JP2008238079A - ファンフィルターユニット - Google Patents

Abstract

【課題】フィルタ通過後の気流の吹出温度分布の均一性を高めたファンフィルターユニットを提供することを目的とする。
【解決手段】チャンバー５ａ上部に吸込口１を有し、ファンユニット４をチャンバー５ａに有し、ファンユニット４の下流側にフィルタ６を設け、モーター３ａをチャンバー５ａ外部に露出して取り付けることにより、モーター３ａの発熱がチャンバー５ａ内部に伝わるのを防ぎ、チャンバー５ａ内部の温度上昇を防ぎ、吹出温度分布の均一性を高めることができ、かつモーター３ａは外部で冷却され、モーター３ａを長寿命化することができるファンフィルターユニットが得られる。
【選択図】図１

Description

本発明は、半導体、液晶、およびプラズマディスプレイパネルなどの、清浄空間を必要とする製造装置で使用されるファンフィルターユニットに関する。

従来、この種のファンフィルターユニットにおいて、チャンバー内部の発熱体（モーター）により温度分布の偏りが生じるため、温度分布の改善のためには、風速分布の改善が不可欠であり、温度分布の改善の手段として複数のガイド板や拡散板をチャンバー内に設ける構成としている（例えば特許文献１参照）。
特開平９−９４４１９号公報（段落００１２〜００１８、図１）

従来のファンフィルターユニットでは、フィルタ上流側の風速の均一化を目的として改善手段が設けられているが、フィルタ通過後の風速に対しては考慮されていないため、フィルタ吹出面においては、モーター直下の部分において、風速が確保されず、風速分布の偏りが発生している。そのため、内部の温度分布においても、風速分布に大きく寄与した傾向を示す。

本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、フィルタ通過後の温度分布の均一性を高めたファンフィルターユニットを提供することを目的としている。

本発明のファンフィルターユニットは上記目的を達成するために、箱型状のチャンバー上部に吸込部を有し、モーターと連結したファンを、前記チャンバー内部に有し、前記モーターをチャンバーに固定するサポートを有し、このファンの吹出側にフィルタを設け、ファンとモーターを連結するシャフトが、ファンとモーターの間でチャンバーと交差するように、サポートをチャンバー壁面に固定したものである。

また他の手段は、前記ファンは、ターボファンであり、ターボファン上部に吸込部を有し、吸込部上部にモーターが位置するように、サポートをチャンバー壁面に固定したことを特徴とするものである。

また他の手段は、前記ファンは、クロスフローファンであり、前記クロスフローファンの両端にモーターが位置するように、サポートをチャンバー壁面に固定したことを特徴とするものである。

また他の手段は、前記ファンは、シロッコファンであることを特徴とするものである。

また他の手段は、箱型状のチャンバー上部に吸込部を有し、ファンとモーターからなるファンユニットを、前記チャンバー内部に有し、このファンユニットの吹出側にフィルタを設け、モーター側面全体を囲うように、断熱板をサポートに設置したものである。

また他の手段は、前記断熱板にイオナイザーを設置したものである。

また他の手段は、前記クロスフローファンのモーター全体を覆うように、モーター保護板をチャンバー側面に設けたことを特徴とするものである。

また他の手段は、前記モーター保護板にパンチングメタルを使用したことを特徴とするものである。

これらの手段により、フィルタ通過後の温度分布の均一性を高めたファンフィルターユニットが得られる。

本発明によれば、モーターを外部に設置する構造をとることにより、モーターからの発熱をチャンバー内部に溜め込むのではなく外部に逃がすことができ、チャンバー内部の温度上昇を抑え、内部の温度分布の不均一を解消することができ、フィルタから吹出される温度が均一化し、吹出温度分布の均一化が図れるという効果が得られる。

本発明の請求項１記載の発明は、箱型状のチャンバー上部に吸込部を有し、ファンとモーターからなるファンユニットを、前記チャンバー内部に有し、このファンユニットの吹出側にファイルターを設けたファンフィルターユニットにおいて、前記ファンとモーターを連結するシャフトが、ファンとモーターの間でチャンバーと交差するように備えたものであり、この構造をとることによってモーターの発熱部がチャンバー外部に露出されることから、チャンバー内部の温度上昇を抑えることにより、チャンバー内部の温度分布の均一化を図り、フィルタ吹出温度分布を均一にするという作用を有する。また、モーターをチャンバー外部に露出することによって、モーターそのものへの冷却効果も持ち、モーター自身の長寿命化を促すという作用を有する。

本発明の請求項２記載の発明は、前記ファンは、ターボファンであり、ターボファン上部に吸込部を有し、吸込部上部にモーターが位置するように、サポートをチャンバー壁面に固定したことを特徴とするものであり、機外静圧が高圧であっても、風量を確保できる作用を有する。

本発明の請求項３記載の発明は、前記ファンは、クロスフローファンであり、前記クロスフローファンの両端にモーターが位置するように、サポートをチャンバー壁面に固定したことを特徴とするものであり、チャンバー内部全体に気流を流すことができ、温度分布とともに、風速分布の均一化も図ることができるという作用を有する。

また、本発明の請求項４記載の発明は、ファンとして、シロッコファンを備えたものであり、ファンフィルターユニットから大風量を提供することができるという作用を有する。

本発明の請求項５記載の発明は、モーター側面全体を囲うように、断熱板を設置することにより、チャンバー内部へ流れていく気流の内、モーター近傍を流れる気流に関して、モーターの発熱による伝熱の影響が及び、チャンバー内部の温度が上昇することを防ぎ、チャンバー内部の温度分布を均一化し、フィルタ吹出温度分布を均一化できるという作用を有する。

本発明の請求項６記載の発明は、断熱板にイオナイザーを設置することによって、外部からの吸込空気の帯電を除去することにより、フィルタ吹出気流の帯電状態を改善できるという作用を有する。

本発明の請求項７記載の発明は、クロスフローファンのモーター全体を覆うように、モーター保護板をチャンバー側面に設けることにより、チャンバー側面に露出されているモーターに直接外力が加わり、モーターが破損することを防ぐことができるという作用を有する。

本発明の請求項８記載の発明は、モーター保護板にパンチングメタルを使用することによって、モーター保護板内部にモーターからの発熱がこもることを防ぎ、モーター周りの温度上昇を防ぐことによって、モーターの冷却を促し、モーターの長寿命化を促すという作用を有する。

以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。

（実施の形態１）
図１に示すように、第１の実施の形態のファンフィルターユニットは、ターボファンを用いたファン２ａとモーター３ａからなるファンユニット４を箱形状のチャンバー５ａに内蔵している。チャンバー５ａの天面には、吸込口１を跨ぐように、ブリッジ形状のサポート７が設けられている。発熱部となるモーター３ａは、ブリッジ形状のサポート７によりチャンバー５ａに外部に露出して固定されている。ファンユニット４の吹出側となる下方にはフィルタ６を設ける構成をしている。

上記構成において、ファンユニット４を運転することによって、吸込口１より空気が吸込まれ、チャンバー５ａ内に送り込まれる。（矢印で空気の流れを示す） この際にモーター３ａが発熱するが、モーター３ａはチャンバー５ａの外部へ露出しているため、モーター３ａからチャンバー５ａ内部への伝熱効果が小さくなり、チャンバー５ａの内部の温度上昇は、従来のチャンバー内部にモーターを備えた温度上昇に対し小さくなる。そのため、チャンバー５ａ内部の温度分布が改善され、フィルタ６からの吹出温度分布が均一化した気流ができる。

また、モーター３ａをチャンバー５ａの外部に露出することにより、モーター３ａの冷却が促され、モーター３ａの温度上昇を抑えることができるため、モーター３ａの長寿命化を促すという効果がある。

（実施の形態２）
第２の実施の形態について、図２を用いて説明する。第１の実施の形態と同じ構成については同じ番号を付し、詳細な説明を省略する。

第２の実施の形態のファンフィルターユニットは、図２に示すように、モーター３ａを吸込口１を跨ぐように設けられたサポート７に取り付けられる。また、モーター３ａは、吸込口１の略中心に設けられる。さらに、サポート７にはモーター３ａを覆うような断熱板８を設ける。断熱板８は、椀状の形状でその内部にモーター３ａが配置されるものである。材質としては、樹脂など熱を伝え難いもの、あるいは、内面に鏡面加工を施したものなどが適している。

上記構成において、断熱板８は、モーター３ａからの発熱が外部へ伝わるのを遮る働きをする。すなわち、ファンフィルターユニットの運転の際、吸込口１からの吸込み空気はモーター３ａの近傍を通過するが、断熱板８の働きによってモーター３ａから伝わる熱量が少なく、その温度上昇を低く抑えることができる。従って、チャンバー５ａ内部での温度分布の均一化を図ることができ、フィルタ６からの吹出温度分布の均一化をすることができる。

（実施の形態３）
第３の実施の形態のファンフィルターユニットは、図３に示すように、断熱板８にイオナイザー９を設置する。イオナイザー９は、内部に複数の針状電極に正負の高電圧を印加し、コロナ放電により正負のイオンを発生させるものである（図示せず）。

上記構成において、イオナイザー９によって、イオン化された空気は、ファンフィルターユニットを運転した際に、ファン２ａによる吸込み空気と接触し、吸込み空気の静電気除去を行なう。イオナイザー９は、ファンフィルターユニットの吸込口１の近くに設けられ、その気流経路内に配置されているため、吸込み空気にイオンを均一に供給することができ、効率よく吸込み空気の帯電を取り除くことができる。すなわち、フィルタ６から吹き出される空気は、十分除電され、対象空間に供給することができる。

（実施の形態４）
第４の実施の形態のファンフィルターユニットは、図４に示すように、クロスフローファンを用いたファン２ｂを箱形状のチャンバー５ｂに内蔵している。発熱部となるモーター３ｂは、チャンバー５ｂの側面の外側に配置し、その側面を貫通したシャフトにファン２ｂが接続されている。モーター３ｂには、全体を覆うように、モーター保護板１０ａをチャンバー側面に設ける。

上記構成において、モーター保護板１０ａは、チャンバー５ｂの側面に露出されているモーター３ｂに直接外力が加わり、モーター３ｂが破損することを防ぐことができる。

なお、図５に示すように、モーター保護板１０ａをパンチングメタルにより構成してもよい。この場合には、モーター保護板１０ｂの内部にモーター３ｂからの発熱がこもることを防ぎ、モーター３ｂ周りの温度上昇を防ぐことによって、モーター３ｂの冷却を促し、モーター３ｂの長寿命化を促すことができる。

風速分布の高精度な均一性を確保することによって、半導体工場、食品工場などの清浄空間を必要とするスペースに、均一な温度分布を提供でき、同時にモーターの冷却効果により、ファンフィルターユニットの長寿命化を図ることができる。

本発明の実施の形態１のファンフィルターユニットの略縦断面図 本発明の実施の形態２のファンフィルターユニットの略縦断面図 本発明の実施の形態３のファンフィルターユニットの略縦断面図 本発明の実施の形態４のファンフィルターユニットの略縦断面図 本発明の実施の形態４のファンフィルターユニットの略縦断面図

符号の説明

１ 吸込口
２ａ ファン
２ｂ ファン
３ａ モーター
３ｂ モーター
４ ファンユニット
５ａ チャンバー
５ｂ チャンバー
６ フィルタ
７ サポート
８ 断熱板
９ イオナイザー
１０ａ モーター保護板
１０ｂ モーター保護板

Claims (8)

1. 箱型状のチャンバーと、そのチャンバー上部に吸込部を有し、モーターと連結したファンを、前記チャンバー内部に有し、前記モーターをチャンバーに固定するサポートを有し、このファンの吹出側にフィルタを設けたファンフィルターユニットにおいて、ファンとモーターを連結するシャフトが、ファンとモーターの間でチャンバーと交差するように、サポートをチャンバー壁面に固定したファンフィルターユニット。
2. 前記ファンは、ターボファンであることを特徴とし、ターボファン上部に吸込部を有し、吸込部上部にモーターが位置するように、サポートをチャンバー壁面に固定した請求項１記載のファンフィルターユニット。
3. 前記ファンは、クロスフローファンであることを特徴とし、前記クロスフローファンの両端にモーターが位置するように、サポートをチャンバー壁面に固定した請求項１記載のファンフィルターユニット。
4. 前記ファンは、シロッコファンであることを特徴とする請求項１記載のファンフィルターユニット。
5. モーター全体を覆うように、断熱板をサポートに設置した請求項２記載のファンフィルターユニット。
6. 前記断熱板にイオナイザーを取り付けた請求項５記載のファンフィルターユニット。
7. モーター全体を覆うように、モーター保護板をチャンバー側面に設けた請求項３記載のファンフィルターユニット。
8. 前記モーター保護板は、パンチングメタルによって構成される請求項７記載のファンフィルターユニット。

Images