JP2006177262A - 内燃機関用燃料の改質方法及び改質装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小さな投入エネルギー且つ簡便な方法でPM発生を抑制できる軽油改質方法の提供。
【解決手段】軽油から芳香族化合物に富んだ分画を分離する分離工程と、前記芳香族化合物に富んだ分画に対して含まれる芳香族化合物を分解する分解工程と、を有することを特徴とする。特に分解工程としては、前記分画内にキャビテーションを発生させる工程を採用することが望ましい。例えば、前記分画に微小気泡を導入する工程や超音波を照射する工程が挙げられる。内燃機関用燃料から芳香族化合物に富んだ分画を分離した後、その分画に含まれる芳香族化合物を分解している。従って、芳香族化合物に特異的に作用する分解方法を採用する必要がなくなり、より汎用的で一般的な有機化合物を分解する方法も採用できるようになった。微小気泡の導入及び超音波照射は投入エネルギーを比較的小さくすることが可能であるとともに装置も簡便にできる利点をもつ。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関用燃料を改質する方法及び装置に関する。
自動車など、内燃機関から排出される排気ガス中には、有害物質が多分に含まれている。発生する有害物質の1つにPM(微粒状物質)があり、本物質を低減することが現在1つの課題となっている。例えばディ−ゼル車においてPMが発生する一因としては、燃焼時に非常に濃い混合気が形成されることが挙げられる。非常に濃い混合気が形成されると、燃料と空気との混合が充分でなくなり、PMの主成分で有る黒煙が生成する原因となる。
黒煙の発生は、空気の導入量を増加させて燃焼室内でできる限り酸化(再燃焼)させることで低減することができる。ただし、酸素の共存下、再燃焼により高温になると、NOxが発生する。従って、有害物質の発生が少ない適正な燃焼条件の維持が困難な場合もあった。つまり、燃焼条件の最適化によってはPMの低減とNOxの低減とを両立することは困難であった。
そこで、PM発生の他の原因の一つである燃料中の芳香族化合物(アロマ分)の存在に着目した。アロマ分は燃焼中にもかかわらず分解せずに多環化が進むことがあり、多環化が進んだ化合物は最終的にPMとなって排出されることになる。
従来技術としては、内燃機関の燃焼条件でもPMの発生が少ない燃料を提供するために、アロマ分の吸収波長に見合った遠赤外線を照射して、このアロマ分の自己発熱作用による発熱によりアロマ分の分子を活性化し、電離性放射線による放射線分解によってアロマ分を分解した後、この燃料を内燃機関に供給して燃焼させる方法が開示されている(特許文献1)。
特開平9−49465号公報 特開2002−143885号公報 特開2003−181259号公報 特開2003−205228号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では遠赤外線と電離性放射線との発生源として放射線照射体なるものを規定するが如何なるものか判然としないものである。仮に、放射性物質などを使用するものであるならば、そのような放射性物質は非常に扱い難いものである。また、電気的乃至は機械的方法にて遠赤外線及び電離性放射線を発生する発生源を採用するならば投入エネルギーが大きくなったり、装置が複雑になるおそれがある。従って特許文献1に記載の従来技術は実用的であるとは言い難かった。また、電離性放射線を照射することにより芳香族化合物以外に含まれる化合物も分解することは避けられず、燃料が劣化して本来の性能が発揮できないおそれがあった。
本発明は上記実情に鑑みなされたものであり、小さな投入エネルギー且つ簡便な方法でPMの発生を抑制できる内燃機関用燃料の改質方法及び改質装置を提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する本発明の内燃機関用燃料の改質方法は、内燃機関用燃料から芳香族化合物に富んだ分画を分離する分離工程と、
前記芳香族化合物に富んだ分画に対して含まれる芳香族化合物を分解する分解工程と、を有することを特徴とする。
特に分解工程としては、前記分画内にキャビテーションを発生させる工程を採用することが望ましい。例えば、前記分画に微小気泡を導入する工程や超音波を照射する工程が挙げられる。ここで、導入される微小気泡は直径が10nm以上20μm以下であるものが望ましい。分離工程はゼオライトから形成される膜を用いて前記内燃機関用燃料を分離する工程であることが望ましい。
更に上記課題を解決する本発明の内燃機関用燃料の改質装置は、内燃機関用燃料から芳香族化合物に富んだ分画を分離する手段と、
前記芳香族化合物に富んだ分画に対して含まれる芳香族化合物を分解する手段と、を有することを特徴とする。
本発明の内燃機関用燃料の改質方法及び改質装置は、内燃機関用燃料から芳香族化合物に富んだ分画を分離した後、その分画に含まれる芳香族化合物を分解している。従って、芳香族化合物に特異的に作用する分解方法を採用する必要がなくなり、より汎用的で一般的な有機化合物を分解する方法も採用できるようになった。
微小気泡の導入及び超音波照射は投入エネルギーを比較的小さくすることが可能であるとともに装置も簡便にできる利点をもつ。
(内燃機関用燃料の改質方法)
本実施形態の内燃機関用燃料の改質方法は、内燃機関用燃料に対して適用される(特にPMの抑制が望まれるディーゼルエンジン用燃料である軽油に好適に適用される)。本改質方法は分離工程と分解工程とを有する。
分離工程は内燃機関用燃料から芳香族化合物に富んだ分画を分離する工程である。具体的には、燃料タンク中の内燃機関用燃料から芳香族化合物に富む分画を分離する工程である。分離工程にて分離された分画は専用の容器などに貯留できる。
分離工程は内燃機関用燃料から芳香族化合物に富む分画を分離することを継続的に行うこともできるほか、必要に応じて断続的に分離を行うこともできる。例えば、燃料タンクから常に内燃機関用燃料を取り出して分離工程を行い、芳香族化合物に富む分画を分離し、残った分画を燃料タンク中に戻すことで、全体としてより確実に芳香族化合物を分離できる。この場合には燃料タンク中の芳香族化合物の量は経時的に減少していく。また、内燃機関に対して内燃機関用燃料を送出する際に分離工程を同時に行うことで、内燃機関には芳香族化合物が少ない分画を送出することが簡単に達成できる。
分離工程において、内燃機関用燃料を芳香族化合物に富んだ分画とそれ以外の分画とに分離する方法としては特に限定しないが、内燃機関用燃料に含まれる芳香族化合物(a)とそれ以外の化合物(b)との化学的乃至物理的性質の相違に着目して分離を行うものが好ましい。
好ましい分離方法としては(a)及び(b)の化合物の分子サイズの相違を利用して分離する方法が挙げられる。内燃機関用燃料に含まれる芳香族化合物(a)としてはベンゼンなど分子の大きさが5〜7Å程度の化合物が主成分である。その他の化合物(b)としてはn−パラフィン炭化水素などの分子の大きさが3.2〜3.8Å程度のパラフィン炭化水素が主成分である。従って、(a)及び(b)の化合物は分子サイズが数Å程度のオーダーであり、両者を適正に分離できるサイズの数Å程度(例えば4Å程度)の孔を有する膜(例えばゼオライトなどの多孔質材料から製造した分離膜)により分離できる。孔の大きさにより分離する膜を採用する場合には、孔の大きさは揃っている方が分離能が良くなる。分離膜は定期的な逆洗などにより再生できる。
また、(a)及び(b)の相対的な溶解性の差を利用することもできる。例えば両者の溶解性に差がある素材を採用することで分離することが可能である。その他にも沸点の差を利用して分離することもできる(芳香族化合物とその他パラフィン炭化水素などとの間で沸点の相違がある場合に適用できる。減圧するなどの方法で蒸発による分離が促進できる。)。これらの分離方法は芳香族化合物の含有量を相対的に変化できる程度の性能をもつものであれば必要な段数で使用するなどにより充分な分離能を発揮させる。
分解工程は、芳香族化合物に富んだ分画に対し、含有する芳香族化合物を分解する工程である。芳香族化合物を分解する方法としては特に限定しない。芳香族化合物を特異的に分解できる方法を採用することが望ましいが、芳香族化合物以外に含有する有機化合物(前述のパラフィン炭化水素など)も分解する方法でも良い。
例えば、処理する分画中にキャビテーションを発生させる方法がある。発生させたキャビテーションは消滅するときに高温・高圧を発生させることで芳香族化合物を分解する。キャビテーションを発生させる具体的な方法としては超音波の照射や、微小気泡の導入が例示できる。
照射する超音波の周波数としては100kHz〜数百Hz程度が好ましい。照射する超音波の周波数及び出力は必要な分解速度が得られるように決定される。照射する超音波は超音波振動子により発生できる。超音波振動子はピエゾ素子などにて形成できる。超音波振動子は芳香族化合物に富んだ分画の流路中に配設されることで芳香族化合物を分解する。例えば、超音波振動子は断面方形の流路の一面側に設けられる。断面形状は照射する超音波の周波数などから適正な大きさが決定できる。
微小気泡はマイクロバブル、ナノバブル、マイクロナノバブルなどと称される大きさのものが望ましい。具体的には常圧下で微小気泡の直径が10nm以上20μm以下程度が望ましく、10nm以上100nm以下が更に望ましい。微小気泡の直径をこの程度に制御すると、効果的に芳香族化合物を分解することができる。微小気泡を構成する気体は特に限定しないが、空気を用いることが好ましい。
微小気泡の生成法としては特に限定しない。例えば、流体学的方法、水電解法及び超音波生成法などがある。水電解法は内燃機関用燃料中に水を導入しその水を電気分解することで微小気泡を発生させる方法である。超音波生成法は超音波の照射条件を制御することで、微小気泡を発生させる方法である。分画に対してそのまま超音波を照射したり、気体を導入しながら超音波を照射することで微小気泡が生成できる。気体を導入しながら超音波を照射すると、制御及び装置の大きさなどに一部制限が生ずるものの投入エネルギーを小さくできる。
流体学的方法は、以下に説明するように、投入エネルギーを小さくでき、もっとも微小気泡の発生に適した方法である。微小気泡は微小気泡発生装置にて製造する。微小気泡発生装置は、頂点に開口部をもつ円錐状の空間を形成するハウジングと、円錐状空間に開口しその円錐状空間を構成する円の接線方向に向けて内燃機関用燃料を流入させる内燃機関用燃料導入口と、円錐状空間の底面の中央付近に開口しその円錐状空間を構成する円錐の軸方向に気体を流入させる気体導入口とを有している。内燃機関用燃料により円錐状空間内を満たした状態で、内燃機関用燃料導入口より内燃機関用燃料を流入させることで、円錐状空間内で旋回流が発生する。その結果、円錐状空間の底部近傍に負圧が発生し、気体導入口から気体が流入する。流入してきた気体は内燃機関用燃料とともに旋回していき、円錐状空間の頂部方向に進んでいく、頂部方向に進むにつれて導入された気体は縮径且つ伸長されることで、微小気泡が形成されて円錐状空間の頂部に設けられた開口部から内燃機関用燃料とともに円筒状空間から導出されていく。円錐状空間の形状(円錐の径、円錐角の大きさ、円錐の長さなど)、内燃機関用燃料の導入速度、内燃機関用燃料導入口及び気体導入口の開口径などを制御することで微小気泡の直径を制御できる。なお、本原理に基づいて微小気泡を発生する方法及び装置については特許文献2〜4に一部開示されている。
分解工程にて用いる装置が芳香族化合物を分解する能力としては特に限定しないが、許容される投入エネルギーの量(コスト的なこと、分解装置の大きさ的なことなども含む)や、内燃機関用燃料中の芳香族化合物を分解するために必要な能力などにより決定することが望ましい。
分離された芳香族化合物に富む分画に対し、分解工程にて芳香族化合物を分解した後、芳香族化合物の含有量が所定値以下になった分画は、再び燃料タンク中に戻すことができる。燃料タンク中に戻す場合には、分離工程にて芳香族化合物に富む分画を分離した方法をそのまま適用し、芳香族化合物の含有量の少ない分画を分離した後に燃料タンク中に戻すこともできる。
・追加
内燃機関への燃料の噴射を制御することで、分離工程にて分離した芳香族化合物に富む分画を更に有効利用することができる。具体的には、内燃機関内で着火する前までは、セタン化が低い、分離した芳香族化合物に富む分画(a)を噴射することで着火時期を遅らせることができる。その結果、時期的余裕が拡大し、充分な燃焼の均一化・希薄化を実現でき、NOx、PMの発生が抑制できる。着火時以降にはその他の分画(b)や芳香族化合物を分解した後の分画(a)などを噴射することで速やかな燃焼が実現できる。また、分解工程処理後の分画(a)は芳香族化合物の含有量が低いので、燃焼させてもPM発生のおそれを少なくできる。
(内燃機関用燃料の改質装置)
本実施形態の内燃機関用燃料の改質装置は分離手段と分解手段とを有し、内燃機関用燃料(特にPMの抑制が望まれるディーゼルエンジン用燃料である軽油)に対して適用される。
分離手段は内燃機関用燃料から芳香族化合物に富んだ分画を分離する手段である。具体的には、前述の改質方法にて説明した分離工程と同様の作用を発揮する手段である。
分離手段は、前述したように、分子サイズの相違や、溶解度の相違、そして沸点の相違などの化学的乃至は物理的性質の相違に基づき内燃機関用燃料を芳香族化合物に富む分画とその他の分画とに分離する手段である。例えば、孔径が4Å程度にしたゼオライト製の膜が例示できる。その他、詳細は前述の分離工程にて行ったものと同様なので更なる説明は省略する。
分解手段は、分離手段にて分離した芳香族化合物に富んだ分画に対して、含有する芳香族化合物を分解する手段である。芳香族化合物を分解する方法としては特に限定されず、前述の分解工程にて説明した方法・原理を利用した手段が採用できる。具体的には、前述の超音波照射を行う手段(ピエゾ素子にて形成された超音波振動子と高周波電源との組み合わせ)や微小気泡を導入する手段(円筒状空間を形成するハウジングなど)が挙げられる。その他、詳細は前述の分解工程にて行ったものと同様なので更なる説明は省略する。
その他にも分離された芳香族化合物に富む分画に対し、分解手段にて芳香族化合物を分解した後、芳香族化合物の含有量が所定値以下になった分画を再び燃料タンク中に戻す手段を備えることができる。燃料タンク中に戻す手段は、分離工程にて芳香族化合物に富む分画を分離した分離手段をそのまま適用して芳香族化合物の含有量の少ない分画を分離した後に燃料タンク中に戻すこともできる。
本実施例の内燃機関用燃料の改質装置は内燃機関としてのディーゼルエンジン用の燃料として用いる軽油を改質する装置である。一般的に本装置にて処理した軽油のセタン価は向上するものと考えられる。軽油中にはn−及びi−パラフィン炭化水素、ナフテン系炭化水素、オレフィン系炭化水素、アロマ系炭化水素などを主成分として含んでいる。この中でもアロマ系炭化水素が軽油中の含有量も高く且つPM発生量に対する影響も大きい。
本改質装置は、図1に示すように、分離手段21と分解手段22とを有する。本改質装置は燃料タンク10とエンジンに軽油を供給する燃料供給装置(31、32、40)との間の経路に配置されている。
分離手段21は、燃料タンク中の軽油fを、ゼオライト製の膜211により軽油中のアロマ系炭化水素に富む分画aとその他の分画bとに分離する手段である。分離手段21は、図2に示すように、ゼオライト製の膜211と、ゼオライト製の膜211により2分された第1空間21aと第2空間21bとから構成される。燃料タンク10中の軽油fは第1空間21aにポンプ(図略)により導入される。導入された軽油fは分子サイズの違いによりゼオライト製の膜211により分離される。具体的に、このゼオライト製の膜211は孔径が4Å程度に制御されており、アロマ系炭化水素(分子サイズ4Å以上)を含む軽油fから、アロマ系炭化水素以外の成分(分子サイズ4Å以下)を優先的に濾しとることができる。分子サイズが大きいアロマ系炭化水素はゼオライト製の膜211を通過することが困難で第1空間21aに残留する傾向にあるのに対して、アロマ系炭化水素以外の成分は分子サイズが小さいのでゼオライト製の膜211を通過して第2空間21b側に移動する。軽油fは第1空間21a内を図面左方から導入され図面右方側に移動するにつれて分子サイズの相違により分離され、相対的に分子サイズが大きいアロマ系炭化水素に富む分画aが第1空間21aから、その他の分画bが第2空間21bから、それぞれ導出される。その他の分画bは、その後、高圧ポンプ31を経由し、コモンレール32を介してインジェクション40に供給される。
アロマ系炭化水素に富む分画aは分解手段22に移送される。分解手段22は、図3に示す微小気泡発生装置22a及び燃料一時貯蔵タンク(図略)を備える。微小気泡発生装置22aは燃料一時貯蔵タンク内の燃料中に浸漬されている。微小気泡発生装置22aはハウジング221と燃料導入口222と空気導入口223と導出口224とを備える。
ハウジング221は内部に円錐状の空間221cを形成する。燃料導入口222、空気導入口223及び導出口224は一端部及び他端部の間が連通される管状の部材である。燃料導入口222は一端部が燃料ポンプ(図略)の吐出側に接続され、他端部が円錐状空間221cの円錐の頂点近傍に円錐を構成する円の接線方向に開口する。空気導入口223は一端部が円錐状空間221cの底面中央部に開口し、他端部が燃料一時貯蔵タンク内の燃料が充填されていない空間に開口する。導出口224は一端部が円錐状空間221cの頂部にて開口し、他端部が燃料一時貯蔵タンク内に開口する。
微小気泡発生装置22aは、アロマ系炭化水素に富む分画aにより円錐状空間221c内を満たした状態で、燃料導入口222より燃料を流入させることで、円錐状空間221c内で旋回流が発生する。その結果、円錐状空間221cの底部近傍に負圧が発生し、空気導入口223から空気が流入する。流入してきた空気は円錐状空間221c内を燃料とともに旋回していき、その後、円錐状空間221cの頂部方向に進んでいく。頂部方向に進むにつれて導入された空気は縮径且つ伸長されることで、微小気泡が形成されて円錐状空間221cの頂部に設けられた導出口224から燃料とともに円筒状空間221cから導出されていく。その結果、燃料一時貯蔵タンク内には微小気泡が分散される。
発生する微小気泡の大きさは直径が10nm以上100nm以下に制御されている。分散された微小気泡は分画a中にて消滅する際に分画a中に含まれる有機化合物を分解する。分画aはアロマ系炭化水素に富んでいるので、アロマ系炭化水素が優先的に分解されることになる。アロマ系炭化水素は分解されることで、よりPM発生のおそれが少ないパラフィン炭化水素や、オレフィン炭化水素などになることが予想される。
燃料一時貯蔵タンクでは微小気泡により有機化合物の分解が進行する。燃料一時貯蔵タンク内の分画aは、再度、分離手段21と同様の手段によってアロマ系炭化水素以外の成分を分離して燃料タンク10内に戻している。なお、再度、アロマ系炭化水素以外の成分を分離して燃料タンク10内に戻すほか、燃料一時貯蔵タンク内の分画aの一部を特に分離などを行わずにそのまま戻すこともできる。
燃料一時貯蔵タンク内の分画aは分解手段22の作用によりアロマ系炭化水素の濃度が減少していく。アロマ系炭化水素の分離の有無にかかわらず、その燃料一時貯蔵タンク内の燃料を燃料タンク10内に戻すことで、燃料タンク10内の燃料中に含有されるアロマ系炭化水素の量は漸次減少し、燃料一時貯蔵タンク内の分画a中のアロマ系炭化水素の量は燃料タンク10内の燃料中に含まれるアロマ系炭化水素の濃度よりも高くすることができる。従って、分解手段22にて効率的にアロマ系炭化水素を分解することができる。
(変形例)
分解手段22中の微小気泡発生装置22aに代えて、図4に示すような超音波照射装置23aを用いることができる。超音波照射装置23aは内部空間231cを形成するハウジング231cと、内部空間231c内の一面に配設されたピエゾ素子から形成される超音波振動子235と、内部空間231c内にアロマ系炭化水素に富む分画aを導入及び導出する、燃料導入口233及び燃料導出口234とを備える。燃料一時貯蔵タンク内の分画aを燃料導入口233から内部空間231c内に導入し、超音波を照射することで、含有する有機化合物を分解できる。分解された分画aは燃料導出口234から導出され、燃料一時貯蔵タンク内に戻される。分画a内はアロマ系炭化水素に富んでいるのでアロマ系炭化水素が分解されることになる。
実施例の燃料改質装置を含んだ燃料供給装置の全体を示した概略図である。 実施例において採用した分離手段の断面拡大図である。 実施例において採用した分解手段(微小気泡発生装置)の断面拡大図である。 実施例において採用した分解手段(超音波照射装置)の断面拡大図である。
符号の説明
10…燃料タンク
21…分離手段
22…分解手段
22a…微小気泡発生装置 221…ハウジング 221c…円錐状空間 222…燃料導入口 223…空気導入口 224…燃料導出口
23a…微小気泡発生装置 231…ハウジング 231c…内部空間 233…燃料導入口 234…燃料導出口 235…超音波振動子
31…高圧ポンプ 32…コモンレール
40…燃料噴射手段

Claims (16)

  1. 内燃機関用燃料から芳香族化合物に富んだ分画を分離する分離工程と、
    前記芳香族化合物に富んだ分画に対して含まれる芳香族化合物を分解する分解工程と、を有することを特徴とする内燃機関用燃料の改質方法。
  2. 前記分解工程は、前記分画内にキャビテーションを発生させる工程である請求項1に記載の内燃機関用燃料の改質方法。
  3. 前記分解工程は、前記分画に微小気泡を導入する工程である請求項1又は2に記載の内燃機関用燃料の改質方法。
  4. 前記微小気泡は直径10nm以上20μm以下である請求項3に記載の内燃機関用燃料の改質方法。
  5. 前記分解工程は、前記分画に超音波を照射する工程である請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関用燃料の改質方法。
  6. 前記内燃機関用燃料はディーゼルエンジン用燃料である請求項1〜5のいずれかに記載の内燃機関用燃料の改質方法。
  7. 前記分解工程後、芳香族化合物の含有量が所定値以下になった前記分画を前記内燃機関用燃料に戻す工程を有する請求項1〜6のいずれかに記載の内燃機関用燃料の改質方法。
  8. 前記分離工程はゼオライトから形成される膜を用いて前記内燃機関用燃料を分離する工程である請求項1〜7のいずれかに記載の内燃機関用燃料の改質方法。
  9. 内燃機関用燃料から芳香族化合物に富んだ分画を分離する手段と、
    前記芳香族化合物に富んだ分画に対して含まれる芳香族化合物を分解する手段と、を有することを特徴とする内燃機関用燃料の改質装置。
  10. 前記分解手段は、前記分画内にキャビテーションを発生させる手段である請求項9に記載の内燃機関用燃料の改質装置。
  11. 前記分解手段は、前記分画に微小気泡を導入する手段である請求項9又は10に記載の内燃機関用燃料の改質装置。
  12. 前記分解手段が導入する前記微小気泡の直径は10nm以上20μm以下である請求項11に記載の内燃機関用燃料の改質装置。
  13. 前記分解手段は、前記分画に超音波を照射する手段である請求項9〜12のいずれかに記載の内燃機関用燃料の改質装置。
  14. 前記内燃機関用燃料はディーゼルエンジン用燃料である請求項9〜13のいずれかに記載の内燃機関用燃料の改質装置。
  15. 前記分解手段によって、芳香族化合物の含有量が所定値以下になった前記分画を前記内燃機関用燃料に戻す手段を有する請求項9〜14のいずれかに記載の内燃機関用燃料の改質装置。
  16. 前記分離手段はゼオライトから形成される膜を用いて前記内燃機関用燃料を分離する手段である請求項9〜15のいずれかに記載の内燃機関用燃料の改質装置。
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