JP2008237315A - ミシン - Google Patents
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Abstract
【課題】ボビンの下糸の残量変化を数値で監視し、下糸の残量を作業者に知らせる閾値をプログラム的に設定することで、下糸が減少していく段階を作業者に情報として戻すことができる、使用感の良好なミシンを提供する。
【解決手段】下糸残量検出装置21に、ボビン1側へ向けて光を照射する光源と、ボビン1側から反射される前記光源の光を受光して撮像する撮像素子を有するイメージセンサと、撮像素子の受光量総和を算出し光源に対する発光制御を行なう画像処理回路と、前記データをミシンの中央制御部へ送信する装置側制御部を備え、前記中央制御部に、下糸残量に関する1乃至複数の受光量総和の閾値が設定された、下糸Tの色調別の下糸残量閾値テーブルを備え、前記中央制御部において、前記画像処理回路において算出された受光量総和を下糸残量閾値テーブルの閾値と対比することにより、下糸の残量を検出する。
【選択図】図1
【解決手段】下糸残量検出装置21に、ボビン1側へ向けて光を照射する光源と、ボビン1側から反射される前記光源の光を受光して撮像する撮像素子を有するイメージセンサと、撮像素子の受光量総和を算出し光源に対する発光制御を行なう画像処理回路と、前記データをミシンの中央制御部へ送信する装置側制御部を備え、前記中央制御部に、下糸残量に関する1乃至複数の受光量総和の閾値が設定された、下糸Tの色調別の下糸残量閾値テーブルを備え、前記中央制御部において、前記画像処理回路において算出された受光量総和を下糸残量閾値テーブルの閾値と対比することにより、下糸の残量を検出する。
【選択図】図1
Description
本発明は、縫製作業に供されるボビンに巻回された下糸の残量を検出する下糸残量検出装置を備え、その検出結果に応じて、下糸の補給に関する情報等を作業者に提供する機能を備えたミシンに関する。
図8は、従来のミシンの下糸残量検出装置の一例における構成を示す断面図である(特許文献1参照)。
この従来例におけるミシンの下糸残量検出装置は、下糸Tが巻回されたボビン1の鍔部2に形成された抜孔3に向けて光照射可能に配設されるLED(発光ダイオード:Light-emitting Diode)と、抜孔3を塞ぐ下糸Tと鍔部2とにより反射される反射光を受光するフォトトランジスタと、フォトトランジスタから送出される信号に基づき、下糸Tが所定の巻回量以下になったことを検出して、警報を発する電気回路とを備えた検知器12を備えている。前記検知器12は、ミシンの針板4にボビン1の鍔部2と平行となるように配設された取付板13に、ボビン1の鍔部2に対向しつつ直線的に移動可能に保持されている。なお、図8中、符号5はミシンの内釜、符号6はミシンの外釜である。
そして、このように構成されたミシンの下糸残量検出装置11は、前記取付板13に保持された検知器12をボビン1の鍔部2に対向させつつ直線的に移動させ、その配設位置において、LEDから照射された光が、回転するボビン1の鍔部2の表面や抜孔3を塞ぐ下糸Tにおいて反射してフォトトランジスタに受光される際の電圧変動を監視する。すなわち、ボビン1に下糸が十分に巻回されているときは、LEDからの照射光は、鍔部3においては鍔部3の表面により、抜孔2においては抜孔2を塞ぐようにして露呈する下糸Tにより反射されて、フォトトランジスタに受光されるので、フォトトランジスタの出力の電圧変動が小さい。下糸Tが消費され、その巻回量が抜孔3の位置よりもボビン1の軸寄りとなり、抜孔3が通し状態となると、LEDからの照射光は、鍔部3においては鍔部3の表面において反射されるが、抜孔2においては抜孔2を塞ぐ下糸Tによって反射されなくなるため、フォトトランジスタの受光量に差が生じ、その出力の電圧変動が大きいものとなる。このような電圧変動の差を監視し、下糸が所定量以下になったことを検出して、警報を発する。
しかしながら、前述の下糸残量検出装置11は、前記取付板13に保持された検知器12を移動させた位置に対向するボビン1内の下糸Tの巻回の有無を判断するものであるので、ボビン1に巻回する下糸Tの太さに応じて、前記検知器12の配設位置を機械的に調整する必要があり、煩雑となる。すなわち、下糸Tの直径(太さ)で判断すると、直径が太い糸の方が細い糸に比べて、ボビン1の軸周りに巻回可能な巻回量は少なくなる。よって、糸の太さが変わるたびに、検知器12の配置位置を機械的に調節する必要があり、ミシンを扱う上での準備操作が煩雑である。しかも、その配置位置の調整は作業者の目検討や経験に基づいて行われることとなるため、時間やミシンを異ならせれば、同じ下糸Tを用いる場合であっても、同様の設定ができるとは限らない。
さらに、受光の有無を判断可能なフォトトランジスタは、下糸の色の変化や、外部照明などの影響を受けやすく、誤認識する場合もあり、検出精度の低下を招く原因となりやすい。
そこで、本発明は、ボビンの下糸の残量変化を数値で監視し、しかも、その残量変化の過程に於いて下糸の残量を作業者に知らせる契機となる閾値をプログラム的に設定することで、機械的な調整を要せず、下糸が減少していく段階を細かく判断し、作業者に情報として戻すことができる、使用感の良好なミシンを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に係るミシンは、ミシンの内釜に配設されるボビンに巻回された下糸の残量を検出する下糸残量検出装置を備えたミシンにおいて、前記下糸残量検出装置は、ボビン側へ向けて光を照射する光源と、ボビン側から反射される前記光源の光を受光して撮像する撮像素子を有するイメージセンサと、前記撮像素子の受光量総和を算出して、対応するデータにするとともに、前記光源に対する発光制御を行なう画像処理回路と、前記データをミシンの中央制御部へ送信する装置側制御部と、を有し、前記中央制御部は、下糸残量に関する1乃至複数の受光量総和の閾値である、下糸の色調別の下糸残量閾値を記憶し、前記中央制御部において、前記画像処理回路において算出された受光量総和を前記下糸残量閾値と対比することにより、下糸の残量を検出することを特徴とする。
また、本発明の請求項2に係るミシンは、請求項1に記載のミシンにおいて、前記ボビンは、金属により形成されており、該ボビンに巻回される下糸を露呈させる抜孔が形成された鍔部が前記下糸残量検出装置に対向配置されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項3に係るミシンは、請求項1に記載のミシンにおいて、光を透過させる透明な樹脂からなる前記ボビンの鍔部が前記下糸残量検出装置に対向配置されていることを特徴とする。
さらに、本発明の請求項4に係るミシンは、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のミシンにおいて、前記中央制御部に記憶される下糸残量閾値の設定を調整可能な、閾値設定手段を備えていることを特徴とする。
さらに、本発明の請求項5に係るミシンは、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のミシンにおいて、前記ボビンに巻回された下糸の残量を表示可能な残量表示手段を備えていることを特徴とする。
請求項1に係るミシンによれば、ボビンに巻回された下糸の残量変化を数値で監視し、しかも、その残量変化を閾値を用いてプログラム的に設定することで、下糸が減少していく段階を細かく判断することができる。
すなわち、撮像素子が受光する下糸に反射する光(受光量)の変化を観察することにより、下糸の縫製に供した量に伴う残量変化を検出することができ、受光量を閾値と対比することで、巻回量をも判別することができる。
具体的には、請求項2または請求項3に係るミシンのように、前記ボビンとして、白色金属からなり、該ボビンに巻回される下糸を露呈させる抜孔が形成された鍔部を有するボビン、あるいは、光を透過させる透明樹脂からなる鍔部を有するボビンの前記鍔部を前記下糸残量検出装置に対向配置させることで、前記下糸残量検出装置は下糸に反射する光を撮像素子に受光することができる。
そして、請求項4に係るミシンによれば、閾値を調整可能とすることで、さらに下糸の色調や太さに対応し、下糸残量の管理を作業者の所望通りにカスタマイズすることが可能となり、請求項5に係るミシンによれば、下糸残量やその変化を目視で確認することができるので、使用感が良好となる。
本発明のミシンを図1乃至図7に基づいて説明する。
本実施形態のミシンは、図1に示すように、外釜6とその内側に回転自在に配設された内釜5とからなる水平釜を、ミシンベッド内となる、ミシンテーブルに配設された針板4の下方に備えるとともに、内釜5内に配置されたボビン1に巻回された下糸Tの残量を検出する下糸残量検出装置21を備えている。
前記下糸残量検出装置21は、前記針板4の裏側であって前記内釜5内に配置されるボビン1の上方となる対向位置に配設されたイメージセンサユニット22を有している。
前記イメージセンサユニット22は、図2に示すように、前記ボビン1の表面へ向けて光を照射する光源23と、前記光の反射光を集光し、後述の撮像素子において画像処理用の適当なサイズの画像として結像させるためのレンズ24と、該レンズ24を通して結像された画像を撮像するための撮像素子からなるイメージセンサ25を備え、該イメージセンサ25において撮像された画像を演算処理する画像処理回路26とを備えている。
前記光源23としては、電圧検出の確実性の観点から、赤色LEDのような高輝度光源23を用いることが好ましい。また、前記イメージセンサ25の撮像素子は画素が30×30ドット(900ドット)の矩形に配列されており、本実施形態においては、各画素において画像を64階調の白黒の画像データとして認識することで撮像する。本実施形態において、前記イメージセンサ25はボビン1の軸の一側方における、ボビン1の鍔部2に形成された各抜孔3の全領域を包含する領域(図3中に点線で示す)において反射した反射光を、レンズ24を介して、所定の大きさで撮像素子に結像させる。また、前記画像処理回路26としては、積和演算の高速処理や、リアルタイムでのデジタル画像処理に好適なデジタルシグナルプロセッサを用いることが好ましい。
また、イメージセンサユニット22は、前記画像処理回路26において演算処理されたデータを、ミシンの中央制御部(ミシンCPU)7に送信する処理を行なう装置側制御部(検出器CPU)27を備えている。前記画像処理回路26は光源23と接続され、光源23から光照射と撮像処理のタイミング制御をも行なうようになっている。
そして、本実施形態のミシンの中央制御部7は、ミシン全体の駆動制御を行なう中で、下糸残量検出に関しては、下糸Tの色調に応じて、前記画像処理回路26において演算処理されたイメージセンサ25における受光量総和に関するデータに基づいて下糸Tの残量を判断し、閾値として設定された、次の作動(駆動)を要する下糸Tの残量となった場合には、予め設定した次の作動(駆動)を実行する制御を行なう。
すなわち、前記中央制御部7はEEPROM等の記憶部を備え、前記記憶部には下糸Tの色調に応じた1乃至複数の下糸残量閾値がテーブル(以下、閾値テーブル)として記憶されている。この閾値テーブルについては、後述する。
そして、本実施形態のミシンは、中央制御部7に接続され、該中央制御部7に記憶されている下糸Tの残量の閾値の設定個数やその閾値の数値を調整するための閾値設定手段8と、中央制御部7に接続され、中央制御部7からの指令によって、前記下糸残量を作業者に知らせるための残量表示手段9とを備えている。
閾値設定手段8は、例えば、閾値の設定個数や数値を設定入力可能な操作パネル及びその設定内容を確認可能な液晶パネル等の表示装置とする。残量表示手段9は、例えば、複数個のLEDを配列させてなり、下糸Tの残量に合わせてその点灯個数が可変するように設計されたゲージライトとする。本実施形態においては、後述するように、各閾値テーブルに記録された閾値の個数は3つとされているので、前記ゲージライトのLEDの配設個数も3個とし、1つ目の閾値(閾値1)に到ったときに、1個目のLEDが消灯(あるいは点灯)し、2つ目の閾値(閾値2)に到ったときに、2個目のLEDが消灯(あるいは点灯)し、3つ目の閾値(閾値3)に到ったときに、3個目のLEDが消灯(あるいは点灯)するように前記中央制御部7によって制御する。なお、前記残量表示手段9として、閾値設定手段8において使用される表示装置を兼用し、該表示装置にゲージや数値で残量を表示するようにしてもよい。
次に、本実施形態のミシンにおいて使用するボビン1について説明する。
ボビン1は、ミシンの内釜5に配設された回転軸を嵌挿させる中空の軸の長手方向両端部に形成された一対の鍔部2を有する、例として白色の金属製のボビン1であって、少なくとも、前記イメージセンサユニット22に対向させて配設される鍔部2には1つ以上の抜孔(図3に示すボビン1においては、抜孔は2つ)3が形成されている。この抜孔3は前記軸に巻回された下糸Tを目視可能に露呈させることを目的として、前記鍔部2に穿設されている。なお、鍔部2に抜孔3を2個以上形成する場合には、図3に示すように、各抜孔3をボビン1の軸中心を中心点とする円周上に等間隔で形成する。
ここで、前記閾値テーブルについて説明する。
本実施形態においては、中央制御部7の記憶部には淡色用、中間色、濃色用の3つの閾値テーブル(それぞれ閾値テーブル1乃至3)が記憶されている。
閾値テーブル1乃至3には、ボビン1に巻回された下糸Tの残量が満巻回時に対する略80%となったことを検知するための下糸残量閾値(以下単に、閾値という)1、同じく略50%となったことを検知するための閾値2、そして、同じく略5%となったことを検知するための閾値3の3段階の閾値がそれぞれ設定されており、下糸残量を示す前記各閾値は、前記画像処理回路26において演算処理されたイメージセンサ25における受光量総和の値に基づき、例えば、表1に示すような数値で基本設定されている。
つまり、白糸などの淡色の糸において反射した光の受光量は大きな値となり、黒糸などの濃色の糸において反射した光の受光量は小さな値となる。また、下糸Tが存在せず、全くの開口となった抜孔3内の空洞部は、濃色の糸において反射した光の受光量が示す値よりも小さく、0に近い値となる。このことに鑑み、同じように残量が略80%となったことを判断するための閾値1の値であっても、淡色用の閾値テーブル1の閾値1と、濃色用の閾値テーブル3の閾値1とでは、淡色用の閾値テーブル1の閾値1の方が大きな値で設定されている。なお、残量が5%以下となったことを判断するための閾値3については、下糸Tの色調に拘わらず、抜孔3内の空洞部に照射された光の反射光は全く得られないという点においては変わりないためである。よって、閾値3については、閾値テーブル1乃至3の各テーブルにおいて、同値に設定されている。
そして、本実施形態においては、前記閾値設定手段8から、各閾値テーブル1乃至3の選択と、さらには、この各閾値テーブル1乃至3に設定された閾値の設定個数や各閾値を変更可能とされている。
例えば、淡色とも、中間色とも判別をつけにくい色の下糸Tを使用する場合に、淡色用の閾値テーブル1に予め設定された閾値1及び閾値2に関し、それぞれ中間色用の閾値テーブル2に設定された閾値1及び閾値2に近づけた値を設定するような場合が考えられる。
次に、このような構成を有する本実施形態のミシンのボビン1に巻回された下糸残量検出について説明する。
本実施形態については、白糸が満巻回状態とされたボビン1を使って縫製作業をすすめる場合を以て説明する。
作業者は、ミシンの縫製作業開始前に、ミシンの閾値設定手段8より、使用する下糸Tの色調にあわせて、淡色用、中間色、濃色用の3つの閾値テーブルのうち、いずれかのテーブルを選択する。
本実施形態においては、白色の下糸Tを用いるので、淡色用閾値テーブルを選択する操作を行なう。なお、本実施形態においては、基本設定の通りの閾値で、下糸残量を表示することとするが、仮に、設定内容を変更する場合には、この段階で設定を変更する。
ミシンが駆動され、縫製が開始されると、ミシンの中央制御部7からの指令により、画像処理回路26においては、光源23からボビン1に巻回された下糸Tの撮像を得るための光を照射する。同時に、イメージセンサには回転するボビン1の表面の画像が所定のタイミング(500マイクロセック)で撮像され、前記画像処理回路26において演算処理されたデータは信号化され、装置側制御部27を介して、ミシンの中央制御部7へ送信される。
その際、イメージセンサ25における抜孔付近の撮像は、ボビン1に十二分に下糸Tが巻回されており、ボビン1の抜孔3を下糸Tが全て埋めている状態では、ボビン1の表面および下糸Tに反射した光がイメージセンサ25に受光されるので、図4(A)に示すような画像となり、演算処理された受光量総和も大きなものとなる。また、回転するボビン1の抜孔3が形成されていない表面の撮像は、ボビン1の表面に反射した光がイメージセンサ25に受光されるので、図4(A)に示す画像と類似の画像(抜孔3を表す円を省略した画像)となり、演算処理された受光量総和も大きなものとなる。よって、ミシンの中央制御部7へ送信される信号は図4(B)に示すような、受光量総和が大きい状態(高受光状態)が続く波形となる。
縫製作業の進行に伴い、ボビン1に巻回された下糸Tが消費されてくると、ボビン1の抜孔3に下糸Tによっては埋められない空洞部10が形成されてくる。その状態では、空洞部10に照射された光は反射されないため、イメージセンサ25では受光されない。よって、イメージセンサにおける抜孔3付近の撮像は、図5(A)に示すような画像となり、演算処理される受光量総和は若干減少する。また、ボビン1の、抜孔3が形成されていない表面の撮像は、ボビン1の表面において反射した光がイメージセンサ25に受光されるので、図4(A)に示す画像と類似の画像(抜孔3を表す円を省略した画像)となり、演算処理された受光量総和は大きなものとなる。
よって、ミシンの中央制御部7へ送信される信号は、図5(B)に示すような、受光量総和が大きい状態(高受光状態)と、受光量総和が若干減少した状態(高中受光状態)が連続する波形となる。
ミシンの中央制御部7においては、前記信号として送信されてくる受光量総和と、該淡色用の閾値テーブル1に設定された閾値の受光量総和とを対比する観察を続けている。このとき、閾値1に設定された受光量総和に到ったことが検出された段階で、前記残量表示手段9として形成されたLEDを1つ消灯(あるいは点灯)させる制御を行なう。
このように、残量表示手段9のLEDが1つ消灯(あるいは点灯)したことにより、作業者は、下糸Tの残量が閾値1に設定された残量、すなわち、満巻回時の略80%となったことを知ることができる。
なお、下糸残量に応じた次の制御、例えば、残量表示手段9のLEDの消灯(あるいは点灯)を行なう等のタイミングとしては、設定された閾値に到ったことが最初に検出された段階を契機としてもよいし、複数回検出された段階を契機としてもよい。
縫製作業の進行に伴い、さらに、ボビン1に巻回された下糸Tが消費されてくると、ボビン1の抜孔3に形成される空洞部10の面積は大きくなってくる。よって、イメージセンサ25における抜孔3付近の撮像は、図6(A)に示すような画像となり、演算処理されるイメージセンサ25の受光量総和はさらに減少する。また、回転するボビン1の抜孔3が形成されていない表面の撮像は、ボビン1の表面において反射した光がイメージセンサ25に受光されるので、図4(A)に示す画像と類似の画像(抜孔3を表す円を省略した画像)となり、演算処理された受光量総和は相変わらず大きい。
よって、ミシンの中央制御部7へ送信される信号は、図6(B)に示すような、受光量総和が大きい状態(高受光状態)と、受光量総和がさらに減少した状態(中受光状態)が連続する波形となる。
ミシンの中央制御部7においては、前記信号として送信されてくる受光量総和と、該淡色用の閾値テーブル1に設定された閾値の受光量総和とを対比する観察を続けているが、このとき、閾値2に設定された受光量総和に到ったことが検出された段階で、前記残量表示手段9として形成されたLEDをさらに1つ消灯(あるいは点灯)させる制御を行なう。
このように、残量表示手段9のLEDが2つ消灯(あるいは点灯)したことにより、作業者は、下糸Tの残量が閾値2に設定された残量、すなわち、満巻回時の略50%となったことを知ることができる。
さらなる縫製作業の進行に伴い、ボビン1に巻回された下糸Tが消費されると、ボビン1の抜孔3を塞ぐ下糸Tが無くなり、下糸Tに代わって空洞部10によって占められてくる。よって、イメージセンサ25における抜孔3付近の撮像は、図7(A)に示すような画像となり、演算処理されたイメージセンサ25の受光量総和は減少する。また、回転するボビン1の抜孔3が形成されていない表面の撮像は、ボビン1の表面において反射した光がイメージセンサ25に受光されるので、図4(A)に示す画像と類似の画像(抜孔3を表す円を省略した画像)となり、演算処理された受光量総和は相変わらず大きい。
よって、ミシンの中央制御部7へ送信される信号は、図7(B)に示すような、受光量総和が大きい状態(高受光状態)と、受光量総和がさらに減少した状態(中低受光状態)が連続する波形となる。
ミシンの中央制御部7においては、前記信号として送信されてくる受光量総和と、該淡色用の閾値テーブル1に設定された閾値の受光量総和とを対比する観察を続けているが、このとき、閾値3に設定された受光量総和に到ったことが検出された段階で、前記残量表示手段9として形成されたLEDをさらに1つ消灯(あるいは点灯)させる制御を行なう。
このように、残量表示手段9のLEDが3つ消灯(あるいは点灯)したことにより、作業者は、下糸Tの残量が閾値2に設定された残量、すなわち、満巻回時の略5%となったことを知ることができる。
このように、本実施形態のミシンにおいては、イメージセンサ25に撮像される画像から算出した受光量総和を数値で表し、その数値に閾値を設けることにより、下糸Tの残量を判断することができる。そして、閾値を複数設けることで、段階的な下糸残量の減少を把握することができるので、下糸Tの残量に合わせた縫製作業を進めることが可能となる。
つまり、縫製中にボビン1に巻回された下糸Tの残量を常に検知しているために、その巻回量が閾値に達すると、作業者に下糸Tの残量変化を知らせることができるので、下糸切れ等の問題を解消し、美しい縫製を可能となる。
また、本実施形態の下糸残量検出装置21には可動部がないので、物理的な故障の心配が無く、信頼性が高い。
そして、閾値の設定個数や閾値とする数値を調整可能とすることで、下糸Tの色調や太さ等を考慮した細かな制御を行うことが可能となる。
なお、本実施形態においては、当初より満巻回とされたボビン1を用いた場合を以て説明したが、本発明のミシンは、当初の下糸Tの巻回量が満巻回時の約50%であっても、下糸残量検出装置21によってその下糸残量を検出することができる。すなわち、本発明のミシンは、制御開始時の下糸Tの巻回量を基準として、下糸Tの消費を検出するものではないので、ボビン1に下糸Tを残したままの状態でミシンの主電源を投入した場合であっても、下糸Tの残量の検出は適切になされる。
また、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態においては、ボビン1は鍔部2に抜孔3を有しており、その抜孔3を利用して下糸Tの残量を検出しているが、ボビン1の鍔部2が透明であって、巻回された下糸Tの上面からの撮像が可能であれば、前記抜孔3は不要である。
また、本実施形態においては、縫製作業中、すなわち、ボビン1の回転中に下糸残量を検出する制御としたが、撮像をボビン1の回転の停止時に行なう制御としてもよい。その場合において、ボビン1の鍔部2は透明であれば、巻回された下糸Tの上面からの撮像は特別な制御の追加無しに可能である。
T 下糸
1 ボビン
2 鍔部
3 抜孔
4 針板
5 内釜
6 外釜
7 中央制御部
8 閾値設定手段
9 残量表示手段
10 空洞部
21 下糸残量検出装置
22 イメージセンサユニット
23 光源
24 レンズ
25 イメージセンサ(撮像素子)
26 画像処理回路
27 装置側制御部
1 ボビン
2 鍔部
3 抜孔
4 針板
5 内釜
6 外釜
7 中央制御部
8 閾値設定手段
9 残量表示手段
10 空洞部
21 下糸残量検出装置
22 イメージセンサユニット
23 光源
24 レンズ
25 イメージセンサ(撮像素子)
26 画像処理回路
27 装置側制御部
Claims (5)
- ミシンの内釜に配設されるボビンに巻回された下糸の残量を検出する下糸残量検出装置を備えたミシンにおいて、
前記下糸残量検出装置は、
ボビン側へ向けて光を照射する光源と、
ボビン側から反射される前記光源の光を受光して撮像する撮像素子を有するイメージセンサと、
前記撮像素子の受光量総和を算出して、データにするとともに、前記光源に対する発光制御を行なう画像処理回路と、
前記データをミシンの中央制御部へ送信する装置側制御部と、
を有し、
前記中央制御部は、下糸残量に関する1乃至複数の受光量総和の閾値である、下糸の色調別の下糸残量閾値を記憶し、
前記中央制御部において、前記画像処理回路において算出された受光量総和を前記下糸残量閾値と対比することにより、下糸の残量を検出することを特徴とするミシン。 - 前記ボビンが金属により形成されており、該ボビンに巻回される下糸を露呈させる抜孔が形成された鍔部が前記下糸残量検出装置に対向配置されていることを特徴とする請求項1に記載のミシン。
- 光を透過させる樹脂からなる前記ボビンの鍔部が前記下糸残量検出装置に対向配置されている請求項1に記載のミシン。
- 前記中央制御部に記憶される下糸残量閾値の設定を調整可能な、閾値設定手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のミシン。
- 前記ボビンに巻回された下糸の残量を表示可能な残量表示手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のミシン。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN106461567A (zh) * | 2014-03-28 | 2017-02-22 | 世联股份有限公司 | 缺陷检测装置以及缺陷检测方法 |
CN107287780A (zh) * | 2017-08-14 | 2017-10-24 | 标准缝纫机菀坪机械有限公司 | 一种缝纫机立式旋梭的底线检测装置及其检测方法 |
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2007
- 2007-03-26 JP JP2007079042A patent/JP2008237315A/ja active Pending
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CN106461567A (zh) * | 2014-03-28 | 2017-02-22 | 世联股份有限公司 | 缺陷检测装置以及缺陷检测方法 |
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KR101708451B1 (ko) * | 2014-12-22 | 2017-02-23 | 그린정보통신(주) | 밑실 잔량 검사 시스템 및 방법 |
CN107287780A (zh) * | 2017-08-14 | 2017-10-24 | 标准缝纫机菀坪机械有限公司 | 一种缝纫机立式旋梭的底线检测装置及其检测方法 |
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