JP2008243865A - 放熱部品および放熱構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 放熱性を確保した上で、熱変形を防止することができる放熱部品および放熱構造体を提供する。
【解決手段】 熱媒体の流路に位置し、当該熱媒体と熱交換する放熱部品であって、板状の基部1と、基部1に延在する壁状フィン3とを備え、壁状フィンの延在形が、流路方向に直交する方向(x方向)に長さ成分を有し、かつその流路に沿う方向の長さ成分が基部長さの1/2未満であることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 熱媒体の流路に位置し、当該熱媒体と熱交換する放熱部品であって、板状の基部1と、基部1に延在する壁状フィン3とを備え、壁状フィンの延在形が、流路方向に直交する方向(x方向)に長さ成分を有し、かつその流路に沿う方向の長さ成分が基部長さの1/2未満であることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、放熱部品および放熱構造体に関し、より具体的には、反り変形を生じにくい放熱部品およびその放熱部品を用いた放熱構造体に関するものである。
自動車、高速のデータ処理演算装置、通信装置等には多くの半導体デバイスが用いられており、これらの半導体デバイスからは損失電力に起因する多くの熱が発生する。これら装置では、装置の大容量化、小型化、処理の高速化などに伴い、半導体デバイスから発生する熱問題が深刻化している。十分な放熱をしない場合には、半導体デバイスの温度が上昇し、正常な動作を遂行することができなくなるので、半導体デバイスには放熱フィンを設けた放熱板を接続する方策がとられてきた。上記放熱板の配設は、半導体デバイスの温度上昇を抑制する上では有効に機能するが、放熱経路に大きな熱勾配が生じるため、放熱経路に剥離、反りなどの熱変形が発生し、大きな問題となっている。
このため、上記半導体デバイスの放熱経路における熱変形の問題に対して、多くの取り組みがなされてきた。たとえば、放熱経路に、長い細線を一塊に丸めたものを配置して、熱経路を確保しながら熱変形を上記丸めた細線によって吸収する方策が提案された(特許文献1)。また、半導体デバイスを固定する部材を、摺動自在に線状接触する2つの部材に分けることにより、熱応力を逃がして熱変形を防止する方策も提案されている(特許文献2)。
しかしながら、上記の方策は、いずれも放熱体に従来の構造に比べて、付加的機能を果たす構造を余分に付加する必要があり、そのためのスペースを必要とし、大型化は避けられない。また、余分な構造を形成するための製造工程も必要となり、製造工程も複雑化する。放熱板等の放熱部品の大型化および製造工程の複雑化は、小型化および低価格が厳格に要求される自動車搭載部品等では、避ける必要がある。
本発明は、放熱性を確保した上で、付加的な構造を余分に加えることなく、熱変形を防止することができる放熱部品および放熱構造体を提供することを目的とする。
本発明の放熱部品は、熱媒体の流路に位置し、当該熱媒体と熱交換する放熱部品である。この放熱部品は、板状の基部と、基部に延在する壁状フィンとを備え、壁状フィンの延在形が、流路方向に直交する方向に長さ成分を有し、かつ流路方向の長さ成分が、基部の流路方向長さの1/2以下であることを特徴とする。
ここで、壁状フィンの延在形とは、基部に立つ壁状フィンの根元の跡の形状をさす(根元より上の部分の形状は問わない)。実際は幅をもった細長形状であるが、幅を、幅中央を通る中心線で置き換えた線として、線の形状をさす。延在形は直線(線分)である場合が多いが、曲線でも、折れ曲がり線でもよい。また、流路方向(y方向)の長さ成分Pyは、壁状フィンの延在形を流路方向(y方向)に直交する方向(x方向)に沿って見たときの長さであり、すなわち延在形を流路方向(y方向)に射影した長さをいう。また、流路方向に直交する方向(x方向)の長さ成分は、壁状フィンの延在形を流路方向(y方向)に沿って見たときの長さであり、すなわち流路方向に直交する方向(x方向)に射影した長さPxをいう。上記の壁状フィンは、PxおよびPyがともにゼロでない所定の長さを有する場合が多いが、PxのみがゼロでなくPyがゼロであってもよい。すなわちx方向に平行な線分の延在形を有する壁状フィンであってもよい。
フィンは、延在形に沿う方向には、放熱部品の曲げ剛性を大きく高めるが、それに直交する方向に沿ってはほとんど影響しない。というより、延在形に沿う方向の曲げ剛性が大きく向上する結果、諸種の熱変形がそれに直交する方向に誘導され、熱変形が起こり易くなる。通常の放熱部品のフィンは、流路方向の長さ成分のみを有するが、本発明の場合も、壁状フィンにおいて流路方向の長さ成分を有することは前提としている(壁状フィン各個が有するか、役割分担して他の壁状フィンが有するかは問わず)。そのような前提下、上記の構成によれば、流路方向に直交方向にも長さ成分を持つ壁状フィンを備えるので、放熱部品は、流路方向およびその直角方向のいずれの方向にも、曲げ剛性は高められる。この結果、熱変形、とくに反りを抑止することができる。放熱部品の熱変形は、発生したら、その放熱部品が組み込まれた放熱経路は、剥離等が生じて、機能を果たさなくなり、直ちに廃棄して交換しなければならない。上記の放熱部品は簡単な構成で熱変形を効果的に抑止できる。
また、当該壁状フィンの熱媒体の流れ方向の長さ成分Pyを基部長さの1/2未満とするので、離散的に多数の壁状フィンを基部上に配置することができ、熱媒体は、壁状フィンの後部端に回りこんで、乱流状態で発生する渦流の発生密度の増大や、その渦流の固体表面からの離脱等を促進することができ、壁状フィンおよび基部から熱媒体への熱伝達率を高めることができる。
上記の壁状フィンの延在形の流路に沿う方向の長さPyは、基部長さの1/3未満とするのがさらによく、これによって、離散的にさらに多数の壁状フィンを基部上に配置することができ、壁状フィンおよび基部から熱媒体への熱伝達率を高めることができる。上記Pyは、基部長さの1/5未満とするほうが、より細かく分散され、壁状フィンの数が増えることになり、上記熱媒体による壁状フィンの後部端への回りこみ箇所が多くなり、上記熱伝達率を高めることができる。
また、上記の放熱部品は容積を増大させる余計な部分を付加することもない。このため、熱変形を抑制した上で、大型化および製造工程の複雑化を生じることはない。すなわち従来のフィンの変形という簡単な方策により、熱変形を抑え込むことができ、熱耐久性に優れた放熱部品を提供することができる。
また、壁状フィンは2種以上のものからなり、流路方向に向かって、第1の壁状フィンの延在形は基部の一方の端に近づくような形状を、また第2の壁状フィンの延在形はその一方の端から遠ざかるような形状を有するようにできる。この構成によれば、第1および第2の壁状フィンにより、たとえば「ハ」字状配列の壁状フィンを得ることができ、流路の中央部に配置することにより、両端部へ熱媒体を流すことができ、基部全体にわたって放熱性を高めることができる。
上記の壁状フィンは、1つの壁状フィンのうちに、流路方向に向かって、基部の一方の端に近づくような部分と、一方の端から遠ざかるような部分とを有することができる。これにより、流路の中央部に配置することにより、両端部へ熱媒体を流すことができ、基部全体にわたって放熱性を高めることができる。
また、上記の基部の流路方向に沿って見て、壁状フィンに遮られる部分がない流路部であって、基部幅の5%以上の幅の直通流路部を少なくとも1つ備えることができる。これによって、熱媒体の流れ易さを確保して、熱媒体を駆動するポンプやファンの負荷を軽減することができる。
また、上記の直通流路部は、基部幅の中央部10%より外側に位置するようにできる。これにより、熱媒体が中心部だけを通り抜け、流路の幅端部では熱媒体が停留する状態を避け、幅端部にも熱媒体を流すことができる。その結果、壁状フィン全てを有効に使用することができ、放熱性能を確保することができる。
上記のいずれの場合でも、基部の流路方向に沿って見て、壁状フィンに遮られる部分がない流路部の幅の合計が、基部幅の10%〜60%の範囲にある構成にすることができる。これにより、熱媒体の流れ易さを確保して、ポンプやファン等の熱媒体の駆動機器の負荷を減らすことができる。直通流路部の幅の合計が基部幅の10%より小さい場合、熱媒体の流れ易さの向上は不十分であり、一方、直通流路部の幅の合計が基部幅の60%を超えた場合、基部幅方向に沿う曲げ剛性の向上は不十分であり、基部幅方向に沿って変形する反りなどを抑止する作用が不足する。
また、基部の流路方向に沿って見て、基部の幅方向位置のどの位置においても、壁状フィンによって遮られる配置とすることができる。この構成によれば、上記の場合と異なり直通流路部がないフィン配置をとることになる。したがって、熱媒体の流れ易さよりも曲げ剛性の向上を重視する観点からは、曲げ剛性が局所的に低下する線状部(狭幅部)を作らないので、腰折れ状の熱変形に対して、より強力に抑止することが可能となる。
また、上記の壁状フィンを形成する金属と、基部を形成する金属とが、異なるような構成にすることができる。これにより、発熱体からフィンに至る放熱経路を構成する各部分(熱伝導性絶縁基板、ヒートスプレッダ、配線材など)の材料を、熱応力、熱変形が生じないように選択する際に、材料選択の自由度を高めることが可能となる。また、この放熱部品自体に生じる熱応力を減少させ、さらにこの放熱部品の前段階の放熱経路の構成部品に及ぼす熱応力も軽減することができる。
本発明の放熱構造体は、発熱体との間に、熱伝導性絶縁層、ヒートスプレッダおよび配線材の少なくとも1つを介在させて、上記のいずれかの放熱部品の基部が当該介在された物の底部に接続されていることを特徴とする。
上記の構成により、放熱性を確保した上で、熱変形を抑止して、熱耐久性に優れた放熱構造体を提供することができる。そして、その放熱構造体では、とくに付加的な機構を設けないので、小型化の流れに障害とならず、また製造工程の複雑化を生じない。例えばダイキャストで製造できていた部品をやはりダイキャストで製造できる範囲の改良である。
本発明の放熱部品および放熱構造体によれば、放熱性を確保した上で、付加的な構造を余分に加えることなく、熱変形を抑え込んで、熱耐久性を向上させることができる。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における放熱部品を示す斜視図である。この放熱部品10は、曲がりのない直線的な壁状フィン3が、板状の基部1の上に延在している。本実施の形態でのポイントは、熱媒体の流れ方向(y方向)にも、また流れ方向に直交する方向(x方向)にも、直線的な壁状フィン3の延在方向が揃っていない点にある。すなわち、壁状フィン3は、いずれも熱媒体の流れ方向に、直交せず、また平行でもなく、斜めに傾くように配置されている。
図1は、本発明の実施の形態1における放熱部品を示す斜視図である。この放熱部品10は、曲がりのない直線的な壁状フィン3が、板状の基部1の上に延在している。本実施の形態でのポイントは、熱媒体の流れ方向(y方向)にも、また流れ方向に直交する方向(x方向)にも、直線的な壁状フィン3の延在方向が揃っていない点にある。すなわち、壁状フィン3は、いずれも熱媒体の流れ方向に、直交せず、また平行でもなく、斜めに傾くように配置されている。
図2は、図1に示す放熱部品10の平面図であり、壁状フィン3の延在形3fを線で表示している。図2において、壁状フィンの延在形3fは、x方向にもy方向にも平行ではない。このため、図3に示すように、y方向への射影Pyおよびx方向への射影Pxは、ともにゼロではない。すなわち、熱媒体の流れ方向およびそれに直角方向への長さ成分を有する。壁状フィン3がx方向およびy方向への長さ成分を持つことによって、放熱部品10はx方向の曲げ剛性およびy方向の曲げ剛性を高めることができる。
この結果、装置に組み込まれて発熱体からの熱を受けて、熱応力が生じても、熱変形を抑え込むことが可能となる。半導体デバイスの実装構造において、放熱経路の最終段階に位置する上記放熱部品10に熱変形が発生すると、たとえばその前段階のヒートスプレッダと剥離することを意味し、放熱経路はその機能を果たすことができなくなり、使用は不可能となる。したがって、放熱部品の熱変形は、放熱経路の寿命を左右することになり、放熱経路の熱耐久性を向上させる上で、非常に重要な要素となる。図1および図2に示す壁状フィン3の使用により、熱変形が効果的に抑え込まれ、放熱経路の熱耐久性を高めることができる。
図2において、壁状フィンの延在形3fは、流路方向(y方向)に沿って6個配列されている。したがって、壁状フィンの延在形のy方向長さPyが、流路方向の基部1の長さLの1/3または1/5より短いことは明らかである。具体的には、壁状フィンの延在形3fのy方向長さPyは、流路方向の基部長さLの10.5%程度である。このように、壁状フィンを断続的に分散配置することによって、熱媒体は、壁状フィンの後部端に回りこんで、乱流状態で発生する渦流の発生密度の増大や、その渦流の固体表面からの離脱等を促進することができ、壁状フィンおよび基部から熱媒体への熱伝達率を高めることができる。
図2において、壁状フィンに遮られる部分がない流路部である直通流路部13は、幅vで示される流路である。最小の幅vの直通流路部13では、その幅は基部幅Wの6.7%程度である。また、直通流路部の幅vを全て加えた合計は、基部幅Wの46.7%である。図2に示すような直通流路部13を設け、基部幅Wの10〜60%の合計幅を確保することにより、熱媒体の流れ易さの抵抗を減らし、ポンプやファン等の熱媒体駆動装置の負荷を減らすことができる。この結果、エネルギ効率のよい放熱を実現することができる。
図2に示す直通流路部13は、流於中央に対応する基部1の中央部10%(中心線から片側範囲5%:%は、いずれも基部幅Wに対する割合)の範囲内にも位置している。熱媒体が流路中央部を大きな流速で通り抜け、幅端部での熱媒体の循環が不十分となる事態が発生するのを避けることが重視される場合、基部の幅中央部10%に直通流路部13を配置するのは避け、その外側に配置することが望ましい。
次に、図1に示す放熱部品10の製造方法について説明する。基部1と壁状フィン3とは、同じ金属(合金を含む。以下、同じ。)で形成してもよいし、異なる金属で形成してもよい。
(1)同じ金属で形成する場合:金属をアルミニウムとするとき、ダイキャスト等で一体成形で製造することができる。銅で形成する場合、基部1を銅板として、銅製の壁状フィン3をろう材で接続するのがよい。その場合、アルミニウム合金ろう(JIS Z 3263-2002)、銀ろう(JIS Z 3261-1998)等を用いることができる。
(2)基部1と壁状フィン3とを異なる金属で形成する場合:この場合、基部1を銅で、壁状フィン3をアルミニウムで形成すると銅の特長とアルミニウムの軽量の双方を活かすことができる。基部1となる銅板は、プリフォームにより壁状フィン3が立つ範囲に浅い窪みを形成しておく。この窪みにアルミニウム用はんだ(JIS Z 3281-1996)、低融点銀合金はんだ、Al-P-Ni等のアルミニウムよりも融点が低い接続材料を導入する。その窪みに壁状フィンを嵌め込み、熱処理炉中で、上記接続材料の融点以上に加熱し、溶融させた後、冷却して固定する。熱処理炉での加熱処理の代わりに、通電加熱やレーザー加熱等を行ってもよい。上記のアルミニウム製の壁状フィンにはニッケルめっきを施しておくのがよい。さらに低融点の接続材料を導入する際に、マスク状カーボン層を用いるのがよい。
(1)同じ金属で形成する場合:金属をアルミニウムとするとき、ダイキャスト等で一体成形で製造することができる。銅で形成する場合、基部1を銅板として、銅製の壁状フィン3をろう材で接続するのがよい。その場合、アルミニウム合金ろう(JIS Z 3263-2002)、銀ろう(JIS Z 3261-1998)等を用いることができる。
(2)基部1と壁状フィン3とを異なる金属で形成する場合:この場合、基部1を銅で、壁状フィン3をアルミニウムで形成すると銅の特長とアルミニウムの軽量の双方を活かすことができる。基部1となる銅板は、プリフォームにより壁状フィン3が立つ範囲に浅い窪みを形成しておく。この窪みにアルミニウム用はんだ(JIS Z 3281-1996)、低融点銀合金はんだ、Al-P-Ni等のアルミニウムよりも融点が低い接続材料を導入する。その窪みに壁状フィンを嵌め込み、熱処理炉中で、上記接続材料の融点以上に加熱し、溶融させた後、冷却して固定する。熱処理炉での加熱処理の代わりに、通電加熱やレーザー加熱等を行ってもよい。上記のアルミニウム製の壁状フィンにはニッケルめっきを施しておくのがよい。さらに低融点の接続材料を導入する際に、マスク状カーボン層を用いるのがよい。
上述のように、図1の放熱部品10は、基部1と壁状フィン3とが、同じ材料で形成されてもよいし、異なる材料で形成されてもよい。異なる材料で形成した場合には、発熱体からフィンに至る放熱経路を構成する各部分(複合材料層からなる熱伝導性絶縁層、ヒートスプレッダ、配線材など)の材料を、熱応力、熱変形が小さくなるように選択する際に、材料選択の自由度を高めることが可能となる。また、この放熱部品自体に生じる熱応力を減少させ、さらにこの放熱部品の前段階の放熱経路の構成部品に及ぼす熱応力も軽減することができる。
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2における放熱部品を示す図である。本実施の形態では、熱媒体の流路の幅中央部に、上流に向かって凸状に湾曲した壁状フィンを配置した点に特色がある。その凸状に湾曲した壁状フィンの延在形7fが、図4では表示されている。図5に、延在形7fに対応する1例である壁状フィン7、および他の湾曲(非直線)タイプの壁状フィン5を示す。壁状フィンの延在形3f,7fの流路方向の長さ成分Pyが、いずれも基部長さLの1/2未満、また1/3未満そして1/5未満であることは明らかである。
図4は、本発明の実施の形態2における放熱部品を示す図である。本実施の形態では、熱媒体の流路の幅中央部に、上流に向かって凸状に湾曲した壁状フィンを配置した点に特色がある。その凸状に湾曲した壁状フィンの延在形7fが、図4では表示されている。図5に、延在形7fに対応する1例である壁状フィン7、および他の湾曲(非直線)タイプの壁状フィン5を示す。壁状フィンの延在形3f,7fの流路方向の長さ成分Pyが、いずれも基部長さLの1/2未満、また1/3未満そして1/5未満であることは明らかである。
幅中央部に壁状フィン7を配置しているため、熱媒体は幅中央部を大きな流速で通り抜けて壁状フィンと十分な熱交換をしないという事態を避けることができる。壁状フィンに遮られる部分がない流路部である直通流路部13は、幅vで示されており、本実施の形態の場合、直通流路部の幅の基部幅Wに対する割合は、8.3%と16.7%の2種類ある。直通流路部の幅の合計は、基部幅の50%である。このため、熱媒体の流れ易さの抵抗を減らし、ポンプやファン等の熱媒体駆動装置の負荷を減らすことができる。この結果、エネルギ効率のよい放熱を実現することができる。また、壁状フィンの個数を減らすことができる。
図5および図6に、壁状フィンの変形例を示す。図5は曲線状の壁状フィン5,7を、また図6は、幅中央部に配置するのに適したV字形状の壁状フィン9を示す。図5の壁状フィン7および図6の壁状フィン9では、流路方向に沿って一方の端側に近づく部分7a,9aと、その一方の端側から遠ざかる部分7b,9bとを、1つの壁状フィンが有している。
図7および図8は、上記の壁状フィンの延在形7f,9f,5fと、その流路方向(y方向)および流路方向に直交する方向(x方向)への射影長さPx、Pyを示す図である。いずれの壁状フィンの射影長さもどの方向に対してもゼロではない。本実施の形態における壁状フィンは、x方向およびy方向の射影長さがともにゼロでなければ、どのような形状でもよく、湾曲していても、折れ線状であってもよい。上記のような壁状フィンを用いることにより、放熱性を確保しながら、x方向およびy方向の曲げ剛性を高めることができ、熱変形を抑止することができる。放熱部品の熱変形は、発生したら、その放熱部品が組み込まれた放熱経路は機能を果たさなくなり、直ちに廃棄して交換しなければならない。上記の放熱部品は簡単な構成の変形で熱変形を抑止できるので、大変、有効である。
壁状フィンの延在形3f,7fの流路方向の長さ成分Pyが、いずれも基部長さLの1/2未満、また1/3未満そして1/5未満であるので、流れ方向に沿って離散的に多数の壁状フィンを基部上に配置することができ、熱媒体は、壁状フィンの後部端に回りこんで、乱流状態で発生する渦流の発生密度の増大や、その渦流の固体表面からの離脱等を促進することができ、壁状フィンおよび基部から熱媒体への熱伝達率を高めることができる。
(実施の形態3)
図9は、本発明の実施の形態3における放熱構造体50を示す図である。この放熱構造体50には、図2および図4に示した放熱部品10が組み込まれている。図9において、発熱体である半導体デバイス30の底面にはんだ層27を介してアルミニウム板または銅板25が配置されている。そのアルミニウム板または銅板の下には、AlNなどの熱伝導性絶縁板31が配置され、さらにその下にアルミニウム板または銅板25が配置される。さらに、その下にはんだ層29によってヒートスプレッダ33が接続され、そのヒートスプレッダ33の下に放熱部品10が配置される。放熱部品10は、基部1をヒートスプレッダ33に図示しないグリースなどを介して接して、図示しない壁状フィンは、筐体35と基部1とで形成された熱媒体流路内に位置している。ヒートスプレッダ33と、放熱部品10と、筐体35とは、ねじ23によって締結されている。
図9は、本発明の実施の形態3における放熱構造体50を示す図である。この放熱構造体50には、図2および図4に示した放熱部品10が組み込まれている。図9において、発熱体である半導体デバイス30の底面にはんだ層27を介してアルミニウム板または銅板25が配置されている。そのアルミニウム板または銅板の下には、AlNなどの熱伝導性絶縁板31が配置され、さらにその下にアルミニウム板または銅板25が配置される。さらに、その下にはんだ層29によってヒートスプレッダ33が接続され、そのヒートスプレッダ33の下に放熱部品10が配置される。放熱部品10は、基部1をヒートスプレッダ33に図示しないグリースなどを介して接して、図示しない壁状フィンは、筐体35と基部1とで形成された熱媒体流路内に位置している。ヒートスプレッダ33と、放熱部品10と、筐体35とは、ねじ23によって締結されている。
半導体デバイス30は、ハイブリッドカーに用いられる電力用スイッチング素子のパワー半導体では、非常に多量の発熱があり、効率のよい放熱経路の構築は必須となる。上記の放熱構造体50は、半導体デバイスで発生した多量の熱を、放熱部品10によって効率よく熱媒体に放熱して、しかもその放熱部品はそれ自身の熱変形を効果的に抑止できる。図9の放熱構造体(放熱経路)の中で、熱変形が最も生じ易い部品の1つは、放熱部品10であり、この放熱部品の熱変形を抑止できることは、非常に大きな意味を持つ。
また、上記の放熱部品10は、従来の放熱部品に対して、付加的な機構は付加しなくてよいので、体積的に増大することはなく、また製造においても製造工程を複雑化することもない。したがって、自動車、とくに発熱量が大きいハイブリッドカー等に搭載されるパワーモジュールにおいて、小型化等が厳しく要求されるため、有用性を発揮すると考えられる。
上記した実施の形態においては、どの壁状フィンの延在形も流路方向(y方向)およびそれに直交方向(x方向)の長さ成分Px,Pyがともにゼロでないものを例示した。しかし、図示はしないが、たとえばPyがゼロでPxが有限長の延在形(x方向に平行な線分からなる延在形)を有する壁状フィン、いわば流路に直交する壁状フィン(流路直交壁状フィン)であってもよい。熱媒体の流れ易さを大きく阻害しないために、他の壁状フィンのうちに、流路方向に長さ成分を有する壁状フィンが必ず設けられていることを前提としているからである。本発明の放熱部品は、上記流路直交壁状フィンを含むPxがゼロでない壁状フィン、が少なくとも1個あり、その壁状フィンの流路方向長さPyが基部長さLの1/2未満であればよい。
上記において、本発明の実施の形態および実施例について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態および実施例は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
本発明の放電部品および放熱構造体は、放熱性を確保した上で、熱変形を抑え込んで、熱耐久性を向上させることができ、しかも小型化の支障にならず、製造工程の複雑化もない。
1 基部、3,5,7,9 壁状フィン、3f,5f,7f,9f 壁状フィンの延在形、7a,9a,7b,9b 壁状フィンの傾斜部分、10 放熱部品、13 直通流路部、23 ねじ、25 アルミニウム板または銅板、27,29 はんだ、30 半導体デバイス、31 熱伝導性絶縁層(AlN基板)、33 ヒートスプレッダ、50 放熱構造体。
Claims (9)
- 熱媒体の流路に位置し、当該熱媒体と熱交換する放熱部品であって、
板状の基部と、
前記基部に延在する壁状フィンとを備え、
前記壁状フィンの延在形が、前記流路方向に直交する方向に長さ成分を有し、かつ前記流路方向の長さ成分が、前記基部の流路方向長さの1/2未満であることを特徴とする、放熱部品。 - 前記壁状フィンは2種以上のものからなり、前記流路方向に向いて、第1の壁状フィンの延在形は前記基部の一方の端に近づくような形状を、また第2の壁状フィンの延在形は前記一方の端から遠ざかるような形状を有することを特徴とする、請求項1に記載の放熱部品。
- 前記壁状フィンは、1つの前記壁状フィンのうちに、前記流路方向に向いて、前記基部の一方の端に近づくような部分と、前記一方の端から遠ざかるような部分とを有することを特徴とする、請求項1に記載の放熱部品。
- 前記基部の流路方向に沿って見て、前記壁状フィンに遮られる部分がない流路部であって、前記基部幅の5%以上の幅の直通流路部を少なくとも1つ備えることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の放熱部品。
- 前記直通流路部は、前記基部幅の中央部10%より外側に位置することを特徴とする、請求項4に記載の放熱部品。
- 前記基部の流路方向に沿って見て、前記壁状フィンに遮られる部分がない流路部の幅の合計が、基部幅の10%〜60%の範囲にあることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の放熱部品
- 前記基部の流路方向に沿って見て、前記基部の幅方向位置のどの位置においても、前記壁状フィンによって遮られる配置となっていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の放熱部品。
- 前記壁状フィンを形成する金属と、前記基部を形成する金属とが、異なることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の放熱部品。
- 発熱体との間に、熱伝導性絶縁層、ヒートスプレッダおよび配線材の少なくとも1つを介在させて、前記請求項1〜8のいずれかの放熱部品の基部が前記介在された物の底部に接続されていることを特徴とする、放熱構造体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007078011A JP2008243865A (ja) | 2007-03-24 | 2007-03-24 | 放熱部品および放熱構造体 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016157579A (ja) * | 2015-02-24 | 2016-09-01 | ダイキョーニシカワ株式会社 | 発熱体の冷却構造 |
CN109990639A (zh) * | 2017-11-29 | 2019-07-09 | 本田技研工业株式会社 | 冷却装置 |
KR102005753B1 (ko) * | 2019-01-17 | 2019-10-01 | 주식회사 신와코리아 | Led 조명기구용 히트싱크 |
-
2007
- 2007-03-24 JP JP2007078011A patent/JP2008243865A/ja active Pending
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