JP2008247257A - 車両用放熱装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 車室内温度の上昇を極力抑制する車両用放熱装置を提供する。
【解決手段】 ルーフパネル3の内面側に吸熱板6とヒートパイプ7の受熱部11とを配置し、それらにより、ルーフパネル3側から入ってくる熱を遮断すると共に、その熱を吸熱して車室2外に放熱し続ける。また、吸熱板6とヒートパイプ7の受熱部11の温度を、それらよりも車室2側の温度に比して低くなるようにして、吸熱板6とヒートパイプ7の受熱部11側から車体内方側への熱移動(対流)を抑制すると共に、その車室2側から吸熱板6とヒートパイプ7の受熱部11側に向けての熱移動を作り出す。これにより、ルーフパネル3側から車室2内に入り込む熱量自体をかなり少なく抑え込むと共に、ルーフパネル3以外の個所から車室2内に入り込んだ熱をも吸熱する。
【選択図】 図4
【解決手段】 ルーフパネル3の内面側に吸熱板6とヒートパイプ7の受熱部11とを配置し、それらにより、ルーフパネル3側から入ってくる熱を遮断すると共に、その熱を吸熱して車室2外に放熱し続ける。また、吸熱板6とヒートパイプ7の受熱部11の温度を、それらよりも車室2側の温度に比して低くなるようにして、吸熱板6とヒートパイプ7の受熱部11側から車体内方側への熱移動(対流)を抑制すると共に、その車室2側から吸熱板6とヒートパイプ7の受熱部11側に向けての熱移動を作り出す。これにより、ルーフパネル3側から車室2内に入り込む熱量自体をかなり少なく抑え込むと共に、ルーフパネル3以外の個所から車室2内に入り込んだ熱をも吸熱する。
【選択図】 図4
Description
本発明は、車室内の熱を放出して車室内を快適にする車両用放熱装置に関する。
車両用放熱装置には、特許文献1に示すように、車体上部に反射機能を有する手段と、車体下部に放熱機能を有する手段を備えるものが提案されている。これによれば、太陽光の車室内への侵入及び光エネルギの熱エネルギへの変換を阻止して、車体上部から車室内に侵入する熱量を削減できると共に、放熱機能を有する手段を最も温度が低い部分に位置させて車体上部との温度差を最大にすることにより熱エネルギを放出できる。
特開2005−186662号公報
しかし、上記車両用放熱装置においては、車体上部から車室内に侵入する熱量を削減できるものの、熱は、車体上部から少なからず入り込むことになり、その熱は、対流等を通じて車体下部(放熱機能を有する手段)に向けて移動することになる。この熱移動途中においては、車室内のシート等の多くの搭載部材に熱が蓄熱され、その蓄熱された熱が、再び、車体下部(放熱機能を有する手段)に向けて移動することになり、その際に、熱抵抗(固体と気体との間の境膜伝熱係数等が関与)が生じることになる。このため、車体上部と車体下部との間の温度差を大きくても、それら熱抵抗が作用して、放熱できる熱量(熱移動量)を必ずしも大きくすることができず、これ伴い、車室内温度の上昇を十分に抑制することができない。
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、その技術的課題は、車室内温度の上昇を極力抑制する車両用放熱装置を提供することにある。
前記技術的課題を達成するために本発明(請求項1に係る発明)においては、
伝熱手段として、作動流体の相変化と毛管現象とを利用することにより、一端側が受熱部として熱を吸熱し他端側が放熱部として熱を放熱するものが備えられ、
前記伝熱手段の受熱部が、車両外面を形成するアウタパネルの内面側に配置され、
前記伝熱手段の放熱部が車室外に配置され、
前記伝熱手段は、該伝熱手段の受熱部の温度が、該伝熱手段の受熱部よりも車室側の温度に比して低くなるように設定されている、
ことを特徴とする車両用放熱装置とした構成としてある。
伝熱手段として、作動流体の相変化と毛管現象とを利用することにより、一端側が受熱部として熱を吸熱し他端側が放熱部として熱を放熱するものが備えられ、
前記伝熱手段の受熱部が、車両外面を形成するアウタパネルの内面側に配置され、
前記伝熱手段の放熱部が車室外に配置され、
前記伝熱手段は、該伝熱手段の受熱部の温度が、該伝熱手段の受熱部よりも車室側の温度に比して低くなるように設定されている、
ことを特徴とする車両用放熱装置とした構成としてある。
上述の構成により、伝熱手段の受熱部がアウタパネル側から入ってくる熱を遮断すると共に、その熱を吸熱して車室外に放熱し続ける。
また、伝熱手段の受熱部の温度が、該伝熱手段の受熱部よりも車室側の温度に比して低くなるように設定されていることから、伝熱手段の受熱部側から車体内方側への熱移動(対流)を抑制できることは勿論、その車体内方側から伝熱手段の受熱部側に向けての熱移動を作り出すことができる。このため、アウタパネル側から車室内に入り込む熱量自体をかなり少なく抑え込むことができると共に、当該アウタパネル以外の個所から車室内に入り込んだ熱をも吸熱できることになる。
また、伝熱手段の受熱部の温度が、該伝熱手段の受熱部よりも車室側の温度に比して低くなるように設定されていることから、伝熱手段の受熱部側から車体内方側への熱移動(対流)を抑制できることは勿論、その車体内方側から伝熱手段の受熱部側に向けての熱移動を作り出すことができる。このため、アウタパネル側から車室内に入り込む熱量自体をかなり少なく抑え込むことができると共に、当該アウタパネル以外の個所から車室内に入り込んだ熱をも吸熱できることになる。
請求項1の好ましい態様として、前記アウタパネルの内面側に、吸熱板が該アウタパネルを覆うように配置され、前記吸熱板に前記伝熱手段の受熱部が接続されて、該吸熱板の温度も該吸熱板よりも車室側の温度に比して低くなるよう設定されている構成を採ることができる(請求項2対応)。この構成により、吸熱板を用いて、アウタパネル全体から車室内に入り込む熱量をかなり少なく抑え込むことができると共に、当該アウタパネル以外の個所から車室内に入り込んだ熱もかなり吸熱できることになる。このため、車室内温度の上昇を十分に抑制することができる。
請求項1の好ましい態様として、前記吸熱板が、前記アウタパネル内面に対して離間されて、該吸熱板と該アウタパネルとの間に空気層が形成されている構成を採ることができる(請求項3対応)。この構成により、アウタパネル側から吸熱板に熱が移動するに際しては、その熱移動(伝熱)の態様は、伝導がなくなって、輻射と対流となり、熱移動の態様に伝導も含まれる場合に比べて熱移動量を少なくできる(空気層を断熱層として利用)。これに伴い、アウタパネル側からの熱移動量の少なくなった分が、吸熱板(伝熱手段)の吸熱負担を軽減させることになり、その軽減分について、吸熱板に車室内の熱を吸熱させることができる。このため、一層、車室内温度の上昇を抑制することができる。
請求項1の好ましい態様として、前記吸熱板の外面が、該吸熱板の他の面よりも輻射の反射率が高い面とされている構成を採ることができる(請求項4対応)。この構成により、アウタパネル側から吸熱板に向けての輻射熱を反射できることになり、この反射に基づき、吸熱板に入り込む熱移動量を少なくできる。このため、この点からも、吸熱板(伝熱手段)の吸熱負担を軽減させて、その軽減分について、吸熱板に車室内の熱を吸熱させることができ、車室内温度の上昇を十分に抑制することができる。
請求項1の好ましい態様として、前記アウタパネルの内面が、該アウタパネルの他の面よりも輻射の吸収率が高い面とされている構成を採ることができる(請求項5対応)。この構成により、吸熱板外面により反射された光が、アウタパネル内面によって再び吸熱板に向けて反射されることを抑制できる。このため、前記請求項4の作用効果を確実に得ることができる。
請求項1の好ましい態様として、前記吸熱板の内面側に、車室を区画するインナパネルが対向するように配置され、前記吸熱板の内面と前記インナパネルの外面とが一体化されている構成を採ることができる(請求項6対応)。この構成により、前記請求項2と同様の作用効果を得つつ、見栄え、作業性、取り扱い性を向上させることができる。
請求項1の好ましい態様として、前記吸熱板の内面側に、車室を区画するインナパネルが、該吸熱板の内面に対して離間した状態で配置され、前記吸熱板の内面が、該吸熱板の他の面よりも輻射の吸収率が高い面とされている構成を採ることができる(請求項7対応)。この構成により、車室内側の熱(特に輻射熱)を吸熱でき、車室内の熱量を減らすことができる。
請求項1の好ましい態様として、前記インナパネルの外面が、該インナパネルの他の面よりも輻射の反射率が高い面とされている構成を採ることができる(請求項8対応)。この構成により、仮に吸熱板から輻射熱がインナパネルに向けて放射されても、それを反射し、車室内側に伝熱されることを抑制できる。
請求項1の好ましい態様として、前記吸熱板が、前記アウタパネル内面に対して離間されて、該吸熱板と該アウタパネルとの間に空気層が形成され、前記吸熱板の外面が、該吸熱板の他の面よりも輻射の反射率が高い面とされ、前記アウタパネルの内面が、該アウタパネルの他の面よりも輻射の吸収率が高い面とされている構成を採ることができる(請求項9対応)。この構成により、前記請求項8の作用効果を得つつ、前記請求項4と5の作用効果を同時に得ることができる。
請求項1の好ましい態様として、アウタパネルがルーフパネルとされ、前記伝熱手段の放熱部がフェンダに配置されている構成を採ることができる(請求項10対応)。この構成により、車体外から熱が入りやすいルーフパネルにおいても、そのルーフパネルから車室内への熱移動量を極力少なくすることができ、車室内温度の上昇を十分に抑制することができる。
請求項1の好ましい態様として、前記アウタパネルがルーフパネルとされ、前記インナパネルがトップシーリングとされている構成を採ることができる(請求項11対応)。この構成により、ルーフパネルから車室内へ入り込む熱移動量を極力減らす構造として、最も好ましいものを提供できる。
請求項1の好ましい態様として、前記伝熱手段の受熱部自体が、前記アウタパネルの内面を覆うように形成されている構成を採ることができる(請求項12対応)。この構成により、吸熱板よりも熱伝導率が高い伝熱手段の受熱部自体を用いることによって、伝熱手段の吸熱性能を高めることができ、一層、車室内への熱移動量を少なくして、車室内温度の上昇を抑制できる。
本発明(請求項1に係る発明)によれば、車室内温度の上昇を極力抑制する車両用放熱装置を提供できる。
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1において、符号1は車両で、その車両1の車室2の上方には、アウタパネルとしてのルーフパネル3が配置されている。このルーフパネル3の内面側(下方側)には、図2に示すようにインナパネルとしてのトップシーリング4が配置され、そのルーフパネル3とトップシーリング4との間に本実施形態に係る放熱装置5が配置されている。
図1において、符号1は車両で、その車両1の車室2の上方には、アウタパネルとしてのルーフパネル3が配置されている。このルーフパネル3の内面側(下方側)には、図2に示すようにインナパネルとしてのトップシーリング4が配置され、そのルーフパネル3とトップシーリング4との間に本実施形態に係る放熱装置5が配置されている。
放熱装置5は、基本的には、図3に示すように、吸熱板6と、伝熱手段としての一対のヒートパイプ7とからなる。
前記吸熱板6は、ルーフパネル3とトップシーリング4との間において、ルーフパネル3の内面の大部分を下側から覆うように配置されている。具体的には、吸熱板6は、その板面を上下方向に向けつつ、ルーフパネル3の内面3aに複数の吊りフック8を用いて吊り下げられており、吸熱板6の外面(上面)6aとルーフパネル内面3aとの間には空気層9が形成されると共に、吸熱板6の内面(下面)6bとトップシーリング4の外面(上面)4aとの間に空気層10が形成されている。本実施形態においては、吸熱板6として、長方形状の銅板が用いられており、その吸熱板6は、その長手方向を車体前後方向に向くように配置されている。
前記吸熱板6は、ルーフパネル3とトップシーリング4との間において、ルーフパネル3の内面の大部分を下側から覆うように配置されている。具体的には、吸熱板6は、その板面を上下方向に向けつつ、ルーフパネル3の内面3aに複数の吊りフック8を用いて吊り下げられており、吸熱板6の外面(上面)6aとルーフパネル内面3aとの間には空気層9が形成されると共に、吸熱板6の内面(下面)6bとトップシーリング4の外面(上面)4aとの間に空気層10が形成されている。本実施形態においては、吸熱板6として、長方形状の銅板が用いられており、その吸熱板6は、その長手方向を車体前後方向に向くように配置されている。
また、本実施形態においては、ルーフパネル3の内面3a、吸熱板6の外面6a及び内面6b、トップシーリング4の外面4aに対して塗膜処理が行われている。ルーフパネル内面3aは、輻射の吸収率が高い面とすべく黒色塗膜面とされ、吸熱板6の外面6aは、輻射の反射率が高い面とすべく銀色塗膜面とされている。吸熱板6の内面6bは、輻射の吸収率が高い面とすべく黒色塗膜面とされ、トップシーリング4の外面4aは、輻射の反射率が高い面とすべく銀色塗膜面とされている。
前記各ヒートパイプ7は、その軸心延び方向に比較的長く延びており、その各一端側は、図3に示すように、受熱部11として前記吸熱板6の幅方向(図3中、上下方向)片側にそれぞれ接続され、その各他端側は、放熱部12として、車体後方に延びて左右各リアフェンダ13内面に取付けられている。この場合、各ヒートパイプ7の一端側は、受熱部11として吸熱板6の広い面積から熱を吸熱すべく、吸熱板6の長手方向全長に亘って該吸熱板6に接続されている。勿論、さらに受熱面積を広げたいときには、ヒートパイプ7の一端側において車幅方向内方に延びる複数の分岐部(ヒートパイプ7を構成)を形成したり、複数のフィンを設けたりしてもよい。図3において、符号14は、各ヒートパイプ7の他端側(放熱部12)に設けられたフィンで、リアフェンダ13内面に対する取付け部も有している。
この各ヒートパイプ7は、既知の如く、その管内部に多孔質材料としてのウィックを配置し、その管内部を真空にして水、フロン、エタノール等の作動流体を封入したものとなっている。このため、ヒートパイプ7の一端側としての受熱部11ないしは吸熱板6に熱を付与すると、その受熱部11の作動流体(液体状態)が蒸発して、その蒸気は他端側の放熱部12に移動することになり、その放熱部12が冷却されると、蒸気はウィック面で凝縮、液化し、その液体は、ウィックの毛管作用で受熱部11に戻ることなる。
前記各ヒートパイプ7は、その吸熱能力に関し、その各ヒートパイプ7の受熱部11の温度ないしは吸熱板6の温度が、その吸熱板6等よりも車室2側の温度(車室2内温度、トップシーリング4の温度等)に比して常に相対的に低くなるように設定されている。これは、ルーフパネル3側から車室2内への熱移動量を極力少なくする観点から設定されている。その詳細は後述する。
次に、当該放熱装置5の作用について、図4に基づいて説明する。
車外温度が30〜40℃の間であっても、太陽光の輻射熱等によりルーフパネル3の温度は90℃近くの高温となる。このルーフパネル3から吸熱板6に向けての熱移動を見た場合、輻射については、吸熱板6が車室2内への移動を遮断し、その際、熱エネルギに変換されても、その熱は、各ヒートパイプ7により車室2外に放出される。対流による熱移動に関しては、その移動された熱を吸熱板6が受け止め、その熱は、高い伝熱能力を有する各ヒートパイプ7により車室2外に連続的に放出される。伝導による熱移動に関しては、ルーフパネル3と吸熱板6との間に空気層9が形成されていることから生じない。
したがって、吸熱板6及び各ヒートパイプ7は、ルーフパネル3から入ってくる熱を遮断すると共に、熱を吸熱して、その熱を、伝熱能力の高いヒートパイプ7により車室2外に放出することから、吸熱板6の温度は、ルーフパネル3の温度よりもかなり低くなる。
特に本実施形態においては、上述のように、ルーフパネル3と吸熱板6との間に空気層9を設けて伝導による熱移動を行わないようにしているばかりか、吸熱板6の外面6aを、輻射の反射率が高い塗膜面とすると共に、ルーフパネル内面3aを、輻射の吸収率が高い塗膜面として、ルーフパネル3からの輻射を、吸熱板6の外面により反射し、それをルーフパネル内面3aに吸熱させている(図4中、符号R1で示す)。このため、吸熱板6への熱移動量は抑えられ、各ヒートパイプ7の吸熱負担は軽減されることになっている。このような結果、本実施形態においては、吸熱板6及びヒートパイプ7の受熱部11の温度は、50〜55℃位になる。
車外温度が30〜40℃の間であっても、太陽光の輻射熱等によりルーフパネル3の温度は90℃近くの高温となる。このルーフパネル3から吸熱板6に向けての熱移動を見た場合、輻射については、吸熱板6が車室2内への移動を遮断し、その際、熱エネルギに変換されても、その熱は、各ヒートパイプ7により車室2外に放出される。対流による熱移動に関しては、その移動された熱を吸熱板6が受け止め、その熱は、高い伝熱能力を有する各ヒートパイプ7により車室2外に連続的に放出される。伝導による熱移動に関しては、ルーフパネル3と吸熱板6との間に空気層9が形成されていることから生じない。
したがって、吸熱板6及び各ヒートパイプ7は、ルーフパネル3から入ってくる熱を遮断すると共に、熱を吸熱して、その熱を、伝熱能力の高いヒートパイプ7により車室2外に放出することから、吸熱板6の温度は、ルーフパネル3の温度よりもかなり低くなる。
特に本実施形態においては、上述のように、ルーフパネル3と吸熱板6との間に空気層9を設けて伝導による熱移動を行わないようにしているばかりか、吸熱板6の外面6aを、輻射の反射率が高い塗膜面とすると共に、ルーフパネル内面3aを、輻射の吸収率が高い塗膜面として、ルーフパネル3からの輻射を、吸熱板6の外面により反射し、それをルーフパネル内面3aに吸熱させている(図4中、符号R1で示す)。このため、吸熱板6への熱移動量は抑えられ、各ヒートパイプ7の吸熱負担は軽減されることになっている。このような結果、本実施形態においては、吸熱板6及びヒートパイプ7の受熱部11の温度は、50〜55℃位になる。
上記吸熱板6及び各ヒートパイプ7の受熱部11の温度(本実施形態においては50〜55℃)は、図4に示すように、その温度がそれよりも車室2側の温度(トップシーリング4の温度(62℃)、車室2内温度(63℃))に比して相対的に低くなるように設定されている。吸熱板6及び各ヒートパイプ7の受熱部11側から車室2側への熱移動(対流)を抑制すると共に、その車室2側から吸熱板6及び各ヒートパイプ7の受熱部11側に向けての熱移動(対流)を作り出すためである(符号Cをもって示す)。これにより、ルーフパネル3側から吸熱板6を経て車室2内に入り込む熱量自体をかなり少なく抑え込むことができると共に、当該ルーフパネル3以外の個所から車室2内に入り込んだ熱をも吸熱できることになる。
またトップシーリング4と吸熱板6との関係に関しては、トップシーリング4の外面4aが、輻射の反射率が高い面とされていると共に、吸熱板6の内面が、輻射の吸収率が高い面とされていることから、仮に、吸熱板6からトップシーリング4に輻射がなされても、その輻射は反射され、さらには、トップシーリング4からの輻射熱は吸熱板6の内面により吸熱される(図4中、符号R2をもって示す)。
図5は、通常のルーフ構造の下での熱移動(車室内が高温になる状況)を説明するものである。この構造においては、ルーフパネルが高温になると、そのルーフパネルからインシュレータに向けて輻射及び対流による伝達が行われ、インシュレータは、熱伝達された熱を排出する構造がないことから、ルーフパネルに近い温度に上昇する。続いて、このインシュレータからトップシーリングに伝導による熱伝達が行われ、そのトップシーリングもインシュレータに近い温度となる。このインシュレータから車室内に、主として、対流による熱伝達が行われ、車室内の温度もトップシーリングに近い温度となる。このように、車外から車室内への熱移動を何等抑制しない場合には、車室内温度は、高温状態となり、さらには、その車室内からルーフパネルに向かうに従って各部材の温度が高くなって、ルーフパネルの温度が低くならない限り、そのルーフパネルから車室内に熱が供給され続ける。
以上実施形態について説明したが本発明にあっては、次の態様を包含する。
(1)吸熱板6とヒートパイプ7の受熱部11の一体構成を、ヒートパイプ7の受熱部11自体により構成すること。
(2)吸熱板6とトップシーリング4とを積層状態をもって一体化すること。
(3)吸熱板6の内面側にインナパネルとしてのトップシーリング4を、その吸収板の内面に対して離間した状態で配置し、その下で、吸熱板6の内面を、その吸熱板6の他の面よりも輻射の吸収率が高い面とし、トップシーリング4の外面4aを、トップシーリング4の他の面よりも輻射の反射率が高い面とする一方、吸熱板6をアウタパネル内面としてのルーフパネル内面3aに対して離間して、吸熱板6とルーフパネル3との間に空気層9を形成すると共に、吸熱板外面6a及びルーフパネル内面3aを輻射に関する機能面としないこと。
(1)吸熱板6とヒートパイプ7の受熱部11の一体構成を、ヒートパイプ7の受熱部11自体により構成すること。
(2)吸熱板6とトップシーリング4とを積層状態をもって一体化すること。
(3)吸熱板6の内面側にインナパネルとしてのトップシーリング4を、その吸収板の内面に対して離間した状態で配置し、その下で、吸熱板6の内面を、その吸熱板6の他の面よりも輻射の吸収率が高い面とし、トップシーリング4の外面4aを、トップシーリング4の他の面よりも輻射の反射率が高い面とする一方、吸熱板6をアウタパネル内面としてのルーフパネル内面3aに対して離間して、吸熱板6とルーフパネル3との間に空気層9を形成すると共に、吸熱板外面6a及びルーフパネル内面3aを輻射に関する機能面としないこと。
1 車両
2 車室
3 ルーフパネル(アウタパネル)
3aルーフパネル内面
4 トップシーリング(インナパネル)
4a トップシーリング外面
5 放熱装置
6 吸熱板
6a 吸熱板外面
6b 吸熱板内面
7 ヒートパイプ
9 空気層
11 ヒートパイプの受熱部
12 ヒートパイプの放熱部
13 リアフェンダ
2 車室
3 ルーフパネル(アウタパネル)
3aルーフパネル内面
4 トップシーリング(インナパネル)
4a トップシーリング外面
5 放熱装置
6 吸熱板
6a 吸熱板外面
6b 吸熱板内面
7 ヒートパイプ
9 空気層
11 ヒートパイプの受熱部
12 ヒートパイプの放熱部
13 リアフェンダ
Claims (12)
- 伝熱手段として、作動流体の相変化と毛管現象とを利用することにより、一端側が受熱部として熱を吸熱し他端側が放熱部として熱を放熱するものが備えられ、
前記伝熱手段の受熱部が、車両外面を形成するアウタパネルの内面側に配置され、
前記伝熱手段の放熱部が車室外に配置され、
前記伝熱手段は、該伝熱手段の受熱部の温度が、該伝熱手段の受熱部よりも車室側の温度に比して低くなるように設定されている、
ことを特徴とする車両用放熱装置。 - 請求項1において、
前記アウタパネルの内面側に、吸熱板が該アウタパネルを覆うように配置され、
前記吸熱板に前記伝熱手段の受熱部が接続されて、該吸熱板の温度も該吸熱板よりも車室側の温度に比して低くなるよう設定されている、
ことを特徴とする車両用放熱装置。 - 請求項2において、
前記吸熱板が、前記アウタパネル内面に対して離間されて、該吸熱板と該アウタパネルとの間に空気層が形成されている、
ことを特徴とする車両用放熱装置。 - 請求項3において、
前記吸熱板の外面が、該吸熱板の他の面よりも輻射の反射率が高い面とされている、
ことを特徴とする車両用放熱装置。 - 請求項4において、
前記アウタパネルの内面が、該アウタパネルの他の面よりも輻射の吸収率が高い面とされている、
ことを特徴とする車両用放熱装置。 - 請求項2において、
前記吸熱板の内面側に、車室を区画するインナパネルが対向するように配置され、
前記吸熱板の内面と前記インナパネルの外面とが一体化されている、
ことを特徴とする車両用放熱装置。 - 請求項2において、
前記吸熱板の内面側に、車室を区画するインナパネルが、該吸熱板の内面に対して離間した状態で配置され、
前記吸熱板の内面が、該吸熱板の他の面よりも輻射の吸収率が高い面とされている、
ことを特徴とする車両用放熱装置。 - 請求項7において、
前記インナパネルの外面が、該インナパネルの他の面よりも輻射の反射率が高い面とされている、
ことを特徴とする車両用放熱装置。 - 請求項8において、
前記吸熱板が、前記アウタパネル内面に対して離間されて、該吸熱板と該アウタパネルとの間に空気層が形成され、
前記吸熱板の外面が、該吸熱板の他の面よりも輻射の反射率が高い面とされ、
前記アウタパネルの内面が、該アウタパネルの他の面よりも輻射の吸収率が高い面とされている、
ことを特徴とする車両用放熱装置。 - 請求項2において、
前記アウタパネルがルーフパネルとされ、
前記伝熱手段の放熱部がフェンダに配置されている、
ことを特徴とする車両用放熱装置。 - 請求項8において、
前記アウタパネルがルーフパネルとされ、
前記インナパネルがトップシーリングとされている、
ことを特徴とする車両用放熱装置。 - 請求項1において、
前記伝熱手段の受熱部自体が、前記アウタパネルの内面を覆うように形成されている、
ことを特徴とする車両用放熱装置。
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Publication Number | Publication Date |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014086499A (ja) * | 2012-10-22 | 2014-05-12 | Toshiba Mitsubishi-Electric Industrial System Corp | 変圧器 |
WO2021053994A1 (ja) * | 2019-09-17 | 2021-03-25 | 株式会社デンソー | 放熱部材、放熱システム |
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2007
- 2007-03-30 JP JP2007092507A patent/JP2008247257A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014086499A (ja) * | 2012-10-22 | 2014-05-12 | Toshiba Mitsubishi-Electric Industrial System Corp | 変圧器 |
WO2021053994A1 (ja) * | 2019-09-17 | 2021-03-25 | 株式会社デンソー | 放熱部材、放熱システム |
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