形態について説明する。
図2は本発明の第2の実施の形態における軟化装置の断面図である。
図において、31は軟化装置であり、該軟化装置31は二重管構造を有し、内側管52及び外側管53を備え、内側管52と外側管53との間に筒状の排ガス流路54が形成される。そして、前記外側管53の外側に断熱構造が形成される。そのために、前記外側管53の更に外側に、筐体管61が形成され、該筐体管61と前記外側管53との間に断熱室としての真空室62が形成される。なお、該真空室62に断熱材料を充填することができる。
このように、本実施の形態においては、外側管53より外側に真空室62が形成されるので、エンジン11を駆動しているときの内側管52内の温度が300〔℃〕であれば、エンジン11の駆動を停止させた後、例えば、24時間が経過しても、内側管52内の温度を200〔℃〕以上に保持することができる。
したがって、エンジンン11の駆動を停止させた場合等において、排ガスからの熱を得ることができない場合、内側管52内の温度が低くなり、次にプラスチック油化システムを始動するときに、軟化装置31を正常に動作させることができるようになるまでの時間を短くすることができる。したがって、プラスチック油化システムを始動させる時間を短くすることができる。
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明の第1の実施の形態におけるプラスチック油化システムを示す概念図である。 本発明の第2の実施の形態における軟化装置の断面図である。
符号の説明
11 エンジン
30 破砕機
31 軟化装置
32 気化装置
35 触媒装置

Claims (5)

  1. 投入されたプラスチックを破砕し、破砕プラスチックを形成する破砕機と、エンジンの排ガスによって前記破砕プラスチックを加熱して軟化させ、軟化プラスチックを形成する第1の処理部と、前記エンジンの排ガスによって前記軟化プラスチックを更に加熱して気化させ、ガス化プラスチックを形成する第2の処理部と、前記ガス化プラスチックを分解し、油化して油化燃料を形成する触媒装置とを有することを特徴とするプラスチック油化システム。
  2. 前記排ガスは、排気浄化装置によって浄化された後、第2の処理部に供給され、その後、第1の処理部に供給される請求項1に記載のプラスチック油化システム。
  3. 前記第1、第2の処理部は、内側管及び外側管を備えた二重管構造を有し、内側管と外側管との間に排ガス流路が形成される請求項1に記載のプラスチック油化システム。
  4. 前記第1の処理部において、外側管の外側に断熱構造が形成される請求項1に記載のプラスチック油化システム。
  5. 投入されたプラスチックを破砕し、破砕プラスチックを形成し、エンジンの排ガスによって前記破砕プラスチックを加熱して軟化させ、軟化プラスチックを形成し、前記エンジンの排ガスによって前記軟化プラスチックを更に加熱して気化させ、ガス化プラスチックを形成し、該ガス化プラスチックを分解し、油化して油化燃料を形成することを特徴とするプラスチック油化方法。
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