JP2008238210A - 銅線の製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】銅伸線材における表面傷の発生及び断線の発生を防止する銅線の製造方法及び製造装置を提供するものである。
【解決手段】本発明に係る銅線の製造方法は、銅線102を、順次、伸線ダイス104に通して連続的に冷間伸線加工を行い、所望径の銅伸線材を製造するに際して、伸線ダイス104の銅線102の絞り部に臨んで吸引部105,106を設け、その吸引部105,106から、引き抜く銅線102の表面に付着している異物、又は伸線時に発生する銅削り屑を吸引除去しつつ、銅線102を絞るものである。
【選択図】図1
【解決手段】本発明に係る銅線の製造方法は、銅線102を、順次、伸線ダイス104に通して連続的に冷間伸線加工を行い、所望径の銅伸線材を製造するに際して、伸線ダイス104の銅線102の絞り部に臨んで吸引部105,106を設け、その吸引部105,106から、引き抜く銅線102の表面に付着している異物、又は伸線時に発生する銅削り屑を吸引除去しつつ、銅線102を絞るものである。
【選択図】図1
Description
本発明は、電子機器用又は医療機器用同軸ケーブルの心線、シールド線に適用する銅線の製造方法及び製造装置に関するものである。
従来、電子機器用又は医療機器用のケーブル導体には、銅線又は銅合金線が使用されている。一般には、太サイズの銅荒引き線を、冷間で伸線ダイスに通して引抜き加工を行い、所望線径に形成している。その際、伸線速度の高速化や伸線作業の連続化を目的に、伸線加工装置として、伸線ラインに複数個の伸線ダイスを配置した連続伸線機が主流となっている。
従来の銅線の製造装置を図2(a)、図2(b)に示すように、引抜キャプスタン101,101に銅線102を掛け渡して伸線ラインを形成すると共に、その伸線ラインの中途に伸線ダイス104(図2(a)中では5台を図示)を設け、銅線102に液状潤滑油(又は水)103を射出しながら伸線加工を連続的に行い、所望線径の銅伸線材を形成している。
近年の電子機器の小型化、軽量化に伴い、ケーブルの細径化が求められ、その結果、銅線も細径化、すなわち極細線の製造が必要不可欠になってきた。
しかしながら、銅線102の表面には粉塵等の外来異物や銅粉等の金属粉といった異物が付着しており、また、伸線加工時には削り屑が発生する。従来においては、これらの各種異物や削り屑が付着したままの銅線102を伸線ダイス104の絞り部に通して極細線(銅伸線材)の製造を行っていたため、銅伸線材の表面に傷が発生したり、断線が多発したりするおそれがあった。その結果、製品(極細線)の品質及び歩留まりに大きな影響があった。
そこで本発明の目的は、銅伸線材における表面傷の発生及び断線の発生を防止する銅線の製造方法及び製造装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、銅線を、順次、伸線用の引抜ダイスに通して連続的に冷間伸線加工を行い、所望径の銅伸線材を製造するに際して、上記伸線ダイスの銅線の絞り部に臨んで吸引部を設け、その吸引部から、引き抜く銅線表面に付着している異物、又は伸線時に発生する銅削り屑を吸引除去しつつ、銅線を絞ることを特徴とする銅線の製造方法である。
請求項2の発明は、銅線を、順次、伸線用の引抜ダイスに通して連続的に冷間伸線加工を行い、所望径の銅伸線材を製造する装置において、上記伸線ダイスの銅線を絞る絞り部に臨んで、銅線表面に付着している異物、又は伸線時に発生する銅削り屑を吸引除去する吸引部を1つ以上設けたことを特徴とする銅線の製造装置である。
請求項3の発明は、上記吸引部を、上記伸線ダイスの絞り部に臨んで設けられる1つ以上の孔と、その孔に挿入して設けられるチューブ部材又はパイプ部材と、そのチューブ部材又はパイプ部材に接続して設けられる吸引装置とで構成した請求項2記載の銅線の製造装置である。
請求項4の発明は、上記孔の上記絞り部との境界部分に、拡径テーパ部を設けた請求項3記載の銅線の製造装置である。
請求項5の発明は、上記孔を、銅線の伸線方向に対して垂直に及び/又は傾けて設けた請求項3又は4記載の銅線の製造装置である。
請求項6の発明は、上記孔を、上記伸線ダイスの絞り部に臨んで、かつ、銅線の伸線方向に複数段設けた請求項3から5いずれかに記載の銅線の製造装置である。
本発明は、銅線を伸線ダイスで絞る際に、銅線表面に付着している各種の異物や削り屑を、伸線ダイスの絞り部に臨んで設けた吸引部により吸引し、除去することで、銅伸線材における表面傷の発生及び断線の発生を防止する効果が期待でき、高品質な銅伸線材の加工、製造、及び製造効率の安定化を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基いて説明する。
本発明の好適一実施の形態に係る銅線の製造装置は、図2(a)に示した連続伸線機と基本的な構成は同じであるが、図1(a)に示すように、伸線ダイス104の銅線102を絞る絞り部に、銅線102の表面に付着している粉塵や銅粉などの異物、又は伸線時に発生する銅削り屑を吸引除去する吸引部を有する点で異なる。
この吸引部は、伸線ダイス104の絞り部に臨んで設けられる1つ以上の吸引ノズル挿入孔(孔)105と、その吸引ノズル挿入孔105に挿入して設けられる吸引ノズル106(チューブ部材又はパイプ部材)と、その吸引ノズル106に接続される吸引装置(図示せず)とで構成される。例えば、吸引ノズル挿入孔105は、図1(b)に示すように、伸線ダイス104の中心軸周りに放射状に複数個(図1(b)中では90°間隔で4個)設けられる。
次に、本実施の形態に係る銅線の製造方法を説明する。
本実施の形態に係る銅線の製造装置を用いて、銅線102の連続伸線を行う。具体的には、銅線102を、図2(a)に示した連続伸線機の伸線ダイス104に順次通して連続伸線を行う。ここで、本実施の形態に係る銅線の製造装置の各伸線ダイス104には、絞り部に臨んで吸引部(吸引ノズル挿入孔105、吸引ノズル106)が設けられている。
各伸線ダイス104において、銅線102を絞って銅伸線材を作製する際に、吸引部から、銅線102の表面に付着している各種異物(外来異物や銅粉等の金属粉といった異物)や、伸線加工時に発生する削り屑を吸引し、これらを除去する。これによって、銅線102の表面が常に清浄に保たれるので、銅伸線材中に各種異物や削り屑が混入するおそれがなくなる。このため、銅伸線材の表面に傷が入るおそれがなくなり、表面形状が安定する。また、異物などの混入による銅伸線材の断線のおそれがなくなり、銅伸線材の長尺化、すなわち銅伸線材を長く採取することが可能となる。
このように、伸線加工時に、伸線ダイス104の絞り部に設けた吸引部により各種異物や削り屑を吸引し、これらを除去することから、製造環境のクリーン化を図れると共に、製造環境の影響を受けることなく、安定して高品質な銅伸線材を加工することが可能となる。
また、本実施の形態に係る銅線の製造方法では、伸線ダイス104を変更、交換するだけで、各種の異物や削り屑を吸引し、除去することが可能であるため、従来設備(既設の設備)を改造することなく、銅伸線材の製造効率の向上、安定化を図ることができる。
さらに、伸線加工を繰り返し行うと、伸線ダイス104に摩耗が生じる。特に、ダイス内に異物を巻き込むとダイスの消耗が激しく、最悪の場合、破損するおそれがある。しかし、本実施の形態に係る銅線の製造装置においては、伸線ダイス104の絞り部に設けた吸引部により、銅線102の表面に付着している各種の異物や削り屑を吸引し、除去した状態で銅線102の絞りを行うので、ダイス内に異物が巻き込まれることがなくなり、伸線ダイス104の摩耗を低減、防止することができる。その結果、伸線ダイス104の長寿命化を図ることができる。
また、本実施の形態に係る銅線の製造装置によれば、この吸引部により、伸線加工時に使用され、銅線102の表面に付着している余分、余剰な液状潤滑油103も吸引し、除去することができる。これによって、余分、余剰な液状潤滑油103による銅伸線材の変色を防止することができ、高品質な銅伸線材を得ることができる。
さらに、伸線ダイス104の絞り部に吸引ノズル挿入孔105を形成することにより、伸線ダイス104と銅線102との接触面積は若干少なくなる。しかし、伸線加工に大きく影響するのは、伸線ダイス104のリダクション(線面積の減少率)とアプローチ角(線との接触角)の部分であり、これらの部分の構造については、本実施の形態に係る銅線の製造装置では何ら変更を行っていない。このため、本実施の形態に係る銅線の製造装置では、伸線ダイス104の絞り部に吸引ノズル挿入孔105を形成しているものの、伸線加工能力自体の低下はない(又は殆どない)。
一方、伸線工程後の次工程(撚り線工程)においても、銅伸線材の断線が発生するが、この断線原因の1つとして、銅伸線材中に混入した異物を起点とした「ねじり断線」が考えられる。本実施の形態に係る銅線の製造装置によれば、伸線工程にて異物や削り屑などを除去することができるので、撚り線工程時のねじり断線を激減させることができ、撚り線の製造効率の向上を図ることができる。また、前述した銅伸線材の長尺化は、延いては撚り線の長尺化を可能とするため、伸線工程後の全ての工程の歩留まり向上が可能となる。
次に、本発明の変形例を説明する。
図3に示すように、伸線ダイス104に設けた吸引ノズル挿入孔105の絞り部との境界部分に、効率よく各種異物や削り屑を吸い出せるよう、拡径テーパ部115を設けてもよい。これによって、吸引ノズル挿入孔105と銅線102との接触面積を広くすることができ、広範囲に且つ効率よく、各種異物や削り屑を吸引し、除去することができるようになる。
また、図4に示すように、吸引ノズル挿入孔105を、伸線ダイス104の絞り部に臨んで、かつ、銅線102の伸線方向に複数段(図4中では3段)設けてもよい。これによって、更に広範囲に且つ効率よく、各種異物や削り屑を吸引し、除去することができるようになる。
また、吸引ノズル挿入孔105は、図1(a)に示したように、銅線102の伸線方向に対して垂直に設ける必要はなく、図5に示すように、銅線102の伸線方向に対して傾けて、例えば、伸線方向とは反対側の方向に傾けて設けてもよい。これによって、図3のように拡径テーパ部115を設けなくても、吸引ノズル挿入孔105と銅線102との接触面積を広くすることができ、また、吸引ノズル挿入孔105への削り屑の排出がよりスムーズになるため、広範囲に且つ効率よく、各種異物や削り屑を吸引し、除去することができるようになる。尚、図6に示すように、吸引ノズル挿入孔105は、銅線102の伸線方向に対して垂直なものと、銅線102の伸線方向とは反対側の方向に傾けたものとを併用して多段に設けてもよい。
102 銅線
104 伸線ダイス(伸線用の引抜ダイス)
105 吸引ノズル挿入孔(吸引部)
106 吸引ノズル(吸引部)
104 伸線ダイス(伸線用の引抜ダイス)
105 吸引ノズル挿入孔(吸引部)
106 吸引ノズル(吸引部)
Claims (6)
- 銅線を、順次、伸線用の引抜ダイスに通して連続的に冷間伸線加工を行い、所望径の銅伸線材を製造するに際して、上記伸線ダイスの銅線の絞り部に臨んで吸引部を設け、その吸引部から、引き抜く銅線表面に付着している異物、又は伸線時に発生する銅削り屑を吸引除去しつつ、銅線を絞ることを特徴とする銅線の製造方法。
- 銅線を、順次、伸線用の引抜ダイスに通して連続的に冷間伸線加工を行い、所望径の銅伸線材を製造する装置において、上記伸線ダイスの銅線を絞る絞り部に臨んで、銅線表面に付着している異物、又は伸線時に発生する銅削り屑を吸引除去する吸引部を1つ以上設けたことを特徴とする銅線の製造装置。
- 上記吸引部を、上記伸線ダイスの絞り部に臨んで設けられる1つ以上の孔と、その孔に挿入して設けられるチューブ部材又はパイプ部材と、そのチューブ部材又はパイプ部材に接続して設けられる吸引装置とで構成した請求項2記載の銅線の製造装置。
- 上記孔の上記絞り部との境界部分に、拡径テーパ部を設けた請求項3記載の銅線の製造装置。
- 上記孔を、銅線の伸線方向に対して垂直に及び/又は傾けて設けた請求項3又は4記載の銅線の製造装置。
- 上記孔を、上記伸線ダイスの絞り部に臨んで、かつ、銅線の伸線方向に複数段設けた請求項3から5いずれかに記載の銅線の製造装置。
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JP2007082152A JP2008238210A (ja) | 2007-03-27 | 2007-03-27 | 銅線の製造方法及び製造装置 |
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WO2018025650A1 (ja) * | 2016-08-02 | 2018-02-08 | 株式会社アライドマテリアル | ダイス装置 |
CN111136112A (zh) * | 2020-01-06 | 2020-05-12 | 广东富成联合金属制品有限公司 | 一种新型拉光机 |
CN111215472A (zh) * | 2019-11-20 | 2020-06-02 | 东莞市缔网通讯科技有限公司 | 一种抛光线的生产装置及生产工艺 |
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