JP2008246828A - 液体収納容器 - Google Patents

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Tatsuo Kusushiro
達雄 楠城
Yasuo Kotaki
小瀧  靖夫
Tetsuya Ohashi
哲也 大橋
Hitoshi Takada
均 高田
Ryoji Inoue
良二 井上
Koichi Kubo
浩一 久保
Hidemiki Ogura
英幹 小倉
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Abstract

【課題】部品点数の増加に伴うコストアップを発生させることなく、インクタンクの物流時の落下による可撓性部材の破れを防止できる液体収納容器を提供すること。
【解決手段】本発明の液体収納容器は、筐体、バネ部材、板部材40、フタ部材20、およびフィルム50を有する。インク注入状態において、板部材40は、フタ部材20に設けられているリブ21に包囲されるように構成されていて、リブ21の板部材40を包囲している面には傾斜が施されている。板部材40は、端部が筐体側に折り返されている。ここで、板部材40の折り返し角度をα、リブ21の傾斜面角度をβ、板部材40の一方が筐体内面に当接し、他方がフタ内面に当接した状態で、板部材40が最も傾いた角度をθとすると、β≧α+θを満足する関係になっている。
【選択図】図7

Description

本発明は、インクジェット記録装置に着脱自在に搭載される、記録用インクやインク定着性を向上させる特殊液体などを収納した液体収納容器に関する。
インクジェット記録装置は、インクを吐出する記録ヘッドと、この記録ヘッドに供給するインクを貯留したインクタンクと、を備える。そして、いわゆるシリアルタイプのインクジェット記録装置では、記録ヘッドを搭載するキャリッジを備え、キャリッジを記録媒体に対し移動させながら、記録ヘッドの吐出口から記録媒体にインクを吐出して記録を行う。また、いわゆるフルラインタイプのインクジェット記録装置では、搬送される記録媒体の幅に対応した範囲に吐出口を配列した記録ヘッドを用い、この記録ヘッドに対して搬送される記録媒体にインクを吐出して記録を行う。
このような記録ヘッドに供給するインクを貯留したインクタンクでは、記録ヘッドに対して所定の負圧でインクを貯留する。この負圧は、記録ヘッドの吐出口近傍に形成されるインクメニスカスの保持力と平衡して吐出口からのインク漏れを防止するための負圧である。また、この負圧は、記録ヘッドのインク吐出動作を可能とする所定範囲内の適切な負圧に設定される。
このような負圧を発生する負圧発生機構として、インクを含浸保持するスポンジなどの多孔質部材をインクタンク内に収納し、その多孔質部材によるインクの保持力によって、適切な負圧を生じさせるものが知られている。また、容積を拡張する方向に張力を発生するゴムなどの弾性材料によって形成した袋状部材を備え、その袋状部材内部にインクを充填し、その袋状部材が発生する張力によってインクに負圧を作用させるものも知られている。
さらに、可撓性のフィルムによって袋状部材を形成し、その内部または外部に、袋状部材の容積を拡張させる方向にフィルムを付勢するためのバネなどを接合することにより、その袋状部材の内部のインクに負圧を作用させるものも知られている。この負圧発生機構を用いた従来例として特許文献1に記載されたものが知られている。
特許文献1に記載のインクタンクの構成は、内部に収納されるインクを導出するための供給口を備えた筐体を備える。そして、筐体に接合されて容器を形成するフィルム、負圧を発生させるバネ、フィルムとバネとの間に配置された板部材を備える。さらには、フタ部材、板部材の移動を規制するためのリブなどを備える。ここで、バネとフィルムなどの可撓性部材とにより構成される容器では、バネの圧力を可撓性部材に伝達させるためにバネと可撓性部材との間に板部材が存在している。このバネと板部材はカシメあるいは溶着などにより位置ズレを生じさせないように固定されている。
可撓性のフィルムとこれが接着される筐体のリブは、同一樹脂材料で形成されていることが望ましく、これらを互いに熱溶着によって接着することにより供給口を除いて密閉構造を形成することができる。また、供給口の開口は、バネによる負圧によって内部に空気を取り込むことがない程度のメニスカス力を発生させる開口により構成されており、例えば、メニスカス力を有するメッシュフィルタなどが固定されている。
以上のようなバネとフィルムによってインク収納室が形成されるインクタンクは、例えば、スポンジなどを用いて負圧を発生するタンクと較べて、容積に対して収納するインクの量を多くでき収納効率の点で優れている。
ところで、インクタンクは、使用時においてバネ伸縮方向に対して垂直方向に立てられてプリンタ本体に装着されることが多い。このため、板部材は重力の影響を受け上記垂直方向に移動しようとする。また、シリアルタイプのプリンタでインクタンクをキャリッジに搭載する構成では、インクタンクは記録動作時のキャリッジの移動方向の反転などによって加速度を受ける。この場合も、板部材は上記移動方向のみならず上記垂直方向にも加速度を受けて移動しようとする。インクタンク内の負圧は、板部材を介してバネの反力により発生させており、この板部材の位置がずれることは、バネ反力が一定にならず内部圧力の不安定要因となる。従って、板部材をある一定の位置から大きく動かないようにすることが望ましく、これにより、安定した負圧を得ることができる。この目的で、板部材の外周を囲むようにリブを設け、これにより、板部材の動き、特にその板部材の面に平行な方向の動きを規制している。なお、このリブは板部材の周囲を取り囲むように設けられていればよく、リブは筐体、フタの何れに設けられていてもよい。
上述したように、リブを設けることにより板部材の位置を安定させることが可能となるが、可撓性部材とバネにより構成されるインクタンクは、インク消費に伴って板部材が筐体方向に移動するため、板部材とリブとの間にはクリアランスが設けられている。そのため、リブの内側の範囲であれば、板部材は移動することが許容されている。可撓性部材は板部材の外形に追従し、且つ包囲するように存在しているため、板部材が移動すると、可撓性部材も追従して移動することになる。
この構成のインクタンクにおいて、例えば、インクタンクが物流時などにバネ伸縮方向に対して垂直方向に落下した際、板部材がリブに激しく衝突する場合があった。その際、板部材とリブとの間に存在している可撓性部材は、10μm〜100μm程度と非常に薄いため、板部材が可撓性部材を挟み込んでリブに衝突することにより、最悪、可撓性部材が破れてしまうことがあった。この可撓性部材の破れが発生すると、可撓性部材と筐体との間に収納されているインクが漏れ出し、多大な被害を及ぼす事態を引き起こしていた。
この可撓性部材の破れの原因として、板部材の端部およびエッジが、落下時にリブと衝突し、破れの起点となっていることが判明した。一般に、板部材は高温環境下でも変形を起こさない金属材料で構成されている。そのため、板部材は、金属の板から打ち抜く(切り出す)ことで製造されるが、その際、端部(図13の121)やエッジ(図13の122)にはバリが伴い、鋭利なものとなっていた。
この状況から、図13(a)および(b)に示すように、板部材120の端部121を折り曲げることで、端部121およびエッジ122とリブ130との直接衝突を回避する対策が知られている。しかし、この対策を施した板部材120を用いてもフィルム110が破れてしまう事態が発生した。
図14を用いて、端部121が折り曲げられた板部材120であっても、落下時にフィルム110が破れるメカニズムについて説明する。図14(a)はバネ伸縮方向に対して垂直方向(図中矢印方向)に落下した状態を説明する図である。落下している状態では、インクタンク100内の板部材120は、落下前の位置、状態を維持したままで落下することになる。図14(b)はインクタンク100が地面に衝突した状態を説明する図である。落下してインクタンク100が地面に衝突すると、インクタンク100に収納されているインク101は慣性力によりさらに重力方向に移動することになる。この際、インク101を収納しているフィルム110は柔らかく変形自在であるため、インク101はインクタンク100の地面衝突側に集まり、変形可能なフィルム110側(図14(b)において、右側)にもインク101が移動する。板部材120も慣性力により地面衝突側に移動するが、上述したインク101のフィルム110側へ移動により、板部材120の地面衝突側が押し広げられ、図14(b)に示すような、傾いた状態で移動することになる。このように板部材120が傾いた状態になってしまうと、板部材120の端部121およびエッジ122はリブ130に衝突する。それにより、板部材120とリブ130との間に存在しているフィルム110は、その落下衝突により破れてしまうことになる。
上記メカニズムによりフィルム110の破れが発生するため、板部材120の端部121を単純に折り返しただけでは対策に成り得ていなかった。
上記対策のほかに、特許文献2に示されているように、板部材の端部およびエッジにポリエチレンなどの樹脂によるカバーを取り付けることで、バリの露出を抑制することも提案されている。しかし、この対策では、1部品、部品点数が増えることなり、またそれに伴い製造工程も増えてしまうため、確実にコストアップとなってしまっていた。
米国特許6250751号明細書 特開平6−226993号公報
上述したように従来の液体収納容器では、インクタンクの落下による可撓性部材の破れを防止しようとすると、部品点数を増やす必要があり、それに伴ってコストアップが発生してしまうという課題があった。
本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、部品点数の増加に伴うコストアップを発生させることなく、インクタンクの落下による可撓性部材の破れを防止できる液体収納容器を提供することにある。
そのために本発明では、内部に収納される液体を導出するための供給口を有する筐体と、負圧を発生させるバネ部材と、前記筐体との結合により液体収納室を形成する可撓性部材と、前記可撓性部材と前記バネ部材との間に位置する板部材と、前記可撓性部材を保護するフタ部材とを具えている液体収納容器であって、前記フタ部材のフタ内面は、前記液体、前記バネ部材、前記可撓性部材、および前記板部材を介して、前記筐体の筐体内面と対向する位置に配置されていると共に、前記フタ内面からは前記筐体側に突出したリブが形成されており、初期液体充填状態において、前記板部材は前記リブに包囲される位置に配置されていて、前記板部材の端部は、前記筐体側に折り返されている構成であり、前記板部材における前記筐体と対向する面と、前記板部材における端部の折り返し面と、により形成される角度をαとし、前記フタにおけるフタ内面と、前記フタにおける前記リブの前記板部材を包囲する面と、により形成される角度をβとし、前記板部材の一方が筐体内面に当接し、他方がフタ内面に当接した状態で、前記板部材におけるフタ内面と対向する面と、前記フタ部材におけるフタ内面と、により形成される角度の最大角度をθとすると、90°<β<180°の場合、β≧α+θとなることを特徴とするものである。
また、前記α+θの規定範囲が0°<α+θ<180°であり、且つ前記αの規定範囲が0°<α<180°であり、前記θの規定範囲が0°<θ<90°であることを特徴とするものである。
また、前記板部材における端部の折り返し面は、曲面形状であることを特徴とするものである。
また、前記リブが前記板部材の端部よりも筐体側まで延在していることを特徴とするものである。
また、前記可撓性部材の形状は、前記板部材よりも大きく成形されていることを特徴とするものである。
また、前記板部材は金属材料であることを特徴とするものである。
以上の構成によれば、液体収納容器が落下などの強い衝撃を受けて板部材が大きな加速度でリブに当接しても、板部材のエッジを含む端部がリブと当接しないため、その間に介在する可撓性部材と板部材端部との激しい衝突を抑制することができる。
その結果、部品点数を増やすことなく、物流落下における可撓性部材の破れを防止できるため、インク漏れのない信頼性を有する液体収納容器を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るインクタンクの外観の概略を示す斜視図である。また、図2は、このインクタンクの分解斜視図である。
本実施形態のインクタンクは、その外観構成が図1に示すようにインクタンクのケース部材を構成する筐体10と、同じくケース部材を構成するフタ部材20と、を有して構成され、内部に液体収納室であるインク収納室を備えている。また、インクタンクは、その底面に記録ヘッド(不図示)にインクを供給するための供給口11を備えている。
図2に示すように、インクタンクは、筐体10、バネ部材30、板部材40、可撓性部材であるフィルム50、フタ部材20、メニスカス形成部材60、および押え板70を備える。筐体10は、その材料を、例えば、ポリプロピレンとすることができる。供給口11は、メニスカス形成部材60を備え、メニスカス形成部材60は、その外周を押え部材70によって押さえることによって取り付けられている。メニスカス形成部材60は、例えば、ポリプロピレンの繊維材料から形成される。メニスカス形成部材60は、毛細管力を有する毛管部材や、この毛管部材とフィルター部材(透過寸法15μm〜30μm程度、材質は、例えば、ステンレス材料やプリプロピレンなど)を組み合わせたものである。そして、メニスカス形成部材60と筐体10内部のインク収納室との間は、インク流路(不図示)によって連通しており、インク収納室に外部から気泡が侵入しないようにインクでメニスカスを形成している。
筐体10は、その開口周縁部にフィルム50を溶着によって結合することにより、インク収納室を形成する(図2では、筐体10の開口部とフィルム50との溶着がなされていない状態が示されている)。フィルム50は、例えば、ポリプロピレンの薄膜を含むフィルム部材(厚み10μm〜100μm程度)によって形成することができる。インク収納室内では、バネ部材30により板部材40を介してフィルム50を外方に付勢することにより、負圧を発生させている。バネ部材30と板部材40は、例えば、ステンレス材料により形成されている。そして、筐体10の開口部にフタ部材20が取り付けられ、外方に向かって凸型となるフィルム50を保護している。フタ部材20には、大気連通部24が設けられ、筐体10の内部でインク収納室の外側を大気圧としている。
図3(a)および(b)は、図1に示すインクタンクのA−A線断面図である。このうち、図3(a)は、インクタンク組み立て直後でインク1が満たされていない状態を示し、図3(b)は、筐体10とフィルム50によって形成されるインク収納室にインク1が満たされたインクタンク使用時の状態を示している。図3(b)に示すように、本実施形態のインクタンクが使用される状態では、板部材40はバネ部材30の力によってフィルム50に当接する。これにより、インク収納室内のインク1の消費に伴い板部材40とフィルム50はその位置を図3の左側方向へバネ部材30の付勢力に逆らって移動し、その際に収納するインク量にかかわらずインク収納室内にほぼ一定の負圧を形成する。
図3(a)に示すよう、フィルム50は、板部材40よりも大きく成形されており、その成形したままの状態では、成形された形状(平面部と凹部)によって板部材40とフィルム50との間で十分な距離Lが確保されている。その後、インク1が充填されインクタンクが使用されるときは、図3(b)に示すように、上記のとおりインク1の消費に伴い、フィルム50は板部材40に当接する部分以外は内側(図中左側方向に)に撓んで凹部51を形成する。
次に、板部材40について図4(a)および(b)を用いて説明する。図4(a)は板部材40の正面図であり、図4(b)は図4(a)のB−B断面図である。板部材40は、金属材料、例えば、ステンレス材料で構成されており、全域0.1mm〜1mm程度の均一な厚みを有している。外形は、略長方形であって、角部に相当する箇所に円弧41が施されている。板部材40の端部全周は、特定の方向(筐体10の方向)に折り返されている。この折り返し部は、板部材40が金属材料であるため、曲面部44を有する曲面形状となっており、端部42と曲面部44との間に直線部45を有している。これは、板部材40は金属の板からの打ち抜き(切り出し)により製造されるが、この打ち抜き時に切断面となる端部42およびエッジ43がフィルム50と干渉しないようにするためである。これは本発明の特徴とするところであるため、詳細については後述する。
次に、フタ部材20について図5(a)および(b)を用いて説明する。図5(a)はフタ部材20の正面図であり、図5(b)は図5(a)のC−C断面図である。フタ部材20は、筐体10の開口部周縁と略同一形状の外形を有している。フタ部材20は、筐体10の開口部を塞ぐように取り付けられることで、インクが保持されるインク収納室が存在する空間を形成している。フタ部材20が筐体10に取り付けられた状態において、フタ部材20のフタ内面23には、突出したリブ21が形成されている。このリブ21は、物流状態(初期インク充填状態)の板部材40を包囲するように設けられており、その範囲は板部材40の外周全域を包囲するように施されている。リブ21の、板部材40側のリブ面22は傾斜しており、筐体10側に開いた面形状を成している。リブ21は、初期インク充填状態において、板部材40の端部42よりも筐体10側まで延在している。すなわち、リブ21の突出量は、初期インク充填状態において、板部材40が存在する位置よりも筐体10側に突出するように設定されている。リブ21が配される目的は、インクタンクの負圧を安定化させることである。例えば、バネ部材30のバネ伸縮方向に対して垂直方向に落下した場合、リブ21がないと、板部材40が規定量以上移動することなる。この状態になると、板部材40が傾き、バネ部材30の付勢力がダイレクトに板部材に40伝達されなくなってしまうため、インクタンク内の負圧が緩和され、供給口11からインクが漏れ出してしまう可能性がある。上記問題に対し、板部材40が規定量以上移動することを制限するため、リブ21を設け、板部材40のストッパーとしている。
次に、本発明の特徴とするところの落下状態における板部材40およびリブ21の関係について、図6(a)および(b)を用いて説明する。図6(a)は物流状態のインクタンクであって、落下前の状態を示す断面図であり、図6(b)は落下し地面にインクタンクが衝突した状態を示す断面図である。図6(a)および(b)は共に、図1に示すA−A箇所に相当する位置での断面図である。
図6(a)は、物流状態のインクタンクであり、インク充填後、全くインク1が消費されていない状態である。この状態において、上述したように、板部材40がフタ部材20に設けられているリブ21の内側に配置するように、インク1のインク量およびリブ21の突出量は設定されている。このインクタンクが落下して、地面にインクタンクが衝突した状態を図6(b)に示す。落下の方向はバネ部材30のバネ伸縮方向に対して垂直方向である(図中矢印)。落下してインクタンクが地面に衝突すると、インクタンクに収納されているインク1は慣性力によりさらに重力方向に移動することになる。この際、インク1を収納しているフィルム50は柔らかく変形自在であるため、インク1はインクタンクの地面衝突側に集まり、変形可能なフィルム50側にもインク1が移動する。板部材40も慣性力により地面衝突側に移動するが、上述したフィルム50側へのインク1の移動により、地面衝突側が開くように傾いた状態で、板部材40は移動することになる。このように、落下時、板部材40は傾いた状態でリブ21に衝突することになる。
ここで、本発明のインクタンクにおける、落下による板部材40とリブ21との衝突状態について、図7を用いてさらに詳細に説明する。図7は、図6(b)における板部材40とリブ21の部分拡大図である。ここで、板部材40における筐体10と対向する面と端部42の折り返し面とにより形成される板部材40の折り返し角度をαとする。また、フタ部材20におけるフタ内面23とリブ21の板部材40を包囲する面とにより形成されるリブ21の傾斜面角度をβとする。さらに、板部材40におけるフタ内面23と対向する面とフタ部材20におけるフタ内面23とにより形成される角度をθとする。すると、本発明のインクタンクのそれぞれの要素は、「β≧α+θ」の関係式を満たす構成になっている。この関係式に則ることで、落下により板部材40が傾いた状態で激しくリブ21に衝突しても、板部材40の端部42およびエッジ43がリブ21に当接しない。つまりインク漏れの起こさない構成とすることができるのである。各角度に関して、それぞれの角度を成している稜線は曲線形状ではないため、角度規定は可能である。
ここで、θについて詳細に説明する。板部材40は落下によりインク収納室内で傾くことになる。θは、その板部材40の傾きにおけるフタ部材20との最大の角度(板部材40の傾きが最大の角度)を示している。図8に図1のA−A断面位置で切断した状態でのインクタンクの斜視図を示す。板部材40の傾きにおけるフタ部材20との最大の角度とは、図8に示すように、板部材40の短手方向において、一方の稜線が筐体10と当接し、平行する他方の稜線がフタ部材20と当接する状態の角度のことである。つまり、板部材40が移動できる範囲は筐体内面12とフタ内面23との間の距離Wである。そのため、板部材40の外形における一番短い長さとなる短手方向SLの両端が筐体内面12およびフタ内面23に当接する状態が、板部材40の傾きが最大の角度になるのである。例えば、板部材40の長さが長手方向の長さで、短手方向の長さSLよりも長いものとする。この場合、板部材40の両端が筐体内面12およびフタ内面23に当接しても、板部材40の傾きにおけるフタ部材20とのなす角度は、短手方向の角度よりも小さくなってしまう。これは、筐体内面12とフタ内面23との間の距離Wは同じ長さであるため、板部材40の長さが長いと板部材40は傾かなくなるためである。よって、θは、板部材40の一番短い長さSLにおいて、最も傾いた状態の角度、つまり最大角度を示している。
α、β、θは、本実施形態における必要構成要件から、その範囲が制限されるため、全ての数値が代入できるわけではない。各要素の規定範囲について図9(a)〜(d)を用いて説明する。図9(a)はαを説明する図であり、図9(b)はβを説明する図であり、図9(c)はθを説明する図であり、図9(d)はα+θを説明する図である。図9中、各要素の規定範囲は点線矢印で示す。
αについては、端部42を筐体10側に折り返しているため、規定範囲としては0°<α≦180°となる。
βについては、リブ21はフタ内面23から突出している必要があるため、0°<β<180°となる。しかし、0°<β<90°の範囲では、リブ21が板部材40側にせり出してくる形状となり、板部材40がリブ21に引っ掛かる可能性があるため、βの規定範囲としては90°≦β<180°としている。
θについては、上述したように、筐体内面12とフタ内面23との間の距離Wと、板部材40の外形における一番短い長さとなる短手方向の長さSLと、の関係は、W>SLであるため、規定範囲は0°<θ<90°である。これは、W<SLとなると、板部材40はθ>90°以上傾くこととなり、バネ部材30が筐体10から外れてしまう可能性があるため、上記規定範囲内に設定している。
α+θについては、180°≦α+θ≦360°となると、フタ内面23と板部材40の端部42およびエッジ43とが当接することになるため、0°<α+θ<180°としている。
上記各要素の規定範囲において、「β≧α+θ」の関係をとることで、フィルム50の破れによるインク漏れを抑制することができる。図10は、板部材40およびリブ21の状態を、βとα+θとの関係で説明する図である。θは板部材40が最も傾いた状態であるため、α+θはリブ21に対して最も板部材40の端部42およびエッジ43が向かい合う状態となる。「β=α+θ」(図10(a))の場合、板部材40における端部42と曲面部44の間の直線部45の面と、リブ面22と、が平行状態となるため、板部材40のエッジ43がリブ面22と直接当接することはない。「β>α+θ」(図10(b))の場合、板部材40のエッジ43から離れる方向に、リブ面22が形成されることになるため、エッジ43がリブ21と当接することはない。しかしながら、「β<α+θ」(図10(c))の場合には、板部材40のエッジ43とリブ面22とは当接してしまう。
以上より、「β≧α+θ」の関係をとることで、落下により勢いよく板部材40が移動し、リブ21に衝突しても、板部材40の端部42およびエッジ43がリブ面22と衝突することがない。その結果、両者の間に介在しているフィルム50も破れることはないため、部品点数など増やすことなく、落下によるインク漏れに対して信頼性を確保することができるのである。本実施形態では、α=90°、β=112°、θ=18°と設定しており、「β≧α+θ」を満たす関係になっている。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係るインクタンクについて、図11(a)、(b)および(c)を用いて説明する。図11(a)は物流状態のインクタンクであって、落下前の状態を示す断面図であり、図11(b)は落下し地面にインクタンクが衝突した状態を示す断面図であり、図11(c)は図11(b)における板部材40とリブ21の部分拡大図である。
上述の第1の実施形態では、板部材40の折り返し角度αが90°であるのに対し、本実施形態では、αが90°以上であり、第1の実施形態よりも板部材40のエッジ43がフタ部材20のリブ21に向いてくる構成である。このような構成であっても、リブ面22の角度βを大きく設定し、「β≧α+θ」とすることで、落下しても板部材40の端部42およびエッジ43がリブ面22に衝突することはない。つまり、端部42およびエッジ43とリブ21との挟み込みによるフィルム50の破れを引き起こすことはない。よって、本実施形態のインクタンクにおいても、インク漏れに対する信頼性を確保することができるのである。
上記関係式を満たすことで、形状自由度を高め、製造コストを抑えることもできる。例えば、板部材40のみで、端部42およびエッジ43とリブ面22との当接を回避しようとした場合、折り返し角度であるαを90°以下の、かなり端部を折り返した状態まで加工しなければならない。実際の板部材40の製造工程は、打ち抜いた金属の板をプレス加工により端部を折り曲げることで製造される。αが90°以下の場合、一回のプレス工程では形状を出すことはできないため、複数回プレス工程を入れることとなり、製造コストが増大してしまう。また、図12(a)および(b)に示すように、板部材40の外形における円弧41は、折り返しによって生じる肉47の逃げ場がない。そのため、折り返し角度が増せば(αが小さくなれば)、肉47が板部材40のフラット部46までせり出してくることになる。また、インク使いきり量に影響を与える、板部材40のフラット部46のソリも発生する恐れがある。板部材40の形状維持のため、更なる製造工程を追加することで対応はできる。しかし、90°<α<180°の場合の、切断後1回のプレス工程により製造される板部材40とは、比較にならないほど製造コストが増大してしまう。上記関係式を用いれば、例え、本実施形態のように、折り返し角度αが90°以上で、折り返しを積極的に行わなくても、β、θの設定により、板部材40の端部42およびエッジ43とリブ面21との衝突を回避できる。そして、これがインクタンク構成部品の形状自由度を非常に高いものとし、大幅に製造コストを抑えることができるのである。
本発明の第1の実施形態に係るインクタンクの外観の概略を示す斜視図である。 図1に示すインクタンクの分解斜視図である。 図1に示すインクタンクのインクが満たされる前後の状態を示す図であり、(a)はインクタンク組み立て直後でインクが満たされていない状態を示す断面図、(b)はインク収納室にインクが満たされたインクタンク使用時の状態を示す断面図である。 図1に示すインクタンクの構成部品である板部材を示す図であり、(a)は正面図、(b)は(a)のB−B断面図である。 図1に示すインクタンクの構成部品であるフタ部材を示す図であり、(a)は正面図、(b)は(a)のC−C断面図である。 図1に示すインクタンクの落下前後の状態を示す図であり、(a)は物流状態であって落下前の状態を示す断面図、(b)は落下し地面に衝突した状態を示す断面図である。 図6(b)における板部材とリブの部分拡大図である。 図1に示すインクタンクのA−A断面を示す斜視図である。 図7に示すα、β、θを説明する図であり、(a)はαを説明する図、(b)はβを説明する図、(c)はθを説明する図、(d)はα+θを説明する図である。 図1に示すインクタンクの構成部品である板部材およびリブの状態を、βとα+θとの関係で説明する示す図であり、(a)はβ=α+θの状態を説明する図、(b)はβ>α+θの状態を説明する図、(c)はβ<α+θの状態を説明する図である。 本発明の第2の実施形態に係るインクタンクを示す図であり、(a)は物流状態であって落下前の状態を示す断面図、(b)は落下し地面に衝突した状態を示す断面図、(c)は(b)における板部材とリブの部分拡大図である。 図11に示すインクタンクの構成部品である板部材を示す図であり、(a)は正面図、(b)は(a)のD−D断面図である。 従来のインクタンクを示す図であり、(a)は断面図、(b)は(a)における板部材とリブの部分拡大図である。 図13に示すインクタンクの落下前後の状態を示す図であり、(a)は落下前の状態を示す断面図、(b)は落下し地面に衝突した状態を示す断面図である。
符号の説明
1 インク
10 筐体
11 供給口
12 筐体内面
20 フタ部材
21 リブ
22 リブ面
23 フタ内面
24 大気連通部
30 バネ部材
40 板部材
41 円弧
42 端部
43 エッジ
44 曲面部
45 直線部
46 フラット部
47 肉
50 フィルム
51 凹部
60 メニスカス形成部材
70 押え板

Claims (6)

  1. 内部に収納される液体を導出するための供給口を有する筐体と、負圧を発生させるバネ部材と、前記筐体との結合により液体収納室を形成する可撓性部材と、前記可撓性部材と前記バネ部材との間に位置する板部材と、前記可撓性部材を保護するフタ部材とを具えている液体収納容器であって、
    前記フタ部材のフタ内面は、前記液体、前記バネ部材、前記可撓性部材、および前記板部材を介して、前記筐体の筐体内面と対向する位置に配置されていると共に、
    前記フタ内面からは前記筐体側に突出したリブが形成されており、初期液体充填状態において、前記板部材は前記リブに包囲される位置に配置されていて、
    前記板部材の端部は、前記筐体側に折り返されている構成であり、
    前記板部材における前記筐体と対向する面と、前記板部材における端部の折り返し面と、により形成される角度をαとし、
    前記フタにおけるフタ内面と、前記フタにおける前記リブの前記板部材を包囲する面と、により形成される角度をβとし、
    前記板部材の一方が筐体内面に当接し、他方がフタ内面に当接した状態で、前記板部材におけるフタ内面と対向する面と、前記フタ部材におけるフタ内面と、により形成される角度の最大角度をθとすると、
    90°<β<180°の場合、β≧α+θとなることを特徴とする液体収納容器。
  2. 前記α+θの規定範囲が0°<α+θ<180°であり、且つ前記αの規定範囲が0°<α<180°であり、前記θの規定範囲が0°<θ<90°であることを特徴とする請求項1に記載の液体収納容器。
  3. 前記板部材における端部の折り返し面は、曲面形状であることを特徴とする請求項1または2に記載の液体収納容器。
  4. 前記リブが前記板部材の端部よりも筐体側まで延在していることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の液体収納容器。
  5. 前記可撓性部材の形状は、前記板部材よりも大きく成形されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の液体収納容器。
  6. 前記板部材は金属材料であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の液体収納容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108177443A (zh) * 2016-12-08 2018-06-19 船井电机株式会社 流体分配装置

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