<全体構成>
図1は本発明の一実施形態に係る遊技台Aの正面図である。遊技台Aはパチンコ機であって、その正面には正面扉10を備える。正面扉10は遊技台Aの内枠(図1において不図示)に対して開閉可能に取り付けられている。正面扉10の略中央には円形の窓部11が形成されている。窓部11には透明の部材(ガラス板或いはプラスチック板)が設けられており、窓部11を介して正面扉10の背後の遊技領域21が見えるように構成されている。
遊技領域21は遊技盤20の正面に形成されている。遊技領域21には釘22が複数配設されている。また、遊技領域21には特図始動入賞口24及び25、普図始動入賞口26、複数の入賞口27、及び、大入賞口28が設けられている。本実施形態の場合、普図始動入賞口26はゲート式の入賞口であり、遊技球(パチンコ球)の入球後も遊技領域21を流下する。一方、特図始動入賞口24及び25、大入賞口28、入賞口27はいずれも、遊技球の入球後には遊技領域21から排出される。これらの各入賞口にはいずれも入球を検出するセンサ(不図示)が設けられている。
特図始動入賞口25は、いわゆる電動チューリップであり、遊技球の入球が規制される規制状態(図1において実線で示す)と、規制状態よりも遊技球が入球し易い開放状態(図1において破線で示す)と、の間で状態が変化する。
特図始動入賞口25が開放状態にある場合には、特図始動入賞口25の入口の広さが大きくなり、規制状態よりも遊技球が入球し易くなる。一方、規制状態にある場合には、特図始動入賞口25の入口の広さが狭くなり、遊技球が入球しにくくなる。
大入賞口28には、これを開閉する開閉部材28aが設けられている。開閉部材28aは図1に示す閉鎖位置と、同図手前側へ回動する開放位置(不図示)との間で回動可能である。開閉部材28aが閉鎖位置にある場合は大入賞口28が閉鎖されて遊技球は入球不能となり、開閉部材28aが開放位置にある場合は遊技球が大入賞口28に入球可能となる。以下、開閉部材28aが閉鎖位置にある場合を大入賞口28が閉鎖と、開閉部材28aが開放位置にある場合を大入賞口28が開放ともいう。
遊技領域21には、また、アウト口24が設けられている。アウト口24は遊技領域21の最下部に設けられており、いずれの入賞口にも入球しなかった遊技球はこのアウト口24に入球して遊技領域21から排除される。
遊技領域21の略中央には液晶表示装置(LCD)44が配置されている。LCD34は各種の情報を表示する画像表示装置であり、本実施形態では液晶表示装置を採用するが他の画像表示装置であってもよい。
遊技領域21の下方には、普通図柄表示装置30(以下、普図表示装置ともいう。)、特別図柄表示装置32(以下、特図表示装置ともいう)が設けられている。本実施形態の場合、これらはいずれも7セグメントLED表示器である。また、普図表示装置30の近傍には普図抽選保留記憶数表示装置31が、特図表示装置32の近傍には特図抽選保留記憶数表示装置33が、それぞれ設けられている。普図抽選保留記憶数表示装置31は小当たり判定用の乱数の保留回数を表示し、特図抽選保留記憶数表示装置33は大当たり判定用の乱数の保留回数を表示する。本実施形態の場合、普図抽選保留記憶数表示装置31、特図抽選保留記憶数表示装置33をいずれも複数のLEDで構成し、乱数の保留回数に応じた数のLEDを点灯する。
次に、遊技台Aは、その正面下部に下部ユニット40を備える。下部ユニット40は、その左上部に遊技球の払出口41を備える。下部ユニット40は払出口41と連続した上皿42を備え、遊技球を上皿42に一時的に貯留可能にしている。上皿42上の遊技球はレバー42aを遊技者が操作することにより下皿43へ移動可能である。下皿43上の遊技球はレバー43aを遊技者が操作することにより下方へ落下させることができる。
発射ハンドル44は遊技者の球発射操作を受け付けるためのハンドルである。下部ユニット40は上皿42が貯留している遊技球を一球ずつ、不図示の遊技球発射装置の発射位置に供給する不図示の遊技球供給装置を内蔵している。遊技球発射装置は発射ハンドル44に対する遊技者の操作量に応じた強さで、上述した遊技球供給装置により上皿42から発射位置に供給された遊技球を、その弾発動作により発射する。発射された遊技球は遊技領域21に設けた内レール23と、窓部11の周縁に沿って遊技領域21に設けた不図示の外レールと、の間の通路を通って遊技領域21の上方へ打ち込まれることになる。
<演出装置>
下部ユニット40は演出装置50を備える。図2は演出装置50の斜視図、図3は演出装置50の分解斜視図、図4(a)は演出装置50の正面図、図4(b)は演出装置50の底面図である。なお、各図において正面、背面等は遊技台Aの正面、背面等に従う。
演出装置50は、箱体本体51、天板52から構成される箱体を備える。箱体本体51は背面部51a、左側面部51c、右側面部51d及び底面部51dとから構成されており、その正面部及び上方は開放されている。箱体本体51の上部には天板52が装着され、これが上面部となって正面が開放した、中空で略直方体形状の箱体となる。箱体本体51及び天板52は不透明な材料、例えば、不透明な樹脂材から構成される。
箱体(51、52)の開放した正面部全体は、箱体(51、52)の内部を遊技者が覗き込むための窓部となる。本実施形態の場合、箱体(51、52)の正面部を開放し窓部を形成したが、遊技者が覗き込むことが可能な範囲で、その部位、大きさ、形状は任意である。箱体(51、52)の開放した正面部には、ハーフミラー53が装着される。ハーフミラー53の装着により、箱体(51、52)の内部は、箱体本体51、天板52及びハーフミラー53により囲包された空間となる。
箱体(51、52)の内部には、演出体として、音を出力するスピーカ54が収容されている。スピーカ54の本体(電気信号を受けて振動を生成する部位)には装飾用のカバー部材54aが被せられ、これらが箱体(51、52)の内部に収容される。スピーカ54は、本実施形態の場合、その前面(振動板の配設面))が底面部51dに取り付けられ、下向きで箱体(51、52)の内部に収容される。底面部51dには、スピーカ54の前面を露出する開口部51fが設けられており、この開口部51fはスピーカ54の前面により塞がれる。箱体(51、52)及びハーフミラー53は、スピーカ54のエンクロージャー(スピーカボックス)としても機能し、スピーカ54から出力される音の響きを豊かにする。箱体本体51の背面部51aには、また、孔51eが形成されている。この孔51eには後述する音響用のダクトが接続される。なお、底面部51dにはさらに、複数の音抜孔を有する外カバーを設けるようにし、遊技者等がスピーカ54の振動板に触れることができないようにしてもよい。
箱体(51、52)の内部には、また、箱体(51、52)の内部を照明するLEDユニット55、56が配設される。LEDユニット55、56は、それぞれ複数のLED55a、56aを有し、LED55a、56aはそれぞれ、奥行き方向(正面→背面方向)に配列されている。LEDユニット55は底面部51dの左側面部51c側の隅部内側に、LEDユニット56は底面部51dの左側面部51b側の隅部内側に、それぞれ配設される。本実施形態では照明用の発光素子としてLEDを用いたが、他の種類の発光素子でもよい。
LEDユニット55には装飾用の透明のカバー部材55bが装着され、また、LEDユニット56には装飾用の透明のカバー部材56bが装着される。カバー部材55b、56bを有色透明とすると、LED55a、56aの発光色がカバー部材55b、56bの色に見えて、装飾効果が高められる。
箱体本体51の背面部51aはその内側表面が鏡面となっており、鏡面部を形成している。また、ハーフミラー53の内側表面の大部分を平面とし、尚且つ、この平面を背面部51aの内側表面と平行となるように取り付けることで、互いに対峙しているハーフミラー53と背面部51aとは、いわゆる合わせ鏡となり、ハーフミラー53を介して箱体(51、52)内部を覗くと、その内部の収容物、特に、ハーフミラー53と背面部51aとの間に存する収容物が奥行き方向に複数連続しているように背面部51aに映し出されることになる。本実施形態では、ハーフミラー53と背面部51aとの間に、スピーカ54及びカバー部材54a並びにLEDユニット55、56が存しているので、これらが奥行き方向に複数連続しているように背面部51aに映し出されることになる。
箱体本体51の左側面部51c及び右側面部51dには、それぞれブラケット57、57が取り付けられる。演出装置50はこのブラケット57により遊技台Aに固定され、また、演出装置50はそのハーフミラー53のみが遊技者に露出するように、図1に示すようにその他の部分が下部ユニット40の正面カバーにより隠蔽される。
係る構成からなる演出装置50では、LED55a、56aの消灯時には箱体(51、52)内部が暗いため、ハーフミラー53はその正面視、つまり、遊技者から見ると鏡面となり、箱体(51、52)内部のスピーカ54等は遊技者からは見えない。一方、LED55a、56aの点灯時には、箱体(51、52)内部が明るくなるため、ハーフミラー53を通して箱体(51、52)内部のスピーカ54等が遊技者に見えることになる。従って、LED55a、56aの点灯、消灯により、単なる光の刺激のみならず、スピーカ54等が見える、見えないという演出が可能であり、照明の点灯、消灯による演出効果を増大させることができる。
加えて、本実施形態では、ハーフミラー53と背面部51aとが合わせ鏡となっているため、スピーカ54等が奥行き方向に連続しているように背面部51aに映し出されることになる。一般に、パチンコ機やスロットマシンでは、演出体の配設スペースが限られるところ、本実施形態では、あたかもスピーカ54等が奥行き方向に多数連続しているように遊技者に見せることができるため、演出効果を増大させることができる。具体的には、スピーカ54が複数存在しているように見せることが、スピーカ54から出力される音が、感覚的に多数のスピーカから出力された、迫力のあるものと遊技者に認識させることができる。また、LED55a、56aはそれぞれ、奥行き方向(正面→背面方向)に配列されているので、これらも、奥行き方向に多数存在して見せることができ、装飾効果を高められる。なお、装飾用のカバー部材54aに、発光装置(LED等)を設け、この発光装置がLED55a、56aと連動して点灯・消灯するようにしてもよい。また、天板52に、発光装置(LED等)を設け、この発光装置がLED55a、56aと連動して点灯・消灯するようにしてもよい。
次に、孔51eに接続される音響用のダクトについて説明する。図5は遊技台Aの一部分解斜視図、図6はダクト60の斜視図である。ダクト60は中空体をなしており、パーツ60aと、パーツ60bとを接続して構成されている。パーツ60aには孔51eに接続される開口端部60cが設けられ、パーツ60bには音の出力口となる開口端部60dが設けられている。
図5において、遊技台Aは外枠1に支持される内枠2を有する。内枠2の下部には演出装置50の収容スペースが形成されている。ダクト60は内枠2の背面側から孔51eに接続され、内枠2の背面から内枠2の下方に配されるダクト収容部61内に導かれる。ダクト収容部61の正面にはカバー62とカバー45とが取り付けられ、開口端部60dはカバー45の音孔45aの背後に位置することになる。ダクト60内を伝播した音波は開口端部60dを介して、音孔45aから出力されることになる。
ダクト60はホーンを形成し、スピーカ54と、エンクロージャーを構成する箱体(51、52)及びハーフミラー53と、ダクト60とはバックロードホーン型のスピーカを構成する。ダクト60により音の響きが増幅される。
<制御回路の構成>
次に遊技台Aの制御回路の構成について説明する。図7は主制御基板100及びこれに関連する構成のブロック図である。図8(a)は副制御基板200及びこれに関連する構成のブロック図である。これらの構成は遊技盤20の背面側に設けられる。
<主制御基板>
図7を参照して、主制御基板100は主制御回路110を搭載する。主制御回路110は遊技の進行を制御するCPU110aと、CPU110aが実行するプログラム及びデータを記憶したROM110bと、一時的なデータを記憶するRAM110cと、CPU110aと外部デバイスとの入出力インターフェースであるI/O110dと、を備え、不図示のデータバス、アドレスバスがこれらを電気的に接続している。なお、ROM110b、RAM110cは他の種類の記憶手段を採用してもよい。また、RAM110cの記憶内容は不図示のバックアップ回路により電源断時にも消失しないようにしている。
主制御回路110は、また、カウンタタイマ110eを備える。カウンタタイマ110eは割り込み信号を所定周期(例えば2msec毎)で発生する。CPU110aは割り込み信号を受信すると予め定割り込み処理を実行する。
主制御基板100は水晶発振器111、カウンタ回路112を搭載する。水晶発振器111はCPU110aのシステムクロックとなるクロック信号を発生する。カウンタ回路112は水晶発振器111が発生するクロック信号を一定の数値範囲で循環的に高速でカウントし、大当たり抽選用の乱数を生成するために使用する。なお、本実施形態ではカウンタ回路112が水晶発振器111が発生するクロック信号をカウントする構成としたが、別の水晶発振器を設け、これが定期的に出力する信号を一定の数値範囲で循環的に高速でカウントする構成としてもよい。
センサ回路113aは各種センサ114からの信号を処理してI/O110dに出力する。CPU110aはI/O110dの入力ポートから各種センサ114の検出結果を取得することができる。各種センサ114は、特図始動入賞口24及び25、普図始動入賞口26、大入賞口28、入賞口27にそれぞれ設けた遊技球の入球を検出するセンサ、不図示の電源回路の電源断(電圧降下)を検出するセンサを含む。
駆動回路113b及び113cはI/O110dが出力する制御信号に基づき特図表示装置32、普図表示装置30、の表示制御を行なう。駆動回路113dはI/O110dが出力する制御信号に基づき各種ソレノイド115を駆動制御する。各種ソレノイド115は特図始動入賞口25を開閉するソレノイド、大入賞口28の開閉部材28aを開閉するソレノイドを含む。駆動回路113e及び113fはI/O110dが出力する制御信号に基づき特図抽選保留記憶数表示装置33、普図抽選保留記憶数表示装置31の表示制御を行なう。CPU110aはI/O110dの出力ポートを介してこれらの各デバイスに制御信号を出力して制御することができる。
CPU110aはI/O110dを介して副制御基板200へ制御コマンドを出力する。また、CPU110aは情報出力回路116を介して情報入力回路117へ制御信号を出力する。情報入力回路117は、例えば、遊技台A毎にこれを設置する島に配した表示器の駆動回路である。
CPU110aはI/O110dを介して払出装置制御基板120へ制御信号を出力する。払出装置制御基板120はCPU110aからの制御信号に基づき、払出装置121を制御して、遊技球の払出処理を行なう。払出センサ122は払出装置121が払出した遊技球を検出するセンサであり、払出す遊技球の数量をカウントするために用いる。
払出装置制御基板120は発射装置制御基板130へ遊技球の発射を許可する信号を出力する。発射装置制御基板130は発射ハンドル44に対する操作量を検出するハンドルセンサ131からの信号に応じて、下部ユニット40が内蔵する遊技球発射装置を構成する発射モータ132を駆動する。また、上皿42から遊技球発射装置へ遊技球を導く球送り装置133を制御する。
<副制御基板>
図8(a)を参照して、副制御基板200は副制御回路210を搭載する。副制御回路210は演出内容を制御するCPU210aと、CPU210aが実行するプログラム及びデータを記憶したROM210bと、一時的なデータを記憶するRAM210cと、CPU210aと外部デバイスとの入出力インターフェースであるI/O210dと、を備え、不図示のデータバス、アドレスバスがこれらを電気的に接続している。なお、ROM210b、RAM210cは他の種類の記憶手段を採用してもよい。また、RAM210cの記憶内容は不図示のバックアップ回路により電源断時にも消失しないようにしている。
副制御回路210は、また、カウンタタイマ210eを備える。カウンタタイマ210eは割り込み信号を所定周期(例えば2msec毎)で発生する。CPU210aは割り込み信号を受信すると予め定割り込み処理を実行する。副制御基板200は水晶発振器211を搭載する。水晶発振器211はCPU210aのシステムクロックとなるクロック信号を発生する。
音源IC212はスピーカ54が出力する音のデータを記憶し、I/O210dが出力する制御信号に基づき、スピーカ54が出力する音を制御する。制御回路213はI/O210dが出力する制御信号に基づきLED55a、56aの駆動制御を行なう。駆動回路214はI/O210dが出力する制御信号に基づき遊技台Aに設けた装飾用の各種ランプ221の駆動制御を行なう。CPU210aはI/O210dの出力ポートを介してこれらの各デバイスに制御信号を出力して制御することができる。また、CPU210aはLCD制御基板230に制御コマンドを送出する。LCD制御基板230はLCD34の表示制御を行なう。
図8(b)は制御回路213のブロック図である。制御回路213はスピーカ54による音の出力に連動してLED55a、56aの点灯、消灯を制御するための回路であり、制御回路213及び副制御回路210はLED55a、56aの点灯、消灯を制御する照明制御手段として機能する。スピーカ54による音の出力に連動してLED55a、56aの点灯、消灯を制御することで、音と光を融合した演出が実現される。特に、本実施形態ではLED55a、56aの点灯、消灯によりハーフミラー53を介してスピーカ54が見えたり見えなかったりするので、音と光を融合した演出効果が増大する。
スピーカ54による音の出力に連動したLED55a、56aの点灯、消灯の制御は、ハードウエア的に制御するものとソフトウエア的に処理するものとの双方により行なうことができる。ハードウエア的に制御するものは、音圧が所定の音圧以上の場合にLED55a、56aを点灯する。このため、制御回路213は比較回路213aを備える。
比較回路213aは音源IC212からスピーカ54へ出力されるアナログ信号の電圧が所定の閾値以上である場合には、AND回路213bにON信号を出力し、閾値未満である場合にはOFF信号を出力する。AND回路213bへ入力される副制御回路210からの制御信号1をONにすると、AND回路213bの出力が比較回路213aから出力されるON、OFF信号に一致し、OR回路213c及び駆動回路213dを介してLED55a、56aに駆動信号が出力される。
したがって、副制御回路210からの制御信号1をONとすることにより、音圧が所定の音圧以上の場合にLED55a、56aを点灯することができる。この制御の場合、スピーカ54から出力される音圧が強い時にLED55a、56aが点灯され、スピーカ54による音の出力に連動した点灯、消灯制御が実現される。
ソフトウエア的に制御するものは、予めLED55a、56aの点灯、消灯パターンをROM210bに記憶しておき、いずれかのパターンをスピーカ54から出力する音に応じて選択するものである。この場合は、制御信号1をOFFとし、選択パターンに応じた制御信号2を副制御回路210から出力する。出力された信号はOR回路213c及び駆動回路213dを介してLED55a、56aに駆動信号として出力される。
図17(a)はスピーカ54から出力する音楽の種類を示す音楽データテーブルの例を示す図、図17(b)はスピーカ54から出力する音楽に応じてLED55a、56aの点灯、消灯を制御するパターンを示す照明データテーブルの例を示す図である。これらのテーブルはROM210bに記憶しておくことができる。
そして、副制御回路210のCPU210aは遊技結果、例えば、現在の遊技状態等に応じて音楽データテーブルの中からスピーカ54から出力する音楽を選択し、選択した音楽に応じた照明パターンを照明データテーブルの中から選択する。例えば、M111の音楽を選択した場合には、L201の照明パターンを選択する。各照明パターンには、LED55a、56aの点灯・消灯タイミングを時系列で示したデータが関連付けられ、これにより、スピーカ54による音の出力に連動した点灯、消灯制御が実現される。また、ソフトウエア的な制御は、スピーカ54による音の出力とは直接連動しない、LED55a、56aの点灯、消灯に関する制御も行なう。
<遊技の概要>
遊技者が発射ハンドル44を操作すると、遊技球が遊技領域21の上方へ打ち込まれる。遊技球は、その後、遊技領域21に立設した複数の釘22と衝突を繰り返しながら遊技領域21の下方に流れ落ちる。遊技領域21の上方から下方へ遊技球が流れ落ちる過程で、特図始動入賞口24及び25、普図始動入賞口26、大入賞口28、入賞口27に遊技球が入球することで入賞となり、遊技者に対して特典が与えられる。
遊技者に対する特典として、特図始動入賞口24及び25、入賞口27に遊技球が入球した場合は一定数の賞球、例えば3個の遊技球が払出される。大入賞口28に遊技球が入球した場合は一定数の賞球、例えば15個の遊技球が払出される。普図始動入賞口26に入球した場合は遊技球を払出してもよいが、本実施形態では払出はない。
次に、本実施形態では遊技状態として、通常遊技状態、大当たり状態、及び、特殊遊技状態のいずれかが設定される。まず、通常遊技状態において所定の条件が成立すると、大当たり状態が設定される。大当たり状態が終了した場合には特殊遊技状態が設定される。特殊遊技状態が終了すると通常遊技状態に戻る。また、特殊遊技状態において所定の条件が成立すると、大当たり状態が設定される。
<大当たり>
遊技台Aは特図始動入賞口24又は25に遊技球が入球したことを条件として大当たりの抽選を行なう。抽選の結果は特図表示装置32により表示する。特図表示装置32は所定時間の間、図柄(特別図柄)を変動表示した後、抽選結果に応じた特別図柄を確定表示する。図16(a)は特図表示装置32により確定表示される特別図柄の例を示す図である。確定表示される特別図柄は8種類あり、そのうちの6種類が大当たりの成立を示す図柄である。
本実施形態では大当たりの抽選は、乱数を取得し、取得した乱数が予め定めた値に該当するか否かを判定(大当たりの判定)することにより行なう。大当たりの当選確率は各抽選毎に例えば1/350である。本実施形態の場合、大当たりの判定は、特別図柄の変動中には行なわない。特別図柄の変動中に特図始動入賞口24又は25への遊技球の入球があった場合は、その入球に対応する乱数を保留し、特別図柄の確定表示後に大当たりの判定を行なう。乱数の保留数は例えば最大4つである。従って、最大保留回数を超えて、特図始動入賞口24又は25に入球があった場合、その入球に対応する大当たりの抽選は行なわない。なお、大当たり用の乱数の保留数を「特図抽選保留記憶数」といい、特図抽選保留記憶数表示装置33によりその数が表示される。
抽選の結果はLCD34にも表示される。LCD34は、図柄(装飾図柄)の組合せを変動して表示した後、大当たりの判定結果に応じた装飾図柄の組合せを表示する。LCD34は、特図表示装置32の特別図柄の変動開始及び変動終了と略同期して装飾図柄の組合せの表示の変動を開始し、終了する。図16(c)はLCD34が表示する装飾図柄の例及びその組合せの表示例を示す。装飾図柄は6種類ある。また、大当たりの成立を示す装飾図柄の組合せは6種類ある。
次に、遊技台Aは、大当たりの抽選結果が大当たりであることを条件として、予め定めた了条件が成立するまで、遊技状態として大当たり状態を設定する。大当たり状態が設定されている間、大入賞口28の開閉部材28aが所定回数(例えば15回)開放し、大入賞口28に遊技球が入球可能となる。1回の開放は大入賞口28に一定数の遊技球の入球(例えば9個)があるか、一定時間の経過(例えば30秒)により終了する。開閉部材28aが開放状態にあることをラウンドという。大入賞口28が上記の所定回数開放すると、つまり、ラウンド数が所定回数に達すると大当たり状態を終了する。
<小当たり>
遊技台Aは普図始動入賞口26に遊技球が入球したことを条件として小当たりの抽選を行なう。抽選の結果は普図表示装置30により表示する。普図表示装置30は所定時間の間、図柄(普通図柄)を変動表示した後、抽選結果に応じた普通図柄を確定表示する。図16(b)は普図表示装置30により確定表示される普通図柄の例を示す図である。確定表示される普通図柄は2種類あり、そのうちの1種類が小当たりの成立を示す図柄である。
本実施形態では小当たりの抽選は、乱数を取得し、取得した乱数が予め定めた値に該当するか否かを判定(小当たりの判定)することにより行なう。本実施形態の場合、小当たりの判定は、普通図柄の変動中には行なわない。普通図柄の変動中に普図始動入賞口26への遊技球の入球があった場合は、その入球に対応する乱数を保留し、普通図柄の確定表示後に小当たりの判定を行なう。乱数の保留数は例えば最大4つである。従って、最大保留回数を超えて、普図始動入賞口26に入球があった場合、その入球に対応する小当たりの抽選は行なわない。なお、小当たり用の乱数の保留数を「普図抽選保留記憶数」といい、普図抽選保留記憶数表示装置31によりその数が表示される。
遊技台Aは、小当たりの抽選結果が小当たりであることを条件として、特図始動入賞口25を一定時間(例えば0.3秒)開放させる。よって、小当たりが成立すると特図始動入賞口25に遊技球が入球し易くなる。
<特殊遊技状態>
遊技台Aは大当たり状態が終了することを条件として、特殊遊技状態を設定する。特殊遊技状態が設定されている間、遊技者には特典が与えられる。特典の内容としては、例えば、特殊遊技状態においては通常遊技状態よりも小当たりの当選確率を高くすることができる。また、特殊遊技状態においては通常遊技状態よりも特図始動入賞口25が開放される時間を長くすることもできる。また、特殊遊技状態が設定されている間、普図表示装置30の変動表示時間を短縮してもよい。更に、特殊遊技状態が設定されている間、特図表示装置32の変動表示時間を短縮してもよい。短縮の方式は普図表示装置30の場合と同様である。
特殊遊技状態の終了条件は、本実施形態の場合、大当たり状態の設定終了から特図表示装置32による特別図柄の確定表示回数が予め定めた回数(例えば100回)に達するまで、又は、大当たり状態が設定されるまで、換言すれば、特図表示装置32が大当たりの成立を示す特別図柄を確定表示するまで、のいずれかが成立した場合である。
<遊技の進行の制御処理>
次に、主制御回路110のCPU110aが実行する処理の例について図9乃至図14を参照して説明する。図9(a)はCPU110aが実行するメイン処理の例を示すフローチャート、図9(b)はカウンタタイマ110eからの割り込み信号を契機としてCPU110aが実行するタイマ割り込み処理の例を示すフローチャートである。
<メイン処理>
電源の投入により、CPU110aはS1で初期処理を行なう。ここではRAM110cが記憶しているデータの破損チェック、電源断時にRAM110cに退避したCPU110aのレジスタの記憶内容の復帰処理等を行なう。
S2では乱数カウンタの初期値を更新する処理を行ない、その後、電源断となるまでS2の処理を繰り返す。乱数カウンタはRAM110cの一部の記憶領域にカウント値を記憶することで行なうソフトウエアカウンタであり、その種類として「特図抽選用乱数カウンタ」、「特図変動時間抽選用乱数カウンタ」、「小当たり抽選用乱数カウンタ」、「普図変動時間抽選用乱数カウンタ」がある。これらのカウンタは一定の数値範囲で循環的に数値をカウントし、乱数の生成に使用する。初期値とはカウントが一巡したときに、次にカウントを開始する時の値を意味する。
例えば、0〜127の数値範囲で数値をカウントする場合であって、初期値が50であった場合、次のカウントは50、51...127、0...49となる。
「特図抽選用乱数カウンタ」は、大当たりの判定結果に基づき、特図表示装置32に表示する特別図柄の種類を、図16(a)に示した、図柄の中から抽選で選択するための乱数を生成するために使用する。
「特図変動時間抽選用乱数カウンタ」は、特図表示装置32に表示する特別図柄の変動時間を抽選で選択するための乱数を生成するために使用する。「小当たり抽選用乱数カウンタ」は、小当たりの判定を行うための乱数を生成するために使用する。本実施形態の場合、図16(b)に示したように、普図表示装置30が表示する普通図柄は当たり図柄と外れ図柄との2種類であるため、この判定結果により、普図表示装置30が表示する普通図柄の種類も定まる。「普図変動時間抽選用乱数カウンタ」は普図表示装置30に表示する普通図柄の変動時間を抽選で選択するための乱数を生成するために使用する。
<タイマ割り込み処理>
S11ではI/O110dの入力ポートから各種センサ114の検出結果を取得する。S12では乱数カウンタを更新する。乱数カウンタとは上述した、「特図抽選用乱数カウンタ」、「特図変動時間抽選用乱数カウンタ」、「小当たり抽選用乱数カウンタ」、「普図変動時間抽選用乱数カウンタ」であり、これらのカウント値を一つ加算する。また、カウントが一巡していた場合には、S2で更新した初期値にカウント値を更新する。
S13では始動入賞判定処理を行なう。ここでは、特図始動入賞口24及び25又は普図始動入賞口26への遊技球の入球の有無に関連する処理を行なう。詳細は後述する。S14では特図関連処理を行なう。ここでは、主として大当たりの判定や大当たり状態設定中の処理を行う。詳細は後述する。S15では普図関連処理を行なう。ここでは、主として小当たりの判定に関連する処理を行う。詳細は後述する。
S16ではS13乃至S15での処理結果に応じて副制御基板200へ制御コマンドを出力する。S17ではS13乃至S15での処理結果に応じてI/O110dの出力ポートから各デバイスへ制御信号を出力する。S18ではカウンタ更新処理を行なう。
カウンタ更新処理では時間を計時する各種カウンタのカウント値の更新等を行なう。時間を計時するカウンタの種類には、「特図変動時間カウンタ」、「普図変動時間カウンタ」、「可変入賞口開放時間カウンタ」、「大入賞口開放時間カウンタ」、「大入賞口開放待ちカウンタ」等がある。これらのカウンタは、RAM110cの一部の記憶領域にカウント値を記憶することで行なうソフトウエアカウンタである。
「特図変動時間カウンタ」は特図表示装置32に表示する特別図柄の変動時間を計時するカウンタである。「普図変動時間カウンタ」は普図表示装置30に表示する普通図柄の変動時間を計時するカウンタである。「可変入賞口開放時間カウンタ」は特図始動入賞口25の開放時間を計時するカウンタである。「大入賞口開放時間カウンタ」は大入賞口28の開閉部材28aを開放位置に位置させた状態の時間を計時するカウンタである。「大入賞口開放待ちカウンタ」は大入賞口28の開閉部材28aを開放位置に移動させるまでの待ち時間を計時するカウンタである。待ち時間はLCD34等による演出を行うための時間を確保するために設定される。S18のカウンタ更新処理の詳細は後述する。
S19ではS11で取得したI/O110dの入力ポートのデータのうち、電源断を検出する上記のセンサの検出結果を取得し、電源断か否かを判定する。該当する場合にはS20へ進み、該当しない場合は一単位のタイマ割り込み処理を終了する。S20では電源断時の処理を行なう。ここでは例えばCPU110aのレジスタの記憶内容をRAM110cに退避する処理等を行ない、処理が終了する。
<始動入賞判定処理>
次に、図10を参照してS13の始動入賞判定処理について説明する。図10は始動入賞判定処理のフローチャートである。S31ではS11で取得したI/O110dの入力ポートのデータに基づき、特図始動入賞口24及び25に対する入球が検出されたか否かを判定する。該当する場合はS32へ進み、該当しない場合はS36へ進む。
S32では特図抽選保留記憶数が規定数(例えば4)未満か否かを判定する。該当する場合はS33へ進み、該当しない場合はS36へ進む。なお、特図抽選保留記憶数はRAM110cの一部の記憶領域に記憶する。S33では特図抽選保留記憶数を更新する(一つ加算する)。また、更新後の特図抽選保留記憶数に応じて特図抽選保留記憶数表示装置33の表示データをI/O110dにセットする。S34ではカウンタ回路112から大当たり判定用の乱数を取得する。S35では、S34で取得した大当たり判定用の乱数、「特図抽選用乱数カウンタ」及び「特図変動時間抽選用乱数カウンタ」の各乱数(カウント値)を1セットにしてRAM110cの一部の特図乱数記憶領域に特図抽選保留乱数として記憶する。
S36ではS11で取得したI/O110dの入力ポートのデータに基づき、普図始動入賞口26に対する入球が検出されたか否かを判定する。該当する場合はS37へ進み、該当しない場合は一単位の始動入賞判定処理を終了する。
S37では普図抽選保留記憶数が規定数(例えば4)未満か否かを判定する。該当する場合はS38へ進み、該当しない場合は一単位の始動入賞判定処理を終了する。なお、普図抽選保留記憶数はRAM110cの一部の記憶領域に記憶する。S38では普図抽選保留記憶数を更新する(一つ加算する)。また、更新後の普図抽選保留記憶数に応じて普図抽選保留記憶数表示装置31の表示データをI/O110dにセットする。S30では、「小当たり抽選用乱数カウンタ」、「普図変動時間抽選用乱数カウンタ」の各乱数(カウント値)を1セットにしてRAM110cの一部の普図乱数記憶領域に普図抽選保留乱数として記憶する。その後、一単位の始動入賞判定処理を終了する。
<特図関連処理>
次に、図11及び図12を参照してS14の特図関連処理について説明する。図11及び図12は特図関連処理のフローチャートである。S41〜S50の処理は、主として大当たり状態が設定されている際の処理である。S41では遊技状態として大当たり状態が設定中か否かを判定する。該当する場合はS42へ進み、該当しない場合はS51へ進む。遊技状態はRAM110cの一部の記憶領域に設定したフラグのON、OFFにより設定する。
S42では大入賞口28を開放中か否かを判定する。該当する場合はS43へ進み、該当しない場合はS49へ進む。大入賞口28が開放中か否かはRAM110cの一部の記憶領域を用いた大入賞口開放中フラグがONかOFFかで判定する。
S43では大入賞口入賞数管理処理を行なう。ここでは大入賞口28への遊技球の入球数をカウントする処理を行なう。S44では大入賞口28の閉鎖条件が成立したか否かを判定する。該当する場合はS45へ進み、該当しない場合は一単位の特図関連処理を終了する。ここでは、S43の処理の結果、大入賞口28への遊技球の入球数が一定値に達した場合、又は、大入賞口28の開放時間が一定時間に達した場合(「大入賞口開放時間カウンタ」のカウント値が0の場合)に、閉鎖条件成立と判定する。
S45では大入賞口閉鎖処理を行なう。ここでは、大入賞口28を閉鎖すべく、I/O110dにデータをセットするといった処理を行なう。また、大入賞口開放中フラグをOFFにする。S46ではラウンド管理処理を行なう。ここでは大入賞口28の開放回数をカウントする処理、及び、開放回数が所定回数に達したか否かを判定する処理等を行なう。また、大入賞口28の開放回数が所定回数に達していない場合には、「大入賞口開放待ちカウンタ」に初期値を設定する。
S47ではS46の処理結果に応じて大当たり状態を終了するか否かを判定する。大入賞口28の開放回数が所定回数に達した場合に大当たり状態を終了する。該当する場合はS48へ進み、該当しない場合は一単位の特図関連処理を終了する。S48では遊技状態として特殊遊技状態を設定する。また、特殊遊技状態の設定に伴う設定を行なう。これには、特殊遊技状態の終了条件となる、特別図柄の確定表示回数の初期値の設定が含まれる。確定表示回数のカウント値はRAM110cの一部の記憶領域を利用した「表示回数カウンタ」により管理する。
S49では「大入賞口開放待ちカウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS50へ進み、該当しない場合は一単位の特図関連処理を終了する。S50では大入賞口開放処理を行なう。ここでは、大入賞口28を開放すべく、I/O110dにデータをセットするといった処理を行なう。また、「大入賞口開放時間カウンタ」に初期値をセットし、大入賞口開放中フラグをONにする。その後、一単位の特図関連処理を終了する。
S51〜S69の処理は、主に、通常遊技状態または特殊遊技状態において、特図の変動、大当たりの抽選に関する処理である。S51では「特図変動時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS52へ進み、該当しない場合はS56へ進む。S52では特図表示装置32に特別図柄を確定表示するための表示データをI/O110dにセットする。S56では特図表示装置32に特別図柄を変動表示するための表示データをI/O110dにセットする。
S53ではRAM110cの一部の記憶領域を用いた大当たりフラグがONか否かを判定する。該当する場合はS54へ進み、該当しない場合はS61へ進む。S54では大当たりフラグをOFFにする。S55では遊技状態として大当たり状態を設定する。また、「大入賞口開放待ちカウンタ」に初期値を設定する。
S61では特図抽選保留乱数がRAM110cに記憶されているか否かを判定する。該当する場合はS62へ進み、該当しない場合は一単位の特図関連処理を終了する。S62では、特図抽選乱数保留記憶更新処理を行なう。ここでは最古の特図抽選保留乱数を取得し、特図乱数記憶領域から消去する。また、特図抽選保留記憶数を一つ減算する。更に、更新後の特図抽選保留記憶数に応じて特図抽選保留記憶数表示装置33の表示データをI/O110dにセットする。
S63では大当たりの判定を行う。大当たりの判定は、S62で取得した特図抽選保留乱数の大当たり判定用の乱数と、ROM110bに記憶した大当たり抽選データとに基づき行なう。そして、大当たり判定用の乱数が大当たり抽選データで示された数値の範囲に含まれる場合に大当たり成立と判定する。
S64ではS63の大当たりの判定の結果、大当たり成立と判定した場合はS65へ進み、そうでない場合はS66へ進む。S65では大当たりフラグをONにする。S66では特図抽選を行う。特図抽選は大当たりフラグがONの場合とOFFの場合とで異なる。
大当たりフラグがONの場合の特図抽選は、最古の特図抽選保留乱数の「特図抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数と、ROM110bに記憶した大当たり時の特別図柄抽選データとに基づき行なう。つまり、大当たり成立を示す特別図柄の中からいずれかの特別図柄を抽選で選択する。
大当たりフラグがOFFの場合の特図抽選は、最古の特図抽選保留乱数の「特図抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数と、ROM110bに記憶した外れ時の特別図柄抽選データとに基づき行なう。つまり、外れを示す特別図柄の中からいずれかの特別図柄を抽選で選択する。
S67では変動パターン抽選処理を行う。ここでは変動パターンを抽選で選択して決定する。変動パターンはS66で選択した特別図柄の種類と、最古の特図抽選保留乱数の「特図変動時間抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数と、ROM110bに記憶した変動パターン抽選データとに基づき行なう。
変動パターンは、特図表示装置32が表示する特別図柄及びLCD34が表示する装飾図柄の組合せの変動時間を規定する。また、変動パターンはLCD34が表示する装飾図柄の組合せ、LCD34が表示する装飾図柄の組合せの変動時の表示内容(演出態様)を規定する。また、選択した変動パターンの種類はI/O110dにセットされ、副制御基板200へ出力することになる。
S68ではS67で選択した変動パターンに規定されている変動時間に応じて「特図変動時間カウンタ」の初期値を設定する。S69では特図表示装置32に特別図柄を変動表示するための表示データをI/O110dにセットする。
S70〜S73の処理は、主として特殊遊技状態の終了に関する処理である。S70では遊技状態として特殊遊技状態を設定中か否かを判定する。該当する場合はS71へ進み、該当しない場合は一単位の特図関連処理を終了する。S71では「表示回数カウンタ」を更新する。ここでは「表示回数カウンタ」のカウント値を一つ減算する(但し、0まで。)。S72では「表示回数カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS73へ進み、該当しない場合は一単位の特図関連処理が終了する。S73では遊技状態として通常遊技状態を設定する。その後、一単位の特図関連処理が終了する。
<普図関連処理>
次に、図13を参照してS15の普図関連処理について説明する。図13は普図関連処理のフローチャートである。S81では特図始動入賞口25が開放状態か否かを判定する。該当する場合はS82へ進み、該当しない場合はS84へ進む。特図始動入賞口25が開放状態か否かは、RAM110cの一部の記憶領域を用いた可変入賞口フラグがONかOFFかで判定する。
S82では「可変入賞口開放時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS83へ進み、該当しない場合は一単位の普図関連処理を終了する。S83では可変入賞口閉鎖処理を行なう。ここでは、特図始動入賞口25を規制状態とすべく、I/O110dにデータをセットするといった処理を行なう。また、可変入賞口フラグをOFFにする。
S84では「普図変動時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS85へ進み、該当しない場合はS90へ進む。S90では普図表示装置30に普通図柄を変動表示するための表示データをI/O110dにセットし、その後、一単位の普図関連処理を終了する。
S85ではRAM110cの一部の記憶領域を用いた小当たりフラグがONか否かを判定する。該当する場合はS86へ進み、該当しない場合はS91へ進む。S86では小当たりフラグをOFFにする。S87では「可変入賞口開放時間カウンタ」に初期値を設定する。S88では普図表示装置30に普通図柄を変動表示するための表示データをI/O110dにセットする。S89では可変入賞口開放処理を行う。ここでは、I/O110dの出力ポートに特図始動入賞口25を開放状態に変化させるデータをセットするといった処理を行なう。また、可変入賞口フラグをONにする。
S91では普図抽選保留乱数がRAM110cに記憶されているか否かを判定する。該当する場合はS92へ進み、該当しない場合は一単位の普図関連処理を終了する。S92では普図抽選乱数保留記憶更新処理を行なう。ここでは最古の普図抽選保留乱数を取得し、普図乱数記憶領域から消去する。また、普図抽選保留記憶数を一つ減算する。更に、更新後の普図抽選保留記憶数に応じて普図抽選保留記憶数表示装置31の表示データをI/O110dにセットする。
S93では小当りの判定を行う。小当たりの判定は、最古の普図抽選保留乱数の「小当たり抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数と、ROM110bに記憶した小当たり抽選データとに基づき行なう。抽選の方式は大当たり抽選の場合と同様である。S94ではS93の小当たりの判定の結果、小当たりと判定した場合はS95へ進み、そうでない場合はS96へ進む。S95では小当たりフラグをONにする。
S96では「普図変動時間カウンタ」に初期値を設定する。また、小当たりの判定結果及び普図変動時間を示す情報がI/O110dにセットされ、副制御基板200へ出力することになる。S97では普図表示装置30に普通図柄を変動表示するための表示データをI/O110dにセットする。以上により一単位の普図関連処理を終了する。
<カウンタ更新処理>
次に、図14を参照してS18のカウンタ更新処理について説明する。図14はカウンタ更新処理のフローチャートである。S101では「特図変動時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS105へ進み、該当しない場合はS102へ進む。
S102では「特図変動時間カウンタ」のカウント値を一つ減算する。S103では「特図変動時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS104へ進み、該当しない場合はS105へ進む。S104では副制御基板200へ図柄停止コマンドを送信する。副制御基板200はこのコマンドを受けてLCD34が表示する装飾図柄の変動を停止させることになる。
S105では「普図変動時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS107へ進み、該当しない場合はS106へ進む。S106では「普図変動時間カウンタ」のカウント値を一つ減算する。S107では「可変入賞口開放時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS109へ進み、該当しない場合はS108へ進む。S168では「可変入賞口開放時間カウンタ」を一つ減算する。
S109では「大入賞口開放時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS111へ進み、該当しない場合はS110へ進む。S110では「大入賞口開放時間カウンタ」を一つ減算する。S111では「大入賞口開放待ちカウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合は一単位のカウンタ更新処理を終了し、該当しない場合はS112へ進む。S112では「大入賞口開放待ちカウンタ」を一つ減算する。以上により一単位のカウンタ更新処理を終了する。
<演出の制御処理>
次に、副制御回路210のCPU210aが実行する処理の例について図15を参照して説明する。図15(a)はCPU210aが実行するメイン処理の例を示すフローチャート、図15(b)はカウンタタイマ210eからの割り込み信号を契機としてCPU210aが実行するタイマ割り込み処理の例を示すフローチャートである。
<メイン処理>
電源の投入により、CPU210aはS201で初期処理を行なう。ここではCPU210aのレジスタの初期設定等、副制御回路210全体の各種初期設定を行う。S202では主制御基板100からの制御コマンドに応じた処理を実行する。このコマンド処理では、例えば、予め定めた特定の制御コマンドの場合はスピーカ54から出力する音を設定する。また、出力する音に応じたLED55a、56aの点灯、消灯の駆動態様を設定する。これにより、演出装置50による上述した演出が実行されることになる。S203ではS202の処理結果に応じてI/O210dの出力ポートから各デバイスへ制御信号を出力する。その後、S202へ戻り、電源断まで同様の処理を繰り返す。
<タイマ割り込み処理>
S211では主制御基板100から制御コマンドを受信したか否かを判定する。該当する場合はS212へ進み、該当しない場合はS213へ進む。S212では受信した制御コマンドをRAM210cに保存する。S213ではRAM210cの一部の記憶領域を利用した各種のソフトウエアカウンタの更新処理を行なう。以上により一単位のタイマ割り込み処理が終了する。
<他の実施形態>
<ダクト60の収容形態>
上記実施形態では、ダクト収容部61にダクト60を導き、ダクト収容部61の正面にはカバー62とカバー45とを取り付ける構成とし、遊技者からダクト60が見えない構成としたが、ダクト60を部分的に遊技者に見せるようにすることで、遊技台Aの装飾効果を高められる。図18は、カバー62及びカバー45に代えてカバー63をダクト収容部61の正面に設けた例を示す分解斜視図である。
カバー63は透明の部材から構成される窓部63aを有しており、遊技者は窓部63aを介してダクト収容部61内に配設されているダクト60の一部(パーツ60bの一部)を見ることができる。なお、例えば、ダクト収容部61またはカバー63に照明装置を設けるようにし、このダクト60を常に照明するようにしてもよく、また、音楽に応じた照明パターンで照明するようにしてもよい。さらに、窓部63aにハーフミラーを設けて、照明装置の点灯・消灯によってダクト60を、見える、見せない、という演出を行うようにしてもよい。この演出は、照明装置の点灯・消灯を、LED55a、56aの点灯・消灯と連動させることで、スピーカ54等を見せる、見せない、という演出と連動させるようにしてもよい。
<演出装置の他の形態>
上記実施形態では演出装置50内に収容される演出体としてスピーカ54を採用した例について説明したが、演出体はスピーカ54以外のものも採用可能である。また、上記実施形態では、ハーフミラー53と背面部51aを合わせ鏡としたが、合わせ鏡を形成する組み合わせはこれに限られない。
図19(a)は演出装置50に代わる演出装置150の構成例を示す図である。演出装置150は、箱体151を備える。箱体本体151は、上面部151a、背面部151b、左側面部151c、右側面部151d及び底面部151eとから構成されており、その正面部が開放された中空で略直方体形状の箱体を構成している。箱体151は不透明な材料、例えば、不透明な樹脂材から構成される。
箱体151の開放した正面部全体は、箱体151の内部を遊技者が覗き込むための窓部となる。箱体151の開放した正面部には、ハーフミラー152が装着される。ハーフミラー152の装着により、箱体151の内部は囲包された空間となる。
箱体151の内部には、演出体として、模型153が収容されている。模型153は底面部151eに固定されている。箱体151の内部には、また、箱体151の内部を照明するLED154、155が配設される。LED154、155はそれぞれ、奥行き方向(正面→背面方向)に配列されている。
係る構成からなる演出装置150では、LED154、155の消灯時には箱体151内部が暗いため、ハーフミラー152はその正面視、つまり、遊技者から見ると鏡面となり、箱体151内部の模型153等は遊技者からは見えない。一方、LED154、155の点灯時には、箱体151内部が明るくなるため、ハーフミラー152を通して箱体151内部の模型153等が遊技者に見えることになる。
また、背面部151bの内側表面を鏡面とし、鏡面部を構成することで、ハーフミラー152と背面部151bとの間に模型153が配置されていることにより、ハーフミラー152と背面部151bとが合わせ鏡となって、模型153やLED154、155が奥行き方向に多数存在しているように遊技者に見せることができる。合わせ鏡は、ハーフミラー152を利用しなくともよく、箱体151の内部において互いに対峙する一対の鏡面部を設け、模型153をこれらの鏡面部の間に配置することで構成することができる。
例えば、上面部151aの内側表面、底面部151eの内側表面をそれぞれ鏡面として一対の鏡面部を構成することもできる。この場合、模型153等は上下方向に多数存在しているように遊技者に見せることができる。また、例えば、左側面部151cの内側表面、右側面部151dの内側表面をそれぞれ鏡面として一対の鏡面部を構成することもできる。この場合、模型153等は左右方向に多数存在しているように遊技者に見せることができる。
また、模型153を透明又は半透明とし、箱体151の内部を照明するLED154、155を模型153の内部に配置する構成も採用可能である。この場合、模型153が発光することになり、演出効果を高めることができる。
また、模型153を底面部151eから離間して配置し、かつ、模型153aを背面部151bに支持する構成も採用できる。図19(b)は演出体である模型153aが底面部151eから離間して配置し、かつ、模型153aを支持板153bを介して背面部151bに支持した構成例を示す図である。
同図の例において、支持板153bは背面部151bの中程に固定されており、正面側へ突出している。模型153aは支持板153b上に固定されており、これにより、底面部151eから離間して配置されている。係る構成の場合、例えば、背面部151bの内側表面を鏡面とし、鏡面部を構成することで、ハーフミラー152と背面部151bとを合わせ鏡とした場合、模型153aが宙に浮いて奥行き方向に多数存在しているように遊技者に見せることができ、演出効果を向上できる。
また、模型153は可動の模型であってもよく、当該可動の模型を駆動する駆動手段を更に演出装置に設けてもよい。
<特殊遊技状態の設定>
上記実施形態では、大当たり状態の終了後、特殊遊技状態が一律に設定されるようにしたが、大当たり状態が設定された時の、特図表示装置32により確定表示された特別図柄の種類に応じて、特殊遊技状態が設定されるようにしてもよい。また、上記実施形態では、大当たり状態が終了したことを条件として、特殊遊技状態を設定したが、特殊遊技状態の設定は抽選としてもよい。
<大当たりの抽選確率>
上記実施形態では大当たりの成立確率を一律としたが、いわゆる確変としてもよい。すなわち、大当たりの成立を示す図柄のうち、特定の図柄を確変図柄とし、これが確定表示されて大当たりが設定された場合には、次に大当たりが設定されるまで、大当たりの成立確率を高くすることもできる。
<他の遊技台への演出装置の適用>
上記実施形態では、パチンコ機Aに演出装置50、150を適用した例を示したが、他の種類の遊技台にも演出装置50、150を適用できる。図20はスロットマシンBに演出装置50又は150を適用する場合のその配置を説明する図である。
スロットマシンBの構成について概説すると、スロットマシンBは本体301と、本体301の前面に開閉可能に取り付けられた前面扉302と、を備える。本体301の中央内部には、外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール304、中リール305、右リール306)収納され、スロットマシンBの内部で回転できるように構成されている。これらのリール304乃至306は図示しないステッピングモータ等の駆動手段により回転駆動される。
リール304乃至306上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール304乃至306を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。
なお、スロットマシンB内部において各々のリール304乃至306の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示せず)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間を、リールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。スロットマシンBの制御部は、このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン307上に表示されるようにリール304乃至306を停止させる。
メダル投入ボタン308、309は、スロットマシンBに電子的に貯留されているメダルを所定の枚数分投入するためのボタンである。例えば、メダル投入ボタン308が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、メダル投入ボタン309が押下されると3枚投入されるようになっている。
スタートレバー310は、リール304乃至306の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入ボタン308、309を操作して、スタートレバー310を操作すると、リール304乃至306が回転を開始することとなる。ストップボタンユニット311には、各リール304乃至306に対応した3つのストップボタンが設けられている。各ストップボタンは、スタートレバー310の操作によって回転を開始したリール304乃至306を個別に停止させるためのボタン型のスイッチである。化粧板312は装飾用のパネルである。
しかして、スロットマシンBではスタートレバー310に対する操作によりリール304乃至306の回転が開始され、各ストップボタンの停止操作により対応するリール304乃至306が停止する。リール304乃至306により表示される、入賞ライン307上の図柄の組み合わせが予め定めた組み合わせの場合に遊技者に特典が与えられる。特典の内容は、メダルの払出、ボーナスゲームの開始等である。
なお、スロットマシンBの制御部は、スタートレバー310に対する操作があると、内部抽選を行い、入賞役の内部当選の当否を判定する。そして、内部抽選結果にしたがってリール304乃至306の停止制御を行なう。このため、何らかの入賞役に内部当選していなければ、これに対応する図柄の組み合わせが入賞ライン307上に揃って表示されることはない。
しかして、演出装置50又は150をスロットマシンBに適用する場合、その配置としては、P1乃至P4が挙げられる。P1はリール304乃至306の上方の位置であり、遊技者の注意を最も引き易く、演出効果が高い。P2、P3もリール304乃至306の上方の位置であるが、P2は左端の位置、P3は右端の位置である。P1に例えばLCD等を配置する場合には、配置スペースの都合からP2、P3に演出装置50又は150に配置することができる。P4は化粧板312の配設スペースの一部であり、スロットマシンBの上方、中程に配設スペースがない場合は、このP4の位置に演出装置50又は150を配置することができる。