JP2008238314A - 切削工具およびその製造方法並びに切削方法 - Google Patents

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【課題】耐摩耗性に優れた(Ti,Al)N層からなる被覆層を備える切削工具を提供する
【解決手段】基体と、基体の表面に形成されたTiおよびAlを含む被覆層6とを備え、前記基体は、上面にすくい面、側面に逃げ面4を有し、すくい面と逃げ面との交差稜部の少なくとも一部に切刃を備える切削工具において、逃げ面における被覆層のX線解析パターンのうち(111)面に帰属するピークの半価幅Bfを0.6°以上とする。また、前記すくい面における被覆層のX線解析パターンのうち、(111)面に帰属するピークの半価幅Brが0.9°以上であり、前記半価幅Bfおよび前記半価幅Brが、Bf/Br=0.6〜0.85の範囲内であることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、基体の表面に被覆層を形成した切削工具およびその製造方法並びに切削方法に関する。
従来から、炭化タングステン基超硬合金や、炭窒化チタン基サーメットなどの硬質合金からなる基体の表面に、炭化チタン、窒化チタン、炭窒化チタンなどのチタン系化合物からなり、耐摩耗性、機械的強度に優れる被覆層を形成してなる切削工具が広く用いられている。
中でも、(Ti,Al)Nからなる被覆層は、硬度が高く、かつ高温に晒された場合での耐酸化性に優れており、被覆層として好適に使用されている。かかる(Ti,Al)Nからなる被覆層の性能向上のために種々の提案がなされている。
例えば、Al濃度が異なる3層以上の(Ti,Al)Nからなる積層構造を有し、Al濃度が高い層の間にAl濃度が低い層を挟持してなる被覆層が提案されている(例えば特許文献1参照)。また、低硬度の(Ti,Al)N層と高硬度の(Ti,Al)N層とを交互に積層した多層(Ti,Al)N層が提案されている(例えば特許文献2)。これらの技術は、靭性が高くかつ耐酸化性の低い層を、靭性が低くかつ耐酸化性の高い層で挟むことにより、被覆層での歪みおよび残留圧縮内部応力を分散させて緩和し、Alの添加による耐欠損性の低下を抑制することができる。
特開平6−316756号公報 特開平11−61380号公報
しかしながら、Al濃度の低い層はAl濃度が高い層と比べて耐酸化性に劣るため、切削加工中に上層が摩耗して露出すると急激に酸化が進んで当該箇所が劣化し摩耗が進んでしまい、被覆層全体としての耐摩耗性が十分でないといった問題がある。
また、特許文献1および特許文献2に記載のような異なる組成からなる複数の(Ti,Al)N層が積層された多層構造を有する被覆層は、TiとAlとの組成比率等を適宜調整するために反応系内に組成が異なる複数のターゲットを設置する必要があり、設備、条件設定などにおいて大幅な制限が課される恐れがあり、工業規模での実施が困難であるとの問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑み、耐摩耗性に優れた(Ti,Al)N層からなる被覆層を備える切削工具を提供することを目的とする。また、基体の表面に耐摩耗性に優れた(Ti,Al)N層からなる被覆層を容易に形成することができる切削工具の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、被覆層の結晶面配向性および結晶化度を考慮し、適正な状態で基体表面に被覆することにより優れた切削工具を提供できることを見出した。
即ち、本発明の切削工具は、基体と、該基体の表面に形成されたTiおよびAlを含む被覆層とを備え、前記基体は、上面にすくい面、側面に逃げ面を有し、前記すくい面と逃げ面との交差稜線の少なくとも一部に切刃を備える切削工具において、前記逃げ面における被覆層のX線解析パターンのうち(111)面に帰属するピークの半価幅Bfが0.6°以上であることを特徴とするものである。
また、上記発明において、前記すくい面における被覆層のX線解析パターンのうち、(111)面に帰属するピークの半価幅Brが0.9°以上であり、前記半価幅Bfおよび前記半価幅Brが、Bf/Br=0.6〜0.85の範囲内であることを特徴とする。
また、上記発明において、前記半価幅Bfおよび前記半価幅Brは、2θ=36.5〜38.0の範囲内にX線解析パターンのピークを有することを特徴とする。
本発明の切削工具の製造方法は、上面および側面を有する基体を準備する工程と、該基体の上面の平均算術表面粗さ(Ra)が0.03〜0.2μm、側面のRaが0.01〜0.15μmとなるように表面処理を施す工程と、表面処理を行った後、前記基体の上面および側面にTiおよびAlを含む被覆層を形成する工程と、を備えることを特徴とする。
上記請求項1にかかる発明においては、被覆層におけるTiとAlとの組成比率の異なるターゲットを使用することなく、切削工具のうち最も耐摩耗性および耐欠損性が求められる切刃近傍における被覆層の逃げ面における結晶化度を制御することにより、被覆層全体として優れた耐摩耗性を備えることができる。そのため、高寿命の切削工具を提供することができる。
また、請求項2にかかる発明においては、耐摩耗性が重視される逃げ面と比較して、靭性が重視される被覆層のすくい面における結晶化度を制御することより、被覆層のすくい面、逃げ面の各箇所で求められる機能を十分に備えることができる。そのため、さらに高寿命の切削工具を提供することができる。
本発明の切削工具の一実施例を、切削工具の概略斜視図である図1、本発明の一実施例にかかる切削工具の概略断面図である図2、及び、図2の基体と被覆層の界面部分(E部分)の拡大図である図3を用いて説明する。
なお、上記切削工具としては、ろう付けタイプ又はスローアウェイタイプの旋削バイトに用いられる切削インサートや、ソリッドタイプのドリル又はエンドミル等、切削に寄与する切刃部分を備えるもののことを指す。なお、以下に記載の実施例においては切削工具としてホルダに取り付けられる切削インサートを例示して説明する。
図1によれば、本発明の切削工具(以下、単に工具と略す。)1は、主面にすくい面3を、側面に逃げ面4を、すくい面3と逃げ面4との交差稜線に切刃5を有し、基体2の表面に被覆層6を成膜した構成となっている。
本発明の被覆層6は、硬度や靭性、耐酸化性等の切削加工に必要な特性に優れている少なくともチタン元素(Ti)およびアルミニウム元素(Al)を含む複合化合物よりなる材質にて構成される。具体的には、(Ti,Al,Cr)N、(Ti,Al,W,Nb,Si)N、(Ti,Al)N等が挙げられる。中でも、(Ti,Al)Nは、硬度が高く、かつ高温に晒された場合での耐酸化性に優れているため、特に好ましい。
ここで本発明によれば、逃げ面4における被覆層6のX線解析パターンのうち(111)面に帰属するピークの半価幅Bfが0.6°以上となっている。即ち、被覆層6を構成する粒子のうち、(111)面の粒子が微粒化されているとともに粒子の成長方向が均一となっている。これにより、逃げ面4の耐摩耗性を向上させることができる。
また、半価幅Bfを0.6°〜0.8°の範囲内とすることが好ましい。これによって被覆層6を構成する粒子が基体2と略垂直に均一に成長する柱状結晶となり、かつ、ほぼ均一な結晶幅を持つようになるため、膜内に応力集中がかかりにくくなる。すなわち、均一に整列した構造を持つことによって、衝撃や摩擦によって粒子の脱落を起こしにくい構造となるため、特に擦れ摩耗によって摩耗が進行していく逃げ面において耐摩耗性を向上させることができる。
ここで、半価幅Bfを測定する方法としては、X線回折分析(XRD)によって測定することができる。分析の条件としては、例えばCuKα線を用い、X線の出力を40kV、40mAとし、ステップ幅0.02°で測定可能である。
また、すくい面3における被覆層6のX線解析パターンのうち、(111)面に帰属するピークの半価幅Brを0.9°以上、特に0.9°〜1.2°の範囲内とし、かつ、半価幅Bfおよび半価幅Brが、Bf/Br=0.6〜0.85、特に0.7〜0.8の範囲内であることが好ましい。被覆層6を当該範囲に調整することによって、すくい面における被覆層の靭性を向上させることができる。
即ち、半価幅Brを0.9以上とすることによってすくい面に成膜される被覆層6の結晶がランダムに成長するため、粒子と粒子との界面を進むクラックの進展が偏向されやすくなる結果、大きな衝撃がかかりやすいすくい面での被覆層6の靭性が向上する。
また、Bf/Brを0.6以上0.85以下とすることで逃げ面において十分な耐摩耗性を発揮することができるとともに、すくい面において十分な耐欠損性を発揮させることができ、耐摩耗性と耐欠損性のバランスを最適化させることができる。
このとき、半価幅Bfおよび半価幅Brが、2θ=36.5〜38.0°の範囲内に(111)面のX線解析パターンのピークを有することが好ましい。これより、成膜時に発生する残留圧縮応力を最適化することができる。つまり、半価幅Bfおよび半価幅Brの2θを36.5°以上38.0°以下の範囲内に調整することで圧縮応力による被覆層の剥離やチッピングを抑制することができるとともに、圧縮応力の低下による膜の剥離を抑制することができる。
なお、すくい面におけるX線解析パターンのピークの測定方法は、半価幅Bfを測定する方法と同様の条件のX線回折分析によって測定できるが、切削工具のすくい面はホルダの載地面に取り付けたときに、がたつきが発生することを抑えるため、研磨を施している部分があり、その部分のX線回折分析を行ってしまうと正確な値が得られにくくなってしまう。そのため、研磨部にマスクをしたり、研磨部を加工によって取り除いた状態でX線回折分析を行うことが望ましい。
[製造方法]
次に、本発明の切削工具の製造方法の一例として、炭化タングステン基超硬合金を基体とした切削工具用スローアウェイチップの製造方法について説明する。
まず、原料として炭化タングステン(WC)粉末と、コバルト(Co)又はニッケル(Ni)の鉄族金属粉末を用い、さらに添加物として、周期表の4、5、6族金属、Si、Alから選ばれる元素の炭化物、窒化物、酸化物、炭窒化物等の化合物粉末、又は、複合化合物粉末、白金族元素粉末等を加えたものを混合、粉砕して混合粉末を作製する。
作製した混合粉末を一般的な成形法にて成形し、真空焼成、窒素雰囲気焼成等の還元雰囲気で焼成し、焼結体からなる基体を作製する。
当該基体の切削工具のすくい面となる第1面と、該第1面に連なるとともに切削工具の逃げ面となる少なくとも1つ第2面を備えており、前記すくい面と逃げ面との交差稜線が、切削工具の切刃として機能する。
なお、得られた基体に、所望によりR面ホーニングや、C面ホーニング等の刃先処理を施してもよい。
ここで、本発明によれば、被覆層6を成膜する前処理としてすくい面3となる基体の上面(第1面)の平均算術表面粗さ(Ra)が0.03〜0.2μm、逃げ面となる基体の側面(第2面)の平均算術表面粗さ(Ra)が0.01〜0.15μmとなるように表面処理を施すことによって、被覆層6の半価幅Bf、Brを本発明の範囲内に容易に調整することができる。
表面処理方法としては、ショットブラスト、ブラシ等の加工方法によって加工することが、切屑処理のためのブレーカ溝等の窪みにも均一に加工を施すことができるため望ましい。
このとき、逃げ面4の表面粗さをRf、すくい面3の表面粗さをRrとしたとき、Rf<Rrとなるように加工することによって、被覆層6を成膜したときに逃げ面4とすくい面3の耐摩耗性および耐欠損性が最適化されるため望ましい。
ここで、基体2の表面粗さの測定方法は、触針式の表面粗さ測定器にて、JIS B0601’01に準拠して触針式表面粗さ測定器を用い、カットオフ値0.25mm、基準長さ:0.8mm、走査速度:0.1mm/秒にて測定することができる。
また、被覆層を成膜した後に測定する場合は、基体と被覆層との界面9を走査型電子顕微鏡(SEM)にて15000倍で観察し、基体の面粗さを測定する。具体的には、図2及び図3に示すように、基体と被覆層との界面9での最も基体が突出している最高点を通る基体と略平行な直線Aと最も基体がへこんでいる最低点を通り、基体と略平行な直線Bを形成する。そのAとBの最短距離の中点を通り、基体と略平行な直線を基準線Cとした。次に、基体と被覆層との界面の起伏の山の最高部および谷の最深部と基準線との最短距離をそれぞれの山と谷ごとに測定し、その距離の平均の値を基体の面粗さとした。上記方法にて基体の面粗さをすくい面と逃げ面でそれぞれ5箇所ずつ測定し、その平均を算出することによって擬似的に測定することができる。
表面処理を行った後、被覆層6を物理蒸着法(PVD)によって以下の条件で成膜する。
例えば(Ti、Al)N膜を成膜する基本的な条件は、成膜時のガス圧力2〜5Pa、バイアス電圧15〜300V、成膜温度500〜600℃に制御する。
ここで、本発明によれば、成膜時の基体に加えるバイアス電圧を、初期1分間程度のみ15〜50Vとし、その後、100〜300Vへと変化させることによって、膜中の不活性ガス含有量を所定の範囲内に制御することができるとともに、被覆層のX線回折法で検出されたピークのうち、結晶の(111)面に起因するピークの強度を最大とすることができる。
また、特に、成膜時に導入する反応ガスとして窒素と不活性ガスとの流量比率が、不活性ガス/窒素=1〜3とすることでより微細な結晶構造と成り、かつ、異常成長した粒子を少なくすることができるため望ましい。
ここで、不活性ガスを複数の種類使用する場合は、窒素の流量と不活性ガスの合計流量の比率を上記比率に調整する。
さらに、使用するターゲットは、(Ti,Al1−x)からなる組成(x:0.4〜0.7)のチタンアルミ合金を用いることがよい。
また、本発明の被覆層6の表面や基体2と被覆層6との間に、窒化チタン(TiN)や炭窒化チタン(TiCN)、酸化アルミニウム(Al2O3)等からなる硬質層を成膜してもよい。
[切削方法]
図4から図6に本発明の切削方法の工程図を示す。まず、図4に示すように、前記切削工具11(図においては、例としてホルダに切削インサートを取り付けた旋削工具を記載する)を被削材10に近づける。なお、切削工具11と被削材10は、相対的に近づけば良く、例えば、被削材10を切削工具1に近づけても良い。
その後、被削材10と切削工具11の少なくとも一方を回転させる。なお、図においては、被削材10が回転するものを例示している。次いで、図5に示すように前記切削インサートの切刃部分を被削材10に接触させて被削材10を切削する。その後、図6に示すように前記被削材10から切削工具11を離間させる。なお、切削加工を継続する場合は、切削工具11と被削材10を相対的に回転させた状態を保持して、被削材10となる箇所に切削工具11の切刃を接触させる工程を繰り返す。
以下に発明の実施例について説明する。
(実施例1)
平均粒径0.7μmのWC粉末87質量%、Co粉末10質量%、TiC粉末2質量%、NbC粉末1質量%を粉砕、混合し、得られた混合粉末をプレス成形にてCNMG120408形状に成形し、真空雰囲気で焼成して超硬合金基体を作成した。
得られた超硬合金基体のすくい面と逃げ面をショットブラストにて表2の表面粗さになるように表面処理をしたあと、アークイオンプレーティング法を用いて表1に記載の成膜条件にて(Ti,Al)N膜を成膜した。
Figure 2008238314
次に、得られた試料の逃げ面における(111)面のX線解析ピークの半価幅Bfと、すくい面における(111)面のX線解析ピークの半価幅Brを、CuKα線を用い、X線の出力を40kV、40mAとし、ステップ幅0.02°の条件のX線回折分析によって測定し、Bf、Br、Bf/Brをそれぞれ表2に示した
また、基体と被覆層との界面9を走査型電子顕微鏡(SEM)にて15000倍で観察し、基体の面粗さを測定した。具体的には、基体と被覆層との界面9での最も基体が突出している最高点を通る基体と略平行な直線Aと最も基体がへこんでいる最低点を通り、基体と略平行な直線Bを形成する。そのAとBの最短距離の中点を通り、基体と略平行な直線を基準線Cとした。次に、基体と被覆層との界面9の起伏の山の最高部および谷の最深部と基準線との最短距離をそれぞれの山と谷ごとに測定し、その距離の平均の値を基体の面粗さとした。上記方法にて基体の面粗さをすくい面と逃げ面でそれぞれ5箇所ずつ測定し、その平均を各試料について算出した。結果は表2に示した。
Figure 2008238314
また、作製した試料を以下の条件にて切削試験を行った。
(連続切削条件)
被削材 :SUS304 円柱材
工具形状:CNMG120408
切削速度:200m/分
送り速度:0.25mm/rev
切り込み:1.5mm
切削時間:15分
切削状態:エマルジョン15%+水85%混合液による湿式
評価項目:顕微鏡にて切刃を観察し、フランク摩耗量・先端摩耗量を測定
(断続切削条件)
被削材 :SUS304 4本溝入円柱材
工具形状:CNMG120408
切削速度:120m/分
送り速度:0.2mm/rev
切り込み:1mm
切削状態:エマルジョン15%+水85%混合液による湿式
評価項目:欠損に至る衝撃回数、衝撃回数1000回到達時における刃先の状態観察
Figure 2008238314
表3より、半価幅Bfが本発明の範囲外である試料No.15〜18では、フランク摩耗や先端摩耗の進行が早く、また、摩耗の急激な進行によって刃先の強度が低下してしまい、耐摩耗性および耐欠損性が共に低い性能であった。
一方、半価幅Bfを本発明の範囲内とした試料No.1〜14では、耐摩耗性、耐欠損性共に高い性能を発揮した。特に、すくい面の半価幅Brを調節した試料において特に高い性能を発揮した。
以上、本発明の実施形態を例示したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、発明の目的を逸脱しない限り任意のものとすることができることは言うまでもない。
一実施例にかかる切削工具の概略斜視図である。 一実施例にかかる切削工具の概略断面図である。 図2の基体と被覆層の界面部分(E部分)の拡大図である。 本発明の切削方法の工程図である。 本発明の切削方法の工程図である。 本発明の切削方法の工程図である。
符号の説明
1、11 切削工具
2 基体
3 すくい面
4 逃げ面
5 切刃
6 被覆層
9 基体表面(基体と被覆層との界面)
10 被削材

Claims (9)

  1. 基体と、該基体の表面に形成されたTiおよびAlを含む被覆層とを備え、
    前記基体は、上面にすくい面、側面に逃げ面を有し、前記すくい面と逃げ面との交差稜線の少なくとも一部に切刃を備える切削工具において、
    前記逃げ面における被覆層のX線解析パターンのうち(111)面に帰属するピークの半価幅Bfが0.6°以上であることを特徴とする切削工具。
  2. 前記すくい面における被覆層のX線解析パターンのうち、(111)面に帰属するピークの半価幅Brが0.9°以上であり、
    前記半価幅Bfおよび前記半価幅Brが、Bf/Br=0.6〜0.85の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の切削工具。
  3. 前記半価幅Bfおよび前記半価幅Brは、2θ=36.5〜38.0の範囲内にX線解析パターンのピークを有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の切削工具。
  4. 前記被覆層が、(Ti,Al)Nからなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の切削工具。
  5. 第1面および該第1面に連なる少なくとも1つの第2面を有する基体を準備する工程と、
    該基体の第1面の平均算術表面粗さ(Ra)が0.03〜0.2μm、第2面のRaが0.01〜0.15μmとなるように表面処理を施す工程と、
    表面処理を行った後、前記基体の第1面および第2面にTiおよびAlを含む被覆層を形成する工程と、を備えており
    前記第1面がすくい面、前記第2面が逃げ面、前記すくい面と逃げ面との交差稜線の少なくとも一部が切刃となることを特徴とする切削工具の製造方法。
  6. 前記表面処理は、ショットブラスト加工又はブラシ加工であることを特徴とする請求項5に記載の切削工具の製造方法。
  7. 前記被覆層は、物理蒸着法によって基体の第1面および第2面に形成されることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の切削工具の製造方法。
  8. 前記被覆層を形成する工程において、基体に加えるバイアス電圧を、初期1分間程度のみ15〜50Vとし、その後、100〜300Vへと変化させることを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の切削工具の製造方法。
  9. 請求項1乃至4のいずれかに記載の切削工具を用いて被削材を切削する切削方法であって、
    前記切削工具と前記被削材とを相対的に近づける近接工程と、
    前記切削工具および前記被削材の少なくとも一方を回転させ、前記切削工具の切刃を被削材に接触させて、被削材を切削する切削工程と、
    前記被削材と前記切削工具とを相対的に離間させる離間工程とを、備えることを特徴とする切削方法。
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