JP2008241179A - 熱交換器 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱交換器において、フィン表面におけるドレン水処理を最適化することで熱交換能力の向上等を図る。
【解決手段】フィン8の通風方向上流側の第1領域11の表面を撥水処理面又は超撥水処理面とし、通風方向下流側の第2領域12の表面を親水処理面とする。係る構成によれば、第1領域11では撥水処理面又は超撥水処理面での滴状凝縮によりドレン水が水滴状となり高い熱交換効率が達成され、第2領域12では親水処理面での膜状凝縮によりドレン水が膜状となり、第1領域11側の水滴が第2領域12側へ引き込まれて順次膜状に変化する。この結果、水滴のブリッジ現象の発生が可及的に防止され滴状凝縮が維持され高い熱交換効率が実現されるとともに、流路抵抗が低く抑えられ、これらの相乗効果として熱交換器の熱交換能力が高められる。
【選択図】図3
【解決手段】フィン8の通風方向上流側の第1領域11の表面を撥水処理面又は超撥水処理面とし、通風方向下流側の第2領域12の表面を親水処理面とする。係る構成によれば、第1領域11では撥水処理面又は超撥水処理面での滴状凝縮によりドレン水が水滴状となり高い熱交換効率が達成され、第2領域12では親水処理面での膜状凝縮によりドレン水が膜状となり、第1領域11側の水滴が第2領域12側へ引き込まれて順次膜状に変化する。この結果、水滴のブリッジ現象の発生が可及的に防止され滴状凝縮が維持され高い熱交換効率が実現されるとともに、流路抵抗が低く抑えられ、これらの相乗効果として熱交換器の熱交換能力が高められる。
【選択図】図3
Description
本願発明は、空気調和機に適用される熱交換器に関するものである。
空気調和機の室内機及び室外機にはそれぞれ熱交換器が備えられるが、この熱交換器としては、所定間隔で順次対向配置された多数枚のフィンと、該各フィンに直交する状態で配置された伝熱管とからなるクロスフィン型の熱交換器を採用するのが一般的である(例えば、特許文献1〜3参照)。
ところで、このようなクロスフィン型の熱交換器を備えた室内機及び室外機においては、その構造に起因する以下のような問題があった。
即ち、熱交換器のフィンは、伝熱管内を流れる冷媒からの伝熱によって冷却され、その表面側を流れる空気流との間で熱交換を行なうが、該熱交換器が蒸発器として機能する場合(冷房運転時における室内機の熱交換器、暖房運転時における室外機の熱交換器)、フィン表面に空気中の水分が凝縮してドレン水が付着する。
この場合、フィン表面が水の接触角が小さい親水性表面である場合には、ドレン水が水膜状に付着する膜状凝縮という伝熱形態となり、この水膜が伝熱抵抗として存在する。一方、フィン表面が水の接触角が大きい撥水性表面である場合には、ドレン水が水滴状に付着する滴状凝縮という伝熱形態となり、水滴がフィン表面に沿って流下して水膜が形成されないことから伝熱抵抗が少なく高い熱交換効率が確保される。
従って、この伝熱形態からいえば、フィンの表面全体を撥水性表面とすれば高い熱交換能力が得られ、熱交換器のフィンとして好適であると考えられる。
ところが、クロスフィン型熱交換器においては、伝熱面積を拡大するという観点から、フィンピッチを小さくしてフィン密度を高めているため、係る構成の下でフィン表面を撥水性表面とした場合、該フィン表面で凝縮した水滴が、隣接するフィン間に跨るブリッジ現象が生じ、これによって伝熱抵抗及び流路抵抗が増大し、却って熱交換能力が低下することとなり、好ましくない。
一方、フィン表面での凝縮によって生じたドレン水は、重力によってフィン表面に沿って流下し排出されるが、この場合、特にドレン水が水滴状である場合(即ち、滴状凝縮の場合)には、この水滴が送風によって吹き飛ばされ、これが送風とともに吹出口から吹出される「水飛び」が生じることとなり、特に室内機においては快適な空調性の確保という点において問題となる。
そこで本願発明では、熱交換器において、フィン表面におけるドレン水処理を最適化することで熱交換能力の向上等を図ることを目的としてなされたものである。
本願発明ではかかる課題を解決するための具体的手段として次のような構成を採用している。
本願の第1の発明では、所定間隔で順次対向配置された多数枚のフィン8と、該各フィン8に直交する状態で配置された伝熱管9とからなる熱交換器において、上記フィン8の通風方向上流側の第1領域11の表面を撥水処理面又は超撥水処理面とし、通風方向下流側の第2領域12の表面を親水処理面としたことを特徴としている。
本願の第2の発明では、上記第1の発明に係る熱交換器において、上記第1領域11の範囲を、上記フィン8の高位側から低位側に向かうに伴って減少するように設定したことを特徴としている。
本願の第3の発明では、上記第1の発明に係る熱交換器において、上記第1領域11の範囲を、高湿度環境下で使用されるものほど狭く設定したことを特徴としている。
本願の第4の発明では、上記第1の発明に係る熱交換器において、上記第1領域11の範囲を、低冷媒温度下で使用されるものほど狭く設定したことを特徴としている。
本願の第5の発明では、上記第1、第2、第3又は第4の発明に係る熱交換器において、上記伝熱管9を、通風方向に一列又は複数列に配置したことを特徴としている。
本願発明では次のような効果が得られる。
(a)本願の第1の発明に係る熱交換器によれば、上記フィン8の通風方向上流側の第1領域11の表面を撥水処理面又は超撥水処理面とし、通風方向下流側の第2領域12の表面を親水処理面としているので、例えば、室内機において熱交換器6が蒸発器として機能する冷房運転時、あるいは室外機において熱交換器6が蒸発器として機能する暖房運転時において、空気がフィン間の通風路10に流入すると、該フィン8の通風方向上流側の第1領域11では、その表面が撥水処理面又は超撥水処理面とされているため、滴状凝縮によりドレン水が水滴状となり高い熱交換効率が達成される。一方、上記第2領域12においては、その表面が親水処理面とされているので、膜状凝縮によりドレン水が膜状とされる。そして、この場合、上記第1領域11側の水滴は送風圧を受けて親水性の上記第2領域12側へ移動し、該第2領域12にその一部が到達すると、親水作用、即ち、水の接触角の減少作用を受けて、該第2領域12側へ引き込まれるように順次形体が膜状に変化する。
従って、上記フィン8の上記第1領域11側においては、水滴状に凝縮したドレン水が順次第2領域12側へ移動し該第1領域11上での滞留時間が短いことからブリッジ現象の発生が可及的に防止され、該第1領域11の表面での滴状凝縮の維持によって高い熱交換効率が実現されるとともに、流路抵抗も低く抑えられ、これらの相乗効果として、高い熱交換能力が確保される。
また、上記第1領域11側において発生した水滴が上記第2領域12側へ引き込まれて膜状に変化することから、例えば、従来のように水滴が送風に乗って飛散し吹出口から吹出される「水飛び」現象が可及的に防止され、特に室内機にあっては空調の快適性が確保され、延いてはその商品価値が向上することになる。
さらに、上記フィン8の第1領域11及び第2領域12の表面がそれぞれ表面処理されていることで、該フィン8の腐食が可及的に防止され、該フィン8の耐久性、延いては熱交換器6の耐久性及び信頼性が向上することになる。
(b)本願の第2の発明に係る熱交換器によれば、上記(a)に記載の効果に加えて以下のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記第1領域11の範囲を、上記フィン8の高位側から低位側に向かうに伴って減少するように設定している。ここで、上記フィン8の表面上において発生したドレン水は、重力によって順次流下するため、該フィン8全体としてみると、該フィン8の高位側ではドレン量が少なく、低位側では高位側から流下するドレン水が集合するのでドレン量が多くなる。
従って、この発明のように、上記第1領域11の範囲を、上記フィン8の高位側から低位側に向かうに伴って減少するように設定することで、ドレン量の少ない高位側では、撥水処理面又は超撥水処理面の領域が広いことから滴状凝縮がより効果的に行なわれ熱交換効率がより一層高められる一方、ドレン量の多い低位側では、親水処理面の領域が広いことから水滴の水膜化が促進され「水飛び」の発生がより一層抑制される。これらの相乗効果として、高い熱交換能力の確保と「水飛び」の防止とを両立させた熱交換器を提供することができる。
(c)本願の第3の発明に係る熱交換器によれば、上記(a)に記載の効果に加えて以下のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記第1領域11の範囲を、高湿度環境下で使用されるものほど狭く設定している。ここで、上記フィン8の表面上で発生するドレン量は、熱交換器6が高湿度環境下で使用される場合には、低湿度環境下で使用される場合よりも多くなる。従って、この発明のように、上記第1領域11の範囲を、高湿度環境下で使用されるものほど狭く設定することで、ドレン量の多い高湿度環境下で使用される熱交換器6にあっては上記第1領域11の範囲が狭い分だけ、換言すれば、上記第2領域12の範囲が広い分だけ、該第2領域12の親水処理面による水滴の水膜化が促進され「水飛び」の発生がより一層抑制される。
(d)本願の第4の発明に係る熱交換器によれば、上記(a)に記載の効果に加えて以下のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記第1領域11の範囲を、低冷媒温度下で使用されるものほど狭く設定している。ここで、上記フィン8の表面上で発生するドレン量は、熱交換器6が低冷媒温度下で使用される場合には、高冷媒温度下で使用される場合よりも多くなる。従って、この発明のように、上記第1領域11の範囲を、低冷媒温度下で使用されるものほど狭く設定することで、ドレン量の多い低冷媒温度下で使用される熱交換器6にあっては上記第1領域11の範囲が狭い分だけ、換言すれば、上記第2領域12範囲が広い分だけ、該第2領域12の親水処理面による水滴の水膜化が促進され「水飛び」の発生がより一層抑制される。
(e)本願の第5の発明に係る熱交換器によれば、上記伝熱管9を、通風方向に一列又は複数列に配置しているので、伝熱管9を通風方向に一列に配置したものにおいては、例えば、該伝熱管9を中心としてそれより通風方向上流側部分を上記第1領域11とし、通風方向下流側部分を上記第2領域12とすることで、熱交換能力の小さい熱交換器においても上記(a)、(b)、(c)又は(d)に記載の効果を確実に得ることができる。
また、伝熱管9を通風方向に複数列に配置したものにおいては、例えば、通風方向上流側の管列に対応する部分を上記第1領域11とし、通風方向下流側の管列に対応する部分を上記第2領域12とすることで、熱交換能力の大きい熱交換器においても上記(a)、(b)、(c)又は(d)に記載の効果を確実に得ることができる。
これらの相乗効果として、熱交換器の汎用性が向上することになる。
以下、本願発明を具体的に説明する。
図1には、本願発明に係る熱交換器を備えてなる空気調和機の室内機1を示しており、同図において、符号2は室内壁面に取付けられるケーシングである。このケーシング2の前面下部と前面上部及び上面には、それぞれ吸込口3A〜3Cが設けられるとともに、下面側にはフラップ14を備えた吹出口4が設けられている。
また、上記ケーシング2の上記各吸込口3A〜3Cから上記吹出口4に至る通風路5内には、上記各吸込口3A〜3Cのそれぞれに対応するようにして熱交換器6A〜6Cが配置されるとともに、該各熱交換器6A〜6Cの下流側にはファン7が配置されており、上記ファン7の運転によって、上記各吸込口3A〜3Cのそれぞれから上記通風路5内に吸込まれた空気は、白抜矢印で示すように、上記各熱交換器6A〜6Cに流入し、該各熱交換器6A〜6Cを通過する間に熱交換して温調空気となり、上記吹出口4から室内側へ吹出され、室内の冷房又は暖房を行なう。
一方、図2には、本願発明に係る熱交換器を備えてなる空気調和機の室外機20を示しており、同図において、符号21はケーシングであって、該ケーシング21の背面には吸込口22が、前面には吹出口23がそれぞれ設けられるとともに、上記吸込口22から上記吹出口23に至る通風路24内には、熱交換器25が上記吸込口22に対向して、又はファン26が上記吹出口23に対向して、それぞれ配置されている。
そして、上記室内機1の熱交換器6及び上記室外機20の熱交換器25は、共に、所定間隔で順次対向配置された多数枚のフィン8と、該各フィン8に直交する状態で配置された伝熱管9とで構成されるクロスフィン型熱交換器とされている。
この熱交換器6においては、フィン8の表面処理によって該表面における凝縮形態をコントロールすることで、高い熱交換能力の確保と、特に室内機1において有用な「水飛び防止」を両立させることを意図して、以下の各実施形態に示すようなフィン構造を採用している。
第1の実施形態
図3には、第1の実施形態に係るフィン8を示している。このフィン8は、縦長矩形の薄板で構成され、その一方の長辺は空気Aの通風方向上流側に位置する前縁8aとされ、他方の長辺は通風方向下流側に位置する後縁8bとされるとともに、通風方向に前後して二列に伝熱管9が貫通配置されている。
図3には、第1の実施形態に係るフィン8を示している。このフィン8は、縦長矩形の薄板で構成され、その一方の長辺は空気Aの通風方向上流側に位置する前縁8aとされ、他方の長辺は通風方向下流側に位置する後縁8bとされるとともに、通風方向に前後して二列に伝熱管9が貫通配置されている。
このフィン8においては、これを仮想線Lで示すように、通風方向において仮想的に二分し、通風方向上流側に位置する(即ち、前列側の伝熱管群に対応する)領域を第1領域11、通風方向下流側に位置する(即ち、後列側の伝熱管群に対応する)領域を第2領域12としている。そして、これら両領域のうち、上記第1領域11の表面を撥水処理面又は超撥水処理面とし、上記第2領域12の表面を親水処理面としている。
ここで、上記親水処理面とは、水の接触角が例えば、10°程度となるように表面処理された面をいう。また、撥水処理面とは、水の接触角が例えば、90°〜120°程度となるように表面処理された面をいう。さらに、超撥水処理面とは、水の接触角が例えば、120°以上となるように表面処理された面をいう。
このような表面処理形態を採用したフィン8においては、以下のような作用効果が得られる。
即ち、図4において模式的に示すように、所定間隔をもって上記フィン8を順次対向配置しその隣接する一対のフィン8、8間を通風路10として熱交換器6を構成する。そして、上記熱交換器6が蒸発器として機能する冷房運転時において、上記通風路10に上記フィン8の前縁8a側から高温高湿の空気Aが流入する場合を想定する。
この場合、空気が上記通風路10に流入すると、上記フィン8の通風方向上流側の第1領域11では、その表面が撥水処理面又は超撥水処理面とされているため、ドレン水は滴状凝縮によって水滴状に凝縮し、水滴Dとして存在する。そして、この第1領域11上で凝縮した水滴Dは、送風圧を受けて順次親水性の上記第2領域12側へ移動し、該第2領域12にその一部が到達すると、親水作用、即ち、水の接触角の減少作用を受けて、該第2領域12側へ引き込まれるように順次形体が膜状に変化する。
この結果、上記フィン8の上記第1領域11側においては、凝縮した水滴Dが順次第2領域12側へ移動し該第1領域11上での滞留時間が短いことから、該水滴Dによるブリッジ現象の発生が可及的に防止され、該第1領域11の表面での滴状凝縮の維持によって高い熱交換効率が実現されるとともに、上記通風路10における流路抵抗も低く抑えられ、これらの相乗効果として、上記熱交換器6においては高い熱交換能力が確保されることになる。
また、上記第1領域11側において発生した水滴Dが上記第2領域12側へ引き込まれて膜状に変化することから、例えば、従来のように水滴Dが送風に乗って飛散し吹出口から吹出される「水飛び」現象が可及的に防止され、特に室内機1にあっては空調の快適性が確保され、延いてはその商品価値が向上することになる。
さらに、上記フィン8の第1領域11及び第2領域12の表面がそれぞれ表面処理されていることで、該フィン8の腐食が可及的に防止され、該フィン8の耐久性、延いては熱交換器6の耐久性及び信頼性が向上することになる。
第2の実施形態
図5には、第2の実施形態に係るフィン8を示している。このフィン8には、通風方向に前後して三列に伝熱管9が配置されており、その表面領域を仮想線Lで示すように、一列目の伝熱管群と二列目の伝熱管群の中間から通風方向において仮想的に二分し、通風方向上流側に位置する一列側の伝熱管群に対応する領域を第1領域11、通風方向下流側に位置する二列目及び三列目の伝熱管群に対応する領域を第2領域12としている。そして、これら両領域のうち、上記第1領域11の表面を撥水処理面又は超撥水処理面とし、上記第2領域12の表面を親水処理面としている。
図5には、第2の実施形態に係るフィン8を示している。このフィン8には、通風方向に前後して三列に伝熱管9が配置されており、その表面領域を仮想線Lで示すように、一列目の伝熱管群と二列目の伝熱管群の中間から通風方向において仮想的に二分し、通風方向上流側に位置する一列側の伝熱管群に対応する領域を第1領域11、通風方向下流側に位置する二列目及び三列目の伝熱管群に対応する領域を第2領域12としている。そして、これら両領域のうち、上記第1領域11の表面を撥水処理面又は超撥水処理面とし、上記第2領域12の表面を親水処理面としている。
従って、この実施形態のフィン8においては、上記第1領域11の表面での滴状凝縮と上記第2領域12の表面での膜状凝縮とによって、上記第1の実施形態のフィン8の場合と同様の作用効果が得られるものであるが、特にこの実施形態のフィン8では、上記第2領域12の領域を、上記第1領域11の領域よりも広くとっているので、該第2領域12側における水滴Dの水膜化作用が高く、ドレン水の発生量が多い条件下で使用される熱交換器6、例えば、高湿度環境下で使用される熱交換器6とか、低冷媒温度下で使用される熱交換器6に用いるに好適なフィンといえる。
尚、上記第1領域11の表面での滴状凝縮と上記第2領域12の表面での膜状凝縮とによる作用効果については、上記第1の実施形態の該当説明を援用し、ここでの説明を省略する。
第3の実施形態
図6には、第3の実施形態に係るフィン8を示している。このフィン8は、その基本構成を上記第1の実施形態に係るフィン8と同様とするものであって、これと異なる点は、該フィン8の表面の領域分けである。
図6には、第3の実施形態に係るフィン8を示している。このフィン8は、その基本構成を上記第1の実施形態に係るフィン8と同様とするものであって、これと異なる点は、該フィン8の表面の領域分けである。
即ち、上記第1の実施形態に係るフィン8では、その表面の領域を、前列側の伝熱管群に対応する第1領域11と後列側の伝熱管群に対応する第2領域12に分けており、該各領域11,12においては通風方向に直交する方向における領域幅が、該フィン8の上部8c(熱交換器6の設置状態において高位に位置する部位)から下部8d(熱交換器6の設置状態において低位に位置する部位)に亘って一定とされている。
これに対して、この実施形態のフィン8では、フィン8の後縁8bの上端と前縁8aの下端を結ぶ仮想線Lによって、該仮想線Lより通風方向上流側に位置する第1領域11と下流側に位置する第2領域12とに領域分けし、上記第1領域11の表面を撥水処理面又は超撥水処理面とし、上記第2領域12の表面を親水処理面としている。
このような領域分けをすることで、上記第1領域11の範囲は上記フィン8の高位側から低位側に向かうに伴って減少し、逆に上記第2領域12の範囲は上記フィン8の高位側から低位側に向かうに伴って増加することになる。
このような領域分けは、上記フィン8の表面におけるドレン量に対応させたものである。即ち、上記フィン8の表面上において発生したドレン水は、重力によって順次流下するため、該フィン8全体としてみると、該フィン8の高位側ではドレン量が少なく、低位側では高位側から流下するドレン水が集合するのでドレン量が多くなる。そして、ドレン量が多い部位では上記第2領域12の範囲を広くし、ドレン量の少ない部位では上記第1領域11の範囲を広くしたものである。
従って、このような表面構成をもつ上記フィン8においては、ドレン量の少ない高位側では、撥水処理面又は超撥水処理面で構成される上記第1領域11の範囲が広いことから該表面での滴状凝縮がより効果的に行なわれ、熱交換効率がより一層高められることになる。これに対して、ドレン量の多い低位側では、親水処理面で構成される上記第2領域12の範囲が広いことから、水滴の水膜化が促進され、「水飛び」の発生がより一層抑制されることになる。これらの相乗効果として、上記フィン8を備えた熱交換器6においては、高い熱交換能力の確保と「水飛び」の防止とが両立されることになる。
尚、上記第1領域11の表面での滴状凝縮と上記第2領域12の表面での膜状凝縮とによる作用効果については、上記第1の実施形態の該当説明を援用し、ここでの説明を省略する。
第4の実施形態
図7には、第4の実施形態に係るフィン8を示している。このフィン8は、上記第3の実施形態に係るフィン8の変形例の一つであって、該第3の実施形態のフィン8とは、その表面の領域分けが異なるものである。
図7には、第4の実施形態に係るフィン8を示している。このフィン8は、上記第3の実施形態に係るフィン8の変形例の一つであって、該第3の実施形態のフィン8とは、その表面の領域分けが異なるものである。
即ち、この実施形態のフィン8においては、仮想線Lで示すように、上記第1領域11の範囲を、上記第3の実施形態のフィン8の場合よりも、高位側では狭め、低位側では広げたものである。
係る領域構成をとるフィン8は、上記第3の実施形態の場合よりも、高位側でのドレン量が多く、低位側でのドレン量が少ないような条件下で使用される熱交換器6のフィンとして用いるに好適なものである。
尚、上記第1領域11の表面での滴状凝縮と上記第2領域12の表面での膜状凝縮とによる作用効果については、上記第1の実施形態の該当説明を援用し、ここでの説明を省略する。
第5の実施形態
図8には、第5の実施形態に係るフィン8を示している。このフィン8も、上記第3の実施形態に係るフィン8の変形例の一つであって、該第3の実施形態のフィン8とは、その表面の領域分けが異なるものである。
図8には、第5の実施形態に係るフィン8を示している。このフィン8も、上記第3の実施形態に係るフィン8の変形例の一つであって、該第3の実施形態のフィン8とは、その表面の領域分けが異なるものである。
即ち、この実施形態のフィン8においては、上記第2領域12の範囲を、仮想線Lで示すように、上記第3の実施形態のフィン8の場合よりも、該フィン8の低位側において拡大したものである。
係る領域構成をとるフィン8は、上記第3の実施形態の場合よりも、低位側でのドレン量が多いような条件下で使用される熱交換器6のフィンとして用いるに好適なものである。
尚、上記第1領域11の表面での滴状凝縮と上記第2領域12の表面での膜状凝縮とによる作用効果については、上記第1の実施形態の該当説明を援用し、ここでの説明を省略する。
第6の実施形態
図9には、第6の実施形態に係るフィン8を示している。このフィン8も、上記第3の実施形態に係るフィン8の変形例の一つであって、該第3の実施形態のフィン8とは、その表面の領域分けが異なるものである。
図9には、第6の実施形態に係るフィン8を示している。このフィン8も、上記第3の実施形態に係るフィン8の変形例の一つであって、該第3の実施形態のフィン8とは、その表面の領域分けが異なるものである。
即ち、この実施形態のフィン8においては、仮想線Lで示すように、上記第3の実施形態のフィン8の場合よりも、上記第1領域11の範囲を該フィン8の高位側において拡大するとともに、上記第2領域12の範囲を該フィン8の低位側において拡大したものである。
係る領域構成をとるフィン8は、上記第3の実施形態の場合よりも、高位側でドレン量が少なく、低位側でのドレン量が多いような条件下で使用される熱交換器6のフィンとして用いるに好適なものである。
尚、上記第1領域11の表面での滴状凝縮と上記第2領域12の表面での膜状凝縮とによる作用効果については、上記第1の実施形態の該当説明を援用し、ここでの説明を省略する。
第7の実施形態
図10には、第7の実施形態に係るフィン8を示している。このフィン8も、上記第3の実施形態に係るフィン8の変形例の一つであって、該第3の実施形態のフィン8とは、その表面の領域分けが異なるものである。
図10には、第7の実施形態に係るフィン8を示している。このフィン8も、上記第3の実施形態に係るフィン8の変形例の一つであって、該第3の実施形態のフィン8とは、その表面の領域分けが異なるものである。
即ち、この実施形態のフィン8においては、上記第1領域11の範囲を、仮想線Lで示すように、上記第3の実施形態のフィン8の場合よりも、該フィン8の高位側において拡大したものであって、上記第6の実施形態に係るフィン8との対比では、該第6の実施形態の場合よりもさらに高位側での第1領域11の範囲を拡大するとともに、低位側での上記第2領域12の範囲を縮小したものである。
従って、係る領域構成をとるフィン8は、上記第6の実施形態の場合よりも、ドレン量がさらに少ないような条件下で使用される熱交換器6のフィンとして用いるに好適なものである。
尚、上記第1領域11の表面での滴状凝縮と上記第2領域12の表面での膜状凝縮とによる作用効果については、上記第1の実施形態の該当説明を援用し、ここでの説明を省略する。
第8の実施形態
図11には、第8の実施形態に係るフィン8を示している。このフィン8は、上記各実施形態のフィン8とは異なって、伝熱管9が一列に配置された構成をもつものであって、係る一列配置のものにおいて、上記第1の実施形態に係るフィン8の場合と同様に、該フィン8を通風方向に仮想的に二分し、通風方向上流側に位置する領域を第1領域11、通風方向下流側に位置する領域を第2領域12とするとともに、上記第1領域11の表面を撥水処理面又は超撥水処理面とし、上記第2領域12の表面を親水処理面としている。
図11には、第8の実施形態に係るフィン8を示している。このフィン8は、上記各実施形態のフィン8とは異なって、伝熱管9が一列に配置された構成をもつものであって、係る一列配置のものにおいて、上記第1の実施形態に係るフィン8の場合と同様に、該フィン8を通風方向に仮想的に二分し、通風方向上流側に位置する領域を第1領域11、通風方向下流側に位置する領域を第2領域12とするとともに、上記第1領域11の表面を撥水処理面又は超撥水処理面とし、上記第2領域12の表面を親水処理面としている。
係る構成を採用することで、熱交換能力の小さい熱交換器6においても、上記各実施形態のような熱交換能力の大きい複数列配置の熱交換器6の場合と同様の作用効果を得ることができ、延いては熱交換器の汎用性の拡大に寄与し得るものである。
尚、上記第1領域11の表面での滴状凝縮と上記第2領域12の表面での膜状凝縮とによる作用効果については、上記第1の実施形態の該当説明を援用し、ここでの説明を省略する。
1 ・・室内機
2 ・・ケーシング
3 ・・吸込口
4 ・・吹出口
5 ・・通風路
6 ・・熱交換器
7 ・・ファン
8 ・・フィン
9 ・・伝熱管
10 ・・通風路
11 ・・第1領域
12 ・・第2領域
13 ・・ドレーン受
14 ・・フラップ
20 ・・室外機
21 ・・ケーシング
22 ・・吸込口
23 ・・吹出口
24 ・・通風路
25 ・・熱交換器
26 ・・ファン
2 ・・ケーシング
3 ・・吸込口
4 ・・吹出口
5 ・・通風路
6 ・・熱交換器
7 ・・ファン
8 ・・フィン
9 ・・伝熱管
10 ・・通風路
11 ・・第1領域
12 ・・第2領域
13 ・・ドレーン受
14 ・・フラップ
20 ・・室外機
21 ・・ケーシング
22 ・・吸込口
23 ・・吹出口
24 ・・通風路
25 ・・熱交換器
26 ・・ファン
Claims (5)
- 所定間隔で順次対向配置された多数枚のフィン(8)と、該各フィン(8)に直交する状態で配置された伝熱管(9)とからなる熱交換器であって、
上記フィン(8)の通風方向上流側の第1領域(11)の表面を撥水処理面又は超撥水処理面とし、通風方向下流側の第2領域(12)の表面を親水処理面としたことを特徴とする熱交換器。 - 請求項1において、
上記第1領域(11)の範囲が、上記フィン(8)の高位側から低位側に向かうに伴って減少するように設定されていることを特徴とする熱交換器。 - 請求項1において、
上記第1領域(11)の範囲が、高湿度環境下で使用されるものほど狭く設定されていることを特徴とする熱交換器。 - 請求項1において、
上記第1領域(11)の範囲が、低冷媒温度下で使用されるものほど狭く設定されていることを特徴とする熱交換器。 - 請求項1,2,3又は4において、
上記伝熱管(9)が、通風方向に一列又は複数列に配置されていることを特徴とする熱交換器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007083821A JP2008241179A (ja) | 2007-03-28 | 2007-03-28 | 熱交換器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007083821A JP2008241179A (ja) | 2007-03-28 | 2007-03-28 | 熱交換器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008241179A true JP2008241179A (ja) | 2008-10-09 |
Family
ID=39912744
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007083821A Pending JP2008241179A (ja) | 2007-03-28 | 2007-03-28 | 熱交換器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008241179A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010138910A (ja) * | 2008-12-15 | 2010-06-24 | Astrium Gmbh | 高温ガスチャンバ |
-
2007
- 2007-03-28 JP JP2007083821A patent/JP2008241179A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010138910A (ja) * | 2008-12-15 | 2010-06-24 | Astrium Gmbh | 高温ガスチャンバ |
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