JP2008242092A - 平版印刷版の製版方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持体上に画像記録層を有する平版印刷版原版を、画像様露光により露光部の画像記録層を硬化させた後、pH2〜10の水溶液にて現像を行う平版印刷版の製版方法であって、前記画像記録層に使用するバインダーポリマーが、酸基を有さず、且つ、ウレタン結合及びエチレンオキサイド構造を有し、現像に用いる前記水溶液が、芳香族環と、スルホン酸塩及びカルボン酸塩から選択される少なくとも1種とを有する界面活性剤を含有することを特徴とする平版印刷版の製版方法。
【選択図】なし
Description
この平版印刷版を作製するため、従来、親水性の支持体上に親油性の感光性樹脂層(感光層、画像記録層)を設けてなる平版印刷版原版(PS版)が広く用いられている。通常は、平版印刷版原版を、リスフィルムなどの原画を通した露光を行った後、画像記録層の画像部となる部分を残存させ、それ以外の不要な画像記録層をアルカリ性現像液または有機溶剤によって溶解除去し、親水性の支持体表面を露出させて非画像部を形成する方法により製版を行って、平版印刷版を得ている。
このように微粒子の単なる熱融着による合体で画像を形成させる方法は、良好な機上現像性を示すものの、画像強度(支持体との密着性)が極めて弱く、耐刷性が不十分であるという問題を有していた。
また、一般的に酸性〜低アルカリ領域の現像では、現像性を確保しにくい他、一旦除去した非画像部領域の感光層成分が安定に現像液中に分散されにくい。このため、現像槽内に該感光層成分が沈殿し、ランニング処理を行う場合に、該沈殿物が現像カスとして処理中の印刷版に付着し、画像欠陥となりやすいという問題点があった。
本発明は、上記従来の技術の欠点を克服し、酸性から中性域で現像可能であり、そして、その際に問題となる現像性、更に現像によって除去した感光層成分(現像カス)の分散安定性の問題を克服した平版印刷版の製版方法を提供することにある。
1.支持体上に画像記録層を有する平版印刷版原版を、画像様露光により露光部の画像記録層を硬化させた後、pH2〜10の水溶液にて現像を行う平版印刷版の製版方法であって、前記画像記録層に使用するバインダーポリマーが、酸基を有さず、且つ、ウレタン結合及びエチレンオキサイド構造を有し、現像に用いる前記水溶液が、芳香族環と、スルホン酸塩及びカルボン酸塩から選択される少なくとも1種とを有する界面活性剤を含有することを特徴とする平版印刷版の製版方法。
2.前記水溶液が、下記式(I)で表される化合物および下記式(II)で表される化合物から選択される少なくとも1種の界面活性剤を含有することを特徴とする上記1に記載の平版印刷版の製版方法。
3.前記式(I)で表される化合物または式(II)で表される化合物において、前記R1〜R5の炭素数の総和が24以下であり、前記R6〜R10中の炭素数の総和が24以下であることを特徴とする上記1または2に記載の平版印刷版の製版方法。
4.前記式(I)で表される化合物または式(II)で表される化合物において、前記R1〜R5またはR6〜R10の少なくとも1つが下記構造A)で表されるものであることを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の平版印刷版の製版方法。
A) −CmH2mOCn-mH2(n-m)+1
(式中、n≧2、n≧m≧0である。)
5.前記水溶液が、下記式(I’)で表される化合物および下記式(II’)で表される化合物から選択される少なくとも1種の界面活性剤を含有することを特徴とする上記1に記載の平版印刷版の製版方法。
6.前記R1〜R5の炭素数の総和が24以下であり、前記R6〜R10の炭素数の総和が24以下であり、前記Y1の炭素数の総和が24以下であり、Y2の炭素数の総和が24以下であることを特徴とする上記5記載の平版印刷版の製版方法。
7.前記Y1及びY2が−CnH2n−であることを特徴とする上記6に記載の平版印刷版の製版方法。
8.前記Y1及びY2が−Cn-mH2(n-m)OCmH2m− であることを特徴とする上記6に記載の平版印刷版の製版方法。
9.前記式(I’)で表される化合物または式(II’)で表される化合物において、前記R1〜R5またはR6〜R10の少なくとも1つが下記構造A)で表されるものであることを特徴とする上記5〜8のいずれかに記載の平版印刷版の製版方法。
A) −CmH2mOCn-mH2(n-m)+1
(式中、n≧2、n≧m≧0である。)
10.前記水溶液中、前記式(I)で表される化合物および/または前記式(II)で表される化合物の総和が1質量%以上であることを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載の平版印刷版の製版方法。
11.記水溶液中、前記式(I’)で表される化合物および/または前記式(II’)で表される化合物の総和が1質量%以上であることを特徴とする上記5〜9のいずれかに記載の平版印刷版の製版方法。
〔現像処理液〕
本発明の現像処理液は、芳香族環と、スルホン酸塩及びカルボン酸塩から選択される少なくとも1種とを有する界面活性剤を含有する。中でも、下記式(I)で表される化合物および下記式(II)で表される化合物の少なくともいずれかを含有する形態が好ましい。
この化合物(界面活性剤)中のR1〜R5の炭素数の総和は、画像記録層(以下感光層ともいう)に用いる材料、とりわけバインダーポリマーの影響をうける。親水性の高いバインダーポリマーの場合、R1〜R5の炭素数の総和は比較的小さくてよいが、用いるバインダーポリマーの親水度の低いものは、R1〜R5の炭素数の総和を大きくする必要がある。
更に、上記化合物中X1は、特に、スルホン酸塩またはカルボン酸塩である。これらの塩において、アルカリ金属塩が特に水系溶媒への溶解性が良好であり、好ましい。中でも、ナトリウム塩、カリウム塩が特に好ましい。
この化合物(界面活性剤)中のR6〜R10の炭素数の総和は、感光層に用いる材料、とりわけバインダーポリマーの影響をうける。親水性の高いバインダーポリマーの場合、R6〜R10の炭素数の総和は比較的小さくてよいが、用いるバインダーポリマーの親水度の低いものは、R6〜R10の炭素数の総和を大きくする必要がある。
更に、上記化合物中X2は、スルホン酸塩またはカルボン酸塩である。これらの塩において、アルカリ金属塩が特に水系溶媒への溶解性が良好であり、好ましい。中でも、ナトリウム塩、カリウム塩が特に好ましい。
また、Y1及びY2は、−CnH2n−または−Cn-mH2(n-m)OCmH2m− であることが、カス分散性、現像性が良好となるという理由から好ましい。
A) −CmH2mOCn-mH2(n-m)+1
(式中、n≧2、n≧m≧0である。)
ここで、−CmH2mOCn-mH2(n-m)+1以外の置換基はH、もしくはアルキル基であり、炭素数の総和が3以上24以下である。構造A)では、O原子が入ることで、水系溶媒に溶解し易くなっており、処理液に好ましく用いられる。
用いられる水溶性高分子化合物としては、大豆多糖類、変性澱粉、アラビアガム、デキストリン、繊維素誘導体(例えばカルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、メチルセルロース等)およびその変性体、プルラン、ポリビニルアルコールおよびその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミドおよびアクリルアミド共重合体、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体などが挙げられる。
防腐剤の添加量は、細菌、カビ、酵母等に対して、安定に効力を発揮する量であって、細菌、カビ、酵母の種類によっても異なるが、使用時の処理液に対して0.01〜4質量%の範囲が好ましく、また種々のカビ、殺菌に対して効力のあるように2種以上の防腐剤を併用することが好ましい。
これらキレート剤は処理液組成中に安定に存在し、印刷性を阻害しないものが選ばれる。添加量としては使用時の処理液に対して0.001〜1.0質量%が好適である。
消泡剤の含有量は、使用時の処理液に対して0.001〜1.0質量%の範囲が好適である。
本発明で用いられる処理液のpHは、2〜10である。現像性や感光層分散性の観点から言えば、pHを高めに設定するほうが有利であるが、印刷性、とりわけ汚れに関しては、pH値を低めに設定するほうが有効である。従って、両者のバランスをとり、好ましいpHは3〜9、より好ましくは4〜8である。
本発明の製版方法に用いられる平版印刷版原版は、支持体上に、印刷インキ、湿し水またはこれらの両方により除去可能であり、露光により硬化するネガ型画像記録層を有する。ネガ型画像記録層は、下記の特定のバインダーポリマーを有するとともに、現像されやすさおよび良好な耐刷性が得られる点から、(1)重合開始剤、(2)重合性化合物を含有する重合性の画像記録層好ましい。以下、画像記録層、支持体など平版印刷版原版の構成要素および成分について説明する。
<重合開始剤>
本発明に用いられる重合開始剤は、光または熱エネルギーによりラジカルまたは酸を発生し、重合性不飽和基を有する化合物の重合を開始、促進する化合物である。このような重合開始剤としては、公知のラジカル発生剤または酸発生剤や結合解離エネルギーの小さな結合を有する化合物などから、適宜、選択して用いることができる。
(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ベンジルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロモメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジンや下記化合物等が挙げられる。
本発明に用いることができる重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。
これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。このようなモノマーおよびその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基などの求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能イソシアネート類あるいはエポキシ類との付加反応物、および単官能もしくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物なども好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基などの親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基や、トシルオキシ基などの脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテルなどに置き換えた化合物群を使用することも可能である。
(ただし、R4およびR5は、HまたはCH3を示す。)
また、ある場合には、特開昭61−22048号公報記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。更に日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、画像部すなわち硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。
また、画像記録層中の他の成分(例えば非水溶性高分子、開始剤、着色剤など)との相溶性、分散性に対しても、付加重合化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、基板や後述の保護層などの密着性を向上せしめる目的で特定の構造を選択することもあり得る。
本発明の画像記録層に用いられるバインダーポリマーは、酸基を有さず、且つ、ウレタン結合及びエチレンオキサイド構造を有する、ポリウレタン樹脂(以下、「特定ポリウレタン樹脂」とも称する)である。ここで本発明において酸基を有さないとは、カルボキシル基、スルホン基、リン酸基などの酸基を実質的に含有しないものであり、バインダーポリマーの酸価(ポリマー1gあたりの酸含率を化学等量数で表したもの)は、実質上ゼロである。
酸価の測定方法としては、通常、0.1NのNaOHを用いた中和滴定が用いられる。
HO−Y0−OH (5)
上記一般式(4)で表されるジイソシアネート化合物としては、例えば、トリイソシアネート化合物と、不飽和基を有する単官能のアルコールまたは単官能のアミン化合物1当量とを付加反応させて得られる生成物がある。
トリイソシアネート化合物としては、例えば下記に示すものが挙げられるが、これに限定されるものではない。
すなわち、2,4−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートの二量体、2,6−トリレンジレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート等のような芳香族ジイソシアネート化合物;
ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等のような脂肪族ジイソシアネート化合物;
イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4(または2,6)ジイソシアネート、1,3−(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等のような脂環族ジイソシアネート化合物;
1,3−ブチレングリコール1モルとトリレンジイソシアネート2モルとの付加体等のようなジオールとジイソシアネートとの反応物であるジイソシアネート化合物;等が挙げられる。
上記一般式(5)で表されるジオール化合物としては、広くは、ポリエーテルジオール化合物、ポリエステルジオール化合物、ポリカーボネートジオール化合物等が挙げられる。
なお、この一般式(G)におけるR1〜R3およびXは、前記一般式(1)におけるR1〜R3およびXと同義であり、好ましい態様もまた同様である。
このようなジオール化合物に由来するポリウレタン樹脂を用いることにより、立体障害の大きい2級アルコールに起因するポリマー主鎖の過剰な分子運動を抑制効果により、層の被膜強度の向上が達成できるものと考えられる。
以下、特定ポリウレタン樹脂の合成に好適に用いられる一般式(G)で表されるジオール化合物の具体例を示す。
そのようなジオール化合物としては、例えば、上述したポリエーテルジオール化合物、ポリエステルジオール化合物、ポリカーボネートジオール化合物を挙げることできる。
すなわち、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ヘキサエチレングリコール、ヘプタエチレングリコール、オクタエチレングリコール、ジ−1,2−プロピレングリコール、トリ−1,2−プロピレングリコール、テトラ−1,2−プロピレングリコール、ヘキサ−1,2−プロピレングリコール、ジ−1,3−プロピレングリコール、トリ−1,3−プロピレングリコール、テトラ−1,3−プロピレングリコール、ジ−1,3−ブチレングリコール、トリ−1,3−ブチレングリコール、ヘキサ−1,3−ブチレングリコール、質量平均分子量1000のポリエチレングリコール、質量平均分子量1500のポリエチレングリコール、質量平均分子量2000のポリエチレングリコール、質量平均分子量3000のポリエチレングリコール、質量平均分子量7500のポリエチレングリコール、質量平均分子量400のポリプロピレングリコール、質量平均分子量700のポリプロピレングリコール、質量平均分子量1000のポリプロピレングリコール、質量平均分子量2000のポリプロピレングリコール、質量平均分子量3000のポリプロピレングリコール、質量平均分子量4000のポリプロピレングリコール等である。
すなわち、三洋化成工業(株)製、(商品名)PTMG650、PTMG1000、PTMG2000、PTMG3000等である。
すなわち、三洋化成工業(株)製、(商品名)ニューポールPE−61、ニューポールPE−62、ニューポールPE−64、ニューポールPE−68、ニューポールPE−71、ニューポールPE−74、ニューポールPE−75、ニューポールPE−78、ニューポールPE−108、ニューポールPE−128、ニューポールPE−61等である。
すなわち、三洋化成工業(株)製、(商品名)ニューポールBPE−20、ニューポールBPE−20F、ニューポールBPE−20NK、ニューポールBPE−20T、ニューポールBPE−20G、ニューポールBPE−40、ニューポールBPE−60、ニューポールBPE−100、ニューポールBPE−180、ニューポールBPE−2P、ニューポールBPE−23P、ニューポールBPE−3P、ニューポールBPE−5P等である。
すなわち、三洋化成工業(株)製、(商品名)ニューポール50HB−100、ニューポール50HB−260、ニューポール50HB−400、ニューポール50HB−660、ニューポール50HB−2000、ニューポール50HB−5100等である。
ポリカーボネートジオール化合物としては、式(14)で表される化合物がある。
HO−L8−CO−O−L7−OH (16)
エチレンオキサイド構造の含有量が少ない場合、現像処理液への分散性が下がり、現像性が悪化する傾向にある。また、エチレンオキサイド構造の含有量が多い場合は、現像処理液への溶解性が過度に向上し、画像記録層が水で脱膜する傾向がある。また画像記録層の上層に水系の塗布液を塗布する場合、面状不良が発生する恐れがある。したがって、エチレンオキサイド構造が特定ポリウレタン樹脂の主鎖に含まれる場合、その含有量は、好ましくは10〜70質量%、より好ましくは、20〜60質量%である。また、エチレンオキサイド構造が特定ポリウレタン樹脂の側鎖に含まれる場合、その含有量は、好ましくは7〜50質量%、より好ましくは、10〜30質量%である。エチレンオキサイド構造の鎖長は、主鎖では分子量100〜2000が好ましい。側鎖では、エチレンオキサイド構造の鎖長が3〜30が好ましく、4〜20がより好ましい。
すなわち、cis−2−ブテン−1,4−ジオール、trans−2−ブテン−1,4−ジオール、ポリブタジエンジオール等である。
バインダーポリマーの含有量は、画像記録層の全固形分に対して、5〜90質量%であり、10〜70質量%であるのが好ましく、10〜60質量%であるのがより好ましい。この範囲内で、良好な画像部の強度と画像形成性が得られる。
赤外線を放射する光源を用いて画像様露光を行う平版印刷版原版の画像記録層には、前記の重合開始剤と組み合わせて赤外線吸収剤を用いることができる。赤外線吸収剤は、吸収した赤外線を熱に変換する機能を有しており、この際発生した熱により、重合開始剤が熱分解し、ラジカルを発生する。本発明において使用される赤外線吸収剤は、波長760〜1200nmに吸収極大を有する染料または顔料である。
また、特に好ましい他の例としてさらに、特開2002−278057号公報に記載の特定インドレニンシアニン色素が挙げることができる。
250〜420nmの光を放射する光源を用いて画像様露光を行う平版印刷版原版の画像記録層には、前記の重合開始剤と組み合わせて増感剤を用いることによりラジカル発生効率を高めることもできる。
本発明においては、上記の画像記録層構成成分および後述のその他の構成成分を画像記録層に含有させる方法として、例えば、特開2001−277740号公報、特開2001−277742号公報に記載のごとく、該構成成分の一部をマイクロカプセルに内包させて画像記録層に添加することができる。その場合、各構成成分はマイクロカプセル内および外に、任意の比率で含有させることが可能である。
本発明の画像記録層には、さらに、必要に応じて種々の添加剤を含有させることができる。以下、それらについて説明する。
本発明の平版印刷版原版における画像記録層には、現像性の向上、マイクロカプセルの分散安定性の向上などのため、親水性ポリマーを含有させることができる。
親水性ポリマーとしては、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシル基、カルボキシレート基、ヒドロキシエチル基、ポリオキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ポリオキシプロピル基、アミノ基、アミノエチル基、アミノプロピル基、アンモニウム基、アミド基、カルボキシメチル基、スルホン酸基、リン酸基等の親水性基を有するものが好適に挙げられる。
親水性ポリマーの画像記録層への含有量は、画像記録層全固形分の20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
本発明において、画像記録層には、現像性の促進および塗布面状を向上させるために、上記本発明の必須成分の界面活性剤以外の、界面活性剤を用いるのが好ましい。界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。
界面活性剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いられる両性界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、カルボキシベタイン類、アミノカルボン酸類、スルホベタイン類、アミノ硫酸エステル類、イミタゾリン類が挙げられる。
界面活性剤の含有量は、画像記録層の全固形分に対して、0.001〜10質量%であるのが好ましく、0.01〜7質量%であるのがより好ましい。
本発明では、可視光域に大きな吸収を持つ染料を画像の着色剤として使用することができる。具体的には、オイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)等、および特開昭62−293247号公報に記載されている染料を挙げることができる。また、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタン等の顔料も好適に用いることができる。
本発明の画像記録層には、焼き出し画像生成のため、酸またはラジカルによって変色する化合物を添加することができる。このような化合物としては、例えばジフェニルメタン系、トリフェニルメタン系、チアジン系、オキサジン系、キサンテン系、アンスラキノン系、イミノキノン系、アゾ系、アゾメチン系等の各種色素が有効に用いられる。
本発明の画像記録層には、画像記録層の製造中または保存中において、ラジカル重合性化合物の不要な熱重合を防止するために、少量の熱重合防止剤を添加するのが好ましい。
熱重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩が好適に挙げられる。
熱重合防止剤の添加量は、画像記録層の全固形分に対して、約0.01〜約5質量%であるのが好ましい。
本発明の画像記録層には、酸素による重合阻害を防止するために、ベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で画像記録層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、画像記録層の全固形分に対して、約0.1〜約10質量%であるのが好ましい。
本発明の画像記録層は可塑剤を含有してもよい。可塑剤としては、例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジオクチルフタレート、オクチルカプリルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジアリルフタレート等のフタル酸エステル類;ジメチルグリコールフタレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、トリエチレングリコールジカプリル酸エステル等のグリコールエステル類;トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;ジイソブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジメチルセバケート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルマレエート等の脂肪族二塩基酸エステル類;ポリグリシジルメタクリレート、クエン酸トリエチル、グリセリントリアセチルエステル、ラウリン酸ブチル等が好適に挙げられる。可塑剤の含有量は、画像記録層の全固形分に対して、約30質量%以下であるのが好ましい。
本発明の画像記録層は、画像部の硬化皮膜強度向上のために、無機微粒子を含有してもよい。無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、アルギン酸カルシウムまたはこれらの混合物が好適に挙げられる。これらは光熱変換性でなくても、皮膜の強化、表面粗面化による界面接着性の強化等に用いることができる。無機微粒子は、平均粒径が5nm〜10μmであるのが好ましく、0.5〜3μmであるのがより好ましい。上記範囲内であると、画像記録層中に安定に分散して、画像記録層の膜強度を十分に保持し、印刷時の汚れを生じにくい親水性に優れる非画像部を形成することができる。
上述したような無機微粒子は、コロイダルシリカ分散物等の市販品として容易に入手することができる。
無機微粒子の含有量は、画像記録層の全固形分に対して、20質量%以下であるのが好ましく、10質量%以下であるのがより好ましい。
本発明の画像記録層は、現像性向上のため、親水性低分子化合物を含有することができる。親水性低分子化合物としては、例えば、水溶性有機化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコール類およびそのエーテルまたはエステル誘導体類、グリセリン、ペンタエリスリトール等のポリヒドロキシ類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンモノエタノールアミン等の有機アミン類およびその塩、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の有機スルホン酸類およびその塩、フェニルホスホン酸等の有機ホスホン酸類およびその塩、酒石酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、グルコン酸、アミノ酸類等の有機カルボン酸類およびその塩等が上げられる。
本発明の画像記録層は、必要な上記各成分を溶剤に分散または溶解して塗布液を調製し、塗布して形成される。ここで使用する溶剤としては、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチルラクトン、トルエン、水等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。これらの溶剤は、単独または混合して使用される。塗布液の固形分濃度は、好ましくは1〜50質量%である。
本発明の画像記録層は、同一または異なる上記各成分を同一または異なる溶剤に分散、または溶かした塗布液を複数調製し、複数回の塗布、乾燥を繰り返して形成することも可能である。
塗布する方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げられる。
本発明の平版印刷版原版に用いられる支持体は、特に限定されず、寸度的に安定な板状な親水性支持体であればよい。例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上述した金属がラミネートされまたは蒸着された紙またはプラスチックフィルム等が挙げられる。好ましい支持体としては、ポリエステルフィルムおよびアルミニウム板が挙げられる。中でも、寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板が好ましい。
機械的粗面化処理の方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等の公知の方法を用いることができる。 電気化学的粗面化処理の方法としては、例えば、塩酸、硝酸等の酸を含有する電解液中で交流または直流により行う方法が挙げられる。また、特開昭54−63902号公報に記載されているような混合酸を用いる方法も挙げられる。
陽極酸化処理の条件は、用いられる電解質により種々変わるので一概に特定することはできないが、一般的には、電解質濃度1〜80質量%溶液、液温5〜70℃、電流密度5〜60A/d m2 、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分であるのが好ましい。形成される陽極酸化皮膜の量は、1.0〜5.0g/m2 であるのが好ましく、1.5〜4.0g/m2 であるのがより好ましい。この範囲内で、良好な耐刷性と平版印刷版の非画像部の良好な耐傷性が得られる。
なかでも、無機フッ素化合物を含有する水溶液による封孔処理、水蒸気による封孔処理および熱水による封孔処理が好ましい。
また、支持体の色濃度としては、反射濃度値として0.15〜0.65であるのが好ましい。この範囲内で、画像露光時のハレーション防止による良好な画像形成性と現像後の良好な検版性が得られる。
本発明の平版印刷版原版においては、支持体上に重合性基を含有する化合物の下塗り層を設けることが好ましい。下塗り層が用いられるときは、画像記録層は下塗り層の上に設けられる。下塗り層は、露光部においては支持体と画像記録層との密着性を強化し、また、未露光部においては、画像記録層の支持体からのはく離を生じやすくさせるため、現像性が向上する。
下塗り層としては、具体的には、特開平10−282679号公報に記載されている付加重合可能なエチレン性二重結合反応基を有しているシランカップリング剤、特開平2−304441号公報記載のエチレン性二重結合反応基を有しているリン化合物などが好適に挙げられる。特に好ましい化合物として、メタクリル基、アリル基などの重合性基とスルホン酸基、リン酸基、リン酸エステルなどの支持体吸着性基を有する化合物が挙げられる。重合性基と支持体吸着性基に加えてエチレンオキシド基などの親水性付与基を有する化合物も好適な化合物として挙げることができる。
下塗り層の塗布量(固形分)は、0.1〜100mg/m2であるのが好ましく、1〜30mg/m2であるのがより好ましい。
本発明の平版印刷版原版においては、画像記録層における傷等の発生防止、酸素遮断、高照度レーザー露光時のアブレーション防止のため、画像記録層の上に水可溶な保護層を設けることができる。
本発明においては、通常、露光を大気中で行うが、保護層は、画像記録層中で露光により生じるラジカル重合反応を阻害する大気中に存在する酸素、塩基性物質等の低分子化合物の画像記録層への混入を防止し、大気中での露光による画像形成反応の阻害を防止する。従って、保護層に望まれる特性は、酸素等の低分子化合物の透過性が低いことであり、更に、露光に用いられる光の透過性が良好で、画像記録層との密着性に優れ、かつ、露光後の簡易現像の水溶液によって容易に除去することができるものであるのが好ましい。このような特性を有する保護層については、以前より種々検討がなされており、例えば、米国特許第3、458、311号明細書および特公昭55−49729号公報に詳細に記載されている。
ポリビニルアルコールの具体例としては、71〜100%加水分解された重合度300〜2400の範囲のものが好適に挙げられる。具体的には、例えば、(株)クラレ製のPVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−117H、PVA−120、PVA−124、PVA−124H、PVA−CS、PVA−CST、PVA−HC、PVA−203、PVA−204、PVA−205、PVA−210、PVA−217、PVA−220、PVA−224、PVA−217EE、PVA−217E、PVA−220E、PVA−224E、PVA−405、PVA−420、PVA−613、L−8が挙げられる。
保護層の塗布方法については、例えば、米国特許第3,458,311号明細書および特公昭55−49729号公報に詳細に記載されている。
支持体に表面処理を施した後または下塗り層を形成させた後、必要に応じて、支持体の裏面にバックコートを設けることができる。
バックコートとしては、例えば、特開平5−45885号公報に記載されている有機高分子化合物、特開平6−35174号公報に記載されている有機金属化合物または無機金属化合物を加水分解および重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好適に挙げられる。中でも、Si(OCH3 )4 、Si(OC2 H5 )4 、Si(OC3 H7 )4 、Si(OC4 H9 )4 等のケイ素のアルコキシ化合物を用いるのが、原料が安価で入手しやすい点で好ましい。
本発明の製版方法においては、平版印刷版原版は、線画像、網点画像等を有する透明原画を通して露光するかデジタルデータによりレーザー走査露光することにより画像様に露光される。露光光源としては、例えば、カーボンアーク、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステンランプ、ハロゲンランプ、紫外光レーザー、可視光レーザー、赤外光レーザーが挙げられる。特にレーザーが好ましく、250〜420nmの範囲の光を放射する半導体レーザー、760〜1200nmの範囲の赤外線を放射する固体レーザーおよび半導体レーザーなどが挙げられる。レーザーを用いる場合は、デジタルデータに従って、画像様に走査露光することが好ましい。また、露光時間を短縮するため、マルチビームレーザーデバイスを用いるのが好ましい。
支持体の作製
厚み0.3mmのアルミニウム板(材質1050)の表面の圧延油を除去するため、10質量%アルミン酸ソーダ水溶液を用いて50℃で30秒間、脱脂処理を施した後、毛径0.3mmの束植ナイロンブラシ3本とメジアン径25μmのパミス−水懸濁液(比重1.1g/cm3)を用いアルミニウム表面を砂目立てして、水でよく洗浄した。この板を45℃の25質量%水酸化ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを行い、水洗後、さらに60℃で20質量%硝酸に20秒間浸漬し、水洗した。この時の砂目立て表面のエッチング量は約3g/m2であった。
・メタノール 9.00g
・水 1.00g
上記の下塗り層を付与した支持体上に、下記組成の感光液(1)をバー塗布した後、70℃、60秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量1.1g/m2の画像記録層を形成してその上に、更に下記組成の保護層塗布液を乾燥時の塗布量が1.0g/m2となるようにバーを用いて塗布した後、100℃90秒の条件にてオーブンで乾燥し、平版印刷版原版を得た。
・バインダーポリマー(B−1〜B−8のいずれか) 0.54g
・重合性化合物 0.40g
PLEX6661−O(Rohm GmbH&KG製、7,7,9−トリメチル−4,13−ジオキソ−3,14−ジオキサ−5,12−ジアザヘキサデカン−1,16−ジイルジメタクリレート)
・重合性化合物
エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート 0.08g
(日本化薬(株)製、SR9035、EO付加モル数15、分子量1000)
・下記増感色素(1) 0.06g
・下記重合開始剤(2) 0.18g
・下記連鎖移動剤(1) 0.07g
・ε−フタロシアニン顔料の分散物 0.40g
(顔料:15質量部、分散剤 バインダーポリマー):10質量部、溶剤 シクロヘキサノン/メトキシプロピルアセテート/1−メトキシ−2−プロパノール=15質量部/20質量部/40質量部)
・熱重合禁止剤 0.01g
N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩
・下記水溶性フッ素系界面活性剤(1) 0.001g
・ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物 0.04g
(旭電化工業(株)製、プルロニックL44)
・テトラエチルアミン塩酸塩 0.01g
・1−メトキシ−2−プロパノール 3.5g
・メチルエチルケトン 8.0g
・水 88g
・ポリビニルアルコールPVA105((株)クラレ製) 10g
・ポリエチレングリコール(分子量2000) 2g
・下記の界面活性剤 1g
下記の表1及び表2に組成を示した処理液1〜15を作製した。表中の単位は[g]である。また、表中の界面活性剤(I−a)、(I−f)、(I−i)、(I−h)は本明細書中に例示した化合物である。
得られた各種平版印刷版原版は、405nm半導体レーザー :出力30mWのを用いて、エネルギー密度5mJ/cm2、解像度2400dpiの条件にて画像様露光を行った。
実験方法 : 上記各種平版印刷版原版を30℃の各種処理液に20秒間浸漬後、PSスポンジにて往復2回表面を擦り、この時の現像性を×〜○の6段階で評価した。
評価基準を以下に示す。現像後のサンプルは、何れもある程度の現像性が確認されているが、その中で、優劣をつけるため、短時間の現像で、手擦りという条件にて評価を行った。この中で、△以上であれば、一般の自動現像機(自現機)現像の条件にて、現像可能である。
また、画像記録層を塗布した版材を20m2/Lとなるように処理液に入れ、画像記録層を処理液中に溶かし込み、疲労液を作成した。この作成した疲労液を6時間経時させ、沈殿(カス)の発生状況を観察した。沈殿発生の程度を×〜○で表す。
現像性
× :現像後にも非画像部が殆ど除去されない状況。
△×:僅かにOD濃度が減少するが、非画像部の残膜濃度が高い。
△ :僅かに残色が視認できるが、許容レベル、印刷しても支障ないレベル。
○△:見た目には残色は判らないが、完全に現像できた版と比較すると残色が認められる。
○ :20版のサンプルを作製した場合、○△レベルの版が2〜3版程度みられる。
◎ :20版のサンプルを作製した場合、すべての版において残色は発生しない。
×:脱膜的に掻き取られた画像記録層が、全く分散しない状況で液中に分離沈降。
△×:画像記録層が分散しきれずに、僅かに分離沈降。
△:現像時には、現像された画像記録層は分散状態を保っているが、半日程度で僅かに沈澱が細かい粉末状態で始まる。沈澱が細かいため、版に付着しても判らない。許容レベル。
○△:現像された画像記録層は分散状態を保っているが、2〜3日程度で僅かに沈澱が発生。
○:現像された画像記録層は分散状態を保っているが、2〜3日では沈澱しないレベル。
上記実施例および比較例において、平版印刷版原版に使用したバインダーポリマーと処理液との組み合わせを下記表4に示すようにし、下記の試験に供した。
実験方法1 : 図1に示す1浴構成の自現機を使用した。現像槽106処理液の液温は25℃の条件で行った。図中の108は搬送ローラであり、入口から出口の通過時間は15秒に設定した。図中の112は回転ブラシであり、搬送方向に対して順転方向に280mm/秒の速度で回転させた。現像槽から排出された平版印刷版原版は自然乾燥により乾燥させた。自現機処理の前処理として、平版印刷版原版にプレヒート処理を実施した。ランニングテストを実施し、画像記録層の処理液への溶解が30m2/Lとなるまで未露光版の処理を行った。ランニングテスト中は、処理液の減量分だけを補充し、版上カス、処理後の現像槽のカス発生状況を評価した。
実験方法2 :自現機として従来より使用していた自現機を用いた例を示す。露光後の平版印刷版原版を富士フイルム(株)製自動現像機LP1250PLXを用いて、現像処理を実施した。前記自動現像機は、加熱ユニット/水洗ユニット/現像ユニット/リンスユニット/フィニッシングユニットの順番に構成されており、加熱ユニットの加熱条件は、100℃、10秒間で行った。本発明の処理液を現像浴に仕込み、水洗槽には水を、フィニッシング槽にはガム液FP-2W(富士フイルム製、原液を1:1にて希釈)を仕込んだ。処理液の温度は、28℃であり、平版印刷版の搬送は、ローラ1〜13によって搬送速度110cm/minで行った。この自現機の概略は、図2に示す通りである。
タンク底汚れの評価は、処理後現像液を1日静置させ、静かにタンクから現像液抜きを行った。タンク底の汚染状況を以下の3段階に分けて評価を行った。評価指標は、以下の通りである。
○:タンク内にカスが無く、水にて簡単に洗浄可能
△: タンク内にカスが残存するが、通版処理した際に版には付着しない。タンク内のカスは、水にて洗浄可能。許容レベル。
×: タンク内にはカスが大量に発生し、洗浄かかる負担が大きい。(場合によっては、タンク内の部品パーツを取り外す必要がある。)更に、版処理した際、時折、版上にカスの付着が見られる。
結果を表4に示す。
108 搬送ローラ、
112 回転ブラシ、
1〜13 ローラ
Claims (11)
- 支持体上に画像記録層を有する平版印刷版原版を、画像様露光により露光部の画像記録層を硬化させた後、pH2〜10の水溶液にて現像を行う平版印刷版の製版方法であって、前記画像記録層に使用するバインダーポリマーが、酸基を有さず、且つ、ウレタン結合及びエチレンオキサイド構造を有し、現像に用いる前記水溶液が、芳香族環と、スルホン酸塩及びカルボン酸塩から選択される少なくとも1種とを有する界面活性剤を含有することを特徴とする平版印刷版の製版方法。
- 前記式(I)で表される化合物または式(II)で表される化合物において、前記R1〜R5の炭素数の総和が24以下であり、前記R6〜R10中の炭素数の総和が24以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の平版印刷版の製版方法。
- 前記式(I)で表される化合物または式(II)で表される化合物において、前記R1〜R5またはR6〜R10の少なくとも1つが下記構造A)で表されるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の平版印刷版の製版方法。
A) −CmH2mOCn-mH2(n-m)+1
(式中、n≧2、n≧m≧0である。) - 前記水溶液が、下記式(I’)で表される化合物および下記式(II’)で表される化合物から選択される少なくとも1種の界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の平版印刷版の製版方法。
(式中、R1〜R10はそれぞれ独立して、水素原子またはアルキル基を表し、lは1〜3の整数を表し、X1及びX2はそれぞれ独立して、スルホン酸塩又はカルボン酸塩を表す。Y1及びY2はそれぞれ独立して、−CnH2n− 、−Cn-mH2(n-m)OCmH2m− 、−O−( CH2CH2O)n− 、−O−( CH2CH2CH2O)n− または−CO−NH−を表し、n≧1、n≧m≧0である。更にR1〜R5の炭素数とY1との総和は3以上である。またR6〜R10とY2との炭素数の総和は3以上である。) - 前記R1〜R5の炭素数の総和が24以下であり、前記R6〜R10の炭素数の総和が24以下であり、前記Y1の炭素数の総和が24以下であり、Y2の炭素数の総和が24以下であることを特徴とする請求項5記載の平版印刷版の製版方法。
- 前記Y1及びY2が−CnH2n−であることを特徴とする請求項6に記載の平版印刷版の製版方法。
- 前記Y1及びY2が−Cn-mH2(n-m)OCmH2m− であることを特徴とする請求項6に記載の平版印刷版の製版方法。
- 前記式(I’)で表される化合物または式(II’)で表される化合物において、前記R1〜R5またはR6〜R10の少なくとも1つが下記構造A)で表されるものであることを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の平版印刷版の製版方法。
A) −CmH2mOCn-mH2(n-m)+1
(式中、n≧2、n≧m≧0である。) - 前記水溶液中、前記式(I)で表される化合物および/または前記式(II)で表される化合物の総和が1質量%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の平版印刷版の製版方法。
- 前記水溶液中、前記式(I’)で表される化合物および/または前記式(II’)で表される化合物の総和が1質量%以上であることを特徴とする請求項5〜9のいずれかに記載の平版印刷版の製版方法。
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