JP2004058943A - 自動車用計器パネル冷却装置および冷却方法 - Google Patents

自動車用計器パネル冷却装置および冷却方法 Download PDF

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Keiji Mashita
真下 啓治
Tomohiro Uchida
内田 智洋
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Furukawa Electric Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】炎天下に長時間放置されても、パネル材質が変質を起こさず、計器類が異常表示、誤動作を起こさない計器パネルの冷却装置および冷却方法を提供する。
【解決手段】計器部と本体部とからなる自動車用計器パネルと、自動車用計器パネルの本体部に少なくともその一部が埋め込まれ、他の一部が自動車ボディまたはシャーシに熱的に接続されたヒートパイプとを備えた、自動車用計器パネル冷却装置。少なくとも1つの計器部を備えた自動車用計器パネルの計器部から発生する熱を、ヒートパイプによって自動車ボディまたはシャーシに放熱する、自動車用計器パネルの冷却方法。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用計器パネルの冷却装置および冷却方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンビネーションメータと呼ばれる自動車用計器には、速度計、回転計、燃料計、水温計等の指針式計器や、走行距離を積算、表示するオドメータ、トリップメータが設けられている。上述した自動車用計器は、計器パネルに収納されている。即ち、自動車の前方コンパートメントと乗客コンパートメントとを分離するバルクヘッドに計器パネルが取り付けられ、計器パネルに、運転席が位置する側に応じて計器パネルの右側部分または左側部分の何れかに配置された複数の電気装置が設けられ、更に、電気装置を接続するための複数の二次ハーネスが接続された主要電気ハーネスが設けられている。
【0003】
更に、最近、液晶パネルを使用する表示面を有するカーナビゲーション等の計器類が計器パネルに収納されるようになってきている。
上述した計器類は、比較的熱に弱く、車内の温度が所定の温度を超えて高くなると、表示に異常が生じたり、誤動作を起こすことがある。このため、従来は、計器パネルの材料として、耐熱性に優れた材質を選定して使用したり、断熱構造に工夫をこらす等によって、計器等に対する熱の影響を少なくしていた。
計器パネルの材質そのものは、120℃の温度においても変質しないが、計器パネルに収納されている計器類およびその構成部品は、約80℃の温度で、故障するおそれがある。車は、時には、炎天下に長時間放置されることがあり、太陽光によって、2000W/mもの熱が流入することがある。
【0004】
【発明が解決しょうとする課題】
上述したように、計器パネルには、液晶パネル等の熱に比較的弱い計器類が収納され、高温のもとに長時間放置されると、計器類が異常表示、誤動作を起こしたり、表示装置だけでなく、それらの構成部品が故障する等の問題点がある。
従って、この発明の目的は、炎天下に長時間放置されても、パネル材質が変質を起こさず、計器類が異常表示、誤動作を起こさない計器パネルの冷却装置および冷却方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
発明者は、上述した従来の問題点を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、計器部と本体部とからなる自動車用計器パネルの本体部に、ヒートパイプの少なくとも一部を埋め込み、他端部を自動車ボディまたはシャーシに熱的に接続することによって、自動車用計器パネルを効率的に冷却することができることが判明した。
【0006】
この発明は、上述した研究結果に基づいてなされたものであって、この発明の自動車用計器パネル冷却装置の第1の態様は、計器部と本体部とからなる自動車用計器パネルと、前記自動車用計器パネルの前記本体部に少なくともその一部が埋め込まれ、他の一部が自動車ボディまたはシャーシに熱的に接続されたヒートパイプとを備えた、自動車用計器パネル冷却装置である。
【0007】
この発明の自動車用計器パネル冷却装置の第2の態様は、前記ヒートパイプが丸型ヒートパイプからなっており、前記丸型ヒートパイプの吸熱部が前記自動車用計器パネルの長手方向に沿って前記自動車用計器パネルの裏面に埋め込まれ、前記丸型ヒートパイプの放熱部が前記自動車ボディまたはシャーシに熱的に接続されている、自動車用計器パネル冷却装置である。
【0008】
この発明の自動車用計器パネル冷却装置の第3の態様は、前記ヒートパイプが多孔管状ヒートパイプからなっており、前記多孔管状ヒートパイプの吸熱部が前記自動車用計器パネルの長手方向に沿って前記自動車用計器パネルの裏面に張り付けられ、前記多孔管状ヒートパイプの放熱部が前記自動車ボディまたはシャーシに熱的に接続されている、自動車用計器パネル冷却装置である。
【0009】
この発明の自動車用計器パネル冷却装置の第4の態様は、前記ヒートパイプがシート状ヒートパイプからなっており、前記シート状ヒートパイプの吸熱部が前記自動車用計器パネルの長手方向に沿って前記自動車用計器パネルの裏面に張り付けられ、前記シート状ヒートパイプの放熱部が前記自動車ボディまたはシャーシに熱的に接続されている、自動車用計器パネル冷却装置である。
【0010】
この発明の自動車用計器パネル冷却装置の第5の態様は、前記ヒートパイプの一端部が特定の計器の裏面に熱的に接続され、前記ヒートパイプの他端部が前記自動車ボディまたはシャーシに熱的に接続されている、自動車用計器パネル冷却装置である。
【0011】
この発明の自動車用計器パネル冷却装置の第6の態様は、前記自動車用計器パネルがアルミニウム板からなっている、自動車用計器パネル冷却装置である。
【0012】
この発明の自動車用計器パネルの冷却方法の第1の態様は、少なくとも1つの計器部を備えた自動車用計器パネルの前記計器部から発生する熱を、ヒートパイプによって自動車ボディまたはシャーシに放熱する、自動車用計器パネルの冷却方法である。
【0013】
この発明の自動車用計器パネルの冷却方法の第2の態様は、前記計器部または前記計器部近傍に配置されたヒートパイプの吸熱部に熱的に接続して、前記ヒートパイプの内部に封入された作動液を蒸発させ、蒸発した前記作動液をヒートパイプの放熱部に移動し、前記放熱部に熱的に接続された自動車ボディまたはシャーシに放熱する、自動車用計器パネルの冷却方法である。
【0014】
この発明の自動車用計器パネルの冷却方法の第3の態様は、前記少なくとも1つの計器部に対応する個数のヒートパイプを併用して、前記計器部から発生する熱を、自動車ボディまたはシャーシに放熱する、自動車用計器パネルの冷却方法である。
【0015】
この発明の自動車用計器パネルの冷却方法の第4の態様は、前記自動車用計器パネルの裏面全面に、ヒートパイプの吸熱部を熱的に接続する、自動車用計器パネルの冷却方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】
この発明の平面型ヒートパイプの製造方法および実装方法を図面を参照しながら詳細に説明する。
ヒートパイプは空洞部を有するコンテナであり、その空洞部に作動流体(作動流体)が封入されている。その空洞部は真空引きされており、作動流体の蒸発が起きやすくなっている。作動流体としては、コンテナの材質との適合性を考慮して、水、アルコール、代替フロン等が用いられる。
【0017】
被冷却部品に接続された、ヒートパイプの吸熱側において、ヒートパイプを構成する容器(コンテナ)の材質中を熱伝導して伝わってきた熱により、作動流体が蒸発し、その蒸気がヒートパイプの放熱側に移動する。放熱側では、作動流体の蒸気は冷却されて、再び液相状態に戻り、熱を放出する。液相に戻った作動流体は、毛管力、重力等によって、再び吸熱側に移動(還流)する。このような作動流体の相変態や移動により、熱の移動がなされる。
【0018】
作動流体の還流は、上述したように、重力や毛細管現象によってなされる。重力式のヒートパイプの場合は、吸熱部を放熱部より下方に配置することによって、作動流体は還流する。毛細管現象によって作動流体を還流させるヒートパイプの場合は、空洞部の内壁に溝を設けたり、空洞内部に金属メッシュ、多孔質体等のウイックを挿入し、溝またはウイックによる毛細管現象によって、作動流体が還流する。
このように、ヒートパイプにおいては、ヒートパイプの密閉された空洞部内に封入された作動流体の相変態と移動により大量の熱の輸送が行われる。もちろん、ヒートパイプを構成する容器(コンテナ)を熱伝導することによって、運ばれる熱もあるが、その量は相対的に少ない。
【0019】
上述したように、ヒートパイプの空洞部内には、作動流体が封入され、作動流体の相変態が行われる。ヒートパイプとして十分に機能するためには、空気の流入による作動液の劣化を防止し、更に、作動流体の漏れを防止することができるように空洞部の気密性を確保し、そして、内圧・外圧に十分耐える強度が必要とされる。ヒートパイプの密閉された容器の気密性を高めるために、容器を形成する上板材および下板材を、ロウ付け(銀ロウ、低温ロウ等)方法、溶接方法、圧接方法等によって接合する。
【0020】
ヒートパイプには、丸型ヒートパイプ、板型ヒートパイプ等がある。板型ヒートパイプにおいては、例えば、空洞部を有する密閉容器を形成するための、それぞれ外周部を備えた上板材および下板材を調製し、上板材および下板材の外周部を重ね合わせて、外周部にロウ付けを施こす製造方法がある。この方法によると、コンテナを形成する板材の強度を損ねることなく、気密性の高いコンテナを形成することができる。
【0021】
この発明の自動車用計器パネル冷却装置の1つの態様は、計器部と本体部とからなる自動車用計器パネルと、前記自動車用計器パネルの前記本体部に少なくともその一部が埋め込まれ、他の一部が自動車ボディまたはシャーシに熱的に接続されたヒートパイプとを備えた、自動車用計器パネル冷却装置である。
【0022】
即ち、ヒートパイプが丸型ヒートパイプからなっており、丸型ヒートパイプの吸熱部が自動車用計器パネルの長手方向に沿って自動車用計器パネルの裏面に埋め込まれ、丸型ヒートパイプの放熱部が自動車ボディに熱的に接続されている、自動車用計器パネル冷却装置であってもよい。
【0023】
更に、ヒートパイプが多孔管状ヒートパイプからなっており、多孔管状ヒートパイプの吸熱部が自動車用計器パネルの長手方向に沿って自動車用計器パネルの裏面に張り付けられ、多孔管状ヒートパイプの放熱部が自動車ボディに熱的に接続されている、自動車用計器パネル冷却装置であってもよい。
【0024】
更に、ヒートパイプがシート状ヒートパイプからなっており、シート状ヒートパイプの吸熱部が自動車用計器パネルの長手方向に沿って自動車用計器パネルの裏面に張り付けられ、シート状ヒートパイプの放熱部が自動車ボディに熱的に接続されている、自動車用計器パネル冷却装置であってもよい。
【0025】
図1は、この発明の自動車用計器パネル冷却装置の1つの態様を示す図である。図1に示すように、計器パネル2には、速度計、回転計、燃料計、水温計等の指針式計器、走行距離を積算、表示するオドメータ、トリップメータ等の計器6を表示する計器表示面4、ナビゲーション等の液晶パネル5が収納されている。この態様の自動車用計器パネル冷却装置には、丸型ヒートパイプが熱的に接続されている。即ち、点線で示すように、丸型ヒートパイプの吸熱部7が、自動車用計器パネル2の長手方向に沿って、自動車用計器パネルの裏面に熱的に接続されている。即ち、丸型ヒートパイプ3は、計器パネルの一方端側に位置する計器表示面4、液晶パネル5の上側に沿って丸型ヒートパイプの吸熱部7が配置され、計器パネルの他方端に向かって延び、更に、矢印で示すように、延伸して、(図示しない)自動車ボディ、または、シャーシに放熱部が熱的に接続されて配置されている。
【0026】
図2は、丸型ヒートパイプを計器パネルに取り付ける1つの方法を示す断面図である。図2に示すように、計器パネル2は、ウレタン層13を挟んでインスツルメントパネル表皮部11とインスツルメントパネルコア部12とからなっている。計器パネルの裏面であるインスツルメントパネルコア部12の所定部位には、ヒートパイプを配設・固定する溝部14が形成されて、丸型ヒートパイプ3が埋め込まれる。
【0027】
このように丸型ヒートパイプを配置することによって、計器表示面4および液晶パネル5の上側に位置する面の熱によって、丸型ヒートパイプの吸熱部に位置する作動液を蒸発させる。作動液が蒸発した吸熱部において蒸気圧が高まり、生じた圧力差によって、圧力の低い他端側の放熱部へと蒸気流を生じ、瞬時に熱が移動し、温度の低い自動車ボディ、または、シャーシに熱的に接続された放熱部で熱が放熱され、作動液が液状に戻る。放熱部において液状に戻った作動液は、丸型ヒートパイプの内壁に軸方向に沿って形成された多数の微細な溝部による毛管力によって、吸熱部に還流し、熱の移動が継続的に行われる。
【0028】
上述した態様においては、1本の丸型ヒートパイプを使用しているが、1本に限定されることはなく、所要の本数の丸型ヒートパイプを使用することができる。更に、放熱部は、所定のヒートシンクに接続されてもよい。
【0029】
図3は、この発明の自動車用計器パネル冷却装置の他の1つの態様を示す図である。図1を参照して説明したと同様に、計器パネル2には、速度計、回転計、燃料計、水温計等の指針式計器、走行距離を積算、表示するオドメータ、トリップメータ等の計器6を表示する計器表示面4、ナビゲーション等の液晶パネル5が収納されている。この態様の自動車用計器パネル冷却装置には、2本の丸型ヒートパイプが熱的に接続されている。即ち、計器表示面4の裏面に吸熱部が熱的に接続された第1の丸型ヒートパイプ33と、液晶パネル5の裏面に吸熱部が熱的に接続された第2の丸型ヒートパイプ43とが並列して配置されている。更に、矢印で示すように、延伸して、(図示しない)自動車ボディ、または、シャーシに放熱部が熱的に接続されて配置されている。
従って、主要な冷却対象である計器表示面4、および、液晶パネル5をそれぞれ別々に冷却することができる。
【0030】
図4は、2本の丸型ヒートパイプを計器パネルに取り付ける1つの方法を示す断面図である。図4に示すように、計器パネル2は、ウレタン層13を挟んでインスツルメントパネル表皮部11とインスツルメントパネルコア部12とからなっている。計器パネルの裏面であるインスツルメントパネルコア部12の所定部位には、丸型ヒートパイプ33、43を配設・固定する溝部14、15が形成されて、丸型ヒートパイプ33、43が埋め込まれる。
この態様の自動車用計器パネル冷却装置によると、冷却対象に応じて、それぞれ対応する丸型ヒートパイプを直接冷却対象の裏面に熱的に接続するので、計器表示面、液晶パネル等を直接効率良く冷却することができるので、計器類の異常表示、誤動作を防止することができる。
【0031】
図5は、この発明の自動車用計器パネル冷却装置の他の1つの態様を示す図である。図1を参照して説明したと同様に、計器パネル2には、速度計、回転計、燃料計、水温計等の指針式計器、走行距離を積算、表示するオドメータ、トリップメータ等の計器6を表示する計器表示面4、ナビゲーション等の液晶パネル5が収納されている。この態様の自動車用計器パネル冷却装置には、多孔管形状のヒートパイプが熱的に接続されている。即ち、計器表示面4および液晶パネル5の裏面に、多孔管形状のヒートパイプの吸熱部が熱的に接続されている。多孔管形状のヒートパイプの他端部は、矢印で示すように、延伸して、(図示しない)自動車ボディ、または、シャーシに放熱部が熱的に接続されて配置されている。
【0032】
多孔管形状のヒートパイプは、多孔押出加工法によって、貫通孔55が並列配置された多孔管を製造し、このように形成された多孔管の両端部にキャップ部材を取り付けて、全ての貫通孔を連通させている。多孔管は減圧、密閉され、内部に作動液が封入される。更に、多孔管の各貫通孔の内壁には、全面に、貫通孔の長手方向に沿って溝部が形成されて毛管力を発揮する。
【0033】
このように多孔管形状ヒートパイプを配置することによって、計器表示面4および液晶パネル5を含む計器パネルの熱によって、多孔管形状ヒートパイプの吸熱部に位置する作動液を蒸発させる。作動液が蒸発した吸熱部において蒸気圧が高まり、生じた圧力差によって、圧力の低い他端側の放熱部へと蒸気流を生じ、瞬時に熱が移動し、温度の低い自動車ボディ、または、シャーシに熱的に接続された放熱部で熱が放熱され、作動液が液状に戻る。放熱部において液状に戻った作動液は、多孔管形状ヒートパイプの内壁に軸方向に沿って形成された多数の微細な溝部による毛管力または重力によって、吸熱部に還流し、熱の移動が継続的に行われる。
従って、主要な冷却対象である計器表示面4、および、液晶パネル5、並びに、計器パネルをそれぞれ冷却することができる。
【0034】
図6は、多孔管形状ヒートパイプを計器パネルに取り付ける1つの方法を示す断面図である。図6に示すように、計器パネル2は、ウレタン層13を挟んでインスツルメントパネル表皮部11とインスツルメントパネルコア部12とからなっている。計器パネルの裏面であるインスツルメントパネルコア部12の所定部位には、多孔管形状ヒートパイプ53を固定する溝部14が形成されて、多孔管形状ヒートパイプ53が埋め込まれる。
この態様の自動車用計器パネル冷却装置によると、多孔管形状ヒートパイプを直接冷却対象の裏面に熱的に接続するので、計器表示面、液晶パネル等を直接効率良く冷却することができるので、計器類の異常表示、誤動作を防止することができる。
【0035】
図7は、この発明の自動車用計器パネル冷却装置の他の1つの態様を示す図である。図1を参照して説明したと同様に、計器パネル2には、速度計、回転計、燃料計、水温計等の指針式計器、走行距離を積算、表示するオドメータ、トリップメータ等の計器6を表示する計器表示面4、ナビゲーション等の液晶パネル5が収納されている。この態様の自動車用計器パネル冷却装置には、シート形状のヒートパイプが熱的に接続されている。即ち、計器表示面4および液晶パネル5を含み計器パネル全体の裏面に、シート形状のヒートパイプの吸熱部が熱的に接続されている。シート形状のヒートパイプの他端部は、矢印で示すように、延伸して、(図示しない)自動車ボディ、または、シャーシに放熱部が熱的に接続されて配置されている。
【0036】
シート形状のヒートパイプは、アルミニウム、銅等の薄い箔を2枚重ね、周辺部を接合して、コンテナが形成される。コンテナ内には毛管力を有するメッシュ等のウイックが配置され、減圧されて作動液が封入され、密閉されている。
【0037】
このようにシート形状のヒートパイプを計器パネル全体に裏面に密着して配置することによって、計器表示面4および液晶パネル5を含む計器パネルの熱によって、シート形状のヒートパイプの吸熱部に位置する作動液を蒸発させる。作動液が蒸発した吸熱部において蒸気圧が高まり、生じた圧力差によって、圧力の低い他端側の放熱部へと蒸気流を生じ、瞬時に熱が移動し、温度の低い自動車ボディ、または、シャーシに熱的に接続された放熱部で熱が放熱され、作動液が液状に戻る。放熱部において液状に戻った作動液は、コンテナ内に配置されたメッシュ形状ウイックによる毛管力または重力によって、吸熱部に還流し、熱の移動が継続的に行われる。
従って、主要な冷却対象である計器表示面4、および、液晶パネル5、並びに、計器パネル全体を冷却することができる。
【0038】
図8は、シート形状のヒートパイプを計器パネルに取り付ける1つの方法を示す断面図である。図8に示すように、計器パネル2は、ウレタン層13を挟んでインスツルメントパネル表皮部11とインスツルメントパネルコア部12とからなっている。計器パネルの裏面であるインスツルメントパネルコア部12の所定部位に、シート形状ヒートパイプ63を接合する。
この態様の自動車用計器パネル冷却装置によると、シート形状のヒートパイプを冷却対象を含み計器パネル全体の裏面に熱的に接続するので、計器表示面、液晶パネル等を含み計器パネル全体を直接効率良く冷却することができるので、計器類の異常表示、誤動作を防止することができる。
【0039】
上述した態様においては、計器パネルは、ウレタン等を使用しているが、計器パネルの材質は、これらに限定されることはない。例えば、計器パネル全体をアルミニウムによって作製してもよい。そのときには、計器パネルとヒートパイプの間は、ろう付け等によって接合することができる。
【0040】
更に、上述したように、ヒートパイプの一端部が特定の計器の裏面に熱的に接続され、ヒートパイプの他端部が自動車ボディに熱的に接続されていてもよい。
【0041】
次に、この発明の自動車用計器パネルの冷却方法について説明する。
この発明の自動車用計器パネルの冷却方法の1つの態様は、少なくとも1つの計器部を備えた自動車用計器パネルの前記計器部から発生する熱を、ヒートパイプによって自動車ボディに放熱する、自動車用計器パネルの冷却方法である。即ち、計器部または計器部近傍に配置されたヒートパイプの吸熱部に熱的に接続して、ヒートパイプの内部に封入された作動液を蒸発させ、蒸発した作動液をヒートパイプの放熱部に移動し、放熱部に熱的に接続された自動車ボディに放熱する。
【0042】
更に、少なくとも1つの計器部に対応する個数のヒートパイプを併用して、計器部から発生する熱を、自動車ボディに放熱してもよい。更に、自動車用計器パネルの裏面全面に、ヒートパイプの吸熱部を熱的に接続してもよい。
なお、ヒートパイプのコンテナの形成に際して、超音波溶接を用いると、コンテナを形成する上板材および下板材の焼きなましによって平面型ヒートパイプの平面度が悪くなり、被冷却部品との接続に際して、熱抵抗が大きくなるという問題点が解決される。
【0043】
なお、上述したヒートパイプの放熱部には、ヒートシンクを熱的に接続し、ファン等によって空気を送って、ヒートシンクに伝わった熱を強制的に放熱して冷却してもよい。
上述したウイックとして、金網、焼結金属、メタルウール、グラス繊維、炭素繊維、セラミックス繊維等がある。上述したように、ウイックを装入することなく、上板材および下板材の所定の位置に、グルーブを設けてもよい。グルーブの形成は、軸方向、周方向等に沿って行い、グルーブの形状は、台形、三角形等がある。
【0044】
ヒートパイプのコンテナの材料として、銅(C1020、C1100、C1200)、アルミニウム(A1010 A1100 A5000系、A6000系、A7000系)などの熱伝導の良好な金属を利用する。クラッド材を用いるときには、異種金属、例えば、アルミニウム/銅、銅/セラミックス(アルミナ、ベリリア、窒化アルミニウム、銅タングステン)を用いることができる。ヒートパイプの形状は、断面が円形、楕円形、長方形等のいろいろの形状が可能である。
密閉された空洞部内に封入される作動液としては、容器材質との適合性に応じて、水、代替フロン、フロリーナ、シクロペンタン等を用いることができる。
【0045】
【発明の効果】
この発明によると、計器パネルには、液晶パネル等の熱に比較的弱い計器類が収納され、高温のもとに長時間放置されると、計器類が異常表示、誤動作を起こしたり、表示装置だけでなく、それらの構成部品が故障する等の問題点を克服して、炎天下に長時間放置されても、計器類が異常表示、誤動作を起こさない計器パネルの冷却装置および冷却方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の自動車用計器パネル冷却装置の1つの態様を示す図である。
【図2】図2は、丸型ヒートパイプを計器パネルに取り付ける1つの方法を示す断面図である。
【図3】図3は、この発明の自動車用計器パネル冷却装置の他の1つの態様を示す図である。
【図4】図4は、2本の丸型ヒートパイプを計器パネルに取り付ける1つの方法を示す断面図である。
【図5】図5は、この発明の自動車用計器パネル冷却装置の他の1つの態様を示す図である。
【図6】図6は、多孔管形状ヒートパイプを計器パネルに取り付ける1つの方法を示す断面図である。
【図7】図7は、この発明の自動車用計器パネル冷却装置の他の1つの態様を示す図である。
【図8】図8は、シート形状のヒートパイプを計器パネルに取り付ける1つの方法を示す断面図である。
【符号の説明】
1.計器パネル冷却装置
2.計器パネル
3.丸型ヒートパイプ
4.計器表示面
5.液晶パネル
6.計器類
7.ヒートパイプの吸熱部
11.インスツルメント表皮部
12.インスツルメントパネルコア部
13.ウレタン層
14.溝部
33.丸型ヒートパイプ
43.丸型ヒートパイプ
53.多孔管形状ヒートパイプ
55.貫通孔
63.シート形状ヒートパイプ

Claims (10)

  1. 計器部と本体部とからなる自動車用計器パネルと、前記自動車用計器パネルの前記本体部に少なくともその一部が埋め込まれ、他の一部が自動車ボディまたはシャーシに熱的に接続されたヒートパイプとを備えた、自動車用計器パネル冷却装置。
  2. 前記ヒートパイプが丸型ヒートパイプからなっており、前記丸型ヒートパイプの吸熱部が前記自動車用計器パネルの長手方向に沿って前記自動車用計器パネルの裏面に埋め込まれ、前記丸型ヒートパイプの放熱部が前記自動車ボディまたはシャーシに熱的に接続されている、請求項1に記載の自動車用計器パネル冷却装置。
  3. 前記ヒートパイプが多孔管状ヒートパイプからなっており、前記多孔管状ヒートパイプの吸熱部が前記自動車用計器パネルの長手方向に沿って前記自動車用計器パネルの裏面に張り付けられ、前記多孔管状ヒートパイプの放熱部が前記自動車ボディまたはシャーシに熱的に接続されている、請求項1に記載の自動車用計器パネル冷却装置。
  4. 前記ヒートパイプがシート状ヒートパイプからなっており、前記シート状ヒートパイプの吸熱部が前記自動車用計器パネルの長手方向に沿って前記自動車用計器パネルの裏面に張り付けられ、前記シート状ヒートパイプの放熱部が前記自動車ボディまたはシャーシに熱的に接続されている、請求項1に記載の自動車用計器パネル冷却装置。
  5. 前記ヒートパイプの一端部が特定の計器の裏面に熱的に接続され、前記ヒートパイプの他端部が前記自動車ボディまたはシャーシに熱的に接続されている、請求項1に記載の自動車用計器パネル冷却装置。
  6. 前記自動車用計器パネルがアルミニウム板からなっている、請求項1から5の何れか1項に記載の自動車用計器パネル冷却装置。
  7. 少なくとも1つの計器部を備えた自動車用計器パネルの前記計器部から発生する熱を、ヒートパイプによって自動車ボディまたはシャーシに放熱する、自動車用計器パネルの冷却方法。
  8. 前記計器部または前記計器部近傍に配置されたヒートパイプの吸熱部に熱的に接続して、前記ヒートパイプの内部に封入された作動液を蒸発させ、蒸発した前記作動液をヒートパイプの放熱部に移動し、前記放熱部に熱的に接続された自動車ボディまたはシャーシに放熱する、請求項7に記載の自動車用計器パネルの冷却方法。
  9. 前記少なくとも1つの計器部に対応する個数のヒートパイプを併用して、前記計器部から発生する熱を、自動車ボディまたはシャーシに放熱する、請求項7または8に記載の自動車用計器パネルの冷却方法。
  10. 前記自動車用計器パネルの裏面全面に、ヒートパイプの吸熱部を熱的に接続する、請求項7に記載の自動車用計器パネルの冷却方法。
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