JP2008244263A - 蓄電デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】正極の単位重量あたりの蓄電量が従来と比べて向上する。
【解決手段】蓄電デバイスでは、電解液は、酸化状態でニトロキシルカチオン構造をとり還元状態でニトロキシルラジカル構造をとるニトロキシル化合物を含む。また、負極16は、金属リチウムであり、正極20は、ニトロキシルカチオン構造のニトロキシル化合物と交換可能なスルホ基を有する炭素材料を含むものである。これによれば、ニトロキシル化合物を含まない電解液を用いた蓄電デバイスや、スルホ基を有さない炭素材料からなる正極を用いた蓄電デバイスに比べて、正極の単位重量あたりの蓄電量を向上させることができた。
【選択図】図2

Description

本発明は、蓄電デバイスに関する。
近年、自動車分野では環境問題を考慮して電気自動車やハイブリッド自動車などが開発され、電子情報機器の分野では場所を選ばずに作業できる利便性を考慮して携帯パソコンや携帯電話、携帯オーディオなどが開発されている。このような製品では、小型ながら長時間の稼働を可能とする蓄電デバイスが求められている。この種の蓄電デバイスとしては、電気二重層キャパシタやハイブリッドキャパシタ、疑似電気二重層キャパシタ、リチウムイオン電池などが知られている。
例えば、電気二重層キャパシタとしては、水系又は非水系の電解液に一対の活性炭電極を配置したものが知られている。こうした電気二重層キャパシタでは、充放電は単なる静電的効果であるため、より高速での充放電が可能であるが、貯蔵可能な電気エネルギが二次電池より一桁程度低い。通常の電気二重層キャパシタでは充放電時に両極の電位が上下対称的に変化するが、負極にあたる側に二次電池の負極を適用すると、正負極の電位差が拡大する等によりエネルギ密度を増大させることができる。この系はハイブリッドキャパシタと呼ばれており、最近注目されている。例えば特許文献1では、正極に多孔性炭素を採用し、負極に金属リチウム又はリチウムイオンを吸蔵・離脱可能な炭素材料を採用したハイブリッドキャパシタが開示されている。このキャパシタによれば、負極に金属リチウム又はリチウムイオンを吸蔵・離脱可能な炭素材料を採用しているため負極電位が低下することから、従来の電気二重層キャパシタに比べて蓄電容量が向上する。
特開平8−107048号公報
しかしながら、特許文献1のキャパシタでは、従来の電気二重層キャパシタに比べて蓄電容量が向上するものの、蓄電原理は基本的には電気二重層形成によるものなので、正極の単位重量あたりの蓄電量の向上は望めなかった。
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、正極の単位重量あたりの蓄電量が従来と比べて向上する新規な蓄電デバイスを提供することを目的とする。
上述した目的を解決するために、本発明者らは、スルホ基を有する炭素多孔体を含む正極を作製し、可逆的な酸化還元性を有するニトロキシル化合物を含む非水系電解液に先ほどの正極とリチウム金属箔の負極とを浸漬した蓄電デバイスを作製し、その性能を評価したところ、その蓄電デバイスが優れた性質を有することを確認し、本発明を完成するに至った。
本発明の蓄電デバイスは、支持塩を含む電解液に一対の電極を浸漬させた蓄電デバイスであって、前記電解液は、可逆的な酸化還元性を有し酸化状態でカチオン構造をとる有機物質を含み、前記一対の電極のうち負極は、金属リチウム又はリチウムイオンを吸蔵・離脱可能な材料を含み、前記一対の電極のうち正極は、カチオン構造の前記有機物質と交換可能な陽イオン交換基を有する炭素材料を含むものである。
本発明の蓄電デバイスによれば、可逆的な酸化還元性を有する有機物質を含まない電解液を用いた蓄電デバイスや、陽イオン交換基を有さない炭素材料からなる正極を用いた蓄電デバイスに比べて、正極の単位重量あたりの蓄電量を向上させることができる。こうした効果が得られるメカニズムは、次のように推察される。すなわち、充電時に電解液に含まれる有機物質が酸化されてカチオン構造をとり、そのカチオン構造の有機物質が正極表面における陽イオン交換基の陽イオンと交換されて正極表面に吸着し、これにより、通常の電気二重層キャパシタやハイブリッドキャパシタに比べて蓄電量が増大したと考えられる。
本発明の蓄電デバイスに用いられる電解液としては、特に限定されるものではないが、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,2−ジエトキシエタン、1,3−ジオキソラン(DOL)、4−メチル−1,3−ジオキソラン(MeDOL)、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン(MeTHF)、ジエチルエーテル、γ−ブチロラクトン(γ−BL)、3−メチルオキサゾリジノン、ギ酸メチル、スルホラン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリルなど従来の二次電池やキャパシタに使われる非水系電解液が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
本発明の蓄電デバイスで用いられる支持塩としては、特に限定されるものではないが、例えば、LiPF6,LiClO4,LiBF4,Li(CF3SO22N,(C254NBF4,(C494NBF4,(C254NPF6、(C494NPF6などの公知の支持塩を用いることができる。また、支持塩としては、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムビス(トリフルオロスルホニル)イミドや1−エチル−3−ブチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートなどのイオン性液体を用いることもできる。支持塩の濃度としては、0.1〜2.0Mであることが好ましく、0.8〜1.2Mであることがより好ましい。
本発明の蓄電デバイスの電解液に含まれる有機物質としては、可逆的な酸化還元性を有し酸化状態でカチオン構造をとるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、酸化状態でニトロキシルカチオン構造をとり還元状態でニトロキシルラジカル構造をとるニトロキシル化合物が挙げられる(下記化1参照)。ニトロキシル化合物としては、例えば、下記化2に示すように、酸化状態で式(1)のニトロキシルカチオン構造をとり還元状態で式(2)のニトロキシルラジカル構造をとる化合物が安定であり取り扱いが容易なため好ましい。式(1),(2)において、R1〜R4に用いられるアルキル基としては、直鎖のアルキル基であっても分岐を有するアルキル基であってもよく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。また、Aを含んで構成される5〜7員環の複素環としては、ピロリジン、3−ピロリン、ピペリジン、1,2,5,6−テトラヒドロピリジン、ホモピペリジンなどが挙げられる。具体的には、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル、2,2,5,5−テトラメチル−3−ピロリン−1−オキシル、3−カルバモイル−2,2,5,5−テトラメチル−3−ピロリン−1−オキシルなどが挙げられる。また、ニトロキシル化合物以外に、ビオロゲン類を用いてもよい。ビオロゲン類としては、例えばメチルビオロゲン(1,1’−ジメチル−4,4’−ジピリジン)やエチルビオロゲンなどが挙げられる。
Figure 2008244263
Figure 2008244263
(R1〜R4はそれぞれ独立にアルキル基を表し、Aは窒素を含む複素環が5〜7員環を形成する置換基を有していてもよい2価の基である)
本発明の蓄電デバイスの負極に含まれるリチウムイオンを吸蔵・離脱可能な材料は、特に限定されるものではないが、例えば以下の方法により製造することができる。すなわち、炭素材料とバインダとをアルコールの存在下で混練し、シート状に成形したあと乾燥し、これを導電性接着剤等を用いて集電体に接合し、リチウム箔と接触させた状態で蓄電デバイスの容器中に封入した後加温し、リチウムを炭素材料に吸蔵させることにより、リチウムイオンを吸蔵・離脱可能な炭素材料とする。ここで用いられる炭素材料としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、黒鉛化メソフェーズカーボン小球体、黒鉛化メソフェーズカーボン繊維、黒鉛ウィスカ、黒鉛化炭素繊維、フルフリルアルコール樹脂の熱分解物、ノボラック樹脂の熱分解物、ピッチやコークス等の縮合多環炭化水素化合物の熱分解物などが挙げられる。
本発明の蓄電デバイスの正極に含まれる陽イオン交換基を有する炭素材料は、特に限定されるものではないが、例えば以下の方法により製造することができる。すなわち、シリカコロイドゾルのシリカ骨格を鋳型とし、これに例えばスクロースなどの炭素原料をしみ込ませたあと加熱することで炭素化を行い、その後シリカ骨格をアルカリ水溶液で溶解させることにより炭素多孔体とし、この炭素多孔体に陽イオン交換基を導入することにより陽イオン交換基を有する炭素材料を得ることができる。陽イオン交換基としては、特に限定されるものではないが、例えばスルホ基やカルボキシ基、フェノール性水酸基などが挙げられる。スルホ基の導入方法としては、例えば炭素多孔体に濃硫酸を加えてスルホン化する方法が挙げられる。カルボキシ基の導入方法としては、例えば空気酸化や過酸化水素による酸化、硝酸による酸化などのほか、一酸化炭素と塩酸とを反応させる方法が挙げられる。フェノール性水酸基の導入方法としては、例えば空気酸化や過酸化水素による酸化、硝酸による酸化などが挙げられる。なお、炭素多孔体を酸化する場合、強い酸化条件ではカルボキシ基が導入されやすく、弱い酸化条件ではフェノール性水酸基が導入されやすいが、カルボキシ基やフェノール性水酸基が混合して導入されることもある。
本発明の蓄電デバイスの正極は、導電助剤やバインダを含んでいてもよい。導電助剤としては、導電性を有する材料であれば特に限定されない。例えば、ケッチェンブラックやアセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック類でもよいし、鱗片状黒鉛のような天然黒鉛や人造黒鉛、膨張黒鉛などのグラファイト類でもよいし、炭素繊維や金属繊維などの導電性繊維類でもよいし、銅や銀、ニッケル、アルミニウムなどの金属粉末類でもよいし、ポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料でもよい。また、これらを単体で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。また、バインダとしては、特に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂などが挙げられる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体などが挙げられる。これらの材料は単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
本発明の蓄電デバイスは、負極と正極との間にセパレータを備えていてもよい。セパレータとしては、蓄電デバイスの使用範囲に耐えうる組成で絶縁性を有するものであれば特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン製不織布やポリフェニレンスルフィド製不織布などの高分子不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂の微多孔フィルムが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複合して用いてもよい。
本発明の蓄電デバイスの形状は、特に限定されないが、例えばコイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型などが挙げられる。また、電気自動車等に用いる大型のものなどに適用してもよい。
[実施例1]
(1)炭素多孔体の合成
平均粒子径が17nmであるシリカコロイドゾル(SI−40、触媒化成工業(株)製)10gに、ショ糖(スクロース)3g、濃硫酸0.3gを溶解させた後、空気中80℃で一晩乾燥した。これを窒素気流下、1000℃にて3時間加熱することで炭素化を行った。炭素化を行ったあと、50gの40w/w%の水酸化ナトリウム水溶液に分散し、80℃で24時間加熱することによりシリカコロイドをケイ酸ナトリウムとすることで、シリカ骨格を溶解した。水洗によりケイ酸分を除去し、80℃で真空乾燥することで炭素多孔体を得た。窒素吸着測定により求めた炭素多孔体のBET比表面積は1200m2/gであった。BJH解析による細孔分布を図1に示す。細孔分布ピークは17〜22nmにみられ、シリカコロイドの粒子径に対応した細孔が存在する炭素多孔体であることがわかる。
(2)炭素多孔体のスルホン化
乾燥状態の上記炭素多孔体1gに対し、濃硫酸10gを加え、空気中、150℃で6時間加熱処理をすることで、炭素表面のスルホン化処理を行った。反応終了後、反応物をイオン交換水中に分散し、未反応の硫酸は、加えた濃硫酸に対して中和当量分の水酸化リチウム水溶液(2mol/L溶液)を加えて硫酸リチウムとすることで除去した。さらにイオン交換水で洗浄を3回繰り返し、細孔内に残留する硫酸リチウムを除去することにより、スルホ基導入炭素多孔体(SO3Li型)を得た。
スルホン化反応後の重量は、リチウムイオン交換後の乾燥重量で1.06gであった。導入されたスルホ基の量を、中和滴定により求めた。すなわち、まず、スルホ基導入炭素多孔体(SO3Li型)のプロトン化を行った。具体的には、乾燥状態のスルホ基導入炭素多孔体(SO3Li型)100mgを、6mol/Lの塩酸水溶液(10mL)中に浸漬した。3時間の撹拌後、上澄みを除去し、再度新しい6mol/Lの塩酸水溶液を10mL加え、再び3時間撹拌した。ろ別により塩酸水溶液を取り除き、細孔内に残存した塩酸を空気中、100℃で乾燥することで塩酸の蒸発除去を行った。これにより、リチウムイオンがプロトンに交換されたスルホ基導入炭素多孔体(SO3H型)を得た。続いて、中和滴定によりスルホ基の量を決定した。具体的には、正確に秤量したスルホ基導入炭素多孔体(SO3H型)に、10wt%の塩化ナトリウム水溶液を10mL加え、12時間撹拌した。撹拌終了後、上澄みを1mL取り、0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液で滴定を行い、重量あたりのスルホ基の量を求めたところ、酸量は0.9mmol/gであった。
(3)炭素電極の調製
乾燥状態のスルホ基導入炭素多孔体(SO3Li型)を87重量部、導電助剤であるケッチェンブラック(ECP600、ライオン(株)製)を8.7重量部及びバインダであるテフロンパウダー(テフロンは登録商標)を4.3重量部含む組成物をメノウ乳鉢で混練し、シート状の炭素電極(重量:1mg、面積:約1cm2)を形成した。
(4)電解液の調製
ECとDECとを3:7の体積比で混合した溶媒に、LiPF6を溶解させた電解液(濃度1mol/L)に、安定化有機ラジカル分子であるTEMPO(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル,東京化成工業(株)製)を溶解した。有機ラジカル分子の濃度は1mol/Lとした。
(5)蓄電デバイスの作成・評価
図2に示す構成の加圧型で半開放型の評価セル10を組み立てた。図2(a)は評価セル10の組立前の断面図、図2(b)は評価セル10の組立後の断面図である。評価セル10を組み立てるにあたり、まず、外周面にねじ溝が刻まれたステンレス製の円筒基体12の上面中央に設けられたキャビティ14に、負極16としての直径18mmのリチウム金属箔と、ポリエチレン製セパレータ18(微多孔性ポリエチレン膜、東燃化学(株)製)と、正極20としての炭素電極(上記(3)で調製したもの)とをこの順に積層した。そして、上記(4)で調製した電解液0.3mLをキャビティ14に充填したあと、ポリエチレン製のリング22の穴に液密に固定されたステンレス製の円柱24を正極20の上に配置し、ステンレス製のコップ状の蓋26を円筒基体12にねじ込んだ。更に、円柱24の上にPTFE製の絶縁用樹脂リング27を配置し、蓋26の上面中央に設けられた開口26aの内周面に刻まれたねじ溝に貫通孔25aを持つ加圧ボルト25をねじ込み、負極16とセパレータ18と正極20とを加圧密着させた。このようにして、評価セル10を組み立てた。なお、蓋26の上面中央に設けられた開口26aの径は円柱24の径よりも大きいことから、蓋26と円柱24とは非接触な状態となっている。また、キャビティ14の周辺にはパッキン28が配置されているため、キャビティ14内に注入された電解液が外部に漏れることはない。この評価セル10では、蓋26と加圧ボルト25と円筒基体12とが負極16と一体化されて全体が負極側となり、円柱24が正極20と一体化されると共に負極16と絶縁されているため正極側となる。
この評価セル10の充放電特性を、北斗電工(株)製HJ1001SM8Aを用いて評価した。すなわち、1mAの電流量にて初期開放電圧から3.8Vまで充電を行い、3.8Vに達した後に1分間の充電休止(0mA)を行い、その後再び1mAにて2.5Vまで放電を行った。このときの端子間電圧の時間変化を図3のグラフに表す。充放電による電位変化は、3.5V未満では、電解質イオン(リチウムカチオン及びヘキサフルオロホスフェートアニオン)の各電極への吸脱着に伴う、電気二重層形成によるものと考えられる。3.5V以上では、電位変化の勾配が緩やかとなるが、これは炭素表面において有機ラジカル分子であるTEMPOが酸化され、オキソアンモニウムカチオンになる過程と考えられる。また、放電時においても、3.5V付近から同様な平坦に近い電位変化がみられるが、これも充電側と同様、オキソアンモニウムカチオンが還元される過程に対応しており、電解液中に溶解したTEMPOが炭素表面において可逆的に酸化還元されていると考えられる。さらに3.3V以下の電圧は、充電時の電気二重層形成と逆の過程でイオンの吸脱着を生じている。放電側の測定から計算された、正極の単位重量あたりの放電容量は300mAh/gであった。
[比較例1]
実施例1において、炭素多孔体のスルホン化を行わなかった以外は、実施例1と同様にして評価セルを作成し、評価した。その結果、放電容量は198mAh/gであった。放電容量が実施例1に比べて少ない理由としては、実施例1では、炭素表面に存在するスルホ基の作用により、炭素表面へのオキソアンモニウムカチオンの吸着性が向上しているのに対し、比較例1においては、そのようなスルホ基の作用が加味されず、炭素表面へのオキソアンモニウムカチオンの吸着性が向上しなかったためと考えられる。
[比較例2]
実施例1において、電解液にTEMPOを溶解しなかった以外は、実施例1と同様にして蓄電デバイスを作成し、評価した。その結果、放電容量は12mAh/gであった。電解液中に、酸化還元を示す有機分子(TEMPO)が存在しないため、電極表面への電気二重層形成による蓄電作用が発現したのみであり、蓄電容量が大幅に低下したものと考えられる。
なお、本発明は上述した実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り、種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
BJH解析による細孔分布のグラフである。 評価セル10の断面図であり、(a)は組立前、(b)は組立後を表す。 評価セル10の端子間電圧の時間変化を表すグラフである。
符号の説明
10 評価セル、12 円筒基体、14 キャビティ、16 負極、18 セパレータ、20 正極、22 リング、24 円柱、25 加圧ボルト、25a 貫通孔、26 蓋、26a 開口、27 絶縁用樹脂リング、28 パッキン。

Claims (4)

  1. 支持塩を含む電解液に一対の電極を浸漬させた蓄電デバイスであって、
    前記電解液は、可逆的な酸化還元性を有し酸化状態でカチオン構造をとる有機物質を含み、
    前記一対の電極のうち負極は、金属リチウム又はリチウムイオンを吸蔵・離脱可能な材料を含み、
    前記一対の電極のうち正極は、カチオン構造の前記有機物質と交換可能な陽イオン交換基を有する炭素材料を含む、
    蓄電デバイス。
  2. 前記有機物質は、酸化状態でニトロキシルカチオン構造をとり還元状態でニトロキシルラジカル構造をとるニトロキシル化合物である、
    請求項1に記載の蓄電デバイス。
  3. 前記ニトロキシル化合物は、酸化状態で下記式(1)で表される構造をとり還元状態で下記式(2)で表される構造をとる、
    請求項2に記載の蓄電デバイス。
    Figure 2008244263
    (R1〜R4はそれぞれ独立にアルキル基を表し、Aは窒素を含む複素環が5〜7員環を形成する置換基を有していてもよい2価の基である)
  4. 前記陽イオン交換基は、スルホ基、カルボキシ基又はフェノール性水酸基である、
    請求項1〜3のいずれかに記載の蓄電デバイス。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012079639A (ja) * 2010-10-06 2012-04-19 Nec Corp 二次電池およびそれに用いる電解液並びに膜
US9647269B2 (en) 2011-03-09 2017-05-09 Nec Corporation Electrode active material and secondary battery
EP3477759A4 (en) * 2016-07-26 2020-03-11 Murata Manufacturing Co., Ltd. ELECTROLYTIC SOLUTION AND ELECTROCHEMICAL DEVICE

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