JP2008240068A - 面取部成膜用ノズルおよび成膜装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】基材の面取部に対して的確に衝突する微粒子の密度を向上させ、成膜に寄与しない微粒子割合を減少させるとともに、機械的強度が大きく、均一な被膜を形成可能な面取部成膜用ノズルおよび成膜装置を提供する。
【解決手段】微粒子をガス中に分散させたエアロゾルを基材の面取部8bに向けて吐出する面取部成膜用ノズル1であって、該ノズル1は吐出開口部1aを有し、該開口部1aのエアロゾル吐出方向に垂直な断面形状が基材面取部8bの幅8aを1辺の長さとした正方形、または基材面取部8bの幅8aを直径とした円形であり、成膜装置はこの面取部成膜用ノズル1を用いる。
【選択図】図1
【解決手段】微粒子をガス中に分散させたエアロゾルを基材の面取部8bに向けて吐出する面取部成膜用ノズル1であって、該ノズル1は吐出開口部1aを有し、該開口部1aのエアロゾル吐出方向に垂直な断面形状が基材面取部8bの幅8aを1辺の長さとした正方形、または基材面取部8bの幅8aを直径とした円形であり、成膜装置はこの面取部成膜用ノズル1を用いる。
【選択図】図1
Description
本発明は、微粒子を含むエアロゾルを基材の面取部等に吹付け、被膜を面取部上に形成するエアロゾルデポジション(以下、ADと記す)法において使用される面取部成膜用ノズルおよび該ノズルを用いた成膜装置に関し、例えば、鉄道車両用軸受等の絶縁軸受においてその面取部への絶縁被膜加工に使用される。
基板上の膜の形成方法として、微粒子ビーム堆積法あるいはAD法と呼ばれる脆性材料の膜や構造物の形成方法がある。AD法は、脆性材料の微粒子を含むエアロゾルをノズルから基板に向けて吐出し、基板に微粒子を衝突させて、その機械的衝撃力を利用して脆性材料の多結晶構造物を基板上にダイレクトに形成する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、ノズルからエアロゾルを噴射させるための矩形の導出開口の長辺方向を拡大し、かつ導出開口から導出されるエアロゾル濃度が均一になるように、エアロゾルが通過するエアロゾル通過空間を有するノズル本体の内部形状を工夫したいろいろな開口部形状が提案されている(特許文献2参照)。
また、AD法で使用されるノズルは、噴出した微粒子流束のうち速度の遅い粒子成分を基板に到達させない構成とするためノズルから噴出される微粒子流束のうちの外周部にあたる速度の遅い流束成分の一部または全部が基板へ到達することを阻止し、残りの速度の速い流速成分を選択的に基板に衝突させる構造等が知られている(特許文献3参照)。
しかしながら、これら開示されているノズルはいずれも主に平面上の基板に対する成膜用であり、軸受外輪のような円周部もしくは面取部のような曲面形状に最適なノズル形状は提案されていない。開示されているノズル先端はフラットであり平面基板には適するが、曲面形状の面取部の場合、ノズル先端と面取部との距離が場所によって異なるため、流速ムラが発生するので好ましくない。特に大きな軸受(φ100 mm 以上)の場合、面取部の曲率が大きくなるので、フラット形状は好ましくない。またこれらのノズルは基板表面に対してノズル開口部が矩形形状であり、軸受の外輪外周部の面取部(チャンファー部)等のような狭い曲面を有する基材に成膜する時には、ノズル吐出面積が広いために基材の狭い曲面外に吐出され無駄になるセラミックス微粒子が多くなるという問題がある。
特開平11−21677号公報
特開2003−247080号公報
特開2002−320879号公報
本発明はこのような問題に対処するためになされたものであり、基材の面取部に対して的確に衝突する微粒子の密度を向上させ、成膜に寄与しない微粒子割合を減少させるとともに、機械的強度が大きく、均一な被膜を形成可能な面取部成膜用ノズルおよび成膜装置を提供することを目的とする。
本発明の面取部成膜用ノズルは、微粒子をガス中に分散させたエアロゾルを基材の面取部に向けて吐出する面取部成膜用ノズルであって、該ノズルは上記エアロゾルを吐出するための吐出開口部を有し、該開口部のエアロゾル吐出方向に垂直な断面形状が基材の面取部の幅を1辺の長さとした正方形、または基材の面取部の幅を直径とした円形であることを特徴とする。
なお、本発明において「面取部の幅」とは基材断面図における面取部の両端を結ぶ線分の長さをいい、例えば面取り角度 45 度のとき面取り深さをaとすると面取部の幅は21/2aである。
なお、本発明において「面取部の幅」とは基材断面図における面取部の両端を結ぶ線分の長さをいい、例えば面取り角度 45 度のとき面取り深さをaとすると面取部の幅は21/2aである。
上記吐出開口部は、開口部両端を結ぶ直線に対し凹型の曲率を有し、該曲率は基材面取部の曲率と同一であることを特徴とする。なお、開口部両端とは、基材断面図における上記面取部の両端に対応する位置である。
上記微粒子はセラミックス微粒子であり、平均粒子径が 0.01〜2μm であることを特徴とする。また、上記セラミックス微粒子は、アルミナ微粒子であることを特徴とする。
本発明の成膜装置は微粒子をガス中に分散させたエアロゾルを、真空チャンバー内で上記面取部成膜用ノズルから基材上に吐出し衝突させて成膜を行なうことを特徴とする。
本発明の面取部成膜用ノズルは、微粒子をガス中に分散させたエアロゾルを基材の面取部に向けて吐出する面取部成膜用ノズルであって、該ノズルは吐出開口部を有し、該開口部のエアロゾル吐出方向に垂直な断面形状が基材面取部の幅を1辺の長さとした正方形、または基材面取部の幅を直径とした円形であるので、被膜を形成する基材である面取部の幅と同一の幅でエアロゾルを吐出することができる。このため面取部の表面以外の部分に噴射され、無駄となる微粒子をなくすことができる。
また、面取部成膜用ノズルの開口部の幅が面取部の幅と同一であるため、面取部表面に噴射される吐出微粒子間の速度差を小さくすることができるので、吐出微粒子の速度分布のばらつきが小さくなり、成膜効率が向上する。
また、面取部成膜用ノズルの開口部の幅が面取部の幅と同一であるため、面取部表面に噴射される吐出微粒子間の速度差を小さくすることができるので、吐出微粒子の速度分布のばらつきが小さくなり、成膜効率が向上する。
また、上記吐出開口部が、開口部両端を結ぶ直線に対し凹型の曲率を有し、該曲率は基材面取部の曲率と同一であるので、ノズル先端と面取部の隙間が絶えず一定となり、流速ムラが少なくなりノズル開口部断面における吐出微粒子間の速度差をなくすことができ、吐出微粒子の速度分布のばらつきをさらに小さくすることができ、より成膜効率が向上する。
本発明の成膜装置は、微粒子をガス中に分散させたエアロゾルを、真空チャンバー内で上記面取部成膜用ノズルから基材上に吐出し衝突させて成膜を行なうので被膜を形成する基材である面取部の幅と同一の幅でエアロゾルを吐出することができる。このため面取部の表面以外の部分に噴射され、無駄となる微粒子をなくせるとともに、面取部表面に噴射される吐出微粒子間の速度差を小さくでき、高い成膜効率での成膜が可能となる。
本発明においてAD法は、セラミックス等の微粒子をガス中に分散させたエアロゾルを基材に向けてエアロゾル吐出ノズルより噴射するエアロゾルを基材表面に高速で衝突させ、セラミックス等の微粒子の構成材料からなる被膜を基材上に形成させる方法である。AD法における成膜原理を以下に説明する。
延展性を持たない脆性材料(セラミックス)に機械的衝撃力を付加すると、結晶同士の界面等のへき開面に沿って結晶格子のズレを生じたり、あるいは破砕される。そして、これらの現象が起こると、ズレ面や破面には、もともと内部に存在し別の原子として結合していた原子が剥き出しの状態となった新生面が形成される。この新生面の原子一層の部分は、もともと安定した原子結合状態から外力により強制的に不安定な表面状態に晒され、表面エネルギーが高い状態となる。この活性面が隣接した脆性材料表面や同じく隣接した脆性材料の新生面あるいは基材表面と接合して安定状態に移行する。外部からの連続した機械的衝撃力の付加は、この現象を継続的に発生させ、粒子の変形、破砕等の繰り返しにより接合の進展、緻密化が行なわれ、脆性材料からなる被膜や構造物が形成される。
本発明の成膜装置を図3に基づいて説明する。図3は本発明の成膜装置用吐出ノズルを組み込んだ成膜装置を示す図である。
図3に示すように、AD法による成膜装置4はエアロゾル発生装置7と真空チャンバー5とを有する。エアロゾル発生装置7は、予め収容された微粒子と、ガス供給設備6から供給される搬送ガスとからなるエアロゾルを形成し、エアロゾル吐出ノズル1にエアロゾルを供給する。使用可能な搬送ガスとしては、アルゴン、窒素、ヘリウム等の不活性ガスが挙げられる。
図3に示すように、AD法による成膜装置4はエアロゾル発生装置7と真空チャンバー5とを有する。エアロゾル発生装置7は、予め収容された微粒子と、ガス供給設備6から供給される搬送ガスとからなるエアロゾルを形成し、エアロゾル吐出ノズル1にエアロゾルを供給する。使用可能な搬送ガスとしては、アルゴン、窒素、ヘリウム等の不活性ガスが挙げられる。
真空チャンバー5内には、被膜形成対象の基材である外輪8と、面取部成膜用ノズル1とが配設されている。外輪8は対象物回転用モータ10にセットされ所定回転数で外径方向に回転(図中A)されるとともに、位置決め用XYテーブル9により軸方向に移動(図中B)される。真空チャンバー5の内部は真空ポンプ12によって減圧される。微粒子の混入を防止するため、真空ポンプ12の直前に微粒子フィルター11が設けられている。
面取部成膜用ノズル1は、対象とする面取部(チャンファー部)を切り替えるための切替部3および案内配管2を介して、エアロゾルを基材である軸受の面取部に向けて吐出するノズルである。一方の面取部の成膜終了後、切替部3を切り替えて点線で示した案内配管2および面取部成膜用ノズル1からもう一方の面取部に成膜することができる。
なお、図3において切替部3は必ずしも用いる必要はなく、例えば、もう一方の面取部に点線で示した案内配管および面取部成膜用ノズルに直接接続するエアロゾル供給配管を設けることによって、両方の面取部に一度に成膜することができる。
なお、図3において切替部3は必ずしも用いる必要はなく、例えば、もう一方の面取部に点線で示した案内配管および面取部成膜用ノズルに直接接続するエアロゾル供給配管を設けることによって、両方の面取部に一度に成膜することができる。
本発明の一実施例に係る面取部成膜用ノズルを図1に基づいて説明する。図1は面取部成膜用ノズルの先端部と面取部との関係を示す図であり、図3のC部分を拡大して示す図である。
図1に示すように、本発明の面取部成膜用ノズル1は、エアロゾルを基材である軸受外輪8の面取部8bに向けて吐出するものであり、該ノズル1は吐出開口部1aを有し、該開口部1aのエアロゾル吐出方向に垂直な断面形状が面取部の幅8aを1辺の長さとした正方形である。
図1に示すように、本発明の面取部成膜用ノズル1は、エアロゾルを基材である軸受外輪8の面取部8bに向けて吐出するものであり、該ノズル1は吐出開口部1aを有し、該開口部1aのエアロゾル吐出方向に垂直な断面形状が面取部の幅8aを1辺の長さとした正方形である。
本発明の他の実施例に係る面取部成膜用ノズルを図2に基づいて説明する。図2は面取部成膜用ノズルの先端部と面取部との関係を示す図であり、図3のC部分を拡大して示す図である。
図2に示すように、本発明の面取部成膜用ノズル1は、エアロゾルを基材である軸受外輪8の面取部8bに向けて吐出するものである。面取部8bの両端E、Fを結ぶ円弧の長さと、ノズル1の吐出開口部1bの両端G、Hを結ぶ円弧の長さが等しい。また、吐出開口部1bは、直線GHに対し凹型の曲率を有し、該曲率は面取部8bの曲率と同一である。なお、図2の奥行き方向の吐出開口部1bの幅は、面取部8bの幅8aと同じであり、吐出開口部1bは上記曲率および幅を有する半円筒の内径面形状である。
図2に示すように、本発明の面取部成膜用ノズル1は、エアロゾルを基材である軸受外輪8の面取部8bに向けて吐出するものである。面取部8bの両端E、Fを結ぶ円弧の長さと、ノズル1の吐出開口部1bの両端G、Hを結ぶ円弧の長さが等しい。また、吐出開口部1bは、直線GHに対し凹型の曲率を有し、該曲率は面取部8bの曲率と同一である。なお、図2の奥行き方向の吐出開口部1bの幅は、面取部8bの幅8aと同じであり、吐出開口部1bは上記曲率および幅を有する半円筒の内径面形状である。
図1および図2において、軸受外周面の面取部を示したが、同様に軸受内周面の面取部などについても本ノズルを適用できる。また、各図に示すR形状の他、C形状にも適用できる。
本発明の成膜装置を用いた成膜方法について図3に基づき以下に説明する。
まず、被膜形成対象の基材である外輪8を真空チャンバー5内の対象物回転用モータ10にセットし、外輪8を回転させたときに外輪8の一方の面取部の幅両端と、面取部成膜用ノズル1の吐出開口部の幅の両端とが、それぞれ等距離になり、面取部成膜用ノズル1の吐出開口部の中心と面取幅の中心とを結ぶ直線の垂直方向に対する角度が 45 度になることを確認する。
次に、エアロゾル発生装置7に所定量のセラミックス等の微粒子を仕込み、真空ポンプ12を起動し、真空チャンバー5内を所定の減圧度に保ちつつ、ガス供給設備6から搬送ガスをエアロゾル発生装置7に供給する。エアロゾル発生装置7にて発生したエアロゾルが、エアロゾル供給配管を経由して面取部成膜用ノズル1から噴射される。
一方の面取部の成膜終了後、切替部3を切り替えて点線で示した位置に案内配管および面取部成膜用ノズルをセットし、もう一方の面取部に成膜する。
まず、被膜形成対象の基材である外輪8を真空チャンバー5内の対象物回転用モータ10にセットし、外輪8を回転させたときに外輪8の一方の面取部の幅両端と、面取部成膜用ノズル1の吐出開口部の幅の両端とが、それぞれ等距離になり、面取部成膜用ノズル1の吐出開口部の中心と面取幅の中心とを結ぶ直線の垂直方向に対する角度が 45 度になることを確認する。
次に、エアロゾル発生装置7に所定量のセラミックス等の微粒子を仕込み、真空ポンプ12を起動し、真空チャンバー5内を所定の減圧度に保ちつつ、ガス供給設備6から搬送ガスをエアロゾル発生装置7に供給する。エアロゾル発生装置7にて発生したエアロゾルが、エアロゾル供給配管を経由して面取部成膜用ノズル1から噴射される。
一方の面取部の成膜終了後、切替部3を切り替えて点線で示した位置に案内配管および面取部成膜用ノズルをセットし、もう一方の面取部に成膜する。
本発明の面取部成膜用ノズルの材質は、セラミックス、金属およびプラスチック等目的とする形状に賦形でき、かつ成膜時にエアロゾルの吐出で甚大な摩耗損傷を生じなければ使用することができる。例えばプラスチックの場合、光造形法などで本ノズルを製作してもよい。
本発明の面取部成膜用ノズルおよび成膜装置において使用できる微粒子としては、成膜可能なものであればよく、主にセラミックス微粒子が挙げられる。セラミックス微粒子としては、例えば、アルミナ、ジルコニア、チタニア等の酸化物、炭化ケイ素、窒化ケイ素等の微粒子が挙げられる。これらの中で、それぞれのセラミックスの高純度グレードにおいて、真比重が小さい方がエアロゾル化しやすいことから、アルミナ微粒子が好ましい。
セラミックス微粒子以外でも、シリコン、ゲルマニウムなどのへき開性の強い脆性材料の微粒子を使用することも可能である。
セラミックス微粒子以外でも、シリコン、ゲルマニウムなどのへき開性の強い脆性材料の微粒子を使用することも可能である。
本発明の面取部成膜用ノズルおよび成膜装置において使用する微粒子の平均粒子径は、0.01〜2μm であることが好ましい。0.01μm 未満では凝集しやすくエアロゾル化は困難であり、2μm をこえるとAD法での膜形成はできない(膜成長しない)。なお、本発明において平均粒子径は日機装株式会社製:レーザー式粒度分析計マイクロトラックMT3000によって測定した値である。
また、成膜を良好に行なうため、基材への衝突時に微粒子が容易に粉砕するように、ボールミル、ジェットミル等の粉砕機を用いて微粒子にクラックを予め形成しておくことが好ましい。
また、成膜を良好に行なうため、基材への衝突時に微粒子が容易に粉砕するように、ボールミル、ジェットミル等の粉砕機を用いて微粒子にクラックを予め形成しておくことが好ましい。
以下の実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
セラミックス微粒子(アルミナ:住友化学社製AKP−50、平均粒子径 0.2μm )を用いて、以下のようにして基材である軸受面取部にセラミックス被膜を形成した。
上記セラミックス微粒子を図3に示されるエアロゾル発生装置7に装填し、真空ポンプ12を起動した後、搬送ガスとして窒素ガスを 7 L/分の流量で装置内に流しながら、エアロゾルを発生させた。発生させたエアロゾルを、軸受番号NU214の外輪(外径 125 mm×内径 108 mm×幅 24 mm、面取幅 2.9 mm)面取り上に面取部成膜用ノズル1の吐出開口部1a( 3 mm× 3 mm、図1参照)から噴射させ、外輪8を対象物回転用モータ10により所定回転数で回転(図中A)させるとともに、位置決め用XYテーブル9により軸方向に移動(図中B)させ、面取部にアルミナ被膜を形成させた。
得られたアルミナ被膜について以下に示す膜厚測定試験に供し、それぞれ成膜速度(μm・cm/分)を測定した。
セラミックス微粒子(アルミナ:住友化学社製AKP−50、平均粒子径 0.2μm )を用いて、以下のようにして基材である軸受面取部にセラミックス被膜を形成した。
上記セラミックス微粒子を図3に示されるエアロゾル発生装置7に装填し、真空ポンプ12を起動した後、搬送ガスとして窒素ガスを 7 L/分の流量で装置内に流しながら、エアロゾルを発生させた。発生させたエアロゾルを、軸受番号NU214の外輪(外径 125 mm×内径 108 mm×幅 24 mm、面取幅 2.9 mm)面取り上に面取部成膜用ノズル1の吐出開口部1a( 3 mm× 3 mm、図1参照)から噴射させ、外輪8を対象物回転用モータ10により所定回転数で回転(図中A)させるとともに、位置決め用XYテーブル9により軸方向に移動(図中B)させ、面取部にアルミナ被膜を形成させた。
得られたアルミナ被膜について以下に示す膜厚測定試験に供し、それぞれ成膜速度(μm・cm/分)を測定した。
<膜厚測定試験>
作製したアルミナ被膜の厚さを触針式表面形状測定器(日本真空技術社製、Dectak3030)を用いて測定することにより、アルミナ被膜の成膜速度(μm・cm/分)を算出した。成膜速度(μm・cm/分)は、1分間にスキャン距離1cm につき形成される被膜の厚さ(μm )を意味する。
作製したアルミナ被膜の厚さを触針式表面形状測定器(日本真空技術社製、Dectak3030)を用いて測定することにより、アルミナ被膜の成膜速度(μm・cm/分)を算出した。成膜速度(μm・cm/分)は、1分間にスキャン距離1cm につき形成される被膜の厚さ(μm )を意味する。
実施例2
実施例1において面取部成膜用ノズル1の吐出開口部1b(図2参照)を用いたこと以外は実施例1同様に実施した。測定結果を表1に併記する。
実施例1において面取部成膜用ノズル1の吐出開口部1b(図2参照)を用いたこと以外は実施例1同様に実施した。測定結果を表1に併記する。
比較例1
面取部成膜用ノズルとしてフラットな矩形の吐出開口部( 10 mm× 2 mm)を有する従来のエアロゾル吐出ノズルを用いたこと以外は実施例1同様に実施した。測定結果を表1に併記する。
面取部成膜用ノズルとしてフラットな矩形の吐出開口部( 10 mm× 2 mm)を有する従来のエアロゾル吐出ノズルを用いたこと以外は実施例1同様に実施した。測定結果を表1に併記する。
本発明の面取部成膜用ノズルを備えた成膜装置は、軸受の外輪外周部の面取部などに対し的確に衝突する微粒子の密度を向上させ、成膜に寄与しない微粒子割合を減少させるとともに、機械的強度が大きく、均一な被膜を形成することができるので、各種産業部品の面取部へのセラミックス被膜形成等に好適に利用できる。
1 面取部成膜用ノズル
1a 吐出開口部
1b 吐出開口部
2 案内配管
3 切替部
4 成膜装置
5 真空チャンバー
6 ガス供給設備
7 エアロゾル発生装置
8 外輪(基材)
8a 面取部幅
8b 面取部
9 XYテーブル
10 対象物回転用モータ
11 微粒子フィルター
12 真空ポンプ
1a 吐出開口部
1b 吐出開口部
2 案内配管
3 切替部
4 成膜装置
5 真空チャンバー
6 ガス供給設備
7 エアロゾル発生装置
8 外輪(基材)
8a 面取部幅
8b 面取部
9 XYテーブル
10 対象物回転用モータ
11 微粒子フィルター
12 真空ポンプ
Claims (5)
- 微粒子をガス中に分散させたエアロゾルを基材の面取部に向けて吐出する面取部成膜用ノズルであって、
該ノズルは先端に前記エアロゾルを吐出するための吐出開口部を有し、該吐出開口部のエアロゾル吐出方向に垂直な断面形状が基材の面取部の幅を1辺の長さとした正方形、または、基材の面取部の幅を直径とした円形であることを特徴とする面取部成膜用ノズル。 - 前記吐出開口部の形状が、開口部両端を結ぶ直線に対して凹型の曲率を有し、該曲率は基材面取部の曲率と同一であることを特徴とする請求項1記載の面取部成膜用ノズル。
- 前記微粒子はセラミックス微粒子であり、平均粒子径が 0.01〜2μm であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の面取部成膜用ノズル。
- 前記セラミックス微粒子は、アルミナ微粒子であることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の面取部成膜用ノズル。
- 微粒子をガス中に分散させたエアロゾルを、真空チャンバー内で面取部成膜用ノズルから基材上に吐出し衝突させて成膜を行なう成膜装置であって、
前記面取部成膜用ノズルが、請求項1ないし請求項4のいずれか一項記載の面取部成膜用ノズルであることを特徴とする成膜装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2015099801A (ja) * | 2010-01-13 | 2015-05-28 | ソニー株式会社 | 非水電解質電池用セパレータおよび非水電解質電池 |
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2007
- 2007-03-27 JP JP2007082071A patent/JP2008240068A/ja active Pending
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