JP2008241407A - 欠陥検出方法及び欠陥検出装置 - Google Patents

欠陥検出方法及び欠陥検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】検査対象の輝度に依存することなく当該検査対象の欠陥を強調することができる欠陥検出方法を提供すること。
【解決手段】本発明に係る欠陥検出方法は、検査対象8を撮像した撮像画像を2次元フーリエ変換して第1のフーリエスペクトルを算出するフーリエ変換ステップと、第1のフーリエスペクトルの直流成分以外の成分に重み付け処理を行って第2のフーリエスペクトルを算出するスペクトル算出ステップと、第2のフーリエスペクトルを2次元逆フーリエ変換し、検査対象8の欠陥を強調した強調画像を作成する逆フーリエ変換ステップと、強調画像を画像処理することにより特徴量を算出する特徴量算出ステップと、算出された特徴量と、予め設定された特徴量の閾値とを比較し、検査対象8が良品か否かを判断する判断ステップとを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えばノート型又はデスクトップ型のパソコン、テレビ、若しくはモニタ等に用いられる液晶ディスプレイ又はCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、又は、印刷物又は各種シート等の画質の定量化によって欠陥検出を行う欠陥検出方法及び欠陥検出装置に関する。
従来から、例えば、ノート型又はデスクトップ型のパソコン、テレビ、若しくはモニタ等に用いられる液晶ディスプレイ又はCRTディスプレイ等の表示装置の表示品質を向上させる方法が研究されている。例えば、表示部分の画質の明るさ、ムラ等の欠陥を数値化する(画質の定量化)ことによって表示装置の欠陥を算出し、表示品質の向上に役立てる方法がある。この画質の欠陥検出の方法には、例えば、対象となる表示装置等の表示部分を、CCDカメラ等を用いて撮像し、撮像した画像の輝度値のばらつきを算出する方法がある。しかしながら、撮像した画像の輝度値のばらつきを計算する方法では、スジ状のムラ等のように特殊な形状を有する画質の欠陥を算出することが困難であった。
そこで、近年、表示装置等の画像を撮像し、その撮像画像に対してフーリエ変換を行う。そして、算出されたフーリエスペクトルを人間の視覚特性に応じた重み付けを行うことによって画質の検査を行う方法が特許文献1に記載されている。
特許文献1に記載の欠陥検出方法について図7を用いて説明する。図7(a)は検査する検査対象物を撮像した画像の模式図である。図7(b)は撮像した画像にシェーディング処理等を行った模式図である。図7(c)は前処理を行った画像をフーリエ変換した図である。図7(d)は図7(c)に示す図に重み付けを行った図である。図7(e)は図7(d)に示す図を逆フーリエ変換した図である。
図7(a)に示すように、CCDカメラ等で検査対象物である表示装置等を撮像する。次に、撮像された画像が一様な明るさの画像になるようにシェーディング処理等の前処理を行い、図7(b)に示す画像データを作成する。そして、前処理を行った画像をフーリエ変換することによって、図7(c)に示す空間周波数値毎の輝度の強度分布を示すフーリエスペクトルを算出する。次に、図7(c)に示すフーリエスペクトルに対して、後述する人間の視覚特性に応じた重み付けを行って、図7(d)に示す強調スペクトルを算出する。その後、図7(e)に示すように、逆フーリエ変換によって欠陥を強調した強調画像を得る。この強調画像の画素毎の標準偏差等に基づく評価値を算出し、当該評価値に基づいて検査対象物の品質の良否を判断する。
ここで、上述の人間の視覚特性に応じて行う重み付けの一例について詳細に説明する。図8に、表示装置であるサンプルAのスペクトルと重み付けのための視覚特性曲線を示すグラフを示す。図8の横軸は、人間の視野角1度あたりの濃淡サイクル数(cpd)に基づいて表される空間周波数、縦軸は視覚感度及びフーリエスペクトルを表す。人間の視覚は、視野角1度あたりの濃淡サイクル数(cpd)で表される空間周波数により、濃淡に対する感度が異なる。この人間の視覚の感度特性を表した曲線が図8に示す視覚特性曲線である。そして、例えば、図8の破線に示すサンプルAのフーリエスペクトルを、視覚特性曲線に対応した重み付けを行うことにより、図8の実線に示す強調スペクトルが算出される。
特開平10−96696号公報
しかしながら、特許文献1に記載の欠陥検査方法は、表示装置等の表示部分の全体の輝度が変化する際に、強調画像が大きく変化する。この場合、欠陥を十分に強調することができない、及び同じ箇所の欠陥の計測値が大きくばらついてしまう等といった問題点がある。例えば、液晶ディスプレイのバックライトの輝度を150とする場合と、160とする場合では、逆フーリエ変換でムラが強調された強調画像が大きく変化する。この結果、その後の画像処理において、欠陥の評価値が大きく変化する。このため、同一ディスプレイの同一箇所の欠陥を評価しているにもかかわらず、欠陥(ムラ)の評価値が異なってしまう。そこで従来は、シェーディング処理等によりディスプレイの全体輝度を揃えるような補正を行っている。しかしながら、液晶ディスプレイの欠陥には、ディスプレイ全体を黒表示にすると見えやすい欠陥、全体を中間調表示にすると見えやすい欠陥、及び全体を最高輝度表示にすると見えやすい欠陥等がある。このような欠陥を有する液晶ディスプレイの欠陥検出方法において、従来のように、シェーディング処理等によりディスプレイの全体輝度を揃えるような補正を行うと、欠陥の判別が困難になるという問題点がある。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、画質の欠陥の定量値を安定させることができる欠陥検出方法及び欠陥検出装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明に係る欠陥検出方法は、検査対象を撮像した撮像画像を2次元フーリエ変換して第1のフーリエスペクトルを算出するフーリエ変換ステップと、前記第1のフーリエスペクトルの直流成分以外の成分に重み付け処理を行って第2のフーリエスペクトルを算出するスペクトル算出ステップと、前記第2のフーリエスペクトルを2次元逆フーリエ変換し、前記検査対象の欠陥を強調した強調画像を作成する逆フーリエ変換ステップと、前記強調画像を画像処理することにより特徴量を算出する特徴量算出ステップと、前記算出された特徴量と、予め設定された前記特徴量の閾値とを比較し、前記検査対象が良品か否かを判断する判断ステップとを有することを特徴とする。
また、上述した課題を解決するために、本発明に係る欠陥検出装置は、検査対象を撮像した撮像画像を2次元フーリエ変換して第1のフーリエスペクトルに変換するフーリエ変換手段と、前記フーリエ変換手段で変換された第1のフーリエスペクトルを、直流成分以外の成分に重み付け処理を行って第2のフーリエスペクトルに変換するスペクトル変換手段と、前記スペクトル変換手段で変換された第2のフーリエスペクトルを2次元逆フーリエ変換し、前記検査対象の欠陥を強調した強調画像を算出する逆フーリエ変換手段と、前記逆フーリエ変換手段で算出された前記強調画像を画像処理することにより特徴量を算出する特徴量算出手段と、前記特徴量算出手段で算出された前記特徴量と、予め設定された前記特徴量の閾値とを比較し、前記比較に基づいて、前記検査対象が良品か否かを判断する判定手段とを有することを特徴とする。
本発明に係る欠陥検出方法によれば、検査対象の輝度に依存することなく当該検査対象の欠陥を強調することができる。
実施の形態1.
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。本実施の形態は、本発明を、画質の定量化によって当該画質の欠陥を検出する欠陥検出方法及び欠陥検出装置に適用したものである。図1に本実施の形態にかかる欠陥検出装置の概略図を示す。図1に示すように、欠陥検出装置は、撮像装置であるCCDカメラ1a、及び画像メモリ1bからなる撮像手段1と、フーリエ変換手段2と、スペクトル変換手段3と、逆フーリエ変換手段4と、特徴量算出手段5と、判定手段6を有する。また、CCDカメラ1aには、撮像する検査対象8とCCDカメラ1aとの相対距離を制御する位置制御手段7が設けられている。
画像メモリ1bは、CCDカメラ1aで撮像した画像を格納する。この画像はフーリエ変換手段2に出力される。フーリエ変換手段2は、画像メモリ1bに格納された画像に対して2次元フーリエ変換を行い、算出したフーリエスペクトルをスペクトル変換手段3に入力する。スペクトル変換手段3は、フーリエ変換手段2から入力されたフーリエスペクトルの直流成分以外の成分に重み付け処理を行って、逆フーリエ変換手段4に出力する。逆フーリエ変換手段4は、スペクトル変換手段3から出力されたスペクトルを逆変換して欠陥を強調した強調画像を作成し、当該強調画像を特徴量算出手段5に入力する。特徴量算出手段5は、逆フーリエ変換手段4から入力される強調画像を後述する画像処理することにより特徴量を算出する。この特徴量を判定手段6に出力する。判定手段6は、特徴量算出手段5から出力される特徴量と、予め設定した設定値とを比較し、検査対象8の良否判断を行う。そして、判断結果を出力する。
検査対象8は、例えば、液晶ディスプレイ又はプラズマディスプレイ等の表示デバイスである。図1に示す欠陥検出装置において、CCDカメラ1a及び画像メモリ1bによって撮像手段1を構成しているが、撮像手段はこれに限らない。例えば、CCDカメラ1aは、CCDカメラ1aと略同等の機能を有するラインセンサカメラ、CMOSカメラ、又はビジコンカメラ等を用いてもよい。
また、図1に示す欠陥検出装置において、照明手段は図示していない。これは、上述の検査対象8の例で示したプラズマディスプレイ等は自身で発光する機能を有するため、欠陥検出装置に照明が不要の場合が多いためである。なお、液晶ディスプレイ等の表示デバイスに発光部品であるバックライト等を組み込む前に、自発光できない液晶パネルの欠陥検出を行う場合、又は自発光できる表示装置の自発光機能の電源をOFFした場合に表示画面の欠陥検出を行う場合は、透過照明装置又は反射照明装置等を配置してもよい。
さらに、図1に示す欠陥検出装置において、位置制御手段7は、CCDカメラ1aに設けられているが、位置制御手段7は、検査対象8に設けてもよい。または、CCDカメラ1a及び検査対象8にそれぞれ設けてもよい。
次に、図2を用いて本実施の形態にかかる欠陥検出装置の動作を説明する。図2に、欠陥検出装置の動作を示すフローチャート図を示す。まず、検査対象8の表示部分に検査パターンを出力する。そして、その検査パターン(画像)をCCDカメラ1aで撮像し、画像メモリ1bに格納する(ステップS201)。本実施の形態では、撮像した画像の全範囲に亘って画質を定量化して欠陥検出を行うこととする。
ここで、本実施の形態では、検査対象8の検査パターンをCCDカメラ1aで撮像し、画像メモリ1bに格納しているが、例えば、予め撮像済みの画像データファイルが格納されたメディア等から画像を読み出し画像メモリ1bに格納してもよい。また、検査対象8を撮像する際、検査対象8から得られる画像のコントラストを向上させるために、検査対象8とCCDカメラ1aの間に、特定の波長域のみを通過させるフィルタを配置してもよい。例えば、CCDカメラ1aがモノクロカメラの場合、検査対象8とCCDカメラ1aの間にRGB(Red-Green-Blue)の3種類のフィルタを配置する。そして、RGBフィルタを用いてモノクロカメラで画像を撮像することにより、モノクロカメラを高分解能カラーカメラとして使用することができる。
次に、画像メモリ1bに格納された画像がフーリエ変換手段2に出力される。そして、フーリエ変換手段2において、2次元離散フーリエ変換されフーリエスペクトルFとしてスペクトル変換手段3に出力される(ステップS202)。
以下に、フーリエ変換手段2で行われるフーリエ変換及び後述する読み替えについて説明する。フーリエ変換には連続関数を対象としたものと、離散的なデジタルデータを対象としたもの(離散フーリエ変換)があるが、本質的な違いはない。工業的にフーリエ変換を用いる場合は、高速に計算することができる離散フーリエ変換(Fast Fourier Transform:FFT)が多用される。このため、以下では離散フーリエ変換を用いて説明する。2次元離散フーリエ変換は、以下の数1で表される。
ここで、uは横方向の周波数、vは縦方向の周波数である。また、
F(u、v):フーリエスペクトル(0≦u<Nx、0≦v<Ny)、
f(x、y):画像座標(x、y)の輝度(0≦x<Nx、0≦y<Ny)である。
そして、Nxは画像の横サイズ、Nyは画像の縦サイズ、jは虚数単位(j=−1)である。
数1におけるフーリエスペクトルF(u、v)は複素数の値をとる。このとき、uはx方向の空間周波数ω、vはy方向の空間周波数ωとみなすことができる。ここで、フーリエスペクトルF(u、v)から周波数空間(ω、ω)のスペクトルF(ω、ω)への読み替えについて図3(a)乃至図3(c)を用いて説明する。
図3(a)は、撮像した画像のx方向(1次元)における輝度を表した図である。横軸は原点からx方向の距離、縦軸は輝度を表す。図3(b)は、図3(a)に示すx方向の濃度変化を1次元周波数空間の離散フーリエスペクトルとして表した図である。横軸はx方向の空間周波数ω、縦軸は周波数空間(ω)のスペクトルF(ω)を表す。図3(c)は、x方向及びy方向の濃度変化を2次元周波数空間の離散フーリエスペクトルとして表した図である。横軸はx方向の空間周波数ω、縦軸はy方向の空間周波数ωを表す。図3(a)及び図3(b)は、分かりやすくするために1次元の場合を表した図を用いる。
まず、CCDカメラ1aで撮像された画像が画像メモリ1bに格納される際、画像メモリ1bには、図3(a)に示すように、x方向(y方向)における濃度変化を表した画像データが格納される。この画像データがフーリエ変換手段2に出力される。そして、フーリエ変換手段2において、図3(a)に示すx方向の濃度変化を離散フーリエ変換することによって、撮像した画像の周波数特性(フーリエスペクトルF(u、v))が算出される。このとき、算出されたフーリエスペクトルF(u、v)を周波数空間(ω、ω)のスペクトルF(ω、ω)に読み替える。離散フーリエ変換では、F(u、v)=F(0、0)は、周波数空間(ω、ω)の原点のスペクトルの値となる。フーリエスペクトルF(u、v)はu=0〜Nx/2、及びv=0〜Ny/2まではu、vの増大に伴って高い空間周波数(ω、ω)のスペクトルを示すが、u=Nx/2、v=Ny/2において、周波数的に折り返し、マイナスの空間周波数のスペクトルを示す。すなわち、
F(u、v):0<u≦Nx/2、0<v≦Ny/2の場合、
周波数空間(ω、ω)=(u/(NxΔx)、v/(NyΔy))のスペクトルを示す。
F(u、v):0<u≦Nx/2、Ny/2≦v<Nyの場合、
周波数空間(ω、ω)=(u/(NxΔx)、v/(NyΔy)−1/Δy)のスペクトルを示す。
F(u、v):Nx/2≦u<Nx、0<v≦Ny/2の場合、
周波数空間(ω、ω)=(u/(NxΔx)−1/Δx、v/(NyΔy))のスペクトルを示す。
F(u、v):Nx/2≦u<Nx、Ny/2≦v<Nyの場合、
周波数空間(ω、ω)=(u/(NxΔx)−1/Δx、v/(NyΔy)−1/Δy)のスペクトルを示す。
ここで、Δxは画像f(x、y)のx座標上でのサンプリング距離(x方向の画素間の距離)、Δyは画像f(x、y)のy座標上でのサンプリング距離(y方向の画素間の距離)を示す。
それぞれの領域の周波数空間におけるスペクトルを図示すると図3(b)及び図3(c)に表される図となる。図3(b)は、x方向の周波数空間(ω)のスペクトルF(ω)である。また、図3(c)は、x方向及びy方向の周波数空間(ω、ω)のスペクトルF(ω、ω)である。
図3(c)に示すように、2次元周波数空間における読み替え後のフーリエスペクトルF(ω、ω)は、定義域(ω、ω)が原点を中心とする−1/(2Δx)≦ω≦1/(2Δx)、−1/(2Δy)≦ω≦1/(2Δy)であって、低周波のスペクトルは原点に近く、高周波のスペクトルは原点から遠いところで表される。また、フーリエスペクトルF(ω、ω)は紙面と垂直にプロットされる(図示せず)。このように、フーリエスペクトルF(u、v)を周波数空間(ω、ω)のスペクトルF(ω、ω)に読み替える。以下では、断りのない限り、フーリエスペクトルFは、周波数空間で表されるF(ω、ω)を示すこととする。
次に、図2のステップS202において、2次元フーリエ変換手段2から出力されたフーリエスペクトルFを、スペクトル変換手段3において、以下に示す変換TによってフーリエスペクトルGに変換する(ステップS203)。以下、スペクトル変換手段3が行う、フーリエスペクトルFからフーリエスペクトルGへの変換(以下、変換Tという。)の方法について説明する。
変換Tは、F(ω、ω)からG(ω、ω)への変換を示す。変換Tは、以下の性質を満たす。
変換関数をt(ω、ω)とする場合において、
(ω、ω)≠(0、0)の場合、G(ω、ω)=t(ω、ω)・F(ω、ω) (ω、ω)=(0、0)の場合、G(ω、ω)=正の実数(一定値)とする。
このとき、変換関数t(ω、ω)は以下の条件1乃至4を満たす。
条件1:tは連続関数で正の実数値をとる。
条件2:t(ω、ω)=t'(r) このとき、r=√(ω・ω+ω・ω
条件3:r→0ならばt'(r)→0(tは原点近傍で0に近づく)
条件4:r→∞ならばt'(r)→0(tは無限遠で0に近づく)
変換Tについて詳細に説明する。変換関数tの定義域は周波数空間(ω、ω)である。この変換関数tは、周波数空間(ω、ω)の原点からの距離rで表すことができる。変換関数t(ω、ω)を原点からの距離rの関数で表したものを変換関数t'(r)とする。この変換関数t'(r)は人間の視覚の空間周波数特性に類似した形状を有するように定める。すなわち、低周波域及び高周波域では感度が低く、中周波域に感度のピークを有するという特徴を有するように定める。このような性質を有する変換Tを行うことにより、フーリエ変換手段2で算出されたフーリエスペクトルFを人間の視覚特性に応じた重み付けを行うことができる。このように、人間の視覚特性に応じた重み付けを行うことにより、後述する強調画像を人間が目視する際に、当該強調画像に現れる欠陥を見やすくすることができる。
ここで、図4(a)に変換関数t'(r)の概形を示す。図4(a)の横軸は原点からの距離r、縦軸は変換関数t'(r)を示す。このとき、r=√(ω +ω )である。また、図4(b)に、周波数空間(ω、ω)を平面とし、当該周波数空間(ω、ω)に垂直な軸tに変換関数t(ω、ω)をプロットした図を示す。図4(b)に示すように、変換関数t(ω、ω)は、t'(r)が軸tを中心軸として360度回転してできた回転体と同じ形状になる。この変換関数t(ω、ω)が回転体と同じ形状となるということは、空間周波数(ω、ω)の方向に依存しない変換であるということである。以下、その理由について説明する。
空間周波数の方向に依存しないということは、(ω、ω)を任意に選択する場合、中心からの距離r=√(ω +ω )を満たす全ての点、すなわち、原点を中心とした半径r上の円周上の点は、どこでも重み付け係数が同じであることを意味する。これは、スペクトルを原点周りに回転させる場合においても、重み付けは変わらないことを意味する。これにより、検査対象8が面内方向で回転する場合においても、強調画像が変化しない。例えば、横向きで検査している検査対象8である液晶ディスプレイを、縦置きにする場合、周波数方向に依存しない変換関数を用いて強調画像を作成すると、強調画像も横置きから縦置きになるのみである。すなわち、強調画像自体に変化はない。しかしながら、周波数方向に依存して重み付けが変わる変換関数を用いる場合、横置きで作成した強調画像と、縦置きで作成した強調画像では全く異なった画像が形成されることとなる。この場合、検査対象8の欠陥を一定して評価することが困難となり、同じ欠陥に対する評価値が異なってしまう。このため、t'(r)が軸tを中心軸として360度回転してできた回転体と同じ形状になる変換関数t(ω、ω)を用いて、空間周波数(ω、ω)の方向に依存しない変換を行う。
図2のステップS203に戻る。すなわち、スペクトル変換手段3において、上述の変換Tを行う。スペクトル変換手段3で行われる変換Tは、(ω、ω)≠0の場合、F(ω、ω)をt(ω、ω)倍することによって、人間の視覚特性に応じた周波数強調を行う。一方、(ω、ω)=0の場合、変換関数tを用いず、予め指定した正の実数値R(一定値)を用いる。すなわち、(ω、ω)=0の場合、G(0、0)=Rとする。これは、原画像の直流成分は、強調処理の計算に用いないことを意味する。(ω、ω)=0の場合に、変換関数tを用いずに正の実数値Rを用いることにより、フーリエスペクトルFに変換Tが行われたフーリエスペクトルGは、後述する2次元逆フーリエ変換によって算出される画像の輝度平均値を一定に保つことができる。これは、数1に示すフーリエ変換における公式である数2が成立するためである。
数2は、G(0、0)=Rとすることにより、フーリエスペクトルGを2次元逆フーリエ変換によって変換した画像g(x、y)の輝度の総和がRとなることを意味する。このとき、画像g(x、y)の平均輝度はR/(NxNy)である。
ここで、具体的なRの値について説明する。Rの値は、画像g(x、y)の平均輝度が中間調となるようにすれば人間にとって見やすい強調画像とすることができる。例えば、画像がモノクロ画像であって輝度が8bitで表される場合、1画素の最大輝度は255となる。そして、画像g(x、y)の平均輝度を、例えば、180の中間調にするためには、R=180×Nx×Nyとすればよい。本実施の形態では、フーリエスペクトルFをフーリエスペクトルGに変換する際、原画像の直流成分は強調処理に使用せず、それ以外の周波数成分である基本周波成分等を強調処理に使用する。ここで、強調画像における欠陥は、より明るく強調される場合とより暗く強調される場合がある。すなわち、画像g(x、y)の平均輝度(=R/(NxNy))を中心にして輝度が上下に振れて強調される。そのため、上述の1画素の最大輝度を255とする場合、中間調は、最大輝度(255)と最小輝度(0)の中間値である128とすることにより、強調した欠陥の振れ幅を最大にとれるため、欠陥強調のダイナミックレンジを向上させることができる。上述の中間調の例において、180とした理由は、人が画像の暗い部分の違いを判別することは困難であるため、多少輝度を高めたほうが見やすくなるためである。
従来、検査対象8の画像のフーリエスペクトルに対して、単純に人間の視覚の空間周波数特性に対応した重み付けが行われている。このとき、画像の全体の輝度が変化した場合に、強調画像の輝度が大きく変化する場合があった。すなわち、輝度に応じて、最終的な欠陥の評価値が同じ欠陥にもかかわらず異なってしまっていた。これにより、一定して画像の欠陥を強調できない場合があった。特に、検査対象8の全体的な輝度変化は原画像の直流成分に大きな影響を与える。このため、検査対象8の画像のフーリエスペクトルに対して、単純に人間の視覚の空間周波数特性に対応した重み付けを行う従来の方法では、原画像の直流成分も含めて強調している。このため、直流成分の変動が欠陥の強調の妨げになる場合が多かった。例えば、フーリエ変換を適用する領域の範囲を変えるだけで、領域内の輝度が変化する。この場合、強調画像の輝度が変化する。特許文献1では、このような領域内の輝度変化に対して、検査対象の画像をフーリエ変換する前に、シェーディング補正等の前処理を行っているが、この前処理のみでは十分に画像の欠陥を強調することができないという問題点があった。
一方、本実施の形態においては、原画像の直流成分を強調処理の計算に用いない。このため、画像メモリ1bに入力された画像全体に輝度の変化があった場合においても、その輝度変化が強調画像に与える影響は少ない。これにより、安定して強調画像を得ることができる。特に、液晶ディスプレイの場合、検査対象8が液晶ディスプレイの全黒画面、中間調画面、又は最大輝度画面であるため、検査対象8の画像の輝度変化が大きい。本発明により、液晶ディスプレイ等のように、画像の輝度変化が大きい場合においても、強調画像の平均輝度を一定にすることができるため、検査対象8の欠陥を安定して強調することができる。すなわち、欠陥の評価値が同じ欠陥に対してばらつくことを防止することができる。
次に、図2のステップS203に戻る。図2に示すステップS203において、スペクトル変換手段3でフーリエスペクトルFがフーリエスペクトルGに変換される。そして、スペクトル変換手段3から逆フーリエ変換手段4にフーリエスペクトルGが出力され、逆フーリエ変換手段4によって2次元逆フーリエ変換が行われ、画像化される(ステップS204)。2次元逆フーリエ変換は以下の数3で表される。
数3に示すように、逆フーリエ変換手段4において、フーリエスペクトルGを逆変換し、欠陥を強調した強調画像g(x、y)を特徴量算出手段5に出力する。
次に、特徴量算出手段5は、逆フーリエ変換手段4から出力された強調画像を受け取り、当該強調画像を画像処理することにより特徴量を算出する(ステップS205)。この特徴量に基づいて、強調画像の欠陥部分を特定する。画像処理としては、例えば強調画像の各画素の輝度値等に基づいて特徴量を算出することができる。又は複数の画素の輝度値に基づいて1つの特徴量を算出してもよい。そして、特徴量は、例えば、強調画像で現れた欠陥部分を2値化した場合の面積、その重心座標、又は強調画像で現れた欠陥部分に関する平均輝度等である。その他、欠陥部分とその周辺部分の平均輝度差を計算してもよい。また、スジムラのように、一定方向のスジが欠陥とされる場合、スジの生じる方向について、画像処理の投影処理計算(指定方向の輝度を積算する処理)を行い、その計算値を投影処理に用いた画素数で平均した値のばらつきをもって特徴量としてもよい。この場合、バラつきが大きいとスジムラの程度が大きいことになる。また、強調画像に対してSEMI−Standardで規格化されたムラの計測規格であるSEMU等を適用してもよい。欠陥を強調する前の原画像において、輝度の変化が少ないために計測が困難であったSEMU値も強調後の画像を用いることにより、計測を容易に行うことができる。
そして、ステップS205の後、検査対象8が良品又は不良品かを分別する(ステップS206)。すなわち、ステップS205において得られた特徴量と、予め設定したしきい値と比較する。ここで、比較に用いる特徴量は、1つであってもよいし、複数であってもよい。この比較結果に基づいて、検査対象8が良品(ステップS207)又は不良品(ステップS208)かが判断される。そして、検査を終了する。
本実施の形態によれば、まず検査対象8を撮像する。そして、撮像された画像の欠陥検出を行う。すなわち、撮像された画像に対して、フーリエ変換、変換T、2次元フーリエ逆変換、そして、得られた強調画像に対して画像処理を行い、検査対象8の良品又は不良品を判断する。本実施の形態において、フーリエ変換後の変換Tにおいて、(ω、ω)≠0の場合、F(ω、ω)をt(ω、ω)倍する。これにより、人間の視覚特性に応じた周波数強調を行う。一方、(ω、ω)=0の場合、変換関数tを用いず、予め指定した正の実数値R(一定値)を用いる。すなわち、(ω、ω)=0の場合、G(0、0)=Rとする。以上に示すように、強調画像の作成において、(ω、ω)≠0の場合と、(ω、ω)=0の場合の場合分けを行い(ω、ω)=0の場合に、変換関数tを用いずG(0、0)=Rとすることにより、原画像の直流成分は強調処理の計算に用いない。このため、直流成分の変動が欠陥の強調の妨げになることを防止できる。これにより、検査対象8の輝度に依存することなく、検査対象8の欠陥を強調することができるため、欠陥の評価値が同じ欠陥に対してばらつくことを防止し、画質欠陥の定量値を安定させることができる。
実施の形態2.
次に実施の形態2について説明する。実施の形態1は、検査対象8の画像の全範囲の画質の定量化を行って欠陥検出を行う場合である。まず、撮像した画像がフーリエ変換手段2に入力され、当該フーリエ変換手段2で2次元フーリエ変換されたフーリエスペクトルFとして出力される。ここで、フーリエ変換は計算対象となるデータが連続であることが前提となっている。しかしながら、実施の形態1で撮像した画像は、当該画像の端部において画像の輝度データが不連続となる。これにより、後述するGibbs現象(リンギング)が発生する場合がある。このため、実施の形態2は、撮像した検査対象8の画像のうち一部を、欠陥検査を行う対象領域とする。本実施の形態にかかる欠陥検出装置において、実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。また、実施の形態1と同一のステップについては詳細な説明を省略する。
実施の形態2では、実施の形態1と同一の構成要素を有するが、フーリエ変換手段2及び逆フーリエ変換手段4における動作が実施の形態1と異なる。以下、実施の形態2にかかる欠陥検出方法について、図5及び図6(a)乃至(c)を用いて説明する。図5に実施の形態2の欠陥検出における動作を示すフローチャート図を示す。また、図6(a)は、撮像した検査対象8の画像と、当該画像の一部であって検査対象となる対象領域を示した図である。図6(b)は、後述する伸展画像の補外方法を示す図である。図6(c)は、作成された伸展画像の強調画像の切り出した図を示す。
まず、検査対象8の表示部分に検査パターンを表示させ、その検査パターン(画像)をCCDカメラ1aで撮像し、画像メモリ1bに格納する(ステップS201)。次に、画像メモリ1bに格納された画像を、フーリエ変換手段2に入力する。このとき、フーリエ変換手段2において、入力された画像のうち一部を、欠陥検査を行う対象領域とする(図6(a)参照)。この対象領域の画像に基づいて伸展画像を作成する(ステップS501)。伸展画像は、対象領域の輝度データはそのままとし、対象領域外の輝度データは当該対象領域の輝度データに基づいて算出された画像である。これにより、対象領域の輝度は、対象領域と対象領域外の境界も含めて、元の画像(撮像した画像)の輝度が保たれる。また、対象領域において、対象領域と対象領域外の境界部分(対象領域の端部)のデータを連続とすることができる。また、対象領域外の輝度は、対象領域と対象領域外の境界部分の輝度の連続性を維持して画像が作成されることで、対象領域外において、画像が補外される。
ここで、図6(b)に、ステップS501において、フーリエ変換手段2が作成する伸展画像の作成方法の一例を示す。本実施の形態では、まず、対象領域の中心位置から放射状に線分をひく。そして、補外によって作成される画像(対象領域外)の輝度Aを、この放射状の線分と対象領域の境界部分との交点に対して対称の位置にある画像の輝度Bと等しくする。これにより、対象領域は元の画像と全く同じ画像であって、対象領域外は、対象領域と対象領域外の境界部分の輝度が連続して拡張形成された画像となる。
次に、ステップS501の後、作成された伸展画像の全領域に対して2次元フーリエ変換を行い、フーリエスペクトルF'を算出し、スペクトル変換手段3に出力する(ステップS502)。ここで、ステップS501及びステップS502(ステップS50)が、フーリエ変換手段2が行う動作である。スペクトル変換手段3は、フーリエスペクトルF'に対して実施の形態1で示した変換Tを行う。そして、フーリエスペクトルG'を算出し、逆フーリエ変換手段4に出力する(ステップS503)。
逆フーリエ変換手段4は、フーリエスペクトルG'を2次元逆フーリエ変換し、伸展画像の強調画像を作成する(ステップS504)。そして、作成された強調画像から対象領域を切り出す(ステップS505)。このとき切り出された画像が対象領域の強調画像である(図6(c)参照)。ここで、ステップS504及びステップS505(ステップS51)が、逆フーリエ変換手段4が行う動作である。ステップS505の後は、実施の形態1の図2に示すステップS205に続く動作と同様である。
本実施の形態では、撮像した画像の一部を、欠陥検査を行う対象領域とする。そして、対象領域の輝度データを用いて対象領域外の画像データが作成された伸展画像を作成する。これにより、対象領域においては、撮像した画像の輝度が保たれ、対象領域外においては、対象領域と対象領域外の輝度の連続性が維持された伸展画像が形成される。このため、当該伸展画像のフーリエ変換又はフーリエ逆変換を行う際に生じる、輝度の異常強調であるGibbs現象の発生を防止することができる。以下に、その理由について説明する。
フーリエ変換は、計算対象のデータが連続していることが前提である。一方、離散フーリエ変換は、非連続なデータに対しても適用可能であるが、図6(a)に示す対象領域に対して2次元フーリエ変換、スペクトル変換、及び2次元逆フーリエ変換を行うと、対象領域と対象領域外との境界部分において、輝度の異常強調が起こってしまう場合がある。この現象は、対象領域の境界部分の輝度差(例えば、対象領域の右辺上の輝度と左辺上の輝度との差、上辺上の輝度と下辺上の輝度との差)が大きい場合に顕著となる。これを、Gibbs現象という。Gibbs現象は、フーリエ変換するデータに大きな不連続性がある場合に生じるノイズ現象である。このため、対象領域と対象領域外の境界付近(対象領域内の周辺部分)にある欠陥を十分に強調し、定量化することができない場合があった。
一方、フーリエ変換を用いる他の応用(例えば、周波数解析等)においては、窓関数(Windows Function)を用いて、計算対象領域の輝度データを0に減衰させ、計算対象領域内のデータを連続にして取り扱う方法が知られている。これにより、Gibbs現象による周波数解析におけるノイズを低減することができる。しかしながら、本実施の形態のように欠陥検出方法に窓関数を用いる場合、作成された強調画像に、窓関数を用いることによって輝度のムラ等が発生する場合がある。この輝度ムラ等により、画像の元々の欠陥と、窓関数を用いることによって発生した輝度ムラ等による欠陥との違いとを判別することが困難となる。このため、本実施の形態のように、画質の欠陥検出においては窓関数を使用することは適切ではない。
上述のGibbs現象により輝度が異常強調される範囲は、不連続データの近傍の領域に限られることが実験から分かっている。そこで、本実施の形態では、対象領域と対象領域外との境界の輝度の連続性を保ちつつ伸展画像を形成し、対象領域より広い領域で2次元フーリエ変換、スペクトル変換、及び2次元逆フーリエ変換を行う。本実施の形態では、対象領域と対象領域外との境界の輝度の連続性を保ちつつ伸展画像を作成しているため、対象領域と対象領域外との境界部分においてGibbs現象の発生を防止することができる。一方、対象領域の輝度データに基づいて作成された対象領域外の画像の端部(すなわち、伸展画像の端部)では輝度が不連続となるため、この領域においてGibbs現象が発生するが、対象領域外であるため、欠陥検査に支障はない。このように、本実施の形態では、欠陥検査を行う対象領域にGibbs現象が発生することを防止することができる。
ここで、伸展画像は、Gibbs現象により異常強調される領域の範囲を広げて形成すればよい。例えば、対象領域の画像サイズより上下左右をそれぞれ略10〜20%広げて形成すればよい。
実施の形態2によれば、撮像画像をフーリエ変換してフーリエスペクトルF'を算出した後に、スペクトル変換手段3において、実施の形態1と同様に、フーリエスペクトルの直流成分以外の成分に重み付け処理を行ってフーリエスペクトルG'を算出する。これにより、同じ欠陥に対して当該欠陥の評価値がばらつくことを防止し、画質欠陥の定量値が安定する。さらに、本実施の形態では、撮像した画像のうち欠陥検査を行う領域を対象領域とする。そして、対象領域の輝度データに基づいて、対象領域の端部の輝度の連続性を維持して伸展画像を形成する。そして、伸展画像を用いて、2次元フーリエ変換、スペクトル変換、及び2次元逆フーリエ変換を行う。これにより、対象領域と対象領域外の境界部分で生じる輝度の異常強調を防止することができる。すなわち、対象領域においてGibbs現象の発生を防止することができる。このため、対象領域と対象領域外との境界部分におけるGibbs現象を防止し、より安定した画質欠陥の定量値を得ることができる。
実施の形態3.
次に実施の形態3について説明する。実施の形態1に示した欠陥検出装置は、通常CCDカメラ1aと検査対象8を正対させて計測及び検査する場合が多い。しかしながら、液晶ディスプレイ等の表示装置は、特定の方向から観察する場合にのみ確認できる欠陥が存在する。このため、欠陥検出装置において、位置制御手段7と検査対象8間の相対距離のみを制御可能とする場合、すなわちXYZ方向の制御のみを可能とする場合、確実に欠陥が撮像されない場合がある。そこで、本実施の形態では、位置制御手段7と検査対象8間の相対距離の制御(以下、距離制御という。)に加えて、検査対象8及び/又はCCDカメラ1aが、XYZ方向の軸を中心に、当該軸の周りに回転させることができる構成(以下、姿勢制御という。)を有する。これにより、ロール、ピッチ、及びヨーの動きを可能とする構成を有する。このロール、ピッチ、及びヨーの動きを可能とするということは、CCDカメラ1aから検査対象8に向かって伸びる軸に対して、検査対象8の角度を可変可能であることを意味する。ここで、z軸を中心に回転することをロール、x軸を中心に回転することをピッチ、y軸を中心に回転することをヨーという。
検査対象8及び/又はCCDカメラ1aがXYZ方向の軸を中心に、当該軸の周りに回転させることができる構成として、例えば、CCDカメラ1aに姿勢制御可能なロボット等を形成してもよい。または、CCDカメラ1aと検査対象8にそれぞれ独立して姿勢制御手段を形成してもよい。例えば、撮像手段であるCCDカメラ1aに距離制御を行う距離制御手段を形成し、検査対象8に姿勢制御を行う姿勢制御手段を形成してもよい。また、姿勢制御手段は、ロール、ピッチ、及びヨーのうち一部のみを制御できるようにしてもよい。ここで、z軸回りのロール方向に検査対象8を回転させる場合は、CCDカメラ1aから検査対象8に向かって伸びる軸に対する検査対象8の角度は変わらないため、画質の欠陥検査の計測ではロール方向の制御は行わなくてもよい。
また、検査対象8とCCDカメラ1aが正対しない場合、CCDカメラ1aのピントが合う範囲が狭くなる。このような場合、CCDカメラ1aのレンズの絞りを絞って、長時間検査対象8の露光を行う、又はラインセンサカメラを用いて焦点が一致した状態で検査対象を移動させて画像を撮像することが好ましい。
本実施の形態においては、位置制御手段7と検査対象8間の相対距離を制御することができる距離制御手段に加えて、検査対象8及び/又はCCDカメラ1aのロール、ピッチ、及びヨーの全て、あるいは一部を制御できる姿勢制御手段を有する構成とする。これにより、観察する方向によって欠陥の表示度合いが変化するような検査対象8においても、最も欠陥が観察しやすい方向から画像を撮像することができる。
なお、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
本実施の形態にかかる欠陥検出装置の概略図を示す。 実施の形態1にかかる欠陥検出方法を示すフローチャート図である。 (a) 撮像した画像のx方向(1次元)における輝度を表した図である。(b) 図3(a)に示すx方向の濃度変化を1次元周波数空間の離散フーリエスペクトルとして表した図である。(c) x方向及びy方向の濃度変化を2次元周波数空間の離散フーリエスペクトルとして表した図である。 変換関数t'(r)の概形を示す図である。 実施の形態2の欠陥検出の動作を示すフローチャート図である。 (a) 撮像した検査対象の画像と、当該画像の一部であって検査対象となる対象領域を示した図である。(b) 伸展画像の補外方法を示す図である。(c) 作成された伸展画像の強調画像の切り出した図を示す。 従来の欠陥検出における撮像画像の図である。 従来の表示装置のスペクトルと重み付けのための視覚特性曲線を示す図である。
符号の説明
1a CCDカメラ、1b 画像メモリ、2 フーリエ変換手段、3 スペクトル変換手段、4 逆フーリエ変換手段、5 特徴量算出手段、6 判定手段、7 制御ロボット、8 検査対象

Claims (11)

  1. 検査対象を撮像した撮像画像を2次元フーリエ変換して第1のフーリエスペクトルを算出するフーリエ変換ステップと、
    前記第1のフーリエスペクトルの直流成分以外の成分に重み付け処理を行って第2のフーリエスペクトルを算出するスペクトル算出ステップと、
    前記第2のフーリエスペクトルを2次元逆フーリエ変換し、前記検査対象の欠陥を強調した強調画像を作成する逆フーリエ変換ステップと、
    前記強調画像を画像処理することにより特徴量を算出する特徴量算出ステップと、
    前記算出された特徴量と、予め設定された前記特徴量の閾値とを比較し、前記検査対象が良品か否かを判断する判断ステップとを有する欠陥検出方法。
  2. 第1のフーリエスペクトルをF(ω、ω)、第2のフーリエスペクトルをG(ω、ω)、変換関数をt(ω、ω)としたとき、
    (ω、ω)≠(0、0)の場合は、G(ω、ω)=t(ω、ω)・F(ω、ω)(ω、ω)=(0、0)の場合は、G(ω、ω)=正の実数(一定値)の関係を満たす
    ことを特徴とする請求項1記載の欠陥検出方法。
  3. 前記変換関数t(ω、ω)は、
    条件1:tは連続関数で正の実数値をとる
    条件2:r=√(ω +ω )としたとき、t(ω、ω)=t'(r)
    条件3:r→0ならばt'(r)→0
    条件4:r→∞ならばt'(r)→0
    の関係を満たす
    ことを特徴とする請求項2記載の欠陥検出方法。
  4. 前記フーリエ変換ステップは、前記撮像画像の一部を欠陥検査を行う対象領域とし、前記対象領域外の輝度データを前記対象領域の輝度データに基づいて作成された伸展画像として作成し、前記伸展画像を前記2次元フーリエ変換して第3のフーリエスペクトルを算出するステップを有し、
    前記逆フーリエ変換ステップは、前記強調画像から前記対象領域を切り出すステップを有し、
    前記特徴量算出ステップでは、前記切り出された対象領域の前記特徴量を算出する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の欠陥検出方法。
  5. 前記伸展画像は、前記対象領域の輝度値と前記対象領域外の輝度値とが連続するように作成される
    ことを特徴とする請求項4記載の欠陥検出方法。
  6. 検査対象を撮像した撮像画像を2次元フーリエ変換して第1のフーリエスペクトルに変換するフーリエ変換手段と、
    前記フーリエ変換手段で変換された第1のフーリエスペクトルを、直流成分以外の成分に重み付け処理を行って第2のフーリエスペクトルに変換するスペクトル変換手段と、
    前記スペクトル変換手段で変換された第2のフーリエスペクトルを2次元逆フーリエ変換し、前記検査対象の欠陥を強調した強調画像を算出する逆フーリエ変換手段と、
    前記逆フーリエ変換手段で算出された前記強調画像を画像処理することにより特徴量を算出する特徴量算出手段と、
    前記特徴量算出手段で算出された前記特徴量と、予め設定された前記特徴量の閾値とを比較し、前記比較に基づいて、前記検査対象が良品か否かを判断する判定手段とを有する欠陥検出装置。
  7. 第1のフーリエスペクトルをF(ω、ω)、第2のフーリエスペクトルをG(ω、ω)、変換関数をt(ω、ω)としたとき、
    (ω、ω)≠(0、0)の場合は、G(ω、ω)=t(ω、ω)・F(ω、ω)(ω、ω)=(0、0)の場合は、G(ω、ω)=正の実数(一定値)の関係を満たす
    ことを特徴とする請求項6記載の欠陥検出装置。
  8. 前記変換関数t(ω、ω)は、
    条件1:tは連続関数で正の実数値をとる
    条件2:r=√(ω +ω )としたとき、t(ω、ω)=t'(r)
    条件3:r→0ならばt'(r)→0
    条件4:r→∞ならばt'(r)→0
    の関係を満たす
    ことを特徴とする請求項7記載の欠陥検出装置。
  9. 前記撮像画像の一部を欠陥検査を行う対象領域とし、前記フーリエ変換手段は、前記対象領域外の輝度データを前記対象領域の輝度データに基づいて作成された伸展画像として作成し、前記伸展画像を前記2次元フーリエ変換して第3のフーリエスペクトルを算出し、
    前記逆フーリエ変換手段は、前記強調画像から前記対象領域を切り出し、
    前記特徴量算出手段は、前記切り出された対象領域の強調画像の各画素について前記特徴量を算出する
    ことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項記載の欠陥検出装置。
  10. 前記検査対象を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段により撮像された撮像画像を格納する記憶手段と、
    前記撮像手段に対する前記検査対象の相対距離を制御する制御手段とを更に有する
    ことを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項記載の欠陥検出装置。
  11. 前記制御手段は、前記撮像手段に対する前記検査対象の相対角度の一部又は全部を制御する
    ことを特徴とする請求項10記載の欠陥検出装置。
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