JP2008241205A - 空気調和機 - Google Patents

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Abstract

【課題】室外側の(第1の)冷凍サイクルに膨張機を備える2元サイクルを採用し、この膨張機の動力を利用して室内側の(第2の)冷凍サイクル内の液ポンプを駆動することで高い成績係数の値を得ることのできる空気調和機を提供する。
【解決手段】圧縮機2a、第1の熱交換器2b、膨張機2c、中間熱交換器Hを順次配管接続した第1の冷凍サイクルS1と、中間熱交換器Hに配管接続される第2の熱交換器3aを備える第2の冷凍サイクルS2とから構成される空気調和機1であって、第2の冷凍サイクルS2内を流れる冷媒R2の流れに沿って中間熱交換器Hと第2の熱交換器3aとの間に設置されるとともに、膨張機2cの動力により駆動される液ポンプPを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、室内機と室外機とに分離されたスプリット型の空気調和機に関する。
空気調和機内に構成される冷凍サイクル内を循環する冷媒として一般的に使用されるのは、例えば、ハイドロフルオロカーボン(HFC)系の冷媒であった。このHFC系冷媒は、これまでの例えばクロロフルオロカーボン(CFC)系冷媒に代替する冷媒(代替フロン)として用いられているが、このHFC系の冷媒も京都議定書で削減の対象とされている。そこで、地球温暖化防止等のためには、フロンを含まない自然系冷媒の使用が望まれる。
但し、自然系冷媒の中でも、例えばハイドロカーボン(HC)系の冷媒を使用した場合は、例えば、プロパンのように可燃性がある冷媒が多く、特に冷媒配管等から室内への漏洩安全性を確保することが難しい。
このことから、圧縮機、四方弁、室内側熱交換器(第2の熱交換器)、膨張弁、室外側熱交換器(第1の熱交換器)を順次配管接続して構成される冷凍サイクル(以下、適宜「1元サイクル」という。)を、室外側(第1の冷凍サイクル)と室内側(第2の冷凍サイクル)とに分けて、2つの冷凍サイクル(以下、適宜「2元サイクル」という。)を備える空気調和機が提案されている。このように冷凍サイクルを室外側と室内側とに分けることによって、自然系冷媒を使用しつつ室内側には難燃性の冷媒を使用するとともに室外側には可燃性の冷媒を使用することが可能となり、環境に配慮するとともに冷媒が室内に漏洩することによる危険性を避けた空気調和機を提供することができる。
この2元サイクルを採用した空気調和機の例として、例えば、以下の特許文献1には、流体駆動機、室内熱交換器が配管により接続され、内部に第1の冷媒が封入された第1の冷媒回路と、圧縮機、室外熱交換器、膨張機構が配管により接続され、内部に第2の冷媒が封入された第2の冷媒回路を有し、前記第1の冷媒は配管内での圧力損失が所定値以下であるとともに、前記第2の冷媒は熱物性値から定まる理論成績係数が所定値以上であり、前記第1、第2の各冷媒相互が熱交換する中間熱交換器を前記各配管途中に設けた空気調和機が開示されている。
特開平7−269964号公報
ここで、空気調和機の性能を表わす係数として成績係数(coefficient of performance:COP)がある。このCOPは、消費電力1kWあたりの冷暖房能力(kW)を表わした係数であることから、COP値が大きいほど空気調和機の性能が良い、とされる。従って、上述の特許文献1に開示されている空気調和機のように流体駆動機と圧縮機とが別に駆動されていると、両者を駆動するためにより多くの電力が消費されることになるため、流体駆動機のない1元サイクルを採用する空気調和機よりもCOP値が劣化する。
2元サイクルを採用した空気調和機では、室外側の冷凍サイクルと室内側の冷凍サイクルの冷媒の熱交換を行う中間熱交換器を流れる冷媒の温度差が大きいとCOP値が劣化し、空気調和機全体のCOP値が劣化する。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、室外側の(第1の)冷凍サイクルに膨張機を備える2元サイクルを採用し、この膨張機の動力を利用して室内側の(第2の)冷凍サイクル内の液ポンプを駆動することで高い成績係数の値を得ることのできる空気調和機を提供することである。
本発明の実施の形態に係る特徴は、圧縮機、第1の熱交換器、膨張機、中間熱交換器を順次配管接続した第1の冷凍サイクルと、中間熱交換器に配管接続される第2の熱交換器を備える第2の冷凍サイクルとから構成される空気調和機であって、第2の冷凍サイクル内を流れる冷媒の流れに沿って中間熱交換器と第2の熱交換器との間に設置されるとともに、膨張機の動力により駆動される液ポンプを備えることを特徴とする。
本発明によれば、室外側の(第1の)冷凍サイクルに膨張機を備える2元サイクルを採用し、この膨張機の動力を利用して室内側の(第2の)冷凍サイクル内の液ポンプを駆動することで高い成績係数の値を得ることのできる空気調和機を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1に示すように、本発明の実施形態に係る空気調和機1は、室外機2と室内機3とが分離されたスプリット型の空気調和機である。
室外機2は、建造物の外部に設置されており、空気調和機1の室内機3に冷媒配管、電源線等を通じて接続される。室外機2内には冷媒R1の流れる方向に沿って圧縮機2aと、第1の熱交換器2bと、膨張機2cと、中間熱交換器Hとが順次配管接続されており、第1の冷凍サイクルS1を構成している。この第1の冷凍サイクルS1内を流れる冷媒R1は、上述したように自然系冷媒が使用され、難燃性の冷媒に限らず可燃性の冷媒であっても構わない。
圧縮機2aは冷媒R1を高温高圧のガス状の冷媒R1として吐出し、第1の熱交換器2bに送る。第1の熱交換器2bでは冷媒R1と外部の室外空気との間で熱交換が行われる。膨張機2cでは、高圧の冷媒R1が低圧の冷媒R1に断熱膨張で減圧する際の力によって動力を得る。中間熱交換器Hでは、後述する第2の冷凍サイクルS2内を流れる冷媒R2との間で熱交換が行われる。
室内機3は、建造物の内部に設置されており、例えば、図示しないリモートコントローラ等で設定された温度に基づいて被空調空間を適切な温度に保つように冷暖房運転や空気循環を行う。室内機3の筐体内部には、外部の室内空気との熱交換を行う第2の熱交換器3aが設けられており、室外機2内に設けられている中間熱交換器H及び液ポンプPとともに第2の冷凍サイクルS2を構成している。第2の冷凍サイクルS2内を流れる冷媒R2は漏洩時の火災等を防止するために難燃性の自然系冷媒が使用される。
ここで、冷房運転を例にとって空気調和機1の動作を簡単に説明すると以下の通りである。第1の冷凍サイクルS1内を流れる冷媒R1は図1に示す矢印の方向に流れる。圧縮機2aで冷媒R1は圧縮され高温高圧のガス状となって吐出される。このガス状の冷媒R1は、第1の熱交換器2bに流入する。第1の熱交換器2b内では、冷媒R1は外部の空気によって冷却され一部、或いはその全部が凝縮する。さらに液或いは気液二相状態となった冷媒R1は膨張機2cに入り膨張して低圧になるとともに、冷媒R1が高圧から低圧になる際の力を利用して駆動力を得る。膨張機2cを出た気液二相状態の冷媒R1は、中間熱交換器Hに流入し、第2の冷凍サイクルS2内を流れる冷媒R2との間で熱交換を行う。
一方、第2の冷凍サイクルS2では、その中を流れる冷媒R2が図1の矢印に示す方向に流れる。第2の冷凍サイクルS2内を流れる冷媒R2は、中間熱交換器Hにおいて第1の冷凍サイクルS1内を流れる冷媒R1との間で熱交換が行われた後、液状態で液ポンプPに流入する。液ポンプPは液状の冷媒R2を吐出し、第2の熱交換器3aに流入し室内の空気を冷却することにより、一部或いは全ての冷媒R2が蒸発する。ガス状或いは気液二相状態となった冷媒R2は、改めて中間熱交換器Hに流入して第1の冷凍サイクルS1内の冷媒R1により冷却される。
図1に示すように、膨張機2cと液ポンプPは軸一体となって接続されている。すなわち、膨張機2cが冷媒R1の持つ高い圧力を利用して取り出した動力を利用して液ポンプPが駆動される。図示してはいないが、同一の筐体内に膨張機2cと液ポンプPが設けられ、両者は同一の軸(シャフト)を備えている。液ポンプPはこの軸を介して膨張機2cの動力を利用して駆動されるため、別途液ポンプPを駆動するための動力(例えば、モータ)を必要としない。また、膨張機2cと液ポンプPを直結しているので動力の伝達ロスを低く押さえることができる。
ここで、液ポンプPと同様の働きをするものとして圧縮機を挙げることができるが、本発明の実施の形態において圧縮機ではなく液ポンプを採用する。これは、利用する膨張機の動力では必要とされる圧縮機の駆動の一部しか賄うことができないからである。このように第2の冷凍サイクルS2内に液ポンプではなく圧縮機を設けると、結局別途モータ等の動力を必要とし、COP値が劣化することにもなる。例えば、発明者の実験においては、ある膨張機2cの効率を70%としたときに得ることのできる膨張機2cの動力は約7Wであり、一方のある液ポンプPの効率が40%であるとすると、必要な液ポンプPの動力は6Wであるとの結果を得ている。従って、この膨張機2cから取り出すことのできる動力は僅かであるが、液ポンプPの駆動に必要な動力も僅かであることから、この膨張機2cの動力で液ポンプPの駆動を十分賄うことができる。
図2及び図3は本発明の実施の形態における空気調和機1が得ることのできる効果を従来の空気調和機が得ていた効果と比べて説明するための説明図である。この従来の空気調和機においても2元サイクルを採用している。図2は中間熱交換器Hにおいて、第1の冷凍サイクルS1内を流れる冷媒R1と第2の冷凍サイクルS2内を流れる冷媒R2のそれぞれの温度変化を示したグラフである。上下2段に分けて示した2つのグラフのうち、上段は第2の冷凍サイクルS2内を流れる冷媒R2の温度変化を示しており、下段は第1の冷凍サイクルS1内を流れる冷媒R1の温度変化を示している。また、グラフ内の点線より左側が従来の空気調和機の下での結果であり、右側が本発明の実施の形態における空気調和機の下での結果を示すものである。これらのグラフにおいて、縦軸は、第1の冷凍サイクルS1内、及び第2の冷凍サイクルS2内を流れる冷媒Rの温度[℃]を示し、横軸は冷媒Rの温度の推移を示している。
これら結果の比較をするに際して、従来の空気調和機の構成は、第1の冷凍サイクルS1には膨張機が設けられない代わりに膨張弁が設けられており、第2の冷凍サイクルS2にはモータ等から独立して動力を得ている、例えば流体駆動機が組み込まれている。一方、本発明の実施の形態における空気調和機1の構成は、上述したように第1の冷凍サイクルS1内に膨張機2cを設け、第2の冷凍サイクルS2には膨張機2cの動力を利用して駆動される液ポンプPが設けられている。また、条件として、冷房能力4.0kW、室内冷房時の蒸発温度を13℃としている。なお、これらの効果の比較はあくまでも発明者が本発明の実施の形態における空気調和機を動かしてその効果を確認するための実験を行うに当たって定めた条件の下での計算結果である。
図2の上段に示す第2の冷凍サイクルS2内を流れる冷媒R2の温度変化は、従来も本発明においても異なるところはない。すなわち、中間熱交換器Hに流入する際の温度が16℃であり、第1の冷凍サイクルS1内の冷媒R1との間で熱交換を行っている間は潜熱状態にあるため12℃で一定時間推移し、その後、過冷却されて冷媒R2の温度が11℃となる。一方、第1の冷凍サイクルS1内を流れる冷媒R1の温度(図2の下段に示す左右2つのグラフ参照)は、従来が8℃から潜熱状態を経て12℃に達している。これに対し、右側のグラフに示される本発明の実施の形態における効果は、膨張機2cを設けたことにより潜熱領域が拡大し熱伝達が向上するため、中間熱交換器Hに流入する第1の冷凍サイクルS1内を流れる冷媒R1の温度を8.3℃とすることができる。その後12℃に達する。一般に、熱交換器内の冷媒の温度差が高いとCOPの値は劣化する。従って、本発明の実施の形態における空気調和機の構成を採用することにより、従来よりも中間熱交換器内における温度差を縮小させることができ、COPの値を良くして空気調和機全体の性能を向上させることができることがわかる。
また、図3は、第1の冷凍サイクルS1のモリエル線図である。ここでも図2と同様、左側のモリエル線図が従来の空気調和機の場合を示し、右側が本発明の実施の形態における空気調和機1の場合を示している。また、縦軸に圧力[P]、横軸にエンタルピー[h]を示している。
従来の第1の冷凍サイクルS1は図3の左側のグラフにおいてABCDで示され、膨張弁で冷媒はCからDへ等エンタルピー変化で減圧する。
一方で、本発明の実施の形態における第1の冷凍サイクルS1の構成では、膨張機2cを組み込んでいるため、ABCD’で示される。すなわち、減圧するに際して、D−D’分エンタルピーが増加する。膨張機2cではこの高圧の冷媒R1が持つエネルギーを回収してD’−D分の仕事分液ポンプPを駆動するための動力に使用することができる。また、中間熱交換器Hにおける潜熱状態の領域をD−A間からD’−A間へと拡大することができるため、より熱伝達が向上する。また、熱伝達が向上する分だけ、中間熱交換器Hにおける第1の冷凍サイクルS1内を流れる冷媒R1の蒸発温度を上げることができるため、図3に示すグラフではD’−A間の温度はD−A間の温度よりも高くなっている。従って、従来よりも本発明の実施の形態の方が圧縮機2aのAからBへ冷媒を圧縮する際に行う仕事量は減る。この点もCOP値を向上させる一因となる。
以上のような構成を採用することにより、室外側の(第1の)冷凍サイクルに膨張機を備える2元サイクルを採用し、この膨張機の動力を利用して室内側の(第2の)冷凍サイクル内の液ポンプを駆動することで高い成績係数の値を得ることのできる空気調和機を提供することができる。
(第2の実施の形態)
次に本発明における第2の実施の形態について説明する。なお、第2の実施の形態において、上述の第1の実施の形態において説明した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、同一の構成要素の説明は重複するので省略する。
第2の実施の形態は、膨張機2cと液ポンプPとの接続を、第1の実施の形態に示したように同軸で両者をつないで動力の伝達を図るのではなく、両者の間にマグネットカップリングを介して動力の伝達を図る点に特徴がある。
膨張機2cと液ポンプPとを同軸でつなぐと、特に同一の筐体に納められている場合には膨張機2c側の高温高圧の冷媒R1(第1の冷凍サイクルS1内を流れる冷媒R1)と液ポンプP側の低温低圧の冷媒R2(第2の冷凍サイクルS2内を流れる冷媒R2)とが互いに位置的に非常に近い所を流れることになる。このような状態の下では、両冷媒の間で高温側から低温側へ熱の移動が起こり、第1の冷凍サイクルS1内を流れる冷媒R1に熱損失が発生することになる。また、この熱損失が発生すると、冷媒R1が膨張しにくくなるため、膨張機2cの仕事量が減少することになる。従って、膨張機2cの動力を利用して液ポンプPを駆動させる場合には、この熱損失の低減を図ることが重要となる。
第2の実施の形態においては、液ポンプPの駆動に際して膨張機2cの動力を利用する点は第1の実施の形態と同様であるが、両者の間にマグネットカップリングMを介在させて膨張機2cと液ポンプPとの間を軸一体に直結せず、間接的に接続させることによって一層この熱損失の低減を図ることとしている。また、第1の冷凍サイクルS1と第2の冷凍サイクルS2との間は完全に遮断され独立してそれぞれの冷媒が流れることになるため、膨張機2cと液ポンプPとの間から冷媒が漏洩することも防止することができる。
このような構成を採用することによって、室外側の(第1の)冷凍サイクルに膨張機を備える2元サイクルを採用し、この膨張機の動力を利用して室内側の(第2の)冷凍サイクル内の液ポンプを駆動するとともに、膨張機と液ポンプを軸一体に構成した場合よりも第1の冷凍サイクル内を流れる冷媒の熱損失をより一層低減させることでより高い成績係数の値を得ることのできる空気調和機を提供することができる。
(第3の実施の形態)
次に本発明における第3の実施の形態について説明する。なお、第3の実施の形態において、上述の第1または第2の実施の形態において説明した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、同一の構成要素の説明は重複するので省略する。
第3の実施の形態においては、第2の冷凍サイクルS2の構成要素として中間熱交換器Hと液ポンプPとの間に四方弁Fを設けた点に特徴を有する。四方弁Fを設けたことにより、第2の冷凍サイクルS2内を流れる冷媒R2の向きを液ポンプPの流入側と吐出側を変更させることなく逆転させることができる。
液ポンプPを効率よく駆動させるためには、液ポンプP内を流れる冷媒R2は液状である必要があり、気液二相状態では効率が低下する。空気調和機1が冷房状態に設定されている場合、第2の冷凍サイクルS2内を流れる冷媒R2は、第2の熱交換器3aにおいて蒸発して気体となり、中間熱交換器Hにおいて凝縮されて液体となる。一方で、液ポンプPは膨張機2cの動力を利用して駆動されるため、動力を伝達する軸を通して膨張機2cから熱が伝達される。この熱が第2の冷凍サイクルS2内を流れる冷媒R2に移ると、中間熱交換器Hにおいて冷媒R2を液体にしても、結局冷媒R2内に気泡(キャビテーション)が発生してしまい、液ポンプPの駆動効率が落ちることにつながる。
そこで、中間熱交換器Hにおいて冷媒R2を液体にするだけではなく、冷媒R2の温度をより低くするようにされている(過冷却)。このように液ポンプPの駆動により冷媒R2の温度が上昇することを予め見込んで冷媒R2の冷却を行っている。
また、冷媒R2内にキャビテーションが発生するかは、第2の冷凍サイクルS2内を流れる冷媒R2の量にも左右されることになる。すなわち、冷房能力が大きく設定されている場合には冷媒量も多くなり、一方、冷房能力が小さい場合には冷媒量も少ない。この冷媒R2の量が多ければ少ない場合に比べてそれだけ冷却するのが難しくなり、過冷却度も大きくなる。
さらに、中間熱交換器Hにおける第2の冷凍サイクルS2内を流れる冷媒R2の過冷却は、第1の冷凍サイクルS1内を流れる冷媒R1との互いに冷媒が流れる向きによってその効率が異なってくる。一般的に、2つの流れがある場合に、それらの流れが互いに対向する向きに流れているとその2つの流れの間における熱交換効率は高くなる。反対に、2つの流れが並行している場合は、熱交換効率が低くなる。
そこで、第3の実施の形態においては、空気調和機1のCOP値に直結する中間熱交換器Hにおける温度差と第2の冷凍サイクルS2内を流れる冷媒R2の量とをパラメータとして冷媒R2の流れを逆転させることとする。
すなわち、冷房能力が小さく第2の冷凍サイクルS2内を流れる冷媒R2の量が少ない場合は、液ポンプPを流れる冷媒R2の量も少ないため、過冷却度は小さくしてもむしろ中間熱交換器Hにおける熱交換効率を上げた方が空気調和機1全体のCOP値は向上する。従って、このような場合は第2の冷凍サイクルS2内の冷媒R2が中間熱交換器H内において第1の冷凍サイクルS1内を流れる冷媒R1と対向した向きで流れるように(図5の実線の矢印に示すように)四方弁Fを制御する。
一方、冷房能力が大きく第2の冷凍サイクルS2内を流れる冷媒R2の量が多い場合は、液ポンプPを流れる冷媒R2の量も多くなるため、中間熱交換器Hにおける熱交換効率を下げてでも冷媒の過冷却度を上げてキャビテーションの発生を防止した方が空気調和機1全体のCOP値は向上する。従って、このような場合は第2の冷凍サイクルS2内の冷媒R2が中間熱交換器H内において第1の冷凍サイクルS1内を流れる冷媒R1と並行して流れるように(図5の破線の矢印に示すように)四方弁Fを制御する。
なお、このように四方弁Fを制御するためには、上述したように中間熱交換器Hにおける温度差と第2の冷凍サイクルS2内を流れる冷媒R2の量とがパラメータとなる。このパラメータは空気調和機1の能力や設置場所等に左右されるので、種々の条件を勘案した上で自由に設定することができる。また、中間熱交換器H内の温度測定に関しては、どのような温度センサを使用して測定しても構わない。さらに、本発明の各実施の形態の説明においては、特に制御手段や中間熱交換器Hにおける温度測定手段等についての説明を行っていないが、一般的に空気調和機1に搭載されている制御手段を用いることで、上述の制御を行うことが可能である。
このようにすることで、室外側の(第1の)冷凍サイクルに膨張機を備える2元サイクルを採用し、この膨張機の動力を利用して室内側の(第2の)冷凍サイクル内の液ポンプを駆動することでより高い成績係数の値を得ることのできる空気調和機を提供することができる。さらに、以上のような制御を行うことによって、運転能力の大小の如何に拘わらず液ポンプを効率よく安定的に運転させることができるため、空気調和機1の運転動作の安定性の向上に寄与することができる。
なお、この発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明の第1の実施の形態における空気調和機が採用する2元の冷凍サイクルを示す構成図である。 本発明の実施の形態における効果を説明するための説明図である。 本発明の実施の形態における効果を説明するための説明図である。 本発明の第2の実施の形態における空気調和機が採用する2元の冷凍サイクルを示す構成図である。 本発明の第3の実施の形態における空気調和機が採用する2元の冷凍サイクルを示す構成図である。
符号の説明
1…空気調和機、2…室外機、2a…圧縮機、2b…第1の熱交換器、2c…膨張機、2d…中間熱交換器、3…室内機、3a…第2の熱交換器、P…液ポンプ、S1…第1の冷凍サイクル、S2…第2の冷凍サイクル、R1…第1の冷凍サイクル内を流れる冷媒、R2…第2の冷凍サイクル内を流れる冷媒

Claims (3)

  1. 圧縮機、第1の熱交換器、膨張機、中間熱交換器を順次配管接続した第1の冷凍サイクルと、前記中間熱交換器に配管接続される第2の熱交換器を備える第2の冷凍サイクルとから構成される空気調和機であって、
    前記第2の冷凍サイクル内を流れる冷媒の流れに沿って前記中間熱交換器と前記第2の熱交換器との間に設置されるとともに、前記膨張機の動力により駆動される液ポンプを備えることを特徴とする空気調和機。
  2. 前記液ポンプは、前記膨張機とマグネットカップリングで接続されることにより前記膨張機から動力を得ていることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
  3. 前記第2の冷凍サイクルは、さらに前記中間熱交換器と前記液ポンプとの間に四方弁を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気調和機。
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